ディスク装置
【課題】引き込み、排出レバーを限られた空間内に収め、異常操作時の破損防止を図る事ができるディスク装置を提供する。
【解決手段】ベース本体に、ディスク引き込みレバー80と排出レバー100と該2つのレバーを回動させるスライダー機構とを設ける。該スライダー機構は引き込みレバー80の第1のピンを摺動させる第1及び、排出レバー100の第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、スライダー機構の動作に伴って引き込みレバー80は第1のカム溝内を第1のピンが、また排出レバー100は第2のカム溝内を第2のピンが摺動する事で各回動する。スライダー機構は、摺動方向に伸縮する弾性部材44と弾性部材44の両端に第1の可動片45と第2の可動片46とを備え、ディスクからの負荷によって引き込みレバー80を通じて第1のピンは第1の可動片45を、また排出レバー100を通じて第2のピンは第2の可動片46を変位させる。
【解決手段】ベース本体に、ディスク引き込みレバー80と排出レバー100と該2つのレバーを回動させるスライダー機構とを設ける。該スライダー機構は引き込みレバー80の第1のピンを摺動させる第1及び、排出レバー100の第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、スライダー機構の動作に伴って引き込みレバー80は第1のカム溝内を第1のピンが、また排出レバー100は第2のカム溝内を第2のピンが摺動する事で各回動する。スライダー機構は、摺動方向に伸縮する弾性部材44と弾性部材44の両端に第1の可動片45と第2の可動片46とを備え、ディスクからの負荷によって引き込みレバー80を通じて第1のピンは第1の可動片45を、また排出レバー100を通じて第2のピンは第2の可動片46を変位させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体への記録、または再生を行うディスク装置に関し、特に外部からディスクを直接挿入し、または直接排出できる、いわゆるスロットイン方式のディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置は、トレイまたはターンテーブル上にディスクを載置し、このトレイやターンテーブルを装置本体内に装着するローディング方式が多く採用されている。
しかし、このようなローディング方式では、トレイやターンテーブルが必要な分、ディスク装置本体を薄型化するには限度がある。
一方、スロットイン方式のディスク装置としては、ディスク面に搬送ローラを当接させてディスクを引き込む方式が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−220353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、例えば特許文献1で提案されているようなスロットイン方式では、ディスク直径より長い搬送ローラを用いるために、装置幅を広くしなければならず、さらにこの搬送ローラによって厚みも増してしまう。
従って、このようなスロットイン方式のディスク装置では、ディスク装置本体の薄型化や小型化を図ることは困難である。
また、このようなスロットイン方式のディスク装置では、ディスクを挿入する引き込みレバーや、ディスクを排出する排出レバーが必要であるが、薄型化や小型化を図る上で、これらの引き込みレバーや排出レバーの駆動機構を限られた空間内に収めるとともに、異常操作時の破損防止を図る必要がある。
【0004】
そこで本発明は、引き込みレバーや排出レバーの駆動機構を限られた空間内に収めるとともに、異常操作時の破損防止を図ることができるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、前記シャーシ外装のフロント面には、ディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成し、前記ベース本体に設けたトラバースによってスピンドルモータとピックアップとを保持し、前記トラバースの一端側にスライダー機構を配置し、前記ベース本体に、前記ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーとをそれぞれ回動自在に設け、前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を前記第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記第1の可動片は前記第1のカム溝の一部を構成し、前記第2の可動片は前記第2のカム溝の一部を構成することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のディスク装置において、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とする。
請求項3記載の本発明のディスク装置は、ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーと、前記引き込みレバー及び前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明のディスク装置は、ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記引き込みレバーを回動させるスライダー機構とを設け、前記スライダー機構には、前記引き込みレバーのピンを摺動させるカム溝を備え、前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とする。
請求項5記載の本発明のディスク装置は、ベース本体に、ディスクを排出する排出レバーと、前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、前記スライダー機構には、前記排出レバーのピンを摺動させるカム溝を備え、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項2又は請求項3に記載のディスク装置において、前記第1のピンが前記第1の可動片を変位させる場合には、前記第2の可動片は前記第2のピンによって変位を規制され、前記第2のピンが前記第2の可動片を変位させる場合には、前記第1の可動片は前記第1のピンによって変位を規制されることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置において、前記第1の可動片又は前記第2の可動片の、前記スライダーに対する変位により、前記スライダー機構の移動を所定位置で停止させるストッパー機構を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項7に記載のディスク装置において、前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項7に記載のディスク装置において、前記排出レバーに対応する前記第2の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項7に記載のディスク装置において、前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の、前記スライダーにする変位により、前記スライダーが前記トラバースの上昇の始まる前の位置で停止することを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置において、前記弾性部材を圧縮コイルバネで構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ディスク装置の薄型化と小型化を図ることができる。
特に本発明は、ディスクが強制的に排出方向に引き出される場合や、ディスク挿入動作時に挿入方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、引き込みレバーの破損を回避することができる。
また本発明は、ディスクが強制的に挿入方向に押し込まれる場合や、ディスク排出動作時に排出方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、排出レバーの破損を回避することができる。
また本発明は、弾性部材の一端側には第1の可動片を、他端側には第2の可動片を設けることで、一つの弾性部材で引き込みレバーと排出レバーとの破損を防止することができる。
また本発明は、第1の可動片に負荷が加わる場合には第2の可動片は第2のピンによって変位を規制され、第2の可動片に負荷が加わる場合には第1の可動片は第1のピンによって変位を規制されるため、異常状態が回避された後には正常な動作状態に復帰することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、第1の可動片は第1のカム溝の一部を構成し、第2の可動片は第2のカム溝の一部を構成するものである。本実施の形態によれば、弾性部材の一端側には第1の可動片を、他端側には第2の可動片を設けることで、一つの弾性部材で引き込みレバーと排出レバーとの破損を防止することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスク装置において、引き込みレバーに対するディスクからの負荷によって第1のピンは第1の可動片を変位させ、排出レバーに対するディスクからの負荷によって第2のピンは第2の可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、可動片の変位によってそれぞれのピンへの負荷を逃がすために引き込みレバーや排出レバーの破損を防止することができる。
本発明の第3の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、引き込みレバーに対するディスクからの負荷によって第1のピンは第1の可動片を変位させ、排出レバーに対するディスクからの負荷によって第2のピンは第2の可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、可動片の変位によってそれぞれのピンへの負荷を逃がすために引き込みレバーや排出レバーの破損を防止でき、弾性部材の一端側には第1の可動片を、他端側には第2の可動片を設けることで、一つの弾性部材で引き込みレバーと排出レバーとの破損を防止することができる。
本発明の第4の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、可動片はカム溝の一部を構成し、引き込みレバーに対するディスクからの負荷によってピンは可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、ディスクが強制的に排出方向に引き出される場合や、ディスク挿入動作時に挿入方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、引き込みレバーの破損を回避することができる。
