説明

ディスク装置及びその情報データ管理方法

【課題】 光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにして、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができるようにする。
【解決手段】 第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出して第1の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの複数のビットを抽出して第2の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの複数のビットを抽出して第3の光ディスクに記録し、それぞれ抽出された複数のビットの各抽出ビット数を第1の光ディスクに記録するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに情報データを記録再生するディスク装置及びその情報データ管理方法に係り、特に光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができるディスク装置及びその情報データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、DVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disk)等の光ディスクに記録された情報データは、光ディスクから読み出して他の光ディスクやハードディスク等の記録媒体に容易にコピーすることができる。また、情報データが記録された光ディスクをダビングして複製の光ディスクを容易に作成することができる。そのため、光ディスクに記録された情報データがコピーされたり、情報データが記録された光ディスクが複製されたりして、光ディスクに記録された情報データが第三者に漏洩するという問題点があった。また、光ディスクに記録された情報データを第三者が容易に読み出すことができるため、光ディスクに記録された情報データの重要な内容が第三者に見られるという問題点があった。
背景技術としては、情報データを小さい単位で2つ以上に分割して、光ディスクに記録された情報データが不連続となるように2面以上の異なる光ディスクに記録して、光ディスクの違法コピーを防止するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、情報データを複数のデータ群に分割し、各データ群に参照情報、復元情報を付加して、複数の既存ファイルに分散して保存し、情報データの内容だけではなくその存在を含めて第三者から隠蔽するようにしたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
また、光ディスクの両面に記録された情報データを読み取り、記録順序にしたがって並び替えて、光ディスクに記録された情報データの複製を防止するとともに、光ディスクに記録された情報データの第三者への漏洩を防止するようにしたものがあった(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平9−106625号公報
【特許文献2】特開2001−282621号公報
【特許文献3】特開2000−339847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、背景技術で述べたもののうち最初のものにおいては、情報データを小さい単位で2つ以上に分割して、光ディスクに記録された情報データが不連続となるように2面以上の異なる光ディスクに記録して、光ディスクの違法コピーを防止することができたが、小さい単位で分割された情報データを断片的に読み出すことができるため、情報データの内容の一部が第三者に漏洩するという問題点があった。
また、次のものにおいては、情報データを複数のデータ群に分割し、各データ群に参照情報、復元情報を付加して、複数の既存ファイルに分散して保存し、情報データの内容だけではなくその存在を含めて第三者から隠蔽することができたが、複数のデータ群に分割された情報データを読み出すことができるため、上記同様に、情報データの内容の一部が第三者に漏洩するという問題点があった。
また、更にその次のものにおいては、光ディスクの両面に記録された情報データを読み取り、記録順序にしたがって並び替えて、光ディスクに記録された情報データの複製を防止するとともに、光ディスクに記録された情報データの第三者への漏洩を防止することができたが、記録順序にしたがって並び替えられた情報データを読み出すことができるため、上記同様に、情報データの内容の一部が第三者に漏洩するという問題点があった。
本発明は、背景技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにして、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができるディスク装置及びその情報データ管理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため本発明においては、光ディスクに情報データを記録再生するディスク装置であって、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出する第1の抽出手段と、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの複数のビットを抽出する第2の抽出手段と、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの複数のビットを抽出する第3の抽出手段と、前記第1の抽出手段、前記第2の抽出手段、前記第3の抽出手段により抽出された複数のビットの各抽出ビット数を計数する計数手段と、前記第1の抽出手段により抽出された複数のビットと前記計数手段により計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、前記第2の抽出手段により抽出された複数のビットを第2の光ディスクに記録し、前記第3の抽出手段により抽出された複数のビットを第3の光ディスクに記録する記録手段とを備える。
