説明

ディスク駆動装置および方法、撮像装置、記録媒体、並びにプログラム

【課題】 光ディスクのフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができるようにする。
【解決手段】 システム制御部25は、撮像部11に光ディスクのフォーマット方式を示す画像を撮像させる。システム制御部25は、撮像により得られた画像データを基に、撮像された画像が示す光ディスクのフォーマット方式を選択する。光ディスク駆動装置22は、選択されたフォーマット方式と、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスクから読み出した、その光ディスクのフォーマット方式とが一致するか否かを判定する。本発明は、光ディスクを記録媒体として用いるビデオカメラなどに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスク駆動装置および方法、撮像装置、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、ディスクのフォーマット方式をより迅速に判別することができるようにしたディスク駆動装置および方法、撮像装置、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、映像や音声のデータを取り扱うビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの装置では、撮像することによって得られた画像データや、録音することによって得られた音声データを記録する記録媒体として、記録容量の大きい光ディスクが用いられている。
【0003】
記録媒体として用いられている光ディスクには、光ディスクの反射率やウォブル周波数などにより定まる多種多様なフォーマット方式(記録方式)の光ディスクがあり、CD-R(Compact Disk Recordable)、CD-RW(Compact Disk Rewritable)、DVD-R(Digital Versatile Disk Recordable)、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)、DVD+R、DVD+RW、DVD-RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)などの光ディスクは既に実用化されて広く普及している。また、Blu-ray DiscやHD-DVD(High Definition DVD)などのより記録容量の大きい光ディスクの開発も進んでおり、次世代の記録媒体としてその普及が期待されている。
【0004】
このような光ディスクを、データを記録する記録媒体として用いるビデオカメラやデジタルスチルカメラでは、複数のフォーマット方式の光ディスクを取り扱う場合が多く、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの光ディスク駆動装置に光ディスクが挿入された後、光ディスク駆動装置は挿入された光ディスクのフォーマット方式を何らかの手段を用いて判別する必要がある。
【0005】
従来の光ディスク駆動装置では、光ディスク駆動装置に光ディスクが挿入されると、光ピックアップの対物レンズを光ディスクの記録面に対して垂直な方向(光ピックアップが光ディスクに近づく方向、または光ディスクから遠ざかる方向)に移動させながら光ディスクに光を照射して、光ディスクにおいて反射された光を受光することで得られるフォーカスエラー信号を基に、光ディスク駆動装置に挿入された光ディスクのフォーマット方式を判別している(例えば、特許文献1参照)。この光ディスク駆動装置においては、光ディスクのフォーマット方式によって、光ディスクの記録面の反射率や光ディスクの記録面(記録層)の個数が異なることを利用して、光ディスクの記録面の反射率により変化するフォーカスエラー信号の振幅の値、および光ディスクの記録面の個数により変化する、フォーカスエラー信号に含まれているS字カーブの個数に基づいて光ディスクのフォーマット方式を判別している。
【0006】
【特許文献1】特開2000−149392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した技術では、記録面の反射率が同一の異なるフォーマット方式の光ディスクを判別することができないので、記録面の反射率が同一の光ディスクのフォーマット方式を判別するためには、さらにトラッキングサーボをかけてウォブル周波数を測定するなどの余計な処理を行わなければならなかった。
【0008】
また、光ディスクのフォーマット方式によって、光ピックアップの対物レンズの位置や光ディスクに照射する光(レーザ)の波長などが異なるため、光ディスク駆動装置が取り扱う光ディスクの種類の数、すなわち判別の対象となる光ディスクのフォーマット方式の数が多くなるほど、光ディスク駆動装置は光ディスクのフォーマット方式を判別するために、複数のメカ動作を含む、より煩雑な処理を行わなければならず、光ディスクのフォーマット方式を判別するためには多大な時間が必要となってしまう。
【0009】
例えば、光ディスク駆動装置が、所定のフォーマット方式に基づいて対物レンズの位置や光の波長を設定して、光ディスクのフォーマット方式を判別する処理を行い、光ディスクのフォーマット方式が、その判別結果により得られたフォーマット方式ではなかった場合、光ディスク駆動装置は、さらに設定したフォーマット方式とは異なるフォーマット方式に基づいて対物レンズの位置や光の波長を設定し直し、再び光ディスクのフォーマット方式を判別する処理を行わなければならない。
【0010】
このように、判別の対象となる光ディスクのフォーマット方式の数が多くなると、光ディスクのフォーマット方式を判別するまでに多大な時間が必要となるので、利用者は、光ディスクをビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの装置に挿入してから、その装置が使用することができるまで(光ディスクにデータを記録する準備ができるまで)、長い時間待たなければならなかった。
【0011】
さらに、同一のフォーマット方式の光ディスクであっても、光ディスクによって個々の品質が異なるため、記録面の反射率などにばらつきが生じ、光ディスクのフォーマット方式を確実に判別することができない場合があった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、光ディスクのフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のディスク駆動装置は、撮像を行う撮像手段と、撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別手段と、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別手段によって識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
ディスク駆動装置には、撮像された画像を基に、画像の特徴量を抽出する抽出手段と、複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像の特徴量を記憶する記憶手段と、抽出された画像の特徴量と、記憶手段に記憶された各特徴量とを基に、撮像された画像の各ディスクフォーマットを示す画像に対する類似度を算出する算出手段とをさらに設け、識別手段には、撮像された画像が、算出手段によって算出された類似度の最も大きい画像に対応するディスクフォーマットを示すものとして、撮像された画像が示すディスクフォーマットを識別させるようにすることができる。
【0015】
本発明のディスク駆動方法は、撮像を制御する撮像制御ステップと、撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップと、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の記録媒体のプログラムは、撮像を制御する撮像制御ステップと、撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップと、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明のプログラムは、撮像を制御する撮像制御ステップと、撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップと、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明のディスク駆動装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、撮像が行われ、撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットが識別され、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別手段によって識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かが判定される。
【0019】
