説明

ディスクアレイ装置及びその制御方法

【課題】複数のディスク装置の温度上昇を効率的に抑制できるディスクアレイ装置及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】ディスクアレイ装置10は、複数のディスク装置1と、複数のディスク装置1の温度を夫々検出する温度検出手段3と、温度検出手段3により検出された複数のディスク装置1の温度に基づいて、複数のディスク装置1へのアクセスを制御するアクセス制御手段4と、を備える。アクセス制御手段4は、温度検出手段3により検出された複数のディスク装置1の温度に基づいて、複数のディスク装置1の中から、最高温T1のディスク装置1と、2番目に高温T2のディスク装置1とに対するアクセスを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のディスク装置を制御するディスクアレイ装置及びその制御方法に関し、より詳細には、複数のディスク装置の温度上昇を効率的に抑制できるディスクアレイ装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、小径ディスク装置を一つの筐体内に高密度に搭載したディスクアレイ装置が用いられている。このディスクアレイ装置は、主にディスク装置を複数組み合わせて使用することで、高性能及び高信頼性を確保している。しかしながら、ディスク装置の信頼性は熱により左右され、通常、常温から温度が上昇するのに伴って、信頼性が悪化する傾向にある。また、ディスクアレイ装置は、複数のディスク装置を高密度に搭載するため、ディスク装置からの発熱により高温になり易いという問題を抱えている。
【0003】
この問題を解決すべく、例えば、磁気ディスク装置の温度に基づいて、送風ファンの送風を制御して、磁気ディスク装置の冷却を行うディスクアレイ装置が知られている(特許文献1参照)。また、送風ファンにより生じた冷却風によりディスクドライブアレイを冷却するディスクアレイ装置が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−187975号公報
【特許文献2】特開2008−16137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のディスクアレイ装置においては、各ディスク装置の配置による放熱効果の差、各ディスク装置に対する負荷、等に起因して、ディスク装置毎に温度むらが発生しており、当該装置全体で効率的な冷却を行うことが困難となるという問題が生じている。この問題を解決すべく、上記特許文献1及び2に示すディスクアレイ装置において、送風ファンによりディスク装置の冷却を行っているが、送風ファン等の冷却手段の性能に大きく依存するため、各ディスク装置の温度上昇を効率的に抑制できるとは言い難い。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、複数のディスク装置の温度上昇を効率的に抑制できるディスクアレイ装置及びその制御方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、複数のディスク装置と、該複数のディスク装置の温度を夫々検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、該複数のディスク装置へのアクセスを制御するアクセス制御手段と、を備えるディスクアレイ装置であって、前記アクセス制御手段は、前記温度検出手段により検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、前記複数のディスク装置の中から、最高温の前記ディスク装置と、2番目に高温の前記ディスク装置とに対するアクセスを抑制する、ことを特徴とするディスクアレイ装置である。
【0007】
他方、上記目的を達成するための本発明の一態様は、複数のディスク装置の温度を夫々検出する温度検出工程と、前記温度検出工程で検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、該複数のディスク装置へのアクセスを制御するアクセス制御工程と、を含むディスクアレイ装置の制御方法であって、前記アクセス制御工程において、前記温度検出工程で検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、前記複数のディスク装置の中から、最高温の前記ディスク装置と、2番目に高温の前記ディスク装置とに対するアクセスを抑制する、ことを特徴とするディスクアレイ装置の制御方法であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のディスク装置の温度上昇を効率的に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施形態を挙げて説明する。
(第1実施形態)
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の機能ブロックの一例である。図1に示すように、本実施形態に係るディスクアレイ装置10は、複数のディスク装置1と、複数のディスク装置1の温度を夫々検出する複数の温度検出手段3と、各温度検出手段3により検出された複数のディスク装置1の温度に基づいて、複数のディスク装置1への書込み、読出し等のアクセスを制御するアクセス制御手段4と、を備えている。アクセス制御手段4は、温度検出手段1により検出された複数のディスク装置1の温度に基づいて、複数のディスク装置1の中から、最高温T1のディスク装置1と、2番目に高温T2のディスク装置1と、に対するアクセスを抑制する。これにより、最高温T1のディスク装置1及び2番目に高温T2のディスク装置1の温度上昇を抑制して、複数のディスク装置1間の温度ムラを効果的に抑制できる。したがって、ディスクアレイ装置10全体の温度上昇をより効率的に抑制することができる。
