ディスク搬送装置
【課題】装置全体の薄型化を図ることができると共に、ディスク排出時にターンテーブル上のディスク全体を確実に持ち上げて当該ディスクをターンテーブルとの接触で傷つけないように排出することができるディスク搬送装置を得ることにある。
【解決手段】ディスク搬送ローラ５を回転自在に支持するローラ支持部材４の昇降動作に同期して昇降動作し、ディスク排出時にターンテーブル２上のディスクＤを当該ディスクＤの外縁部に沿ってディスク搬送ローラ５からターンテーブル２に近づく方向に離れた位置で持ち上げるためのディスク昇降アシスト部材６を、ターンテーブル２上のディスクＤの周縁部外側に配置してローラ支持部材４に連動させたものである。
【解決手段】ディスク搬送ローラ５を回転自在に支持するローラ支持部材４の昇降動作に同期して昇降動作し、ディスク排出時にターンテーブル２上のディスクＤを当該ディスクＤの外縁部に沿ってディスク搬送ローラ５からターンテーブル２に近づく方向に離れた位置で持ち上げるためのディスク昇降アシスト部材６を、ターンテーブル２上のディスクＤの周縁部外側に配置してローラ支持部材４に連動させたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ディスク再生装置に組み付けられて情報記録ディスクを再生の至る排出方向に搬送するディスク搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のディスク搬送装置においては、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクをディスク搬送ローラで持ち上げて当該ディスク搬送ローラの回転力で排出する構成としているのが一般的である。したがって、ディスク再生位置にターンテーブルで保持されたディスクは、その排出時に前記ディスク搬送ローラだけで片持ち状態に持ち上げられることとなり、その持ち上げ時のディスクはターンテーブル上で傾くため、ディスク排出方向へのディスク搬送時にディスクの記録面が接触して傷付いたりするという問題があった。また、ターンテーブル上のディスクが周囲の温度変化や異物の誤挿入等によって変形した場合、または規格外の異形形状のディスクであった場合、ディスク排出方向へのディスク搬送時にターンテーブルへの引っ掛かりが生じてディスクを排出できなくなるという問題もあった。こうした問題を解決するためにディスクの持ち上げ量を増加すると装置の厚み方向が大型化する問題もあった。さらには前記ターンテーブルの周縁部には再生時のディスクスリップを防止する環状のゴムシートが貼付されているため、前記ターンテーブル上に載置されたディスクを長時間放置すると、そのディスクが前記ゴムシートに貼り付いて排出できなくなるという問題もあった。
【０００３】
そこで、前述の問題点を解消するために、ディスククランプ手段を備えた格別構成のホルダ部材にターンテーブル上のディスクを持ち上げるための係止片部を設け、ディスク排出時に前記ホルダ部材全体を上昇駆動することで、そのホルダ部材の係止片部によりターンテーブル上のディスクを上昇させて当該ディスクをディスク搬送ローラで排出させる構成としたディスク搬送装置も既に知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−３５７５９２号公報（〔００１６〕及び〔００１７〕、図２及び図３）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に記載されたディスク搬送装置は以上のように構成されているので、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクを、ディスク搬送ローラとは別のホルダ部材を上昇駆動することで当該ホルダ部材の係止片部により持ち上げることはできるが、そのホルダ部材は、それ自体がターンテーブル上のディスクを跨る大きさに形成されているばかりでなく他部材との関連構造も複雑化して装置全体が大型化し、したがって、特に装置全体の薄型化を図ることができないという課題があった。
【０００６】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、装置全体の薄型化を図ることができると共に、ディスク排出時にターンテーブル上のディスク全体を確実に持ち上げて当該ディスクをターンテーブルとの接触で傷つけないように排出することができ、また、ターンテーブル上のディスクが変形等してもターンテーブルへ引っ掛かることなく搬送することができ、ターンテーブル上のゴムシートに貼り付いた場合であってもディスクを引き剥がすことができるディスク搬送装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この発明に係るディスク搬送装置は、ディスク搬送ローラを回転自在に支持し、このディスク搬送ローラをディスク再生時にターンテーブル上のディスクから離間させる方向に下降動作し、かつディスク排出時には前記ディスク搬送ローラを上昇させて当該ディスク搬送ローラでターンテーブル上のディスクを持ち上げる方向に上昇動作するローラ支持部材を備え、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクを当該ディスクの外縁部に沿って前記ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で持ち上げるためのディスク昇降アシスト部材を、前記ターンテーブル上のディスクの周縁部外側に配置し、そのディスク昇降アシスト部材を前記ローラ支持部材に対して同期昇降動作可能に連動させたものである。