本発明のディスク駆動装置は、撮像を行う撮像手段と、複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報を記憶する記憶手段と、撮像手段により撮像された画像に関する情報と、記憶手段に記憶された各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報とを基に、撮像された画像が、1または複数のディスクフォーマットからなるディスクフォーマットグループの何れに対応するかを識別する識別手段と、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別手段により識別されるディスクフォーマットグループに含まれるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明のディスク駆動装置においては、撮像が行われ、複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報が記憶され、撮像された画像に関する情報と、記憶された各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報とを基に、撮像された画像が、1または複数のディスクフォーマットからなるディスクフォーマットグループの何れに対応するかが識別され、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別手段により識別されるディスクフォーマットグループに含まれるディスクフォーマットとが一致するか否かが判定される。
【0021】
本発明の撮像装置は、撮像を行う撮像手段と、撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の撮像装置においては、撮像が行われ、撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットが識別される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光ディスクのフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0025】
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
【0026】
請求項1に記載のディスク駆動装置は、撮像を行う撮像手段(例えば、図1の撮像部11)と、撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別手段(例えば、図3の選択部95)と、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別手段によって識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定手段(例えば、図4の判定部124)とを備えることを特徴とする。
【0027】
請求項2に記載のディスク駆動装置は、撮像された画像を基に、画像の特徴量を抽出する抽出手段(例えば、図3の抽出部93)と、複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像の特徴量を記憶する記憶手段(例えば、図1の記録部26)と、抽出された画像の特徴量と、記憶手段に記憶された各特徴量とを基に、撮像された画像の各ディスクフォーマットを示す画像に対する類似度を算出する算出手段(例えば、図3の認識部94)とをさらに備え、識別手段(例えば、図6のステップS31の処理を実行する選択部95)は、撮像された画像が、算出手段によって算出された類似度の最も大きい画像に対応するディスクフォーマットを示すものとして、撮像された画像が示すディスクフォーマットを識別することを特徴とする。
【0028】
請求項3に記載のディスク駆動方法は、撮像を制御する撮像制御ステップ(例えば、図5のステップS11の処理)と、撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップ(例えば、図6のステップS31の処理)と、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップ(例えば、図7のステップS56の処理)とを含むことを特徴とする。
【0029】
なお、請求項4に記載の記録媒体および請求項5に記載のプログラムも、上述した請求項3に記載のディスク駆動方法と基本的に同様の処理であるため、繰り返しになるのでその説明は省略する。
【0030】
請求項6に記載のディスク駆動装置は、撮像を行う撮像手段(例えば、図1の撮像部11)と、複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報を記憶する記憶手段(例えば、図1の記録部26)と、撮像手段により撮像された画像に関する情報と、記憶手段に記憶された各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報とを基に、撮像された画像が、1または複数のディスクフォーマットからなるディスクフォーマットグループの何れに対応するかを識別する識別手段(例えば、図3の選択部95)と、ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、識別手段により識別されるディスクフォーマットグループに含まれるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定手段(例えば、図4の判定部124)とを備えることを特徴とする。
【0031】
請求項7に記載の撮像装置は、撮像を行う撮像手段(例えば、図1の撮像部11)と、撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、画像が示すディスクフォーマットを識別する識別手段(例えば、図3の選択部95)とを備えることを特徴とする。
【0032】
本発明は、光ディスクを記録媒体として用いるビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピュータや、ポータブルDVDプレーヤなどの光ディスクを再生する再生装置などに適用することができる。
【0033】
図1は、本発明を適用したビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
【0034】
ビデオカメラ1は、撮像部11、マイクロフォン12、ビデオ/オーディオインターフェース13、スクリーンメモリ14、スピーカ15、LCD(Liquid Crystal Display)16、圧縮伸張処理部17、エンコーダ/デコーダメモリ18、データ制御部19、データメモリ20、デバイスインターフェース21、光ディスク駆動装置22、蓋23、バス24、システム制御部25、記録部26、ユーザインターフェース27、出力部28、および入力部29を含むように構成される。
【0035】
ビデオ/オーディオインターフェース13、圧縮伸張処理部17、データ制御部19、デバイスインターフェース21、およびシステム制御部25のそれぞれは、互いにバス24を介して接続されている。
【0036】
撮像部11は、例えば、レンズやCCD(Charge Coupled Devices)撮像素子などからなり、システム制御部25の制御の基に被写体を撮像して、これにより得られる画像データをビデオ/オーディオインターフェース13を介して、圧縮伸張処理部17に供給する。マイクロフォン12は、システム制御部25の制御の基に周囲の音声を集音して、これにより得られたアナログ信号である音声信号を、内蔵しているA/D(Analog/Degital)コンバータにより、デジタル信号である音声データに変換する。そして、マイクロフォン12は、音声信号をデジタル信号に変換することにより得られる音声データを、ビデオ/オーディオインターフェース13を介して、圧縮伸張処理部17に供給する。
【0037】
ビデオ/オーディオインターフェース13は、撮像部11から供給された画像データ、またはマイクロフォン12から供給された音声データを、圧縮伸張処理部17に供給する。また、ビデオ/オーディオインターフェース13は、圧縮伸張処理部17から供給された音声データをスピーカ15に供給し、圧縮伸張処理部17またはシステム制御部25から供給された画像データをLCD16に供給する。
【0038】
スクリーンメモリ14は、例えば、不揮発性の半導体メモリなどからなり、アイコンなどの文字や図形(画像)を表示させるためのデータを記録する。また、スクリーンメモリ14は、記録しているアイコンなどの文字や図形(画像)を表示させるためのデータをビデオ/オーディオインターフェース13を介してシステム制御部25に供給する。なお、ビデオカメラ1は、スクリーンメモリ14を設けない構成とすることも可能である。
【0039】
スピーカ15は、ビデオ/オーディオインターフェース13から供給された音声データを基に、音声を出力する。LCD16は、ビデオ/オーディオインターフェース13から供給された画像データを基に、画像を表示する。
【0040】
圧縮伸張処理部17は、ビデオ/オーディオインターフェース13から供給された画像データまたは音声データを、例えば、画像信号のフレームまたはフィールド間の差分圧縮処理を行う場合などに、必要に応じて、エンコーダ/デコーダメモリ18に供給して、一時的に記憶させる。圧縮伸張処理部17は、ビデオ/オーディオインターフェース13から供給された画像データ、またはエンコーダ/デコーダメモリ18が記憶している画像データを、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)1、MPEG2、MPEG4などの符号化方式により符号化し、その結果得られた画像データをデータ制御部19に供給する。
【0041】
また、圧縮伸張処理部17は、ビデオ/オーディオインターフェース13から供給された音声データ、またはエンコーダ/デコーダメモリ18が記憶している音声データを、例えば、MPEG1、MPEG2、MPEG4などの符号化方式により符号化し、その結果得られた音声データをデータ制御部19に供給する。
