説明

ディスク処理装置

【課題】 12cmCD40及び8cmCD42がそれぞれ下側及び上側の経路で移送されてくる車載用CD再生装置10において、円柱状突起33の8cmCD用ストッパ機能を保証しつつ、突出量を低減し、これにより、再生装置10の薄型化を図る。
【解決手段】 円柱状突起33は、基板部45の下面に突設され、円柱状突起33の下端、すなわち突出端の上下方向位置は、格納方向移動中の8cmCD42の下面より少し上に設定される。リブ状垂壁部47は、L方向へ円柱状突起33より前方において基板部45から下方へ突出している。溝48は、L方向へ円柱状突起33とリブ状垂壁部47との間に形成され、下方及び左右側方へ開放している。連結部分49は、L方向へ溝48の範囲に存在し、円滑に弾性変形できる幅に規定されて、円柱状突起33及びリブ状垂壁部47の基端部同士を相互に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクの移動を制限する構造を改善したディスク処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
12cmCD及び8cmCD共用の再生装置において、ディスク挿入口より挿入された8cmCDを12cmCDと同一のチャッキング場所へ移送する場合には、チャッキング場所に幅方向へ偏倚して挿入された8cmCDに対し、その移送中、幅方向中央の正常な位置へ矯正する必要がある。
【0003】
特許文献1は、大小二種の径のディスクに共用するディスク再生装置において、ディスク挿入口近傍に案内面を形成し、小径ディスク及び大径ディスクを左右方向それぞれ中央範囲及び両端範囲の案内面により案内させることにより、小径ディスク及び大径ディスクをそれぞれ上側及び下側の経路層でハウジング奥の方へ誘導することを開示する。該ディスク再生装置では、格納過程において小径ディスク及び大径ディスクをそれぞれ別の経路層で移動させるとともに、小径ディスク専用の案内装置が上側の経路層に配設される。これにより、大径ディスクは、下側の経路層を移動して来るので、奥方向への移動において該案内装置には干渉されることなく、支障なく通過するのに対し、小径ディスクは、該案内装置のガイドピン(該ガイドピンはストッパの機能を兼ねている。)に当接して、左右方向位置を矯正されるようになっている。
【特許文献1】特開2002−41095公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスク再生装置等では、一層の薄型化が希求されている。したがって、ディスクの径により経路層を異ならせる場合にも、層方向の寸法の縮小が要求されており、このためには、上下の経路層が、相互に接する程度に間隔を狭められたり、場合によっては、上下方向へ部分的に重複したりする必要がある。
【0005】
これに対し、ディスク再生装置には、ストッパが、小径ディスク用経路層へ突出し、小径ディスクに当接して、小径ディスクの左右方向位置を矯正するようになっているが、ストッパの高さは、ストッパが、多少のばらつきの生じる小径ディスク経路層の大径ディスクに対しても、該大径ディスクには当接することを確実に回避できることを保証する必要がある。しかし、ストッパの高さを縮小すると、今度は、小径ディスクがストッパを乗り越えて通過する可能性が高まってしまう。
【0006】
特許文献1は、小径ディスク専用の案内装置の厚さ方向寸法を減少させる方策については、なんら言及していない。
【0007】
本発明の目的は、ディスクに対するストッパ機能を保証しつつ、ストッパ構造の薄型化を図ることのできるディスク処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のディスク処理装置(以下、「第1のディスク処理装置」という。)は次の要素を有している。
ディスクの厚さより小さい寸法だけ、ディスクの移動経路内へディスクの厚さ方向へ突出して、ディスクの側面との当接によりディスクの移動を制限するストッパ、及び
ストッパが、ディスクの側面からの当接力を受けてディスクの移動経路内への突出量を増大させる方向へ揺動するように、かつストッパの最大揺動位置が制限されるように、ストッパを支持する支持部材。
【0009】
