ディスプレイ装置用色補償フィルムおよびディスプレイ装置用光学フィルタ
【課題】ディスプレイ装置用色補償フィルム、これを含むディスプレイ装置用フィルタ、およびディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】本発明は、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、薄膜層の一面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率でなされた第1厚膜層と、薄膜層の他面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率を有する第2厚膜層とを含むディスプレイ装置用色補償フィルムを提供する。また、本発明は、ディスプレイ装置用色補償フィルムを含むディスプレイ装置用光学フィルタを提供する。
【解決手段】本発明は、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、薄膜層の一面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率でなされた第1厚膜層と、薄膜層の他面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率を有する第2厚膜層とを含むディスプレイ装置用色補償フィルムを提供する。また、本発明は、ディスプレイ装置用色補償フィルムを含むディスプレイ装置用光学フィルタを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置用色補償フィルムおよびこれを含むディスプレイ装置用フィルタに関し、より詳細には、視野角増加による色変化量の差を減らして視野角を広げることができるディスプレイ装置用色補償フィルムおよびこれを含むディスプレイ装置用フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の高度情報化に伴い、イメージディスプレイに関する部品および機器が著しく進歩し普及している。このうち画像を表示するディスプレイ装置は、テレビ装置用やパソコンのモニタ装置用などとして著しく普及している。また、このようなディスプレイの大型化と同時に薄型化が進められている。
【0003】
一般的に、液晶表示装置(LCD)は、液晶を用いて映像を表示する平板表示装置の1つであって、他のディスプレイ装置に比べて薄くて軽い上に、低い駆動電圧および低い消費電力を有する長所があり、産業全般に渡って広く用いられている。
【0004】
図1は、LCDの基本構造と駆動原理を概念的に示す概念図である。従来のVA mode LCDを例示すれば、図1に示すように、2つの偏光フィルム110、120の光軸が互いに垂直になるように付着されており、透明電極140がコーティングされた2つの透明基板130の間に複屈折特性を示す液晶分子150を挿入/配列し、駆動電源部180によって電場を印加したときに液晶分子が電場に垂直に動いて配列される。このとき、バックライトユニットから出る光は、第1偏光フィルム120を通過した後に旋偏光となり、図1の左側に示すように、off状態の場合に液晶は基板に対して垂直配向されているため、旋偏光した光はその状態がそのまま維持され、第1偏光フィルム120と垂直である第2偏光フィルム110を通過できなくなる。一方、図1の右側に示すように、on状態の場合に液晶は電場によって基板と平行した方向に2つの直交偏光フィルム110、120の光軸の間に水平配向されており、第1偏光フィルムを介して旋偏光された光は、液晶分子を介しながら第2偏光フィルムに到達する直前に偏光状態が円編光または楕円偏光状態に変化して第2偏光フィルムを通過するようになる。電場の強度を調節すれば、液晶の配列状態は垂直配向から次第に水平方向に配向角度が変化し、このときに出る光の強度を調節することができる。
【0005】
図2は、視野角による液晶の配向状態と光透過率を示す概念図である。
【0006】
画素220内に液晶分子が一定の方向に配列されている場合に、視野角に応じて配列状態が異なるように見えるようになる。正面で右側方向210から見るときには、液晶分子の配列状態が殆ど水平配向212に見えるようになり、画面が相対的に明るく見えるようになる。画面の正面から見るとき230には、液晶分子の配列状態232が画素220内の液晶分子の配列と同じように見える。正面で左側方向250から見るときには、液晶分子の配列状態が垂直配向252に見えるようになり、画面が相対的に暗く見えるようになる。
【0007】
したがって、LCDは、視野角変化による光強度と色変化が発生し、自発光ディスプレイに比べて視野角が大きく制限される。これにより、視野角を改善するための多くの研究が進められてきた。
【0008】
図3は、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の一例を示す概念図である。
【0009】
図3を参照すれば、画素を2つの部分画素、すなわち第1画素部320と第2画素部340とに分割し、各画素部の液晶配列状態が互いに対称となるようにし、視聴者が見る方向に応じて第1画素部320における液晶の配列状態と第2画素部340における液晶の配列状態とが同時に見えるようになり、視聴者に見える光の強度はそれぞれの画素部の光の強度の合計となる。すなわち、正面で右側方向310から見るときには、第1画素部320の液晶が水平配向312に見えるし、第2画素部340の液晶が垂直配向314に見えるようになり、第1画素部320によって画面が明るく見えるようになる。これと同様に、正面で左側方向350から見るときには、第1画素部320の液晶が垂直配向352に見えるし、第2画素部340の液晶が水平配向354に見えるようになり、第2画素部340によって画面が明るく見えるようになる。正面から見るとき330には、各画素部の配列状態と同じように見えるようになる。これにより、視聴者が見るときに、画面の明るさが視野角の変化に応じて同一または類似するようになり、画面に対する垂直方向を中心に対称となる。したがって、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化の程度が改善されるようになる。
【0010】
図4は、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の他の一例を示す概念図である。
【0011】
図4を参照すれば、複屈折特性を有しており、その特性がLCDパネルにおいて画素440内の液晶分子と同じであり、液晶分子の配列状態と対称となる光学フィルム420が追加される。視聴者が見る方向に応じて、画素440内の液晶の配列状態と光学フィルム420の複屈折特性とによって液晶の配列状態が同時に見えるようになり、視聴者に示す光の強度はそれぞれによる光の強度の合計となる。すなわち、正面で右側方向410から見るときには、画素440内の液晶が水平配向414に見えるようになるし、光学フィルム420による仮想液晶が垂直配向412に見えるようになり、光の強度はそれぞれの合計となる。これと同様に、正面で左側方向450から見るときには、画素440内の液晶が垂直配向454に見えるようになるし、光学フィルム420による仮想液晶が水平配向452に見えるようになり、光の強度はそれぞれの合計となる。正面から見るとき430には、画素440内の液晶分子の配列状態と光学フィルム420の複屈折した配列状態がそれぞれ同じように見えるようになる432、434。これにより、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化という現象は改善されるが、視野角による輝度および色変化は解決すべき問題点として以前として残っている。
【0012】
図5は、図3および図4の方法を同時に適用した従来技術に係るLCDの視野角増加による発光スペクトラム変化を測定した結果を示すグラフである。図5で示すように、視野角増加に応じてスペクトラムの強度が次第に減少する。各波長領域別にその減少程度を正確に観察するために、各スペクトラムの最大値で割って正規化させれば図6のようになる。図6で示すように、視野角増加によって他の波長領域は同じであるが、400〜500nmの青色領域で正規化したスペクトラムの強度が減少することが分かる。これは、他の波長領域に比べて400〜500nmの青色領域の光が視野角増加によってスペクトラムの強度がより多く減少することを示している。したがって、視野角増加によって白色状態が青色の補色である黄色を帯びるようになり、このような色変化によって画質が低下するようになる。さらに、外光の反射によってコントラスト比が小さくなり、ディスプレイの視認性が低下するという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記した問題点を解決するために案出されたものであって、視野角増加によるスペクトラムの波長領域別の減少程度を調整して色変化を減らすことで、ディスプレイの画質を改善することができるディスプレイ装置用色補償フィルムを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、外光反射を減らしてディスプレイの明室コントラスト比を高め、上下視野角による色変化を減らすことができるディスプレイ装置用色補償フィルムを提供することを他の目的とする。
【0015】
また、本発明は、色補償フィルムを含むディスプレイ装置用フィルタを提供することをさらに他の目的とする。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、上述した技術的課題に制限されるものではなく、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者によって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚さが780nm以下であって第1屈折率N1を有する薄膜層と、薄膜層の一面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率N2を有する第1厚膜層と、薄膜層の他面に形成され、薄膜層より厚く、第3屈折率N3を有する第2厚膜層とを含む。
【0018】
本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1屈折率が第2屈折率および第3屈折率よりも低いことを特徴とする(N1<N2、N1<N3)。第1屈折率は1〜2であり、第2屈折率および第3屈折率は2〜4の範囲であると言える(1≦N1≦2、2≦N2,N3≦4)。
【0019】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1屈折率が第2屈折率および第3屈折率よりも高いことを特徴とする(N1>N2、N1>N3)。第1屈折率は2〜4であり、第2屈折率および第3屈折率は1〜2の範囲であると言える(2≦N1≦4、1≦N2,N3≦2)。
【0020】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第2屈折率と第3屈折率が互いに同一または類似したことを特徴とし、その差が1以下ではなければならない。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む(0≦|N2−N3|≦1)。
【0021】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層または第2厚膜層上に形成され、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムとをさらに含む。
【0022】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、薄膜層上に形成され、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムとをさらに含み、第1厚膜層または第2厚膜層は粘着層であることを特徴とする。このように、外光遮蔽フィルムが薄膜層上に形成された場合には、外光遮蔽フィルムが厚膜の機能を行うようになる。さらに、第1厚膜層または第2厚膜層が外光遮蔽フィルムと薄膜層を接合させる粘着層(感圧性接着剤:PSA)である場合には、粘着層が厚膜としての機能を行うことができるため、別途で第2厚膜層を形成する必要がない。
【0023】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚さが780nm以下であり、x軸とz軸方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)を有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層の一面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3でなされた第1厚膜層と、複屈折薄膜層の他面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率N4を有する第2厚膜層とを含む。上述したx軸、y軸、およびz軸については、図21を参照しながら説明する。図21に示すように、x軸は図面で左右に水平な方向であって、フィルムで各層が積層される方向を意味する。y軸は下上に垂直な方向であって、各層の一面に平行な方向を意味する。さらに、z軸は図面の地面に対して垂直な方向であって、各層の一面に平行な方向を意味する。以下、明細書および請求範囲において、x軸、y軸、およびz軸方向は図21に示すとおりであり、上述したものとそれぞれ同じ方向を指称する。
【0024】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおいて、第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも低く(N2(=Ny)<N3、N2(=Ny)<N4)、その差は1以下であり(0≦|N2−N3|≦1、0≦|N2−N4|≦1)、第1屈折率は第3屈折率および第4屈折率よりも低いことを特徴とする(N1(=Nx,Nz)<N3、N1(=Nx,Nz)<N4)。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む。
【0025】
第1屈折率は1〜2であり、第3屈折率および第4屈折率は2〜4の範囲であると言える(1≦N1≦2、2≦N3,N4≦4)。
【0026】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおいて、第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも大きく(N2(=Ny)>N3、N2(=Ny)>N4)、その差は1以下であり(0≦|N2−N3|≦1、0≦|N2−N4|≦1)、第1屈折率は第3屈折率および第4屈折率よりも高いことを特徴とする(N1(=Nx,Nz)>N3、N1(=Nx,Nz)>N4)。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む。
【0027】
第1屈折率は2〜4であり、第3屈折率および第4屈折率は1〜2の範囲であると言える(2≦N1≦4、1≦N3,N4≦2)。
【0028】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層の屈折率である第3屈折率N3と第2厚膜層の屈折率である第4屈折率N4とが互いに同一または類似することを特徴とし、その差は1以下でなければならない。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む(0≦|N3−N4|≦1)。
【0029】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層または第2厚膜層上に形成された外光遮蔽フィルムをさらに含む。外光遮蔽フィルムは、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンとを備える。
【0030】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、複屈折薄膜層上に形成された外光遮蔽フィルムをさらに含み、第1厚膜層または第2厚膜層は粘着層を含む。外光遮蔽フィルムは、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンとを備える。
【0031】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層の厚さが780nm以上であり、好ましくは780nm〜5mmである。
【0032】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、波長λが380〜500nmである青色領域の光に対して、下記の式(1)および式(2)による透過率Tの平均値が最大となるように、薄膜層または複屈折薄膜層の厚さlと、薄膜層または複屈折薄膜層の屈折率nと、第1厚膜層、第2厚膜層、薄膜層、または複屈折薄膜層の界面における反射率Rとを調節したことを特徴とする。ここで、第1厚膜層と第2厚膜層の屈折率が同じ場合であっても異なる場合であっても類似した結果が表れる。また、下記の式(2)において、nは薄膜層の屈折率nを表し、薄膜層が複屈折薄膜層の場合には、x軸とy軸によって決定されるxy平面上に入射する外部環境光(図21〜図24のII)の入射方向における屈折率を意味するが、これは入射角度に応じてx軸方向への屈折率Nxとy軸方向への屈折率Nyとの組み合わせによって決定される。例えば、外部環境光が複屈折薄膜層と垂直に(図21においてx方向)入射する場合に、nはNxとなる。
【0033】
T=(1−R)2/(1+R2−2Rcosδ) ・・・(1)
【0034】
δ=(2π/λ)2nlcosθ(0゜≦θ≦80°) ・・・(2)
【0035】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、波長が380〜500nmである青色領域の光に対する透過率が、光の入射角が0度から80度に増加することよって増加することを特徴とする。
【0036】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、波長が500〜780nmである緑および赤色領域の光に対する透過率が、光の入射角が0度から80度に増加することによって減少することを特徴とする。
【0037】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、380〜780nmの波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.5〜0.9であることを特徴とする。
【0038】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの少なくとも1つの厚膜層がガラスを含むことを特徴とする。
【0039】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層が透明基板であり、残りの厚膜層は粘着層であることを特徴とする。
【0040】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層が反射防止フィルムであり、残りの厚膜層は粘着層であることを特徴とする。
【0041】
本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、上述した色補償フィルムのうちのいずれか1つを含む。色補償フィルムの一面には反射防止フィルムが形成されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射防止フィルムが色補償フィルムの両面に形成される場合もある。色補償フィルムは、i)厚さが780nm以下であって第1屈折率N1を有する薄膜層と、ii)薄膜層の一面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率N2でなされた第1厚膜層とを含む。
【0042】
ディスプレイ装置用光学フィルタは、iii)薄膜層の他面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3を有する第2厚膜層をさらに含むことができる。第1屈折率N1、第2屈折率N2、および第3屈折率N3の相互間の大きさの関係は、上述した本発明のディスプレイ装置用色補償フィルムに関して説明したとおりであるため、重複する説明は省略する。また、フィルタにおいて、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層は透明基板であり、残りの厚膜層は薄膜層と反射防止フィルムを接着させるための粘着層であると言える。透明基板は、強化ガラスまたは柔軟なプラスチック基板を含むことを特徴とする。また、反射防止フィルムは、反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0043】
