ディスクブレーキ用キャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法
【課題】キャリパボディのロータを跨ぐ背部における下型と中子との型割り位置を、背部の内周側に置くことにより、中子を小型化・簡素化し、製造コストを低減することができるディスクブレーキ用キャリパボディ、その鋳造型及び製造方法を提供する。
【解決手段】キャリパボディの鋳造型10を構成する下型11と中子13との接合部となる型割り位置16は、領域A,Aにおいて、鋳込まれて成型されるキャリパボディのロータを跨ぐ背部の内側面となる位置に対応して置かれている。溶融金属のキャビティ14への注入に際して、金属湯が型割り位置16に浸入して鋳バリを形成する。この鋳バリは、ロータ巾フライスにて施されるボディ加工を兼ねて削り落とすことができる。したがって、鋳バリの除去に専用の除去工程を設ける必要がなく、キャリパボディの製造コストの低減を図ることができる。また、中子13はその幅が狭くなり小型化・簡素化が図られる。
【解決手段】キャリパボディの鋳造型10を構成する下型11と中子13との接合部となる型割り位置16は、領域A,Aにおいて、鋳込まれて成型されるキャリパボディのロータを跨ぐ背部の内側面となる位置に対応して置かれている。溶融金属のキャビティ14への注入に際して、金属湯が型割り位置16に浸入して鋳バリを形成する。この鋳バリは、ロータ巾フライスにて施されるボディ加工を兼ねて削り落とすことができる。したがって、鋳バリの除去に専用の除去工程を設ける必要がなく、キャリパボディの製造コストの低減を図ることができる。また、中子13はその幅が狭くなり小型化・簡素化が図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用又は産業用などの制動に用いられるディスクブレーキの構成要素であるキャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の制動を行なうために、ディスクブレーキが広く使用されている。ディスクブレーキは、車輪と共に回転するロータを挟む状態でロータの各側に設けられた二つのブレーキパッドを、ピストンのようなアクチュエータの作動によってロータの側面に押し付ける形式のブレーキである。ディスクブレーキの一形式として、懸架装置に対して固定されているサポートに対して、両パッドをロータに向かって接離方向に変位自在に支持しておき、ピストンを内蔵したキャリパを上記サポートに変位自在に支持した、キャリパ浮動式のディスクブレーキがある。キャリパ浮動式のディスクブレーキの場合には、ピストンはロータの片側(自動車への組み付け状態で車体の幅方向中央側となるインナー側)にのみ設けられる。
【0003】
キャリパボディのロータを跨ぐ部分の形状を成型するための鋳物型30は、図7に示すような、キャリパボディの下側の型である下型31、キャリパボディの上の型である上型32、及びピストンシリンダとロータ通過部分との空所を形成するための中子33から構成されている。図7に示す鋳物型の構造では、図8に示すように、下型31と中子33との型割り位置36,36が、接合部である領域D,Dに置かれる。型割り位置36,36は、キャリパボディ21のロータを跨ぐ背部23の側面23b,23bに対応する位置にある。したがって、キャリパボディ21の鋳造の際には、下型31、上型32及び中子33の間に形成されるキャビティ34内に湯(溶融金属)が注入されると、湯は下型31と中子33との型割り位置36,36において接合面間に浸入する。その結果、型を取り除いた後には、図9に示すように、キャリパボディ21のロータを跨ぐ背部23には、鋳造型30の領域D,Dに対応したキャリパボディ21の領域E、Eにおいて、その両幅方向の側面23b,23bに鋳バリ27,27が発生する。
【0004】
発生した鋳バリ27,27は、上記サポートやパッドをキャリパに係止させるパッドクリップと干渉するおそれがある。そのため、鋳バリを除去する工程を設ける必要があるが、この位置の鋳バリ27の除去は専用の除去工程とならざるを得ず、キャリパボディの製造工程において工程数を増加させている。また、従来の中子は、下型との型割り位置36,36がキャリパボディ1の背部3の側面3b,3bにあって背部3の幅方向両側に張り出しているため、中子の形状が複雑化し、しかも大型化しているので、コスト低減にも限りがある。
【0005】
車両用ディスクブレーキのピンスライド型キャリパボディ及びその製造方法として、作用部と反作用部とブリッジ部との間に、ディスクロータが通過することになる収容空間部を鋳造成形することが提案されている(特許文献1)。反作用部のディスクロータ側は、ディスクロータの側面と平行なパッド押圧面を鋳放しで形成するとともに、作用部のディスクロータ側に抜き勾配を設けて、離型を容易にすることを図っている。
