説明

ディスク再生システム

【課題】スロットイン式のディスク挿入部へのディスク挿入によってシステム起動がなされるものであるとともに、挿入されたディスクの引き込みを早いタイミングで実行することが可能なディスク再生システムを提供する。
【解決手段】スロットイン式のディスク挿入部を有し、セットされたディスクから情報を読み取るディスク読取装置と、ディスプレイを有し、前記情報に基づいて映像を表示させる映像表示装置と、を備え、OFF状態の時に、ディスク挿入部にディスクが所定量挿入されると、映像表示装置およびディスク読取装置が順に立ち上げられて、ON状態となるものであり、挿入されたディスクをディスク読取装置の内部に引き込む処理が、映像表示装置が立ち上げられた後、ディスク読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われるディスク再生システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDなどのディスクから情報を読出して再生するディスク再生システムに関し、特に、スロットイン式のディスク挿入部を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DVD[Digital Versatile Disk]といった情報メディア用ディスクの普及に伴い、ディスクから情報を読取るディスク読取装置と、読取られた情報に基づいて映像を表示させる映像表示装置の双方を備えた、ディスク再生システムが広く用いられている。また映像表示装置にテレビ放送の受信機能を備えさせ、ディスクの再生とテレビ番組の視聴が兼用できるようになったものも存在する。
【0003】
またディスク読取装置では、スロットイン式のディスク挿入口が設けられているものがある。この仕様では通常、フォトインタラプタ等によってディスクの挿入を監視しており、ユーザによって所定量挿入されたときに、このディスクを本体内部に引き込むこととしている。そのため、例えばトレイの出し入れが必要なトレイ式のものに比べ、ディスクのセッティングをより素早く行うことが可能となっている。
【0004】
また更に、スロットイン式のディスク挿入口を備えているものでは、OFF状態(スタンバイ状態)の時にディスクの挿入が検知されると、これをトリガーとして、システムの起動処理を実行させる(以下、このような起動を「スロットイン起動」と称する)ものも存在する。この場合、起動処理を行わせるにあたって、別途他の操作(ボタンスイッチの押下など)が行われる必要がなく、ユーザにとって利便性の良いものとなる。
【0005】
ここでスロットイン起動の処理順序に着目すると、まず映像表示装置側の立上げ(映像表示装置側のマイコンの起動と、該マイコンによる各部の起動処理)がなされ、その後、ディスク読取装置側の立上げ(ディスク読取装置側のマイコンの起動と、該マイコンによる各部の起動処理)がなされる。このように各装置の立上げ時期を重複させないことで、それぞれの立上げ処理を、安定した電力状態で行わせることが可能となっている。
【0006】
なお映像表示装置側が先に立上げられるのは、通常、映像表示装置がメイン(ディスク読取装置側はサブ)であること等によるものである。また映像表示装置が、テレビ受信機を兼ねる場合(この場合、映像表示装置を単独で用いることが可)や、液晶ディスプレイのように起動時にバックライトの点灯等を要するものである場合(比較的電力の消費が大きく、早めに立上げられることが望ましい)には、特に映像表示装置側の起動処理が優先される。
【0007】
ここで、ディスク読取装置においてなされる各種処理は、ディスク読取装置側を制御する制御装置(ここではマイコン)によってなされるのが通常である。そのため、ユーザによって所定量挿入されたディスクを、更に本体内部に引き込む処理(引込処理)は、ディスク読取装置のマイコンによってなされることになる。そのため、この引込処理のなされるタイミングは、ディスク読取装置側の立上げが完了した後(早くとも、ディスク読取装置側のマイコンが起動された後)となる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−216121号公報
【特許文献2】特開2006−314015号公報
【特許文献3】特開2001−326904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したようなディスク再生システムでは、スロットイン起動が開始された後、さらに映像表示装置側の立上げおよびディスク読取装置の立上げを経た後に、引込処理がなされることになる。そのため、ディスクの挿入から引込処理がなされるまでに比較的長い時間がかかり、その間、ディスクはディスク挿入部に所定量挿入されたままの状態(露出状態)となる。
【0010】
そのためユーザから見れば、ディスクを差し込んだ後もなかなか引き込まれないために、違和感を抱いたりストレスを感じたりすることがある。またディスクが中途半端に挿入されたままの状態が長く続くと、ユーザが誤ってディスクに触れてしまい、ディスクを傷めてしまう可能性も高くなる。