本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、色補償フィルムの一面または両面に形成された反射防止フィルムを含む。色補償フィルムは、透明基板の他面に形成され、i)厚さが780nm以下であってx軸とz軸の方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)を有する複屈折薄膜層と、ii)複屈折薄膜層の一面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3でなされた第1厚膜層とを含む。
【0044】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、i)複屈折薄膜層と、ii)第1厚膜層との他に、iii)複屈折薄膜層の他面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率N4を有する第2厚膜層とをさらに含む色補償フィルムを含むことができる。第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層が透明基板であり、残りの厚膜層は薄膜層と反射防止フィルムを接着させるための粘着層であることを特徴とする。透明基板は、強化ガラスまたは柔軟なプラスチック基板を含むことを特徴とする。また、反射防止フィルムは、反射率が2%以下であることを特徴とする。第1屈折率N1、第2屈折率N2、第3屈折率N3、および第4屈折率N4の相互間の大きさの関係は、上述して説明したとおりであるため、重複さする説明は省略する。また、x軸、y軸、およびz軸については、上述して説明したものと同じであり、以下でも同じ意味を有する。
【0045】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸およびz軸方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)とを有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層上に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率N3でなされた第1厚膜層とを含む。透明基板は、第2厚膜層の機能を行うことができる。本発明のさらに他の一実施形態によれば、透明基板は、ディスプレイ装置用フィルタの構成から除外される場合があるが、このときには外光遮蔽フィルムが第2厚膜層の機能を行うようになる。また、本発明のさらに他の一実施形態において、透明基板の代わりに外光遮蔽フィルムと薄膜層を接合させる粘着層が用いられる場合があるが、このときには粘着層が第2厚膜層としての機能を行うようになる。
【0046】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、透明基板の他面に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、外光遮蔽フィルムの一面に形成されたディスプレイ装置用色補償フィルムとを含む。ディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚さが780nm以下であり、x軸およびz軸方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)を有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層の一面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3でなされた第1厚膜層と、複屈折薄膜層の他面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率N4を有する第2厚膜層とを含む。透明基板は強化ガラスを含んでおり、反射防止フィルムは反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0047】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、薄膜層上に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率でなされた第1厚膜層と、透明基板の一面に形成された反射防止フィルムとを含む。透明基板は強化ガラスを含んでおり、反射防止フィルムは反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0048】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、薄膜層および透明基板の間に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率を有する第2厚膜層をさらに含む。
【0049】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率とを有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層上に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第1屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率でなされた第1厚膜層とを含む。透明基板は強化ガラスを含んでおり、反射防止フィルムは反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0050】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、複屈折薄膜層および透明基板の間に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率を有する第2厚膜層をさらに含む。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、視野角増加による特定波長領域のスペクトラムの減少を緩和させることで、すべての可視光線波長領域に対するスペクトラムの減少率を同等ないし類似させて色変化を減らすことができる。これによってディスプレイの画質が改善する。
【0052】
また、本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚膜と薄膜との間の屈折率差を減らし、厚膜と薄膜の界面における外光反射を減少させることができる。
【0053】
また、本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの外光遮蔽フィルムは、外光を吸収することで外光反射を追加的に減少させることができ、複屈折薄膜を用いることで色補償効果の減少を補完することができる。
【0054】
また、本発明のディスプレイ装置用光学フィルタによれば、外部衝撃および外光の反射を防ぐことができ、視野角の変化による色変化を大きく減らすことができる。
【0055】
さらに、本発明のディスプレイ装置用光学フィルムが設置されたディスプレイ装置は、視野角による色変化が減少して優れた画質のカラー映像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムおよびこれを含むディスプレイ装置用光学フィルタについて詳細に説明する。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0058】
図7を参照すれば、光学フィルタ700は、透明基板720と、色補償フィルム740と、反射防止フィルム760とを含む。ディスプレイ装置の具体的な種類に応じて、光学フィルタ内に明室コントラスト比向上フィルム、電磁波遮蔽フィルム、ネオン光遮蔽フィルム、光拡散フィルムなどの他の機能性フィルムを含むことができる。
【0059】
透明基板720の一面に反射防止フィルム760が形成され、透明基板720の他面に色補償フィルム740が形成される。本発明は、このような積層順に限定されるものではないが、光学フィルタ700がディスプレイ装置に装着されたときに視聴者側になる面に反射防止フィルム760が形成されることが効率的である。反射防止フィルム760は、視聴者方向から入射する外部環境光が再び外部に反射することを防ぎ、ディスプレイのコントラスト比を向上させる。反射防止フィルム760は、反射率が2%以下であることが好ましい。ガラス表面の反射率が4%であるため、反射防止フィルム760の反射率が2%よりも大きい場合には、反射防止フィルムを用いない場合と大きな差がないためである。
【0060】
透明基板720の材料としては、ガラス、石英などの無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物を挙げることができる。有機高分子成形物でなされた透明基板720としては、アクリルやポリカーボネートを用いることができるが、本発明はこのような例に限定されるものではない。透明基板720は、高透明性と耐熱性を有するものが好ましく、高分子成形物および高分子成形物の積層体を用いることもできる。透明基板720の透明性については、可視光線透過率が80%以上であることが有利であり、耐熱性については、ガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。透明基板720として強化ガラスを用いることは、外部衝撃に対する防止および透明性の面において好ましい。
【0061】
色補償フィルム740は、第1厚膜層744と、薄膜層742と、第2厚膜層746とを含む。薄膜層724は、第1厚膜層744および第2厚膜層746のの間に形成され、薄膜層724の厚さは可視光線の波長領域よりも小さいか同じことを特徴とする。したがって、薄膜層724の厚さは780nm以下である。薄膜層724の厚さが780nmよりも大きければ、可視光領域において補強および相殺干渉が起こらないためである。
【0062】
一方、第1厚膜層744および第2厚膜層746は、薄膜層724よりも厚さが大きいことを特徴とし、厚膜層744、746の厚さは780nmよりも大きく、数mmに至る場合もある。第1厚膜層744と第2厚膜層746の厚さは同じであり、色補償フィルム740は対称的な構造を有することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
薄膜層724は第1屈折率、第1厚膜層744は第2屈折率、第2厚膜層746は第3屈折率を有する物質である。第1屈折率は、第2屈折率および第3屈折率よりも低い場合もあるし高い場合もある。
【0064】
本実施形態において、色補償フィルム740は、高屈折率の厚膜層の間に低屈折率の薄膜層が形成されて製造されるようになり、第1厚膜層744および第2厚膜層746の屈折率は2〜4であり、薄膜層742の屈折率は1〜2である。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、透過率および反射率を調節するために屈折率を多様に変形することができる。
【0065】
以下、図8を参照しながら、色補償フィルムにおける光の反射および透過過程について説明する。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおける光の反射および透過を示す概念図である。
【0067】
色補償フィルム800の中央には薄膜層820があり、薄膜層820の両面には第1厚膜層860および第2厚膜層840が形成されている。ここで、薄膜層820の屈折率をnとし、第1厚膜層860および第2厚膜層840の屈折率をntとする。本実施形態では、第1厚膜層860および第2厚膜層840の屈折率が同じであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
第1厚膜層860はパネル方向であり、第2厚膜層840は視聴者方向である。パネルから薄膜層に入射した薄膜層入射光880は、第1厚膜層860と薄膜層820の界面において、屈折率の差により、一部は屈折しながら透過するし、一部は反射するようになる。界面に対する法線と入射光880とがなす角度をθtとし、屈折して薄膜層の内部に透過する薄膜層内部への透過光881が法線となす角度をθとする。薄膜層内部への透過光881は、再び薄膜層820と第2厚膜層840の界面において、一部は屈折しながら第2厚膜層を透過する薄膜層透過光882となるし、一部は反射して薄膜層内で薄膜層の内部反射光883となる。このとき、薄膜層透過光882が薄膜層820と第2厚膜層840の界面に対する法線となす角度は、薄膜層820と第2厚膜層840の屈折率の差によって決定される。本実施形態では、第1厚膜層860と第2厚膜層840の屈折率が同じであるため、薄膜層透過光882が薄膜層820と第2厚膜層840の界面に対する法線となす角度はθtである。角度θtは、スネル(snell)の法則により、式(5)のように、パネルから出たパネル入射光889が色補償フィルムに入射する角度θOと厚膜層の屈折率nt、空気の屈折率nO(=1)で表現される。パネルから出たパネル入射光889が色補償フィルムを含んだディスプレイ装置用フィルタを透過して最終的に放出された光の透過角は、スネルの法則によって入射角θOと同じであり、結局は各θOが視聴者が見る視野角に該当する。
【0069】
各界面における反射率は、下記の式(3)および式(4)のとおりである。ここで、Rpはp偏光した光が反射した場合、Rsはs偏光した光が反射した場合の反射率である。
【0070】
Rp=[(ntcosθ−ncosθt)/(ntcosθ+ncosθt)]2
・・・(3)
【0071】
Rs=[(ncosθ−ntcosθt)/(ncosθ+ntcosθt)]2
・・・(4)
【0072】
ntsinθt=nOsinθO ・・・(5)
【0073】
反射率RpとRsは、それぞれ薄膜層と厚膜層の屈折率n、nt、および入射角θtと屈折角θによって変化することが分かる。
【0074】
前記した式(1)において、反射率Rは、式(3)のRpと式(4)のRsの平均である。
【0075】
薄膜層の内部反射光883は、再び界面にて、一部は屈折しながら透過して薄膜層反射光887となるし、一部は反射して再び薄膜層の内部反射光884となり、このような過程が繰り返される。
【0076】
前記した式(1)における透過率Tは、薄膜層透過光882による透過率T1と薄膜層透過光885による透過率T2との合計となる。図8では屈折光を2つだけ示しているが、界面にて反射および屈折は繰り返し継続して起こるようになり、このような屈折光による透過率の総合が全体透過率Tである。
【0077】
界面における反射率であるRも、薄膜層反射光887による反射率R1と薄膜層反射光888による反射率R2との合計となる。同じように、図8では反射光を2つだけ示しているが、界面にて反射して出るすべての反射光による反射率の総合が全体反射率Rである。
【0078】
第1厚膜層860、薄膜層820、および第2厚膜層840による2つの界面によって光が多重反射する過程において、干渉による波長によって透過率に変化を与える場合がある。薄膜層透過光882、885の位相差をδとすれば、δは前記した式(2)のように表現される。δは、薄膜層820の屈折率n、厚さl、屈折角θ、波長λによって決定される。最大透過率は、それぞれの薄膜層透過光882、885の間の光路長さの差が波長の整数倍であるときに到達する。
【0079】
図9は、本実施形態に係る図7のディスプレイ装置用光学フィルタにおいて、光の波長およびフィネスによる透過率の変化を示すグラフである。
【0080】
位相差によって補強干渉が起こる場合もあるし、相殺干渉が起こる場合もある。薄膜層820の屈折率nと厚さlが定まれば、波長に応じて透過率が図9に示すように異なって表れる。
【0081】
フィネスFは、下記の式(6)のように定義される。
【0082】
F=π/(2arcsin(1/f1/2)) ・・・(6)
【0083】
前記した式(6)において、fはフィネス係数と言い、下記のように定義される。ここで、Rは反射率である。
【0084】
f=4R/(1−R)2 ・・・(7)
【0085】
図9のように、フィネスが高ければ(F=10)透過ピークは狭くて鋭く、最小透過率としてより小さい値を有する。フィネスと反射率との関係は、図10のグラフのとおりである。したがって、反射率Rを調節することによって、透過ピークの幅Δλと最小透過率とを調節することができる。図9によれば、可視光線波長領域全体において最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9の範囲内であるためには、フィネスが小さくなければならず、これは反射率が高くないべきであることを意味する。反射率は、前記した式(3)、式(4)、および式(5)から、薄膜層と厚膜層の屈折率n、ntと視野角θOに応じて変わることが分かる。したがって、特定の視野角θOに対して薄膜層と厚膜層との屈折率n、ntを調節すれば、反射率を決定することができる。また、特定の波長範囲に対して薄膜層の屈折率nと厚さlが定まれば、位相差δが決定される。この場合に、屈折角θは、薄膜層と厚膜層の屈折率n、ntと視野角θOとが定まれば自動的に定まる値である。したがって、前記した式(1)に示すように、反射率Rと位相差δが定まれば、透過率Tが決定するようになる。すなわち、薄膜層と厚膜層の屈折率n、ntおよび薄膜層の厚さlを選択することによって、特定の視野角および特定の波長の光に対する透過率を調節できるようになるのである。例えば、薄膜層の厚さを780nm以下から選択し、薄膜層の屈折率を1〜2、厚膜層の屈折率を2〜4の範囲で決定し、大きい視野角範囲で特定の波長領域の光に対する透過率を増加できるようになる。また、これとは反対に、薄膜層の屈折率が2〜4、厚膜層の屈折率が1〜2のように、薄膜層の屈折率が厚膜層の屈折率よりも高い場合にも同じ効果を示すことができるようになる。
【0086】
このように、多重ビーム干渉を用いて視野角が大きくなることによって、青色波長領域(380〜500nm)において光の強度が相対的に多く減少するという特性を補償することができる。すなわち、視野角が約60度のように大きい範囲であるときに、青色波長領域では補強干渉が起きて透過率が増加するようにし、緑色および赤色波長領域では相殺干渉が起きて透過率が減少するようにすることで、視野角が大きいときにもすべての波長領域において光の強度減少率が同一ないし類似するようにし、青色領域における不均衡を補償する。このように、本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムを用いれば、視野角の変化による色変化を最小化することができる。
【0087】
図14は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。ディスプレイ装置用色補償フィルムおよび光学フィルタに関して、上述した内容と重複する説明は省略する。
【0088】
図14を参照すれば、ディスプレイ装置用フィルタ1400は、透明基板1420の一面に反射防止フィルム1460が形成され、透明基板1420の他面に色補償フィルム1440が形成される。色補償フィルム1440は、第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の間に薄膜層1442を形成することによって製造される。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は、薄膜層1442の屈折率よりも低い。すなわち、低屈折率の厚膜層の間に高屈折率の薄膜層が形成されることで色補償フィルムが形成されるのである。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は1〜2であり、薄膜層1442の屈折率は2〜4である。厚膜層1444、1446のうちの少なくとも1つは、ガラスを含むことができる。強化ガラスの場合は、屈折率が約1.5であるため、透明基板1420として強化ガラスを用いる場合には、透明基板1420と接触して形成された第2厚膜層1446を光学フィルタ700の構成から除くこともできる。
【0089】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0090】
図15を参照すれば、ディスプレイ装置用光学フィルタ1500は、透明基板1520の一面に反射防止フィルム1560が形成され、透明基板1520の他面に高屈折率を有する薄膜層1542と低屈折率を有する厚膜層1544とが形成される。上述したように、透明基板1520が厚膜層の役割を行うことができる。この場合には、製造工程上、費用を節減できるという長所を有する。