【特許文献1】特開2002−195315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、ディスクブレーキ用キャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法において、キャリパボディの鋳造に際して鋳バリの発生それ自体を無くすことは難しいが、キャリパボディの背部における中子と下型の型割りに工夫を施して、鋳バリの除去の工程を他の加工工程と兼ねることを可能にすることで、製造工程数の増加を回避する点で解決すべき課題がある。
【0007】
この発明の目的は、キャリパボディの鋳造に際して、鋳バリの除去単独の工程を廃止し切削工程と兼ねることを可能にして製造工程数の増加を回避することで、製造コストの低減を図ることができるディスクブレーキ用キャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディは、ロータを跨ぐ背部の外側面及び両側面は鋳放し面であり、前記両側面に繋がる前記背部の内側面を、切削加工を兼ねて鋳バリが除去された切削加工面に形成したことを特徴としている。
【0009】
このディスクブレーキ用キャリパボディによれば、キャリパボディのロータを跨ぐ背部の外側面及び両側面は鋳放し面のままであって切削などの加工が必要ない。また、両側面に繋がる背部分の内側の側部をロータ巾フライス加工によるボディ加工を兼ねて鋳バリ除去した切削加工面に形成しているので、その外にキャリパボディのロータを跨ぐ背部に鋳バリはなく、固定部材としてのサポートやパッドクリップとの干渉が生じない。また、ロータ巾フライス加工のみでボディ加工を兼ねて鋳バリを取り除くことができる。また、このディスクブレーキ用キャリパボディにおいて、切削加工面は、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で切削することができる。
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型は、鋳込み成形されるキャリパボディのロータを跨ぐ背部の外側面を含む下側輪郭を定める下型、前記キャリパボディの上側輪郭を定める上型、及び前記キャリパボディの前記背部の内側面を含む中側輪郭を定める中子を備え、前記下型と前記中子との型割り位置が前記キャリパボディの前記背部の前記内側面においてその幅方向両端部に置かれていることを特徴とする。
【0011】
このディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型によれば、下型と中子との型割り位置が鋳込み成形されるキャリパボディの背部の内側面においてその幅方向両端部に置かれている。そのため、組み立てられた上型、下型及び中子に形成されるキャビティ内に湯(溶融金属)を注入したとき、型割り位置に浸入した湯が鋳バリを形成するとしても、その形成位置はキャリパボディの背部の内側面においてその幅方向両端部となる。この位置に形成される鋳バリは、ロータ巾フライス加工を兼ねて除去することが可能である。また、中子の下型との二つの型割り位置の広がりが狭くなるので、中子の形状を小型化・簡素化することができる。
【0012】
また、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法は、上記のディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型を用いており、組み立てられた前記鋳造型に形成されるキャビティ内に溶融金属を鋳込み、成型後に前記型割り位置に生じ得る鋳バリを、ボディ加工を兼ねてロータ巾フライスによる切削加工によってボディ加工を兼ねて除去することを特徴としている。
【0013】
このディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法によれば、上記のディスクブレーキ鋳造型を用いており、キャビティ内に溶融金属を注入したときに型割り位置に生じ得る鋳バリをロータ巾フライス加工によってボディ加工を兼ねて除去しているので、鋳バリを除去するのに専用の工程を設けることがなく、バリ除去工程数が増えるのを回避することができる。また、このディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法において、前記切削加工を、鋳造後の後工程において、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明による、ディスクブレーキ用キャリパボディの製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法は、上記のように構成されているので、鋳造型の下型と中子との型割り位置が、鋳込み成形されるキャリパボディの背部の幅方向両側面に置かれている従来の鋳造型とは異なり、キャリパボディの背部の内側面においてその幅方向両端部に置かれている。その結果、中子の小型化・簡素化が図られて、中子のコストを低減することができる。また、組み立てられた鋳造型のキャビティ内に溶融金属を注入したときに型割り位置に生じる可能性がある鋳バリを、ロータ巾フライス加工等によるボディ加工を兼ねて行うことができる。