本発明の第5の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、可動片はカム溝の一部を構成し、排出レバーに対するディスクからの負荷によってピンは可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、ディスクが強制的に挿入方向に押し込まれる場合や、ディスク排出動作時に排出方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、排出レバーの破損を回避することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第2又は第3の実施の形態によるディスク装置において、第1のピンが第1の可動片を変位させる場合には、第2の可動片は第2のピンによって変位を規制され、第2のピンが第2の可動片を変位させる場合には、第1の可動片は第1のピンによって変位を規制されるものである。本実施の形態によれば、異常状態が回避された後には正常な動作状態に復帰することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1、及び第3から第5の実施の形態によるディスク装置において、第1の可動片又は第2の可動片の、スライダーに対する変位により、スライダー機構の移動を所定位置で停止させるストッパー機構を設けたものである。本実施の形態によれば、異常状態になったままでの、スライド機構の動作を制限でき、更なる異常状態の発生を防止できる。
本発明の第8の実施の形態は、第7の実施の形態によるディスク装置において、引込みレバーに対応する第1の可動片のスライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーをスライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動したストッパーが当接し、スライダーが所定位置で停止するものである。本実施の形態によれば、異常状態になったままでの、スライド機構の動作を制限でき、更なる異常状態の発生を防止できる。
本発明の第9の実施の形態は、第7の実施の形態によるディスク装置において、排出レバーに対応する第2の可動片のスライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーをスライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動したストッパーが当接し、スライダーが所定位置で停止するものである。本実施の形態によれば、異常状態になったままでの、スライド機構の動作を制限でき、更なる異常状態の発生を防止できる。
本発明の第10の実施の形態は、第7の実施の形態によるディスク装置において、引込みレバーに対応する第1の可動片の、スライダーに対する変位により、スライダーがトラバースの上昇の始まる前の位置で停止するものである。本実施の形態によれば、ディスクが所定位置からずれ、ターンテーブル上にディスク記録面が位置している場合にも、ターンテーブルがディスク記録面に接触することを防止できる。
本発明の第11の実施の形態は、第1、及び第3から第5の実施の形態によるディスク装置において、弾性部材を圧縮コイルバネで構成したものである。本実施の形態によれば、これによれば、スライダー機構を小さく構成することができる。
【実施例】
【0008】
以下本発明の一実施例によるディスク装置について説明する。
図1は本実施例によるディスク装置のベース本体の要部平面図、図2は同ディスク装置の要部側断面図、図3は同ディスク装置のサブスライダーの側面図である。
本実施例によるディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装が構成され、このシャーシ外装のフロント面にベゼルが装着される。また本実施例によるディスク装置は、ベゼルに設けたディスク挿入口からディスクを直接挿入するスロットイン方式のディスク装置である。
【0009】
ベース本体10のフロント側には、ディスクを直接挿入するディスク挿入口11を形成している。ベース本体10にはトラバース30が配置されている。
トラバース30は、スピンドルモータ31Aと、ピックアップ32と、ピックアップ32を移動させる駆動手段33とを保持している。スピンドルモータ31Aの回転軸には、ディスクを保持するハブ31Bを備えている。スピンドルモータ31Aはトラバース30の一端側に設けられ、またピックアップ32は、スタンバイ状態やチャッキング状態ではトラバース30の他端側に配置される。ピックアップ32はトラバース30の一端側から他端側までを移動可能に設けられている。駆動手段33は、駆動モータと、ピックアップ32を摺動させる一対のレールと、駆動モータの駆動をピックアップ32に伝達する歯車機構とを有し、一対のレールはトラバース30の一端側と他端側とを連接するように、ピックアップ32の両側部に配置されている。
【0010】
トラバース30には、スピンドルモータ31Aがベース本体10の中央部に位置し、またピックアップ32の往復移動範囲がスピンドルモータ31Aよりもディスク挿入口11側に位置し、またピックアップ32の往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるように配設されている。ここで、ピックアップ32の往復移動方向とディスクの挿入方向とは、40〜45度の角度としている。
トラバース30は、一対の固定カム34A、34Bによってベース本体10に支持されている。一対の固定カム34A、34Bは、スピンドルモータ31Aよりもピックアップ32側に配設し、ピックアップ32のスタンバイ位置よりもディスク挿入口11側の位置に配設することが好ましい。本実施例では、固定カム34Aはディスク挿入口11の内側近傍の中央部に、固定カム34Bはディスク挿入口11の内側近傍の一端側に設けている。固定カム34A、34Bは、ディスクの挿入方向に延びる所定長さの溝からなり、この溝のディスク挿入口11側の一端側端部は、他端側端部よりもベース本体10から第1のZ軸距離だけ離間させている。トラバース30に設けたカムピン35A、35Bは、この固定カム34A、34Bの溝内を摺動することで、トラバース30をディスクの挿入排出方向(X軸方向)に変位させるとともに、ベース本体10に対して近接離間する方向(Z軸方向)に変位させることができる。
【0011】
以下に、このトラバース30を動作させるメインスライダー40とサブスライダー50について説明する。
メインスライダー40とサブスライダー50とは、スピンドルモータ31Aの側方に位置するように配設されている。メインスライダー40は、その一端がシャーシ本体10のフロント面側、その他端がシャーシ本体10のリア面側となる方向に配設されている。また、サブスライダー50は、メインスライダー40と直交する方向に配設されている。
トラバース30を変位させるカム機構は、スライダーカム機構51と昇降カム機構52によって構成され、サブスライダー50に設けられている。スライダーカム機構51は、サブスライダー50の移動方向に延びる所定長さの溝からなり、この溝はその一端側(メインスライダー40側)端部から他端側端部にかけて、ディスク挿入口11の方向(X軸方向)に段階的に近接させている。トラバース30に設けたスライドピン53は、このスライダーカム機構51の溝内を摺動することで、トラバース30をディスクの挿入排出方向(X軸方向)に変位させることができる。また、昇降カム機構52は、サブスライダー50の移動方向に延びる所定長さの溝からなり、この溝はその一端側(メインスライダー40側)端部から他端側端部にかけて、ベース本体10との距離(Z軸距離)を段階的に変化させている。トラバース30に設けた昇降ピン54は、この昇降カム機構52の溝内を摺動することで、トラバース30をベース本体10に対して近接離間する方向(Z軸方向)に変位することができる。
【0012】
メインスライダー40の一端側にはローディングモータ(図示せず)が配設されている。そして、このローディングモータの駆動軸とメインスライダー40の一端側とは歯車機構(図示せず)を介して連結されている。
このローディングモータの駆動によってメインスライダー40を長手方向(X軸方向)に摺動させることができる。またメインスライダー40は、カムレバー70によってサブスライダー50と連結している。
カムレバー70は回動支点71を有し、ピン72でメインスライダー40に設けたカム溝41と係合し、ピン74でサブスライダー50に設けたカム溝と係合している。
このカムレバー70は、メインスライダー40の移動に連動して、サブスライダー50を移動させ、サブスライダー50の移動によってスライダーカム機構51と昇降カム機構52を動作させてトラバース30を変位させる機能を有する。
【0013】
なお、トラバース30は、さらに一対の固定カム36A、36Bによってもベース本体10に支持されている。一対の固定カム36A、36Bは、固定カム34A、34Bとサブスライダー50との間に配設し、固定カム34A、34Bとサブスライダー50との中間位置に配設することが好ましい。固定カム36A、36Bは、固定カム34A、34Bと同一の構成からなる所定長さの溝からなる。トラバース30に設けたカムピン37A、37Bは、この固定カム36A、36Bの溝内を摺動することで、トラバース30をディスクの挿入方向に変位させるとともに、ベース本体10と近接離間する方向に変位させることができる。
以上説明した、トラバース30、固定カム34A、34B、36A、36B、メインスライダー40、サブスライダー50、及びローディングモータは、ベース本体10に設けられ、これらの部材と蓋体130との間に、ディスク挿入空間を形成する。
【0014】
次に、ディスクを支持するガイド部材と、ディスクを動作させるレバー部材について説明する。
ベース本体10のディスク挿入口11近傍の一端側には、所定長さの第1のディスクガイド(図示せず)が設けられている。この第1のディスクガイドは、ディスク挿入方向から見た断面が、「コ」の字状の溝を有している。この溝によってディスクは支持される。
一方、ベース本体10のディスク挿入口11近傍の他端側には、引き込みレバー80が設けられ、この引き込みレバー80の可動側端部に第2のディスクガイド81を備えている。第2のディスクガイド81は、円筒状のローラで構成され、引き込みレバー80の可動側端部に回動自在に設けられている。また、第2のディスクガイド81のローラ外周には溝が形成され、この溝によってディスクは支持される。
引き込みレバー80は、可動側端部が固定側端部よりもディスク挿入口11側で動作するように配置され、固定側端部に回動支点82を有している。また、引き込みレバー80の可動側端部と固定側端部との間には所定長さの第3のディスクガイド84が設けられている。また、引き込みレバー80はピン85を備え、このピン85がメインスライダー40のカム溝42を摺動することで引き込みレバー80は動作する。すなわち、引き込みレバー80は、メインスライダー40の移動にともなって、第2のディスクガイド81がスピンドルモータ31Aに対して近接離間するように動作する。
【0015】
また、ベース本体10には、排出レバー100が設けられている。この排出レバー100の一端側の可動側端部にはガイド101が設けられている。また、排出レバー100の他端側には、回動支点102が設けられている。なお、排出レバー100は、ピン103とカム溝43によってメインスライダー40の動きと連動して動作する。
また、ベース本体10の排出レバー100と対向する側には排出レバー110が設けられている。この排出レバー110の一端側の可動側端部にはガイド111が設けられている。また、排出レバー110の他端側には、回動支点112が設けられている。なお、排出レバー110は、排出レバー100の動きと同様に動作する。
一方、ベース本体10のリア側には固定ピン120が設けられている。この固定ピン120によって、ディスクのローディング時やチャッキング時のディスクの位置規制を行っている。