【0091】
図21は、本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0092】
図21を参照すれば、光学フィルタ2100は、透明基板2120と、外光遮蔽フィルム2140と、色補償フィルム2160と、反射防止フィルム2180とを含む。ディスプレイ装置の具体的な種類に応じて、光学フィルタ内に電磁波遮蔽フィルム、ネオン光遮蔽フィルム、光拡散フィルムなどの他の機能性フィルムを含むことができる。
【0093】
透明基板2120の一面には反射防止フィルム2180が形成され、透明基板2120の他面には外光遮蔽フィルム2140および色補償フィルム2160が形成される。本発明がこのような積層順に限定されるものではないが、光学フィルタ2100がディスプレイ装置に装着されたときに視聴者側となる面に反射防止フィルム2180が形成されることが効率的である。反射防止フィルム2180は、視聴者方向から入射する外部環境光IIが再び外部に反射することを防ぎ、ディスプレイのコントラスト比を向上させる。反射防止フィルム2180は、反射率が2%以下であることが好ましい。透明基板2120としてガラス基板を用いる場合には、ガラス表面の反射率が4%であるため、反射防止フィルム2180の反射率が2%よりも大きい場合は、反射防止フィルムを用いない場合と大きな差がないためである。
【0094】
透明基板2120の材料としては、ガラス、石英などの無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物を挙げることができる。有機高分子成形物でなされた透明基板2120としては、アクリルやポリカーボネートを用いることができるが、本発明がこのような例に限定されるものではない。透明基板2120は、高透明性と耐熱性を有することが好ましく、高分子成形物および高分子成形物の積層体を用いることもできる。透明基板2120の透明性については、可視光線透過率が80%以上であることが有利であり、耐熱性については、ガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。透明基板2120として強化ガラスを用いることが、外部衝撃に対する防止および透明性の面において好ましい。
【0095】
外光遮蔽フィルム2140は、透明樹脂材質の基材2142と、基材2142の一面に形成された外光遮蔽パターン2144とを含む。本実施形態において、外光遮蔽パターン2144の断面形状は楔形であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、楔形の他に長方形、台形、半輪形、U字形などの形状を有することもできる。
【0096】
外光遮蔽パターン2144は、基材2142の一面に形成された陰刻パターンに光吸収物質が充填されることで形成される。光吸収物質としては、カーボンブラックなどの黒色物質を用いることができる。
【0097】
外光遮蔽フィルム2140は、外光を吸収してパネルアセンブリに外部環境光IIが流入することを防ぎ、パネルアセンブリから放出されるパネル入射光Iを視聴者側に透過および全反射する役割を行う。したがって、可視光線に対する高い通過率と高いコントラスト比を得ることができる。これだけでなく、本発明に係る外光遮蔽フィルム2140は、光吸収物質とシルバーペーストのような導電性物質が同時に充填されることによって、光学フィルタ2100の電磁波遮蔽機能を補完することもできる。
【0098】
基材2142の一面に平行した外光遮蔽パターン2144の底面は、パネル入射光Iが入射するパネル方向に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外光遮蔽パターン2144の底面は、外部環境光IIが入射する視聴者方向を向く場合もあるし、基材2142の両面すべてに形成される場合もある。
【0099】
外光遮蔽パターン2144の屈折率は、基材2142の屈折率との差が0.5以下であることを特徴とすることができる。基材2142の屈折率よりも低い場合には、外光遮蔽パターン2144の屈折率は、基材2142の屈折率よりも0.01〜0.5の範囲で低い場合がある。屈折率の差がこの範囲内であるときには、パネルから入射する映像は全反射され、ディスプレイ画面に出射する効率が高くなり、外部環境光IIの吸収効率が高まるようになる。特に、外光遮蔽パターン2144の屈折率は、基材2142の屈折率よりも0.01〜0.5のように小さい値を有することで、外光遮蔽フィルム2140は、外部環境光IIの反射よりは吸収による遮蔽を主な機能として発揮する。
【0100】
色補償フィルム2160は、複屈折薄膜層2162と、第1厚膜層2164と、第2厚膜層2166とを含む。複屈折薄膜層2162は、第1厚膜層2164および第2厚膜層2166の間に形成され、複屈折薄膜層2162の厚さは可視光線の波長領域よりも小さいか同じであることを特徴とする。したがって、複屈折薄膜層2162の厚さは780nm以下である。複屈折薄膜層2162の厚さが780nmよりも大きければ、可視光領域において補強および相殺干渉が起こらないためである。
【0101】
一方、第1厚膜層2164および第2厚膜層2166は、複屈折薄膜層2162よりも厚さが大きいことを特徴とし、厚膜層2164、2166の厚さは780nmよりも大きく、数mmに至る場合ができる。図1に示すように、第1厚膜層2164と第2厚膜層2166の厚さが同じであり、色補償フィルム2160が対称的な構造を有することができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、粘着層が第1厚膜層2164または第2厚膜層2166に含まれることもできる。粘着層は、一般的に屈折率が約1.5の値を有し、厚さも数マイクロメートル単位である。したがって、厚膜層を別途の層で形成せずに、ディスプレイパネルとフィルタとの間を直接付着するために、またはフィルタを構成するフィルムを互いに付着するために粘着層を形成することによって、粘着層が厚膜層の機能を代わりに行うようにもできる。このような場合には、製造費用を節減できるだけでなく、フィルタの厚さを減少することもでき、パネル入射光Iの透過率を高めることもできる。
【0102】
複屈折薄膜層2162は、複屈折薄膜層の一面に対する法線方向である水平方向(図21でx方向)、および薄膜層の一面に平行な方向(図21でz方向)の第1屈折率(Nx=Nz=N1)、および複屈折薄膜層の一面に平行な垂直方向(図21でy方向)の第2屈折率(Ny=N2)を有する。第1厚膜層2164は第3屈折率N3、第2厚膜層2166は第4屈折率N4を有する物質である。第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率との差が1以下でありながらもより低い値を有し、第1屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも低い。すなわち、薄膜層が低屈折率を有して厚膜層が高屈折率を有することで、光の波長による選択的な補強および相殺干渉によって色補償効果を得るようになる。
【0103】
また、他の実施形態として、第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率との差が1以下でありながらもより大きい値を有し、第1屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも大きくなる場合がある。すなわち、薄膜層が高屈折率を有し、厚膜層が低屈折率を有する場合にも、光の波長による選択的な補強および相殺干渉によって色補償効果を得ることができる。しかしながら、いずれの場合においても、複屈折薄膜層2162のy方向の屈折率である第2屈折率(Ny=N2)は、厚膜層の屈折率である第3屈折率および第4屈折率との差が1以下のように小さくなければならない。その理由は下記のとおりである。
【0104】
視野角変化による色変化を最小化するために、厚膜層と薄膜層の屈折率を異なるようにすれば、屈折率の差による外光反射によって明室コントラスト比が減少するようになる。反射防止フィルム2180は、空気層と透明基板2120との間の反射を低めるだけで、薄膜層および厚膜層の界面で起こる反射を低めることはできない。したがって、このような厚膜層と薄膜層の屈折率の差による外光反射を減らすために、薄膜層として方向に応じて屈折率が異なる複屈折物質を用いる。外部環境光II、すなわち外光は、一般的にパネルと視聴者との上部に存在し、斜めに上から入射するようになるため、薄膜層が積層される方向に対して垂直である方向(y方向)の屈折率を厚膜層の屈折率との差が1以下として小さく出るように複屈折物質で薄膜層を構成する。このような複屈折薄膜層2162の導入は、外光反射を減らすのに効果的である。薄膜層が複屈折物質ではない場合には、青色および赤色領域の波長において反射率が20%に至るようになるが、本発明においては、薄膜層が積層される方向に対して垂直である方向(y方向)の屈折率と厚膜層の屈折率との差を減らすことによって、外光反射率を減少させることができるようになる。
【0105】
しかしながら、y方向の屈折率と厚膜層の屈折率との差を減らすようになれば、上下視野角変化による色変化を補償する機能を低下させる恐れがある。このような問題点は、視聴者方向の厚膜層である第2厚膜層2166の一面に外光遮蔽フィルム2140を付着することによって解決することができる。上述したように、外光遮蔽フィルム2140は、外光を遮断して外光反射をより減らすことができ、基材2142と外光遮蔽パターン2144との間の屈折率の差によって一定の角度以上で発生する全反射効果で、パネルから様々な角度で発光した光が混合し、視野角の変化による色変化をより一層減らすことができる。
【0106】
複屈折薄膜層2162の第2屈折率の大きさは、第3屈折率および第4屈折率よりも1以下の範囲で大きい場合もあるし、これとは反対に、1以下の範囲で小さい場合もある。また、本発明は、複屈折薄膜層2162の第2屈折率の大きさが第1厚膜層2164の第3屈折率および第2厚膜層2166の第4屈折率の大きさと同じ場合を含む。
【0107】
一方、複屈折薄膜層2162のx軸方向およびz軸方向の屈折率である第1屈折率(Nx=Nz=N1)は、厚膜層の屈折率である第3屈折率N3および第4屈折率N4よりも高い場合もあるし低い場合もある。第1屈折率N1の大きさは、第3屈折率および第4屈折率よりも1より大きい範囲で大きい場合もあるし小さい場合もある。
【0108】
第1屈折率は2〜4であり、第3屈折率および第4屈折率は1〜2の範囲である場合がある。これとは反対に、第1屈折率は1〜2であり、第3屈折率および第4屈折率は2〜4の範囲である場合もある。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、透過率および反射率を調節するために屈折率を多様に変形することができる。
【0109】
図22は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0110】
図22を参照すれば、光学フィルタ2200は、透明基板2220と、外光遮蔽フィルム2240と、色補償フィルム2260と、反射防止フィルム2280とを含む。透明基板2220の一面に外光遮蔽フィルム2260が配置され、透明基板2220の他面に色補償フィルム2260が配置される。本実施形態において、色補償フィルム2260は、複屈折薄膜層2262および第1厚膜層2264でなされているが、これは透明基板2220が厚膜層としての機能を行うことができるためである。透明基板2220として強化ガラスを用いる場合に、強化ガラスの屈折率は約1.5であるため、透明基板2220が低屈折率を有する厚膜層としての役割を行うようになる。このような場合には、製造費用を節減できる上に、フィルタの厚さを減少できるという長所がある。また、上述した他の実施形態で説明したように、透明基板2220や第1厚膜層2264として粘着層を用いることもでき、透明基板が柔軟なプラスチック基板であって第1厚膜層が粘着層である場合は、ディスプレイパネルに直接付着することが可能である。このような場合には、製造費用を節減できる上に、ディスプレイセットの厚さを減少できるという長所がある。さらに、本実施形態でも、複屈折薄膜層2262の一面に平行な方向(図22でy方向)への第2屈折率は、第1厚膜層の第3屈折率との差が1以下でなければならない。透明基板2220、外光遮蔽フィルム2240、および反射防止フィルム2280に関する具体的な内容は、上述した実施形態と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0111】
図23は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0112】
図23を参照すれば、光学フィルタ2300は、外光遮蔽フィルム2340と、色補償フィルム2360と、反射防止フィルム2380とを含む。外光遮蔽フィルム2340の一面に色補償フィルム2360が配置され、外光遮蔽フィルム2340の他面に反射防止フィルム2380が配置される。本実施形態において、色補償フィルム2360は、複屈折薄膜層2362および第1厚膜層2364でなされているが、これは外光遮蔽フィルム2340が厚膜層としての機能を行うことができるためである。また、上述した実施形態で説明したように、第1厚膜層2264として粘着層を用いることもでき、外光遮蔽フィルム2340は透明基板としての役割も実行できるようになり、ディスプレイパネルに直接付着することが可能である。このような場合には、製造費用を節減できる上に、ディスプレイセットの厚さを減少できるという長所がある。本実施形態でも、複屈折薄膜層2362の一面に平行方向(図23でy方向)への第2屈折率は、第1厚膜層の第3屈折率との差が1以下でなければならない。外光遮蔽フィルム2340、色補償フィルム2360、および反射防止フィルム2380に関する具体的な内容は、上述した実施形態と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0113】
図24は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0114】
図24を参照すれば、光学フィルタ2400は、複屈折薄膜層2460と、厚膜層2420と、反射防止フィルム2480とを含む。複屈折薄膜層2460の一面に厚膜層2420が配置され、複屈折薄膜層2460の他面に反射防止フィルム2480が配置される。反射防止フィルム2480は、厚膜層としての機能を行うようになる。本実施形態でも、複屈折薄膜層2460の一面に平行な方向(図24でy方向)への第2屈折率は、第1厚膜層の第3屈折率との差が1以下でなければならない。厚膜層2420は粘着層でなされることもでき、ディスプレイパネルに直接付着することが可能である。このような場合には、製造費用を節減できる上に、ディスプレイセットの厚さを減少できるという長所がある。複屈折薄膜層2460、厚膜層2420、および反射防止フィルム2480に関する具体的な内容は、上述した実施形態と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0115】
また、図示してはいないが、本発明のさらに他の実施形態では、複屈折薄膜層の一面には第1厚膜層が、他面には第2厚膜層または透明基板が配置される場合がある。複屈折薄膜層が低屈折率層であり、第1厚膜層および第2厚膜層が高屈折率層の場合、およびこれとは反対に、複屈折薄膜層が高屈折率層であり、第1厚膜層および第2厚膜層が低屈折率層の場合を含む。この場合にも、複屈折薄膜層は、y軸方向への屈折率Nyがx軸およびz軸方向への屈折率(Nx=Nz)と互いに異なる値を有し、NyとNzとの大きさの差が1以下でなければならない。このような色補償フィルムを含むディスプレイ装置用光学フィルタは、視野角による色変化が小さいだけでなく、外光の反射を減らすという効果がある。
【0116】
整理すれば、本実施形態に係る光学フィルタは、2つの厚膜層の間に複屈折薄膜層を含み、厚膜層と複屈折薄膜層の屈折率の大きさと薄膜層の厚さで波長領域による透過率を調節し、色補正機能および反射防止機能を実行することができる。また、2つの厚膜層のうちの視聴者方向の厚膜層の一面に外光遮蔽フィルムを形成することで、上下視野角による色変化を減少させ、外光の反射率をより低め、ディスプレイの明室コントラスト比および画質を高めることができる。このような本実施形態に係る光学フィルタは、ディスプレイ装置において、パネルから入射するカラー映像に対する色補正のために、視聴者に向かう側、すなわちパネルの前面に配置されることが好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタがパネルの前面から所定の間隔を置いて配置されることもできるし、パネルに直接付着することもできる。さらに、フィルタは、LCDのバックライトユニット(BLU)およびパネルの間に配置されることもできる。
【0117】
以下、本発明に係るディスプレイ装置用光学フィルタを用いることができるディスプレイ装置について説明する。
【0118】
図20は、本発明のディスプレイ装置用光学フィルタを用いることができるディスプレイ装置のうち、LCDの構造を概念的に示す断面図である。図20を参照すれば、LCD装置2000は、バックライトアセンブリ2020と、第1光学フィルタ2040と、パネルアセンブリ2060と、第2光学フィルタ2080とを含む。バックライトアセンブリ2020は、エッジタイプやフラットタイプなどがあり、エッジタイプの場合には導光板が含まれる。第1光学フィルタ2040には、バックライトから出光した光を集束する集光シートと、光を拡散させる拡散シートなどの様々な機能層が含まれる。パネルアセンブリ2060は、上部基板2064、下部基板2066、および液晶層2062を含み、液晶層2062は、上部基板2064と下部基板2066との間に配置されてカラー映像を表示する。
【0119】
第2光学フィルタ2080は、本発明に係るディスプレイ装置用光学フィルタであって、図7、図14、または図15に示すように、2つの厚膜層の間に薄膜層が形成され、厚膜層と薄膜層との屈折率の差および薄膜層の厚さによって波長領域による透過率を調節することができる光学フィルタである。このように、本発明に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、ディスプレイ装置においてパネルから入射するカラー映像に対する色補正のために、視聴者に向かう側、すなわちパネルの前面に配置されることが好ましい。しかしながら、上述したように、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタがパネルの前面から所定の間隔を置いて配置されることもできるし、パネルに直接付着することもできる。さらに、フィルタは、LCDのバックライトユニットおよびパネルの間に配置されることもできる。
【0120】
より具体的に説明すれば、第2光学フィルタ2080は、パネルアセンブリ2060の上部に位置する下部厚膜層、下部厚膜層上に形成された薄膜層、および薄膜層上に形成された上部厚膜層でなされた構造を有したり、上部厚膜層および薄膜層だけでなされた構造を有したりするが、後者の場合には、パネルアセンブリ2060の上部基板2064が下部厚膜層の役割を代わりに行うようになる。
【0121】
また、本発明の他の実施形態に係る第2光学フィルタ2080は、上部厚膜層なく、空気層がその役割を代わりに行うこともできる。すなわち、第2光学フィルタ2080は、上部基板2064上に形成されて低屈折率を有する下部厚膜層、および下部厚膜層上に形成されて下部厚膜層よりも屈折率が大きい薄膜層だけでなされることができる。したがって、薄膜層は空気に露出し、薄膜層上の空気層が低屈折率を有する上部厚膜層の役割を行うことができる。
【0122】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、液晶層2062上に下部厚膜層および薄膜層が順に積層され、薄膜層上に上部基板2064が形成されることによって、上部基板2064が上部厚膜層としての役割を行うことができる。
【0123】
このように、第2光学フィルタ2080の具体的な構成は、多様な実施形態で表すことができるが、高屈折率を有する2つの層の間に低屈折率を有する層を挿入したり、これとは反対に、低屈折率を有する2つの層の間に高屈折率を有する層を挿入したりすることで、表れる効果はすべて同一または類似する。
【0124】
以下、LCDパネルの前面に本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムを含むディスプレイ装置用光学フィルタを付着して透過率および色変化量を測定した結果について説明する。
【0125】
<測定結果1>