このため、鋳バリを取り除く専用の除去工程を設ける必要がないので、加工工程数の増加を回避して製造コストを低減させることができる。更に、そうした製造方法で製造されたキャリパボディを有するディスクブレーキについては、型割り位置に生じる鋳バリがキャリパボディの背部の幅方向両側面に形成されることがないので、固定部材であるサポートやパッドクリップとの干渉を回避することができる。また、キャリパボディの背部の両側面は切削加工面とする必要がなく、鋳放し面のままでもよいので、加工コストを低減し全体としてディスクブレーキの製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造の実施例を説明する。図1及び図2はこの発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造を鋳造型の一部を切り欠いて示した斜視模式図、図3は図1及び図2に示す鋳造型を中央で二分する断面図である。図4は、図1〜図3に示す鋳造型の下型と中子の型割り位置を示す説明図である。
【0016】
図1〜図3に示すディスクブレーキ用キャリパボディの製造によれば、鋳造型10は、所謂、スライドピンによってディスクロータの軸線と平行な方向にスライドする浮動型キャリパのキャリパボディ1(破線で示す)を鋳造によって製造する型である。即ち、キャリパボディ1は、ロータの一側に配置されて一方のパッドを押圧するアクチュエータを構成するピストンが収容されるシリンダ部2と、シリンダ部2から一体に延びてロータを跨ぐ背部3と、背部3からロータの反対側に延びて他方のパッドを押圧する爪部4とを備えている。
【0017】
鋳造型10は、キャリパボディ1の背部3と爪部4との外側輪郭を定める下型11、キャリパボディ1のシリンダ部2の外側輪郭を定める上型12、及び下型11と上型12との間にあって背部3と爪部4との内側輪郭とシリンダ部2のシリンダ内面等の内側輪郭を定める中子13を有している。下型11、上型12、及び中子13を組み立てて鋳造型10としたときに、鋳造型10内に形成されるキャビティ14内にゲート15を通じて溶融金属が注入されて、キャリパボディ1が鋳造される。
【0018】
現行のキャリパボディには、図10に示すように、パッドの摩耗状態を目視にて確認するための点検窓40が形成されている。点検窓40は、通常、キャリパボディ21の背部23の中央部分においてロータ中心を跨ぐ範囲に渡って形成されているが、当該中央部分はキャリパボディ21の剛性を確保する上で影響の大きい部分であるので、点検窓40を形成することは剛性低下の要因となっている。また、キャリパボディ21の鋳造上、図11に示すように、鋳型の上型31と中子33との型割り位置41を点検窓40の周面の中間位置に置いて、鋳バリをキャリパボディ21の外側に出さないようにしている。点検窓が形成されるキャリパボディについて本発明を適用する場合において、図3に示すように鋳型を縦配置とするときは、下型11と中子13との間には充分な横圧力が得にくいので、隙間に金属湯が流れ込みやすく、点検窓の内周面に鋳バリが生じやすい。そこで、本発明の適用に当たっては、点検窓を形成しないキャリパボディとすることが好ましい。このようにすることで、キャリパボディの剛性を高め、しかもキャリパ全体では軽量化が可能である。点検窓を形成しないことによって鋳型の併せ部がなくなり、バリの発生が本質的に無くなるので、キャリパボディの製造においてバリ取り工程を排除でき、更に下型11及び中子13の形状が簡素化され、型の長寿命化にも繋がる。
【0019】
図4は、図1〜図3に示す鋳造型の横断面図であり、図5は図1〜図3に示す鋳造型で鋳込み成型されるキャリパボディの正面図である。図4に示すように、下型11は、キャビティ14に臨む面11a,11b,11b、11c,11cを有しており、これらの面は、鋳造されるキャリパボディ1の背部3について、その外側面3a、その両側の側面3b,3b、及び両側面3b,3bから背部3の内側面3cの一部の輪郭を定めている。また、中子13はキャビティ14に臨む面13aを有しており、この面13aは、鋳造されるキャリパボディ1の背部3について、その内側面3cの残る部分の輪郭を定めている。下型11と中子13とは接合される領域A,Aにおいて型割り位置16,16が置かれている。
【0020】
中子は、シリンダ部2をカバーする大きさがあって、且つ型割り位置16,16にまで延びている大きさを持つものとして製作されるが、本発明の中子13は、型割り位置16,16が幅方向内側に寄せられているため、背部3の幅方向で内側に縮小されてコンパクトに構成されており、小型化及び簡素化が図られている。
【0021】
