説明

ディスク記録装置

【課題】簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、録画時の画質を高めるディスク記録装置を提供する。
【解決手段】DVDレコーダ1は、符号化部3、制御部9の他、アナログ形式の映像信号をエンコードしてDVD10に記録する構成を備える。また、制御部9は、符号化部3の符号化の際のビットレートを、ビットレートが異なる複数の録画モードのうちのいずれかで制御するビットレート制御部91と、この録画モードを選択し、切り替えるタイミングを制御するビットレート切替制御部92と、録画モードの制御データを記録するデータテーブル93を備える。ビットレート切替制御部92は、前記映像信号の録画予定時間および前記ディスクに記録可能な容量の入力を受けて、録画モードを切り替えるタイミングを計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ形式の映像信号を符号化して、ディスクに記録する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アナログ形式のテレビ放送やVHSテープに記録されたアナログ形式の映像信号をディジタル形式に符号化して、ディスクに記録するディスク記録装置が実用化されている。このようなディスク記録装置のユーザの要請として、録画(=映像信号を記録すること)したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めることを前提に、なるべく高画質で録画したいという要請がある。この要請に応えるため、映像信号をディスクへ記録するときの符号化のビットレートを、画質や録画時間に応じて、それぞれビットレートを設定して記録するディスク記録装置が開示されている(特許文献1、2参照)。また、特許文献1の「従来の技術」の欄には、VTRの記録時に、標準モードと、これより画質の落ちる長時間録画モードとを時分割で切り替えて録画することが実用化されている旨の記載がある。
【特許文献1】特開平9−284715号公報
【特許文献2】特開平10−92106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1、2のように、ビットレートを画質や録画時間に応じて個別にビットレートを設定するのは容易でなく、この設定を行うプログラムが複雑になる問題があった。これを回避するために、複数のビットレートの段階を設けて、そのいずれかの録画モードで記録する従来の装置では、ディスクの空き容量が大きく残るにも関わらず、1段階下げたビットレートで(即ち画質を落として)、記録する場合があった。
【0004】
このような問題に鑑み、本発明は、簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、録画時の画質を高めるディスク記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
【0006】
(1)本発明は、
アナログ形式の映像信号をディジタル形式に符号化する符号化手段と、
前記符号化したデータを、本体にマウントしたディスクに記録する記録手段と、を備えたディスク記録装置において、
前記符号化手段が符号化する際のビットレートを予め定めた複数の基準値のいずれかに制御するビットレート制御手段と、
前記ディスクに記録可能な容量を前記映像信号の録画予定時間で除算した均等ビットレートを算出し、前記基準値のうち均等ビットレートを超える基準値および前記均等ビットレート以下の基準値を時間軸上で組み合わせて、前記記録可能な容量に収まるように前記基準値の切替タイミングを計算して、前記ビットレート制御手段に指示するビットレート切替制御手段と、を備えた。
【0007】
この構成では、ビットレート制御手段が、前記符号化手段が符号化する際のビットレートを、(無段階でなく、)予め定めた複数の基準値のいずれかに制御しているので、ビットレート制御手段の制御が簡易になる。ビットレート切替制御手段が、前記均等ビットレートを超える基準値、および前記均等ビットレート以上の基準値を時間軸上で組み合わせているので、前記均等ビットレート未満の基準値のみを組み合わせるディスク記録装置に比べて、高画質で記録する時間が増える。また、前記記録可能な容量に収まるように前記基準値の切替タイミングを計算してこの基準値を切り替えるので、前記映像信号を前記容量に収めつつ、高いビットレートの基準値で記録する時間の割合を多くすることができる。即ち、高画質で記録する時間の割合を多くすることができる。以上より、簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、録画時の画質を高めることができる。