【発明の効果】
【０００８】
この発明によれば、ディスク搬送ローラを回転自在に支持するローラ支持部材の昇降動作に同期して昇降動作するディスク昇降アシスト部材を前記ターンテーブル上のディスクの周縁部外側に配置するように構成したので、装置内部において、ターンテーブル上に載置されたディスクの外側方に生じるデッドスペースを利用して前記ディスク昇降アシスト部材を配置することができ、このように前記デッドスペースに配置されるディスク昇降アシスト部材によって装置全体が大型化するようなことはないので、装置全体を薄型化することができるという効果がある。また、前記ディスク昇降アシスト部材は、ディスク排出時におけるターンテーブル上のディスクを、前記ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で持ち上げるように構成されているので、ディスク排出時のディスクをターンテーブルと接触しない上昇位置まで前記ディスク昇降アシスト部材によって確実に持ち上げることができ、このため、ターンテーブルとの接触によるディスクの傷つきを防止することができるという効果がある。
【０００９】
また、ターンテーブル上のディスクが厚み方向に変形して当該ディスクをディスク搬送ローラだけでは持ち上げられない場合であっても、その変形ディスクがターンテーブルに引っ掛からない上昇位置まで前記変形ディスクを前記ディスク昇降アシスト部材で持ち上げてディスク搬送ローラの回転力で排出することができるという効果がある。さらには、ターンテーブル上にディスクが貼り付いた場合であっても、そのディスクを前記ディスク昇降アシスト部材の上昇動作で引き剥がして前記ディスク搬送ローラの回転力で排出することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１によるディスク搬送装置を備えたディスク再生装置を示す概略的な斜視図、図２は図１中のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向外側から見た側面図、図３は図２のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向内側から見た斜視図、図４はディスク搬送装置が備えるリンク部の斜視図である。
図１に示すディスク再生装置は、前面にディスク挿排口（図示せず）を有する装置筐体１と、この装置筐体１内のディスク再生位置に配置されて回転駆動されるディスク載置用のターンテーブル２と、前記装置筐体１の前面側内部に配置されたディスク搬送用のローラユニット３と、前記装置筐体１の上面を覆う天板（図示せず）とを備えた構成となっている。
【００１１】
前記ローラユニット３は、上昇方向に付勢力を有して前記装置筐体１の前面側に昇降動作可能に配置されたベースローラ（ローラ支持部材）４と、このベースローラ４の両端フランジ部４ａに回転自在に支持されたディスク搬送ローラ５とを備えており、そのディスク搬送ローラ５がモータ（図示せず）で回転駆動されるようになっている。さらに詳しく説明すると、前記ベースローラ４は、その両端フランジ部４ａの軸支部４ｂ（図２および図３参照）が装置筐体１側に回動可能に支持され、その軸支部４ｂを支点にして前記フランジ４ｂの後端部４ｃ側が上昇する方向にバネ部材（図示せず）で付勢された取り付け構成となっている。
【００１２】
そして、前記ベースローラ４は、前記バネ部材による上昇回動方向の付勢力に抗する方向の駆動力が伝達されて下降動作するようになっている。このようなベースローラ４の両端フランジ部４ａにおける軸支部４ｂと後端部４ｃとの間に前記ディスク搬送ローラ５が回転自在に支持されている。したがって、前記ディスク搬送ローラ５は前記ベースローラ４の回動によって昇降動作するようになっており、そのディスク搬送ローラ５は、ローラ軸の中央部側に向かって漸次小径となるゴム製のテーパーローラからなっている。
【００１３】
以上のように構成されたディスク搬送装置において、装置筐体１の側壁面とターンテーブル２上に載置されたディスクＤの外縁部との間には前記ディスクＤの回転および搬送を許容するスペースが設定されているが、このスペースはデッドスペースを含んでいるので、そのデッドスペースを利用してディスク排出時に前記ターンテーブル２上のディスクＤを持ち上げる方向にアシスト動作させるディスク昇降アシスト部材６（図２および図３参照）が配置されている。このディスク昇降アシスト部材６は、前記ベースローラ４の少なくとも片方端部のフランジ部４ａに連係され当該ベースローラ４の昇降動作に同期して昇降動作するものである。