【0011】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ディスク読取装置と映像表示装置を備え、スロットイン式のディスク挿入部へのディスク挿入によってシステム起動がなされるものであるとともに、挿入されたディスクの引き込みを早いタイミングで実行することが可能なディスク再生システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明によるディスク再生システムは、スロットイン式のディスク挿入部を有し、該ディスク挿入部を通じてセットされたディスクから情報を読み取る処理を実行するディスク読取装置と、ディスプレイを有し、前記ディスク読取装置から伝送された前記情報に基づいて、該ディスプレイに映像を表示させる処理を実行する映像表示装置と、を備えたディスク再生システムであって、該システムがOFF状態の時に、前記ディスク挿入部に前記ディスクが所定量挿入されると、前記映像表示装置および前記ディスク読取装置が順に立ち上げられて、該システムがON状態となるものであり、前記挿入されたディスクを前記ディスク読取装置の内部に引き込む、引込処理が、前記映像表示装置が立ち上げられた後であって、前記ディスク読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われる構成(第2の構成)とする。
【0013】
本構成によれば、ディスク読取装置と映像表示装置を備え、スロットイン式のディスク挿入部へのディスク挿入によってシステム起動がなされる。そしてかかるシステム起動において、挿入されたディスクの引き込みは、映像表示装置が立ち上げられた後であって、ディスク読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われる。
【0014】
そのため、ディスク読取装置の立ち上げが開始された後のタイミングでディスクの引き込みがなされるもの(ディスク読取装置側の制御装置が引き込み処理を制御する場合、通常このようになる)に比べて、ディスクの引き込みをより早いタイミングで実行させることが容易となる。
【0015】
また上記第2の構成において、前記ディスプレイは液晶ディスプレイであって、前記映像表示装置の立ち上げ処理は、少なくとも該液晶ディスプレイにおけるバックライトを点灯させる処理を含む構成(第3の構成)としても良い。
【0016】
本構成によれば、ディスクから読取られた情報に係る映像を、液晶ディスプレイに表示させることが可能となる。なお映像表示装置の立ち上げとディスク読取装置の立ち上げは、順になされる(異なるタイミングでなされる)ため、バックライトの点灯に伴う電力状態の変動によって、ディスク読取装置における立上げ処理の安定性が損なわれることは、極力回避される。
【0017】
また上記第2または第3の構成において、前記引込処理の制御は、前記映像表示装置の立上げ処理を制御する制御装置によってなされる構成(第4の構成)としてもよい。
【0018】
映像表示装置の立上げ処理を制御する制御装置であれば、映像表示装置の立上げが完了するタイミングを容易に検出することができる。そのため当該第4の構成によれば、映像表示装置の立上げ後、直ちに引込処理を行い、ディスクの引き込みを早いタイミングで実行させることが容易となる。
【0019】
また上記第2から第4の構成に係るディスク再生システムとして、より具体的に、前記ディスクはDVDであり、前記映像表示装置は、放送波を受信して、該放送内容の映像を表示させることが可能である構成(第5の構成)のDVD再生システムとしてもよい。
【0020】
なお、スロットイン式のDVD挿入部を有し、該DVD挿入部を通じてセットされたDVDから情報を読み取る処理を実行するDVD読取装置と、液晶ディスプレイを有し、前記DVD読取装置から伝送された前記情報に基づいて、該液晶ディスプレイに映像を表示させる処理を実行する映像表示装置と、を備えたDVD再生システムであって、該システムがOFF状態の時に、前記DVD挿入部に前記ディスクが所定量挿入されると、前記映像表示装置および前記DVD読取装置が順に立ち上げられて、該システムがON状態となるものであり、前記挿入されたDVDを前記ディスク読取装置の内部に引き込む、引込処理が、前記映像表示装置が立ち上げられた後であって、前記DVD読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われ、前記映像表示装置の立上げ処理は、前記液晶ディスプレイにおけるバックライトを点灯させる処理を含み、前記引込処理の制御は、前記映像表示装置の立上げ処理を制御する制御装置によってなされるものであり、前記映像表示装置は、放送波を受信して、該放送内容の映像を表示させることが可能である構成(第1の構成)のDVD再生システムであれば、上述した各構成により得られる利益を享受することができる。
【発明の効果】
【0021】
上述の通り、本発明のディスク再生システムによれば、ディスク読取装置と映像表示装置を備え、スロットイン式のディスク挿入部へのディスク挿入によってシステム起動がなされる。そしてかかるシステム起動において、挿入されたディスクの引き込みは、映像表示装置が立ち上げられた後であって、ディスク読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われる。
【0022】
