ディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラム
【課題】ローラとディスクのスリップ現象を発生させることのないディスク搬送を行うことが可能なディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置において、装置内の湿度を検出させ、検出された湿度に基づいてディスクの搬送速度を制御する。具体的には、検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送手段を制御し、所定の値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で搬送手段を制御する。又は、検出された湿度に基づいて搬送手段を駆動させるためのギヤを切り換える。
【解決手段】ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置において、装置内の湿度を検出させ、検出された湿度に基づいてディスクの搬送速度を制御する。具体的には、検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送手段を制御し、所定の値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で搬送手段を制御する。又は、検出された湿度に基づいて搬送手段を駆動させるためのギヤを切り換える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、DVD、CDなどのディスクを用いたディスク再生装置は、挿入されたディスクを所定の収容位置に搬送するとともに、所定の収容位置にあるディスクを挿入口まで搬送して排出する搬送装置(搬送手段)を備えている。この搬送装置は、例えば特許文献1に記載の技術のように、ディスクをその両面から搬送ローラで挟み込み、この搬送ローラを回転駆動するように構成されている。その様子を図21に示す。
【0003】
図21は、従来技術に係るディスク再生装置200の概略構成を示す断面図である。
図21に示すように、ディスク再生装置200の筐体をなすケース1の正面パネルにはディスクDを挿入するための挿入口2が設けられており、ケース1の内部には、挿入口2に連続した搬送路が形成されている。
ケース1内には、挿入口2に対応してセンサ3(検出手段)が設置されており、挿入口2に挿入されたディスクDの端部位置を検出することにより、ディスクDが所定の収容位置にあることを検出するようになっている。ディスクDが所定の収容位置に収容されると、ディスクモータ4を駆動させることにより、ターンテーブル5及びターンテーブル5の上面に載置されたディスクDを回転させる。
ケース1の内部には、ディスクDをその上面と下面から挟み込むように、シリコンゴム製の搬送ローラ6a及びディスクガイド6bが設けられている。このうち駆動ローラである搬送ローラ6aは、ローディングモータ7の駆動に応じて回転するようになっている。このローディングモータ7の駆動は、センサ3からの検出信号が入力される制御部8が、ローディングモータ7を駆動させるための駆動電圧を発生させる駆動電圧発生装置9を制御することによって行われる。
【0004】
以下、従来技術に係るディスク再生装置200の動作について、図22のフローチャートを用いて説明する。
図22に示すように、ステップS1では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS2へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2では、ローディングを開始する。
ステップS3では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS4へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS3の処理を繰り返す。
ステップS4では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS5では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0005】
このように、従来技術に係るディスク再生装置200は、ディスクDとの接触部分にゴムなどの樹脂部品を使用している搬送ローラを用いてディスクDを搬送することにより、湿度の変化があった場合でも、同じ駆動力、同じ駆動速度でディスクDの搬送を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−100571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、湿度が低い場合、ゴムなどの非導電体には静電気が発生しやすくなり、発生した静電気により異物を吸着する現象が発生する。ディスクの挿排をゴム製のローラにより行う場合、ローラのゴムとディスクの表面とが接触したときに生じる摩擦力によりディスクが搬送されることになるが、ローラ又はディスク表面に異物が付着した状態では、ゴムが本来持っている摩擦力よりも小さな摩擦力しか発生しなくなってしまう。
【0008】
つまり、湿度が低い状態では、ローラのゴム又はディスクの表面に異物が付着している可能性が高く、摩擦力が小さくなってしまうため、ディスクの搬送に必要な摩擦力を発生させることができず、ローラとディスクのスリップ現象を発生させていた。
【0009】
また、ローラに異物の付着した状態でスリップを発生させると、ローラのゴム及びディスクの表面に傷を付けてしまい、ディスクに付いた傷はそのまま読み取り性能の悪化を引き起こす。そして、ローラに付いた傷はローラ本来の摩擦力を低下させ、搬送装置がディスクを搬送できない状態を引き起こすことになる。
【0010】
本発明は、ローラとディスクのスリップ現象を発生させることのないディスク搬送を行うことが可能なディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置において、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディスク搬送装置において、前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で前記搬送手段を制御し、所定の値未満であった場合は前記第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で前記搬送手段を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のディスク搬送装置において、前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、前記駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行うことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のディスク搬送装置において、前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段を駆動させるためのギヤを切り換えることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置におけるディスク搬送方法であって、湿度検出手段により、装置内の湿度を検出する工程と、制御手段により、前記検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する工程と、を含むディスク搬送方法である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置のコンピュータを、装置内の湿度を検出する湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ローラとディスクのスリップ現象を発生させることのないディスク搬送を行うことが可能なディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るディスク再生装置100の概略構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)について示したフローチャートである。
【図3】駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する様子について示した図である。
【図4】駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する様子について示した図である。
【図5】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図6】図2に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)を一部変形したもの(変形パターン)について示したフローチャートである。
【図7】駆動電圧3(=V3)でローディングを開始する様子について示した図である。
【図8】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図9】本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理2)について示したフローチャートである。
【図10】ローラ駆動ギヤの構成を示す外観図である。
【図11】本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)について示したフローチャートである。
【図12】駆動電圧1(=V1)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する様子について示した図である。