【００１４】
このようなディスク昇降アシスト部材６は、前記ターンテーブル２上のディスクＤの外縁部に沿って前記ベースローラ４の後端部４ｃ延長方向に延びるリンク部６ａと、このリンク部６ａのほぼ中間部側面に突設されて前記ディスクＤの外縁部に下方から当接させるディスク昇降アシスト用の突出部材７とからなっている。この突出部材７は、当該突出部材７の先端側に向かって前記ディスクＤの外縁部との当接面が漸次下降するテーパー状のピンからなっている。なお、前記突出部材７はテーパーローラに置き換えてよく、また、そのテーパーローラはゴムローラであってもよく、要するに、前記ディスク搬送ローラ５よりもターンテーブル２に近づいた位置で当該ターンテーブル２上のディスクＤの外縁部に当接可能なものであればよい。
【００１５】
前記ディスク昇降アシスト部材６において、前記リンク部６ａは、ターンテーブル２に近づく後端部が装置筐体１側に回動自在に軸支されており、その軸支部を図２および図３において符号６ｂで示す。このように後端部が軸支されたリンク部６ａの前端部と前記ベースローラ４のフランジ部４ａの後端部４ｃが上下方向へ屈曲可能に連係されている。これにより、前記ベースローラ４の昇降動作に同期して前記リンク部６ａが昇降動作するようになっており、ディスク排出時にベースローラ４とリンク部６ａとが両者の連係部上昇方向に同期動作することにより、前記ディスク搬送ローラ５から離れてターンテーブル２に近づいた位置で当該ターンテーブル２上のディスクＤの外縁部に下方から前記突出部材７が当接して前記ディスクＤを持ち上げるようになっている。
【００１６】
次に動作について説明する。図５は前記実施の形態１によるディスク搬送装置のディスク再生時の状態を示す側面図、図６は図５の斜視図である。
装置筐体１内にディスクＤが挿入されると、ベースローラ４の上昇付勢力で当該ベースローラ４とリンク部６ａとが両者の連係部上昇方向に同期して回動動作することにより、ディスク搬送ローラ５と突出部材７が前記ディスクＤの外縁部に下方から当接し、前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力によってディスク再生位置の上方、すなわち前記ターンテーブル５の真上まで搬送される。その搬送後に、前記ベースローラ４に下降方向の回転駆動力が伝達され、当該ベースローラ４の下降動作に同期して前記リンク部６ａが下降動作することにより、前記ターンテーブル２上にディスクＤが載置された後、当該ディスクＤから前記ディスク搬送ローラ５と突出部材７が下降してターンテーブル２上のディスクＤから離れる。
【００１７】
ディスク排出の際は、ベースローラ４が上昇動作し、その上昇動作に同期してリンク部６ａも上昇動作することにより、ディスク搬送ローラ５と突出部材７のそれぞれが、ターンテーブル２上にクランプされたディスクＤの外縁部に下方から当接し、クランプ解除された前記ディスクＤを搬送位置まで上昇させる。これにより、前記ターンテーブル２上からディスクＤが持ち上げられて前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力で前記ディスクＤが排出方向に搬送される。
【００１８】
以上説明した実施の形態１によれば、ディスク搬送ローラ５を回転自在に支持するベースローラ（ローラ支持部材）４の昇降動作に同期して昇降動作するディスク昇降アシスト用のリンク部６ａをターンテーブル２上のディスクＤの周縁部外側に配置するように構成したので、装置筐体１の内部において、前記ターンテーブル２上に載置されたディスクＤの外側方に生じるデッドスペースを利用して前記ディスク昇降アシスト用のリンク部６ａを配置することができ、そのリンク部６ａの配置によって装置全体が大型化するようなことがないため、装置全体の薄型化が図れるという効果がある。
【００１９】
また、前記リンク部６ａには、前記ディスク搬送ローラ５からターンテーブル２の方向に離れて当該ターンテーブル２に近づく位置でディスク排出時のディスクＤを前記ターンテーブル２上から持ち上げる突出部材７が設けられているので、ディスク排出時にターンテーブル２上のディスクＤを、その全体が前記ターンテーブル２と接触しない搬送位置まで確実に持ち上げることができ、このため、前記ターンテーブル２との接触によるディスクＤの傷つきを防止することができるという効果がある。
【００２０】
また、ターンテーブル２上のディスクＤが厚み方向に変形して当該ディスクＤをディスク搬送ローラ５だけでは持ち上げられない場合であっても、その変形ディスクＤを前記突出部材７でターンテーブル２上から搬送位置まで持ち上げて、ターンテーブルに引っ掛かることなく前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力で搬送排出することができるという効果がある。さらには、前記ターンテーブル２上にディスクＤが貼り付いた場合であっても、そのディスクＤを前記リンク部６ａの上昇動作により当該リンク部６ａの突出部材７で引き剥がして前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力で排出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】この発明の実施の形態１によるディスク搬送装置を備えたディスク再生装置を示す概略的な斜視図である。