【0042】
さらに、圧縮伸張処理部17は、データ制御部19から供給された画像データまたは音声データを、例えば、MPEG1、MPEG2、MPEG4、JPEGなどの符号化方式に対応する復号方式により復号し、その結果得られた画像データまたは音声データを、ビデオ/オーディオインターフェース13に供給する。
【0043】
エンコーダ/デコーダメモリ18は、例えば、揮発性の半導体メモリなどからなり、圧縮伸張処理部17から供給された画像データまたは音声データを一時的に記憶する。また、エンコーダ/デコーダメモリ18は、記憶している画像データまたは音声データを圧縮伸張処理部17に供給する。
【0044】
データ制御部19は、圧縮伸張処理部17から供給された画像データを、必要に応じてデータメモリ20に供給して一時的に記憶させる。データ制御部19は、圧縮伸張処理部17から供給された画像データまたは音声データを、デバイスインターフェース21を介して光ディスク駆動装置22に供給するか、またはバス24を介してシステム制御部25に供給する。
【0045】
また、データ制御部19は、データメモリ20が記憶している画像データまたは音声データを、デバイスインターフェース21を介して光ディスク駆動装置22に供給する。さらに、データ制御部19は、システム制御部25から供給された画像データを、圧縮伸張処理部17に供給する。さらに、また、データ制御部19は、システム制御部25から供給された、光ディスクのフォーマット方式を示す種別通知信号を、デバイスインターフェース21に供給する。
【0046】
データメモリ20は、例えば、揮発性の半導体メモリなどからなり、データ制御部19から供給された画像データまたは音声データを一時的に記憶して、FIFO(First In First Out)キューに配列する。データメモリ20は、記憶している画像データまたは音声データを、FIFOキュー上の配列の順にデータ制御部19に供給する。
【0047】
デバイスインターフェース21は、例えば、ATA/ATAPI-4(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394などの規格に基づいて非連続なハンドシェークを行って、光ディスク駆動装置22との各種のデータの授受(送受信)を行う。
【0048】
すなわち、デバイスインターフェース21は、データ制御部19から供給された画像データまたは音声データ、システム制御部25から供給された種別通知信号などを、光ディスク駆動装置22に転送(供給)したり、光ディスク駆動装置22に装着された光ディスクから読み出された画像データまたは音声データを受信して、データ制御部19に供給する。
【0049】
光ディスク駆動装置22には、利用者が蓋23を開けることにより、例えば、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW、DVD-RAMなどの光ディスクが着脱可能となっている。光ディスク駆動装置22は、光ディスクが挿入されると、必要に応じて、光ディスクに記録されている画像データや音声データを読み出して、読み出した画像データや音声データをデバイスインターフェース21に供給する。また、光ディスク駆動装置22は、デバイスインターフェース21から供給された画像データまたは音声データを光ディスクに記録する。
【0050】
さらに、光ディスク駆動装置22は、デバイスインターフェース21から種別通知信号が供給されると、挿入された(装着されている)光ディスクのフォーマット方式が、種別通知信号により示されるフォーマット方式と一致するか否かの確認の処理を行う。
【0051】
システム制御部25は、記録部26に記録されているプログラムを実行して、各種の処理を行う。例えば、システム制御部25は、撮像部11を制御し、撮像部11に光ディスクのレーベル面などに印刷されている、その光ディスクのフォーマット方式を示す画像を撮像させる。なお、ここで、光ディスクのフォーマット方式とは、光ディスクの記録面の反射率やウォブル周波数、トラックピッチなどにより定める光ディスクの方式をいう。
【0052】
また、撮像部11が光ディスクのフォーマット方式を示す画像を撮像すると、撮像により得られた画像データがデータ制御部19からシステム制御部25に供給されるので、システム制御部25は、供給された光ディスクのフォーマット方式を示す画像の画像データから、光ディスクのフォーマット方式を示す画像の特徴量を抽出し、記録部26が予め記録している、各光ディスクのフォーマット方式を示す画像の特徴量を示すデータを用いて、撮像された光ディスクのフォーマット方式を示す画像により示される光ディスクのフォーマット方式、すなわち、これから利用者により光ディスク駆動装置22に挿入される光ディスクのフォーマット方式を判別(判定)し、その結果を示す種別通知信号を生成して、データ制御部19に供給する。
【0053】
また、システム制御部25は、ユーザインターフェース27を介して接続されている、入力部29から供給された入力信号に応じた処理を行う。さらに、システム制御部25は、発光素子、音響素子などからなる出力部28を制御して、利用者にビデオカメラ1の状態を通知するための光や音声を発生させる。
【0054】
さらに、システム制御部25は、必要に応じてスクリーンメモリ14に記録されているアイコンなどの文字や図形(画像)を表示させるためのデータを読み出し、そのデータに基づいて所定の演算を行う。そして、システム制御部25は、その演算の結果得られた、アイコンなどの文字や図形(画像)を表示させるための画像データを、ビデオ/オーディオインターフェース13を介してLCD16に供給する。
【0055】
記録部26は、例えば、不揮発性の半導体メモリなどからなり、システム制御部25のプログラム格納メモリ、または作業用ワークメモリとして機能する。記録部26は、各種の処理を実行させるためのプログラム、各光ディスクのフォーマット方式を示す画像、各光ディスクのフォーマット方式を示す画像の特徴量を示すデータなどを記録する。
【0056】
また、システム制御部25には、ユーザインターフェース27を介して、出力部28および入力部29が接続されている。出力部28は、例えば、発光素子、音響素子などからなり、システム制御部25の制御のもと、利用者にビデオカメラ1の状態を通知するための光や音声を発生させる。
【0057】
入力部29は、例えば、キー入力ボタン、スイッチ、タッチパネルなどよりなり、利用者の操作に応じた入力信号を発生させ、発生させた入力信号を、ユーザインターフェース27を介して、システム制御部25に供給する。
【0058】
図2は、図1の光ディスク駆動装置22の構成を示すブロック図である。
【0059】
光ディスク駆動装置22は、サーボ制御部61、スピンドルモータ62、スレッドモータ63、光ピックアップ64、信号処理部65、ホストインターフェース66、および制御部67を含むように構成される。
【0060】
サーボ制御部61は、制御部67の制御の基に、スピンドルモータ62のシャフトを回転させる。また、サーボ制御部61は、制御部67の制御の基にスレッドモータ63を回転駆動させて、光ピックアップ64を光ディスク68の径方向(図中、左右方向)に移動させる。さらに、サーボ制御部61は、制御部67の制御の基に光ピックアップ64を駆動させて、光ピックアップ64の図示せぬ対物レンズの位置を調整させる。
【0061】
スピンドルモータ62は、図示せぬクランプ機構によりCD-R、DVD-Rなどの光ディスク68が、スピンドルモータ62のシャフトに係合されると(装着されると)、サーボ制御部61の制御の基に、シャフトに装着されている光ディスク68を回転駆動する。
【0062】
スレッドモータ63は、サーボ制御部61の制御の基に回転駆動し、ギア等の駆動力伝達部材を介して接続されているスレッドを移動させることにより、そのスレッドに載置されている光ピックアップ64を、光ディスク68の径方向に移動させる。
【0063】
光ピックアップ64は、サーボ制御部61の制御の基に駆動され、トラッキング制御およびフォーカス制御される。例えば、光ピックアップ64は、サーボ制御部61によって、光ピックアップ64から光ディスク68に照射される光のスポットが、光ディスク68のトラックを追従するように、トラッキング制御される。また、例えば、光ピックアップ64は、サーボ制御部61によって、光ピックアップ64から光ディスク68に照射される光のスポットのフォーカスが、光ディスク68の記録層に合焦するように、フォーカス制御される。
【0064】
また、光ピックアップ64は、制御部67の制御の基に、信号処理部65から供給された、光ディスク68に記録させるデータに対応した記録信号に応じて内蔵するレーザダイオードを発光させ、対物レンズを介して光を光ディスク68に照射して、光ディスク68にデータを記録する。
【0065】
さらに、光ピックアップ64は、制御部67の制御の基に、光ディスク68に光を照射して、光ディスク68において反射された光を受光する。そして、光ピックアップ64は、受光した光を、受光した光の強さを示す電気信号に変換し、これにより得られた電気信号を信号処理部65に供給する。
【0066】
信号処理部65は、ホストインターフェース66を介してデータ制御部19(図1)から供給されたデータ、または制御部67から供給されたデータに、例えば、EFM(Eight to Fourteen Modulation)方式の変調処理などを施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ64に供給する。
【0067】
