説明

ディスク式撮像装置

【課題】ビデオカメラ等のディスク式撮像装置において、当該装置を水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合でも、通常装置に搭載される手振れ検出用のセンサを利用して記録動作を制御できるようにする。
【解決手段】ディスク型記録媒体14に撮像した画像を記録するディスク式撮像装置1において、手振れによる振動を検出するとともに、装置本体の水平方向への動きに起因するジャイロモーメントを検出するジャイロセンサ3,4と、上記手振れによる振動の周波数帯より低い周波数帯にて、ジャイロセンサ3,4からの検出信号のレベルとしきい値とを比較し、検出信号のレベルがしきい値を超えていることを示すジャイロ検出信号を記録制御部12へ出力する検出信号判定部7と、検出信号判定部7からジャイロ検出信号を受信してディスク型記録媒体14へのデータの記録を一時停止させる記録制御部12を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク式撮像装置に関し、特に手振れ補正機構を備え、光ディスク等のディスク型記録媒体を使用するビデオカメラに適用して好適なディスク式撮像装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報記録再生装置においては、光学的情報記録再生装置に加えられた衝撃や振動を検知して光学的情報記録再生装置の記録品質の悪化を防止するシステムが一般的に用いられている。
【0003】
上記光学的情報記録再生装置の一例として、例えば光ディスク本体のローリング(外乱)に基づくスピンドルモータのジャイロ効果を検出して、ローリングの検出結果を光ディスク本体のサーボ制御に用いることの外に、光ディスク装置本体への接続機器に応じた制御/補正用信号(例えば、手振れ補正、拡大画面の画面歪み補正)として用いるように構成された光ディスク装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また近年のビデオカメラやスチルカメラには、ジャイロセンサを用いた手振れ補正機能が標準装備される傾向にある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−242707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の光ディスク装置が検出する衝撃や振動は、一般に2軸アクチュエータ等から構成される光ピックアップの光ディスクへの追従性を阻害するようなレベルのものを対象としている。例えば、光学的情報記録再生装置を前述の衝撃または振動検出用のセンサでは検出できない程度の低速度で水平方向に大きく回転または往復させた場合でも、光ディスクにジャイロモーメントが作用して反りや捻り等の物理的な変形が生じることを実験により確認した。この光ディスクの物理的な変形のために、記録品質を悪化させることがある。
【0007】
光学的情報記録再生装置の一例として、記録媒体に光ディスクを使用するビデオカメラを例に挙げて説明する。ビデオカメラの概略斜視構成を図2に示す。ビデオカメラ1は光ディスクを着脱可能に構成された光ディスク収納部20を備え、この光ディスク収納部20は光ディスクを装置本体に対して縦方向(XY平面に垂直)に収納している。上述の光学的情報記録再生装置を水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合というのは、ビデオカメラ1の向きを光ディスクの面に対して垂直方向(XY平面上)に移動させたとき、または切り替えたときなどが当てはまる。さらに、純粋に光ディスクの面に対して垂直方向への移動に限らず、移動方向をXYZ座標系で分解したときに垂直方向の成分が含まれていればこれに含まれる。
【0008】
このように従来のシステムでは、光学的情報記録再生装置を水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合の衝撃および振動を検出できないので、記録動作を一時停止することができず、その結果、光ディスクの再生時に再生画音に不具合を発生させてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、ビデオカメラ等、ディスク型記録媒体への記録機能を備えた装置において、当該装置をディスクに対し垂直方向に低速度で大きく回転または往復させた場合でも、通常装置に搭載される手振れ検出用のセンサを利用して記録動作を制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のディスク式撮像装置は、撮像した画像を記録する記録媒体としてディスク型記録媒体を使用するディスク式撮像装置において、手振れ補正用に装置本体の衝撃または振動を検出するとともに、装置本体の水平方向への動きに起因するジャイロモーメントを検出するジャイロセンサと、記録動作中に、前記手振れ補正用に検出される衝撃または振動の周波数帯より低い周波数帯において、前記ジャイロセンサから出力される検出信号のレベルと予め設定されたしきい値とを比較し、前記検出信号のレベルが前記しきい値を超えている場合、その旨を示すジャイロ検出信号を記録制御部へ出力する検出信号判定部と、前記検出信号判定部からのジャイロ検出信号を受信して前記ディスク型記録媒体へのデータの記録を一時停止させる記録制御部とを有する構成としたことを特徴とする。