【図２】図１中のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向外側から見た側面図である。
【図３】図２のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向内側から見た斜視図である。
【図４】ディスク搬送装置が備えるリンク部の斜視図である。
【図５】この発明の実施の形態１によるディスク搬送装置のディスク再生時の状態を示す側面図である。
【図６】図５の斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ 装置筐体、２ ターンテーブル、３ ローラユニット、４ ベースローラ（ローラ支持部材）、５ ディスク搬送ローラ、６ ディスク昇降アシスト部材、６ａ リンク部、６ｂ 軸支部、７ 突出部材、Ｄ ディスク。
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ディスク再生装置に組み付けられて情報記録ディスクを再生の至る排出方向に搬送するディスク搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のディスク搬送装置においては、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクをディスク搬送ローラで持ち上げて当該ディスク搬送ローラの回転力で排出する構成としているのが一般的である。したがって、ディスク再生位置にターンテーブルで保持されたディスクは、その排出時に前記ディスク搬送ローラだけで片持ち状態に持ち上げられることとなり、その持ち上げ時のディスクはターンテーブル上で傾くため、ディスク排出方向へのディスク搬送時にディスクの記録面が接触して傷付いたりするという問題があった。また、ターンテーブル上のディスクが周囲の温度変化や異物の誤挿入等によって変形した場合、または規格外の異形形状のディスクであった場合、ディスク排出方向へのディスク搬送時にターンテーブルへの引っ掛かりが生じてディスクを排出できなくなるという問題もあった。こうした問題を解決するためにディスクの持ち上げ量を増加すると装置の厚み方向が大型化する問題もあった。さらには前記ターンテーブルの周縁部には再生時のディスクスリップを防止する環状のゴムシートが貼付されているため、前記ターンテーブル上に載置されたディスクを長時間放置すると、そのディスクが前記ゴムシートに貼り付いて排出できなくなるという問題もあった。
【０００３】
そこで、前述の問題点を解消するために、ディスククランプ手段を備えた格別構成のホルダ部材にターンテーブル上のディスクを持ち上げるための係止片部を設け、ディスク排出時に前記ホルダ部材全体を上昇駆動することで、そのホルダ部材の係止片部によりターンテーブル上のディスクを上昇させて当該ディスクをディスク搬送ローラで排出させる構成としたディスク搬送装置も既に知られている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−３５７５９２号公報（〔００１６〕及び〔００１７〕、図２及び図３）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に記載されたディスク搬送装置は以上のように構成されているので、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクを、ディスク搬送ローラとは別のホルダ部材を上昇駆動することで当該ホルダ部材の係止片部により持ち上げることはできるが、そのホルダ部材は、それ自体がターンテーブル上のディスクを跨る大きさに形成されているばかりでなく他部材との関連構造も複雑化して装置全体が大型化し、したがって、特に装置全体の薄型化を図ることができないという課題があった。
【０００６】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、装置全体の薄型化を図ることができると共に、ディスク排出時にターンテーブル上のディスク全体を確実に持ち上げて当該ディスクをターンテーブルとの接触で傷つけないように排出することができ、また、ターンテーブル上のディスクが変形等してもターンテーブルへ引っ掛かることなく搬送することができ、ターンテーブル上のゴムシートに貼り付いた場合であってもディスクを引き剥がすことができるディスク搬送装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この発明に係るディスク搬送装置は、ディスク搬送ローラを回転自在に支持し、このディスク搬送ローラをディスク再生時にターンテーブル上のディスクから離間させる方向に下降動作し、かつディスク排出時には前記ディスク搬送ローラを上昇させて当該ディスク搬送ローラでターンテーブル上のディスクを持ち上げる方向に上昇動作するローラ支持部材を備え、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクを当該ディスクの外縁部に沿って前記ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で持ち上げるためのディスク昇降アシスト部材を、前記ターンテーブル上のディスクの周縁部外側に配置し、そのディスク昇降アシスト部材を前記ローラ支持部材に対して同期昇降動作可能に連動させたものである。