溶融金属がキャビティ14内に注入されて後、固化し、鋳造型10が取り外された状態では、図5の領域B,Bに示すように、下型11と中子13との型割り位置16,16に対応して、通常、鋳バリ7,7が生じている。背部3の内側面の少なくとも幅方向両端部が切削加工面に形成されており、図5(a)に示す例においては、背部3の幅方向(図3で左右方向)両端部の領域B,Bに対応する部分に、内側に隆起部5,5が成形されており、鋳バリ7,7は当該隆起部5,5の内側面6,6に内向きに向かって生じる。なお、キャリパボディ1において隆起部5,5を設けることは必須ではなく、図5(b)にキャリパボディ1aとして示すように、隆起部5,5を形成することなく、両側面3b,3bと内側面3cとを滑らかに継いだ形状に鋳込み成形することができる(その他の同じ部位については(a)と同じ符号を付すことで再度の説明を省略する)。
【0022】
ロータ巾フライス加工の様子が図6に示されている。図6でハッチングを施した領域Cが、ロータ巾フライス加工が施される領域である。図4及び図5(a)に示したように、背部3の内側面3cに隆起部5,5を設けた場合には、隆起部5,5以外の部分がフライス加工を受けることが確実に無くなり、加工に際して低コストで且つ安全な作業を行うことができる。隆起部5,5の内側面6,6に生じていた鋳バリ7,7はロータ巾フライス加工において削り落とされる。図5(b)に示したように、特に隆起部5,5を設けない場合には、背部3のうち厚みが比較的厚くなっている少なくとも幅方向両端部の内側面がロータ巾フライス加工において削り落とされる。したがって、いずれの場合も、鋳バリ7,7を削り落とすための専用工程を設ける必要がないので、加工工数を増加させることなく鋳バリ7,7を除去することができる。キャリパボディ1の背部3については、ロータ巾フライス加工が施される部分以外の、キャリパボディ1の背部3の外側面3a、側面3b,3b、及び内側面3cの隆起部5,5の内側面6,6以外の内周面は、基本的に鋳放し状態のままで使用される。
【0023】
本発明のディスクブレーキ用キャリパボディとのその製造については、キャリパボディをスライドピンによってスライド可能なものを例に取って説明したが、この発明はこのスライド形式のキャリパボディにのみ適用されるのではなく、両端にピストン機構を対向させて持つ固定式のキャリパボディでも適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造を鋳造型の一部を切り欠いて示した斜視模式図である。
【図2】図1とは別の方向から見た斜視模式図である。
【図3】図1及び図2に示す鋳造型を中央で二分する断面図である。
【図4】図1〜図3に示す鋳造型の上型と中子の型割り位置を示す説明図である。
【図5】鋳造後のキャリパボディにおける鋳バリの発生状態を示す説明図である。
【図6】ロータ巾フライス加工によって鋳バリを除去の様子を示す説明図である。
【図7】キャリパボディを製造する従来の鋳物型の一例を、一部を破断して示す斜視図である。
【図8】図7に示す鋳物型の中央部の横断面図である。
【図9】従来のキャリパボディの鋳造に際して、鋳バリの発生状況を示す図である。
【図10】点検窓が形成されているキャリパボディの一例を示す平面図である。
【図11】図10に示すキャリパボディの製造鋳型の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 キャリパボディ 2 シリンダ部
3 背部 3a 外側面
3b,3b 側面 3c 内側面
4 爪部
5,5 隆起部 6,6 内側面
7,7 鋳バリ
10 鋳造型 11 下型
12 上型 13 中子
14 キャビティ 15 ゲート
16,16 型割り位置 A,B 領域
C ロータ巾フライス加工の領域
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用又は産業用などの制動に用いられるディスクブレーキの構成要素であるキャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の制動を行なうために、ディスクブレーキが広く使用されている。ディスクブレーキは、車輪と共に回転するロータを挟む状態でロータの各側に設けられた二つのブレーキパッドを、ピストンのようなアクチュエータの作動によってロータの側面に押し付ける形式のブレーキである。ディスクブレーキの一形式として、懸架装置に対して固定されているサポートに対して、両パッドをロータに向かって接離方向に変位自在に支持しておき、ピストンを内蔵したキャリパを上記サポートに変位自在に支持した、キャリパ浮動式のディスクブレーキがある。キャリパ浮動式のディスクブレーキの場合には、ピストンはロータの片側(自動車への組み付け状態で車体の幅方向中央側となるインナー側)にのみ設けられる。
【0003】