上記水平方向への動きとは、装置本体をディスク面と垂直な面内において低速度で大きく回転または往復させたときの動きを指しており、最低限3次元座標に分解して垂直方向成分があればよい。
また上記検出レベルは、ジャイロセンサで検出されるジャイロモーメント量のことである。
【0011】
上述の構成によれば、ビデオカメラを水平方向に大きな距離振ったときに発生するジャイロモーメントが所定レベル以上のときに記録動作を一時停止させるので、ディスク型記録媒体の物理的な変形に起因して情報記録品質が悪化するのを防止することが可能となる。また、通常、装置に用いられる手振れ検出用のジャイロセンサを用いるので、検出センサの追設が不要となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ビデオカメラ等、ディスク型記録媒体への記録機能を備えたディスク式撮像装置において、当該装置を水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合でも、通常ビデオカメラや装置に搭載される手振れ検出用のセンサを利用して記録動作を制御でき、記録品質を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態の例を説明する。
本実施形態は、本発明に係るディスク型記録媒体への記録機能を備えたディスクディスク式撮像装置を、図2に示すような記録媒体に光ディスクを用いたビデオカメラ1に適用した例である。ビデオカメラ1は光ディスク収納部20を備え、光ディスクが光ディスク収納部20に縦方向(XY平面に垂直)に収納される。ビデオカメラ1で記録中に、水平(パン)方向に低速度で大きく回転または往復させた場合でも、光ディスクに対する記録品質を良好に保つことができるよう構成されている。
【0014】
なお、ビデオカメラ1を水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合というのは、ビデオカメラ1の向きを光ディスクの面に対して垂直方向(XY平面上)に弧を描くように移動させたとき、または移動方向を切り替えたときなどが当てはまる。さらに、純粋に光ディスクの面に対して垂直方向への移動に限らず、移動方向をXYZ座標系で分解したときに垂直方向の成分が含まれていれば、これに含まれる。
【0015】
本実施形態のビデオカメラ1は、振動、衝撃等の外乱がある設定したレベルを超えた場合に記録を一時停止、再記録を行うシステムを有している。また、手振れ検出用のセンサには例えばジャイロセンサを使用している。ジャイロセンサが感知する、手振れに相当するジャイロモーメント量が設定したレベルを超えた場合にカメラ部(撮像装置)を通して記録される画像を、光学的または電気的に補正する機能を有している。
【0016】
この手振れ検出に関しては、カメラ部に取り付けられたパン(カメラ機器を通常撮影姿勢から水平方向に振る場合)およびチルト(カメラ機器を通常撮影姿勢から垂直方向に振る場合)を検出するセンサ(例えば、ジャイロセンサ)からの出力を用いて手振れがあったことを検出し、光学的あるいは電気的に補正をかける。例えば、カメラ部の光学系のぶれを補正したり、撮像された画像に手振れ補正処理を加えて修正する。
【0017】
振動や衝撃の検出に関しては、振動、衝撃を検出するセンサからの出力と、サーボのエラー信号であるトラッキングエラー信号(TE信号)またはフォーカスエラー信号(FE信号)が予め設定したレベルを超えた場合の出力との論理積を取って、記録品質に影響を与える振動や衝撃が機器本体に加えられたことを検出し、記録を一時停止、再記録を行う。
【0018】
本発明は上述したような周知の構成を利用して、ビデオカメラ1で記録中に、水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合でも、光ディスクに対する記録品質を良好に保つことができるようにしている。
【0019】
図1を参照して、本発明のディスク式撮像装置が適用されたビデオカメラの構成について説明する。
【0020】