なお、メインスライダー40には、このメインスライダー40の摺動方向に伸縮する弾性部材44が設けられている。弾性部材44として例えばコイルばねを用いる。そして、この弾性部材44の一端側には第1の可動片45が、他端側には第2の可動片46が設けられている。第1の可動片45はカム溝42の一部を構成し、異常時にピン85からの負荷によって弾性部材44を圧縮する方向に変位する。また、第2の可動片46はカム溝43の一部を構成し、異常時にピン103からの負荷によって弾性部材44を圧縮する方向に変位する。
【0016】
図2に示すように、シャーシ外装は、ベース本体10と蓋体130によって構成され、蓋体130の中央部には、開口部132が設けられている。この開口部132は、ディスクの中心孔よりも大きな半径の円形開口である。従って、ディスクの中心孔に嵌合するスピンドルモータ31Aのハブ31Bよりも大きな開口である。
開口部132の外周部には、ベース本体10側に突出させた絞り部133が形成されている。
蓋体130の内周面全体には、ウレタンビーズ配合のフッ素系コーティングを塗布している。なお、コーティングは、絞り部133のディスクとの接触面だけに施してもよい。コーティング材として、ビーズ径が20ミクロンのウレタン樹脂に、ウレタン樹脂に対する配合比が5%のフッ素と、ウレタン樹脂に対する配合比が1.0〜1.5%のシリコンとを配合したコーティング材を用いることが好ましい。また、コーティング材の摩擦係数は、0.2〜0.6が好ましく、0.55以下がより好ましい。
【0017】
以下に、図1から図15を用いてトラバース30の動作メカニズムについて説明する。
図1から図3のカム機構とピンの位置はディスクのローディング完了状態を示している。
図4はディスク装置のディスクのチャッキング動作スタートから第1の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図、図5は同状態における要部側断面図、図6は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
そして、図7は図4の状態からさらに第2の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図、図8は同状態における要部側断面図、図9は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
また、図10は図7の状態からさらに第3の所定時間が経過し、トラバースの最上昇状態を示すベース本体の要部平面図、図11は同状態における要部側断面図、図12は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
そして、図13は図10の状態からさらに第4の所定時間が経過し、ディスクの記録再生状態を示すベース本体の要部平面図、図14は同状態における要部側断面図、図15は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
【0018】
まず、ディスクのローディング完了状態では、図1から図3に示すように、トラバース30は、最もリア側であって、最もベース本体10側に近接した位置に配置されている。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51の一端側(メインスライダー40側)端部に位置している。従って、トラバース30は最もリア側に近接した位置に配置されている。また、カムピン35A、35Bは、固定カム34A、34Bの溝の他端側端部に位置している。従って、トラバース30の他端側(ピックアップ32側)はベース本体10に最も近接した位置に配置されている。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の一端側(メインスライダー40側)端部に位置している。従って、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)はベース本体10に最も近接した位置に配置されている。
【0019】
図1に示す状態からメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動し、このメインスライダー40の移動に伴ってサブスライダー50がメインスライダー40の方向に移動する。
そして、チャッキング動作を第1の所定時間行った状態では、図4から図6に示すように、トラバース30は、ディスク挿入口11の方向に第1のX軸距離だけ移動するとともに、トラバース30の他端側は、ベース本体10から第1のY軸距離だけ離間した位置に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第1のY軸距離だけ移動し、トラバース30はディスク挿入口11の方向に第1のX軸距離だけ移動する。従って、カムピン35A、35Bは、固定カム34A、34Bの溝の一端側端部の方向に第1のX軸距離移動し、トラバース30の他端側(ピックアップ32側)は、ベース本体10から第1のZ軸距離だけ離間した位置に配置される。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の一端側(メインスライダー40側)端部から第1のY軸距離だけ移動するが、この第1のY軸距離の範囲にある溝は同一高さなので、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)はベース本体10に最も近接した位置に保持される。
【0020】
図4に示す状態から、さらにメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動することで、サブスライダー50はさらにメインスライダー40の方向に移動する。
そして、図4に示す状態からさらにチャッキング動作を第2の所定時間行った状態では、図7から図9に示すように、トラバース30の他端側は、ベース本体10から第2のZ軸距離(第2のZ軸距離>第1のZ軸距離)だけ離間した位置に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第2のY軸距離だけ移動するが、この移動範囲ではスライドカム機構51の溝は、サブスライダー50の移動方向(Y軸方向)と平行に設けているので、トラバース30はディスク挿入口11の方向には移動しない。従って、カムピン35A、35Bも、固定カム34A、34Bの溝内を移動しない。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の溝を第2のY軸距離だけ移動し、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)をベース本体10から第2のZ軸距離だけ移動させる。
【0021】
図7に示す状態から、さらにメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動することで、サブスライダー50はさらにメインスライダー40の方向に移動する。
そして、図7に示す状態からさらにチャッキング動作を第3の所定時間行った状態では、図10から図12に示すように、トラバース30の他端側は、ベース本体10から最も離間した第3のZ軸距離に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第3のY軸距離だけ移動するが、この移動範囲ではスライドカム機構51の溝は、サブスライダー50の移動方向(Y軸方向)と平行に設けているので、トラバース30はディスク挿入口11の方向には移動しない。従って、カムピン35A、35Bも、固定カム34A、34Bの溝内を移動しない。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の溝を第3のY軸距離だけ移動し、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)をベース本体10から第3のZ軸距離(最上昇高さ)に移動させる。この状態でハブ31Bのディスクへのチャッキングが完了する。
【0022】
図10に示す状態から、さらにメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動することで、サブスライダー50はさらにメインスライダー40の方向に移動する。
そして、図13から図15に示すように、トラバース30はディスク挿入口11の方向に移動するとともに、トラバース30の他端側は、ベース本体10に近接する方向に移動し第1のZ軸距離の位置に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第4のY軸距離だけ移動し、トラバース30はディスク挿入口11の方向に第2のX軸距離だけ移動する。従って、カムピン35A、35Bは、固定カム34A、34Bの溝の一端側端部に向けて第2のX軸距離だけ移動するが、トラバース30の他端側(ピックアップ32側)高さは変わらない。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の溝を第4のY軸距離だけ移動し、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)をベース本体10の方向に移動させ第1のZ軸距離の位置に配置させる。
【0023】
以上の動作によって、ディスクを蓋体130から離間させるとともに、固定ピン120からも離間させることで、ディスクは再生記録状態となる。
また、装着されたディスクを排出する時には、ローディングモータを駆動し、メインスライダー40をその他端側の方向に移動することにより行われ、基本的には上記の動作が逆に行われる。
【0024】
次に、引き込みレバーの破損防止機構について図16及び図17を用いて説明する。
図16は、本実施例によるディスク装置のディスクの強制引き抜き動作状態を示すベース本体の要部平面図、図17は同状態を示すメインスライダーの要部拡大図である。
図16において、ディスクを強制的に排出方向(矢印A方向)に引き出すと、ディスクを保持している引き込みレバー80には、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に負荷が加わる。
この状態におけるピン85の変位方向を図17に示す。メインスライダー40は移動しないが、ピン85Aの移動方向のカム溝42は第1の可動片45によって構成されているので、ピン85は、同図に示すように、ピン85Aの位置からピン85Bの位置に変位し、メインスライダー40をサブスライダー50側に移動させる方向(矢印C方向)に負荷が加わる。このとき、ピン85Bへの変位によって第1の可動片45は、弾性部材44を圧縮する方向に変位する。すなわち、図16に示す引き込みレバー80は、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に回動する。従って、ディスクが強制的に排出方向(矢印A方向)に引き出されても、引き込みレバー80が破損することがない。
なお、上記説明では、ディスクが強制的に排出方向(矢印A方向)に引き出される場合で説明したが、ディスク挿入動作時に、挿入方向とは逆方向に負荷が加わる場合にも同様に引き込みレバー80の破損を回避することができる。
【0025】
次に、排出レバーの破損防止機構について図18及び図19を用いて説明する。
図18は、ディスクのエジェクト時の強制押し込み動作状態を示すベース本体の要部平面図、図19は同状態を示すメインスライダーの要部拡大図である。
図18において、ディスクを強制的に押し込む方向(矢印A方向)に押し込むと、ディスクを排出しようとしている排出レバー100には、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に負荷が加わる。