図7に示すように、第1厚膜層744および第2厚膜層746の間に薄膜層742を形成して色補償フィルム740を設計した。第1厚膜層744および第2厚膜層746の屈折率は2.5、厚さは1mmであり、薄膜層742の屈折率は1.5、厚さは190nmである。
【0126】
図11は、色補償フィルム740の視野角変化による透過率を示すグラフである。視野角増加により、青色波長の一部領域(380nm〜460nm)では透過率が増加し、緑色および赤色波長の一部領域(540nm〜780nm)では透過率が減少することが分かる。したがって、上述したように、視野角増加によって青色波長領域で起こる急激なスペクトラム減少率を緩和させ、緑色および赤色波長領域ではスペクトラム減少率を増加させることで、全体可視光線波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が同一ないし類似するように調節することができる。
【0127】
また、色補償フィルム740は、380〜780nmの全体可視光線領域の波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9である。すなわち、図11に示すように、全体波長領域において最大透過率が1であるときに、最小透過率は約0.8を示す。
【0128】
図12は、色補償フィルム740の視野角増加による正規化したスペクトラムの変化を示している。青色領域だけでなく、全体波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が殆ど同じであることが分かる。これは、視野角増加による色変化が殆ど消えたことを示している。
【0129】
図13は、視野角増加による色座標(CIE 1976 L u’ v’)の変化(Δu’ v’)に対するグラフである。このグラフにおいて、横軸は水平角度、すなわち視野角を示す。図13から、色補償フィルムがある場合の色変化量が色補償フィルムがない場合に比べて大きく減少することが分かる。
【0130】
<測定結果2>
図14に示すように、第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の間に薄膜層1442を形成して色補償フィルム1440を製造した。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は1.5、厚さは2mmであり、薄膜層1442の屈折率は2.5、厚さは209nmである。
【0131】
図16は、色補償フィルム1440の視野角変化による透過率を示すグラフである。視野角増加により、青色波長の一部領域(420nm〜460nm)では透過率が増加し、緑色および赤色波長の一部領域(520nm〜660nm)では透過率が減少することが分かる。したがって、上述したように、視野角増加によって青色波長領域で起こる急激なスペクトラム減少率を緩和させ、緑色および赤色波長領域ではスペクトラム減少率を増加させることで、全体可視光線波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が同一ないし類似するように調節することができる。
【0132】
同様に、色補償フィルム1440は、380〜780nmの全体可視光線領域の波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9である。すなわち、図16に示すように、全体波長領域において最大透過率が1であるとき、最小透過率は0.7〜0.9の値を有する。
【0133】
図17は、色補償フィルム740の視野角増加による正規化したスペクトラムの変化を示している。青色領域だけではなく、全体波長領域で視野角増加によるスペクトラムの減少率が殆ど同じであることが分かる。これは、視野角増加による色変化が殆ど消えたことを示している。
【0134】
図18は、視野角増加による色座標(CIE 1976 L u’ v’)の変化(Δu’ v’)に対するグラフである。このグラフにおいて、横軸は水平角度、すなわち視野角を示す。図18から、色補償フィルムがある場合の色変化量が色補償フィルムがない場合に比べて大きく減少することが分かる。
【0135】
<測定結果3>
前記した測定結果は、視野角増加によるスペクトラム減少量の程度が青色波長領域において相対的に大きい場合に、これを改善することができる色補償フィルムに対する結果を示している。しかしながら、これとは反対に、視野角増加によって赤色波長領域においてスペクトラム減少量の程度が相対的に大きく表れるLCDが存在する場合もある。このような場合にも、本発明によって適合な色補償フィルムの製造が可能である。
【0136】
図14に示すように、第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の間に薄膜層1442を形成して色補償フィルム1440を製造した。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は1.5、厚さは2mmであり、薄膜層1442の屈折率は2.5、厚さは170nmである。
【0137】
図19は、色補償フィルム1440の視野角変化による透過率を示すグラフである。視野角増加により、赤色波長の一部領域(600nm〜700nm)では透過率が増加し、青色波長の一部領域(420nm〜480nm)では透過率が減少することが分かる。したがって、上述したように、視野角増加によって赤色波長領域で起こる急激なスペクトラム減少率を緩和させ、青色および緑色波長領域ではスペクトラム減少率を増加させることで、全体可視光線波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が同一ないし類似するように調節することができる。
【0138】
同様に、色補償フィルム1440は、380〜780nmの全体可視光線領域の波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9である。すなわち、図16に示すように、全体波長領域において最大透過率が1であるとき、最小透過率は0.7〜0.9の値を有する。
【0139】
さらに、厚膜層の屈折率が薄膜層の屈折率よりも大きい場合にも、それぞれの屈折率と薄膜層の厚さなどを調節して同じ効果を得ることができる。
【0140】
<測定結果4>
図25は、パネルに外光遮蔽層が追加された場合に、上下視野角増加による色座標(CIE 1976 L u’ v’)の変化(color shift: Δu’ v’)に対するグラフである。このグラフにおいて、横軸は垂直角度(vertical angle)、すなわち上下方向への視野角であって、ディスプレイ画面の中央から上側または下方に反れた角度を意味する。図25の(A)は、外光遮蔽フィルムが含まれない光学フィルタに対する結果であり、(B)は、外光遮蔽フィルムが含まれた光学フィルタに対する測定結果である。
【0141】
図25の結果から、外光遮蔽フィルムを含むか否かによって、水平方向への色座標変化は殆どないが、垂直方向への色座標変化は極めて大きく表れることが分かる。したがって、複屈折薄膜層を含む色補償フィルムを用いることによる上下視野角による色変化を外光遮蔽フィルムで補償することができることを確認することができる。
【0142】
一方、複屈折薄膜層ではない単屈折薄膜層を用いた色補償フィルムを含むフィルタにも、外光遮蔽フィルムをさらに含む場合には、外光遮蔽効果による明室コントラスト比の上昇効果だけではなく、外光反射を減らすという効果もある。
【0143】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】LCDの基本構造と駆動原理を概念的に示す概念図である。
【図2】視野角による液晶の配向状態と光透過率を示す概念図である。
【図3】視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の一例を示す概念図である。
【図4】視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の他の一例を示す概念図である。
【図5】従来技術に係るLCDの視野角増加による発光スペクトラム変化を測定した結果を示すグラフである。
【図6】図5の結果を正規化して示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおける光の反射および透過を示す概念図である。
【図9】図7のディスプレイ装置用光学フィルタにおいて、光の波長およびフィネスによる透過率の変化を示すグラフである。
【図10】図7のディスプレイ装置用光学フィルタにおいて、フィネスと反射率との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角変化による透過率を示すグラフである。
【図12】図11の結果を適用したLCDスペクトラム結果を正規化して示すグラフである。
【図13】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角増加による色座標変化を示すグラフである。
【図14】本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図15】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図16】本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角変化による透過率を示すグラフである。
【図17】図16の結果を適用したLCDスペクトラム結果を正規化して示すグラフである。
【図18】本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角増加による色座標変化を示すグラフである。
【図19】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角変化による透過率を示すグラフである。
【図20】本発明の一実施形態に係るLCDの構造を概念的に示す断面図である。
【図21】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図22】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図23】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図24】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図25】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの上下視野角増加による色座標変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0145】
700:光学フィルタ
720:透明基板
740:色補償フィルム
742:薄膜層
744:第1厚膜層
746:第2厚膜層
760:反射防止フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置用色補償フィルムおよびこれを含むディスプレイ装置用フィルタに関し、より詳細には、視野角増加による色変化量の差を減らして視野角を広げることができるディスプレイ装置用色補償フィルムおよびこれを含むディスプレイ装置用フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の高度情報化に伴い、イメージディスプレイに関する部品および機器が著しく進歩し普及している。このうち画像を表示するディスプレイ装置は、テレビ装置用やパソコンのモニタ装置用などとして著しく普及している。また、このようなディスプレイの大型化と同時に薄型化が進められている。
【0003】
一般的に、液晶表示装置(LCD)は、液晶を用いて映像を表示する平板表示装置の1つであって、他のディスプレイ装置に比べて薄くて軽い上に、低い駆動電圧および低い消費電力を有する長所があり、産業全般に渡って広く用いられている。
【0004】
図1は、LCDの基本構造と駆動原理を概念的に示す概念図である。従来のVA mode LCDを例示すれば、図1に示すように、2つの偏光フィルム110、120の光軸が互いに垂直になるように付着されており、透明電極140がコーティングされた2つの透明基板130の間に複屈折特性を示す液晶分子150を挿入/配列し、駆動電源部180によって電場を印加したときに液晶分子が電場に垂直に動いて配列される。このとき、バックライトユニットから出る光は、第1偏光フィルム120を通過した後に旋偏光となり、図1の左側に示すように、off状態の場合に液晶は基板に対して垂直配向されているため、旋偏光した光はその状態がそのまま維持され、第1偏光フィルム120と垂直である第2偏光フィルム110を通過できなくなる。一方、図1の右側に示すように、on状態の場合に液晶は電場によって基板と平行した方向に2つの直交偏光フィルム110、120の光軸の間に水平配向されており、第1偏光フィルムを介して旋偏光された光は、液晶分子を介しながら第2偏光フィルムに到達する直前に偏光状態が円編光または楕円偏光状態に変化して第2偏光フィルムを通過するようになる。電場の強度を調節すれば、液晶の配列状態は垂直配向から次第に水平方向に配向角度が変化し、このときに出る光の強度を調節することができる。
【0005】
図2は、視野角による液晶の配向状態と光透過率を示す概念図である。
【0006】
画素220内に液晶分子が一定の方向に配列されている場合に、視野角に応じて配列状態が異なるように見えるようになる。正面で右側方向210から見るときには、液晶分子の配列状態が殆ど水平配向212に見えるようになり、画面が相対的に明るく見えるようになる。画面の正面から見るとき230には、液晶分子の配列状態232が画素220内の液晶分子の配列と同じように見える。正面で左側方向250から見るときには、液晶分子の配列状態が垂直配向252に見えるようになり、画面が相対的に暗く見えるようになる。
【0007】
したがって、LCDは、視野角変化による光強度と色変化が発生し、自発光ディスプレイに比べて視野角が大きく制限される。これにより、視野角を改善するための多くの研究が進められてきた。
【0008】
図3は、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の一例を示す概念図である。
【0009】
図3を参照すれば、画素を2つの部分画素、すなわち第1画素部320と第2画素部340とに分割し、各画素部の液晶配列状態が互いに対称となるようにし、視聴者が見る方向に応じて第1画素部320における液晶の配列状態と第2画素部340における液晶の配列状態とが同時に見えるようになり、視聴者に見える光の強度はそれぞれの画素部の光の強度の合計となる。すなわち、正面で右側方向310から見るときには、第1画素部320の液晶が水平配向312に見えるし、第2画素部340の液晶が垂直配向314に見えるようになり、第1画素部320によって画面が明るく見えるようになる。これと同様に、正面で左側方向350から見るときには、第1画素部320の液晶が垂直配向352に見えるし、第2画素部340の液晶が水平配向354に見えるようになり、第2画素部340によって画面が明るく見えるようになる。正面から見るとき330には、各画素部の配列状態と同じように見えるようになる。これにより、視聴者が見るときに、画面の明るさが視野角の変化に応じて同一または類似するようになり、画面に対する垂直方向を中心に対称となる。したがって、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化の程度が改善されるようになる。
【0010】
図4は、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の他の一例を示す概念図である。
【0011】
図4を参照すれば、複屈折特性を有しており、その特性がLCDパネルにおいて画素440内の液晶分子と同じであり、液晶分子の配列状態と対称となる光学フィルム420が追加される。視聴者が見る方向に応じて、画素440内の液晶の配列状態と光学フィルム420の複屈折特性とによって液晶の配列状態が同時に見えるようになり、視聴者に示す光の強度はそれぞれによる光の強度の合計となる。すなわち、正面で右側方向410から見るときには、画素440内の液晶が水平配向414に見えるようになるし、光学フィルム420による仮想液晶が垂直配向412に見えるようになり、光の強度はそれぞれの合計となる。これと同様に、正面で左側方向450から見るときには、画素440内の液晶が垂直配向454に見えるようになるし、光学フィルム420による仮想液晶が水平配向452に見えるようになり、光の強度はそれぞれの合計となる。正面から見るとき430には、画素440内の液晶分子の配列状態と光学フィルム420の複屈折した配列状態がそれぞれ同じように見えるようになる432、434。これにより、視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化という現象は改善されるが、視野角による輝度および色変化は解決すべき問題点として以前として残っている。
【0012】
図5は、図3および図4の方法を同時に適用した従来技術に係るLCDの視野角増加による発光スペクトラム変化を測定した結果を示すグラフである。図5で示すように、視野角増加に応じてスペクトラムの強度が次第に減少する。各波長領域別にその減少程度を正確に観察するために、各スペクトラムの最大値で割って正規化させれば図6のようになる。図6で示すように、視野角増加によって他の波長領域は同じであるが、400〜500nmの青色領域で正規化したスペクトラムの強度が減少することが分かる。これは、他の波長領域に比べて400〜500nmの青色領域の光が視野角増加によってスペクトラムの強度がより多く減少することを示している。したがって、視野角増加によって白色状態が青色の補色である黄色を帯びるようになり、このような色変化によって画質が低下するようになる。さらに、外光の反射によってコントラスト比が小さくなり、ディスプレイの視認性が低下するという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記した問題点を解決するために案出されたものであって、視野角増加によるスペクトラムの波長領域別の減少程度を調整して色変化を減らすことで、ディスプレイの画質を改善することができるディスプレイ装置用色補償フィルムを提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、外光反射を減らしてディスプレイの明室コントラスト比を高め、上下視野角による色変化を減らすことができるディスプレイ装置用色補償フィルムを提供することを他の目的とする。
【0015】
また、本発明は、色補償フィルムを含むディスプレイ装置用フィルタを提供することをさらに他の目的とする。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、上述した技術的課題に制限されるものではなく、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者によって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚さが780nm以下であって第1屈折率N1を有する薄膜層と、薄膜層の一面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率N2を有する第1厚膜層と、薄膜層の他面に形成され、薄膜層より厚く、第3屈折率N3を有する第2厚膜層とを含む。
【0018】
本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1屈折率が第2屈折率および第3屈折率よりも低いことを特徴とする(N1<N2、N1<N3)。第1屈折率は1〜2であり、第2屈折率および第3屈折率は2〜4の範囲であると言える(1≦N1≦2、2≦N2,N3≦4)。
【0019】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1屈折率が第2屈折率および第3屈折率よりも高いことを特徴とする(N1>N2、N1>N3)。第1屈折率は2〜4であり、第2屈折率および第3屈折率は1〜2の範囲であると言える(2≦N1≦4、1≦N2,N3≦2)。
【0020】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第2屈折率と第3屈折率が互いに同一または類似したことを特徴とし、その差が1以下ではなければならない。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む(0≦|N2−N3|≦1)。
【0021】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層または第2厚膜層上に形成され、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムとをさらに含む。
