説明

ディスク装置のカートリッジ押え機構

【課題】部品点数の削減によるコストダウンを図り、また、必要な合計のバネ力を小さくして、小さな駆動力でカートリッジ押え機構を駆動する。
【解決手段】カートリッジ(1)が載置されたトレイ(20)を装置内に搬入し、ホルダ部材(30)をトレイ(20)とともに下降させて、装置本体(11)に設けた位置決め部材(15)によりトレイ(20)の高さおよびカートリッジ(1)の位置を決め、クランプ部材(40)を下向きに揺動させてディスク(2)をディスク回転手段に装着する。クランプ部材(40)をクランプする方向に付勢するバネ(53)により、クランプ部材(40)がホルダ部材(30)を押圧し、ホルダ部材(30)がカートリッジ(1)を押圧し、カートリッジ(1)がトレイ(20)を押圧することで、位置決め部材(15)に対してトレイ、カートリッジ、ホルダ部材、クランプ部材を位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等のディスクの再生または記録再生を行うディスク装置にカートリッジをローディングするときのディスク装置のカートリッジ押え機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置のカートリッジ押え機構では、クランプアームの位置決めは、スライド部材のカムに設けたバネにより行い、また、トレイホルダの位置決めは、スライド部材のカムに設けた別のバネにより行い、さらに、カートリッジの押えは、トレイホルダに設けた板バネにより行っていた。
【0003】
従来のディスク装置のカートリッジ押え機構について、図14〜図17を参照して説明する。図14は、トレイが搬入位置で下降しカートリッジがディスク装填位置(記録再生位置)に位置決めされた状態を示す斜視図、図15は、スライド部材によるトレイホルダ、クランプアームの駆動機構を示す側面図、図16は、トレイホルダの底面側から見た斜視図、図17は、スライド部材のカム部を示す側面図である。
【0004】
従来のディスク装置110においても、トレイ120、トレイホルダ130、クランプアーム140、スライド部材150の駆動機構については、後述する本発明の実施形態と同様の構成であるので、説明は省略する。
【0005】
また、カートリッジ101の平面上の位置決めと、高さ方向の位置決めも、本発明の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0006】
カートリッジ101の押圧方法については、本発明の実施形態とは異なっている。図15、図17(a)に示すように、スライド部材150のクランプアーム用カム152に設けられたクランプアーム押えバネ153は、クランプアーム140のピン142に当接し、クランプアーム140をクランプする方向に付勢している。
【0007】
しかし、クランプアーム140のピン142の下面がクランプアーム用カム152に当接して位置規制されているため、クランプアーム140とトレイホルダ130とは当接しておらず、クランプする方向に付勢されたバネ力はスライド部材150が受けてしまい、トレイホルダ130には伝達されない。
【0008】
そのため、図15に示すように、スライド部材150のトレイホルダ用カム151にも、トレイホルダ130の4本のピン131と当接するトレイホルダ押えバネ154が設けてあり、トレイホルダ130が下降したときにトレイホルダ130を下方に付勢するようにしてある。
【0009】
図17(b)に示すように、トレイホルダ130の4本のピン131の下面とスライド部材150のトレイホルダ用カム151との間には隙間があり、4本のピン131で高さ方向の位置規制は行われず、トレイホルダ130の高さ方向の位置決めはトレイ120との当接により行う。
【0010】
すなわち、トレイホルダ130はトレイ120により位置決めされるため、トレイホルダ130にはカートリッジ101を押圧するバネが必要となり、図16に示すように、板バネ156を2箇所に設け、カートリッジ101は板バネ156によりトレイ120に押圧される。
【特許文献1】特開2002−304796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記のような従来のディスク装置のカートリッジ押え機構には、次のような課題があった。
【0012】
カートリッジ101の押えはトレイホルダ130に設けた板バネ156により行い、クランプアーム140とトレイホルダ130の位置決めのために、スライド部材150のクランプアーム用カム152とトレイホルダ用カム151に、クランプアーム押えバネ153とトレイホルダ押えバネ154がそれぞれ必要であった。
【0013】
すなわち、カートリッジ101の押圧・位置決めとディスク102のクランプを行うために、クランプアーム140の押えバネ153が2個、トレイホルダ130の押えバネ154が4個、カートリッジ101の押えバネ156が2個で、合計8個のバネが必要である。