この状態におけるピン103の変位方向を図19に示す。メインスライダー40は移動しないが、ピン103Aの移動方向のカム溝43は第2の可動片46によって構成されているので、ピン103は、同図に示すように、ピン103Aの位置からピン103Bの位置に変位し、メインスライダー40をサブスライダー50から離間する側に移動させる方向(矢印C方向)に負荷が加わる。このとき、ピン103Bへの変位によって第2の可動片46は、弾性部材44を圧縮する方向に変位する。すなわち、図18に示す排出レバー100は、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に回動する。従って、ディスクが強制的に挿入方向(矢印A方向)に押し込まれても、排出レバー100が破損することがない。
なお、上記説明では、ディスクが強制的に挿入方向(矢印A方向)に押し込まれる場合で説明したが、ディスク排出動作時に、排出方向とは逆方向に負荷が加わる場合にも同様に排出レバー100の破損を回避することができる。
【0026】
以上のように、弾性部材44の一端側には第1の可動片45を、他端側には第2の可動片46を設けることで、一つの弾性部材44で引き込みレバー80と排出レバー100との破損を防止することができる。さらに、第1の可動片45に負荷が加わる場合には第2の可動片46はピン103によって変位を規制され、第2の可動片46に負荷が加わる場合には第1の可動片45はピン85によって変位を規制されるため、異常状態が回避された後には正常な動作状態に復帰することができる。
【0027】
次に、本発明の他の実施例を、図20を用いて説明する。
図20は、メインスライダーの要部を示す動作説明図である。
本実施例においては、メインスライダー40に、ストッパー47を設けたものである。このストッパー47は、メインスライダー40に、旋回中心となる回転軸48が配置されている。また、第1の可動片45にはカム部45Aが構成されている。そしてストッパー47の可動側端部のピン49は、カム部45A内を移動する。ストッパー47の当て部47Aは、メインスライダー40から側方に飛び出し可能になっており、可動片45のカム部45Aで規制されている。可動片45が正規位置にある時(弾性部材44が縮められていない時)には、ストッパー47の当て部47Aは、側方に飛び出さず(待機位置)、可動片45が移動した時に、ストッパー47の当て部47Aが、メインスライダー40の側方に飛び出す(作動位置)ように構成されている。メインスライダー40の側方には、固定部材(フレーム)12があり、ストッパー受け部13が所定位置に配置されている。ストッパー47の当て部47Aが飛び出した状態で、メインスライダー40が移動し、所定位置に来る、ストッパー47の当て部47Aと、ストッパー受け部13が当接し、メインスライダー40が移動できなくなるように構成されている。
【0028】
以下に動作について説明する。
図20(A)は、ディスク引込み動作途中で、正常に動作が行われている状態を示している。可動片45は、正規位置にあり、ストッパー47は、可動片45のカム部45Aによって待機位置に配置されている。なお、メインスライダー40は、モータで駆動され、右方向に移動中である。
この状態で、外部の力によるディスク強制引き抜きが開始された状態を図20(B)に示す。図20(B)に示すように、可動片45は左方向に移動する。この可動片45の移動によって、ピン49は、カム部45A内を移動し、ストッパー47の当て部47Aが、メインスライダー40の側方に飛び出る。
図20(C)は、引き続き上記強制引き抜きが行われている途中の状態を示している。
図20(B)の状態から、更にメインスライダー40は、モータによって右方向に移動している。このとき、引き込みレバー80のカムピン85が外部の力による強制引き抜きにより、外に(図で上に)強制的に移動させられたままになるため、可動片45は、ドライブに対しては移動できない。すなわち、メインスライダー40が右に移動するため、可動片45は、メインスライダー40に対して相対的に左に移動することになる。ここで、ストッパー47がない場合には、モータが引き続き動作し、メインスライダー40が、図で右へさらに移動することになる。しかし、本実施例では、図20(C)に示す位置まで、メインスライダー40が移動した時、ストッパー47の当て部47Aと、ストッパー受け部13が当接し、メインスライダー40の移動は停止させられる。
ローディング動作を途中で止めることができない場合には、メインスライダー40のさらなる移動によりトラバース30は上昇し、さらにメインスライダー40が移動し、ローディング動作が終了する位置まで動作を行ってしまう。このため、実際にはディスクが引込まれていないまま、ローディング動作を完了する。従って、ディスクが少し強制的に引き抜かれ、トラバース30のハブ31B上にディスクが位置していると、トラバース30の上昇時にディスク記録面を破損する場合がある。このため、本実施例によれば、ローディング動作を途中で止めることができ、ディスクの破損等を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本実施例のディスク装置は、表示手段と入力手段と演算処理手段などを一体化した、いわゆるノート型パソコン本体に内蔵、または一体的にセットされるディスク装置として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例によるディスク装置のベース本体の要部平面図
【図2】同ディスク装置の要部側断面図
【図3】同ディスク装置のサブスライダーの側面図
【図4】本実施例によるディスク装置のディスクのチャッキング動作スタートから第1の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図
【図5】同状態における要部側断面図
【図6】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図7】図4の状態からさらに第2の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図
【図8】同状態における要部側断面図
【図9】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図10】図7の状態からさらに第3の所定時間が経過し、トラバースの最上昇状態を示すベース本体の要部平面図
【図11】同状態における要部側断面図
【図12】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図13】図10の状態からさらに第4の所定時間が経過し、ディスクの記録再生状態を示すベース本体の要部平面図
【図14】同状態における要部側断面図
【図15】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図16】同ディスク装置におけるディスクの強制引き抜き動作状態を示すベース本体の要部平面図
【図17】同状態を示すメインスライダーの要部拡大図
【図18】同ディスク装置におけるディスクのエジェクト時の強制押し込み動作状態を示すベース本体の要部平面図
【図19】同状態を示すメインスライダーの要部拡大図
【図20】本発明の他の実施例によるメインスライダーの要部を示す動作説明図で、(A)は、ディスク引込み動作途中で、正常に動作が行われている状態を示す図、(B)は、外部の力によるディスク強制引き抜きが開始された状態を示す図、(C)は、引き続き上記強制引き抜きが行われている途中の状態を示す図
【符号の説明】
【0031】
10 ベース本体
11 ディスク挿入口
30 トラバース
31A スピンドルモータ
32 ピックアップ
40 メインスライダー
50 サブスライダー
51 スライダーカム機構
52 昇降カム機構
130 蓋体
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体への記録、または再生を行うディスク装置に関し、特に外部からディスクを直接挿入し、または直接排出できる、いわゆるスロットイン方式のディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置は、トレイまたはターンテーブル上にディスクを載置し、このトレイやターンテーブルを装置本体内に装着するローディング方式が多く採用されている。
しかし、このようなローディング方式では、トレイやターンテーブルが必要な分、ディスク装置本体を薄型化するには限度がある。
一方、スロットイン方式のディスク装置としては、ディスク面に搬送ローラを当接させてディスクを引き込む方式が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−220353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、例えば特許文献1で提案されているようなスロットイン方式では、ディスク直径より長い搬送ローラを用いるために、装置幅を広くしなければならず、さらにこの搬送ローラによって厚みも増してしまう。
従って、このようなスロットイン方式のディスク装置では、ディスク装置本体の薄型化や小型化を図ることは困難である。
また、このようなスロットイン方式のディスク装置では、ディスクを挿入する引き込みレバーや、ディスクを排出する排出レバーが必要であるが、薄型化や小型化を図る上で、これらの引き込みレバーや排出レバーの駆動機構を限られた空間内に収めるとともに、異常操作時の破損防止を図る必要がある。
【0004】
そこで本発明は、引き込みレバーや排出レバーの駆動機構を限られた空間内に収めるとともに、異常操作時の破損防止を図ることができるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、前記シャーシ外装のフロント面には、ディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成し、前記ベース本体に設けたトラバースによってスピンドルモータとピックアップとを保持し、前記トラバースの一端側にスライダー機構を配置し、前記ベース本体に、前記ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーとをそれぞれ回動自在に設け、前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を前記第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記第1の可動片は前記第1のカム溝の一部を構成し、前記第2の可動片は前記第2のカム溝の一部を構成することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のディスク装置において、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とする。
請求項3記載の本発明のディスク装置は、ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーと、前記引き込みレバー及び前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明のディスク装置は、ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記引き込みレバーを回動させるスライダー機構とを設け、前記スライダー機構には、前記引き込みレバーのピンを摺動させるカム溝を備え、前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とする。