【0011】
図2は、本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係るディスクアレイ装置10は、所謂RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)により構成されており、複数のディスク装置1をまとめて1台のディスクシステムとして制御するものである。これにより、データを各ディスク装置1に分散して記録し高速化及び信頼性向上を図ることができる。
【0012】
本実施形態に係るディスクアレイ装置10は、複数(例えば、4台)のディスク装置1と、複数のディスク装置1の温度を夫々検出する複数の温度センサ3と、複数のディスク装置1への書込み、読出し等のアクセスを制御するコントローラ部4と、を備えている。
【0013】
複数のディスク装置1は、RAID構成(冗長化構成)されており、コントローラ部4に接続されている。また、各ディスク装置1は、例えば、筺体内に光学式又は磁気式のディスクが複数配列されてなり、任意の情報を書き込み或いは読み出すことが可能である。
【0014】
複数の温度センサ(温度検出手段)3は、複数のディスク装置1に夫々設けられており、各ディスク装置1内の温度を検出することができる。また、各温度センサ3は、コントローラ部4に接続されており、検出した各ディスク装置1の温度を、コントローラ部4に対して出力する。
【0015】
コントローラ部(アクセス制御手段)4は、複数のディスク装置1への書込み、読出し等のアクセスを制御して、所謂RAID制御を行う。ここで、RAID制御は、複数のディスク装置1を並列的に制御する周知技術であるため、詳細な説明は省略する。また、コントローラ部4は、例えば、制御処理、演算処理等と行うCPU(Central Processing Unit)4aと、CPU4aによって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)4bと、処理データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)4cと、を有するマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。
【0016】
コントローラ部4は、各温度センサ3により検出された各ディスク装置1の温度tに基づいて、例えば、各ディスク装置1内部における一定期間(一週間程度等)の平均温度Tを算出し、RAM4cに逐次記憶する。なお、コントローラ部4は、算出した平均温度Tを、ハードディスク装置等の外部記憶装置に記憶させてもよい。
【0017】
コントローラ部4は、RAM4cに記憶された各ディスク装置1の平均温度Tを相互に比較して、複数のディスク装置1の中から、平均温度Tが最高温T1となるディスク装置1を抽出する。また、コントローラ部4は、抽出した最高温T1のディスク装置1をRAM4cに記憶、設定する。
【0018】
コントローラ部4は、例えば、RAM4cに設定された最高温T1のディスク装置1へのアクセスを停止し、最高音T1のディスク装置1の温度を集中的に降下させる。これにより、複数のディスク装置1の温度上昇を分散させ、各ディスク装置1間の温度ムラを効果的に抑制できる。したがって、冷却装置等に依存すること無く、ディスクアレイ装置10全体の温度上昇を効率的に抑制することができる。
【0019】
ここで、コントローラ部4は、最高温T1のディスク装置1に対してアクセスする代わりに、例えば、他のディスク装置1に対してアクセスを行い、必要なデータの書込み、読出し等を行うことができる。これは、上述の如く、複数のディスク装置1が冗長化されたRAID構成であるために可能となる。
【0020】
また、一定時間経過後に、コントローラ部4は、RAM4cに記憶された各ディスク装置1の平均温度Tを比較して、RAM4cに設定された最高温T1のディスク装置1が変わったと判断した場合、その変更となった最高温T1のディスク装置1を、RAM4cに再設定し、このディスク装置1へのアクセスを停止する。これにより、最高温T1となるディスク装置1の温度上昇を常時抑制し、ディスクアレイ装置10全体の温度上昇を効率的に抑制できる。
【0021】
さらに、コントローラ部4は、RAM4cに記憶された各ディスク装置1の平均温度Tを相互に比較して、複数のディスク装置1の中から、平均温度Tが最高温T1となるディスク装置1と、2番目に高温T2(T1>T2)となるディスク装置1と、を抽出するのがより好ましい。コントローラ部4は、抽出した最高温T1のディスク装置1及び2番目に高温T2のディスク装置1を、RAM4cに記憶、設定する。コントローラ部4は、例えば、RAM4cに設定された最高温T1のディスク装置1及び2番目に高温T2のディスク装置1へのアクセスを停止し、これら高温となるディスク装置1の温度を集中的に降下させる。これにより、複数のディスク装置1の温度上昇をより効率的に分散させ、複数のディスク装置1間の温度ムラをより効果的に抑制できる。したがって、冷却装置等に大きく依存すること無く、ディスクアレイ装置10全体の温度上昇をより効率的に抑制することができる。
【0022】
次に、第1実施形態に係るディスクアレイ装置における制御処理の一例について、詳細に説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0023】