【0008】
なお、この切り替えるタイミングの計算は、例えば、ビットレート制御手段が制御するビットレートの基準値をN1、N2[bps]の2つとして、録画予定時間をT、ディスクの残り容量をR[byte]として、基準値N1、N2で記録する時間T1、T2は、
N1×T1+N2×T2=R×8[bit/byte]
T1+T2=T
の連立方程式を解くことにより計算できる。ただし、この構成でビットレート制御手段が選択するビットレートの基準値は、2つに限らず3つ以上選択しても良い。この計算は以下の(2)、(3)の構成も同様である。
またビットレート制御手段が制御するビットレートは、画像の動きの速さに応じて可変でもよく、この場合の基準値は、ビットレートの時間平均値とする。
さらに、「ディスクに記録可能な容量」の用語には、ディスクに記録可能な容量のみならず、前記映像信号を「ディスクに記録可能な容量」に確実に入れるためのマージンを差し引いた容量も含むものとする。以下の構成も同様である。
【0009】
(2)本発明は、
前記ビットレート切替制御手段は、前記組み合わせる基準値として、前記均等ビットレートに最も近いビットレートの基準値を組み合わせることを特徴とする。
【0010】
この構成では、前記組み合わせる基準値として、前記均等ビットレートに最も近いビットレートの基準値を組み合わせているので、ビットレート切替の際の画質の変化を小さくすることができると共に、録画時間全体の画質のバランスを高めることができる。仮に前記均等ビットレートから離れた、画質が高いビットレートの基準値を選択すると、この高画質の録画時間が短くなる一方、前記均等ビットレートが大きく下回るビットレートの基準値を選択することになり、ビットレート切替の際の画質の変化が大きく録画時間全体の画質のバランスが悪くなることがあるが、この構成ではこのような不具合を解消でき、画質のバランスを高めることができる。以上より、簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、より一層、録画時の画質を高めることができる。
【0011】
なお、ビットレート切替制御手段が前記録画予定時間を振り分ける際には、前記複数の基準値のビットレートで記録できる時間の長さを基準にしていればよく、録画時間に確実に収めることができるよう、マージンとなる定数、割合を定めても良い。
【0012】
(3)本発明は、
アナログ形式の映像信号をディジタル形式に符号化する符号化手段と、
前記符号化したデータを、本体にマウントしたディスクに記録する記録手段と、を備えたディスク記録装置において、
前記符号化手段が符号化する際のビットレートを予め定めた複数の基準値のいずれかに制御するビットレート制御手段と、
前記ビットレートの基準値をN(i=1〜N)、前記基準値Nのビットレートで前記記録可能な容量に記録できる時間の長さをTn(i=1〜N)、k、mをそれぞれi=1〜Nのいずれかの値として、
前記録画予定時間以上で前記録画予定時間に最も近いTnに対応する基準値N、および前記録画予定時間未満で前記録画予定時間に最も近いTnに対応する基準値Nを選択して、これらを時間軸上で組み合わせて、前記基準値の切替タイミングを計算して、前記ビットレート制御手段に指示するビットレート切替制御手段と、を備えた。
【0013】
この構成では、ビットレート制御手段が、前記符号化手段が符号化する際のビットレートを、(無段階でなく、)予め定めた複数の基準値のいずれかに制御しているので、ビットレート制御手段の制御が簡易になる。
また、この構成では、ビットレート切替制御手段が、前記録画予定時間を越えているTnに対応する基準値N、および前記録画予定時間以下のTnに対応する基準値Nを選択している。これにより、録画時間が余るようなビットレートの基準値のみを選択して組み合わせるのに比べて、高画質で記録する時間が増える。また、前記記録可能な容量に収まるように前記基準値の切替タイミングを計算して前記基準値を切り替えるので、前記映像信号を前記容量に収めつつ、高いビットレートの基準値で記録する時間の割合を多くすることができる。即ち、高画質で記録する時間の割合を多くすることができる。以上より、簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、録画時の画質を高めることができる。
【0014】