第1のディスク処理装置の具体的態様では、支持部材は、ストッパの揺動量が増大するに連れて、ストッパの揺動に対する弾性抵抗力を増大するものであり、支持部材は、弾性抵抗力の増大によりストッパの最大揺動位置を制限するように、なっている。あるいは、支持部材は、支持本体部、ストッパを支持本体部に弾性的に結合してストッパの揺動を許容する結合部、揺動方向へのストッパとの当接によりストッパの揺動を制限する揺動制限部を有している。揺動制限部の配設位置は、ストッパへのディスクの当接方向へストッパに対して反ディスク側及びディスク側のどちらであってもよい。ストッパは、ディスクの当接方向のディスク側へ張り出す張り出し部を突出方向の先端部分に有することが好ましい。
【0010】
本発明の別のディスク処理装置(以下、「第2のディスク処理装置」という。)では、大小2種のディスクに対し、ディスク挿入口より挿入されたディスクが大径ディスクである場合には、ディスク挿入口の幅方向両端範囲の案内部により該大径ディスクを第1の経路層で反ディスク挿入口側としての奥方向へ案内し、ディスク挿入口より挿入されたディスクが小径ディスクである場合には、ディスク挿入口の幅方向中央範囲の案内部により該小径ディスクを第1の経路層とは異なる第2の経路層で奥方向へ案内し、突出ボスが、第1の経路層までは達しない程度に第2の経路層内へ反第1の経路層側から突出し、第2の経路層を反ディスク挿入口方向へ移動して来る小径ディスクの側面に当接して、小径ディスクの移動を制限する。
【0011】
第2のディスク処理装置は次の要素を有している。
突出ボスが、小径ディスクの側面からの当接力を受けて、第2の経路層の方へ揺動するように、突出ボスを弾性的に支持する支持部材、及び
ディスクの当接方向へ突出ボスに対して反ディスク側に配設されストッパとの当接によりストッパの揺動を制限する揺動制限部材。
【0012】
好ましくは、第2のディスク処理装置によれば、突出ボスは、該小径ディスクを幅方向中央の方へ寄せる案内を兼ねている。また、突出ボスは、ディスクの方へ張り出す張り出し部を突出方向の先端部分に有している。
【0013】
第2のディスク処理装置の具体的態様では、所定のシャーシに組付けられる樹脂製の一体成型品を有し、突出ボス、支持部材及び揺動制限部材は一体成型品の各部分として形成される。一体成型品は、突出ボスの基端部と揺動制限部材の基端部とを相互に連絡する弾性変形自在の連絡部分を有し、該連絡部分が、支持部材への突出ボスの弾性支持を達成する。
【0014】
ディスクは、CD(通常のCDだけでなく、CD−R等も含む。)に限定されない。DVDや他の光ディスクであってもよい。第1及び第2のディスク処理装置は、ディスク再生装置に限定されず、ディスク再生以外でディスクを扱うものであってもよい。第1及び第2のディスク処理装置は、駆動装置を使用して、ディスクを移送するものに限定されず、ユーザが手の力でディスクを移送する形式のものであってもよい。
【0015】
第1のディスク処理装置は大小二種のディスクに共用されるものに限定されず、同一径のディスクしか扱わないディスク処理装置も含む。同一径のディスクしか扱わないディスク処理装置であっても、ストッパを縮小させつつ、乗り越えを確実に回避する構造が必要となることがあり、ストッパの突出量を、ディスク当接時には、通常時より増大させることが有利であるからである。
【0016】
なお、第1のディスク処理装置の一例は後述の車載用CD再生装置10であり、第1のディスク処理装置の各要素と車載用CD再生装置10の各要素との対応関係は次のとおりである。ストッパ:円柱状突起33、支持部材:基板部45、支持本体部:基板本体部54、結合部:連結部分49、揺動制限部:リブ状垂壁部47、揺動制限部:剛性受け部60、張り出し部:張り出し部46。
【0017】