図1において、ビデオカメラ1は、カメラ2、パンおよびチルト用ジャイロセンサ4,5、ジャイロセンサ増幅部5、カメラ制御装置6、ドライブ制御装置7、信号処理装置9、光学ピックアップ13、加速度センサ16から構成される。
【0021】
カメラ2は、レンズ等の光学系およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を含む電気系から構成され、撮像手段で撮像した情報から電気信号を得る撮像装置である。得られた電気信号は映像信号に変換され、例えば図示しないホストコンピュータおよび信号処理装置9と連携して光ディスク14に記録される。
【0022】
パンジャイロセンサ3およびチルトジャイロセンサ4は、検出手段として機能し、ビデオカメラ1のパン方向およびチルト方向への移動量をジャイロモーメント量で検出する。これらジャイロモーメント量の検出信号はジャイロセンサ増幅器5で増幅されてカメラ制御装置6へ送られる。
【0023】
カメラ制御装置6は、カメラ2の挙動を制御するものであり、ジャイロセンサ増幅器5を介して受信したパンおよびチルトのジャイロモーメント量の検出信号から手振れがあるか否かを検出し、検出結果に応じてカメラ2に対し手振れ補正の指示を行う。カメラ制御装置6は例えばMPU(Micro Processing Unit)から構成される。
【0024】
ドライブ制御装置7は、ビデオカメラ1の光ディスクドライブを制御するものであり、例えばMPU(Micro Processing Unit)等から構成される。ドライブ制御装置7は検出信号判定部として機能するものであり、パンおよびチルトジャイロセンサ3,4から受信する検出信号のレベルと予め設定された所定のレベルとを比較し、その検出信号のレベルが所定のレベルを超えていると判断した場合、その旨を示すジャイロ検出信号を信号処理装置9に対し出力する。なお、ドライブ制御装置7に、ジャイロセンサ増幅器5から入力される検出信号をアナログ/デジタル(A/D)変換するアナログ/デジタル変換器を設けてもよい。
【0025】
上記予め設定される所定のレベルは、ビデオカメラ1を水平(パン)方向に低速度で大きく、例えば通常の手振れよりゆっくり、かつ1秒間にパン角180度以上移動するような速度で動かしたときに、記録品質を良好に維持できるジャイロモーメント量の許容値(しきい値)を示すものである。検出すべきジャイロモーメントは、その検出帯域が手振れによる振動の検出帯域よりも低い周波数帯のため振動検出では検出できない外乱であり、かつそのレベル(大きさ)は通常の手振れによる振動より大きなレベルである。本例では、例えば数十ヘルツのような通常の手振れの検出帯域よりも低い数ヘルツあるいはそれ以下の帯域のジャイロモーメント量を検出、分析することにより通常の手振れ検出では検出されないパン方向の移動を検出する。
【0026】
上記周波数の値は、本発明の検出対象とする周波数帯が通常の手振れ検出で対象となる周波数帯より低いことを示すために例示したものであり、この例に限るものではない。
【0027】
信号処理装置9は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等から構成され、サーボエラー変動検出部を形成するトラックキングエラー変動検出部10およびフォーカスエラー変動検出部11、記録制御部12として機能する。
【0028】
上記トラッキングエラー変動検出部10は図示しないトラッキングサーボ機構の追従性が設定値以上に悪化したことを示すエラー信号を受信し、そのことを示す信号を論理和回路15に出力する。またフォーカスエラー変動検出部11は図示しないフォーカスサーボ機構の追従性が設定値以上に悪化したことを示すエラー信号を受信し、そのことを示す信号を論理和回路15に出力する。なお、これらサーボ機構関係のエラー信号の設定値は、予め設定された値が図示しない記憶装置に記憶されるか、あるいは図示しないホストコンピュータ等により適宜設定され記憶装置に記憶される。
【0029】
論理和回路15では、トラッキングエラー変動検出部10からのエラー信号とフォーカスエラー変動検出部11からのエラー信号の論理和を論理積回路17へ出力する。論理積回路17は、論理和回路15から出力されるサーボ機構のエラーを示す信号と、加速度センサ16で設定値を超えるレベルの検出信号が検出されたことを示す加速度検出信号との論理積を計算しその結果を出力する。また、論理和回路18は、前記論理積回路17からの信号と、ドライブ制御装置7からのジャイロ検出信号との論理和を計算しその結果を記録制御部12へ出力する。
【0030】
加速度センサ16は、ビデオカメラ1に掛かる衝撃や振動を、ビデオカメラ1の動きの加速度から検出するものである。サーボ機構のエラー信号と加速度センサ16との論理積を計算しているのは、例えば光ディスクの記録面に傷やごみなどがあるとサーボ機構のエラーが出やすいために、加速度センサ16の出力を持って実際に振動や衝撃等によってサーボ機構のエラーが生じたことを確認するためである。