請求項5記載の本発明のディスク装置は、ベース本体に、ディスクを排出する排出レバーと、前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、前記スライダー機構には、前記排出レバーのピンを摺動させるカム溝を備え、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項2又は請求項3に記載のディスク装置において、前記第1のピンが前記第1の可動片を変位させる場合には、前記第2の可動片は前記第2のピンによって変位を規制され、前記第2のピンが前記第2の可動片を変位させる場合には、前記第1の可動片は前記第1のピンによって変位を規制されることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置において、前記第1の可動片又は前記第2の可動片の、前記スライダーに対する変位により、前記スライダー機構の移動を所定位置で停止させるストッパー機構を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項7に記載のディスク装置において、前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項7に記載のディスク装置において、前記排出レバーに対応する前記第2の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項7に記載のディスク装置において、前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の、前記スライダーにする変位により、前記スライダーが前記トラバースの上昇の始まる前の位置で停止することを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置において、前記弾性部材を圧縮コイルバネで構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ディスク装置の薄型化と小型化を図ることができる。
特に本発明は、ディスクが強制的に排出方向に引き出される場合や、ディスク挿入動作時に挿入方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、引き込みレバーの破損を回避することができる。
また本発明は、ディスクが強制的に挿入方向に押し込まれる場合や、ディスク排出動作時に排出方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、排出レバーの破損を回避することができる。
また本発明は、弾性部材の一端側には第1の可動片を、他端側には第2の可動片を設けることで、一つの弾性部材で引き込みレバーと排出レバーとの破損を防止することができる。
また本発明は、第1の可動片に負荷が加わる場合には第2の可動片は第2のピンによって変位を規制され、第2の可動片に負荷が加わる場合には第1の可動片は第1のピンによって変位を規制されるため、異常状態が回避された後には正常な動作状態に復帰することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、第1の可動片は第1のカム溝の一部を構成し、第2の可動片は第2のカム溝の一部を構成するものである。本実施の形態によれば、弾性部材の一端側には第1の可動片を、他端側には第2の可動片を設けることで、一つの弾性部材で引き込みレバーと排出レバーとの破損を防止することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスク装置において、引き込みレバーに対するディスクからの負荷によって第1のピンは第1の可動片を変位させ、排出レバーに対するディスクからの負荷によって第2のピンは第2の可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、可動片の変位によってそれぞれのピンへの負荷を逃がすために引き込みレバーや排出レバーの破損を防止することができる。
本発明の第3の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、引き込みレバーに対するディスクからの負荷によって第1のピンは第1の可動片を変位させ、排出レバーに対するディスクからの負荷によって第2のピンは第2の可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、可動片の変位によってそれぞれのピンへの負荷を逃がすために引き込みレバーや排出レバーの破損を防止でき、弾性部材の一端側には第1の可動片を、他端側には第2の可動片を設けることで、一つの弾性部材で引き込みレバーと排出レバーとの破損を防止することができる。
本発明の第4の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、可動片はカム溝の一部を構成し、引き込みレバーに対するディスクからの負荷によってピンは可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、ディスクが強制的に排出方向に引き出される場合や、ディスク挿入動作時に挿入方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、引き込みレバーの破損を回避することができる。
本発明の第5の実施の形態によるディスク装置は、スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、可動片はカム溝の一部を構成し、排出レバーに対するディスクからの負荷によってピンは可動片を変位させるものである。本実施の形態によれば、ディスクが強制的に挿入方向に押し込まれる場合や、ディスク排出動作時に排出方向とは逆方向に負荷が加わる場合に、排出レバーの破損を回避することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第2又は第3の実施の形態によるディスク装置において、第1のピンが第1の可動片を変位させる場合には、第2の可動片は第2のピンによって変位を規制され、第2のピンが第2の可動片を変位させる場合には、第1の可動片は第1のピンによって変位を規制されるものである。本実施の形態によれば、異常状態が回避された後には正常な動作状態に復帰することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1、及び第3から第5の実施の形態によるディスク装置において、第1の可動片又は第2の可動片の、スライダーに対する変位により、スライダー機構の移動を所定位置で停止させるストッパー機構を設けたものである。本実施の形態によれば、異常状態になったままでの、スライド機構の動作を制限でき、更なる異常状態の発生を防止できる。
本発明の第8の実施の形態は、第7の実施の形態によるディスク装置において、引込みレバーに対応する第1の可動片のスライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーをスライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動したストッパーが当接し、スライダーが所定位置で停止するものである。本実施の形態によれば、異常状態になったままでの、スライド機構の動作を制限でき、更なる異常状態の発生を防止できる。
本発明の第9の実施の形態は、第7の実施の形態によるディスク装置において、排出レバーに対応する第2の可動片のスライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーをスライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動したストッパーが当接し、スライダーが所定位置で停止するものである。本実施の形態によれば、異常状態になったままでの、スライド機構の動作を制限でき、更なる異常状態の発生を防止できる。
本発明の第10の実施の形態は、第7の実施の形態によるディスク装置において、引込みレバーに対応する第1の可動片の、スライダーに対する変位により、スライダーがトラバースの上昇の始まる前の位置で停止するものである。本実施の形態によれば、ディスクが所定位置からずれ、ターンテーブル上にディスク記録面が位置している場合にも、ターンテーブルがディスク記録面に接触することを防止できる。
本発明の第11の実施の形態は、第1、及び第3から第5の実施の形態によるディスク装置において、弾性部材を圧縮コイルバネで構成したものである。本実施の形態によれば、これによれば、スライダー機構を小さく構成することができる。
【実施例】
【0008】
以下本発明の一実施例によるディスク装置について説明する。
図1は本実施例によるディスク装置のベース本体の要部平面図、図2は同ディスク装置の要部側断面図、図3は同ディスク装置のサブスライダーの側面図である。
本実施例によるディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装が構成され、このシャーシ外装のフロント面にベゼルが装着される。また本実施例によるディスク装置は、ベゼルに設けたディスク挿入口からディスクを直接挿入するスロットイン方式のディスク装置である。
【0009】
ベース本体10のフロント側には、ディスクを直接挿入するディスク挿入口11を形成している。ベース本体10にはトラバース30が配置されている。
トラバース30は、スピンドルモータ31Aと、ピックアップ32と、ピックアップ32を移動させる駆動手段33とを保持している。スピンドルモータ31Aの回転軸には、ディスクを保持するハブ31Bを備えている。スピンドルモータ31Aはトラバース30の一端側に設けられ、またピックアップ32は、スタンバイ状態やチャッキング状態ではトラバース30の他端側に配置される。ピックアップ32はトラバース30の一端側から他端側までを移動可能に設けられている。駆動手段33は、駆動モータと、ピックアップ32を摺動させる一対のレールと、駆動モータの駆動をピックアップ32に伝達する歯車機構とを有し、一対のレールはトラバース30の一端側と他端側とを連接するように、ピックアップ32の両側部に配置されている。
【0010】
トラバース30には、スピンドルモータ31Aがベース本体10の中央部に位置し、またピックアップ32の往復移動範囲がスピンドルモータ31Aよりもディスク挿入口11側に位置し、またピックアップ32の往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるように配設されている。ここで、ピックアップ32の往復移動方向とディスクの挿入方向とは、40〜45度の角度としている。
トラバース30は、一対の固定カム34A、34Bによってベース本体10に支持されている。一対の固定カム34A、34Bは、スピンドルモータ31Aよりもピックアップ32側に配設し、ピックアップ32のスタンバイ位置よりもディスク挿入口11側の位置に配設することが好ましい。本実施例では、固定カム34Aはディスク挿入口11の内側近傍の中央部に、固定カム34Bはディスク挿入口11の内側近傍の一端側に設けている。固定カム34A、34Bは、ディスクの挿入方向に延びる所定長さの溝からなり、この溝のディスク挿入口11側の一端側端部は、他端側端部よりもベース本体10から第1のZ軸距離だけ離間させている。トラバース30に設けたカムピン35A、35Bは、この固定カム34A、34Bの溝内を摺動することで、トラバース30をディスクの挿入排出方向(X軸方向)に変位させるとともに、ベース本体10に対して近接離間する方向(Z軸方向)に変位させることができる。