第2のディスク処理装置の一例は後述の車載用CD再生装置10であり、第2のディスク処理装置の各要素と車載用CD再生装置10の各要素との対応関係は次のとおりである。幅方向両端範囲の案内部:前側案内面31及び円柱状突起33、ディスク挿入口:ディスク挿入口13、突出ボス:円柱状突起33、支持部材:基板部45、揺動制限部材:リブ状垂壁部47、張り出し部:張り出し部46、一体成型品:取付け板30、連絡部分:連結部分49。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ストッパ及び突出ボスは、低い高さでディスクの経路内に配備され、ディスクの当接に伴い、その当接力を受けて所定範囲まで揺動し、高さを増大する。これにより、突出ボス及びストッパがディスクがそれを乗り越えてしまうことを防止する。したがって、ディスク処理装置の薄型化を円滑に進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は車載用CD再生装置10の概略構造を示す平面図である。説明の便宜上、車載用CD再生装置10は横置きされるとし、車載用CD再生装置10について、ディスク挿入口13側及び反ディスク挿入口13側をそれぞれ前側及び後ろ側と呼ぶことにし、また、車載用CD再生装置10の上下左右を車載用CD再生装置10の前面側から見たときの上下左右に対応させる。アウタシャーシ11は、ハウジング(図示せず)内に収納され、各種部品を組み付けられるようになっている。ディスク挿入口13は、その幅方向を車載用CD再生装置10の左右方向に揃えられて、アウタシャーシ11の前端部に形成され、12cmCD40(図2)及び8cmCD42(図3)を挿入自在になっている。ゴムローラ15は、ディスク挿入口13の近傍に配設され、ディスクの駆動時では、ディスクの下面に押し付けられて、正逆いずれかの回転によりディスクを格納(ロード)方向及び排出(イジェクト)方向へ駆動する。
【0020】
左右の円柱状突起33(後述の図4で詳説)は、左右対称の位置で、アウタシャーシ11の天井内面(具体的には図2等の取付け板30)に突設されている。左右の円柱状突起33は、8cmCD42に対してストッパ機能と案内機能とを有し、8cmCD42が格納方向へ移動して来るときに、8cmCD42の側面に当接して、8cmCD42の左右方向位置がほぼ中央になるように矯正して、後方へ案内する。左右の後ろ側ストッパ21は、ストッパとしての円柱状突起33より後方において、左右対称の位置で、アウタシャーシ11の天井内面に突設されている。左右の後ろ側ストッパ21の距離は左右の円柱状突起33の距離より小とされ、左右の後ろ側ストッパ21は8cmCD42の最後方位置を規定する。
【0021】
トリガアーム25は、アウタシャーシ11の右端側の端部において鉛直線の周りに揺動自在にアウタシャーシ11に支持され、8cmCD用トリガ部26及び12cmCD用トリガ部27を有している。8cmCD用トリガ部26及び12cmCD用トリガ部27は、それぞれ前側及び後ろ側の関係となっており、また、それぞれ上側及び下側の関係(図2及び図3)となっている。トリガアーム25は、8cmCD用トリガ部26及び12cmCD用トリガ部27への後方への12cmCD40及び8cmCD42の当接に伴い、後方へ揺動するようになっている。クランパ29は、アウタシャーシ11の上部中央に配設され、トリガアーム25へ所定のリンク(図示せず)を介して接続されており、トリガアーム25の揺動に連動して、上下動する。
【0022】
12cmCD40及び8cmCD42が、ゴムローラ15の駆動により各経路層において後方へ移動し、それぞれ8cmCD用トリガ部26及び12cmCD用トリガ部27に突き当たると、トリガアーム25が揺動して、クランパ29が下降し、この結果、12cmCD40及び8cmCD42は、チャッキング場所へ落とし込まれる。ゴムローラ15は、両端部において図示していないアームに支持されており、チャッキング場所へのディスクの落とし込みに先立ち、両端部のアームの作動により十分に下降し、ディスクの落とし込みに対して干渉しないようになっている。
【0023】