キャリパボディのロータを跨ぐ部分の形状を成型するための鋳物型30は、図7に示すような、キャリパボディの下側の型である下型31、キャリパボディの上の型である上型32、及びピストンシリンダとロータ通過部分との空所を形成するための中子33から構成されている。図7に示す鋳物型の構造では、図8に示すように、下型31と中子33との型割り位置36,36が、接合部である領域D,Dに置かれる。型割り位置36,36は、キャリパボディ21のロータを跨ぐ背部23の側面23b,23bに対応する位置にある。したがって、キャリパボディ21の鋳造の際には、下型31、上型32及び中子33の間に形成されるキャビティ34内に湯(溶融金属)が注入されると、湯は下型31と中子33との型割り位置36,36において接合面間に浸入する。その結果、型を取り除いた後には、図9に示すように、キャリパボディ21のロータを跨ぐ背部23には、鋳造型30の領域D,Dに対応したキャリパボディ21の領域E、Eにおいて、その両幅方向の側面23b,23bに鋳バリ27,27が発生する。
【0004】
発生した鋳バリ27,27は、上記サポートやパッドをキャリパに係止させるパッドクリップと干渉するおそれがある。そのため、鋳バリを除去する工程を設ける必要があるが、この位置の鋳バリ27の除去は専用の除去工程とならざるを得ず、キャリパボディの製造工程において工程数を増加させている。また、従来の中子は、下型との型割り位置36,36がキャリパボディ1の背部3の側面3b,3bにあって背部3の幅方向両側に張り出しているため、中子の形状が複雑化し、しかも大型化しているので、コスト低減にも限りがある。
【0005】
車両用ディスクブレーキのピンスライド型キャリパボディ及びその製造方法として、作用部と反作用部とブリッジ部との間に、ディスクロータが通過することになる収容空間部を鋳造成形することが提案されている(特許文献1)。反作用部のディスクロータ側は、ディスクロータの側面と平行なパッド押圧面を鋳放しで形成するとともに、作用部のディスクロータ側に抜き勾配を設けて、離型を容易にすることを図っている。
【特許文献1】特開2002−195315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、ディスクブレーキ用キャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法において、キャリパボディの鋳造に際して鋳バリの発生それ自体を無くすことは難しいが、キャリパボディの背部における中子と下型の型割りに工夫を施して、鋳バリの除去の工程を他の加工工程と兼ねることを可能にすることで、製造工程数の増加を回避する点で解決すべき課題がある。
【0007】
この発明の目的は、キャリパボディの鋳造に際して、鋳バリの除去単独の工程を廃止し切削工程と兼ねることを可能にして製造工程数の増加を回避することで、製造コストの低減を図ることができるディスクブレーキ用キャリパボディ、その製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディは、ロータを跨ぐ背部の外側面及び両側面は鋳放し面であり、前記両側面に繋がる前記背部の内側面を、切削加工を兼ねて鋳バリが除去された切削加工面に形成したことを特徴としている。
【0009】
このディスクブレーキ用キャリパボディによれば、キャリパボディのロータを跨ぐ背部の外側面及び両側面は鋳放し面のままであって切削などの加工が必要ない。また、両側面に繋がる背部分の内側の側部をロータ巾フライス加工によるボディ加工を兼ねて鋳バリ除去した切削加工面に形成しているので、その外にキャリパボディのロータを跨ぐ背部に鋳バリはなく、固定部材としてのサポートやパッドクリップとの干渉が生じない。また、ロータ巾フライス加工のみでボディ加工を兼ねて鋳バリを取り除くことができる。また、このディスクブレーキ用キャリパボディにおいて、切削加工面は、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で切削することができる。
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型は、鋳込み成形されるキャリパボディのロータを跨ぐ背部の外側面を含む下側輪郭を定める下型、前記キャリパボディの上側輪郭を定める上型、及び前記キャリパボディの前記背部の内側面を含む中側輪郭を定める中子を備え、前記下型と前記中子との型割り位置が前記キャリパボディの前記背部の前記内側面においてその幅方向両端部に置かれていることを特徴とする。
【0011】
このディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型によれば、下型と中子との型割り位置が鋳込み成形されるキャリパボディの背部の内側面においてその幅方向両端部に置かれている。そのため、組み立てられた上型、下型及び中子に形成されるキャビティ内に湯(溶融金属)を注入したとき、型割り位置に浸入した湯が鋳バリを形成するとしても、その形成位置はキャリパボディの背部の内側面においてその幅方向両端部となる。この位置に形成される鋳バリは、ロータ巾フライス加工を兼ねて除去することが可能である。また、中子の下型との二つの型割り位置の広がりが狭くなるので、中子の形状を小型化・簡素化することができる。
【0012】