【0022】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、薄膜層上に形成され、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムとをさらに含み、第1厚膜層または第2厚膜層は粘着層であることを特徴とする。このように、外光遮蔽フィルムが薄膜層上に形成された場合には、外光遮蔽フィルムが厚膜の機能を行うようになる。さらに、第1厚膜層または第2厚膜層が外光遮蔽フィルムと薄膜層を接合させる粘着層(感圧性接着剤:PSA)である場合には、粘着層が厚膜としての機能を行うことができるため、別途で第2厚膜層を形成する必要がない。
【0023】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚さが780nm以下であり、x軸とz軸方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)を有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層の一面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3でなされた第1厚膜層と、複屈折薄膜層の他面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率N4を有する第2厚膜層とを含む。上述したx軸、y軸、およびz軸については、図21を参照しながら説明する。図21に示すように、x軸は図面で左右に水平な方向であって、フィルムで各層が積層される方向を意味する。y軸は下上に垂直な方向であって、各層の一面に平行な方向を意味する。さらに、z軸は図面の地面に対して垂直な方向であって、各層の一面に平行な方向を意味する。以下、明細書および請求範囲において、x軸、y軸、およびz軸方向は図21に示すとおりであり、上述したものとそれぞれ同じ方向を指称する。
【0024】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおいて、第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも低く(N2(=Ny)<N3、N2(=Ny)<N4)、その差は1以下であり(0≦|N2−N3|≦1、0≦|N2−N4|≦1)、第1屈折率は第3屈折率および第4屈折率よりも低いことを特徴とする(N1(=Nx,Nz)<N3、N1(=Nx,Nz)<N4)。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む。
【0025】
第1屈折率は1〜2であり、第3屈折率および第4屈折率は2〜4の範囲であると言える(1≦N1≦2、2≦N3,N4≦4)。
【0026】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおいて、第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも大きく(N2(=Ny)>N3、N2(=Ny)>N4)、その差は1以下であり(0≦|N2−N3|≦1、0≦|N2−N4|≦1)、第1屈折率は第3屈折率および第4屈折率よりも高いことを特徴とする(N1(=Nx,Nz)>N3、N1(=Nx,Nz)>N4)。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む。
【0027】
第1屈折率は2〜4であり、第3屈折率および第4屈折率は1〜2の範囲であると言える(2≦N1≦4、1≦N3,N4≦2)。
【0028】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層の屈折率である第3屈折率N3と第2厚膜層の屈折率である第4屈折率N4とが互いに同一または類似することを特徴とし、その差は1以下でなければならない。屈折率の差が1以下であるということは、屈折率の値が互いに同じ場合も含む(0≦|N3−N4|≦1)。
【0029】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層または第2厚膜層上に形成された外光遮蔽フィルムをさらに含む。外光遮蔽フィルムは、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンとを備える。
【0030】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、複屈折薄膜層上に形成された外光遮蔽フィルムをさらに含み、第1厚膜層または第2厚膜層は粘着層を含む。外光遮蔽フィルムは、透明樹脂材質の基材と、基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンとを備える。
【0031】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層の厚さが780nm以上であり、好ましくは780nm〜5mmである。
【0032】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、波長λが380〜500nmである青色領域の光に対して、下記の式(1)および式(2)による透過率Tの平均値が最大となるように、薄膜層または複屈折薄膜層の厚さlと、薄膜層または複屈折薄膜層の屈折率nと、第1厚膜層、第2厚膜層、薄膜層、または複屈折薄膜層の界面における反射率Rとを調節したことを特徴とする。ここで、第1厚膜層と第2厚膜層の屈折率が同じ場合であっても異なる場合であっても類似した結果が表れる。また、下記の式(2)において、nは薄膜層の屈折率nを表し、薄膜層が複屈折薄膜層の場合には、x軸とy軸によって決定されるxy平面上に入射する外部環境光(図21〜図24のII)の入射方向における屈折率を意味するが、これは入射角度に応じてx軸方向への屈折率Nxとy軸方向への屈折率Nyとの組み合わせによって決定される。例えば、外部環境光が複屈折薄膜層と垂直に(図21においてx方向)入射する場合に、nはNxとなる。
【0033】
T=(1−R)2/(1+R2−2Rcosδ) ・・・(1)
【0034】
δ=(2π/λ)2nlcosθ(0゜≦θ≦80°) ・・・(2)
【0035】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、波長が380〜500nmである青色領域の光に対する透過率が、光の入射角が0度から80度に増加することよって増加することを特徴とする。
【0036】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、波長が500〜780nmである緑および赤色領域の光に対する透過率が、光の入射角が0度から80度に増加することによって減少することを特徴とする。
【0037】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、380〜780nmの波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.5〜0.9であることを特徴とする。
【0038】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの少なくとも1つの厚膜層がガラスを含むことを特徴とする。
【0039】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層が透明基板であり、残りの厚膜層は粘着層であることを特徴とする。
【0040】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層が反射防止フィルムであり、残りの厚膜層は粘着層であることを特徴とする。
【0041】
本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、上述した色補償フィルムのうちのいずれか1つを含む。色補償フィルムの一面には反射防止フィルムが形成されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射防止フィルムが色補償フィルムの両面に形成される場合もある。色補償フィルムは、i)厚さが780nm以下であって第1屈折率N1を有する薄膜層と、ii)薄膜層の一面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率N2でなされた第1厚膜層とを含む。
【0042】
ディスプレイ装置用光学フィルタは、iii)薄膜層の他面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3を有する第2厚膜層をさらに含むことができる。第1屈折率N1、第2屈折率N2、および第3屈折率N3の相互間の大きさの関係は、上述した本発明のディスプレイ装置用色補償フィルムに関して説明したとおりであるため、重複する説明は省略する。また、フィルタにおいて、第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層は透明基板であり、残りの厚膜層は薄膜層と反射防止フィルムを接着させるための粘着層であると言える。透明基板は、強化ガラスまたは柔軟なプラスチック基板を含むことを特徴とする。また、反射防止フィルムは、反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0043】
本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、色補償フィルムの一面または両面に形成された反射防止フィルムを含む。色補償フィルムは、透明基板の他面に形成され、i)厚さが780nm以下であってx軸とz軸の方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)を有する複屈折薄膜層と、ii)複屈折薄膜層の一面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3でなされた第1厚膜層とを含む。
【0044】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、i)複屈折薄膜層と、ii)第1厚膜層との他に、iii)複屈折薄膜層の他面に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率N4を有する第2厚膜層とをさらに含む色補償フィルムを含むことができる。第1厚膜層および第2厚膜層のうちの1つの厚膜層が透明基板であり、残りの厚膜層は薄膜層と反射防止フィルムを接着させるための粘着層であることを特徴とする。透明基板は、強化ガラスまたは柔軟なプラスチック基板を含むことを特徴とする。また、反射防止フィルムは、反射率が2%以下であることを特徴とする。第1屈折率N1、第2屈折率N2、第3屈折率N3、および第4屈折率N4の相互間の大きさの関係は、上述して説明したとおりであるため、重複さする説明は省略する。また、x軸、y軸、およびz軸については、上述して説明したものと同じであり、以下でも同じ意味を有する。
【0045】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸およびz軸方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)とを有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層上に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率N3でなされた第1厚膜層とを含む。透明基板は、第2厚膜層の機能を行うことができる。本発明のさらに他の一実施形態によれば、透明基板は、ディスプレイ装置用フィルタの構成から除外される場合があるが、このときには外光遮蔽フィルムが第2厚膜層の機能を行うようになる。また、本発明のさらに他の一実施形態において、透明基板の代わりに外光遮蔽フィルムと薄膜層を接合させる粘着層が用いられる場合があるが、このときには粘着層が第2厚膜層としての機能を行うようになる。
【0046】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、透明基板の他面に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、外光遮蔽フィルムの一面に形成されたディスプレイ装置用色補償フィルムとを含む。ディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚さが780nm以下であり、x軸およびz軸方向の第1屈折率(Nx=Nz=N1)とy軸方向の第2屈折率(Ny=N2)を有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層の一面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率N3でなされた第1厚膜層と、複屈折薄膜層の他面に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率N4を有する第2厚膜層とを含む。透明基板は強化ガラスを含んでおり、反射防止フィルムは反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0047】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、薄膜層上に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率でなされた第1厚膜層と、透明基板の一面に形成された反射防止フィルムとを含む。透明基板は強化ガラスを含んでおり、反射防止フィルムは反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0048】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、薄膜層および透明基板の間に形成され、薄膜層よりも大きい厚さを有して第3屈折率を有する第2厚膜層をさらに含む。
【0049】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、透明基板と、透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率とを有する複屈折薄膜層と、複屈折薄膜層上に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第1屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率でなされた第1厚膜層とを含む。透明基板は強化ガラスを含んでおり、反射防止フィルムは反射率が2%以下であることを特徴とする。
【0050】
本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用フィルタは、複屈折薄膜層および透明基板の間に形成され、複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率を有する第2厚膜層をさらに含む。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、視野角増加による特定波長領域のスペクトラムの減少を緩和させることで、すべての可視光線波長領域に対するスペクトラムの減少率を同等ないし類似させて色変化を減らすことができる。これによってディスプレイの画質が改善する。
【0052】
また、本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムは、厚膜と薄膜との間の屈折率差を減らし、厚膜と薄膜の界面における外光反射を減少させることができる。
【0053】
また、本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの外光遮蔽フィルムは、外光を吸収することで外光反射を追加的に減少させることができ、複屈折薄膜を用いることで色補償効果の減少を補完することができる。
【0054】
また、本発明のディスプレイ装置用光学フィルタによれば、外部衝撃および外光の反射を防ぐことができ、視野角の変化による色変化を大きく減らすことができる。
【0055】
さらに、本発明のディスプレイ装置用光学フィルムが設置されたディスプレイ装置は、視野角による色変化が減少して優れた画質のカラー映像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムおよびこれを含むディスプレイ装置用光学フィルタについて詳細に説明する。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0058】
図7を参照すれば、光学フィルタ700は、透明基板720と、色補償フィルム740と、反射防止フィルム760とを含む。ディスプレイ装置の具体的な種類に応じて、光学フィルタ内に明室コントラスト比向上フィルム、電磁波遮蔽フィルム、ネオン光遮蔽フィルム、光拡散フィルムなどの他の機能性フィルムを含むことができる。
【0059】
透明基板720の一面に反射防止フィルム760が形成され、透明基板720の他面に色補償フィルム740が形成される。本発明は、このような積層順に限定されるものではないが、光学フィルタ700がディスプレイ装置に装着されたときに視聴者側になる面に反射防止フィルム760が形成されることが効率的である。反射防止フィルム760は、視聴者方向から入射する外部環境光が再び外部に反射することを防ぎ、ディスプレイのコントラスト比を向上させる。反射防止フィルム760は、反射率が2%以下であることが好ましい。ガラス表面の反射率が4%であるため、反射防止フィルム760の反射率が2%よりも大きい場合には、反射防止フィルムを用いない場合と大きな差がないためである。
【0060】
透明基板720の材料としては、ガラス、石英などの無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物を挙げることができる。有機高分子成形物でなされた透明基板720としては、アクリルやポリカーボネートを用いることができるが、本発明はこのような例に限定されるものではない。透明基板720は、高透明性と耐熱性を有するものが好ましく、高分子成形物および高分子成形物の積層体を用いることもできる。透明基板720の透明性については、可視光線透過率が80%以上であることが有利であり、耐熱性については、ガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。透明基板720として強化ガラスを用いることは、外部衝撃に対する防止および透明性の面において好ましい。
【0061】
色補償フィルム740は、第1厚膜層744と、薄膜層742と、第2厚膜層746とを含む。薄膜層724は、第1厚膜層744および第2厚膜層746のの間に形成され、薄膜層724の厚さは可視光線の波長領域よりも小さいか同じことを特徴とする。したがって、薄膜層724の厚さは780nm以下である。薄膜層724の厚さが780nmよりも大きければ、可視光領域において補強および相殺干渉が起こらないためである。
【0062】
一方、第1厚膜層744および第2厚膜層746は、薄膜層724よりも厚さが大きいことを特徴とし、厚膜層744、746の厚さは780nmよりも大きく、数mmに至る場合もある。第1厚膜層744と第2厚膜層746の厚さは同じであり、色補償フィルム740は対称的な構造を有することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
薄膜層724は第1屈折率、第1厚膜層744は第2屈折率、第2厚膜層746は第3屈折率を有する物質である。第1屈折率は、第2屈折率および第3屈折率よりも低い場合もあるし高い場合もある。
【0064】
本実施形態において、色補償フィルム740は、高屈折率の厚膜層の間に低屈折率の薄膜層が形成されて製造されるようになり、第1厚膜層744および第2厚膜層746の屈折率は2〜4であり、薄膜層742の屈折率は1〜2である。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、透過率および反射率を調節するために屈折率を多様に変形することができる。
【0065】
以下、図8を参照しながら、色補償フィルムにおける光の反射および透過過程について説明する。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおける光の反射および透過を示す概念図である。
【0067】