【0014】
そのため、必要なバネの数が多く、コストアップになる。また、各部品をそれぞれのバネで付勢するため、合計すると付勢力が大きくなり、そのため大きな駆動力が必要になる。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、部品点数の削減によるコストダウンを図り、また、必要な合計のバネ力を小さくして、小さな駆動力で駆動することのできるディスク装置のカートリッジ押え機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の請求項1に係るディスク装置のカートリッジ押え機構は、ディスクを収納したカートリッジが載置されるトレイと、装置本体に昇降自在にガイドされ、トレイを搬入・搬出自在に保持するホルダ部材と、ホルダ部材に揺動自在に支持され、装置本体に固定されたディスク回転手段にディスクをクランプするクランプ部材と、装置本体にトレイの搬入・搬出方向にスライド自在にガイドされ、ホルダ部材とクランプ部材をカムで駆動するスライド部材と、トレイおよびスライド部材をスライド駆動する駆動手段とを備え、カートリッジが載置されたトレイを前記駆動手段により装置内に搬入し、スライド部材によりホルダ部材をトレイとともに下降させて、装置本体に設けた位置決め部材によりトレイの高さおよびカートリッジの位置を決め、スライド部材によりクランプ部材を下向きに揺動させてディスクをディスク回転手段に装着するディスク装置において、前記クランプ部材をクランプする方向に付勢するバネにより、クランプ部材が前記ホルダ部材を押圧し、ホルダ部材が前記カートリッジを押圧し、カートリッジが前記トレイを押圧することで、前記位置決め部材に対してトレイ、カートリッジ、ホルダ部材、クランプ部材を位置決めするように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以上のように、ディスクを収納したカートリッジが載置されるトレイと、装置本体に昇降自在にガイドされ、トレイを搬入・搬出自在に保持するホルダ部材と、ホルダ部材に揺動自在に支持され、装置本体に固定されたディスク回転手段にディスクをクランプするクランプ部材と、装置本体にトレイの搬入・搬出方向にスライド自在にガイドされ、ホルダ部材とクランプ部材をカムで駆動するスライド部材と、トレイおよびスライド部材をスライド駆動する駆動手段とを備え、カートリッジが載置されたトレイを前記駆動手段により装置内に搬入し、スライド部材によりホルダ部材をトレイとともに下降させて、装置本体に設けた位置決め部材によりトレイの高さおよびカートリッジの位置を決め、スライド部材によりクランプ部材を下向きに揺動させてディスクをディスク回転手段に装着するディスク装置において、前記クランプ部材をクランプする方向に付勢するバネにより、クランプ部材が前記ホルダ部材を押圧し、ホルダ部材が前記カートリッジを押圧し、カートリッジが前記トレイを押圧することで、前記位置決め部材に対してトレイ、カートリッジ、ホルダ部材、クランプ部材を位置決めするように構成したので、わずかにクランプ部材をクランプする方向に付勢するバネだけで、トレイ、カートリッジ、ホルダ部材、クランプ部材のすべてを位置決めすることができ、そのため、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができ、また、それぞれ別々にバネを設けた場合に比べて必要な合計のバネ力を小さくすることができ、小さな駆動力で駆動することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図12を参照して説明する。
【0019】
図1〜図3は、本発明によるカートリッジ押え機構を備えたディスク装置の一実施形態を示し、図1はトレイがカートリッジを載置する搬出位置にある状態を示す斜視図、図2はカートリッジを載置したトレイが搬入位置にある状態を示す斜視図、図3はトレイが下降しカートリッジがディスク装填位置(記録再生位置)に位置決めされた状態を示す斜視図である。
【0020】
このカートリッジ押え機構を備えたディスク装置10は、ディスク2を収納したカートリッジ1が載置されるトレイ20と、装置のベース(装置本体)11に昇降自在にガイドされ、トレイ20を搬入・搬出自在に保持するトレイホルダ30と、トレイホルダ30に揺動自在に支持され、ベース11に固定されたスピンドルモータ70にディスク2をクランプするクランプアーム40と、ベース11にトレイ20の搬入・搬出方向にスライド自在にガイドされ、トレイホルダ30とクランプアーム40をカムで駆動するスライド部材50と、トレイ20およびスライド部材50をスライド駆動する駆動手段60とを備えている。
【0021】