また、前記組み合わせる2つの基準値として、前記録画予定時間以下で前記録画予定時間に最も近いTn、Tnに対応する基準値を選択しているので、ビットレート切替の際の画質の変化を小さくすることができると共に、録画時間全体の画質のバランスを高めることができる。仮に前記均等ビットレートから離れた、画質が高いビットレートの基準値を選択すると、この高画質の録画時間が短くなる一方、前記均等ビットレートが大きく下回るビットレートの基準値を選択することになり、ビットレート切替の際の画質の変化が大きく録画時間全体の画質のバランスが悪くなることがあるが、この構成では、録画時間全体の画質のバランスを高めることができる。以上より、簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、より一層、録画時の画質を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易なビットレートの制御方法を用いながら、録画したいコンテンツを1枚のディスクに漏れなく収めつつ、録画時の画質を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、この発明の実施形態であるDVDレコーダ(1で図示。)の主要部の構成を示すブロック図である。この実施形態のDVDレコーダ1は、DVDに対するタイトルの記録(録画)、およびDVDに記録されているタイトルの再生を行う。
【0017】
この実施形態のDVDレコーダ1にマウント可能なDVD10は、書き換え可能なDVD−RWなどや、追記可能な光ディスクDVD−Rなどであるが、本実施形態のDVDに限らず、他の光ディスクに対して記録する場合でも、本装置を応用できる。
【0018】
入力部2には、アナログ形式の音声情報が入力される。アンテナ(不図示)で受信されたアナログ形式のテレビ放送信号や、VHSテープのドライブから入力されたアナログ形式の映像信号、音声信号を入力する。
符号化部3は、ビットレート制御部91のビットレートの制御の下、入力部2で入力したアナログ形式の映像信号および音声信号をディジタル信号に変換して、これらをエンコードする。符号化部3は、このエンコードしたデータを記録/読取部4に出力する。
【0019】
記録/読取部4は、符号化部3が生成したデータをDVD10に記録する処理や、DVD10に記録されているタイトルの記録データを読み取る処理を行う。記録/読取部4は、DVD10にレーザ光を照射し、その反射光を検出するピックアップヘッド(不図示)や、DVD10に照射しているレーザ光の照射位置を制御するフォーカスサーボ制御やトラッキングサーボ制御等を行うサーボ制御部(不図示)等を有している。データの記録時には、記録/読取部4は、DVD10に照射するレーザ光を、DVD10に記録する記録データに基づいて変調する記録制御を行う。また、読取時には、記録/読取部4は、DVD10に記録されているデータを読み取ったRF信号を読取信号処理部5に入力する。
【0020】
読取信号処理部5は、記録/読取部4が読み取ったRF信号から、映像データ、および音声データを抽出した後、これらをデコードし、デコードした映像データ、および音声データをD/A変換して、出力部6に入力する。
【0021】
出力部6は、読取信号処理部5で処理された記録データに基づいて再生信号を出力する。出力部6には、映像を表示する表示装置11や、音声を放出するスピーカ12が接続されている。出力部6は、読取信号処理部5から入力された映像データに基づく再生映像信号と、音声データに基づく再生音声信号と、を同期させて出力する。
【0022】
記録部7は、記録媒体であるハードディスク7a(HD7aと略す)、これを読み書きするハードディスクドライブ7b(HDD7bと略す)を備え、HDD7bは、符号化部3でエンコードされたデータをHD7aに記録する。
【0023】
操作部8は、装置本体に対する入力操作を受け付ける。操作部8は、複数の操作キーや、図示していないリモコン装置から送信されてきた装置本体に対する制御コードを受信するリモコン受信部を有している。操作部8は、ユーザにより操作された操作キーに応じた入力を受け付け、これらに対応したコードや、リモコン受信部で受信した制御コードを制御部9に伝達する。例えば操作部8は、録画(即ち、映像信号のDVD10への記録)の指示や、録画の予約の指示入力を受け付ける。
制御部9は、CPU、制御データ格納用のROM、RAMを備え、操作部8で受け付けた入力に基づいて、以上で示した装置のうち3〜9の各部の動作を制御する。また、制御部9は録画予約モードの設定を行なうOSDプログラムを備え、このOSDプログラムの動作に従い、ユーザから録画予定時間T[H]、録画予定時刻、録画するテレビのチャンネル番号を受け付けて、録画の予約をする。また、制御部9は、ビットレート制御部91と、ビットレート切替制御部92、データテーブル93を備えている。
【0024】