また、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法は、上記のディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型を用いており、組み立てられた前記鋳造型に形成されるキャビティ内に溶融金属を鋳込み、成型後に前記型割り位置に生じ得る鋳バリを、ボディ加工を兼ねてロータ巾フライスによる切削加工によってボディ加工を兼ねて除去することを特徴としている。
【0013】
このディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法によれば、上記のディスクブレーキ鋳造型を用いており、キャビティ内に溶融金属を注入したときに型割り位置に生じ得る鋳バリをロータ巾フライス加工によってボディ加工を兼ねて除去しているので、鋳バリを除去するのに専用の工程を設けることがなく、バリ除去工程数が増えるのを回避することができる。また、このディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法において、前記切削加工を、鋳造後の後工程において、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明による、ディスクブレーキ用キャリパボディの製造のための鋳造型、及びその鋳造型を用いたディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法は、上記のように構成されているので、鋳造型の下型と中子との型割り位置が、鋳込み成形されるキャリパボディの背部の幅方向両側面に置かれている従来の鋳造型とは異なり、キャリパボディの背部の内側面においてその幅方向両端部に置かれている。その結果、中子の小型化・簡素化が図られて、中子のコストを低減することができる。また、組み立てられた鋳造型のキャビティ内に溶融金属を注入したときに型割り位置に生じる可能性がある鋳バリを、ロータ巾フライス加工等によるボディ加工を兼ねて行うことができる。このため、鋳バリを取り除く専用の除去工程を設ける必要がないので、加工工程数の増加を回避して製造コストを低減させることができる。更に、そうした製造方法で製造されたキャリパボディを有するディスクブレーキについては、型割り位置に生じる鋳バリがキャリパボディの背部の幅方向両側面に形成されることがないので、固定部材であるサポートやパッドクリップとの干渉を回避することができる。また、キャリパボディの背部の両側面は切削加工面とする必要がなく、鋳放し面のままでもよいので、加工コストを低減し全体としてディスクブレーキの製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造の実施例を説明する。図1及び図2はこの発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造を鋳造型の一部を切り欠いて示した斜視模式図、図3は図1及び図2に示す鋳造型を中央で二分する断面図である。図4は、図1〜図3に示す鋳造型の下型と中子の型割り位置を示す説明図である。
【0016】
図1〜図3に示すディスクブレーキ用キャリパボディの製造によれば、鋳造型10は、所謂、スライドピンによってディスクロータの軸線と平行な方向にスライドする浮動型キャリパのキャリパボディ1(破線で示す)を鋳造によって製造する型である。即ち、キャリパボディ1は、ロータの一側に配置されて一方のパッドを押圧するアクチュエータを構成するピストンが収容されるシリンダ部2と、シリンダ部2から一体に延びてロータを跨ぐ背部3と、背部3からロータの反対側に延びて他方のパッドを押圧する爪部4とを備えている。
【0017】
鋳造型10は、キャリパボディ1の背部3と爪部4との外側輪郭を定める下型11、キャリパボディ1のシリンダ部2の外側輪郭を定める上型12、及び下型11と上型12との間にあって背部3と爪部4との内側輪郭とシリンダ部2のシリンダ内面等の内側輪郭を定める中子13を有している。下型11、上型12、及び中子13を組み立てて鋳造型10としたときに、鋳造型10内に形成されるキャビティ14内にゲート15を通じて溶融金属が注入されて、キャリパボディ1が鋳造される。
【0018】
現行のキャリパボディには、図10に示すように、パッドの摩耗状態を目視にて確認するための点検窓40が形成されている。点検窓40は、通常、キャリパボディ21の背部23の中央部分においてロータ中心を跨ぐ範囲に渡って形成されているが、当該中央部分はキャリパボディ21の剛性を確保する上で影響の大きい部分であるので、点検窓40を形成することは剛性低下の要因となっている。また、キャリパボディ21の鋳造上、図11に示すように、鋳型の上型31と中子33との型割り位置41を点検窓40の周面の中間位置に置いて、鋳バリをキャリパボディ21の外側に出さないようにしている。点検窓が形成されるキャリパボディについて本発明を適用する場合において、図3に示すように鋳型を縦配置とするときは、下型11と中子13との間には充分な横圧力が得にくいので、隙間に金属湯が流れ込みやすく、点検窓の内周面に鋳バリが生じやすい。そこで、本発明の適用に当たっては、点検窓を形成しないキャリパボディとすることが好ましい。このようにすることで、キャリパボディの剛性を高め、しかもキャリパ全体では軽量化が可能である。点検窓を形成しないことによって鋳型の併せ部がなくなり、バリの発生が本質的に無くなるので、キャリパボディの製造においてバリ取り工程を排除でき、更に下型11及び中子13の形状が簡素化され、型の長寿命化にも繋がる。