図2及び図3はそれぞれ12cmCD40及び8cmCD42に関しての格納方向移動中の車載用CD再生装置10内の状態説明図である。樹脂製一体成型品から成る取付け板30は、左右にそれぞれ存在し、アウタシャーシ11の上壁下面に組付けられ、円柱状突起33を後端部に有している。円柱状突起33は、各取付け板30において、その下面から所定寸法だけ突出している。左右の円柱状突起33の左右方向距離は、8cmCD42(図3)の径より小さくなっている。前側案内面31及び後ろ側案内面32は、取付け板30とは別の部材に形成されており、下方へ隆起している。前側案内面31及び後ろ側案内面32は、前後方向に所定の距離、離れて配置されている。前側案内面31及び後ろ側案内面32は、また、12cmCD40の上面に接触するものの、8cmCD42の上面には接触しないように、左右方向の両端範囲に配設されている。ゴムローラ15は、前後方向へはディスク挿入口13の方へ寄って配設され、アウタシャーシ11の左右方向両端範囲にわたって水平に延在している。ゴムローラ15は、12cmCD40及び8cmCD42の下面を上方へ圧接しつつ、正逆両方向の回転により12cmCD40及び8cmCD42を格納方向及び排出方向の両方へ駆動するようになっている。クランプアーム38は、トリガアーム25を組付けられ、トリガアーム25と一体的に揺動する。
【0024】
図2では、12cmCD40は、ディスク挿入口13から挿入され、下面側におけるゴムローラ15の格納方向回転駆動により後方へ移動している過程にある。12cmCD40は、格納方向移動中、上面側において左右の後ろ側案内面32の下面の案内により移動方向前端を下向きに規定される。これにより、12cmCD40は、円柱状突起33に当接することなく、円柱状突起33を後方へ通過する。
【0025】
図3では、8cmCD42は、ディスク挿入口13から挿入され、下面側におけるゴムローラ15の格納方向回転駆動により後方へ移動している過程にある。8cmCD42は、左右方向中央部の図示していない案内面により移動時の高さを規定される。8cmCD42は、その径が小さいために、格納方向移動中、上面側において後ろ側案内面32の下面への圧接を免れ、移動方向前端の向きを下げられないまま、後進する。結果、移動方向前方側の、8cmCD42の側面が円柱状突起33に当接し、左右方向へ円柱状突起33の部位では後進不能になるので、左右方向中央の方へ円柱状突起33により案内される。これにより、8cmCD42は、左右方向位置を矯正され、左右方向へほぼ中央位置となって、トリガアーム25の方へ後進する。
【0026】
図4は取付け板30の円柱状突起33を含む範囲の拡大図である。図4並びに後述の図5及び図6においてLは格納時の8cmCD42の移動方向である。円柱状突起33は、基板部45の下面に突設され、円柱状突起33の下端、すなわち突出端の上下方向位置は、格納方向移動中の8cmCD42の下面より少し上に設定され、12cmCD40がその格納時に上方向へ最悪、寄った経路で移動して来たとしても、12cmCD40との当接が確実に回避できる高さなっている。張り出し部46は、反L方向へ張り出すように、円柱状突起33の先端部に形成されている。張り出し部46は、図4から分かるように、下面は円柱状突起33の本体部分の下面に揃えられているのに対し、他の上下方向部位では、下方の位置程、反L方向へ張り出し量を増大させている。
【0027】
リブ状垂壁部47は、L方向へ円柱状突起33より前方において基板部45から下方へ突出している。リブ状垂壁部47の突出量は円柱状突起33の突出量より少し小さい。溝48は、L方向へ円柱状突起33とリブ状垂壁部47との間に形成され、下方及び左右側方へ開放している。連結部分49は、L方向へ溝48の範囲に存在し、円滑に弾性変形できる幅に規定されて、円柱状突起33及びリブ状垂壁部47の基端部同士を相互に連結している。連結部分49は、円柱状突起33が、8cmCD42からL方向の当接力に対して、円柱状突起33が下方かつリブ状垂壁部47の方へ揺動するように、弾力的に変形するようになっている。
【0028】
図5は円柱状突起33の作用についての説明図である。(a)及び(b)は、8cmCD42が当接した時のそれぞれ従来の突出ボス33b及び円柱状突起33の状態を示している。従来技術では、突出ボス33bが取付け板30bに固定されているため、突出ボス33bが、車載用CD再生装置10の薄型化に伴って、その突出量を減少されると、8cmCD42は、Sのように、突出ボス33bに容易に乗り上げて、突出ボス33bを通過する可能性が高かった。
【0029】