また、信号処理部65は、光ピックアップ64から供給された電気信号に、例えば、RF(Radio Frequency)信号処理、2値化処理、PLL(Phase Locked Loop)同期処理、EFM方式の復調処理などを施し、電気信号から光ディスク68に記録されているデータ、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、ウォブル信号などを抽出する。
【0068】
信号処理部65は、電気信号から抽出したデータを制御部67に供給するか、またはホストインターフェース66を介してデータ制御部19に供給する。さらに、信号処理部65は、電気信号から抽出したフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、またはウォブル信号を制御部67に供給する。
【0069】
ホストインターフェース66は、信号処理部65または制御部67から供給されたデータまたは各種の信号を、例えば、ATA/ATAPI-4などの規格に基づいてデバイスインターフェース21を介してデータ制御部19に供給する。また、ホストインターフェース66は、デバイスインターフェース21を介してデータ制御部19から供給されたデータを、信号処理部65または制御部67に供給する。さらに、ホストインターフェース66は、デバイスインターフェース21を介してデータ制御部19から供給された種別通知信号を、制御部67に供給する。
【0070】
制御部67は、例えば、汎用のセントラルプロセッサ、マイクロプロセッサ、または専用コントローラなどから構成され、光ディスク駆動装置22全体を制御する。例えば、制御部67は、光ピックアップ64を制御し、光を光ディスク68に照射させる。また、制御部67は、信号処理部65から供給されたデータを必要に応じてホストインターフェース66に供給し、さらに制御部67は、ホストインターフェース66から供給されたデータを、必要に応じて信号処理部65に供給する。
【0071】
制御部67は、信号処理部65から供給されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、またはウォブル信号に基づいてサーボ制御部61を制御し、フォーカス制御させるか、またはトラッキング制御させる。
【0072】
さらに、制御部67は、ホストインターフェース66を介してデータ制御部19から種別通知信号が供給されると、光ディスク駆動装置22に挿入(装着)された光ディスク68のフォーマット方式が、種別通知信号により示されるフォーマット方式と一致するか否かの確認(判別)の処理を行う。この場合、例えば、制御部67は、光ディスク68から、光ディスク68のフォーマット方式を示す情報を読み出して、光ディスク68のフォーマット方式が種別通知信号により示されるフォーマット方式と一致するか否かを判定する。そして、制御部67は、光ディスク68のフォーマット方式を判別(確認)すると、その判別結果を示す信号を生成して、ホストインターフェース66を介してデータ制御部19に供給する。
【0073】
図3は、図1のシステム制御部25の機能の構成を示すブロック図である。
【0074】
システム制御部25は、撮像制御部91、補正部92、抽出部93、認識部94、および選択部95を含むように構成される。
【0075】
撮像制御部91は、利用者が入力部29を操作することにより、入力部29から供給される入力信号に応じて、被写体の撮像を制御する。例えば、利用者が、入力部29としての、光ディスク68のフォーマット方式を判別させるためのボタンを操作し、さらに、利用者が入力部29を操作して、光ディスク68のレーベル面や、光ディスク68のパッケージ、ケースなどに予め印刷されている、光ディスク68のフォーマット方式を示す画像(以下、識別画像とも称する)の撮像を指示すると、撮像制御部91は、利用者の指示(操作)に応じて、撮像部11を制御し、撮像部11に光ディスク68のレーベル面などに印刷されている識別画像を撮像させる。
【0076】
補正部92は、データ制御部19から供給された、光ディスク68のフォーマット方式を示す画像(識別画像)の画像データに対して、例えば、ノイズの除去、識別画像の輪郭の抽出、画像のサイズの変換などの補正処理を施し、撮像された画像を補正する。
【0077】
抽出部93は、補正部92により画像の補正処理が施された画像データを基に、撮像された識別画像から特徴量を抽出する。認識部94は、抽出部93が抽出した特徴量を基に、パターン認識処理を行う。例えば、認識部94は、抽出部93が抽出した特徴量と、予め記録部26に記録されている光ディスクのフォーマット方式を示す画像(識別画像)の特徴量を示すデータとに基づいて、予め記録されている識別画像に対する撮像された識別画像の類似度を求める。
【0078】
選択部95は、認識部94により求められた、予め記録されている各フォーマット方式の識別画像に対する撮像された識別画像の類似度に基づいて、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式(を示す情報)を選択する。例えば、選択部95は、各光ディスクのフォーマット方式のうち、予め記録されている識別画像に対する、撮像された識別画像の類似度が最も大きい識別画像に対応する光ディスクのフォーマット方式を選択し、選択された光ディスクのフォーマット方式を示す種別通知信号を生成する。
【0079】
図4は、図2の制御部67の機能の構成を示すブロック図である。
【0080】
制御部67は、設定部121、調整部122、読み出し制御部123、および判定部124を含むように構成される。
【0081】
設定部121は、光ディスクのフォーマット方式に応じた初期設定を行う。例えば、設定部121は、ホストインターフェース66を介してデータ制御部19から種別通知信号が供給されると、その種別通知信号が示すフォーマット方式に基づく初期設定を行う。すなわち、設定部121は、種別通知信号が示すフォーマット方式に応じて、例えば、光ピックアップ64の対物レンズの位置や、測定するフォーカスエラー信号の振幅の範囲などを設定する。
【0082】
調整部122は、設定部121によりなされた初期設定、信号処理部65から供給されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などに基づいて、サーボ制御部61を制御して、フォーカス制御させるか、またはトラッキング制御させる。読み出し制御部123は、サーボ制御部61および光ピックアップ64を制御して、光ディスク68の所定の領域に記録されているデータを読み出させる。
【0083】
判定部124は、信号処理部65から供給されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、光ディスク68から読み出されたデータなどを基に、フォーカスサーボがかからなかったり、データが読み出せないなどの理由によりエラーが発生したか否かを判定し、制御部67の各部にその判定の結果に応じた処理を行わせる。
【0084】
また、判定部124は、種別通知信号により示される光ディスクのフォーマット方式と、光ディスク68から読み出された情報(データ)により示される光ディスク68のフォーマット方式とが一致するか否かを判定し、制御部67の各部にその判定の結果に応じた処理を行わせる。
【0085】
以上において説明したビデオカメラ1を利用者が操作して、所望の画像を撮像させるか、または光ディスク68をビデオカメラ1に挿入して、光ディスク68に記録されているデータを再生させる場合、利用者は、例えば、入力部29としての、光ディスク68のフォーマット方式を判別させるための専用ボタンなどを操作して、ビデオカメラ1に光ディスク68のフォーマット方式を示す画像(識別画像)を撮像させ、その後、蓋23を開けて光ディスク68をビデオカメラ1(光ディスク駆動装置22)に挿入する。
【0086】
これに対して、ビデオカメラ1では、利用者の操作に応じて光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像を撮像して、挿入された光ディスク68のフォーマット方式を判別し、例えば、出力部28により光や音声を発生させて、利用者にビデオカメラ1が使用可能な状態である旨を通知する。そしてビデオカメラ1が使用可能な状態となると、利用者は、ビデオカメラ1を操作して所望の画像を撮像させたり、光ディスク68に記録されているデータを再生させる。
【0087】
例えば、利用者が、光ディスク68のフォーマット方式を判別させるための専用ボタン(入力部29)を操作してから、さらに、入力部29を操作して、光ディスク68のレーベル面や、光ディスク68のパッケージ、ケースなどに予め印刷されている、光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像の撮像を指示すると、ビデオカメラ1は、識別画像を撮像して、撮像された識別画像により示される光ディスク68のフォーマット方式を判別する判別の処理を行う。
【0088】
以下、図5のフローチャートを参照して、ビデオカメラ1によるフォーマット方式の判別の処理を説明する。
【0089】
ステップS11において、撮像制御部91は、利用者の操作により入力部29から供給された入力信号に応じて撮像部11を制御し、撮像部11に光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像を撮像させる。
【0090】
撮像部11は、撮像制御部91の制御の基に、例えば、光ディスク68のパッケージに印刷されている、光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像としての、DVD+R、DVD+RWなどのロゴタイプの画像を撮像する。そして、撮像部11は、撮像によって得られた画像データを、ビデオ/オーディオインターフェース13を介して圧縮伸張処理部17に供給する。
【0091】