【0019】
図4は、図1〜図3に示す鋳造型の横断面図であり、図5は図1〜図3に示す鋳造型で鋳込み成型されるキャリパボディの正面図である。図4に示すように、下型11は、キャビティ14に臨む面11a,11b,11b、11c,11cを有しており、これらの面は、鋳造されるキャリパボディ1の背部3について、その外側面3a、その両側の側面3b,3b、及び両側面3b,3bから背部3の内側面3cの一部の輪郭を定めている。また、中子13はキャビティ14に臨む面13aを有しており、この面13aは、鋳造されるキャリパボディ1の背部3について、その内側面3cの残る部分の輪郭を定めている。下型11と中子13とは接合される領域A,Aにおいて型割り位置16,16が置かれている。
【0020】
中子は、シリンダ部2をカバーする大きさがあって、且つ型割り位置16,16にまで延びている大きさを持つものとして製作されるが、本発明の中子13は、型割り位置16,16が幅方向内側に寄せられているため、背部3の幅方向で内側に縮小されてコンパクトに構成されており、小型化及び簡素化が図られている。
【0021】
溶融金属がキャビティ14内に注入されて後、固化し、鋳造型10が取り外された状態では、図5の領域B,Bに示すように、下型11と中子13との型割り位置16,16に対応して、通常、鋳バリ7,7が生じている。背部3の内側面の少なくとも幅方向両端部が切削加工面に形成されており、図5(a)に示す例においては、背部3の幅方向(図3で左右方向)両端部の領域B,Bに対応する部分に、内側に隆起部5,5が成形されており、鋳バリ7,7は当該隆起部5,5の内側面6,6に内向きに向かって生じる。なお、キャリパボディ1において隆起部5,5を設けることは必須ではなく、図5(b)にキャリパボディ1aとして示すように、隆起部5,5を形成することなく、両側面3b,3bと内側面3cとを滑らかに継いだ形状に鋳込み成形することができる(その他の同じ部位については(a)と同じ符号を付すことで再度の説明を省略する)。
【0022】
ロータ巾フライス加工の様子が図6に示されている。図6でハッチングを施した領域Cが、ロータ巾フライス加工が施される領域である。図4及び図5(a)に示したように、背部3の内側面3cに隆起部5,5を設けた場合には、隆起部5,5以外の部分がフライス加工を受けることが確実に無くなり、加工に際して低コストで且つ安全な作業を行うことができる。隆起部5,5の内側面6,6に生じていた鋳バリ7,7はロータ巾フライス加工において削り落とされる。図5(b)に示したように、特に隆起部5,5を設けない場合には、背部3のうち厚みが比較的厚くなっている少なくとも幅方向両端部の内側面がロータ巾フライス加工において削り落とされる。したがって、いずれの場合も、鋳バリ7,7を削り落とすための専用工程を設ける必要がないので、加工工数を増加させることなく鋳バリ7,7を除去することができる。キャリパボディ1の背部3については、ロータ巾フライス加工が施される部分以外の、キャリパボディ1の背部3の外側面3a、側面3b,3b、及び内側面3cの隆起部5,5の内側面6,6以外の内周面は、基本的に鋳放し状態のままで使用される。
【0023】
本発明のディスクブレーキ用キャリパボディとのその製造については、キャリパボディをスライドピンによってスライド可能なものを例に取って説明したが、この発明はこのスライド形式のキャリパボディにのみ適用されるのではなく、両端にピストン機構を対向させて持つ固定式のキャリパボディでも適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明によるディスクブレーキ用キャリパボディの製造を鋳造型の一部を切り欠いて示した斜視模式図である。
【図2】図1とは別の方向から見た斜視模式図である。
【図3】図1及び図2に示す鋳造型を中央で二分する断面図である。
【図4】図1〜図3に示す鋳造型の上型と中子の型割り位置を示す説明図である。
【図5】鋳造後のキャリパボディにおける鋳バリの発生状態を示す説明図である。
【図6】ロータ巾フライス加工によって鋳バリを除去の様子を示す説明図である。
【図7】キャリパボディを製造する従来の鋳物型の一例を、一部を破断して示す斜視図である。
【図8】図7に示す鋳物型の中央部の横断面図である。
【図9】従来のキャリパボディの鋳造に際して、鋳バリの発生状況を示す図である。
【図10】点検窓が形成されているキャリパボディの一例を示す平面図である。
【図11】図10に示すキャリパボディの製造鋳型の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 キャリパボディ 2 シリンダ部