【図13】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図14】図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン1)について示したフローチャートである。
【図15】駆動電圧2(=V2)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する様子について示した図である。
【図16】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図17】図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン2)について示したフローチャートである。
【図18】図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン3)について示したフローチャートである。
【図19】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図20】階段状に駆動電圧の上げ下げをしてローディングを開始する様子について示した図である。
【図21】従来技術に係るディスク再生装置200の概略構成を示す断面図である。
【図22】従来技術に係るディスク再生装置200内で行われるローディング制御処理の一例について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明に係るディスク搬送装置をディスク再生装置に適用した場合について例示する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るディスク再生装置100の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、ディスク再生装置100の筐体をなすケース1の正面パネルにはディスクDを挿入するための挿入口2が設けられており、ケース1の内部には、挿入口2に連続した搬送路が形成されている。
【0021】
図1は、ディスクDが所定の収容位置に搬送された状態を示している。ケース1内には、挿入口2に対応してセンサ3が設置されており、挿入口2に挿入されたディスクDの端部位置を検出することにより、ディスクDが所定の収容位置にあることを検出するようになっている。ディスクDが所定の収容位置に収容されると、ディスクモータ4を駆動させることにより、ターンテーブル5及びターンテーブル5の上面に載置されたディスクDを回転させる。
【0022】
ケース1の内部には、ディスクDをその上面と下面から挟み込むように、シリコンゴム製の搬送ローラ6a(搬送手段)及びディスクガイド6bが設けられている。このうち駆動ローラである搬送ローラ6aは、ローディングモータ7の駆動に応じて回転するようになっている。このローディングモータ7の駆動は、センサ3からの検出信号が入力される制御部8が、ローディングモータ7を駆動させるための駆動電圧を発生させる駆動電圧発生装置9を制御することによって行われる。
また、ディスク再生装置100は、ケース1内の湿度を検出するための湿度検出センサ10(湿度検出手段)を備える。湿度検出センサ10により検出された湿度情報は、制御部8へと出力される。
【0023】
挿入口2からディスクDが挿入されると、センサ3はディスクDの挿入を示す検出信号を制御部8に出力し、制御部8はこの検出信号に応じてローディングモータ7を正転駆動する。ディスクDは、搬送ローラ6aとディスクガイド6bの間に挟まれた状態で、搬送ローラ6aの回転とともにケース1内部の搬送路に沿ってケース1の奥へと侵入する。そして、センサ3がディスクDの奥端部を検出すると、制御部8はその検出信号に応じてローディングモータ7の駆動を停止する。これにより、ディスクDは、挿入口2から所定の収容位置にまで搬送され、その位置で保持される。
【0024】
また、制御部8は、ディスクDの排出信号を受け付けると、ローディングモータ7を反転駆動し、ディスクDをケース1の挿入口2へと搬送する。このとき、ディスクDの手前側の端部が挿入口2から外に排出された時点で、ローディングモータ7を停止させる。この一連の挿排動作において、搬送ローラ6a及びディスクガイド6bはディスクDに押し付けられ、ディスクDと搬送ローラ6aとの間に摩擦力が生じる。
【0025】
制御部8は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えて構成され、ディスク再生装置100の各部を制御する。
CPUは、ROMに格納された処理プログラム等を読み出して、RAMに展開して実行することにより、ディスク再生装置100全体の制御を行う。RAMは、CPUにより実行された処理プログラム等を、RAM内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。ROMは、例えば、半導体メモリで構成され、処理プログラムやデータ等が予め記憶されている。
【0026】
また、制御部8は、湿度検出センサ10により検出された湿度に基づいて搬送ローラ6aによるディスクDの搬送速度を制御する制御手段としての機能を有する。
以下、ディスク再生装置100におけるディスク搬送(ローディング)の制御動作について、図2〜図19を用いて説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図2は、本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)について示したフローチャートである。このローディング制御処理は、CPUがROMに格納されているローディング制御プログラムを実行することにより実現される。
【0028】
図2に示すように、ステップS101では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクD挿入の検知は、センサ3により行われる。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS102へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS101の処理を繰り返す。
ステップS102では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS104へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS103へと移行する。
【0029】
ステップS103では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
ステップS104では、駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する。駆動電圧2(=V2)について、図4に示す。
ステップS102〜ステップS104をまとめると、図5に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で、湿度が39%以下の場合は駆動電圧2で、ローディングが開始されることとなる。このように、湿度が低い場合は、通常よりも電圧を低くして搬送速度を減速し、代わりに駆動時間を長くする制御を行う。
【0030】
ステップS105では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS106へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS105の処理を繰り返す。
ステップS106では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS107では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0031】
このように、第1実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、所定の値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御する。
【0032】
これにより、湿度が低い場合に通常よりも搬送速度を減速する制御を行うことができるので、スリップ現象を発生させることなくディスクの搬送を行うことが可能となる。つまり、湿度が低くて搬送ローラに異物が付着している場合でも、スリップ現象を発生させることなくディスク搬送を行うことができるので、ディスクの表面に傷を付けることを防止することができる。また、搬送ローラを傷つけたり、異物を吸着させたりすることもなくなるため、ゴム本来の摩擦力を維持することができ、製品寿命を延ばすことが可能となる。
【0033】
(第1実施形態:変形例)
図6は、図2に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)を一部変形したもの(変形パターン)について示したフローチャートである。
【0034】
図6に示すように、ステップS111では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS112へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS111の処理を繰り返す。
【0035】
ステップS112では、湿度が第1の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第1の所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第1の所定値(40%)未満であった場合は、ステップS114へと移行し、湿度が第1の所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS113へと移行する。
ステップS113では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