色補償フィルム800の中央には薄膜層820があり、薄膜層820の両面には第1厚膜層860および第2厚膜層840が形成されている。ここで、薄膜層820の屈折率をnとし、第1厚膜層860および第2厚膜層840の屈折率をntとする。本実施形態では、第1厚膜層860および第2厚膜層840の屈折率が同じであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
第1厚膜層860はパネル方向であり、第2厚膜層840は視聴者方向である。パネルから薄膜層に入射した薄膜層入射光880は、第1厚膜層860と薄膜層820の界面において、屈折率の差により、一部は屈折しながら透過するし、一部は反射するようになる。界面に対する法線と入射光880とがなす角度をθtとし、屈折して薄膜層の内部に透過する薄膜層内部への透過光881が法線となす角度をθとする。薄膜層内部への透過光881は、再び薄膜層820と第2厚膜層840の界面において、一部は屈折しながら第2厚膜層を透過する薄膜層透過光882となるし、一部は反射して薄膜層内で薄膜層の内部反射光883となる。このとき、薄膜層透過光882が薄膜層820と第2厚膜層840の界面に対する法線となす角度は、薄膜層820と第2厚膜層840の屈折率の差によって決定される。本実施形態では、第1厚膜層860と第2厚膜層840の屈折率が同じであるため、薄膜層透過光882が薄膜層820と第2厚膜層840の界面に対する法線となす角度はθtである。角度θtは、スネル(snell)の法則により、式(5)のように、パネルから出たパネル入射光889が色補償フィルムに入射する角度θOと厚膜層の屈折率nt、空気の屈折率nO(=1)で表現される。パネルから出たパネル入射光889が色補償フィルムを含んだディスプレイ装置用フィルタを透過して最終的に放出された光の透過角は、スネルの法則によって入射角θOと同じであり、結局は各θOが視聴者が見る視野角に該当する。
【0069】
各界面における反射率は、下記の式(3)および式(4)のとおりである。ここで、Rpはp偏光した光が反射した場合、Rsはs偏光した光が反射した場合の反射率である。
【0070】
Rp=[(ntcosθ−ncosθt)/(ntcosθ+ncosθt)]2
・・・(3)
【0071】
Rs=[(ncosθ−ntcosθt)/(ncosθ+ntcosθt)]2
・・・(4)
【0072】
ntsinθt=nOsinθO ・・・(5)
【0073】
反射率RpとRsは、それぞれ薄膜層と厚膜層の屈折率n、nt、および入射角θtと屈折角θによって変化することが分かる。
【0074】
前記した式(1)において、反射率Rは、式(3)のRpと式(4)のRsの平均である。
【0075】
薄膜層の内部反射光883は、再び界面にて、一部は屈折しながら透過して薄膜層反射光887となるし、一部は反射して再び薄膜層の内部反射光884となり、このような過程が繰り返される。
【0076】
前記した式(1)における透過率Tは、薄膜層透過光882による透過率T1と薄膜層透過光885による透過率T2との合計となる。図8では屈折光を2つだけ示しているが、界面にて反射および屈折は繰り返し継続して起こるようになり、このような屈折光による透過率の総合が全体透過率Tである。
【0077】
界面における反射率であるRも、薄膜層反射光887による反射率R1と薄膜層反射光888による反射率R2との合計となる。同じように、図8では反射光を2つだけ示しているが、界面にて反射して出るすべての反射光による反射率の総合が全体反射率Rである。
【0078】
第1厚膜層860、薄膜層820、および第2厚膜層840による2つの界面によって光が多重反射する過程において、干渉による波長によって透過率に変化を与える場合がある。薄膜層透過光882、885の位相差をδとすれば、δは前記した式(2)のように表現される。δは、薄膜層820の屈折率n、厚さl、屈折角θ、波長λによって決定される。最大透過率は、それぞれの薄膜層透過光882、885の間の光路長さの差が波長の整数倍であるときに到達する。
【0079】
図9は、本実施形態に係る図7のディスプレイ装置用光学フィルタにおいて、光の波長およびフィネスによる透過率の変化を示すグラフである。
【0080】
位相差によって補強干渉が起こる場合もあるし、相殺干渉が起こる場合もある。薄膜層820の屈折率nと厚さlが定まれば、波長に応じて透過率が図9に示すように異なって表れる。
【0081】
フィネスFは、下記の式(6)のように定義される。
【0082】
F=π/(2arcsin(1/f1/2)) ・・・(6)
【0083】
前記した式(6)において、fはフィネス係数と言い、下記のように定義される。ここで、Rは反射率である。
【0084】
f=4R/(1−R)2 ・・・(7)
【0085】
図9のように、フィネスが高ければ(F=10)透過ピークは狭くて鋭く、最小透過率としてより小さい値を有する。フィネスと反射率との関係は、図10のグラフのとおりである。したがって、反射率Rを調節することによって、透過ピークの幅Δλと最小透過率とを調節することができる。図9によれば、可視光線波長領域全体において最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9の範囲内であるためには、フィネスが小さくなければならず、これは反射率が高くないべきであることを意味する。反射率は、前記した式(3)、式(4)、および式(5)から、薄膜層と厚膜層の屈折率n、ntと視野角θOに応じて変わることが分かる。したがって、特定の視野角θOに対して薄膜層と厚膜層との屈折率n、ntを調節すれば、反射率を決定することができる。また、特定の波長範囲に対して薄膜層の屈折率nと厚さlが定まれば、位相差δが決定される。この場合に、屈折角θは、薄膜層と厚膜層の屈折率n、ntと視野角θOとが定まれば自動的に定まる値である。したがって、前記した式(1)に示すように、反射率Rと位相差δが定まれば、透過率Tが決定するようになる。すなわち、薄膜層と厚膜層の屈折率n、ntおよび薄膜層の厚さlを選択することによって、特定の視野角および特定の波長の光に対する透過率を調節できるようになるのである。例えば、薄膜層の厚さを780nm以下から選択し、薄膜層の屈折率を1〜2、厚膜層の屈折率を2〜4の範囲で決定し、大きい視野角範囲で特定の波長領域の光に対する透過率を増加できるようになる。また、これとは反対に、薄膜層の屈折率が2〜4、厚膜層の屈折率が1〜2のように、薄膜層の屈折率が厚膜層の屈折率よりも高い場合にも同じ効果を示すことができるようになる。
【0086】
このように、多重ビーム干渉を用いて視野角が大きくなることによって、青色波長領域(380〜500nm)において光の強度が相対的に多く減少するという特性を補償することができる。すなわち、視野角が約60度のように大きい範囲であるときに、青色波長領域では補強干渉が起きて透過率が増加するようにし、緑色および赤色波長領域では相殺干渉が起きて透過率が減少するようにすることで、視野角が大きいときにもすべての波長領域において光の強度減少率が同一ないし類似するようにし、青色領域における不均衡を補償する。このように、本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムを用いれば、視野角の変化による色変化を最小化することができる。
【0087】
図14は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。ディスプレイ装置用色補償フィルムおよび光学フィルタに関して、上述した内容と重複する説明は省略する。
【0088】
図14を参照すれば、ディスプレイ装置用フィルタ1400は、透明基板1420の一面に反射防止フィルム1460が形成され、透明基板1420の他面に色補償フィルム1440が形成される。色補償フィルム1440は、第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の間に薄膜層1442を形成することによって製造される。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は、薄膜層1442の屈折率よりも低い。すなわち、低屈折率の厚膜層の間に高屈折率の薄膜層が形成されることで色補償フィルムが形成されるのである。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は1〜2であり、薄膜層1442の屈折率は2〜4である。厚膜層1444、1446のうちの少なくとも1つは、ガラスを含むことができる。強化ガラスの場合は、屈折率が約1.5であるため、透明基板1420として強化ガラスを用いる場合には、透明基板1420と接触して形成された第2厚膜層1446を光学フィルタ700の構成から除くこともできる。
【0089】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0090】
図15を参照すれば、ディスプレイ装置用光学フィルタ1500は、透明基板1520の一面に反射防止フィルム1560が形成され、透明基板1520の他面に高屈折率を有する薄膜層1542と低屈折率を有する厚膜層1544とが形成される。上述したように、透明基板1520が厚膜層の役割を行うことができる。この場合には、製造工程上、費用を節減できるという長所を有する。
【0091】
図21は、本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0092】
図21を参照すれば、光学フィルタ2100は、透明基板2120と、外光遮蔽フィルム2140と、色補償フィルム2160と、反射防止フィルム2180とを含む。ディスプレイ装置の具体的な種類に応じて、光学フィルタ内に電磁波遮蔽フィルム、ネオン光遮蔽フィルム、光拡散フィルムなどの他の機能性フィルムを含むことができる。
【0093】
透明基板2120の一面には反射防止フィルム2180が形成され、透明基板2120の他面には外光遮蔽フィルム2140および色補償フィルム2160が形成される。本発明がこのような積層順に限定されるものではないが、光学フィルタ2100がディスプレイ装置に装着されたときに視聴者側となる面に反射防止フィルム2180が形成されることが効率的である。反射防止フィルム2180は、視聴者方向から入射する外部環境光IIが再び外部に反射することを防ぎ、ディスプレイのコントラスト比を向上させる。反射防止フィルム2180は、反射率が2%以下であることが好ましい。透明基板2120としてガラス基板を用いる場合には、ガラス表面の反射率が4%であるため、反射防止フィルム2180の反射率が2%よりも大きい場合は、反射防止フィルムを用いない場合と大きな差がないためである。
【0094】
透明基板2120の材料としては、ガラス、石英などの無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物を挙げることができる。有機高分子成形物でなされた透明基板2120としては、アクリルやポリカーボネートを用いることができるが、本発明がこのような例に限定されるものではない。透明基板2120は、高透明性と耐熱性を有することが好ましく、高分子成形物および高分子成形物の積層体を用いることもできる。透明基板2120の透明性については、可視光線透過率が80%以上であることが有利であり、耐熱性については、ガラス転移温度が50℃以上であることが好ましい。透明基板2120として強化ガラスを用いることが、外部衝撃に対する防止および透明性の面において好ましい。
【0095】
外光遮蔽フィルム2140は、透明樹脂材質の基材2142と、基材2142の一面に形成された外光遮蔽パターン2144とを含む。本実施形態において、外光遮蔽パターン2144の断面形状は楔形であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、楔形の他に長方形、台形、半輪形、U字形などの形状を有することもできる。
【0096】
外光遮蔽パターン2144は、基材2142の一面に形成された陰刻パターンに光吸収物質が充填されることで形成される。光吸収物質としては、カーボンブラックなどの黒色物質を用いることができる。
【0097】
外光遮蔽フィルム2140は、外光を吸収してパネルアセンブリに外部環境光IIが流入することを防ぎ、パネルアセンブリから放出されるパネル入射光Iを視聴者側に透過および全反射する役割を行う。したがって、可視光線に対する高い通過率と高いコントラスト比を得ることができる。これだけでなく、本発明に係る外光遮蔽フィルム2140は、光吸収物質とシルバーペーストのような導電性物質が同時に充填されることによって、光学フィルタ2100の電磁波遮蔽機能を補完することもできる。
【0098】
基材2142の一面に平行した外光遮蔽パターン2144の底面は、パネル入射光Iが入射するパネル方向に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外光遮蔽パターン2144の底面は、外部環境光IIが入射する視聴者方向を向く場合もあるし、基材2142の両面すべてに形成される場合もある。
【0099】
外光遮蔽パターン2144の屈折率は、基材2142の屈折率との差が0.5以下であることを特徴とすることができる。基材2142の屈折率よりも低い場合には、外光遮蔽パターン2144の屈折率は、基材2142の屈折率よりも0.01〜0.5の範囲で低い場合がある。屈折率の差がこの範囲内であるときには、パネルから入射する映像は全反射され、ディスプレイ画面に出射する効率が高くなり、外部環境光IIの吸収効率が高まるようになる。特に、外光遮蔽パターン2144の屈折率は、基材2142の屈折率よりも0.01〜0.5のように小さい値を有することで、外光遮蔽フィルム2140は、外部環境光IIの反射よりは吸収による遮蔽を主な機能として発揮する。
【0100】
色補償フィルム2160は、複屈折薄膜層2162と、第1厚膜層2164と、第2厚膜層2166とを含む。複屈折薄膜層2162は、第1厚膜層2164および第2厚膜層2166の間に形成され、複屈折薄膜層2162の厚さは可視光線の波長領域よりも小さいか同じであることを特徴とする。したがって、複屈折薄膜層2162の厚さは780nm以下である。複屈折薄膜層2162の厚さが780nmよりも大きければ、可視光領域において補強および相殺干渉が起こらないためである。
【0101】
一方、第1厚膜層2164および第2厚膜層2166は、複屈折薄膜層2162よりも厚さが大きいことを特徴とし、厚膜層2164、2166の厚さは780nmよりも大きく、数mmに至る場合ができる。図1に示すように、第1厚膜層2164と第2厚膜層2166の厚さが同じであり、色補償フィルム2160が対称的な構造を有することができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、粘着層が第1厚膜層2164または第2厚膜層2166に含まれることもできる。粘着層は、一般的に屈折率が約1.5の値を有し、厚さも数マイクロメートル単位である。したがって、厚膜層を別途の層で形成せずに、ディスプレイパネルとフィルタとの間を直接付着するために、またはフィルタを構成するフィルムを互いに付着するために粘着層を形成することによって、粘着層が厚膜層の機能を代わりに行うようにもできる。このような場合には、製造費用を節減できるだけでなく、フィルタの厚さを減少することもでき、パネル入射光Iの透過率を高めることもできる。
【0102】
複屈折薄膜層2162は、複屈折薄膜層の一面に対する法線方向である水平方向(図21でx方向)、および薄膜層の一面に平行な方向(図21でz方向)の第1屈折率(Nx=Nz=N1)、および複屈折薄膜層の一面に平行な垂直方向(図21でy方向)の第2屈折率(Ny=N2)を有する。第1厚膜層2164は第3屈折率N3、第2厚膜層2166は第4屈折率N4を有する物質である。第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率との差が1以下でありながらもより低い値を有し、第1屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも低い。すなわち、薄膜層が低屈折率を有して厚膜層が高屈折率を有することで、光の波長による選択的な補強および相殺干渉によって色補償効果を得るようになる。
【0103】
また、他の実施形態として、第2屈折率は、第3屈折率および第4屈折率との差が1以下でありながらもより大きい値を有し、第1屈折率は、第3屈折率および第4屈折率よりも大きくなる場合がある。すなわち、薄膜層が高屈折率を有し、厚膜層が低屈折率を有する場合にも、光の波長による選択的な補強および相殺干渉によって色補償効果を得ることができる。しかしながら、いずれの場合においても、複屈折薄膜層2162のy方向の屈折率である第2屈折率(Ny=N2)は、厚膜層の屈折率である第3屈折率および第4屈折率との差が1以下のように小さくなければならない。その理由は下記のとおりである。
【0104】
視野角変化による色変化を最小化するために、厚膜層と薄膜層の屈折率を異なるようにすれば、屈折率の差による外光反射によって明室コントラスト比が減少するようになる。反射防止フィルム2180は、空気層と透明基板2120との間の反射を低めるだけで、薄膜層および厚膜層の界面で起こる反射を低めることはできない。したがって、このような厚膜層と薄膜層の屈折率の差による外光反射を減らすために、薄膜層として方向に応じて屈折率が異なる複屈折物質を用いる。外部環境光II、すなわち外光は、一般的にパネルと視聴者との上部に存在し、斜めに上から入射するようになるため、薄膜層が積層される方向に対して垂直である方向(y方向)の屈折率を厚膜層の屈折率との差が1以下として小さく出るように複屈折物質で薄膜層を構成する。このような複屈折薄膜層2162の導入は、外光反射を減らすのに効果的である。薄膜層が複屈折物質ではない場合には、青色および赤色領域の波長において反射率が20%に至るようになるが、本発明においては、薄膜層が積層される方向に対して垂直である方向(y方向)の屈折率と厚膜層の屈折率との差を減らすことによって、外光反射率を減少させることができるようになる。
【0105】
しかしながら、y方向の屈折率と厚膜層の屈折率との差を減らすようになれば、上下視野角変化による色変化を補償する機能を低下させる恐れがある。このような問題点は、視聴者方向の厚膜層である第2厚膜層2166の一面に外光遮蔽フィルム2140を付着することによって解決することができる。上述したように、外光遮蔽フィルム2140は、外光を遮断して外光反射をより減らすことができ、基材2142と外光遮蔽パターン2144との間の屈折率の差によって一定の角度以上で発生する全反射効果で、パネルから様々な角度で発光した光が混合し、視野角の変化による色変化をより一層減らすことができる。
【0106】
複屈折薄膜層2162の第2屈折率の大きさは、第3屈折率および第4屈折率よりも1以下の範囲で大きい場合もあるし、これとは反対に、1以下の範囲で小さい場合もある。また、本発明は、複屈折薄膜層2162の第2屈折率の大きさが第1厚膜層2164の第3屈折率および第2厚膜層2166の第4屈折率の大きさと同じ場合を含む。
【0107】
一方、複屈折薄膜層2162のx軸方向およびz軸方向の屈折率である第1屈折率(Nx=Nz=N1)は、厚膜層の屈折率である第3屈折率N3および第4屈折率N4よりも高い場合もあるし低い場合もある。第1屈折率N1の大きさは、第3屈折率および第4屈折率よりも1より大きい範囲で大きい場合もあるし小さい場合もある。
【0108】
第1屈折率は2〜4であり、第3屈折率および第4屈折率は1〜2の範囲である場合がある。これとは反対に、第1屈折率は1〜2であり、第3屈折率および第4屈折率は2〜4の範囲である場合もある。ただし、本発明がこれに限定されるものではなく、透過率および反射率を調節するために屈折率を多様に変形することができる。
【0109】
図22は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0110】
図22を参照すれば、光学フィルタ2200は、透明基板2220と、外光遮蔽フィルム2240と、色補償フィルム2260と、反射防止フィルム2280とを含む。透明基板2220の一面に外光遮蔽フィルム2260が配置され、透明基板2220の他面に色補償フィルム2260が配置される。本実施形態において、色補償フィルム2260は、複屈折薄膜層2262および第1厚膜層2264でなされているが、これは透明基板2220が厚膜層としての機能を行うことができるためである。透明基板2220として強化ガラスを用いる場合に、強化ガラスの屈折率は約1.5であるため、透明基板2220が低屈折率を有する厚膜層としての役割を行うようになる。このような場合には、製造費用を節減できる上に、フィルタの厚さを減少できるという長所がある。また、上述した他の実施形態で説明したように、透明基板2220や第1厚膜層2264として粘着層を用いることもでき、透明基板が柔軟なプラスチック基板であって第1厚膜層が粘着層である場合は、ディスプレイパネルに直接付着することが可能である。このような場合には、製造費用を節減できる上に、ディスプレイセットの厚さを減少できるという長所がある。さらに、本実施形態でも、複屈折薄膜層2262の一面に平行な方向(図22でy方向)への第2屈折率は、第1厚膜層の第3屈折率との差が1以下でなければならない。透明基板2220、外光遮蔽フィルム2240、および反射防止フィルム2280に関する具体的な内容は、上述した実施形態と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0111】