ビットレート制御部91は、ROM内に記録された動作プログラムで構成され、符号化部3が符号化する際のビットレートを制御して、平均ビットレートを一定に保つ。ビットレート制御部91は、この制御方法として多段階の録画モードを備えており、この平均ビットレートを選択し、切り替える。
【0025】
ビットレート切替制御部92は、ROM内に記録された動作プログラムで構成され、記録/読取部4に指示してDVD10の残り容量を取得すると共に、録画予約のモード時に受けた録画時間を入力として受けて、これらのデータから録画モードを選択し、切り替える。
【0026】
データテーブル93は、ROM内に制御データとして記憶されており、表示装置11に表示する録画モードの名称と、記録時間、ビットレート切替制御部92が制御するビットレートの平均値をテーブル形式で、ビットレート制御部91、ビットレート切替制御部92により参照される。
【0027】
DVDレコーダ1の外には、表示装置11とスピーカ12を備える。表示装置11は、出力部6から入力された再生映像信号に基づく映像を表示する。スピーカ12は、出力部6から入力された再生音声信号に基づく音声を放出する。
【0028】
次に、図2のデータテーブルの例を用いて、ビットレート切替制御部92が参照するデータテーブル93の構成例について説明する。データテーブル93は、録画モード931、記録時間932、平均ビットレート933、最大ビットレート934等が関連付けられて、記憶されている。例えば、録画モード931がXPであれば、記録時間は1[H]、平均ビットレートは、9542[bps](bit per second)となる。
【0029】
録画モード931は、XP、SP、LP、EPの各モードがある。記録時間932は、DVD10がブランクディスクの場合に、DVD10に記録することができる時間である。平均ビットレート933は、ビットレート制御部91が制御目標とするビットレートの平均値である。
【0030】
最大ビットレート934は、ビットレートの最大値を示したものである。入力部2に入力された画像の変動が大きい場合、画質の粗さが目立たないよう、ビットレート制御部91は、画像の変動に応じて最大ビットレート934の範囲までビットレートを上げる。また、ビットレート制御部91は、最大ビットレート934の範囲内で、平均ビットレート933の値になるようビットレートの値を制御する。
【0031】
図2に示すように、録画モード931の図2の欄の上に行くほど、記録時間932が少なく、平均ビットレート933が多くなって画質が滑らかになり、録画時間が短くなる。下の欄に行くほど、平均ビットレート933が少なくなって画質が粗くなり、記録時間932が多くなる。
【0032】
図3のフロー図を用いて、録画予約指示(または直ちに録画を開始する録画指示)を受けた場合にビットレート切替制御部92が行う処理フローについて説明する。
<ST1>制御部9の図示しない録画予約のOSDプログラムに沿って、ビットレート切替制御部92のプログラムに録画予定時間T[H]の入力を操作部8から受ける。
<ST2>記録/読取部4に指示して、DVD10に記録可能な残り容量を取得する。
【0033】
<ST3>右のサブフローに従い、録画モードを複数選択する(ただし、ST32では1つの録画モードのみを選択する。)。DVDレコーダ1のユーザの要請として、録画したいコンテンツを1枚のDVD10に漏れなく納めることを前提に、なるべく高画質で録画したいという要請がある。そのため、このサブフローで、ビットレート切替制御部92がDVD10の残りの容量、録画時間から最適な録画モードの組み合わせを選択する。
【0034】
なお、このST3では、ディスク10がブランクディスクの場合を示している。また、以下のST32、ST34、ST36、ST38で選択する録画モードは、図2で示した録画モード931のXP、SP、LP、EPに対応している。また、ST31、ST33、ST35、ST37の録画予定時間Tの判断基準は、このXP、SP、LP、EPに対応する記録時間932の1、2、4、6[H]に対応している。
【0035】
<ST31、ST32>ST31で、ST1で入力を受けた録画予定時間Tが1時間以下か判断し、1時間以下なら、ST32で録画モードとしてXPを選択し、サブフローが終了する。ST31で録画予定時間Tが1時間を超える場合には、ST33に移動する。
<ST33、ST34>ST33で、ST1で入力を受けた録画予定時間Tが2時間未満か判断し、2時間未満なら、ST34で録画モードとしてXPとSPを選択し、サブフローが終了する。ST33で録画予定時間Tが2時間以上の場合には、ST35に移動する。
<ST35、ST36>録画予定時間Tが4時間未満か判断し、4時間未満なら、ST36で録画モードとしてSPとLPを選択し、サブフローが終了する。ST35で録画予定時間Tが4時間以上の場合には、ST37に移動する。