これに対して、円柱状突起33では、格納方向へ移動中の8cmCD42の側面が張り出し部46に当接すると、連結部分49が弾性変形し、張り出し部46は、8cmCD42の側面によりリブ状垂壁部47の方へ連行されつつ、8cmCD42の側面を下方へ摺動し、張り出し部46の下端位置が下降する。張り出し部46の下降は、円柱状突起33の反ディスク側がリブ状垂壁部47に当接することにより、停止する。この状態では、張り出し部46は、8cmCD42が円柱状突起33を乗り越えることができない程度に、十分に下降した位置になっている。これにより、8cmCD42は、左右方向へ円柱状突起33の位置ではL方向への進行を阻止される。しかし、ゴムローラ15による格納方向への8cmCD42の移動は継続するので、円柱状突起33への8cmCD42の当接部分は、円柱状突起33の周部を回って、左右方向中央の方へ偏倚しつつ、中央範囲において後進することになる。8cmCD42が所定のチャッキング場所へ落下し、円柱状突起33が8cmCD42からの当接力を解除されると、円柱状突起33は、連結部分49の復元力により元の高い位置へ戻る。
【0030】
このように、円柱状突起33は、高さを減少され、常時は、高い位置を保持しつつ、8cmCD42が当接すると、十分に下まで下降して、8cmCD42が乗り越えるのを防止する。
【0031】
図6は円柱状突起33の揺動を規制する部分が円柱状突起33に対して8cmCD42側に配設された構成を示している。図6(a)は円柱状突起33へ8cmCD42が当接していない状態、図6(b)は円柱状突起33へ8cmCD42が当接している状態をそれぞれ示している。
【0032】
図6における基板部45における円柱状突起33、張り出し部46、溝48及び連結部分49の構成は図4の基板部45のそれらと同一である。基板本体部54は、所定の剛性を確保できる厚さを有し、L方向へ円柱状突起33より前方に配置されている。溝61は、連結部分49の下面側に形成され、連結部分49の厚さを減少させることにより、連結部分49に所定の弾力性を付与している。剛性突出部55は、円柱状突起33の基端部において、反L方向へ突出している。
【0033】
基板部45は、L方向へ円柱状突起33より後方に別の基板本体部59を備えている。別の基板本体部59は、その上面が基板本体部54と同一高さになるように、保持され、8cmCD42は、格納方向移動時に、上面において別の基板本体部59の下面を摺動するようになっている。別の基板本体部59は、円柱状突起33側の端部において、剛性受け部60を有している。剛性受け部60は、剛性突出部55より下方に位置し、剛性突出部55との間に所定の間隙を開けて、剛性突出部55に対峙している。
【0034】
8cmCD42が円柱状突起33の張り出し部46にL方向へ当接すると、円柱状突起33は、連結部分49の弾性変形により基板本体部54に対して下方へ揺動する。円柱状突起33の揺動量が所定値に達すると、剛性突出部55が剛性受け部60の上面に当接し、円柱状突起33の揺動が停止する。この時、張り出し部46の下端は十分に下降しているので、8cmCD42は円柱状突起33を乗り越えることを阻止される。
【0035】
図5(b)及び図6(b)の状態では、張り出し部46の下端は、8cmCD42の下端より上になっているが、張り出し部46の下端が8cmCD42の下端を乗り越えて8cmCD42の下面に回り込み、これにより、乗り越え抑止効果がさらに高まるまで、円柱状突起33が十分に揺動するように、円柱状突起33とリブ状垂壁部47との距離や連結部分49の長さを設定することかできる。また、円柱状突起33の揺動構造は、8cmCD用トリガ部26(図2及び図3)にも適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】車載用CD再生装置の概略構造を示す平面図である。
【図2】12cmCDに関しての格納方向移動中の車載用CD再生装置内の状態説明図である。
【図3】8cmCDに関しての格納方向移動中の車載用CD再生装置内の状態説明図である。
【図4】取付け板の円柱状突起を含む範囲の拡大図である。
【図5】円柱状突起の作用についての説明図である。