また、このディスク装置10は、カートリッジ1が載置されたトレイ20を駆動手段60により装置内に搬入し、スライド部材50によりトレイホルダ30をトレイ20とともに下降させて、ベース11に設けた位置決めピン15によりトレイ20の高さおよびカートリッジ1の位置を決め、スライド部材50によりクランプアーム40を下向きに揺動させてディスク2をスピンドルモータ70に装着するようになっている。
【0022】
そして、このディスク装置10は、クランプアーム40をクランプする方向に付勢するバネ53により、クランプアーム40がトレイホルダ30を押圧し、トレイホルダ30がカートリッジ1を押圧し、カートリッジ1がトレイ20を押圧することで、位置決めピン15に対してトレイ20、カートリッジ1、トレイホルダ30、クランプアーム40を位置決めするように構成してある。
【0023】
図4に示すように、トレイ20はその上面に、カートリッジ1を載置するための載置面21を備えている。
【0024】
また、トレイ20は、載置面21にカートリッジ1を載置したときそのカートリッジ1の底面に形成された所定の規準穴と一致する位置に、高さ・位置決め用の2個の貫通孔22を備えている。
【0025】
さらに、トレイ20は載置面21に、後述するカートリッジ1からの下向き押圧力を受けて、カートリッジ1の高さを位置決めする4個の凸部23を備えている。
【0026】
そして、トレイ20は、ベース11に設けたモータを有する駆動手段60(詳細は図示省略)により、ベース(装置本体)11に対して搬入・搬出されるようになっている。
【0027】
図5、図6に示すように、トレイホルダ30は左右に4個のピン31を備え、そのうち3個のピン31が、ベース11の左右に形成された3個の縦長溝12に係合することで、トレイホルダ30はベース11に昇降自在にガイドされている。
【0028】
また、トレイホルダ30はその左右両側に、トレイ20の両側部を支持して搬入・搬出自在にガイドするガイド部32を備えている。
【0029】
さらに、トレイホルダ30は、後述するカートリッジ1を下向きに押圧する4個の凸部33を備えている。
【0030】
図7、図8に示すように、クランプアーム40は、トレイホルダ30の天井部分に形成した2個の軸受部34に軸支される2個の揺動軸41を備え、クランプアーム40はこの揺動軸41の回りに揺動するようになっている。
【0031】
また、クランプアーム40は左右に2個のピン42を備え、さらに、クランプアーム40は、このピン42の内側に、トレイホルダ30の対応する位置に形成した2個の当接部35を下向きに押圧する2個の凸部43を備えている。
【0032】
さらに、クランプアーム40は、トレイ20が下降しカートリッジ1がディスク2の装填位置(記録再生位置)に位置決めされたとき、ベース11に固定されたスピンドルモータ70(図11参照)にディスク2をクランプするクランパ45を備えている。
【0033】
図8〜図10に示すように、スライド部材50は、右側のスライド部材50aと左側のスライド部材50bとで構成され、両スライド部材50a,50bとも、ベース11にトレイ20の搬入・搬出方向にスライド自在にガイドされている。
【0034】
また、左右のスライド部材50a,50bは、ベース11の底部に配置した連結レバー55により互いに連結されている。そして、ベース11に設けたモータを有する駆動手段60の駆動ギヤ61により、右側のスライド部材50aが矢印A方向へスライド駆動されると、左側のスライド部材50bは反対のB方向にスライド駆動されるようになっている。
【0035】
また、スライド部材50a,50bは、トレイホルダ30の左右4個のピン31を収容する水平部および傾斜部を有する溝孔状のトレイホルダ用カム51a,51bと、クランプアーム40の左右2個のピン42を収容する水平部および傾斜部を有する溝孔状のクランプアーム用カム52a,52bとを備えている。
【0036】
そのため、スライド部材50a,50bが矢印A,B方向へそれぞれスライド駆動されると、トレイホルダ用カム51a,51bがトレイホルダ30のピン31をカム駆動してトレイホルダ30を下降させるとともに、クランプアーム用カム52a,52bがクランプアーム40のピン42をカム駆動してクランプアーム40を下降させるようになっている。
【0037】
さらに、スライド部材50a,50bは、図10に示すように、クランプアーム用カム52a,52bにクランプアーム押えバネ53a,53b(スライド部材50bのクランプアーム押えバネ53bは図示省略)を備えている。
【0038】
このクランプアーム押えバネ53a,53bは、クランプアーム40が下降してそのピン42がクランプアーム用カム52a,52bの所定位置に到達したとき、クランプアーム40のピン42を下向きに押圧するものである。
【0039】
この所定位置とは、トレイホルダ30がカートリッジ1のディスク装填位置まで下降し、クランプアーム40のクランパ45がディスク2をスピンドルモータ70にクランプする位置、すなわち、ディスク2の記録再生が行われる位置のことである。