圧縮伸張処理部17は、撮像部11から供給された画像データを、例えば、JPEG、MPEG1などの符号化方式により符号化し、その結果得られた画像データを、データ制御部19を介してシステム制御部25に供給する。
【0092】
撮像により得られた画像データが、データ制御部19を介して、圧縮伸張処理部17からシステム制御部25に供給されると、ステップS12において、補正部92は、供給された画像データに対して、例えば、ノイズの除去、識別画像の輪郭の抽出、画像のサイズの変換などの補正処理を施し、撮像された画像を補正する。
【0093】
ステップS13において、抽出部93は、補正部92により補正処理が施された画像データを基に、撮像された識別画像から特徴量を抽出する。
【0094】
例えば、抽出部93は、撮像された識別画像を、画素を単位とする所定の大きさの領域に分割し、分割された各領域に予め定められた複数の方向線素のうちのいずれかを割り当てて、撮像された識別画像を線素化する。そして、抽出部93は、線素化された識別画像の所定の領域での線素の方向分布を算出し、算出された各領域の方向分布の値を、光ディスク68のフォーマット方式を示す画像の特徴量(より詳細には、特徴ベクトル)とする。
【0095】
また、抽出部93は、例えば、2次微分処理、ハフ変換などの処理を行ってエッジを抽出することにより撮像された識別画像から特徴量を抽出するようにしてもよい。
【0096】
ステップS14において、認識部94は、抽出部93が抽出した特徴量を基に、パターン認識処理を行う。例えば、認識部94は、抽出部93が抽出した特徴量と、予め記録部26に記録されている識別画像の特徴量を示すデータとに基づいて、各光ディスクのフォーマット方式を示す識別画像に対する撮像された識別画像の類似度を求める。
【0097】
例えば、記録部26に、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、およびDVD+RWのそれぞれのフォーマット方式を示す識別画像の特徴量が予め記録されている場合、認識部94は、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、およびDVD+RWのそれぞれの識別画像に対する撮像された識別画像の類似度を求める。
【0098】
ステップS15において、選択部95は、フォーマット方式の選択の処理を行い、フォーマット方式の判別の処理は終了する。なお、フォーマット方式の選択の処理は後述するが、フォーマット方式の選択の処理において、認識部94によるパターン認識処理の結果に基づいて、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式が選択される。
【0099】
このようにして、システム制御部25は、光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像を撮像させ、撮像により得られた画像データを基に、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式を選択する。
【0100】
このように、光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像を撮像させ、撮像により得られた画像データを基に、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式を選択することによって、対物レンズの位置や光の波長などを各フォーマット方式に応じて何度も設定し直すことなく、光ディスク68のフォーマット方式を判別することができる。したがって、例えば、ビデオカメラ1が取り扱う(処理を受け付ける)光ディスク68のフォーマット方式の数や、各光ディスク68の品質(光学的な特性)のばらつきに関わらず、光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像から、対応する光ディスク68のフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができる。
【0101】
次に、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS15の処理に対応する、フォーマット方式の選択の処理を説明する。
【0102】
認識部94がパターン認識処理を行うと、ステップS31において、選択部95は、パターン認識処理の結果に基づいて、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式を選択する。例えば、認識部94が、予め記録されている各光ディスクのフォーマット方式を示す識別画像に対する撮像された識別画像の類似度を求めた場合、選択部95は、各光ディスクのフォーマット方式のうち、予め記録されている識別画像に対する、撮像された識別画像の類似度が最も大きい識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式(を示す情報)を選択する。
【0103】
したがって、例えば、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、またはDVD+RWの識別画像に対する撮像された識別画像の類似度のうち、DVD+Rの識別画像に対する類似度が最も大きかった場合、選択部95は、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式として、DVD+Rを選択する。
【0104】
そして、ステップS32において、選択部95は、選択した光ディスク68のフォーマット方式を示す種別通知信号を生成する。例えば、選択部95は、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式として、DVD+Rを選択した場合、光ディスク68のフォーマット方式がDVD+Rである旨の種別通知信号を生成する。
【0105】
選択部95は、種別通知信号を生成すると、生成した種別通知信号をデータ制御部19およびデバイスインターフェース21を介して、光ディスク駆動装置22に供給して、処理は終了する。
【0106】
このようにして、選択部95は、認識部94によるパターン認識処理の結果に基づいて、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式(を示す情報)を選択する。
【0107】
このように、利用者がビデオカメラ1に光ディスク68の判別を指示すると、ビデオカメラ1は識別画像を撮像し、撮像された識別画像により示される光ディスク68のフォーマット方式を判別する判別の処理を行う。利用者は、ビデオカメラ1を操作して、光ディスク68の識別画像を撮像させた後、さらに、その光ディスク68をビデオカメラ1に挿入し、光ディスク68のフォーマット方式が判別されてビデオカメラ1が使用可能な状態となるまで待機する。
【0108】
そして、ビデオカメラ1では、システム制御部25から光ディスク駆動装置22の制御部67に種別通知信号が供給され、さらに、蓋23が開けられて、光ディスク駆動装置22に光ディスク68が挿入されると、制御部67は、供給された種別通知信号に基づいて、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式が、種別通知信号により示されるフォーマット方式と一致するか否かを確認(判別)する、フォーマット方式の確認の処理を行う。以下、図7のフローチャートを参照して、制御部67によるフォーマット方式の確認の処理を説明する。
【0109】
ホストインターフェース66を介してデータ制御部19から制御部67の設定部121に種別通知信号が供給されると、ステップS51において、設定部121はフォーマット方式に基づく初期設定を行う(フォーマット方式を設定する)。例えば、設定部121は、データ制御部19から種別通知信号が供給されると、供給された種別通知信号が示すフォーマット方式に基づく初期設定を行い、そのフォーマット方式に応じて、光ピックアップ64の対物レンズの位置や、測定するフォーカスエラー信号の振幅の範囲などを設定する。
【0110】
また、例えば、設定部121は、設定したフォーマット方式が、挿入された光ディスク68のフォーマット方式と一致しなかった場合、他のフォーマット方式を設定する。すなわち、設定部121は、設定していたフォーマット方式とは異なるフォーマット方式に基づく初期設定を行い、そのフォーマット方式に応じて、光ピックアップ64の対物レンズの位置や、測定するフォーカスエラー信号の振幅の範囲などを設定する。そして、制御部67の各部は、新たに設定したフォーマット方式が、光ディスク68のフォーマット方式と一致するか否かの判別(確認)の処理を行う。
【0111】
ステップS52において、調整部122は、設定部121により設定された初期設定に基づき、サーボを調整する。例えば、調整部122はサーボ制御部61を制御して、光ピックアップ64の対物レンズを光ディスク68に対して、図2における上下方向に移動させる。そして、信号処理部65から供給されるフォーカスエラー信号のS字カーブの個数や、フォーカスエラー信号の振幅を求め、それらの値を基に光ピックアップ64から射出される光が、光ディスク68の記録層に合焦するように、対物レンズの位置などを調整する。
【0112】
そして、ステップS53において、調整部122は、サーボ制御部61を制御してサーボをかけ直す。サーボ制御部61は、制御部67の制御の基に、スレッドモータ63を駆動させて、光ピックアップ64を移動させたり、光ピックアップ64の対物レンズを移動させたりする。そして、さらに、調整部122は、信号処理部65から供給されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などに基づいて、サーボ制御部61を制御して、フォーカス制御させるか、またはトラッキング制御させる。