図23は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0112】
図23を参照すれば、光学フィルタ2300は、外光遮蔽フィルム2340と、色補償フィルム2360と、反射防止フィルム2380とを含む。外光遮蔽フィルム2340の一面に色補償フィルム2360が配置され、外光遮蔽フィルム2340の他面に反射防止フィルム2380が配置される。本実施形態において、色補償フィルム2360は、複屈折薄膜層2362および第1厚膜層2364でなされているが、これは外光遮蔽フィルム2340が厚膜層としての機能を行うことができるためである。また、上述した実施形態で説明したように、第1厚膜層2264として粘着層を用いることもでき、外光遮蔽フィルム2340は透明基板としての役割も実行できるようになり、ディスプレイパネルに直接付着することが可能である。このような場合には、製造費用を節減できる上に、ディスプレイセットの厚さを減少できるという長所がある。本実施形態でも、複屈折薄膜層2362の一面に平行方向(図23でy方向)への第2屈折率は、第1厚膜層の第3屈折率との差が1以下でなければならない。外光遮蔽フィルム2340、色補償フィルム2360、および反射防止フィルム2380に関する具体的な内容は、上述した実施形態と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0113】
図24は、本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【0114】
図24を参照すれば、光学フィルタ2400は、複屈折薄膜層2460と、厚膜層2420と、反射防止フィルム2480とを含む。複屈折薄膜層2460の一面に厚膜層2420が配置され、複屈折薄膜層2460の他面に反射防止フィルム2480が配置される。反射防止フィルム2480は、厚膜層としての機能を行うようになる。本実施形態でも、複屈折薄膜層2460の一面に平行な方向(図24でy方向)への第2屈折率は、第1厚膜層の第3屈折率との差が1以下でなければならない。厚膜層2420は粘着層でなされることもでき、ディスプレイパネルに直接付着することが可能である。このような場合には、製造費用を節減できる上に、ディスプレイセットの厚さを減少できるという長所がある。複屈折薄膜層2460、厚膜層2420、および反射防止フィルム2480に関する具体的な内容は、上述した実施形態と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0115】
また、図示してはいないが、本発明のさらに他の実施形態では、複屈折薄膜層の一面には第1厚膜層が、他面には第2厚膜層または透明基板が配置される場合がある。複屈折薄膜層が低屈折率層であり、第1厚膜層および第2厚膜層が高屈折率層の場合、およびこれとは反対に、複屈折薄膜層が高屈折率層であり、第1厚膜層および第2厚膜層が低屈折率層の場合を含む。この場合にも、複屈折薄膜層は、y軸方向への屈折率Nyがx軸およびz軸方向への屈折率(Nx=Nz)と互いに異なる値を有し、NyとNzとの大きさの差が1以下でなければならない。このような色補償フィルムを含むディスプレイ装置用光学フィルタは、視野角による色変化が小さいだけでなく、外光の反射を減らすという効果がある。
【0116】
整理すれば、本実施形態に係る光学フィルタは、2つの厚膜層の間に複屈折薄膜層を含み、厚膜層と複屈折薄膜層の屈折率の大きさと薄膜層の厚さで波長領域による透過率を調節し、色補正機能および反射防止機能を実行することができる。また、2つの厚膜層のうちの視聴者方向の厚膜層の一面に外光遮蔽フィルムを形成することで、上下視野角による色変化を減少させ、外光の反射率をより低め、ディスプレイの明室コントラスト比および画質を高めることができる。このような本実施形態に係る光学フィルタは、ディスプレイ装置において、パネルから入射するカラー映像に対する色補正のために、視聴者に向かう側、すなわちパネルの前面に配置されることが好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタがパネルの前面から所定の間隔を置いて配置されることもできるし、パネルに直接付着することもできる。さらに、フィルタは、LCDのバックライトユニット(BLU)およびパネルの間に配置されることもできる。
【0117】
以下、本発明に係るディスプレイ装置用光学フィルタを用いることができるディスプレイ装置について説明する。
【0118】
図20は、本発明のディスプレイ装置用光学フィルタを用いることができるディスプレイ装置のうち、LCDの構造を概念的に示す断面図である。図20を参照すれば、LCD装置2000は、バックライトアセンブリ2020と、第1光学フィルタ2040と、パネルアセンブリ2060と、第2光学フィルタ2080とを含む。バックライトアセンブリ2020は、エッジタイプやフラットタイプなどがあり、エッジタイプの場合には導光板が含まれる。第1光学フィルタ2040には、バックライトから出光した光を集束する集光シートと、光を拡散させる拡散シートなどの様々な機能層が含まれる。パネルアセンブリ2060は、上部基板2064、下部基板2066、および液晶層2062を含み、液晶層2062は、上部基板2064と下部基板2066との間に配置されてカラー映像を表示する。
【0119】
第2光学フィルタ2080は、本発明に係るディスプレイ装置用光学フィルタであって、図7、図14、または図15に示すように、2つの厚膜層の間に薄膜層が形成され、厚膜層と薄膜層との屈折率の差および薄膜層の厚さによって波長領域による透過率を調節することができる光学フィルタである。このように、本発明に係るディスプレイ装置用光学フィルタは、ディスプレイ装置においてパネルから入射するカラー映像に対する色補正のために、視聴者に向かう側、すなわちパネルの前面に配置されることが好ましい。しかしながら、上述したように、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタがパネルの前面から所定の間隔を置いて配置されることもできるし、パネルに直接付着することもできる。さらに、フィルタは、LCDのバックライトユニットおよびパネルの間に配置されることもできる。
【0120】
より具体的に説明すれば、第2光学フィルタ2080は、パネルアセンブリ2060の上部に位置する下部厚膜層、下部厚膜層上に形成された薄膜層、および薄膜層上に形成された上部厚膜層でなされた構造を有したり、上部厚膜層および薄膜層だけでなされた構造を有したりするが、後者の場合には、パネルアセンブリ2060の上部基板2064が下部厚膜層の役割を代わりに行うようになる。
【0121】
また、本発明の他の実施形態に係る第2光学フィルタ2080は、上部厚膜層なく、空気層がその役割を代わりに行うこともできる。すなわち、第2光学フィルタ2080は、上部基板2064上に形成されて低屈折率を有する下部厚膜層、および下部厚膜層上に形成されて下部厚膜層よりも屈折率が大きい薄膜層だけでなされることができる。したがって、薄膜層は空気に露出し、薄膜層上の空気層が低屈折率を有する上部厚膜層の役割を行うことができる。
【0122】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、液晶層2062上に下部厚膜層および薄膜層が順に積層され、薄膜層上に上部基板2064が形成されることによって、上部基板2064が上部厚膜層としての役割を行うことができる。
【0123】
このように、第2光学フィルタ2080の具体的な構成は、多様な実施形態で表すことができるが、高屈折率を有する2つの層の間に低屈折率を有する層を挿入したり、これとは反対に、低屈折率を有する2つの層の間に高屈折率を有する層を挿入したりすることで、表れる効果はすべて同一または類似する。
【0124】
以下、LCDパネルの前面に本発明に係るディスプレイ装置用色補償フィルムを含むディスプレイ装置用光学フィルタを付着して透過率および色変化量を測定した結果について説明する。
【0125】
<測定結果1>
図7に示すように、第1厚膜層744および第2厚膜層746の間に薄膜層742を形成して色補償フィルム740を設計した。第1厚膜層744および第2厚膜層746の屈折率は2.5、厚さは1mmであり、薄膜層742の屈折率は1.5、厚さは190nmである。
【0126】
図11は、色補償フィルム740の視野角変化による透過率を示すグラフである。視野角増加により、青色波長の一部領域(380nm〜460nm)では透過率が増加し、緑色および赤色波長の一部領域(540nm〜780nm)では透過率が減少することが分かる。したがって、上述したように、視野角増加によって青色波長領域で起こる急激なスペクトラム減少率を緩和させ、緑色および赤色波長領域ではスペクトラム減少率を増加させることで、全体可視光線波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が同一ないし類似するように調節することができる。
【0127】
また、色補償フィルム740は、380〜780nmの全体可視光線領域の波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9である。すなわち、図11に示すように、全体波長領域において最大透過率が1であるときに、最小透過率は約0.8を示す。
【0128】
図12は、色補償フィルム740の視野角増加による正規化したスペクトラムの変化を示している。青色領域だけでなく、全体波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が殆ど同じであることが分かる。これは、視野角増加による色変化が殆ど消えたことを示している。
【0129】
図13は、視野角増加による色座標(CIE 1976 L u’ v’)の変化(Δu’ v’)に対するグラフである。このグラフにおいて、横軸は水平角度、すなわち視野角を示す。図13から、色補償フィルムがある場合の色変化量が色補償フィルムがない場合に比べて大きく減少することが分かる。
【0130】
<測定結果2>
図14に示すように、第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の間に薄膜層1442を形成して色補償フィルム1440を製造した。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は1.5、厚さは2mmであり、薄膜層1442の屈折率は2.5、厚さは209nmである。
【0131】
図16は、色補償フィルム1440の視野角変化による透過率を示すグラフである。視野角増加により、青色波長の一部領域(420nm〜460nm)では透過率が増加し、緑色および赤色波長の一部領域(520nm〜660nm)では透過率が減少することが分かる。したがって、上述したように、視野角増加によって青色波長領域で起こる急激なスペクトラム減少率を緩和させ、緑色および赤色波長領域ではスペクトラム減少率を増加させることで、全体可視光線波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が同一ないし類似するように調節することができる。
【0132】
同様に、色補償フィルム1440は、380〜780nmの全体可視光線領域の波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9である。すなわち、図16に示すように、全体波長領域において最大透過率が1であるとき、最小透過率は0.7〜0.9の値を有する。
【0133】
図17は、色補償フィルム740の視野角増加による正規化したスペクトラムの変化を示している。青色領域だけではなく、全体波長領域で視野角増加によるスペクトラムの減少率が殆ど同じであることが分かる。これは、視野角増加による色変化が殆ど消えたことを示している。
【0134】
図18は、視野角増加による色座標(CIE 1976 L u’ v’)の変化(Δu’ v’)に対するグラフである。このグラフにおいて、横軸は水平角度、すなわち視野角を示す。図18から、色補償フィルムがある場合の色変化量が色補償フィルムがない場合に比べて大きく減少することが分かる。
【0135】
<測定結果3>
前記した測定結果は、視野角増加によるスペクトラム減少量の程度が青色波長領域において相対的に大きい場合に、これを改善することができる色補償フィルムに対する結果を示している。しかしながら、これとは反対に、視野角増加によって赤色波長領域においてスペクトラム減少量の程度が相対的に大きく表れるLCDが存在する場合もある。このような場合にも、本発明によって適合な色補償フィルムの製造が可能である。
【0136】
図14に示すように、第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の間に薄膜層1442を形成して色補償フィルム1440を製造した。第1厚膜層1444および第2厚膜層1446の屈折率は1.5、厚さは2mmであり、薄膜層1442の屈折率は2.5、厚さは170nmである。
【0137】
図19は、色補償フィルム1440の視野角変化による透過率を示すグラフである。視野角増加により、赤色波長の一部領域(600nm〜700nm)では透過率が増加し、青色波長の一部領域(420nm〜480nm)では透過率が減少することが分かる。したがって、上述したように、視野角増加によって赤色波長領域で起こる急激なスペクトラム減少率を緩和させ、青色および緑色波長領域ではスペクトラム減少率を増加させることで、全体可視光線波長領域において視野角増加によるスペクトラムの減少率が同一ないし類似するように調節することができる。
【0138】
同様に、色補償フィルム1440は、380〜780nmの全体可視光線領域の波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.7〜0.9である。すなわち、図16に示すように、全体波長領域において最大透過率が1であるとき、最小透過率は0.7〜0.9の値を有する。
【0139】
さらに、厚膜層の屈折率が薄膜層の屈折率よりも大きい場合にも、それぞれの屈折率と薄膜層の厚さなどを調節して同じ効果を得ることができる。
【0140】
<測定結果4>
図25は、パネルに外光遮蔽層が追加された場合に、上下視野角増加による色座標(CIE 1976 L u’ v’)の変化(color shift: Δu’ v’)に対するグラフである。このグラフにおいて、横軸は垂直角度(vertical angle)、すなわち上下方向への視野角であって、ディスプレイ画面の中央から上側または下方に反れた角度を意味する。図25の(A)は、外光遮蔽フィルムが含まれない光学フィルタに対する結果であり、(B)は、外光遮蔽フィルムが含まれた光学フィルタに対する測定結果である。
【0141】
図25の結果から、外光遮蔽フィルムを含むか否かによって、水平方向への色座標変化は殆どないが、垂直方向への色座標変化は極めて大きく表れることが分かる。したがって、複屈折薄膜層を含む色補償フィルムを用いることによる上下視野角による色変化を外光遮蔽フィルムで補償することができることを確認することができる。
【0142】
一方、複屈折薄膜層ではない単屈折薄膜層を用いた色補償フィルムを含むフィルタにも、外光遮蔽フィルムをさらに含む場合には、外光遮蔽効果による明室コントラスト比の上昇効果だけではなく、外光反射を減らすという効果もある。
【0143】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】LCDの基本構造と駆動原理を概念的に示す概念図である。
【図2】視野角による液晶の配向状態と光透過率を示す概念図である。
【図3】視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の一例を示す概念図である。
【図4】視野角変化によるコントラスト比の変化および色変化を改善するための従来技術の他の一例を示す概念図である。
【図5】従来技術に係るLCDの視野角増加による発光スペクトラム変化を測定した結果を示すグラフである。
【図6】図5の結果を正規化して示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムにおける光の反射および透過を示す概念図である。
【図9】図7のディスプレイ装置用光学フィルタにおいて、光の波長およびフィネスによる透過率の変化を示すグラフである。
【図10】図7のディスプレイ装置用光学フィルタにおいて、フィネスと反射率との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角変化による透過率を示すグラフである。
【図12】図11の結果を適用したLCDスペクトラム結果を正規化して示すグラフである。
【図13】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角増加による色座標変化を示すグラフである。
【図14】本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図15】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図16】本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角変化による透過率を示すグラフである。
【図17】図16の結果を適用したLCDスペクトラム結果を正規化して示すグラフである。
【図18】本発明の他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角増加による色座標変化を示すグラフである。
【図19】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの視野角変化による透過率を示すグラフである。
【図20】本発明の一実施形態に係るLCDの構造を概念的に示す断面図である。
【図21】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図22】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図23】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図24】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用光学フィルタを示す断面図である。
【図25】本発明のさらに他の一実施形態に係るディスプレイ装置用色補償フィルムの上下視野角増加による色座標変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0145】
700:光学フィルタ
720:透明基板
740:色補償フィルム
742:薄膜層
744:第1厚膜層
746:第2厚膜層
760:反射防止フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、
前記薄膜層の一面に形成され、前記薄膜層よりも厚く、第2屈折率を有する第1厚膜層と、
前記薄膜層の他面に形成され、前記薄膜層よりも厚く、第3屈折率を有する第2厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項2】
前記第1屈折率は、前記第2屈折率および前記第3屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項3】
前記第1屈折率は1〜2であり、前記第2屈折率および前記第3屈折率は2〜4であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項4】
前記第1屈折率は、前記第2屈折率および前記第3屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項5】
前記第1屈折率は2〜4であり、前記第2屈折率および前記第3屈折率は1〜2であることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項6】
前記第2屈折率と前記第3屈折率との差が1以下であり、前記第2屈折率と前記第3屈折率が同じであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項7】