【0011】
以下に、このトラバース30を動作させるメインスライダー40とサブスライダー50について説明する。
メインスライダー40とサブスライダー50とは、スピンドルモータ31Aの側方に位置するように配設されている。メインスライダー40は、その一端がシャーシ本体10のフロント面側、その他端がシャーシ本体10のリア面側となる方向に配設されている。また、サブスライダー50は、メインスライダー40と直交する方向に配設されている。
トラバース30を変位させるカム機構は、スライダーカム機構51と昇降カム機構52によって構成され、サブスライダー50に設けられている。スライダーカム機構51は、サブスライダー50の移動方向に延びる所定長さの溝からなり、この溝はその一端側(メインスライダー40側)端部から他端側端部にかけて、ディスク挿入口11の方向(X軸方向)に段階的に近接させている。トラバース30に設けたスライドピン53は、このスライダーカム機構51の溝内を摺動することで、トラバース30をディスクの挿入排出方向(X軸方向)に変位させることができる。また、昇降カム機構52は、サブスライダー50の移動方向に延びる所定長さの溝からなり、この溝はその一端側(メインスライダー40側)端部から他端側端部にかけて、ベース本体10との距離(Z軸距離)を段階的に変化させている。トラバース30に設けた昇降ピン54は、この昇降カム機構52の溝内を摺動することで、トラバース30をベース本体10に対して近接離間する方向(Z軸方向)に変位することができる。
【0012】
メインスライダー40の一端側にはローディングモータ(図示せず)が配設されている。そして、このローディングモータの駆動軸とメインスライダー40の一端側とは歯車機構(図示せず)を介して連結されている。
このローディングモータの駆動によってメインスライダー40を長手方向(X軸方向)に摺動させることができる。またメインスライダー40は、カムレバー70によってサブスライダー50と連結している。
カムレバー70は回動支点71を有し、ピン72でメインスライダー40に設けたカム溝41と係合し、ピン74でサブスライダー50に設けたカム溝と係合している。
このカムレバー70は、メインスライダー40の移動に連動して、サブスライダー50を移動させ、サブスライダー50の移動によってスライダーカム機構51と昇降カム機構52を動作させてトラバース30を変位させる機能を有する。
【0013】
なお、トラバース30は、さらに一対の固定カム36A、36Bによってもベース本体10に支持されている。一対の固定カム36A、36Bは、固定カム34A、34Bとサブスライダー50との間に配設し、固定カム34A、34Bとサブスライダー50との中間位置に配設することが好ましい。固定カム36A、36Bは、固定カム34A、34Bと同一の構成からなる所定長さの溝からなる。トラバース30に設けたカムピン37A、37Bは、この固定カム36A、36Bの溝内を摺動することで、トラバース30をディスクの挿入方向に変位させるとともに、ベース本体10と近接離間する方向に変位させることができる。
以上説明した、トラバース30、固定カム34A、34B、36A、36B、メインスライダー40、サブスライダー50、及びローディングモータは、ベース本体10に設けられ、これらの部材と蓋体130との間に、ディスク挿入空間を形成する。
【0014】
次に、ディスクを支持するガイド部材と、ディスクを動作させるレバー部材について説明する。
ベース本体10のディスク挿入口11近傍の一端側には、所定長さの第1のディスクガイド(図示せず)が設けられている。この第1のディスクガイドは、ディスク挿入方向から見た断面が、「コ」の字状の溝を有している。この溝によってディスクは支持される。
一方、ベース本体10のディスク挿入口11近傍の他端側には、引き込みレバー80が設けられ、この引き込みレバー80の可動側端部に第2のディスクガイド81を備えている。第2のディスクガイド81は、円筒状のローラで構成され、引き込みレバー80の可動側端部に回動自在に設けられている。また、第2のディスクガイド81のローラ外周には溝が形成され、この溝によってディスクは支持される。
引き込みレバー80は、可動側端部が固定側端部よりもディスク挿入口11側で動作するように配置され、固定側端部に回動支点82を有している。また、引き込みレバー80の可動側端部と固定側端部との間には所定長さの第3のディスクガイド84が設けられている。また、引き込みレバー80はピン85を備え、このピン85がメインスライダー40のカム溝42を摺動することで引き込みレバー80は動作する。すなわち、引き込みレバー80は、メインスライダー40の移動にともなって、第2のディスクガイド81がスピンドルモータ31Aに対して近接離間するように動作する。
【0015】
また、ベース本体10には、排出レバー100が設けられている。この排出レバー100の一端側の可動側端部にはガイド101が設けられている。また、排出レバー100の他端側には、回動支点102が設けられている。なお、排出レバー100は、ピン103とカム溝43によってメインスライダー40の動きと連動して動作する。
また、ベース本体10の排出レバー100と対向する側には排出レバー110が設けられている。この排出レバー110の一端側の可動側端部にはガイド111が設けられている。また、排出レバー110の他端側には、回動支点112が設けられている。なお、排出レバー110は、排出レバー100の動きと同様に動作する。
一方、ベース本体10のリア側には固定ピン120が設けられている。この固定ピン120によって、ディスクのローディング時やチャッキング時のディスクの位置規制を行っている。
なお、メインスライダー40には、このメインスライダー40の摺動方向に伸縮する弾性部材44が設けられている。弾性部材44として例えばコイルばねを用いる。そして、この弾性部材44の一端側には第1の可動片45が、他端側には第2の可動片46が設けられている。第1の可動片45はカム溝42の一部を構成し、異常時にピン85からの負荷によって弾性部材44を圧縮する方向に変位する。また、第2の可動片46はカム溝43の一部を構成し、異常時にピン103からの負荷によって弾性部材44を圧縮する方向に変位する。
【0016】
図2に示すように、シャーシ外装は、ベース本体10と蓋体130によって構成され、蓋体130の中央部には、開口部132が設けられている。この開口部132は、ディスクの中心孔よりも大きな半径の円形開口である。従って、ディスクの中心孔に嵌合するスピンドルモータ31Aのハブ31Bよりも大きな開口である。
開口部132の外周部には、ベース本体10側に突出させた絞り部133が形成されている。
蓋体130の内周面全体には、ウレタンビーズ配合のフッ素系コーティングを塗布している。なお、コーティングは、絞り部133のディスクとの接触面だけに施してもよい。コーティング材として、ビーズ径が20ミクロンのウレタン樹脂に、ウレタン樹脂に対する配合比が5%のフッ素と、ウレタン樹脂に対する配合比が1.0〜1.5%のシリコンとを配合したコーティング材を用いることが好ましい。また、コーティング材の摩擦係数は、0.2〜0.6が好ましく、0.55以下がより好ましい。
【0017】
以下に、図1から図15を用いてトラバース30の動作メカニズムについて説明する。
図1から図3のカム機構とピンの位置はディスクのローディング完了状態を示している。
図4はディスク装置のディスクのチャッキング動作スタートから第1の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図、図5は同状態における要部側断面図、図6は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
そして、図7は図4の状態からさらに第2の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図、図8は同状態における要部側断面図、図9は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
また、図10は図7の状態からさらに第3の所定時間が経過し、トラバースの最上昇状態を示すベース本体の要部平面図、図11は同状態における要部側断面図、図12は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
そして、図13は図10の状態からさらに第4の所定時間が経過し、ディスクの記録再生状態を示すベース本体の要部平面図、図14は同状態における要部側断面図、図15は同状態におけるサブスライダーの側面図である。
【0018】
まず、ディスクのローディング完了状態では、図1から図3に示すように、トラバース30は、最もリア側であって、最もベース本体10側に近接した位置に配置されている。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51の一端側(メインスライダー40側)端部に位置している。従って、トラバース30は最もリア側に近接した位置に配置されている。また、カムピン35A、35Bは、固定カム34A、34Bの溝の他端側端部に位置している。従って、トラバース30の他端側(ピックアップ32側)はベース本体10に最も近接した位置に配置されている。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の一端側(メインスライダー40側)端部に位置している。従って、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)はベース本体10に最も近接した位置に配置されている。
【0019】
図1に示す状態からメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動し、このメインスライダー40の移動に伴ってサブスライダー50がメインスライダー40の方向に移動する。
そして、チャッキング動作を第1の所定時間行った状態では、図4から図6に示すように、トラバース30は、ディスク挿入口11の方向に第1のX軸距離だけ移動するとともに、トラバース30の他端側は、ベース本体10から第1のY軸距離だけ離間した位置に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第1のY軸距離だけ移動し、トラバース30はディスク挿入口11の方向に第1のX軸距離だけ移動する。従って、カムピン35A、35Bは、固定カム34A、34Bの溝の一端側端部の方向に第1のX軸距離移動し、トラバース30の他端側(ピックアップ32側)は、ベース本体10から第1のZ軸距離だけ離間した位置に配置される。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の一端側(メインスライダー40側)端部から第1のY軸距離だけ移動するが、この第1のY軸距離の範囲にある溝は同一高さなので、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)はベース本体10に最も近接した位置に保持される。
【0020】
図4に示す状態から、さらにメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動することで、サブスライダー50はさらにメインスライダー40の方向に移動する。