例えば、コントローラ部4に、複数のディスク装置1の中から、故障時等に代替えとなるスペアディスク装置1aが設定され(図4A(a))、RAM4cに記憶、設定される(ステップS101)。
【0024】
次に、コントローラ部4は、算出した各ディスク装置1の平均温度Tを相互に比較して、複数のディスク装置1の中から、平均温度Tが最高温T1となるディスク装置1を抽出し、そのディスク装置1をテンポラリスペアディスク装置(一時的なスペアディスク装置)1bとして設定する(図4A(b))(ステップS102)。このとき、コントローラ部4は、設定したテンポラリスペアディスク装置1bの平均温度T1bを、RAM4cに記憶する。なお、スペアディスク装置1a及びテンポラリスペアディスク装置1b以外のディスク装置1を、通常のディスク装置1c(以下、通常ディスク装置1cと称す)とする。
【0025】
その後、コントローラ部4は、設定されたテンポラリスペアディスク装置1bに記憶された情報を、スペアディスク装置1aに複写する複写制御を行う(図4B(c))(ステップS103)。
【0026】
コントローラ部4は、上記複写制御を完了すると、テンポラリスペアディスク装置1bをスペアディスク装置1aとして代替え使用し、スペアディスク装置1aを通常ディスク装置1cとして代替え使用し、RAID制御を行う(図4B(d))(ステップS104)。
【0027】
コントローラ部4は、一定時間経過後における、テンポラリスペアディスク装置1bの平均温度T1bと、スペアディスク装置1aの平均温度T1aと、の比較を行い(図4B(d))、平均温度T1bの方が平均温度T1aよりも高いか(T1b>T1a)否かを判断する(ステップS105)。
【0028】
コントローラ部4は、テンポラリスペアディスク装置1bの平均温度T1bの方がスペアディスク装置1aの平均温度T1aよりも高い(T1b>T1a)と判断したとき(ステップS105のYES)、テンポラリスペアディスク装置1bをスペアディスク装置1aとして使用した方がディスクアレイ装置10全体の温度が分散され効果的に放熱すると判断する。その後、コントローラ部4は、テンポラリスペアディスク装置1bをスペアディスク装置1aとし、スペアディスク装置1aを通常ディスク装置1cとして再設定し(図4C(e))、RAID制御を行う(ステップS106)。
【0029】
一方、コントローラ部4は、スペアディスク装置1aの平均温度T1aの方がテンポラリスペアディスク装置1bの平均温度T1bよりも高い(T1b<T1a)と判断したとき(ステップS105のNO)、通常ディスク装置1cとして代替え使用しているスペアディスク装置1aを、そのままスペアディスク装置1aとして使用した方がディスクアレイ装置10全体の温度が分散され効果的に放熱すると判断する。そして、コントローラ部4は、スペアディスク装置1aに記憶された情報を、テンポラリスペアディスク装置1bに複写する複写制御を行う(図4C(f))(ステップS107)。
【0030】
コントローラ部4は、上記複写制御を完了すると、テンポラリスペアディスク装置1bを通常ディスク装置1cとして再設定し(図4D(g))、RAID制御を行う(ステップS108)。
【0031】
以上、第1実施形態に係るディスクアレイ装置10において、コントローラ部4は、抽出した最高温T1のディスク装置1及び2番目に高温T2のディスク装置1を、RAM4cに記憶、設定する。また、コントローラ部4は、RAM4cに設定された最高温T1のディスク装置1及び2番目に高温T2のディスク装置1へのアクセスを抑制し、これらディスク装置1の温度を集中的に降下させる。これにより、複数のディスク装置1の温度上昇をより効率的に分散させ、複数のディスク装置1間の温度ムラをより効果的に抑制できる。したがって、冷却装置等に大きく依存すること無く、ディスクアレイ装置10全体の温度上昇をより効率的に抑制することができる。なお、このように、ディスクアレイ装置10の温度上昇を効率的に抑制することで、同時に、ディスクアレイ装置10の低消費電力化、低騒音化、及び信頼性向上を図ることができる。
(第2実施形態)
【0032】
第2実施形態に係るディスクアレイ装置20は、例えば、ダブルパリティを用いた、2台分の冗長性を有するRAID構成となっている。すなわち、第2実施形態に係るディスクアレイ装置20においては、複数のディスク装置1の中から、2つのスペアディスク装置1b、2bが設定される。また、コントローラ部4は、RAM4cに記憶された各ディスク装置1の平均温度Tを比較して、複数のディスク装置1の中から、平均温度Tが最高温T1となるディスク装置1と、2番目に高温T2となるディスク装置1とを抽出し、テンポラリスペアディスク装置1b、2bとして夫々設定し、これらディスク装置1へのアクセスを抑制する。
【0033】
第2実施形態に係るディスクアレイ装置20において、他の構成は第1実施形態に係るディスクアレイ装置10と略同一である。したがって、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
図5は、本発明の第2実施形態に係るディスクアレイ装置の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。図5に示すように、コントローラ部4に、複数のディスク装置1の中から、故障時等に代替えとなる2つのスペアディスク装置1a、2aが設定され、RAM4cに記憶、設定される(ステップS201)。
【0035】