そのため、ディスク読取装置の立ち上げが開始された後のタイミングでディスクの引き込みがなされるもの(ディスク読取装置側の制御装置が引き込み処理を制御する場合、通常このようになる)に比べて、ディスクの引き込みをより早いタイミングで実行させることが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態として、図1に示す構成のDVD再生システムを挙げて、以下に説明する。本図のようにDVD再生システム1は、DVD読取装置2とTV放送受信装置3を備えている。まずこれらの構成について説明する。
【0024】
DVD読取装置2は、ディスク挿入部21、ディスク読取部22、およびDVD側マイコン23などを有している。
【0025】
ディスク挿入部21は、スロットイン式の挿入口を有しており、ユーザがDVDを直接挿入することができるようになっている。またディスク挿入部21は、フォトインタラプタにより、挿入口内部にDVDが所定量(例えば半分程度)挿入されたことを検出する検出装置や、所定量挿入されたDVDをモータによって本体内部に完全に引き込むための引込装置などをも有している。
【0026】
ディスク読取部22は、光ピックアップ装置などを有しており、ディスク挿入部21を通じてセッティングされたDVDから情報を読み取る。
【0027】
DVD側マイコン23は、DVDからの情報読取処理など、DVD読取装置2においてなされる各処理を制御する。またDVD再生システム1の起動に際しては、DVD読取装置2における各装置の立上げを行う。ただし後述する通り、スロットイン起動時にDVDを引き込む処理(引込処理)については、TV放送受信装置3側のマイコン(TV側マイコン35)が制御する。
【0028】
またTV放送受信装置3は、受信部31、信号処理部32、ドライブ信号生成部33、LCD34、およびTV側マイコン35などを備えている。
【0029】
受信部31は、アンテナやチューナ回路などを有しており、選定されたチャンネルのテレビ放送を受信するとともに、放送信号を後段の回路に伝送する。
【0030】
信号処理部32は、受信部31から伝送される放送信号や、DVD読取装置2によってDVDから読み取られた情報に基づいて、映像情報を生成する処理を実行する。なお放送信号とDVDから読取られた情報のうちの、何れに基づいて映像情報を生成するかについては、不図示のユーザインターフェースを通じて、ユーザが任意に選択できるようになっている。
【0031】
ドライブ信号生成部33は、信号処理部32から受け取った映像情報に基づいて、LCD[Liquid Crystal Display(液晶ディスプレイ)]34に映像を表示させるためのドライブ信号を生成する。またLCD34は、ドライブ信号に基づいてバックライトからの光の透過量を画素毎に調整し、映像を表示させる。
【0032】
TV側マイコンは35、信号処理部32やドライブ信号生成部33でなされる処理など、TV放送受信装置3においてなされる各処理を制御する。またDVD再生システム1の起動に際しては、TV放送受信装置3における各装置の立上げを行う。また後述するように、DVD再生システム1のスロットイン起動時における引込処理をも制御する。
【0033】
以上の構成によりDVD再生システム1は、DVD読取装置2によって、セッティングされたDVDから情報を読み取り、TV放送受信装置3によって、この情報に基づいた映像を表示させることができる。また不図示のユーザインターフェースを通じたユーザの操作(例えばボタン操作やリモコン操作)により、OFF状態とON状態が切替えられるようになっている。
【0034】
ここでOFF状態とは、DVD再生システム1での情報読取や映像表示がなされない状況を想定して設けられたもの(いわゆる、スタンバイモードや待機モードと呼ばれるもの)である。このOFF状態では、DVD再生システム内の各装置に供給される電力は最小限度に抑えられているが、所定の操作等をトリガーとして、起動処理(ON状態へ移行させる処理)を開始させることができる。ただし時計機能や起動開始のタイミングの監視など、一部の必要な処理についてはOFF状態でも実行されている。
【0035】
またON状態とは、DVD再生システム1が使用される状況を想定して設けられたものである。このON状態では、DVD再生システム1を通常通り機能させることが可能となっている。つまり、DVD再生システム1に情報読取や映像表示を行わせるにあたっては、このようにON状態とさせておく必要がある。ON状態は、OFF状態において起動処理がなされることで実現される。
【0036】
そしてDVD再生システム1は、OFF状態時において、ディスク挿入部21におけるスロットイン式の挿入口にDVDが所定量挿入されると、自動的に起動処理(「スロットイン起動」と称する)が行われてON状態に移行する。ここでこのスロットイン起動の処理の流れについて、図2に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0037】
OFF状態の時、DVD再生システム1はDVDが所定量挿入されたか否かを監視しており(ステップS11)、所定量挿入されたことを検知すると(ステップS11のY)、まずTV側マイコン35を起動させる(ステップS12)。なおステップS11およびS12の処理は、別途設けられた制御装置などによりなされる。