更に、前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第1のデータを復元する第1のデータ復元手段と、前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第2のデータを復元する第2のデータ復元手段とを備える。
これらの手段により、光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにして、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明に係るディスク装置によれば、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの複数のビットを抽出し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの複数のビットを抽出し、それぞれ抽出された複数のビットの各抽出ビット数を計数して、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の抽出された複数の同じビットと計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの抽出された複数のビットを第2の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの抽出された複数のビットを第3の光ディスクに記録し、第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて第1の光ディスクに記録された複数のビットと第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、第1のデータを復元し、第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて第1の光ディスクに記録された複数のビットと第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、第2のデータを復元するようにしているので、第1の光ディスクを管理することにより、第2の光ディスク、或いは、第3の光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにすることができ、光ディスクに記録された情報データの第三者への漏洩を防止することができる。
請求項2記載の発明に係るディスク装置によれば、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの複数のビットを抽出し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの複数のビットを抽出し、それぞれ抽出された複数のビットの各抽出ビット数を計数して、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の抽出された複数の同じビットと計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの抽出された複数のビットを第2の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの抽出された複数のビットを第3の光ディスクに記録するようにしているので、第1の光ディスクを管理することにより、第2の光ディスク、或いは、第3の光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにすることができ、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができる。
請求項3記載の発明に係るディスク装置によれば、第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて第1の光ディスクに記録された複数のビットと第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、第1のデータを復元し、第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて第1の光ディスクに記録された複数のビットと第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、第2のデータを復元するようにしているので、第1の光ディスクを管理することにより、第2の光ディスク、或いは、第3の光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにすることができ、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができる。
請求項4記載の発明に係るディスク装置の情報データ管理方法によれば、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出して抽出ビット数を計数し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる複数の第1のデータのビットを抽出して抽出ビット数を計数し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる複数の第2のデータのビットを抽出して抽出ビット数を計数し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットと第1のステップ、第2のステップ、前記第3のステップによりそれぞれ計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる複数の第1のデータのビットを第2の光ディスクに記録し、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる複数の第2のデータのビットを第3の光ディスクに記録するようにしているので、第1の光ディスクを管理することにより、第2の光ディスク、或いは、第3の光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにすることができ、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができる。