前記第1厚膜層と前記第2厚膜層は、厚さが780nm〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項8】
波長λが380〜500nmである青色領域の光に対して、下記の式(1)および式(2)による透過率Tの平均値が最大となるように前記薄膜層の厚さl、前記薄膜層の屈折率n、および前記第1厚膜層と前記薄膜層の界面における反射率Rを調節したことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
T=(1−R)2/(1+R2−2Rcosδ) ・・・(1)
δ=(2π/λ)2nlcosθ ・・・(2)
(式(2)において、ディスプレイ装置用色補償フィルムに入射する光の入射角θは0°〜80°である)
【請求項9】
波長が380〜500nmである青色領域の光に対する透過率が、前記光の入射角が0度から80度に増加することによって増加することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項10】
波長が500〜780nmである緑色領域および赤色領域の光に対する透過率が、前記光の入射角が0度から80度に増加することによって減少することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項11】
380〜780nmの波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.5〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項12】
前記第1厚膜層および前記第2厚膜層のうちの少なくとも1つの厚膜層は、ガラスを含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項13】
前記第1厚膜層または前記第2厚膜層上に形成され、透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項14】
前記薄膜層上に形成された透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含み、
前記第1厚膜層または前記第2厚膜層は粘着層であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項15】
厚さが780nm以下であり、x軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率を有する複屈折薄膜層と、
前記複屈折薄膜層の一面に形成され、前記複屈折薄膜層よりも厚く、第3屈折率を有する第1厚膜層と、
前記複屈折薄膜層の他面に形成され、前記複屈折薄膜層よりも厚く、第4屈折率を有する第2厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項16】
前記第2屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率との差が1以下であり、前記第1屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率よりも低いことを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項17】
前記第1屈折率は1〜2であり、前記第3屈折率および前記第4屈折率は2〜4であることを特徴とする請求項16に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項18】
前記第2屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率との差が1以下であり、前記第1屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率よりも高いことを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項19】
前記第1屈折率は2〜4であり、前記第3屈折率および前記第4屈折率は1〜2であることを特徴とする請求項18に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項20】
前記第1厚膜層または第2厚膜層上に形成された透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項21】
前記複屈折薄膜層上に形成された透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含み、
前記第1厚膜層または前記第2厚膜層は粘着層であることを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項22】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成された反射防止フィルムと、
前記透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、
前記薄膜層上に形成され、前記薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率でなされた第1厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項23】
前記ディスプレイ装置用フィルタは、
前記薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記薄膜層よりも大きい厚く第3屈折率を有する第2厚膜層、
さらに含むことを特徴とする請求項22に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項24】
前記透明基板は、強化ガラスを含むことを特徴とする請求項22に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項25】
前記反射防止フィルムは、反射率が2%以下であることを特徴とする請求項22に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項26】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、
前記外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、
前記透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率を有する複屈折薄膜層と、
前記複屈折薄膜層上に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して前記第1屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率でなされた第1厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項27】
前記ディスプレイ装置用光学フィルタは、
前記複屈折薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率を有する第2厚膜層、
をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項28】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、
前記薄膜層上に形成され、前記薄膜層より厚く、第2屈折率でなされた第1厚膜層と、
前記透明基板の一面に形成された反射防止フィルムと、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項29】
前記ディスプレイ装置用フィルタは、
前記薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記薄膜層よりも厚く、第3屈折率を有する第2厚膜層、
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項30】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、
前記外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、
前記透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率を有する複屈折薄膜層と、
前記複屈折薄膜層上に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して前記第1屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率を有する第1厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項31】
前記複屈折薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率を有する第2厚膜層、
をさらに含むことを特徴とする請求項30に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項1】
厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、
前記薄膜層の一面に形成され、前記薄膜層よりも厚く、第2屈折率を有する第1厚膜層と、
前記薄膜層の他面に形成され、前記薄膜層よりも厚く、第3屈折率を有する第2厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項2】
前記第1屈折率は、前記第2屈折率および前記第3屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項3】
前記第1屈折率は1〜2であり、前記第2屈折率および前記第3屈折率は2〜4であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項4】
前記第1屈折率は、前記第2屈折率および前記第3屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項5】
前記第1屈折率は2〜4であり、前記第2屈折率および前記第3屈折率は1〜2であることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項6】
前記第2屈折率と前記第3屈折率との差が1以下であり、前記第2屈折率と前記第3屈折率が同じであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項7】
前記第1厚膜層と前記第2厚膜層は、厚さが780nm〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項8】
波長λが380〜500nmである青色領域の光に対して、下記の式(1)および式(2)による透過率Tの平均値が最大となるように前記薄膜層の厚さl、前記薄膜層の屈折率n、および前記第1厚膜層と前記薄膜層の界面における反射率Rを調節したことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
T=(1−R)2/(1+R2−2Rcosδ) ・・・(1)
δ=(2π/λ)2nlcosθ ・・・(2)
(式(2)において、ディスプレイ装置用色補償フィルムに入射する光の入射角θは0°〜80°である)
【請求項9】
波長が380〜500nmである青色領域の光に対する透過率が、前記光の入射角が0度から80度に増加することによって増加することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項10】
波長が500〜780nmである緑色領域および赤色領域の光に対する透過率が、前記光の入射角が0度から80度に増加することによって減少することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項11】
380〜780nmの波長範囲内において、最大透過率に対する最小透過率の比が0.5〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項12】
前記第1厚膜層および前記第2厚膜層のうちの少なくとも1つの厚膜層は、ガラスを含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項13】
前記第1厚膜層または前記第2厚膜層上に形成され、透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項14】
前記薄膜層上に形成された透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含み、
前記第1厚膜層または前記第2厚膜層は粘着層であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項15】
厚さが780nm以下であり、x軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率を有する複屈折薄膜層と、
前記複屈折薄膜層の一面に形成され、前記複屈折薄膜層よりも厚く、第3屈折率を有する第1厚膜層と、
前記複屈折薄膜層の他面に形成され、前記複屈折薄膜層よりも厚く、第4屈折率を有する第2厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項16】
前記第2屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率との差が1以下であり、前記第1屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率よりも低いことを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項17】
前記第1屈折率は1〜2であり、前記第3屈折率および前記第4屈折率は2〜4であることを特徴とする請求項16に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項18】
前記第2屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率との差が1以下であり、前記第1屈折率は、前記第3屈折率および前記第4屈折率よりも高いことを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項19】
前記第1屈折率は2〜4であり、前記第3屈折率および前記第4屈折率は1〜2であることを特徴とする請求項18に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項20】
前記第1厚膜層または第2厚膜層上に形成された透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項21】
前記複屈折薄膜層上に形成された透明樹脂材質の基材と、
前記基材の一面に形成された楔形の断面を有する陰刻パターン内に光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを備えた外光遮蔽フィルムと、
をさらに含み、
前記第1厚膜層または前記第2厚膜層は粘着層であることを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置用色補償フィルム。
【請求項22】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成された反射防止フィルムと、
前記透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、
前記薄膜層上に形成され、前記薄膜層よりも大きい厚さを有して第2屈折率でなされた第1厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項23】
前記ディスプレイ装置用フィルタは、
前記薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記薄膜層よりも大きい厚く第3屈折率を有する第2厚膜層、
さらに含むことを特徴とする請求項22に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項24】
前記透明基板は、強化ガラスを含むことを特徴とする請求項22に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項25】
前記反射防止フィルムは、反射率が2%以下であることを特徴とする請求項22に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項26】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、
前記外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、
前記透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率を有する複屈折薄膜層と、
前記複屈折薄膜層上に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して前記第1屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率でなされた第1厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項27】
前記ディスプレイ装置用光学フィルタは、
前記複屈折薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率を有する第2厚膜層、
をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項28】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、厚さが780nm以下であって第1屈折率を有する薄膜層と、
前記薄膜層上に形成され、前記薄膜層より厚く、第2屈折率でなされた第1厚膜層と、
前記透明基板の一面に形成された反射防止フィルムと、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項29】
前記ディスプレイ装置用フィルタは、
前記薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記薄膜層よりも厚く、第3屈折率を有する第2厚膜層、
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項30】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、光吸収物質が充填されて形成された外光遮蔽パターンを含む外光遮蔽フィルムと、
前記外光遮蔽フィルム上に形成され、外部光の反射を防ぐための反射防止フィルムと、
前記透明基板の他面に形成され、厚さが780nm以下であってx軸とz軸方向の第1屈折率とy軸方向の第2屈折率を有する複屈折薄膜層と、
前記複屈折薄膜層上に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して前記第1屈折率よりも小さい大きさの第3屈折率を有する第1厚膜層と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置用光学フィルタ。
【請求項31】
前記複屈折薄膜層および前記透明基板の間に形成され、前記複屈折薄膜層よりも大きい厚さを有して第4屈折率を有する第2厚膜層、
をさらに含むことを特徴とする請求項30に記載のディスプレイ装置用光学フィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2009−42762(P2009−42762A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205999(P2008−205999)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(502411241)三星コーニング精密琉璃株式会社 (80)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(502411241)三星コーニング精密琉璃株式会社 (80)
【Fターム(参考)】
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