次に、コントローラ部4は、RAM4cに記憶された各ディスク装置1の平均温度Tを比較して、複数のディスク装置1の中から、平均温度Tが最高温T1となるディスク装置1と、2番目に高温T2となるディスク装置1とを抽出し、それらディスク装置1をテンポラリスペアディスク装置1b、2bとして、RAM4cに夫々設定する(ステップS202)。このとき、コントローラ部4は、設定したテンポラリスペアディスク装置1b、2bの平均温度T1b、T2bを、RAM4cに記憶する。
【0036】
その後、コントローラ部4は、設定された2つのテンポラリスペアディスク装置1b、2bに記憶された情報を、2つのスペアディスク装置1a、2aに夫々複写する複写制御を行う(ステップS203)。
【0037】
コントローラ部4は上記複写制御を完了すると、2つのテンポラリスペアディスク装置1b、2bを、2つのスペアディスク装置1a、2aとして夫々代替え使用し、2つのスペアディスク装置1a、2aを2つの通常ディスク装置1cとして夫々代替え使用し、RAID制御を行う(ステップS204)。
【0038】
コントローラ部4は、一定時間経過後における、各テンポラリスペアディスク装置1b、2bの平均温度T1b、T2bと、各スペアディスク装置1a、2aの平均温度T1a、T2aと、を夫々比較し、平均温度T1b、T2bの方が平均温度T1a、T2aよりも夫々高いか(T1b>T1a及びT2b>T2a)否かを判断する(ステップS205)。
【0039】
コントローラ部4は、例えば、各テンポラリスペアディスク装置1b、2bの平均温度T1b、T2bの方が各スペアディスク装置1a、2aの平均温度T1a、T2aよりも夫々高いと判断したとき(ステップS205のYES)、各テンポラリスペアディスク装置1b、2bを、そのまま各スペアディスク装置1a、2aとして使用した方がディスクアレイ装置20全体の温度が分散され効果的に放熱すると判断する。その後、コントローラ部4は、各テンポラリスペアディスク装置1b、2bを各スペアディスク装置1a、2aとし、各スペアディスク装置1a、2aを通常ディスク装置1cとして再設定し、RAID制御を行う(ステップS206)。
【0040】
一方、コントローラ部4は、例えば、各スペアディスク装置1a、2aの平均温度T1a、T2aの方が各テンポラリスペアディスク装置1b、2bの平均温度T1b、T2bよりも夫々高い(T1b<T1a及びT2b<T2a)と判断したとき(ステップS205のNO)、通常ディスク装置1cとして代替え使用している各スペアディスク装置1a、2aを、そのままスペアディスク装置1a、2aとして使用した方がディスクアレイ装置20全体の温度が分散され効果的に放熱すると判断する。そして、コントローラ部4は、各スペアディスク装置1a、2aに記憶された情報を、各テンポラリスペアディスク装置1b、2bに複写する複写制御を行う(ステップS207)。
【0041】
コントローラ部4は、上記複写制御を完了すると、各テンポラリスペアディスク装置1b、2bを通常ディスク装置1cとして夫々再設定し、RAID制御を行う(ステップS208)。
【0042】
以上、第2実施形態に係るディスクアレイ装置20において、コントローラ部4は、スペアディスク装置1a、2a及びテンポラリスペアディスク装置1b、2bを効果的に用いることで、最高温T1のディスク装置1及び2番目に高温T2のディスク装置1へのアクセスを抑制し、これらディスク装置1の温度を集中的に降下させることができる。これにより、複数のディスク装置1の温度上昇をより効率的に分散させ、複数のディスク装置1間の温度ムラをより効果的に抑制できる。したがって、冷却装置等に大きく依存すること無く、ディスクアレイ装置20全体の温度上昇をより効率的に抑制することができる。
【0043】
なお、本発明を実施するための最良の形態について上記実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした上記実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0044】
例えば、上記第1及び第2実施形態において、ディスクアレイ装置10、20は、4つのディスク装置1を備える構成であるが、これに限らず、構成されるディスク装置1の数は任意でよい。
【0045】
また、上記第1及び第2実施形態において、複数のディスク装置1を冷却する冷却ファン等の冷却装置を備える構成であってもよい。これにより、上記コントロール部4のアクセス制御によるディスク装置1の温度上昇抑制効果と、冷却装置によるディスク装置1の冷却効果と、の相乗効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の機能ブロックの一例である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図4A】(a)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。(b)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。
【図4B】(c)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。(d)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。
【図4C】(e)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。(f)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。