請求項5記載の発明に係るディスク装置の情報データ管理方法によれば、第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて第1の光ディスクに記録された複数のビットと第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、第1のデータを復元し、第1の光ディスクに記録された抽出ビット数に基づいて第1の光ディスクに記録された複数のビットと第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、第2のデータを復元するようにしているので、第1の光ディスクを管理することにより、第2の光ディスク、或いは、第3の光ディスクに記録された情報データを第三者が読み出すことができないようにすることができ、光ディスクに記録された情報データの漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、適宜図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を詳述する。図1は本発明の一実施例のディスク装置の構成を示すブロック図であり、図2は本発明の一実施例のディスク装置のビット抽出動作を示す説明図であり、図3は本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示す説明図であり、図4は本発明の一実施例のディスク装置のビット抽出動作を示すフローチャートであり、図5は本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示すフローチャートであり、図6は本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示すフローチャートである。
まず、図1の本発明の一実施例のディスク装置の構成を示すブロック図を基に説明する。
ディスク装置1は、光ディスク2にレーザ光を照射してその反射光を検出し、光ディスク2に記録されている情報データを読み出すとともに、光ディスク2にレーザ光を照射して、光ディスク2に情報データを記録する光ピックアップ3と、光ディスク2を回転させるスピンドルモータ4と、光ピックアップ3を光ディスク2の半径方向にスレッド移動させるスレッドモータ5と、スピンドルモータ4の回転速度とスレッドモータ5の回転方向、回転速度とをサーボ制御し、光ピックアップ3により検出されたトラッキング誤差信号、フォーカス誤差信号に基づいて光ピックアップ3のトラッキング、フォーカスをサーボ制御するサーボ回路6と、光ピックアップ3により読み出された情報データのRF(Radio Frequency)信号を増幅するとともに、光ディスク2に記録する情報データのRF信号を増幅するRF増幅回路7と、RF増幅回路7により増幅された情報データのRF信号を基準クロックに基づいて同期検出して復調し、復調された情報データの誤りを訂正して、所定の圧縮方式に基づいて圧縮された情報データを伸張し、伸張された情報データを復号して情報データを再生するとともに、光ディスク2に記録する情報データを符号化し、符号化された情報データを所定の圧縮方式に基づいて圧縮する信号処理回路8と、文字情報信号を映像信号に重畳して、文字情報をモニタ装置30の画面に表示するOSD(On−Screen Character Display)回路9と、ディスク装置1のシステム全体を制御するマイコン10と、各種データを記憶するメモリ11と、リモコン装置20から送信された赤外線信号のリモコン信号を受信して、所定の電気信号に変換するリモコン受信部12とで構成されている。
以上のように構成されたディスク装置について、以下その動作について説明する。
(ビット抽出動作)元データ1と元データ2とのビット抽出動作を開始すると、マイコン10は、光ディスクAに記録するデータA、光ディスクBに記録するデータB、光ディスクCに記録するデータCを記憶する領域をメモリ11に設定して、メモリ11のデータA、データB、データCの各データをクリアし、元データ1と元データ2とを復元するためのキーデータを記憶する領域をメモリ11に設定して、メモリ11のキーデータをクリアする。また、マイコン10は、元データ1、元データ2から抽出したビットの数を計数する抽出ビット数をクリアし、元データ1、元データ2のビット位置を指示するポインタに1をセットし、元データ1と元データ2との同じビットの連続と異なるビットの連続とを判別するフラグをリセットする。そして、マイコン10は、元データ1のポインタの位置のビットと元データ2のポインタの位置のビットとを抽出して、抽出された元データ1のビットと元データ2のビットとが同じビットであるか否かを判別する。例えば、元データ1が100110101…であり、元データ2が010111100…である場合、元データ1と元データ2との3、4、5、7、8番目の各ビットが同じビットとなり(図2(a)参照)、元データ1と元データ2の1、2、6、9番目の各ビットが異なるビットとなる(図2(b)、(c)参照)。
抽出された元データ1のビットと元データ2のビットとが同じビットである場合、マイコン10は、フラグがセットされているか否かを判別し、フラグがセットされている場合、元データ1のビットと元データ2のビットとの同じビットをメモリ11のデータAに追加して(図2(a)参照)、抽出ビット数に1を加算し、ポインタに1を加算する。また、フラグがセットされていない場合、マイコン10は、抽出ビット数をメモリ11のキーデータに追加して(図2(a)参照)、抽出ビット数をクリアし、フラッグをセットして、元データ1のビットと元データ2のビットとの同じビットをメモリ11のデータAに追加して(図2(a)参照)、抽出ビット数に1を加算し、ポインタに1を加算する。
また、抽出された元データ1のビットと元データ2のビットとが異なるビットである場合、マイコン10は、フラグがリセットされているか否かを判別し、フラグがリセットされている場合、元データ2のビットと異なる元データ1のビットをメモリ11のデータBに追加し(図2(b)参照)、元データ1のビットと異なる元データ2のビットをメモリ11のデータCに追加して(図2(c)参照)、抽出ビット数に1を加算し、ポインタに1を加算する。また、フラグがリセットされていない場合、マイコン10は、抽出ビット数をメモリ11のキーデータに追加して(図2(a)参照)、抽出ビット数をクリアし、フラグをリセットして、元データ2のビットと異なる元データ1のビットをメモリ11のデータBに追加し(図2(b)参照)、元データ1のビットと異なる元データ2のビットをメモリ11のデータCに追加して(図2(c)参照)、抽出ビット数に1を加算し、ポインタに1を加算する。