【発明の効果】
【０００８】
この発明によれば、ディスク搬送ローラを回転自在に支持するローラ支持部材の昇降動作に同期して昇降動作するディスク昇降アシスト部材を前記ターンテーブル上のディスクの周縁部外側に配置するように構成したので、装置内部において、ターンテーブル上に載置されたディスクの外側方に生じるデッドスペースを利用して前記ディスク昇降アシスト部材を配置することができ、このように前記デッドスペースに配置されるディスク昇降アシスト部材によって装置全体が大型化するようなことはないので、装置全体を薄型化することができるという効果がある。また、前記ディスク昇降アシスト部材は、ディスク排出時におけるターンテーブル上のディスクを、前記ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で持ち上げるように構成されているので、ディスク排出時のディスクをターンテーブルと接触しない上昇位置まで前記ディスク昇降アシスト部材によって確実に持ち上げることができ、このため、ターンテーブルとの接触によるディスクの傷つきを防止することができるという効果がある。
【０００９】
また、ターンテーブル上のディスクが厚み方向に変形して当該ディスクをディスク搬送ローラだけでは持ち上げられない場合であっても、その変形ディスクがターンテーブルに引っ掛からない上昇位置まで前記変形ディスクを前記ディスク昇降アシスト部材で持ち上げてディスク搬送ローラの回転力で排出することができるという効果がある。さらには、ターンテーブル上にディスクが貼り付いた場合であっても、そのディスクを前記ディスク昇降アシスト部材の上昇動作で引き剥がして前記ディスク搬送ローラの回転力で排出することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１によるディスク搬送装置を備えたディスク再生装置を示す概略的な斜視図、図２は図１中のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向外側から見た側面図、図３は図２のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向内側から見た斜視図、図４はディスク搬送装置が備えるリンク部の斜視図である。
図１に示すディスク再生装置は、前面にディスク挿排口（図示せず）を有する装置筐体１と、この装置筐体１内のディスク再生位置に配置されて回転駆動されるディスク載置用のターンテーブル２と、前記装置筐体１の前面側内部に配置されたディスク搬送用のローラユニット３と、前記装置筐体１の上面を覆う天板（図示せず）とを備えた構成となっている。
【００１１】
前記ローラユニット３は、上昇方向に付勢力を有して前記装置筐体１の前面側に昇降動作可能に配置されたベースローラ（ローラ支持部材）４と、このベースローラ４の両端フランジ部４ａに回転自在に支持されたディスク搬送ローラ５とを備えており、そのディスク搬送ローラ５がモータ（図示せず）で回転駆動されるようになっている。さらに詳しく説明すると、前記ベースローラ４は、その両端フランジ部４ａの軸支部４ｂ（図２および図３参照）が装置筐体１側に回動可能に支持され、その軸支部４ｂを支点にして前記フランジ４ｂの後端部４ｃ側が上昇する方向にバネ部材（図示せず）で付勢された取り付け構成となっている。
【００１２】
そして、前記ベースローラ４は、前記バネ部材による上昇回動方向の付勢力に抗する方向の駆動力が伝達されて下降動作するようになっている。このようなベースローラ４の両端フランジ部４ａにおける軸支部４ｂと後端部４ｃとの間に前記ディスク搬送ローラ５が回転自在に支持されている。したがって、前記ディスク搬送ローラ５は前記ベースローラ４の回動によって昇降動作するようになっており、そのディスク搬送ローラ５は、ローラ軸の中央部側に向かって漸次小径となるゴム製のテーパーローラからなっている。
【００１３】
以上のように構成されたディスク搬送装置において、装置筐体１の側壁面とターンテーブル２上に載置されたディスクＤの外縁部との間には前記ディスクＤの回転および搬送を許容するスペースが設定されているが、このスペースはデッドスペースを含んでいるので、そのデッドスペースを利用してディスク排出時に前記ターンテーブル２上のディスクＤを持ち上げる方向にアシスト動作させるディスク昇降アシスト部材６（図２および図３参照）が配置されている。このディスク昇降アシスト部材６は、前記ベースローラ４の少なくとも片方端部のフランジ部４ａに連係され当該ベースローラ４の昇降動作に同期して昇降動作するものである。