【0036】
ステップS114では、湿度が第2の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第2の所定値を15%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第2の所定値(15%)未満であった場合は、ステップS116へと移行し、湿度が第2の所定値(15%)未満でなかった場合は、次のステップS115へと移行する。
ステップS115では、駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する。駆動電圧2(=V2)について、図4に示す。
【0037】
ステップS116では、駆動電圧3(=V3)でローディングを開始する。駆動電圧3(=V3)について、図7に示す。
【0038】
ステップS112〜ステップS116をまとめると、図8に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で、湿度が15〜39%の場合は駆動電圧2で、湿度が14%以下のときは駆動電圧3で、ローディングが開始されることとなる。
【0039】
ステップS117では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS118へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS117の処理を繰り返す。
ステップS118では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS119では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0040】
このように、第1実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が、第1の所定値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値以上第1の所定値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値未満であった場合は第2の駆動電圧よりも低い第3の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御する。
すなわち、ディスク再生装置100は、湿度に応じて段階的に搬送速度を変更することができる。ここでは、3段階に分けて搬送速度の変更を行っているが、段階の数に特に制限はなく、より細かな段階に分けて搬送速度の変更を行うようにすることも可能である。
【0041】
(第2実施形態)
図9は、本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理2)について示したフローチャートである。
【0042】
図9に示すように、ステップS201では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS202へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS201の処理を繰り返す。
ステップS202では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS204へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS203へと移行する。
ステップS203では、ローラ駆動ギヤG1,G4を選択してローディングを開始する。
ステップS204では、ローラ駆動ギヤG2,G3を選択してローディングを開始する。ローラ駆動ギヤG2,G3を選択すると、ローラ駆動ギヤG1,G4を選択した場合と比べて、ローラ駆動ギヤの減速比が大きくなり、搬送ローラ6aの回転速度が遅くなる。
【0043】
ここで、ローラ駆動ギヤの構成を示す外観図を図10に示す。なお、図10(a)は、ローラ駆動ギヤを側面からみた図であり、図10(b)は、ローラ駆動ギヤを上方からみた図である。
【0044】
ステップS205では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS206へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS205の処理を繰り返す。
ステップS206では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS207では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0045】
このように、第2実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度に基づいて搬送ローラ6aを駆動させるためのギヤ(ローラ駆動ギヤ)を切り換える。
これにより、湿度が低い場合に通常よりも搬送速度を減速する制御を行うことができるので、スリップ現象を発生させることなくディスクの搬送を行うことが可能となる。
【0046】
(第3実施形態)
図11は、本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)について示したフローチャートである。
【0047】
図11に示すように、ステップS301では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS302へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS301の処理を繰り返す。
ステップS302では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS304へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS303へと移行する。
【0048】
ステップS303では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
ステップS304では、駆動電圧1(=V1)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図12に示す。
【0049】
図12に示したように、駆動電圧の立ち上がりを急に立ち上げる(矩形)のではなく、緩やかに立ち上げる(台形)ことによって、ディスクとローラ間の摩擦力低下によるディスク搬送時のスリップ現象を防止することができ、ディスクに傷を付けることを防ぐことができる。
【0050】
ステップS302〜ステップS304をまとめると、図13に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で矩形状に、湿度が39%以下の場合は駆動電圧1で台形状に、ローディングが開始されることとなる。
【0051】
ステップS305では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS306へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS305の処理を繰り返す。
ステップS306では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS307では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0052】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行う。
これにより、ディスクとローラ間の摩擦力低下によるディスク搬送時のスリップ現象を防止することができ、安定したディスク搬送を行うことが可能となる。
【0053】
(第3実施形態:変形例1)
図14は、図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン1)について示したフローチャートである。
【0054】
図14に示すように、ステップS311では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS312へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS311の処理を繰り返す。
ステップS312では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS314へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS313へと移行する。
【0055】
ステップS313では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
ステップS314では、駆動電圧2(=V2)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図15に示す。
【0056】
図15に示したように、駆動電圧の立ち上がりを急に立ち上げる(矩形)のではなく、緩やかに立ち上げる(台形)ことによって、ディスクとローラ間の摩擦力低下によるディスク搬送時のスリップ現象を防止することができ、ディスクに傷を付けることを防ぐことができる。
【0057】
ステップS312〜ステップS314をまとめると、図16に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で矩形状に、湿度が39%以下の場合は駆動電圧2で台形状に、ローディングが開始されることとなる。
【0058】
ステップS315では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS316へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS315の処理を繰り返す。