【0031】
論理和回路18からの信号が入力される記録制御部12は、論理和回路18から受信した信号の内容を分析し、その結果に基づいて記録パワー等の調節などを行い、光学ピックアップ13に対する記録処理を制御する。つまり、記録の開始、停止、さらには一時停止後に再記録する等の動作を制御する。光学ピックアップ13は記録制御部12の指示に従い、カメラ2で撮像された映像を光ディスク14に記録する。
【0032】
以上のように構成されるビデオカメラ1の特徴は、パンおよびチルトジャイロセンサ3,4から出力されたジャイロモーメント量の検出信号をドライブ制御装置7に入力し、その検出信号が手振れ検出用のレベルとは別に設定されたジャイロモーメント検出用の所定のレベルを超えている場合には、その旨を示すジャイロ検出信号が論理和回路18を経由して記録制御部12へ入力されるように構成した点である。ドライブ装置7から出力されたジャイロ検出信号を従来からある手振れサーボエラー検出用のシステムに入力することで、サーボエラー等による衝撃および振動を検出したときと同様に記録動作を一時停止し、所定時間経過後に再記録を行うことができる。所定時間とは一例として10秒程度であるが、数秒〜十数秒であればよく、本例に限るものではない。
【0033】
次に、ビデオカメラ1の動作について説明する。
【0034】
まず、ビデオカメラ1の手振れを検出する場合を説明する。この手振れ検出に関しては、カメラ2に取り付けられたパンおよびチルトジャイロセンサ3,4からのジャイロモーメント量の出力(検出信号)をカメラ制御装置6が受信し、手振れ補正用に設定された検出レベルと受信した検出信号のレベルを比較し、設定された検出レベルを超えている場合に手振れがあると判断する。そして、手振れがあると判断した場合、カメラ2に対し、光学的あるいは電気的に補正をかける。例えば、カメラ2の光学系のぶれを補正したり、撮像された画像に手振れ補正処理を加えて修正する。これにより手振れが補正された画像を取得することができる。
【0035】
次に、ビデオカメラ1の通常の振動や衝撃を検出する場合を説明する。この振動や衝撃の検出に関しては、振動、衝撃を検出する加速度センサ16からの出力と、サーボ機構のエラー信号であるトラッキングエラー変動信号またはフォーカスエラー変動信号が予め設定したレベルを超えた場合の出力との論理積を論理積回路17で計算し、その結果を論理和回路18から記録制御部18に供給する。記録制御部12は、記録品質に影響を与える振動や衝撃が機器本体に加えられたことを検出し、所定時間の間記録を一時停止し、その後再記録を行う。これにより記録品質の悪化が防止される。
【0036】
さらに、ビデオカメラ1を水平方向に低速度で大きく回転または往復させた場合を説明する。具体的には通常ビデオカメラに装備されている手振れ検出用のパンおよびチルトジャイロセンサ3,4を用い、手振れ検出用のレベルとは別に、ジャイロ検出信号検出用のレベル(しきい値)を設定して読み書き可能な記憶装置等に記憶しておく。そして、ビデオカメラ1を水平方向に低速度で大きく回転または往復させたとき、ドライブ制御装置7は、パンおよびチルトジャイロセンサ3,4から出力された検出信号がそのレベル(しきい値)を超えたと判断した場合、ジャイロ検出信号を出力し、そのジャイロ検出信号を論理和回路18を介して信号処理装置9の記録制御部12に入力する。そして記録制御部12により、パン方向に低い周波数帯の大きな揺れを検出したとき、加速度センサによる通常の振動や衝撃を検出時と同様に記録を一時停止し、所定時間経過後に再記録を行う。
【0037】
その結果、ジャイロモーメントによる光ディスクの物理的な変形が発生し得る状況の場合には記録を一旦停止し、記録品質の悪化を防ぐことができる。例えば、ビデオカメラ1を水平方向に(XY平面内において)180°振るような場合、その180°の移動に要する時間が1秒を切るような速度であると、光ディスク14に所定値以上のジャイロモーメントが作用し、記録品質の低下を招くような事態が発生する恐れがあるが、本発明はこのような状況下で記録品質を良好な状態に維持するのに大いに寄与する。
【0038】
以上説明したように、本発明のディスク式撮像装置は、既存のシステムを利用、つまり手振れ補正用のパンおよびチルトジャイロセンサから得られる検出信号を用いて記録動作の一時停止を行うことで、ビデオカメラを大きな距離で水平方向に振ったときに発生するジャイロモーメントによる光ディスクの物理的な変形に起因する情報記録品質の悪化を防止することが可能となる。本発明の構成は、カメラ機器で通常用いられる手振れ検出用のジャイロセンサを用いれば、検出センサを追設することなく実現することができる。