元データ1と元データ2とのビット抽出が完了していない場合、マイコン10は、上記同様にして、元データ1のビットと元データ2のビットとの同じビットをメモリ11のデータAに追加し、元データ2のビットと異なる元データ1のビットをメモリ11のデータBに追加し、元データ1のビットと異なる元データ2のビットをメモリ11のデータCに追加して、元データ1と元データ2とのビット抽出動作を繰り返す。そして、元データ1と元データ2とのビット抽出が完了すると、マイコン10は、OSD回路9に文字情報信号と制御信号とを送出して、光ディスクAの装着を促すメッセージをモニタ装置30の画面に表示する(図示せず)。光ディスクAがディスク装置1に装着されると、マイコン10は、サーボ回路6に制御信号を送出して、スピンドルモータ4を駆動してディスク装置1に装着された光ディスクAを回転させ、スレッドモータ5を駆動して光ピックアップ3を光ディスクAの半径方向にスレッド移動させ、光ピックアップ3のトラッキングとフォーカスとをサーボ制御して、メモリ11に記憶されているデータAとキーデータとをディスク装置1に装着された光ディスクAに記録する(図2(a)参照)。同様にして、マイコン10は、メモリ11に記憶されているデータBをディスク装置1に装着された光ディスクBに記録し(図2(b)参照)、メモリ11に記憶されているデータCをディスク装置1に装着された光ディスクCに記録する(図2(c)参照)。
(元データ1の復元動作)データ1の復元動作を開始すると、マイコン10は、OSD回路9に文字情報信号と制御信号とを送出して、光ディスクAの装着を促すメッセージをモニタ装置30の画面に表示する(図示せず)。光ディスクAがディスク装置1に装着されると、マイコン10は、サーボ回路6に制御信号を送出して、スピンドルモータ4を駆動してディスク装置に1に装着された光ディスクAを回転させ、スレッドモータ5を駆動して光ピックアップ3を光ディスクAの半径方向にスレッド移動させ、光ピックアップ3のトラッキングとフォーカスとをサーボ制御して、ディスク装置1に装着された光ディスクAからデータAとキーデータとを読み込んでメモリ11に記憶する。同様にして、マイコン10は、ディスク装置1に装着された光ディスクBからデータBを読み込んでメモリ11に記憶する。そして、マイコン10は、データAとデータBとから元データ1を復元するためにメモリ11にデータ1を記憶する領域を設定して、メモリ11のデータ1をクリアし、キーデータの抽出ビット数の位置を指示するポインタ1、データBのビット位置を指示するポインタ2、データAのビット位置を指示するポインタ3の各ポインタに1をセットする。
マイコン10は、メモリ11に記憶されているキーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数を読み出して、読み出された抽出ビット数に応じたビット数のビットをメモリ11に記憶されているデータBのポインタ2の位置から抽出し、抽出されたデータBのビットをメモリ11のデータ1に追加して(図3(a)参照)、ポインタ1に1を加算し、ポインタ2に抽出ビット数を加算する。そして、マイコン10は、メモリ11に記憶されているキーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数をメモリ11から読み出して、読み出された抽出ビット数に応じたビット数のビットをメモリ11に記憶されているデータAのポインタ3の位置から抽出し、抽出されたデータAのビットをメモリ11のデータ1に追加して(図3(a)参照)、ポインタ1に1を加算し、ポインタ3に抽出ビット数を加算する。
元データ1の復元が完了していない場合、マイコン10は、上記同様にして、メモリ11に記憶されているキーデータの抽出ビット数に応じたビット数のデータBのビットをメモリ11のデータ1に追加し、メモリ11に記憶されているキーデータの抽出ビット数に応じたビット数のデータAのビットをメモリ11のデータ1に追加して、元データ1の復元動作を繰り返して元データ1を復元する(図3(a)参照)。これにより、光ディスクAを管理することにより、光ディスクBに記録されたデータBを読み出しも、元データ1を復元することができないため、光ディスクに記録された情報データの第三者への漏洩を防止することができる。
(データ2の復元動作)データ2の復元動作を開始すると、マイコン10は、OSD回路9に文字情報信号と制御信号とを送出して、光ディスクAの装着を促すメッセージをモニタ装置30の画面に表示する(図示せず)。光ディスクAがディスク装置1に装着されると、マイコン10は、サーボ回路6に制御信号を送出して、スピンドルモータ4を駆動してディスク装置に1に装着された光ディスクAを回転させ、スレッドモータ5を駆動して光ピックアップ3を光ディスクAの半径方向にスレッド移動させ、光ピックアップ3のトラッキングとフォーカスとをサーボ制御して、ディスク装置1に装着された光ディスクAからデータAとキーデータとを読み込んでメモリ11に記憶する。同様にして、マイコン10は、ディスク装置1に装着された光ディスクCからデータCを読み込んでメモリ11に記憶する。そして、マイコン10は、データAとデータCとから元データ2を復元するためにメモリ11にデータ2を記憶する領域を設定して、メモリ11のデータ2をクリアし、キーデータの抽出ビット数の位置を指示するポインタ1、データCのビット位置を指示するポインタ2、データAのビット位置を指示するポインタ3の各ポインタに1をセットする。
マイコン10は、メモリ11に記憶されているキーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数を読み出して、読み出された抽出ビット数に応じたビット数のビットをメモリ11に記憶されているデータCのポインタ2の位置から抽出し、抽出されたデータCのビットをメモリ11のデータ2に追加して(図3(a)参照)、ポインタ1に1を加算し、ポインタ2に抽出ビット数を加算する。そして、マイコン10は、メモリ11に記憶されているキーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数をメモリ11から読み出して、読み出された抽出ビット数に応じたビット数のビットをメモリ11に記憶されているデータAのポインタ3の位置から抽出し、抽出されたデータAのビットをメモリ11のデータ2に追加して(図3(b)参照)、ポインタ1に1を加算し、ポインタ3に抽出ビット数を加算する。