そして、図4に示す状態からさらにチャッキング動作を第2の所定時間行った状態では、図7から図9に示すように、トラバース30の他端側は、ベース本体10から第2のZ軸距離(第2のZ軸距離>第1のZ軸距離)だけ離間した位置に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第2のY軸距離だけ移動するが、この移動範囲ではスライドカム機構51の溝は、サブスライダー50の移動方向(Y軸方向)と平行に設けているので、トラバース30はディスク挿入口11の方向には移動しない。従って、カムピン35A、35Bも、固定カム34A、34Bの溝内を移動しない。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の溝を第2のY軸距離だけ移動し、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)をベース本体10から第2のZ軸距離だけ移動させる。
【0021】
図7に示す状態から、さらにメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動することで、サブスライダー50はさらにメインスライダー40の方向に移動する。
そして、図7に示す状態からさらにチャッキング動作を第3の所定時間行った状態では、図10から図12に示すように、トラバース30の他端側は、ベース本体10から最も離間した第3のZ軸距離に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第3のY軸距離だけ移動するが、この移動範囲ではスライドカム機構51の溝は、サブスライダー50の移動方向(Y軸方向)と平行に設けているので、トラバース30はディスク挿入口11の方向には移動しない。従って、カムピン35A、35Bも、固定カム34A、34Bの溝内を移動しない。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の溝を第3のY軸距離だけ移動し、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)をベース本体10から第3のZ軸距離(最上昇高さ)に移動させる。この状態でハブ31Bのディスクへのチャッキングが完了する。
【0022】
図10に示す状態から、さらにメインスライダー40がディスク挿入口11の方向に移動することで、サブスライダー50はさらにメインスライダー40の方向に移動する。
そして、図13から図15に示すように、トラバース30はディスク挿入口11の方向に移動するとともに、トラバース30の他端側は、ベース本体10に近接する方向に移動し第1のZ軸距離の位置に配置される。
すなわちこの状態においては、スライドピン53は、スライドカム機構51を第4のY軸距離だけ移動し、トラバース30はディスク挿入口11の方向に第2のX軸距離だけ移動する。従って、カムピン35A、35Bは、固定カム34A、34Bの溝の一端側端部に向けて第2のX軸距離だけ移動するが、トラバース30の他端側(ピックアップ32側)高さは変わらない。また、昇降ピン54は、昇降カム機構52の溝を第4のY軸距離だけ移動し、トラバース30の一端側(スピンドルモータ31A側)をベース本体10の方向に移動させ第1のZ軸距離の位置に配置させる。
【0023】
以上の動作によって、ディスクを蓋体130から離間させるとともに、固定ピン120からも離間させることで、ディスクは再生記録状態となる。
また、装着されたディスクを排出する時には、ローディングモータを駆動し、メインスライダー40をその他端側の方向に移動することにより行われ、基本的には上記の動作が逆に行われる。
【0024】
次に、引き込みレバーの破損防止機構について図16及び図17を用いて説明する。
図16は、本実施例によるディスク装置のディスクの強制引き抜き動作状態を示すベース本体の要部平面図、図17は同状態を示すメインスライダーの要部拡大図である。
図16において、ディスクを強制的に排出方向(矢印A方向)に引き出すと、ディスクを保持している引き込みレバー80には、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に負荷が加わる。
この状態におけるピン85の変位方向を図17に示す。メインスライダー40は移動しないが、ピン85Aの移動方向のカム溝42は第1の可動片45によって構成されているので、ピン85は、同図に示すように、ピン85Aの位置からピン85Bの位置に変位し、メインスライダー40をサブスライダー50側に移動させる方向(矢印C方向)に負荷が加わる。このとき、ピン85Bへの変位によって第1の可動片45は、弾性部材44を圧縮する方向に変位する。すなわち、図16に示す引き込みレバー80は、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に回動する。従って、ディスクが強制的に排出方向(矢印A方向)に引き出されても、引き込みレバー80が破損することがない。
なお、上記説明では、ディスクが強制的に排出方向(矢印A方向)に引き出される場合で説明したが、ディスク挿入動作時に、挿入方向とは逆方向に負荷が加わる場合にも同様に引き込みレバー80の破損を回避することができる。
【0025】
次に、排出レバーの破損防止機構について図18及び図19を用いて説明する。
図18は、ディスクのエジェクト時の強制押し込み動作状態を示すベース本体の要部平面図、図19は同状態を示すメインスライダーの要部拡大図である。
図18において、ディスクを強制的に押し込む方向(矢印A方向)に押し込むと、ディスクを排出しようとしている排出レバー100には、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に負荷が加わる。
この状態におけるピン103の変位方向を図19に示す。メインスライダー40は移動しないが、ピン103Aの移動方向のカム溝43は第2の可動片46によって構成されているので、ピン103は、同図に示すように、ピン103Aの位置からピン103Bの位置に変位し、メインスライダー40をサブスライダー50から離間する側に移動させる方向(矢印C方向)に負荷が加わる。このとき、ピン103Bへの変位によって第2の可動片46は、弾性部材44を圧縮する方向に変位する。すなわち、図18に示す排出レバー100は、可動側端部がスピンドルモータ31Aから離間する方向(矢印B方向)に回動する。従って、ディスクが強制的に挿入方向(矢印A方向)に押し込まれても、排出レバー100が破損することがない。
なお、上記説明では、ディスクが強制的に挿入方向(矢印A方向)に押し込まれる場合で説明したが、ディスク排出動作時に、排出方向とは逆方向に負荷が加わる場合にも同様に排出レバー100の破損を回避することができる。
【0026】
以上のように、弾性部材44の一端側には第1の可動片45を、他端側には第2の可動片46を設けることで、一つの弾性部材44で引き込みレバー80と排出レバー100との破損を防止することができる。さらに、第1の可動片45に負荷が加わる場合には第2の可動片46はピン103によって変位を規制され、第2の可動片46に負荷が加わる場合には第1の可動片45はピン85によって変位を規制されるため、異常状態が回避された後には正常な動作状態に復帰することができる。
【0027】
次に、本発明の他の実施例を、図20を用いて説明する。
図20は、メインスライダーの要部を示す動作説明図である。
本実施例においては、メインスライダー40に、ストッパー47を設けたものである。このストッパー47は、メインスライダー40に、旋回中心となる回転軸48が配置されている。また、第1の可動片45にはカム部45Aが構成されている。そしてストッパー47の可動側端部のピン49は、カム部45A内を移動する。ストッパー47の当て部47Aは、メインスライダー40から側方に飛び出し可能になっており、可動片45のカム部45Aで規制されている。可動片45が正規位置にある時(弾性部材44が縮められていない時)には、ストッパー47の当て部47Aは、側方に飛び出さず(待機位置)、可動片45が移動した時に、ストッパー47の当て部47Aが、メインスライダー40の側方に飛び出す(作動位置)ように構成されている。メインスライダー40の側方には、固定部材(フレーム)12があり、ストッパー受け部13が所定位置に配置されている。ストッパー47の当て部47Aが飛び出した状態で、メインスライダー40が移動し、所定位置に来る、ストッパー47の当て部47Aと、ストッパー受け部13が当接し、メインスライダー40が移動できなくなるように構成されている。
【0028】
以下に動作について説明する。
図20(A)は、ディスク引込み動作途中で、正常に動作が行われている状態を示している。可動片45は、正規位置にあり、ストッパー47は、可動片45のカム部45Aによって待機位置に配置されている。なお、メインスライダー40は、モータで駆動され、右方向に移動中である。
この状態で、外部の力によるディスク強制引き抜きが開始された状態を図20(B)に示す。図20(B)に示すように、可動片45は左方向に移動する。この可動片45の移動によって、ピン49は、カム部45A内を移動し、ストッパー47の当て部47Aが、メインスライダー40の側方に飛び出る。
図20(C)は、引き続き上記強制引き抜きが行われている途中の状態を示している。
図20(B)の状態から、更にメインスライダー40は、モータによって右方向に移動している。このとき、引き込みレバー80のカムピン85が外部の力による強制引き抜きにより、外に(図で上に)強制的に移動させられたままになるため、可動片45は、ドライブに対しては移動できない。すなわち、メインスライダー40が右に移動するため、可動片45は、メインスライダー40に対して相対的に左に移動することになる。ここで、ストッパー47がない場合には、モータが引き続き動作し、メインスライダー40が、図で右へさらに移動することになる。しかし、本実施例では、図20(C)に示す位置まで、メインスライダー40が移動した時、ストッパー47の当て部47Aと、ストッパー受け部13が当接し、メインスライダー40の移動は停止させられる。
ローディング動作を途中で止めることができない場合には、メインスライダー40のさらなる移動によりトラバース30は上昇し、さらにメインスライダー40が移動し、ローディング動作が終了する位置まで動作を行ってしまう。このため、実際にはディスクが引込まれていないまま、ローディング動作を完了する。従って、ディスクが少し強制的に引き抜かれ、トラバース30のハブ31B上にディスクが位置していると、トラバース30の上昇時にディスク記録面を破損する場合がある。このため、本実施例によれば、ローディング動作を途中で止めることができ、ディスクの破損等を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本実施例のディスク装置は、表示手段と入力手段と演算処理手段などを一体化した、いわゆるノート型パソコン本体に内蔵、または一体的にセットされるディスク装置として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例によるディスク装置のベース本体の要部平面図
【図2】同ディスク装置の要部側断面図
【図3】同ディスク装置のサブスライダーの側面図
【図4】本実施例によるディスク装置のディスクのチャッキング動作スタートから第1の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図
【図5】同状態における要部側断面図
【図6】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図7】図4の状態からさらに第2の所定時間が経過した状態を示すベース本体の要部平面図