ステップS316では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS317では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0059】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、通常の駆動電圧よりも低い駆動電圧で、当該電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。すなわち、第1実施形態と第3実施形態を組み合わせてローディング制御を行うことも可能である。
【0060】
(第3実施形態:変形例2)
図17は、図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン2)について示したフローチャートである。
【0061】
図17に示すように、ステップS321では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS322へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS321の処理を繰り返す。
ステップS322では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS324へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS323へと移行する。
【0062】
ステップS323では、ローラ駆動ギヤG1,G4を選択してローディングを開始する。
【0063】
ステップS324では、ローラ駆動ギヤG2,G3を選択し、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図12に示す。
【0064】
ステップS325では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS326へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS325の処理を繰り返す。
ステップS326では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS327では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0065】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度に基づいて搬送ローラ6aを駆動させるためのギヤ(ローラ駆動ギヤ)を切り換え、かつ湿度が所定の値未満であった場合に、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行う。すなわち、第2実施形態と第3実施形態を組み合わせてローディング制御を行うことも可能である。
【0066】
(第3実施形態:変形例3)
図18は、図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン3)について示したフローチャートである。
【0067】
図18に示すように、ステップS331では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS332へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS331の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS332では、湿度が第1の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第1の所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第1の所定値(40%)未満であった場合は、ステップS334へと移行し、湿度が第1の所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS333へと移行する。
ステップS333では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
【0069】
ステップS334では、湿度が第2の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第2の所定値を15%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第2の所定値(15%)未満であった場合は、ステップS336へと移行し、湿度が第2の所定値(15%)未満でなかった場合は、次のステップS335へと移行する。
ステップS335では、駆動電圧2(=V2)で、又は駆動電圧1(=V1)で立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する場合を図4、駆動電圧1(=V1)で立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する場合を図12、に示す。
【0070】
ステップS336では、駆動電圧2(=V2)で立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図15に示す。
【0071】
ステップS332〜ステップS336をまとめると、図19に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で矩形状に、湿度が15〜39%の場合は駆動電圧2で矩形状に又は駆動電圧1で台形状に、湿度が14%以下の場合は駆動電圧2で台形状に、ローディングが開始されることとなる。
【0072】
ステップS337では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS338へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS337の処理を繰り返す。
ステップS338では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS339では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0073】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が、第1の所定値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値以上第1の所定値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で又は第1の駆動電圧で当該電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにして搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値未満であった場合は第2の駆動電圧で当該電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにして搬送ローラ6aを制御する。すなわち、第1実施形態の変形例と第3実施形態を組み合わせてローディング制御を行うことも可能である。
【0074】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0075】
例えば、上記(第3)実施形態では、図11のステップS304において、駆動電圧1(=V1)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始するようにしているが、図20に示すように、階段状に駆動電圧の上げ下げを行うようにしてもよい。
【0076】
その他、ディスク再生装置100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 ディスク再生装置
1 ケース
2 挿入口
3 センサ
4 ディスクモータ
5 ターンテーブル
6a 搬送ローラ
6b ディスクガイド
7 ローディングモータ
8 制御部
9 駆動電圧発生装置
10 湿度検出センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、DVD、CDなどのディスクを用いたディスク再生装置は、挿入されたディスクを所定の収容位置に搬送するとともに、所定の収容位置にあるディスクを挿入口まで搬送して排出する搬送装置(搬送手段)を備えている。この搬送装置は、例えば特許文献1に記載の技術のように、ディスクをその両面から搬送ローラで挟み込み、この搬送ローラを回転駆動するように構成されている。その様子を図21に示す。
【0003】
図21は、従来技術に係るディスク再生装置200の概略構成を示す断面図である。
図21に示すように、ディスク再生装置200の筐体をなすケース1の正面パネルにはディスクDを挿入するための挿入口2が設けられており、ケース1の内部には、挿入口2に連続した搬送路が形成されている。
ケース1内には、挿入口2に対応してセンサ3(検出手段)が設置されており、挿入口2に挿入されたディスクDの端部位置を検出することにより、ディスクDが所定の収容位置にあることを検出するようになっている。ディスクDが所定の収容位置に収容されると、ディスクモータ4を駆動させることにより、ターンテーブル5及びターンテーブル5の上面に載置されたディスクDを回転させる。
ケース1の内部には、ディスクDをその上面と下面から挟み込むように、シリコンゴム製の搬送ローラ6a及びディスクガイド6bが設けられている。このうち駆動ローラである搬送ローラ6aは、ローディングモータ7の駆動に応じて回転するようになっている。このローディングモータ7の駆動は、センサ3からの検出信号が入力される制御部8が、ローディングモータ7を駆動させるための駆動電圧を発生させる駆動電圧発生装置9を制御することによって行われる。