<ST37、ST38>録画予定時間Tが6時間未満か判断し、6時間未満なら、ST38で録画モードとしてLPとEPを選択し、サブフローが終了する。ST37で録画予定時間Tが6時間以上の場合には、図示しないフローにより録画できない旨の映像信号を表示装置11に出力しても良いし、他の方法として、更にビットレートが低い録画モードを設定して、この録画モードとEPを組み合わせても良い。
【0036】
以上ST3のサブフローでは、録画予定時間Tがこの判断基準より少ない場合には、この判断基準の記録時間に対応する録画モードよりビットレートの高い、高画質の録画モードを組み合わせることができる。
【0037】
<ST4>ST34、ST36、ST38のように複数の録画モードを選択した場合には、録画モードを切り替える時刻を計算する。録画を開始したときには、ビットレートが高い方の録画モードで記録を開始し、ビットレート切替制御部92が、途中で録画モードを低い側に切り替える。例えば、録画予定時間T=1.5[H]とすると、ST34に分岐して、XP、SPの録画モードを選択する。ディスクの残り容量をR[byte]として、XPモードで記録する時間をT1[H]、SPモードで記録する時間をT2[H]とすると、図2の平均ビットレート933で、XPが9542[bps]、SPが4771[bps]であるから、
9542×60×60×T1+4771×60×60×T2
=R×8[bit/byte]
T=T1+T2
の式を解いて、時間T1、T2を求めることができる。
【0038】
以下、本実施形態のDVDレコーダの補足説明を行う。
ST3のST32、ST34、ST36、ST38では、録画モードとして1つまたは2つを選択したが、3つ以上選択しても良い。例えば、録画時間が4時間未満(ST35のY)のとき、ST35の代わりに、4時間録画できるLPモードの他に、よりビットレートが高いXP、SPを組み合わせて選択することができる。
また、ST3で、録画予定時間Tに確実に収まるよう、所定のマージンαを設定して、このTをT−αに置き換えて、録画モードの選択を適用しても良い。
【0039】
また、ST4で、録画予定時間Tに確実に収まるよう、この計算を録画中の所定時間毎に行なって、ビットレート切替制御部92が、ビットレートを切り替える時刻をより正確にするよう監視しても良い。また、このST4で所定のマージンβを設定して、このTをT−βに置き換えて、録画モードを切り替える時刻を計算しても良い。
【0040】
また、ST3のサブフローのST35で2時間ぴったりの場合には、ST36でSPとLPを選択したが、この場合にST4で示した連立方程式を解くとLPで再生する時間は0になり、すべてSPで再生することになる。また、ST37で4時間ぴったりの場合には、ST38でLPとEPを選択したが、ST4で示した連立方程式を解くとEPで再生する時間は0になり、すべてLPで再生することになる。
【0041】
ST4では、録画モードを、ビットレートが高い方から低い側に切り替える時刻を決定したが、録画モードをビットレートが低い方から高い方に録画モードを切り替えてもよい。この場合には、クライマックスとなるラストシーンを高画質で録画することができる。この場合には、途中でビットレートが高いモードに切り替えるから、録画予定時間Tに確実に収まるようマージンα、またはβを大きく取るのが望ましい。
【0042】
また、図4で図示した記録モードの選択は、前述したようにDVD10がブランクの場合である。DVD10がブランクでないか、残り容量が制限される場合には、ST31、ST33、ST35、ST37の判断基準に対応する時間の値を比例計算で縮める必要がある。
【0043】
ST31、ST33、ST35、ST37のフローで選択する記録モードの選択は、各記録モードについて、残り容量/平均ビットレート933を計算した時間が、録画予定時間を越えていて前記録画予定時間に最も近いものに対応する録画モードと、前記録画予定時間以下で前記録画予定時間に最も近い録画予定時間に対応する録画モードとを選択することと同等である。
【0044】
また、ST31、ST33、ST35、ST37のフローで記録モードを選択するために、前記ディスクに記録可能な容量を前記映像信号の録画予定時間で除算した、均等ビットレートを算出することにより判断しても良い。例えば、録画モード931のうち、この均等ビットレートを超えていてこの均等ビットレートに最も近い平均ビットレートに対応する録画モード、および前記均等ビットレート以下でこの均等ビットレートに最も近い平均ビットレートに対応する録画モードを時間軸上で組み合わせてもよい。この方法は実質的に図3のST3の判断基準と同等である。なお、ここでいう「均等ビットレート」は、各録画モードを組み合わせて録画時間全体で平均したビットレートであり、各録画モードの平均ビットレート933とは異なる。