【0113】
ステップS54において、判定部124は、エラーが発生したか否かを判定する。例えば、判定部124は、信号処理部65から供給されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、光ディスク68の所定の領域から読み出されたデータなどを基に、フォーカスサーボがかからなかったり、光ディスク68からデータが読み出せない場合、エラーが発生したと判定する。
【0114】
ステップS54において、エラーが発生していないと判定された場合、ステップS55に進み、読み出し制御部123は、サーボ制御部61および光ピックアップ64を制御して、光ディスク68の所定の領域から、光ディスク68のフォーマット方式を示す情報(データ)を読み出させる。
【0115】
例えば、設定したフォーマット方式がDVD-R、DVD-RW、DVD+R、またはDVD+RWである場合、読み出し制御部123は、サーボ制御部61および光ピックアップ64を制御して、光ディスク68の物理情報が記録されているコントロールデータゾーンから、光ディスク68のフォーマット方式を示す情報を読み出させる。
【0116】
光ピックアップ64は、光ディスク68に光を照射して、光ディスク68において反射された光を受光し、受光した光の強さを示す電気信号に変換して信号処理部65に供給する。信号処理部65は、光ピックアップ64から供給された電気信号に、例えば、RF信号処理などを施し、電気信号から光ディスク68に記録されている光ディスク68のフォーマット方式を示す情報(以下、フォーマット情報とも称する)を抽出する。このようにして読み出された光ディスク68のフォーマット情報は、信号処理部65から制御部67に供給される。
【0117】
光ディスク68からフォーマット情報が読み出されると、ステップS56において、判定部124は、読み出されたフォーマット情報を基に、そのフォーマット情報により示される光ディスク68のフォーマット方式が、設定したフォーマット方式と一致するか否かを判定する。
【0118】
例えば、設定部121が種別通知信号により示されるフォーマット方式に基づく初期設定を行い、種別通知信号が示す光ディスク68のフォーマット方式がDVD+RWであり、また、読み出された光ディスク68のフォーマット情報が示すフォーマット方式もDVD+RWである場合、判定部124は、フォーマット情報により示される光ディスク68のフォーマット方式が、設定したフォーマット方式と一致すると判定する。また、例えば、ステップS55において、光ディスク68からフォーマット情報が読み出せなかった場合、判定部124は、設定したフォーマット方式と一致しないと判定する。
【0119】
ステップS56において、設定したフォーマット方式と一致すると判定された場合、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式が判別(確認)されたので、制御部67は、その判別結果を示す信号を生成して、ホストインターフェース66を介してデータ制御部19に供給し、フォーマット方式の確認の処理は終了する。
【0120】
光ディスク68のフォーマット方式が判別されると、光ディスク駆動装置22からデータ制御部19に光ディスク68の判別結果を示す信号が供給され、さらに、その判別結果を示す信号がデータ制御部19からシステム制御部25に供給される。システム制御部25は、光ディスク68の判別結果を示す信号が供給されると、例えば、出力部28としての発光素子などを発光させて、ビデオカメラ1が使用可能な状態である旨を利用者に通知する。これにより、ビデオカメラ1は使用可能な状態となり、利用者はビデオカメラ1を操作して、画像を撮像させたり、光ディスク68に記録されているデータを再生させることができる。
【0121】
一方、ステップS56において、設定したフォーマット方式と一致しないと判定された場合、光ディスク68のフォーマット方式を判別することができなかったので、処理はステップS57に進む。なお、ステップS55において、光ディスク68のフォーマット情報を読み出すことができたにも関わらず、ステップS56において、設定したフォーマット方式と一致しないと判定された場合、例えば、ステップS51に戻り、光ディスク68から読み出したフォーマット情報が示すフォーマット方式に基づく初期設定を行うようにしてもよい。
【0122】
また、ステップS54において、エラーが発生したと判定された場合、光ディスク68からデータ(情報)を読み出すことができないので、処理はステップS57に進む。
【0123】
ステップS57において、制御部67の各部は、光ディスク68のフォーマット方式を判別して、処理はステップS51に戻り、上述した処理が繰り返される。例えば、調整部122は、光ピックアップ64に、異なる波長の光を射出させたり、光ピックアップ64の対物レンズの位置を、図2の上下方向に移動させたりする。そして、制御部67は、信号処理部65から供給されるフォーカスエラー信号やウォブル信号を基に、光ディスク68のフォーマット方式を判別する。
【0124】
例えば、このとき、制御部67は、ウォブル信号のウォブル周波数の違いにより、光ディスク68が、DVD-R若しくはDVD-RWのいずれかの光ディスクであるか、またはDVD+R若しくはDVD+RWのいずれかの光ディスクであるかを判別する。また、例えば、制御部67は、フォーカスエラー信号の振幅の値を基に、光ディスク68が、DVD-R若しくはDVD+Rのいずれかの光ディスクであるか、またはDVD-RW若しくはDVD+RWのいずれかの光ディスクであるかを判別する。
【0125】
そして、例えば、ステップS57において、光ディスク68のフォーマット方式が、DVD+RWであると判別されると、ステップS51に戻り、設定部121は、DVD+RWに基づく初期設定を行い、上述した処理を繰り返す。
【0126】
このようにして、制御部67は、種別通知信号に示されるフォーマット方式と、光ディスク68に記録されているフォーマット情報により示されるフォーマット方式とが一致するか否かを判定することにより、ビデオカメラ1(光ディスク駆動装置22)に挿入された光ディスク68のフォーマット方式が、種別通知信号により示されるフォーマット方式と一致するか否かを確認する(光ディスク68のフォーマット方式を判別する)。
【0127】
このように、種別通知信号に示されるフォーマット方式と、光ディスク68に記録されているフォーマット情報により示されるフォーマット方式とが一致するか否かを判定して、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式が、種別通知信号により示されるフォーマット方式と一致するか否かを確認することにより、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができる。これにより、利用者は、光ディスク68を光ディスク駆動装置22に挿入してから、より短い時間で、光ディスク68に記録されているデータを再生させたり、光ディスク68にデータを記録させたりすることができる。
【0128】
すなわち、利用者は、光ディスク68のレーベル面などに印刷されている、その光ディスク68のフォーマット方式を示す識別画像を撮像させるという簡単な操作だけで、光ディスク68をビデオカメラ1に挿入してから、長い時間待つことなく、所望する画像を撮像させたり、光ディスク68に記録されているデータを再生させたりすることができる。
【0129】
なお、撮像された識別画像に対応する光ディスク68のフォーマット方式を選択する場合に、例えば、類似度が最も大きい識別画像に対応するフォーマット方式を選択すると説明したが、類似度の高い順に複数個のフォーマット方式を選択し、光ディスク駆動装置22において、挿入された光ディスク68のフォーマット方式が判別されるまで、類似度の高い順に選択されたフォーマット方式と、光ディスク68から読み出されたフォーマット情報により示されるフォーマット方式とが一致するか否かを判定して、光ディスク68のフォーマット方式を判別するようにしてもよい。
【0130】
また、撮像された識別画像に対応するフォーマット方式を選択する場合に、類似度に対する閾値を予め設定しておき、求められた識別画像の類似度のうち、設定された閾値よりも大きい値の類似度の識別画像に対応するフォーマット方式を選択するようにしてもよい。
【0131】
さらに、各光ディスクのフォーマット方式を、例えば、識別画像および光ディスクの物理的(光学的)な特性が類似しているフォーマット方式をグループに分けて、パターン認識の結果に基づいて、グループごとの確からしさを算出し、その確からしさの最も高いグループを選択するようにしてもよい。この場合、選択されたグループに属する各フォーマット方式に対して、光ディスク68のフォーマット方式が判別されるまで所定の順番で、グループに属するフォーマット方式と、光ディスク68から読み出されたフォーマット情報により示されるフォーマット方式とが一致するか否かが判定されて、光ディスク68のフォーマット方式を判別する処理が行われる。
【0132】
このように、フォーマット方式が属するグループが選択される場合にシステム制御部25により行われる、図5のステップS15の処理に対応するフォーマット方式の選択の処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0133】
認識部94がパターン認識処理を行うと、ステップS81において、選択部95は、パターン認識処理の結果に基づいて、予め定められたフォーマット方式が属するグループごとの確からしさを示す値を算出する。
【0134】