【0039】
さらに、本発明の記録品質の維持が可能な向上したディスク式撮像装置は、飛行機や電車や船舶等、ビデオカメラ1を大きく振ったときに相当するような揺れを伴う使用状況でも、安定した記録が可能となる。
【0040】
なお本発明は、上述した実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることは勿論である。
【0041】
例えば、上述した実施形態例では、ディスクを縦に収納するタイプのビデオカメラの場合について説明したが、例えば図2において光学レンズ21の向きは同じで光ディスクを横方向に収納するタイプのディスク式撮像装置にも適用できる。このときジャイロモーメント量の測定対象となる装置本体の動きは、やはりディスク面に対して垂直な方向への(垂直な面内での)低速度で大きな動きである。
【0042】
また、上記実施形態例では、一例として光ディスクを記録媒体として使用するビデオカメラに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、記録媒体として光磁気ディスク、次世代DVD(Digital Versatile Disk)を使用する機器、HDD(Hard Disk Drive)を搭載する機器など、ディスク型記録媒体への記録機能を備えた種々のディスク式記録装置に適用可能である。
【0043】
例えば、携帯可能な小型の筐体に内蔵されたHDDやDVDに映画などの映像データを記録しておき、携帯先でいつでもその映像データを再生して表示画面に表示される映画を楽しむことができる装置に記録機能を搭載したディスク式記録再生装置が市販されており、このようなディスク式記録再生装置に放送波受信機能を設け、携帯端末向けの地上デジタル放送(ワンセグ放送)を受信したデータを当該ディスク式記録再生装置内のディスク型記録媒体に記録するような形態等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態に係るビデオカメラの構成例を示す図である。
【図2】ビデオカメラの概略斜視図を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1…ビデオカメラ、2…カメラ、3…パン用ジャイロセンサ、4…チルト用ジャイロセンサ、5…ジャイロセンサ増幅器、6…カメラ制御装置、7…ドライブ制御装置、9…信号処理装置、10…トラッキングエラー変動検出部、11…フォーカスエラー変動検出部、12…記録制御部、13…光学ピックアップ、14…光ディスク、15,18…論理和回路、16…加速度センサ、17…論理積信号、20…光ディスク収納部、21…光学レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像した画像を記録する記録媒体としてディスク型記録媒体を使用するディスク式撮像装置において、
手振れ補正用に装置本体の衝撃または振動を検出するとともに、装置本体の水平方向への動きに起因するジャイロモーメントを検出するジャイロセンサと、
記録動作中に、前記手振れ補正用に検出される衝撃または振動の周波数帯より低い周波数帯において、前記ジャイロセンサから出力される検出信号のレベルと予め設定されたしきい値とを比較し、前記検出信号のレベルが前記しきい値を超えている場合、その旨を示すジャイロ検出信号を記録制御部へ出力する検出信号判定部と、
前記検出信号判定部からのジャイロ検出信号を受信して前記ディスク型記録媒体へのデータの記録を所定時間一時停止させる記録制御部と
を有することを特徴とするディスク式撮像装置。
【請求項2】
上記ディスク式撮像装置はさらに、
装置本体の衝撃または振動を検出する加速度センサと、
サーボ機構のエラーを示すサーボエラー変動信号と、前記加速度センサで設定値を超えるレベルの検出信号が検出されたことを示す加速度検出信号との論理積を計算しその結果を出力する論理積回路と、
前記論理積回路からの出力信号と、前記検出信号判定部から出力されるジャイロ検出信号との論理和を計算しその結果を前記記録制御部へ出力する論理和回路とを備え、
前記記録制御部は、前記論理和回路からの出力に基づいて前記ディスク型記録媒体へのデータの記録を所定時間一時停止させる
ことを特徴とする請求項1記載のディスク式撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−207345(P2007−207345A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24931(P2006−24931)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】