【0004】
以下、従来技術に係るディスク再生装置200の動作について、図22のフローチャートを用いて説明する。
図22に示すように、ステップS1では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS2へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2では、ローディングを開始する。
ステップS3では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS4へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS3の処理を繰り返す。
ステップS4では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS5では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0005】
このように、従来技術に係るディスク再生装置200は、ディスクDとの接触部分にゴムなどの樹脂部品を使用している搬送ローラを用いてディスクDを搬送することにより、湿度の変化があった場合でも、同じ駆動力、同じ駆動速度でディスクDの搬送を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−100571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、湿度が低い場合、ゴムなどの非導電体には静電気が発生しやすくなり、発生した静電気により異物を吸着する現象が発生する。ディスクの挿排をゴム製のローラにより行う場合、ローラのゴムとディスクの表面とが接触したときに生じる摩擦力によりディスクが搬送されることになるが、ローラ又はディスク表面に異物が付着した状態では、ゴムが本来持っている摩擦力よりも小さな摩擦力しか発生しなくなってしまう。
【0008】
つまり、湿度が低い状態では、ローラのゴム又はディスクの表面に異物が付着している可能性が高く、摩擦力が小さくなってしまうため、ディスクの搬送に必要な摩擦力を発生させることができず、ローラとディスクのスリップ現象を発生させていた。
【0009】
また、ローラに異物の付着した状態でスリップを発生させると、ローラのゴム及びディスクの表面に傷を付けてしまい、ディスクに付いた傷はそのまま読み取り性能の悪化を引き起こす。そして、ローラに付いた傷はローラ本来の摩擦力を低下させ、搬送装置がディスクを搬送できない状態を引き起こすことになる。
【0010】
本発明は、ローラとディスクのスリップ現象を発生させることのないディスク搬送を行うことが可能なディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置において、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディスク搬送装置において、前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で前記搬送手段を制御し、所定の値未満であった場合は前記第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で前記搬送手段を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のディスク搬送装置において、前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、前記駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行うことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のディスク搬送装置において、前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段を駆動させるためのギヤを切り換えることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置におけるディスク搬送方法であって、湿度検出手段により、装置内の湿度を検出する工程と、制御手段により、前記検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する工程と、を含むディスク搬送方法である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置のコンピュータを、装置内の湿度を検出する湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ローラとディスクのスリップ現象を発生させることのないディスク搬送を行うことが可能なディスク搬送装置、ディスク搬送方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るディスク再生装置100の概略構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)について示したフローチャートである。
【図3】駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する様子について示した図である。
【図4】駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する様子について示した図である。
【図5】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図6】図2に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)を一部変形したもの(変形パターン)について示したフローチャートである。
【図7】駆動電圧3(=V3)でローディングを開始する様子について示した図である。
【図8】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図9】本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理2)について示したフローチャートである。
【図10】ローラ駆動ギヤの構成を示す外観図である。
【図11】本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)について示したフローチャートである。
【図12】駆動電圧1(=V1)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する様子について示した図である。
【図13】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図14】図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン1)について示したフローチャートである。
【図15】駆動電圧2(=V2)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する様子について示した図である。
【図16】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図17】図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン2)について示したフローチャートである。
【図18】図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン3)について示したフローチャートである。
【図19】湿度と駆動電圧との関係について示した表の一例である。
【図20】階段状に駆動電圧の上げ下げをしてローディングを開始する様子について示した図である。
【図21】従来技術に係るディスク再生装置200の概略構成を示す断面図である。
【図22】従来技術に係るディスク再生装置200内で行われるローディング制御処理の一例について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明に係るディスク搬送装置をディスク再生装置に適用した場合について例示する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るディスク再生装置100の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、ディスク再生装置100の筐体をなすケース1の正面パネルにはディスクDを挿入するための挿入口2が設けられており、ケース1の内部には、挿入口2に連続した搬送路が形成されている。
【0021】
図1は、ディスクDが所定の収容位置に搬送された状態を示している。ケース1内には、挿入口2に対応してセンサ3が設置されており、挿入口2に挿入されたディスクDの端部位置を検出することにより、ディスクDが所定の収容位置にあることを検出するようになっている。ディスクDが所定の収容位置に収容されると、ディスクモータ4を駆動させることにより、ターンテーブル5及びターンテーブル5の上面に載置されたディスクDを回転させる。
【0022】
ケース1の内部には、ディスクDをその上面と下面から挟み込むように、シリコンゴム製の搬送ローラ6a(搬送手段)及びディスクガイド6bが設けられている。このうち駆動ローラである搬送ローラ6aは、ローディングモータ7の駆動に応じて回転するようになっている。このローディングモータ7の駆動は、センサ3からの検出信号が入力される制御部8が、ローディングモータ7を駆動させるための駆動電圧を発生させる駆動電圧発生装置9を制御することによって行われる。