この場合、例えば、図9に示すように、各フォーマット方式は、予め定められた複数のグループのうちのいずれかに属しており、記録部26は、各フォーマット方式を示す識別画像の特徴量とともに、各フォーマット方式が属しているグループを示す情報を予め記録している。
【0135】
図9では、各グループとそのグループに属している光ディスクのフォーマット方式が示されている。例えば、フォーマット方式は、グループ1乃至グループ3の3つのグループに分かれている。そして、DVD-RおよびDVD-RWはグループ1に属しており、DVD+RおよびDVD+RWはグループ2に属しており、CD-RおよびCD-RWはグループ3に属している。
【0136】
したがって、例えば、認識部94が、予め記録されている識別画像に対する撮像された識別画像の類似度を求めた場合、選択部95は、DVD-Rに対する類似度およびDVD-RWに対する類似度の平均値を算出して、算出した平均値をグループ1の確からしさを示す値とする。
【0137】
また、選択部95は、グループ1の場合と同様に、DVD+Rに対する類似度およびDVD+RWに対する類似度の平均値を算出して、算出した平均値をグループ2の確からしさを示す値とし、CD-Rに対する類似度およびCD-RWに対する類似度の平均値を算出して、算出した平均値をグループ3の確からしさを示す値とする。
【0138】
そして、各グループの確からしさを示す値が算出されると、ステップS82において、選択部95は、各グループのうち、算出されたグループの確からしさを示す値が最も大きいグループを選択する。なお、グループに属する各フォーマット方式に対する類似度の平均値をそのグループの確からしさを示す値とすると説明したが、グループに属する各フォーマット方式に対する類似度のうち、最も高い類似度の値を、そのグループの確からしさを示す値とするようにしてもよい。
【0139】
ステップS83において、選択部95は、選択したグループに属するフォーマット方式を示す種別通知信号、すなわち、選択したグループを示す種別通知信号を生成する。例えば、選択部95は、図9のグループ1を選択した場合、撮像された識別画像に対応するフォーマット方式が、DVD-RまたはDVD-RWである旨の種別通知信号を生成する。
【0140】
選択部95は、種別通知信号を生成すると、生成した種別通知信号をデータ制御部19およびデバイスインターフェース21を介して、光ディスク駆動装置22に供給して、処理は終了する。
【0141】
このようにして、選択部95は、認識部94によるパターン認識処理の結果に基づいて、フォーマット方式が属しているグループを選択する。
【0142】
システム制御部25から光ディスク駆動装置22の制御部67に、選択されたグループに属するフォーマット方式を示す種別通知信号が供給され、さらに、蓋23が開けられて、光ディスク駆動装置22に光ディスク68が挿入されると、制御部67は、供給された種別通知信号に基づいて、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式を確認(判別)する、フォーマット方式の確認の処理を行う。以下、図10のフローチャートを参照して、制御部67によるフォーマット方式の確認の処理を説明する。
【0143】
ホストインターフェース66を介してデータ制御部19から制御部67の設定部121に種別通知信号が供給されると、ステップS111において、設定部121はフォーマット方式に基づく初期設定を行う(フォーマット方式を設定する)。例えば、設定部121は、データ制御部19から種別通知信号が供給されると、供給された種別通知信号が示すフォーマット方式に基づく初期設定を行い、そのフォーマット方式に応じて、光ピックアップ64の対物レンズの位置や、測定するフォーカスエラー信号の振幅の範囲などを設定する。
【0144】
例えば、図9の各グループ内では、フォーマット方式を設定する順番が予め定められており、グループ1では、例えば、まず、フォーマット方式として、DVD-Rに基づく初期設定が行われ、光ディスク68のフォーマット方式が、設定したDVD-Rでない場合、フォーマット方式として、さらにDVD-RWが設定される。
【0145】
したがって、例えば、データ制御部19から設定部121に、グループ1を示す種別通知信号が供給された場合、設定部121は、まず、DVD-Rに基づく初期設定を行い、光ピックアップ64の対物レンズの位置や、測定するフォーカスエラー信号の振幅の範囲などを設定する。
【0146】
そして、フォーマット方式に基づく初期設定を行うと、その後、ステップS112の処理乃至ステップS116の処理が行われるが、これらの処理は、図7のステップS52の処理乃至ステップS56の処理のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
【0147】
なお、ステップS116において、設定したフォーマット方式と一致しないと判定された場合、処理はステップS118に進む。
【0148】
ステップS114において、フォーカスサーボがかからなかったり、光ディスク68からデータが読み出せず、エラーが発生したと判定された場合、光ディスク68からデータ(情報)を読み出すことができないので、処理はステップS117に進む。
【0149】
ステップS117において、判定部124は、グループ内の全てのフォーマット方式を設定したか否かを判定する。例えば、図9のグループ1を示す種別通知信号が供給され、DVD-Rに基づく初期設定を行って、エラーが発生したと判定された場合、まだDVD-RWに基づく初期設定を行っていないとき、判定部124は、グループ内の全てのフォーマット方式を設定していないと判定する。
【0150】
ステップS117において、グループ内の全てのフォーマット方式を設定したと判定された場合、ステップS118に進む。
【0151】
ステップS118において、制御部67の各部は、図7のステップS57における場合と同様に、光ディスク68のフォーマット方式を判別して、処理はステップS111に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0152】
一方、ステップS117において、グループ内の全てのフォーマット方式を設定していないと判定された場合、ステップS119に進み、設定部121は、選択されたグループに属するフォーマット方式のうち、まだ設定されていないフォーマット方式を選択して、処理はステップS111に戻り、上述した処理が繰り返される。なお、ステップS119の処理においてフォーマット方式を選択して、ステップS111に戻ると、ステップS111において、設定部121は、ステップS119の処理において選択されたフォーマット方式に基づく初期設定を行う。
【0153】
したがって、例えば、図9のグループ1を示す種別通知信号が供給され、DVD-Rに基づく初期設定を行って、エラーが発生したと判定された場合、まだDVD-RWに基づく初期設定を行っていないとき、設定部121は、DVD-RWを選択して、DVD-RWに基づく初期設定を行い、制御部67の各部は、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット情報が示すフォーマット方式がDVD-RWであるか否かの判別を行う。
【0154】
このようにして、制御部67は、選択されたグループに属する各フォーマット方式に対して、光ディスク68のフォーマット方式が判別されるまで、所定の順番でグループに属するフォーマット方式と、光ディスク68から読み出されたフォーマット情報により示されるフォーマット方式とが一致するか否かを判定して、光ディスク68のフォーマット方式を判別する処理を行う。
【0155】
このように、フォーマット方式を示す識別画像および光ディスクの物理的な特性が類似しているフォーマット方式を予めグループに分けて、パターン認識の結果を基にグループを選択し、選択されたグループに属する各フォーマット方式に対して、光ディスク68のフォーマット方式が判別されるまで、所定の順番でグループに属するフォーマット方式が光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式と一致するか否かの判定を行うことで、光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができる。
【0156】
上述したように、各グループに属しているフォーマット方式の識別画像は互いに類似しているので、撮像された識別画像が示すフォーマット方式は、選択部95により選択されたグループに属しているフォーマット方式のいずれかである可能性が高い。したがって、予め識別画像が類似しているフォーマット方式をグループに分けておき、パターン認識の結果を基にグループを選択して、所定の順番でグループに属するフォーマット方式が光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式と一致するか否かの判定を行うことで、より迅速かつ確実に光ディスク駆動装置22に挿入された光ディスク68のフォーマット方式を判別することができる。
【0157】
なお、光ディスク68のフォーマット方式が判別されるまで所定の順番で、グループに属するフォーマット方式と、光ディスク68から読み出されたフォーマット情報により示されるフォーマット方式とが一致するか否かを判定して、光ディスク68のフォーマット方式を判別する処理を行うと説明したが、例えば、グループに属する各フォーマット方式の識別画像に対する類似度が大きい順番に、光ディスク68のフォーマット方式を判別する処理を行うようにしてもよい。
【0158】