【0038】
ステップS12の処理によりTV側マイコン35が起動されると、TV側マイコン35はTV放送受信装置3を立ち上げて、供給される映像情報に基づいた映像表示が可能な状態とする(ステップS21)。またかかるTV放送受信装置3の立ち上げ処理は、LCD34におけるバックライトを点灯させる処理を含んでいる。なお、このようにTV放送受信装置3の立ち上げが、DVD読取装置2の立上げよりも先になされることにより、テレビ放送の受信をより早期に開始させることが可能となっている。
【0039】
そしてTV放送受信装置3の立上げ後、TV側マイコン35はディスク挿入部21に対し、挿入口に所定量挿入されているDVDを本体内部に完全に引き込ませる処理(DVDを引き込むためのモータを回転させる処理や、完全に引き込まれたときにモータを停止させる処理など)を実行させる(ステップS22)。その後、TV側マイコン35は、DVD側マイコン23を起動させる(ステップS23)。ステップS23の処理まで実行されると、以降TV側マイコン35は、DVD再生システム1のON状態における通常の処理を実行する。
【0040】
一方、ステップS23の処理により起動されたDVD側マイコン23は、DVD読取装置2を立ち上げて、DVDから情報を読取る処理などを実行できるようにする(ステップS31)。以降、DVD側マイコン23は、DVD再生システム1の駆動時における通常の処理を実行する。
【0041】
なお上述の通り、引込処理の制御は、TV放送受信装置3の立上げ処理を制御するTV側マイコン35によってなされるものとなっている。そのため、TV放送受信装置3の立上げ後、直ちに引込処理を行い、DVDの引き込みを早いタイミングで実行させることが容易となっている。
【0042】
ここで、スロットイン起動時にDVDが所定量挿入されたまま(露出されたまま)となっている時間について、仮に引込処理をDVD読取装置2側のマイコン(DVD側マイコン23)に行わせるようにした場合と、本実施形態のように、引込処理をTV放送受信装置3側のマイコン(TV側マイコン35)に行わせるようにした場合に分けて、図3を参照しながら説明する。
【0043】
まず、引込処理をDVD側マイコン23に行わせるようにした場合について、図3(a)に基づいて説明する。この場合、ディスク挿入部21にDVDが所定量挿入されることにより、TV放送受信装置3の立上げ処理が開始される。そしてTV放送受信装置3側の立上げ処理が完了すると、TV側マイコン35の指示によってDVD読取装置2側の立上げ処理が開始される。
【0044】
その後、このDVD読取装置2の立上げ処理によってDVD側マイコン23が起動されると、DVD側マイコン23は各種処理を実行することが可能となる。そこで、DVD側マイコン23は、引込処理を開始することとする。
【0045】
つまりこの場合、DVDが所定量挿入されてから、早くとも、TV放送受信装置3の立上げ時間およびDVD側マイコン23の起動時間を経た後に、DVDがDVD読取装置2の本体内部に引き込まれることになる。言い換えれば、かかる時間が経過するまでは、DVDはユーザによって挿入されたままの状態になっていることとなる。
【0046】
次に、引込処理をTV側マイコン35に行わせるようにした場合について、図3(b)に基づいて説明する。この場合、ディスク挿入部21にDVDが所定量挿入されることにより、TV放送受信装置3の立上げ処理が開始される。そしてTV放送受信装置3の立上げ処理が完了した時点で、TV側マイコン35によって引込処理が開始される。
【0047】
その結果、DVDが所定量挿入されてからTV放送受信装置3の立上げ時間を経た後、DVD側マイコン23の起動時間を待たずに、DVDをDVD読取装置2の本体内部に引き込むことが可能となっている。このように、引込処理をDVD側マイコン23に行わせるようにした場合に比べて、引込処理をTV側マイコン35に行わせるようにした場合には、少なくとも、DVD側マイコン23の起動時間の分だけ、早いタイミングでDVDを引き込むことが可能となっている。
【0048】
引込処理はDVD読取装置2側の処理であるため、本来であれば、DVD側マイコン23により実行されるものである。しかし本実施形態では、スロットイン起動時の引込処理をあえてTV側マイコン35に実行させることで、かかる引込処理をより早いタイミングで開始させることが可能となっている。
【0049】
以上に説明した通り、本実施形態のDVD再生システム1は、スロットイン式のディスク挿入部21を有し、このディスク挿入部21を通じてセットされたディスク(DVD)から情報を読み取る処理を実行するDVD読取装置2と、LCD34を有し、DVD読取装置2から伝送された情報に基づいて、LCD34に映像を表示させる処理を実行するTV放送受信装置3(映像表示装置)と、を備えている。
【0050】
またDVD再生システム1がOFF状態の時に、ディスク挿入部21にDVDが所定量挿入されると、TV放送受信装置3およびDVD読取装置2が順に立ち上げられて、当該システムがON状態となるものである。また、挿入されたDVDをDVD読取装置2の内部に引き込む処理が、TV放送受信装置3が立ち上げられた後であって、DVD読取装置2の立ち上げが開始される前のタイミングで行われるものである。
【0051】