【００１４】
このようなディスク昇降アシスト部材６は、前記ターンテーブル２上のディスクＤの外縁部に沿って前記ベースローラ４の後端部４ｃ延長方向に延びるリンク部６ａと、このリンク部６ａのほぼ中間部側面に突設されて前記ディスクＤの外縁部に下方から当接させるディスク昇降アシスト用の突出部材７とからなっている。この突出部材７は、当該突出部材７の先端側に向かって前記ディスクＤの外縁部との当接面が漸次下降するテーパー状のピンからなっている。なお、前記突出部材７はテーパーローラに置き換えてよく、また、そのテーパーローラはゴムローラであってもよく、要するに、前記ディスク搬送ローラ５よりもターンテーブル２に近づいた位置で当該ターンテーブル２上のディスクＤの外縁部に当接可能なものであればよい。
【００１５】
前記ディスク昇降アシスト部材６において、前記リンク部６ａは、ターンテーブル２に近づく後端部が装置筐体１側に回動自在に軸支されており、その軸支部を図２および図３において符号６ｂで示す。このように後端部が軸支されたリンク部６ａの前端部と前記ベースローラ４のフランジ部４ａの後端部４ｃが上下方向へ屈曲可能に連係されている。これにより、前記ベースローラ４の昇降動作に同期して前記リンク部６ａが昇降動作するようになっており、ディスク排出時にベースローラ４とリンク部６ａとが両者の連係部上昇方向に同期動作することにより、前記ディスク搬送ローラ５から離れてターンテーブル２に近づいた位置で当該ターンテーブル２上のディスクＤの外縁部に下方から前記突出部材７が当接して前記ディスクＤを持ち上げるようになっている。
【００１６】
次に動作について説明する。図５は前記実施の形態１によるディスク搬送装置のディスク再生時の状態を示す側面図、図６は図５の斜視図である。
装置筐体１内にディスクＤが挿入されると、ベースローラ４の上昇付勢力で当該ベースローラ４とリンク部６ａとが両者の連係部上昇方向に同期して回動動作することにより、ディスク搬送ローラ５と突出部材７が前記ディスクＤの外縁部に下方から当接し、前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力によってディスク再生位置の上方、すなわち前記ターンテーブル５の真上まで搬送される。その搬送後に、前記ベースローラ４に下降方向の回転駆動力が伝達され、当該ベースローラ４の下降動作に同期して前記リンク部６ａが下降動作することにより、前記ターンテーブル２上にディスクＤが載置された後、当該ディスクＤから前記ディスク搬送ローラ５と突出部材７が下降してターンテーブル２上のディスクＤから離れる。
【００１７】
ディスク排出の際は、ベースローラ４が上昇動作し、その上昇動作に同期してリンク部６ａも上昇動作することにより、ディスク搬送ローラ５と突出部材７のそれぞれが、ターンテーブル２上にクランプされたディスクＤの外縁部に下方から当接し、クランプ解除された前記ディスクＤを搬送位置まで上昇させる。これにより、前記ターンテーブル２上からディスクＤが持ち上げられて前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力で前記ディスクＤが排出方向に搬送される。
【００１８】
以上説明した実施の形態１によれば、ディスク搬送ローラ５を回転自在に支持するベースローラ（ローラ支持部材）４の昇降動作に同期して昇降動作するディスク昇降アシスト用のリンク部６ａをターンテーブル２上のディスクＤの周縁部外側に配置するように構成したので、装置筐体１の内部において、前記ターンテーブル２上に載置されたディスクＤの外側方に生じるデッドスペースを利用して前記ディスク昇降アシスト用のリンク部６ａを配置することができ、そのリンク部６ａの配置によって装置全体が大型化するようなことがないため、装置全体の薄型化が図れるという効果がある。
【００１９】
また、前記リンク部６ａには、前記ディスク搬送ローラ５からターンテーブル２の方向に離れて当該ターンテーブル２に近づく位置でディスク排出時のディスクＤを前記ターンテーブル２上から持ち上げる突出部材７が設けられているので、ディスク排出時にターンテーブル２上のディスクＤを、その全体が前記ターンテーブル２と接触しない搬送位置まで確実に持ち上げることができ、このため、前記ターンテーブル２との接触によるディスクＤの傷つきを防止することができるという効果がある。
【００２０】