また、ディスク再生装置100は、ケース1内の湿度を検出するための湿度検出センサ10(湿度検出手段)を備える。湿度検出センサ10により検出された湿度情報は、制御部8へと出力される。
【0023】
挿入口2からディスクDが挿入されると、センサ3はディスクDの挿入を示す検出信号を制御部8に出力し、制御部8はこの検出信号に応じてローディングモータ7を正転駆動する。ディスクDは、搬送ローラ6aとディスクガイド6bの間に挟まれた状態で、搬送ローラ6aの回転とともにケース1内部の搬送路に沿ってケース1の奥へと侵入する。そして、センサ3がディスクDの奥端部を検出すると、制御部8はその検出信号に応じてローディングモータ7の駆動を停止する。これにより、ディスクDは、挿入口2から所定の収容位置にまで搬送され、その位置で保持される。
【0024】
また、制御部8は、ディスクDの排出信号を受け付けると、ローディングモータ7を反転駆動し、ディスクDをケース1の挿入口2へと搬送する。このとき、ディスクDの手前側の端部が挿入口2から外に排出された時点で、ローディングモータ7を停止させる。この一連の挿排動作において、搬送ローラ6a及びディスクガイド6bはディスクDに押し付けられ、ディスクDと搬送ローラ6aとの間に摩擦力が生じる。
【0025】
制御部8は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えて構成され、ディスク再生装置100の各部を制御する。
CPUは、ROMに格納された処理プログラム等を読み出して、RAMに展開して実行することにより、ディスク再生装置100全体の制御を行う。RAMは、CPUにより実行された処理プログラム等を、RAM内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。ROMは、例えば、半導体メモリで構成され、処理プログラムやデータ等が予め記憶されている。
【0026】
また、制御部8は、湿度検出センサ10により検出された湿度に基づいて搬送ローラ6aによるディスクDの搬送速度を制御する制御手段としての機能を有する。
以下、ディスク再生装置100におけるディスク搬送(ローディング)の制御動作について、図2〜図19を用いて説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図2は、本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)について示したフローチャートである。このローディング制御処理は、CPUがROMに格納されているローディング制御プログラムを実行することにより実現される。
【0028】
図2に示すように、ステップS101では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクD挿入の検知は、センサ3により行われる。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS102へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS101の処理を繰り返す。
ステップS102では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS104へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS103へと移行する。
【0029】
ステップS103では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
ステップS104では、駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する。駆動電圧2(=V2)について、図4に示す。
ステップS102〜ステップS104をまとめると、図5に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で、湿度が39%以下の場合は駆動電圧2で、ローディングが開始されることとなる。このように、湿度が低い場合は、通常よりも電圧を低くして搬送速度を減速し、代わりに駆動時間を長くする制御を行う。
【0030】
ステップS105では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS106へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS105の処理を繰り返す。
ステップS106では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS107では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0031】
このように、第1実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、所定の値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御する。
【0032】
これにより、湿度が低い場合に通常よりも搬送速度を減速する制御を行うことができるので、スリップ現象を発生させることなくディスクの搬送を行うことが可能となる。つまり、湿度が低くて搬送ローラに異物が付着している場合でも、スリップ現象を発生させることなくディスク搬送を行うことができるので、ディスクの表面に傷を付けることを防止することができる。また、搬送ローラを傷つけたり、異物を吸着させたりすることもなくなるため、ゴム本来の摩擦力を維持することができ、製品寿命を延ばすことが可能となる。
【0033】
(第1実施形態:変形例)
図6は、図2に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理1)を一部変形したもの(変形パターン)について示したフローチャートである。
【0034】
図6に示すように、ステップS111では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS112へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS111の処理を繰り返す。
【0035】
ステップS112では、湿度が第1の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第1の所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第1の所定値(40%)未満であった場合は、ステップS114へと移行し、湿度が第1の所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS113へと移行する。
ステップS113では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
【0036】
ステップS114では、湿度が第2の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第2の所定値を15%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第2の所定値(15%)未満であった場合は、ステップS116へと移行し、湿度が第2の所定値(15%)未満でなかった場合は、次のステップS115へと移行する。
ステップS115では、駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する。駆動電圧2(=V2)について、図4に示す。
【0037】
ステップS116では、駆動電圧3(=V3)でローディングを開始する。駆動電圧3(=V3)について、図7に示す。
【0038】
ステップS112〜ステップS116をまとめると、図8に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で、湿度が15〜39%の場合は駆動電圧2で、湿度が14%以下のときは駆動電圧3で、ローディングが開始されることとなる。
【0039】
ステップS117では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS118へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS117の処理を繰り返す。
ステップS118では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS119では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0040】
このように、第1実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が、第1の所定値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値以上第1の所定値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値未満であった場合は第2の駆動電圧よりも低い第3の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御する。
すなわち、ディスク再生装置100は、湿度に応じて段階的に搬送速度を変更することができる。ここでは、3段階に分けて搬送速度の変更を行っているが、段階の数に特に制限はなく、より細かな段階に分けて搬送速度の変更を行うようにすることも可能である。
【0041】
(第2実施形態)
図9は、本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理2)について示したフローチャートである。
【0042】