【0045】
また、平均ビットレート933は、本発明の「基準値」に相当する。
【0046】
更に、本実施形態のDVDレコーダ1では、アナログ形式の映像信号をエンコードしてDVD10へ記録する構成を備えていれば良く、必ずしもハードディスク8a、ハードディスクドライブ8bを備える必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】DVDレコーダの主要部の構成を示すブロック図
【図2】ビットレート切替制御部が参照するデータテーブルの例
【図3】録画予約指示(または録画指示)を受けた場合にビットレート切替制御部が行う処理フローの図
【符号の説明】
【0048】
1−DVDレコーダ、 2−入力部、 3−符号化部
4−記録/読取部、 5−読取信号処理部、 6−出力部
7−記録部、 7a−ハードディスク(HD)、 7b−ハードディスクドライブ(HDD)
8−操作部、 9−制御部、 91−ビットレート制御部
92−ビットレート切替制御部、 93−データテーブル、 931−録画モード
932−記録時間、 933−平均ビットレート、 934−最大ビットレート
10−DVD、 11−表示装置、 12−スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ形式の映像信号をディジタル形式に符号化する符号化手段と、
前記符号化したデータを、本体にマウントしたディスクに記録する記録手段と、を備えたディスク記録装置において、
前記符号化手段が符号化する際のビットレートを予め定めた複数の基準値のいずれかに制御するビットレート制御手段と、
前記ディスクに記録可能な容量を前記映像信号の録画予定時間で除算した均等ビットレートを算出し、前記ビットレートの基準値のうち、前記均等ビットレートを超えていて前記均等ビットレートに最も近い基準値、および前記均等ビットレート以下で前記均等ビットレートに最も近い基準値を時間軸上で組み合わせて、前記記録可能な容量に収まるように前記基準値の切替タイミングを計算して、前記ビットレート制御手段に指示するビットレート切替制御手段と、を備えたディスク記録装置。
【請求項2】
アナログ形式の映像信号をディジタル形式に符号化する符号化手段と、
前記符号化したデータを、本体にマウントしたディスクに記録する記録手段と、を備えたディスク記録装置において、
前記符号化手段が符号化する際のビットレートを予め定めた複数の基準値のいずれかに制御するビットレート制御手段と、
前記ディスクに記録可能な容量を前記映像信号の録画予定時間で除算した均等ビットレートを算出し、前記基準値のうち均等ビットレートを超える基準値および前記均等ビットレート以下の基準値を時間軸上で組み合わせて、前記記録可能な容量に収まるように前記基準値の切替タイミングを計算して、前記ビットレート制御手段に指示するビットレート切替制御手段と、を備えたディスク記録装置。
【請求項3】
前記ビットレート切替制御手段は、前記組み合わせる基準値として、前記均等ビットレートに最も近いビットレートの基準値を組み合わせる請求項2に記載のディスク記録装置。
【請求項4】
アナログ形式の映像信号をディジタル形式に符号化する符号化手段と、
前記符号化したデータを、本体にマウントしたディスクに記録する記録手段と、を備えたディスク記録装置において、
前記符号化手段が符号化する際のビットレートを予め定めた複数の基準値のいずれかに制御するビットレート制御手段と、
前記ビットレートの基準値をN(i=1〜N)、前記基準値Nのビットレートで前記記録可能な容量に記録できる時間の長さをTn(i=1〜N)、k、mをそれぞれi=1〜Nのいずれかの値として、
前記録画予定時間以上で前記録画予定時間に最も近いTnに対応する基準値N、および前記録画予定時間未満で前記録画予定時間に最も近いTnに対応する基準値Nを選択して、これらを時間軸上で組み合わせて、前記基準値の切替タイミングを計算して、前記ビットレート制御手段に指示するビットレート切替制御手段と、を備えたディスク記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−310976(P2007−310976A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140437(P2006−140437)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】