また、ターンテーブル２上のディスクＤが厚み方向に変形して当該ディスクＤをディスク搬送ローラ５だけでは持ち上げられない場合であっても、その変形ディスクＤを前記突出部材７でターンテーブル２上から搬送位置まで持ち上げて、ターンテーブルに引っ掛かることなく前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力で搬送排出することができるという効果がある。さらには、前記ターンテーブル２上にディスクＤが貼り付いた場合であっても、そのディスクＤを前記リンク部６ａの上昇動作により当該リンク部６ａの突出部材７で引き剥がして前記ディスク搬送ローラ５の回転駆動力で排出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】この発明の実施の形態１によるディスク搬送装置を備えたディスク再生装置を示す概略的な斜視図である。
【図２】図１中のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向外側から見た側面図である。
【図３】図２のディスク搬送装置を再生ディスクの径方向内側から見た斜視図である。
【図４】ディスク搬送装置が備えるリンク部の斜視図である。
【図５】この発明の実施の形態１によるディスク搬送装置のディスク再生時の状態を示す側面図である。
【図６】図５の斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ 装置筐体、２ ターンテーブル、３ ローラユニット、４ ベースローラ（ローラ支持部材）、５ ディスク搬送ローラ、６ ディスク昇降アシスト部材、６ａ リンク部、６ｂ 軸支部、７ 突出部材、Ｄ ディスク。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ディスク搬送ローラを回転自在に支持し、このディスク搬送ローラをディスク再生時にターンテーブル上のディスクから離間させる方向に下降動作し、かつディスク排出時には前記ディスク搬送ローラを上昇させて当該ディスク搬送ローラでターンテーブル上のディスクを持ち上げる方向に上昇動作するローラ支持部材を備えたディスク搬送装置において、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクを当該ディスクの外縁部に沿って前記ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で持ち上げるためのディスク昇降アシスト部材を、前記ターンテーブル上のディスクの周縁部外側に配置し、そのディスク昇降アシスト部材を前記ローラ支持部材に対して同期昇降動作可能に連動させたことを特徴とするディスク搬送装置。
【請求項２】
ディスク昇降アシスト部材は、ローラ支持部材に連動して当該ローラ支持部材に同期昇降動作するリンク部材と、このリンク部材に設けられ、ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で前記ディスク搬送ローラと並行する方向に突出してディスク排出時にディスク外縁部を支持するディスク昇降アシスト用の突出部材とからなっていることを特徴とする請求項１記載のディスク搬送装置。
【請求項１】
ディスク搬送ローラを回転自在に支持し、このディスク搬送ローラをディスク再生時にターンテーブル上のディスクから離間させる方向に下降動作し、かつディスク排出時には前記ディスク搬送ローラを上昇させて当該ディスク搬送ローラでターンテーブル上のディスクを持ち上げる方向に上昇動作するローラ支持部材を備えたディスク搬送装置において、ディスク排出時にターンテーブル上のディスクを当該ディスクの外縁部に沿って前記ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で持ち上げるためのディスク昇降アシスト部材を、前記ターンテーブル上のディスクの周縁部外側に配置し、そのディスク昇降アシスト部材を前記ローラ支持部材に対して同期昇降動作可能に連動させたことを特徴とするディスク搬送装置。
【請求項２】
ディスク昇降アシスト部材は、ローラ支持部材に連動して当該ローラ支持部材に同期昇降動作するリンク部材と、このリンク部材に設けられ、ディスク搬送ローラからターンテーブルに近づく方向に離れた位置で前記ディスク搬送ローラと並行する方向に突出してディスク排出時にディスク外縁部を支持するディスク昇降アシスト用の突出部材とからなっていることを特徴とする請求項１記載のディスク搬送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００７−２０７３１１（Ｐ２００７−２０７３１１Ａ）
【公開日】平成１９年８月１６日（２００７．８．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２３２０２（Ｐ２００６−２３２０２）
【出願日】平成１８年１月３１日（２００６．１．３１）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年８月１６日（２００７．８．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１月３１日（２００６．１．３１）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
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