3 背部 3a 外側面
3b,3b 側面 3c 内側面
4 爪部
5,5 隆起部 6,6 内側面
7,7 鋳バリ
10 鋳造型 11 下型
12 上型 13 中子
14 キャビティ 15 ゲート
16,16 型割り位置 A,B 領域
C ロータ巾フライス加工の領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータを跨ぐ背部の外側面及び両側面を鋳放し面とし、前記両側面に繋がる前記背部の内側面を、切削加工を兼ねて鋳バリが除去された切削加工面に形成したことを特徴とするディスクブレーキ用キャリパボディ。
【請求項2】
前記切削加工面は、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で切削されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用キャリパボディ。
【請求項3】
鋳込み成形されるキャリパボディのロータを跨ぐ背部の外側面を含む下側輪郭を定める下型、前記キャリパボディの上側輪郭を定める上型、及び前記キャリパボディの前記背部の内側面を含む中側輪郭を定める中子を備え、前記下型と前記中子との型割り位置が前記キャリパボディの前記背部の前記内側面に置かれていることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型。
【請求項4】
前記型割り位置は、前記背部の幅方向両端部の内側面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のディスクブレーキ鋳造型を用いており、組み立てられた前記ディスクブレーキ鋳造型に形成されるキャビティ内に溶融金属を鋳込み、成型後に前記型割り位置に生じ得る鋳バリを、ロータ巾フライスによる切削加工によってボディ加工を兼ねて除去することを特徴とするディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法。
【請求項6】
前記切削加工は、鋳造後の後工程において、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で行われることを特徴とする請求項5に記載のディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法。
【請求項1】
ロータを跨ぐ背部の外側面及び両側面を鋳放し面とし、前記両側面に繋がる前記背部の内側面を、切削加工を兼ねて鋳バリが除去された切削加工面に形成したことを特徴とするディスクブレーキ用キャリパボディ。
【請求項2】
前記切削加工面は、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で切削されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用キャリパボディ。
【請求項3】
鋳込み成形されるキャリパボディのロータを跨ぐ背部の外側面を含む下側輪郭を定める下型、前記キャリパボディの上側輪郭を定める上型、及び前記キャリパボディの前記背部の内側面を含む中側輪郭を定める中子を備え、前記下型と前記中子との型割り位置が前記キャリパボディの前記背部の前記内側面に置かれていることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型。
【請求項4】
前記型割り位置は、前記背部の幅方向両端部の内側面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ用キャリパボディの鋳造型。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のディスクブレーキ鋳造型を用いており、組み立てられた前記ディスクブレーキ鋳造型に形成されるキャビティ内に溶融金属を鋳込み、成型後に前記型割り位置に生じ得る鋳バリを、ロータ巾フライスによる切削加工によってボディ加工を兼ねて除去することを特徴とするディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法。
【請求項6】
前記切削加工は、鋳造後の後工程において、前記ロータと制動時に当該ロータに押し当てられるパッドとの合計幅に相当する切削加工幅で行われることを特徴とする請求項5に記載のディスクブレーキ用キャリパボディの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−309181(P2008−309181A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155112(P2007−155112)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】
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