以上のように、本発明によれば、撮像された識別画像を基に、その識別画像に対応するフォーマット方式を選択し、選択されたフォーマット方式と、光ディスク駆動装置に挿入された光ディスクのフォーマット方式とが一致するか否かの判定を行うことによって、光ディスク駆動装置に挿入された光ディスクのフォーマット方式を判別するようにしたので、挿入された光ディスクのフォーマット方式をより迅速かつ確実に判別することができる。
【0159】
上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0160】
図11は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0161】
プログラムは、コンピュータ191に内蔵されている記録媒体としての記録部208やROM(Read Only Memory)202に予め記録しておくことができる。
【0162】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア212に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブルメディア212は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0163】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブルメディア212からコンピュータ191にインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータ191に無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータ191に有線で転送し、コンピュータ191では、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部209で受信し、内蔵する記録部208にインストールすることができる。
【0164】
コンピュータ191は、CPU(Central Processing Unit)201を内蔵している。CPU201には、バス204を介して、入出力インターフェース205が接続されており、CPU201は、入出力インターフェース205を介して、利用者によって、キーボードや、マウス、マイクロフォン等で構成される入力部206が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM202に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU201は、記録部208に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部209で受信されて記録部208にインストールされたプログラム、またはドライブ211に装着されたリムーバブルメディア212から読み出されて記録部208にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)203にロードして実行する。これにより、CPU201は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU201は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インターフェース205を介して、スピーカや表示部等で構成される出力部207から出力、あるいは、通信部209から送信、さらには、記録部208に記録させる。
【0165】
また、撮像部210は、図1の撮像部11などに対応し、被写体を撮像して、画像データを取得する。また、ドライブ211は、図1の光ディスク駆動装置22に対応し、光ディスクに対する記録または再生を行う。
【0166】
また、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明を適用したビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の光ディスク駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のシステム制御部の機能の構成を示すブロック図である。
【図4】図2の制御部の機能の構成を示すブロック図である。
【図5】フォーマット方式の判別の処理を説明するフローチャートである。
【図6】フォーマット方式の選択の処理を説明するフローチャートである。
【図7】フォーマット方式の確認の処理を説明するフローチャートである。
【図8】フォーマット方式の選択の処理を説明するフローチャートである。
【図9】各グループに属するフォーマット方式を示す図である。
【図10】フォーマット方式の確認の処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0168】
1 ビデオカメラ, 11 撮像部, 22 光ディスク駆動装置, 25 システム制御部, 26 記録部, 61 サーボ制御部, 65 信号処理部, 67 制御部, 68 光ディスク, 91 撮像制御部, 92 補正部, 93 抽出部, 94 認識部, 95 選択部, 121 設定部, 122 調整部, 123 読み出し制御部, 124 判定部, 201 CPU, 202 ROM, 203 RAM, 208 記録部, 210 撮像部, 211 ドライブ, 212 リムーバブルメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像を行う撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、前記画像が示すディスクフォーマットを識別する識別手段と、
ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、前記識別手段によって識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項2】
撮像された前記画像を基に、前記画像の特徴量を抽出する抽出手段と、
複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像の特徴量を記憶する記憶手段と、
抽出された前記画像の特徴量と、前記記憶手段に記憶された各特徴量とを基に、撮像された前記画像の各ディスクフォーマットを示す画像に対する類似度を算出する算出手段と
をさらに備え、
前記識別手段は、撮像された前記画像が、前記算出手段によって算出された前記類似度の最も大きい画像に対応するディスクフォーマットを示すものとして、撮像された前記画像が示すディスクフォーマットを識別する
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
【請求項3】
撮像を制御する撮像制御ステップと、
撮像された画像に関する情報を基に、前記画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップと、
ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、前記識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップと
を含むことを特徴とするディスク駆動方法。
【請求項4】
撮像を制御する撮像制御ステップと、
撮像された画像に関する情報を基に、前記画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップと、
ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、前記識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップと
を含むことを特徴とするディスク駆動処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項5】
撮像を制御する撮像制御ステップと、
撮像された画像に関する情報を基に、前記画像が示すディスクフォーマットを識別する識別ステップと、
ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、前記識別ステップにおいて識別されるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
撮像を行う撮像手段と、
複数のディスクフォーマットについて、各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に関する情報と、前記記憶手段に記憶された各ディスクフォーマットを示す画像に関する情報とを基に、撮像された前記画像が、1または複数のディスクフォーマットからなるディスクフォーマットグループの何れに対応するかを識別する識別手段と、
ディスクから読み出されたデータによって識別されるディスクフォーマットと、前記識別手段により識別されるディスクフォーマットグループに含まれるディスクフォーマットとが一致するか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項7】
撮像を行う撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に関する情報を基に、前記画像が示すディスクフォーマットを識別する識別手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−338768(P2006−338768A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−161216(P2005−161216)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】