【図6】円柱状突起の揺動を規制する部分が円柱状突起に対して8cmCD側に配設された構成を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10:車載用CD再生装置(ディスク処理装置)、13:ディスク挿入口、30:取付け板(樹脂製一体成型品)、31:前側案内面(案内面)、32:後ろ側案内面(案内面)、33:円柱状突起(ストッパ及び突出ボス)、40:12cmCD(大径ディスク)、42:8cmCD(小径ディスク)、45:基板部(支持部材)、46:張り出し部、47:リブ状垂壁部(揺動制限部材)、48:連結部分(連絡部分)、60:剛性受け部(揺動制限部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの厚さより小さい寸法だけ、前記ディスクの移動経路内へ前記ディスクの厚さ方向へ突出して、前記ディスクの側面との当接により前記ディスクの移動を制限するストッパ、及び
前記ストッパが、前記ディスクの側面からの当接力を受けて前記ディスクの移動経路内への突出量を増大させる方向へ揺動するように、かつ前記ストッパの最大揺動位置が制限されるように、前記ストッパを支持する支持部材、
を有していることを特徴とするディスク処理装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記ストッパの揺動量が増大するに連れて、前記ストッパの揺動に対する弾性抵抗力を増大するものであり、
前記支持部材は、前記弾性抵抗力の増大により前記ストッパの最大揺動位置を制限するように、なっていることを特徴とする請求項1記載のディスク処理装置。
【請求項3】
前記支持部材は、支持本体部、前記ストッパを前記支持本体部に弾性的に結合して前記ストッパの揺動を許容する結合部、揺動方向への前記ストッパとの当接により前記ストッパの揺動を制限する揺動制限部を有していることを特徴とする請求項1記載のディスク処理装置。
【請求項4】
前記ストッパは、前記ディスクの当接方向のディスク側へ張り出す張り出し部を突出方向の先端部分に有していることを特徴とする請求項1〜3記載のディスク処理装置。
【請求項5】
大小2種のディスクに対し、ディスク挿入口より挿入されたディスクが大径ディスクである場合には、ディスク挿入口の幅方向両端範囲の案内部により該大径ディスクを第1の経路層で反ディスク挿入口側としての奥方向へ案内し、前記ディスク挿入口より挿入されたディスクが小径ディスクである場合には、ディスク挿入口の幅方向中央範囲の案内部により該小径ディスクを前記第1の経路層とは異なる第2の経路層で奥方向へ案内し、突出ボスが、前記第1の経路層までは達しない程度に第2の経路層内へ反第1の経路層側から突出し、前記第2の経路層を奥方向へ移動して来る小径ディスクの側面に当接して、前記小径ディスクの移動を制限するディスク処理装置であって、
前記突出ボスが、前記小径ディスクの側面からの当接力を受けて、前記第2の経路層の方へ揺動するように、前記突出ボスを弾性的に支持する支持部材、及び
前記ディスクの当接方向へ前記突出ボスに対して反ディスク側に配設され前記ストッパとの当接により前記ストッパの揺動を制限する揺動制限部材、
を有していることを特徴とするディスク処理装置。
【請求項6】
前記突出ボスは、該小径ディスクを幅方向中央の方へ寄せる案内を兼ねていることを特徴とする請求項5記載のディスク処理装置。
【請求項7】
前記突出ボスは、前記ディスクの方へ張り出す張り出し部を突出方向の先端部分に有していることを特徴とする請求項5又は6記載のディスク処理装置。
【請求項8】
所定のシャーシに組付けられる樹脂製の一体成型品を有し、
前記突出ボス、前記支持部材及び前記揺動制限部材は前記一体成型品の各部分として形成され、
前記一体成型品は、前記突出ボスの基端部と前記揺動制限部材の基端部とを相互に連絡する弾性変形自在の連絡部分を有し、
前記支持部材への前記突出ボスの弾性支持が前記連絡部分の弾性変形により達成されるようになっていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のディスク処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−179081(P2006−179081A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370021(P2004−370021)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】