【0040】
図5、図11に示すように、ベース(装置本体)11には、カートリッジ1を載置したトレイ20が駆動手段60により装置内に搬入され、スライド部材50a,50bによりトレイホルダ30とともに下降したとき、トレイ20の高さおよびカートリッジ1の位置を決めるための位置決めピン15が設けられている。
【0041】
位置決めピン15は、装置内に搬入されたトレイ20の貫通孔22に相当する位置に配置されている。そして、位置決めピン15は、貫通孔22の周囲部下面を支えることでトレイ20の高さ位置を決めるトレイ高さ位置決め部16と、カートリッジ1底面の規準穴を芯出しすることでカートリッジ1の平面位置を決めるカートリッジ位置決め部17とを備えている。
【0042】
次に、上記のディスク装置10におけるカートリッジ押え機構の動作について説明する。
【0043】
図12(a)に示すように、スライド部材50aのクランプアーム用カム52aに沿ってクランプアーム40が下降してそのピン42がディスク2の記録再生位置に到達したとき、クランプアーム40のピン42は、クランプアーム押えバネ53aにより下向きに押圧される。スライド部材50b側のピン42についても全く同様である。
【0044】
すなわち、スライド部材50a,50bのクランプアーム押えバネ53a,53bによりピン42が下向きに押圧されることで、クランプアーム40がディスク2をクランプする方向(すなわち下向き)に押圧される。
【0045】
このとき、図12(a)に示すように、クランプアーム40のピン42の下面とクランプアーム用カム52aとの間には隙間d1が存在するように構成してある。すなわち、クランプアーム40の下向き押圧力をスライド部材50aは受けていない。スライド部材50b側のピン42についても全く同様である。
【0046】
そのため、クランプアーム40の下向き押圧力は、クランプアーム40の左右の凸部43がトレイホルダ30の対応する2個の当接部35を下向きに押圧することで、トレイホルダ30に伝達される(図7参照)。これにより、トレイホルダ30が下向きに押圧されることになる。
【0047】
図12(b)に示すように、トレイホルダ30のピン31の下面とトレイホルダ用カム51aとの間には隙間d2が存在するように構成してある。トレイホルダ30の4個のピン31すべてについて同様に構成してある。このため、トレイホルダ30の下向き押圧力をスライド部材50a,50bは受けていない。
【0048】
そのため、トレイホルダ30の下向き押圧力は、トレイホルダ30の4個の凸部33がカートリッジ1の上面を下向きに押圧することで、カートリッジ1に伝達される(図6参照)。これにより、カートリッジ1が下向きに押圧されることになる。
【0049】
カートリッジ1の下向き押圧力は、カートリッジ1の下面がトレイ20の4個の凸部23を下向きに押圧することで、トレイ20に伝達される(図4参照)。これにより、トレイ20が下向きに押圧されることになる。
【0050】
トレイ20の下向き押圧力は、トレイ20の貫通孔22の周囲部下面が位置決めピン15のトレイ高さ位置決め部16を下向きに押圧することで、最終的にベース(装置本体)11に伝達される(図5、図11参照)。
【0051】
したがって、ベース(装置本体)11に設けた位置決めピン15のトレイ高さ位置決め部16が、下向きに押圧されるトレイ20の貫通孔22の周囲部下面を支えることで、トレイ20の高さが位置決めされる。
【0052】
また、このトレイ20の4個の凸部23が、下向きに押圧されるカートリッジ1の下面を支えることで、カートリッジ1の高さが位置決めされる。カートリッジ1の平面位置は、位置決めピン15のカートリッジ位置決め部17がカートリッジ1底面の規準穴を芯出しすることで、位置決めされる。
【0053】
また、このカートリッジ1の上面が、下向きに押圧されるトレイホルダ30の4個の凸部33を支えることで、トレイホルダ30が位置決めされる。
【0054】
また、このトレイホルダ30の左右の当接部35が、下向きに押圧されるクランプアーム40の左右の凸部43を支えることで、クランプアーム40が位置決めされる。
【0055】
そして、これらすべての位置決めのための下向き押圧力は、スライド部材50a,50bのクランプアーム用カム52a,52bに設けたクランプアーム押えバネ53a,53bが、クランプアーム40のピン42に対して及ぼすことで、発生している。
【0056】
以上をまとめて模式的に表すと、図13(a)に示すように、クランプアーム40をクランプする方向に付勢(押圧)するクランプアーム押えバネ53により、クランプアーム40がトレイホルダ30を押圧し、トレイホルダ30がカートリッジ1を押圧し、カートリッジ1がトレイ20を押圧して、ベース(装置本体)11の所定位置に位置決めすることができる。
【0057】