図9に示すように、ステップS201では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS202へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS201の処理を繰り返す。
ステップS202では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS204へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS203へと移行する。
ステップS203では、ローラ駆動ギヤG1,G4を選択してローディングを開始する。
ステップS204では、ローラ駆動ギヤG2,G3を選択してローディングを開始する。ローラ駆動ギヤG2,G3を選択すると、ローラ駆動ギヤG1,G4を選択した場合と比べて、ローラ駆動ギヤの減速比が大きくなり、搬送ローラ6aの回転速度が遅くなる。
【0043】
ここで、ローラ駆動ギヤの構成を示す外観図を図10に示す。なお、図10(a)は、ローラ駆動ギヤを側面からみた図であり、図10(b)は、ローラ駆動ギヤを上方からみた図である。
【0044】
ステップS205では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS206へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS205の処理を繰り返す。
ステップS206では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS207では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0045】
このように、第2実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度に基づいて搬送ローラ6aを駆動させるためのギヤ(ローラ駆動ギヤ)を切り換える。
これにより、湿度が低い場合に通常よりも搬送速度を減速する制御を行うことができるので、スリップ現象を発生させることなくディスクの搬送を行うことが可能となる。
【0046】
(第3実施形態)
図11は、本実施形態に係るディスク再生装置100内で行われるローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)について示したフローチャートである。
【0047】
図11に示すように、ステップS301では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS302へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS301の処理を繰り返す。
ステップS302では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS304へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS303へと移行する。
【0048】
ステップS303では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
ステップS304では、駆動電圧1(=V1)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図12に示す。
【0049】
図12に示したように、駆動電圧の立ち上がりを急に立ち上げる(矩形)のではなく、緩やかに立ち上げる(台形)ことによって、ディスクとローラ間の摩擦力低下によるディスク搬送時のスリップ現象を防止することができ、ディスクに傷を付けることを防ぐことができる。
【0050】
ステップS302〜ステップS304をまとめると、図13に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で矩形状に、湿度が39%以下の場合は駆動電圧1で台形状に、ローディングが開始されることとなる。
【0051】
ステップS305では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS306へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS305の処理を繰り返す。
ステップS306では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS307では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0052】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行う。
これにより、ディスクとローラ間の摩擦力低下によるディスク搬送時のスリップ現象を防止することができ、安定したディスク搬送を行うことが可能となる。
【0053】
(第3実施形態:変形例1)
図14は、図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン1)について示したフローチャートである。
【0054】
図14に示すように、ステップS311では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS312へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS311の処理を繰り返す。
ステップS312では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS314へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS313へと移行する。
【0055】
ステップS313では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
ステップS314では、駆動電圧2(=V2)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図15に示す。
【0056】
図15に示したように、駆動電圧の立ち上がりを急に立ち上げる(矩形)のではなく、緩やかに立ち上げる(台形)ことによって、ディスクとローラ間の摩擦力低下によるディスク搬送時のスリップ現象を防止することができ、ディスクに傷を付けることを防ぐことができる。
【0057】
ステップS312〜ステップS314をまとめると、図16に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で矩形状に、湿度が39%以下の場合は駆動電圧2で台形状に、ローディングが開始されることとなる。
【0058】
ステップS315では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS316へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS315の処理を繰り返す。
ステップS316では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS317では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0059】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、通常の駆動電圧よりも低い駆動電圧で、当該電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。すなわち、第1実施形態と第3実施形態を組み合わせてローディング制御を行うことも可能である。
【0060】
(第3実施形態:変形例2)
図17は、図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン2)について示したフローチャートである。
【0061】
図17に示すように、ステップS321では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS322へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS321の処理を繰り返す。
ステップS322では、湿度が所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が所定値(40%)未満であった場合は、ステップS324へと移行し、湿度が所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS323へと移行する。
【0062】
ステップS323では、ローラ駆動ギヤG1,G4を選択してローディングを開始する。
【0063】
ステップS324では、ローラ駆動ギヤG2,G3を選択し、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図12に示す。
【0064】
ステップS325では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS326へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS325の処理を繰り返す。
ステップS326では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS327では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0065】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度に基づいて搬送ローラ6aを駆動させるためのギヤ(ローラ駆動ギヤ)を切り換え、かつ湿度が所定の値未満であった場合に、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行う。すなわち、第2実施形態と第3実施形態を組み合わせてローディング制御を行うことも可能である。