元データ2の復元が完了していない場合、マイコン10は、上記同様にして、メモリ11に記憶されているキーデータの抽出ビット数に応じたビット数のデータCのビットをメモリ11のデータ2に追加し、メモリ11に記憶されているキーデータの抽出ビット数に応じたビット数のデータAのビットをメモリ11のデータ2に追加して、元データ2の復元動作を繰り返して元データ2を復元する(図3(b)参照)。これにより、光ディスクAを管理することにより、光ディスクCに記録されたデータCを読み出しても、元データ2を復元することができないため、光ディスクに記録された情報データの第三者への漏洩を防止することができる。
また、図4の本発明の一実施例のディスク装置のビット抽出動作を示すフローチャートを基に説明する。
元データ1と元データ2とのビット抽出動作を開始すると、ステップS1からステップS2に進み、ステップS2で、データA、データB、データCの各データとキーデータとがクリアされ、抽出ビット数がクリアされて、ポインタに1がセットされ、フラグがリセットされて、ステップS3に進む。
ステップS3で、元データ1のポインタの位置のビットと元データ2のポインタの位置のビットとが抽出されて、ステップS4に進む。
ステップS4で、抽出された元データ1のビットと元データ2のビットとが同じビットであるか否かが判断され、抽出された元データ1のビットと元データ2のビットとが同じビットである場合、ステップS5に進み、抽出された元データ1のビットと元データ2のビットとが異なるビットである場合、ステップS8に進む。
ステップS5で、フラグがセットされているか否かが判断され、フラグがセットされている場合、ステップS7に進み、フラグがセットされていない場合、ステップS6に進む。
ステップS6で、抽出ビット数がキーデータに追加されて、抽出ビット数がクリアされ、フラッグがセットされて、ステップS7に進む。
ステップS7で、元データ1のビットと元データ2のビットとの同じビットがデータAに追加されて、ステップS11に進む。
ステップS8で、フラグがリセットされているか否かが判断され、フラグがリセットされている場合、ステップS10に進み、フラグがリセットされていない場合、ステップS9に進む。
ステップS9で、抽出ビット数がキーデータに追加されて、抽出ビット数がクリアされ、フラグがリセットされて、ステップS10に進む。
ステップS10で、元データ2のビットと異なる元データ1のビットがデータBに追加され、元データ1のビットと異なる元データ2のビットがデータCに追加されて、ステップS11に進む。
ステップS11で、抽出ビット数に1が加算され、ポインタに1が加算されて、ステップS12に進む。
ステップS12で、元データ1と元データ2とのビット抽出が完了されたか否かが判断され、元データ1と元データ2とのビット抽出が完了された場合、ステップS13に進み、元データ1と元データ2とのビット抽出が完了していない場合、ステップS3に戻って、ステップS3からのステップを繰り返す。
ステップS13で、データAとキーデータとが光ディスクAに記録され、データBが光ディスクBに記録され、データCが光ディスクCに記録されて、ステップS14に進んで処理を終了する。
また、図5の本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示すフローチャートを基に説明する。
元データ1の復元動作を開始すると、ステップS21からステップS22に進み、ステップS22で、光ディスクAに記録されたデータAとキーデータとが読み込まれ、光ディスクBに記録されたデータBが読み込まれて、ステップS23に進む。
ステップS23で、データ1がクリアされ、ポインタ1、ポインタ2、ポインタ3の各ポインタに1がセットされて、ステップS24に進む。
ステップS24で、キーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数に応じたビット数のビットがデータBのポインタ2の位置から抽出されて、抽出されたデータBのビットがデータ1に追加され、ポインタ1に1が加算され、ポインタ2に抽出ビット数が加算されて、ステップS25に進む。
ステップS25で、キーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数に応じたビット数のビットがデータAのポインタ3の位置から抽出されて、抽出されたデータAのビットがデータ1に追加され、ポインタ1に1が加算され、ポインタ3に抽出ビット数が加算されて、ステップS26に進む。
ステップS26で、元データ1の復元が完了したか否かが判断され、元データ1の復元が完了した場合、ステップS27に進んで処理を終了し、元データ1の復元が完了していない場合、ステップS24に戻って、ステップS24からのステップを繰り返す。
また、図6の本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示すフローチャートを基に説明する。
元データ2の復元動作を開始すると、ステップS31からステップS32に進み、ステップS32で、光ディスクAに記録されたデータAとキーデータとが読み込まれ、光ディスクCに記録されたデータCが読み込まれて、ステップS33に進む。
ステップS33で、データ2がクリアされ、ポインタ1、ポインタ2、ポインタ3の各ポインタに1がセットされて、ステップS34に進む。
ステップS34で、キーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数に応じたビット数のビットがデータCのポインタ2の位置から抽出されて、抽出されたデータCのビットがデータ2に追加され、ポインタ1に1が加算され、ポインタ2に抽出ビット数が加算されて、ステップS35に進む。
ステップS35で、キーデータのポインタ1の位置の抽出ビット数に応じたビット数のビットがデータAのポインタ3の位置から抽出されて、抽出されたデータAのビットがデータ2に追加され、ポインタ1に1が加算され、ポインタ3に抽出ビット数が加算されて、ステップS36に進む。
ステップS36で、元データ2の復元が完了したか否かが判断され、元データ2の復元が完了した場合、ステップS37に進んで処理を終了し、元データ2の復元が完了していない場合、ステップS34に戻って、ステップS34からのステップを繰り返す。