そのため、DVD読取装置2の立ち上げが開始された後のタイミングでDVDの引き込みがなされるもの(DVD読取装置2側の制御装置が引き込み処理を制御する場合、通常このようになる)に比べて、DVDの引き込みをより早いタイミングで実行させることが容易となる。
【0052】
その結果、DVDを差し込んでもなかなか引き込まれないために、ユーザが違和感を抱いたりストレスを感じたりすることを、極力防ぐことが可能となっている。またDVDが中途半端に挿入されたままの状態でユーザが誤ってDVDに触れ、DVDが傷んでしまうような事態も、極力防ぐことが可能となっている。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えばディスクの種類はDVDに限らず、また、ディスクから読取られた情報に基づいて映像表示させる装置は、必ずしも放送受信装置である必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、DVD再生装置と映像表示装置を備えたDVD再生システム等の分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係るDVD再生システムの構成図である。
【図2】スロットイン起動に係る処理の流れ図である。
【図3】スロットイン起動時における、DVDの露出時間に関する説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 DVD再生システム(ディスク再生システム)
2 DVD読取装置(ディスク読取装置)
3 TV放送受信装置(映像表示装置)
21 ディスク挿入部
22 ディスク読取部
23 DVD側マイコン
31 受信部
32 信号処理部
33 ドライブ信号生成部
34 LCD(ディスプレイ)
35 TV側マイコン(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットイン式のDVD挿入部を有し、該DVD挿入部を通じてセットされたDVDから情報を読み取る処理を実行するDVD読取装置と、
液晶ディスプレイを有し、前記DVD読取装置から伝送された前記情報に基づいて、該液晶ディスプレイに映像を表示させる処理を実行する映像表示装置と、
を備えたDVD再生システムであって、
該システムがOFF状態の時に、前記DVD挿入部に前記ディスクが所定量挿入されると、前記映像表示装置および前記DVD読取装置が順に立ち上げられて、該システムがON状態となるものであり、
前記挿入されたDVDを前記ディスク読取装置の内部に引き込む、引込処理が、
前記映像表示装置が立ち上げられた後であって、前記DVD読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われ、
前記映像表示装置の立上げ処理は、前記液晶ディスプレイにおけるバックライトを点灯させる処理を含み、
前記引込処理の制御は、前記映像表示装置の立上げ処理を制御する制御装置によってなされるものであり、
前記映像表示装置は、放送波を受信して、該放送内容の映像を表示させることが可能である
ことを特徴とするDVD再生システム。
【請求項2】
スロットイン式のディスク挿入部を有し、該ディスク挿入部を通じてセットされたディスクから情報を読み取る処理を実行するディスク読取装置と、
ディスプレイを有し、前記ディスク読取装置から伝送された前記情報に基づいて、該ディスプレイに映像を表示させる処理を実行する映像表示装置と、
を備えたディスク再生システムであって、
該システムがOFF状態の時に、前記ディスク挿入部に前記ディスクが所定量挿入されると、前記映像表示装置および前記ディスク読取装置が順に立ち上げられて、該システムがON状態となるものであり、
前記挿入されたディスクを前記ディスク読取装置の内部に引き込む、引込処理が、
前記映像表示装置が立ち上げられた後であって、前記ディスク読取装置の立ち上げが開始される前のタイミングで行われることを特徴とするディスク再生システム。
【請求項3】
前記ディスプレイは液晶ディスプレイであって、
前記映像表示装置の立ち上げ処理は、
少なくとも該液晶ディスプレイにおけるバックライトを点灯させる処理を含むことを特徴とする請求項2に記載のディスク再生システム。
【請求項4】
前記引込処理の制御は、前記映像表示装置の立上げ処理を制御する制御装置によってなされることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のディスク再生システム。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れかに記載のディスク再生システムであって、
前記ディスクはDVDであり、
前記映像表示装置は、放送波を受信して、該放送内容の映像を表示させることが可能であることを特徴とするDVD再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−243247(P2008−243247A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78191(P2007−78191)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】