【図4D】(g)本発明の第1実施形態に係るディスクアレイ装置の一動作状態を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るディスクアレイ装置の制御処理フローの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 ディスク装置
1a、2a スペアディスク装置
1b、2b テンポラリスペアディスク装置
1c、2c 通常ディスク装置
3 温度センサ
4 コントローラ部
10、20 ディスクアレイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディスク装置と、該複数のディスク装置の温度を夫々検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、該複数のディスク装置へのアクセスを制御するアクセス制御手段と、を備えるディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、前記温度検出手段により検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、前記複数のディスク装置の中から、最高温の前記ディスク装置と、2番目に高温の前記ディスク装置とに対するアクセスを抑制する、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスクアレイ装置であって、
前記複数のディスク装置は、予め設定された、少なくとも1つの代替えとなるスペアディスク装置を含み、
前記アクセス制御手段は、前記最高温のディスク装置及び前記2番目に高温のディスク装置のうち少なくとも一方を一時的なスペアディスク装置に設定し、前記予め設定されたスペアディスク装置を通常の前記ディスク装置としてアクセス制御を行う、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項3】
請求項2記載のディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、前記一時的なスペアディスク装置に記憶された情報を、前記スペアディスク装置に複写する複写制御を行う、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、一定時間経過後、前記一時的なスペアディスク装置の温度と、前記スペアディスク装置の温度とを比較して、その比較結果に基づいて、前記一時的なスペアディスク装置又は前記スペアディスク装置となる前記ディスク装置の設定変更を行う、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項5】
請求項4記載のディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、前記一時的なスペアディスク装置の温度の方が前記スペアディスク装置の温度よりも高いと判断したとき、前記一時的なスペアディスク装置を前記スペアディスク装置とし、前記スペアディスク装置を通常のディスク装置として、再設定する、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項6】
請求項4記載のディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、前記スペアディスク装置の温度の方が前記一時的なスペアディスク装置の温度よりも高いと判断したとき、前記一時的なスペアディスク装置を通常のディスク装置として、再設定する、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、前記温度検出手段により検出された前記温度に基づいて、前記ディスク装置における一定期間の平均温度を算出し、該平均温度が最高温のディスク装置と、2番目に高温のディスク装置とに対するアクセスを抑制する、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項記載のディスクアレイ装置であって、
前記複数のディスク装置を冷却するための冷却手段を更に備える、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項記載のディスクアレイ装置であって、
前記アクセス制御手段は、前記複数のディスク装置のRAID制御を行う、ことを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項10】
複数のディスク装置の温度を夫々検出する温度検出工程と、
前記温度検出工程で検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、該複数のディスク装置へのアクセスを制御するアクセス制御工程と、を含むディスクアレイ装置の制御方法であって、
前記アクセス制御工程において、前記温度検出工程で検出された前記複数のディスク装置の温度に基づいて、前記複数のディスク装置の中から、最高温の前記ディスク装置と、2番目に高温の前記ディスク装置とに対するアクセスを抑制する、ことを特徴とするディスクアレイ装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−152505(P2010−152505A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327863(P2008−327863)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】