【図8】同状態における要部側断面図
【図9】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図10】図7の状態からさらに第3の所定時間が経過し、トラバースの最上昇状態を示すベース本体の要部平面図
【図11】同状態における要部側断面図
【図12】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図13】図10の状態からさらに第4の所定時間が経過し、ディスクの記録再生状態を示すベース本体の要部平面図
【図14】同状態における要部側断面図
【図15】同状態におけるサブスライダーの側面図
【図16】同ディスク装置におけるディスクの強制引き抜き動作状態を示すベース本体の要部平面図
【図17】同状態を示すメインスライダーの要部拡大図
【図18】同ディスク装置におけるディスクのエジェクト時の強制押し込み動作状態を示すベース本体の要部平面図
【図19】同状態を示すメインスライダーの要部拡大図
【図20】本発明の他の実施例によるメインスライダーの要部を示す動作説明図で、(A)は、ディスク引込み動作途中で、正常に動作が行われている状態を示す図、(B)は、外部の力によるディスク強制引き抜きが開始された状態を示す図、(C)は、引き続き上記強制引き抜きが行われている途中の状態を示す図
【符号の説明】
【0031】
10 ベース本体
11 ディスク挿入口
30 トラバース
31A スピンドルモータ
32 ピックアップ
40 メインスライダー
50 サブスライダー
51 スライダーカム機構
52 昇降カム機構
130 蓋体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、
前記シャーシ外装のフロント面には、ディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成し、前記ベース本体に設けたトラバースによってスピンドルモータとピックアップとを保持し、
前記トラバースの一端側にスライダー機構を配置し、
前記ベース本体に、前記ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーとをそれぞれ回動自在に設け、
前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、
前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を前記第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記第1の可動片は前記第1のカム溝の一部を構成し、前記第2の可動片は前記第2のカム溝の一部を構成することを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーと、前記引き込みレバー及び前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、
前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、
前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とするディスク装置。
【請求項4】
ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記引き込みレバーを回動させるスライダー機構とを設け、
前記スライダー機構には、前記引き込みレバーのピンを摺動させるカム溝を備え、
前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とするディスク装置。
【請求項5】
ベース本体に、ディスクを排出する排出レバーと、前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、
前記スライダー機構には、前記排出レバーのピンを摺動させるカム溝を備え、
前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とするディスク装置。
【請求項6】
前記第1のピンが前記第1の可動片を変位させる場合には、前記第2の可動片は前記第2のピンによって変位を規制され、前記第2のピンが前記第2の可動片を変位させる場合には、前記第1の可動片は前記第1のピンによって変位を規制されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のディスク装置。
【請求項7】
前記第1の可動片又は前記第2の可動片の、前記スライダーに対する変位により、前記スライダー機構の移動を所定位置で停止させるストッパー機構を設けたことを特徴とする請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項8】
前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする請求項7に記載のディスク装置。
【請求項9】
前記排出レバーに対応する前記第2の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする請求項7に記載のディスク装置。
【請求項10】
前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の、前記スライダーに対する変位により、前記スライダーが前記トラバースの上昇の始まる前の位置で停止することを特徴とする請求項7に記載のディスク装置。
【請求項11】
前記弾性部材を圧縮コイルバネで構成したことを特徴とする請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項1】
ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、
前記シャーシ外装のフロント面には、ディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成し、前記ベース本体に設けたトラバースによってスピンドルモータとピックアップとを保持し、
前記トラバースの一端側にスライダー機構を配置し、
前記ベース本体に、前記ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーとをそれぞれ回動自在に設け、
前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、
前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を前記第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記第1の可動片は前記第1のカム溝の一部を構成し、前記第2の可動片は前記第2のカム溝の一部を構成することを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記ディスクを排出する排出レバーと、前記引き込みレバー及び前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、
前記スライダー機構には、前記引き込みレバーの第1のピンを摺動させる第1のカム溝と、前記排出レバーの第2のピンを摺動させる第2のカム溝とを備え、
前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第1のカム溝内を第1のピンが摺動することで回動し、前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記第2のカム溝内を第2のピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた第1の可動片と、前記弾性部材の他端側に設けた第2の可動片とを備え、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第1のピンは前記第1の可動片を変位させ、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記第2のピンは前記第2の可動片を変位させることを特徴とするディスク装置。
【請求項4】
ベース本体に、ディスクを挿入する引き込みレバーと、前記引き込みレバーを回動させるスライダー機構とを設け、
前記スライダー機構には、前記引き込みレバーのピンを摺動させるカム溝を備え、
前記引き込みレバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記引き込みレバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とするディスク装置。
【請求項5】
ベース本体に、ディスクを排出する排出レバーと、前記排出レバーを回動させるスライダー機構とを設け、
前記スライダー機構には、前記排出レバーのピンを摺動させるカム溝を備え、
前記排出レバーは、前記スライダー機構の動作に伴って前記カム溝内を前記ピンが摺動することで回動するディスク装置であって、
前記スライダー機構には、当該スライダー機構の摺動方向に伸縮する弾性部材と、前記弾性部材の一端側に設けた可動片とを備え、前記可動片は前記カム溝の一部を構成し、前記排出レバーに対する前記ディスクからの負荷によって前記ピンは前記可動片を変位させることを特徴とするディスク装置。
【請求項6】
前記第1のピンが前記第1の可動片を変位させる場合には、前記第2の可動片は前記第2のピンによって変位を規制され、前記第2のピンが前記第2の可動片を変位させる場合には、前記第1の可動片は前記第1のピンによって変位を規制されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のディスク装置。
【請求項7】
前記第1の可動片又は前記第2の可動片の、前記スライダーに対する変位により、前記スライダー機構の移動を所定位置で停止させるストッパー機構を設けたことを特徴とする請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項8】
前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする請求項7に記載のディスク装置。
【請求項9】
前記排出レバーに対応する前記第2の可動片の前記スライダーに対する変位により、待機位置から作動位置に移動するストッパーを前記スライダーに設け、固定部の所定位置に設けられたストッパー受け部に、作動位置に移動した前記ストッパーが当接し、前記スライダーが所定位置で停止することを特徴とする請求項7に記載のディスク装置。
【請求項10】
前記引込みレバーに対応する前記第1の可動片の、前記スライダーに対する変位により、前記スライダーが前記トラバースの上昇の始まる前の位置で停止することを特徴とする請求項7に記載のディスク装置。
【請求項11】
前記弾性部材を圧縮コイルバネで構成したことを特徴とする請求項1、及び請求項3から請求項5のいずれかに記載のディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−73059(P2006−73059A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252995(P2004−252995)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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