これに対し、従来のディスク装置110におけるカートリッジ押え機構の場合は、図13(b)に示すように、クランプアーム140をクランプする方向に付勢(押圧)するクランプアーム押えバネ153の他に、トレイホルダ130を付勢(押圧)するトレイホルダ押えバネ154がトレイホルダ130を押圧し、カートリッジ101を付勢(押圧)するカートリッジ押えバネ156がカートリッジ101を押圧し、カートリッジ101がトレイ120を押圧して、ベース(装置本体)111の所定位置に位置決めすることになる。
【0058】
このように、本発明によるカートリッジ押え機構は、従来のカートリッジ押え機構に比べて、必要な押えバネの個数が少なくてよいため、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
【0059】
また、押えバネのバネ力をつぎつぎに伝達していくことで、全体の押えに必要な合計のバネ力を小さくすることができる。これにより、カートリッジ押え機構の駆動力を小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明によるカートリッジ押え機構を備えたディスク装置の一実施形態を示す、トレイが搬出位置にある状態の斜視図である。
【図2】図1の実施形態のトレイが搬入位置にある状態の斜視図である。
【図3】図1の実施形態のディスク装填位置にある状態の斜視図である。
【図4】トレイの斜視図である。
【図5】トレイホルダのガイド機構を示す展開斜視図である。
【図6】トレイホルダの底面側から見た斜視図である。
【図7】クランプアームとトレイホルダの取り付け構成を示す斜視図である。
【図8】カートリッジの搬送機構を示す展開斜視図である。
【図9】スライド部材の連結構成を示す底面側から見た斜視図である。
【図10】スライド部材によるトレイホルダ、クランプアームの駆動機構を示す側面図である。
【図11】トレイ、カートリッジ位置決め機構を示す展開斜視図である。
【図12】スライド部材のカム部を示す拡大側面図である。
【図13】本発明と従来例のカートリッジ押え方法の違いを示す模式図である。
【図14】従来のディスク装置の一例を示すディスク装填位置にある状態の斜視図である。
【図15】従来例のトレイホルダ、クランプアーム駆動機構を示す側面図である。
【図16】従来例のトレイホルダの底面側から見た斜視図である。
【図17】従来例のスライド部材のカム部を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 カートリッジ
2 ディスク
10 ディスク装置
11 ベース(装置本体)
12 縦長溝
15 位置決めピン
16 トレイ高さ位置決め部
17 カートリッジ位置決め部
20 トレイ
21 載置面
22 貫通孔
23 凸部
30 トレイホルダ
31 ピン
32 ガイド部
33 凸部
34 軸受部
35 当接部
40 クランプアーム
41 揺動軸
42 ピン
43 凸部
45 クランパ
50a,50b スライド部材
51a,51b トレイホルダ用カム
52a,52b クランプアーム用カム
53a,53b クランプアーム押えバネ
55 連結レバー
60 駆動手段
61 駆動ギヤ
70 スピンドルモータ(ディスク回転手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを収納したカートリッジが載置されるトレイと、装置本体に昇降自在にガイドされ、トレイを搬入・搬出自在に保持するホルダ部材と、ホルダ部材に揺動自在に支持され、装置本体に固定されたディスク回転手段にディスクをクランプするクランプ部材と、装置本体にトレイの搬入・搬出方向にスライド自在にガイドされ、ホルダ部材とクランプ部材をカムで駆動するスライド部材と、トレイおよびスライド部材をスライド駆動する駆動手段とを備え、カートリッジが載置されたトレイを前記駆動手段により装置内に搬入し、スライド部材によりホルダ部材をトレイとともに下降させて、装置本体に設けた位置決め部材によりトレイの高さおよびカートリッジの位置を決め、スライド部材によりクランプ部材を下向きに揺動させてディスクをディスク回転手段に装着するディスク装置において、
前記クランプ部材をクランプする方向に付勢するバネにより、クランプ部材が前記ホルダ部材を押圧し、ホルダ部材が前記カートリッジを押圧し、カートリッジが前記トレイを押圧することで、前記位置決め部材に対してトレイ、カートリッジ、ホルダ部材、クランプ部材を位置決めするように構成したことを特徴とするディスク装置のカートリッジ押え機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−216176(P2006−216176A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29306(P2005−29306)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】