以上、本発明を実施するための最良の形態について詳述されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者の通常の知識の範囲内でその変形や改良が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施例のディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例のディスク装置のビット抽出動作を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例のディスク装置のビット抽出動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例のディスク装置のデータ復元動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0008】
1 ディスク装置
2、A、B、C 光ディスク
3 光ピックアップ
4 スピンドルモータ
5 スレッドモータ
6 サーボ回路
7 RF増幅回路
8 信号処理回路
9 OSD回路
10 マイコン
11 メモリ
12 リモコン受信部
20 リモコン装置
30 モニタ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに情報データを記録再生するディスク装置であって、
第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出する第1の抽出手段と、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの複数のビットを抽出する第2の抽出手段と、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの複数のビットを抽出する第3の抽出手段と、前記第1の抽出手段、前記第2の抽出手段、前記第3の抽出手段により抽出された複数のビットの各抽出ビット数を計数する計数手段と、前記第1の抽出手段により抽出された複数のビットと前記計数手段により計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、前記第2の抽出手段により抽出された複数のビットを第2の光ディスクに記録し、前記第3の抽出手段により抽出された複数のビットを第3の光ディスクに記録する記録手段と、前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第1のデータを復元する第1のデータ復元手段と、前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第2のデータを復元する第2のデータ復元手段とを備えたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
光ディスクに情報データを記録再生するディスク装置であって、
第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出する第1の抽出手段と、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる第1のデータの複数のビットを抽出する第2の抽出手段と、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる第2のデータの複数のビットを抽出する第3の抽出手段と、前記第1の抽出手段、前記第2の抽出手段、前記第3の抽出手段により抽出された複数のビットの各抽出ビット数を計数する計数手段と、前記第1の抽出手段により抽出された複数のビットと前記計数手段により計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、前記第2の抽出手段により抽出された複数のビットを第2の光ディスクに記録し、前記第3の抽出手段により抽出された複数のビットを第3の光ディスクに記録する記録手段とを備えたことを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第1のデータを復元する第1のデータ復元手段と、前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第2のデータを復元する第2のデータ復元手段とを更に備えたことを特徴とする請求項2記載のディスク装置。
【請求項4】
光ディスクに情報データを記録するディスク装置の情報データ管理方法であって、
第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の複数の同じビットを抽出して抽出ビット数を計数する第1のステップと、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第2のデータのビットと異なる複数の第1のデータのビットを抽出して抽出ビット数を計数する第2のステップと、第1のデータと第2のデータとの同じビット位置の第1のデータのビットと異なる複数の第2のデータのビットを抽出して抽出ビット数を計数する第3のステップと、前記第1のステップにより抽出された複数のビットと前記第1のステップ、前記第2のステップ、前記第3のステップにより計数された各抽出ビット数とを第1の光ディスクに記録し、前記第2のステップにより抽出された複数のビットを第2の光ディスクに記録し、前記第3のステップにより抽出された複数のビットを第3の光ディスクに記録する第4のステップとを備えたことを特徴とするディスク装置の情報データ管理方法。
【請求項5】
光ディスクに記録された情報データを再生するディスク装置の情報データ管理方法であって、
前記第1の光ディスクに記録された各抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第2の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第1のデータを復元する第5のステップと、前記第1の光ディスクに記録された抽出ビット数に基づいて前記第1の光ディスクに記録された複数のビットと前記第3の光ディスクに記録された複数のビットとを読み出し、前記第2のデータを復元する第6のステップとを更に備えたことを特徴とする請求項4記載のディスク装置の情報データ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−133945(P2007−133945A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324431(P2005−324431)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】