【0066】
(第3実施形態:変形例3)
図18は、図11に示したローディング制御処理の一例(ローディング制御処理3)を一部変形したもの(変形パターン3)について示したフローチャートである。
【0067】
図18に示すように、ステップS331では、ディスクDの挿入を検知したか否かを判定する。ディスクDの挿入を検知した場合は、次のステップS332へと移行し、ディスクDの挿入を検知しなかった場合は、当該ステップS331の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS332では、湿度が第1の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第1の所定値を40%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第1の所定値(40%)未満であった場合は、ステップS334へと移行し、湿度が第1の所定値(40%)未満でなかった場合は、次のステップS333へと移行する。
ステップS333では、駆動電圧1(=V1)でローディングを開始する。駆動電圧1(=V1)について、図3に示す。
【0069】
ステップS334では、湿度が第2の所定値未満であるか否かを判定する。ここでは、第2の所定値を15%とするが、この数値は任意に設定可能である。湿度が第2の所定値(15%)未満であった場合は、ステップS336へと移行し、湿度が第2の所定値(15%)未満でなかった場合は、次のステップS335へと移行する。
ステップS335では、駆動電圧2(=V2)で、又は駆動電圧1(=V1)で立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。駆動電圧2(=V2)でローディングを開始する場合を図4、駆動電圧1(=V1)で立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する場合を図12、に示す。
【0070】
ステップS336では、駆動電圧2(=V2)で立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始する。その様子について図15に示す。
【0071】
ステップS332〜ステップS336をまとめると、図19に示した表のようになる。すなわち、湿度が40%以上のときは駆動電圧1で矩形状に、湿度が15〜39%の場合は駆動電圧2で矩形状に又は駆動電圧1で台形状に、湿度が14%以下の場合は駆動電圧2で台形状に、ローディングが開始されることとなる。
【0072】
ステップS337では、ディスクDの挿入を完了したか否かを判定する。ディスクDの挿入を完了した場合は、次のステップS338へと移行し、ディスクDの挿入を完了していなかった場合は、当該ステップS337の処理を繰り返す。
ステップS338では、ディスクDのローディングを終了する。
ステップS339では、ディスクDをターンテーブル5にチャッキングする。
【0073】
このように、第3実施形態に係るディスク再生装置100は、湿度検出センサ10により検出された湿度が、第1の所定値以上であった場合は第1の駆動電圧で搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値以上第1の所定値未満であった場合は第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で又は第1の駆動電圧で当該電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにして搬送ローラ6aを制御し、第2の所定値未満であった場合は第2の駆動電圧で当該電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにして搬送ローラ6aを制御する。すなわち、第1実施形態の変形例と第3実施形態を組み合わせてローディング制御を行うことも可能である。
【0074】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0075】
例えば、上記(第3)実施形態では、図11のステップS304において、駆動電圧1(=V1)で、駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかにしてローディングを開始するようにしているが、図20に示すように、階段状に駆動電圧の上げ下げを行うようにしてもよい。
【0076】
その他、ディスク再生装置100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0077】
100 ディスク再生装置
1 ケース
2 挿入口
3 センサ
4 ディスクモータ
5 ターンテーブル
6a 搬送ローラ
6b ディスクガイド
7 ローディングモータ
8 制御部
9 駆動電圧発生装置
10 湿度検出センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置において、
装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、
前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするディスク搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記湿度検出手段により検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で前記搬送手段を制御し、所定の値未満であった場合は前記第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のディスク搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記湿度検出手段により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、前記駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行うことを特徴とする請求項2に記載のディスク搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段を駆動させるためのギヤを切り換えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディスク搬送装置。
【請求項5】
ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置におけるディスク搬送方法であって、
湿度検出手段により、装置内の湿度を検出する工程と、
制御手段により、前記検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する工程と、
を含むディスク搬送方法。
【請求項6】
ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置のコンピュータを、
装置内の湿度を検出する湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置において、
装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、
前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするディスク搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記湿度検出手段により検出された湿度が、所定の値以上であった場合は第1の駆動電圧で前記搬送手段を制御し、所定の値未満であった場合は前記第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧で前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のディスク搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記湿度検出手段により検出された湿度が所定の値未満であった場合に、前記駆動電圧の立ち上がり及び立ち下がりを緩やかに行うことを特徴とする請求項2に記載のディスク搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段を駆動させるためのギヤを切り換えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディスク搬送装置。
【請求項5】
ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置におけるディスク搬送方法であって、
湿度検出手段により、装置内の湿度を検出する工程と、
制御手段により、前記検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する工程と、
を含むディスク搬送方法。
【請求項6】
ディスクを搬送する搬送手段を備えたディスク搬送装置のコンピュータを、
装置内の湿度を検出する湿度検出手段により検出された湿度に基づいて前記搬送手段による前記ディスクの搬送速度を制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−272172(P2010−272172A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123739(P2009−123739)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
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