説明

ディスプレイ装置

【課題】薄形で構成の簡単な照光式のディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】透明な導光材で構成された平板状の表示体を備え、この表示体を額縁状の保持枠で保持し、この保持枠内に複数のLED素子を備えた光源を固定的に収容し、この光源の複数のLED素子を前記表示体の少なくとも1辺の外側端面に対向してこの端面の長手方向に並置し、前記前記表示体の端面から表示体内にLED素子の発光光を入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(以下LEDという)を光源とした照光式の宣伝等に使用するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを光源に使用したディスプレイ装置の従来例を図8に示す。このようなディスプレイ装置は、特許文献1等により従来から知られている。
【0003】
図8において、50は、LEDを光源とした照光式のディスプレイ装置である。このディスプレイ装置50は、導光性の透明プラスチックで構成され、表面に文字、図形51a等の刻印された本体51を備える。この本体51の裏面側に所定の間隔をおいて基板53を配置し、この基板53によりプリント基板等に搭載されたLED52を支持するようにしている。基板53は、裏面板54に支持固定される。電源・制御装置を介してLED52を発光させ、本体51を裏面から照光することにより、本体51の表面に彫刻等により表示された文字や、図形51aを浮き上がらせる等して、表示効果をあげることができる。さらに、前記電源・制御装置によりLED52の発光を制御して、LED52を点滅させたり、発光色を変化させたりすることにより、周囲へのアピール度をより高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3138741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来装置においては、表示装置本体51を裏面からLED52により照光するようにしているので、本体51の均等な照光のために、本体51と照光光源となるLED52との間に相当の空間が必要となるので、装置全体の厚さが厚くなる不都合がある。また、本体51の表面の光量分布を均等にするためには、LED52の後ろ側に反射手段等を設けることが必要となり、構成が複雑になる不都合もある。
【0006】
この発明は、前記のような従来装置における不都合を解消するために、厚さが薄く、構成の簡単な照光式のディスプレイ装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するため、透明な導光材で構成された平板状の表示体を備え、この表示体を額縁状の保持枠で保持し、この保持枠内に複数のLED素子を備えた光源を固定的に収容し、この光源の複数のLED素子を前記表示体の少なくとも1辺の外側端面に対向してこの端面の長手方向に並置し、前記前記表示体の端面から表示体内にLED素子の発光光を入射するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
この発明においては、前記表示体を、内部に微細な光拡散剤が分散混入された透明な導光材で構成し、さらに、前記平板状の表示体の表示面となる面に対向する裏面に反射体を設けることができる。
【0009】
また、前記保持体を照光するLED素子の点灯順序や、点灯の強さおよび点灯時間等を制御することもできる。そして、前記表示体は、保持枠に対して出し入れ自在に構成するのがよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、内部に微細な光拡散剤が分散混入された透明な導光材で構成された平板上の表示体を額縁状の保持枠で保持し、表示体の少なくとも1辺の外側端面と保持枠の間に光源となるLED素子を複数個外側端面の長手方向に並置し、LED素子により表示体を側端面から照光するため、表示体の裏面側の照光のための空間が不要となり、表示装置の厚さが薄く、かつ構成の簡単なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施例によるディスプレイ装置の外観を示す正面図。
【図2】図1におけるII−II線に沿う平面断面図。
【図3】図2におけるA部およびB部をそれぞれ拡大して示す平面断面図。
【図4】図1におけるIV部を拡大して示す部分拡大正面断面図。
【図5】この発明の実施例によるディスプレイ装置の外観を示す斜視図。
【図6】この発明の実施例によるディスプレイ装置の構成を示す分解斜視図。
【図7】図6における光源体2のVII部を拡大して示す部分拡大斜視図。
【図8】従来のディスプレイ装置の構成を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明の実施の形態を、図に示す実施例について説明する。
【0013】
図1ないし図7はこの発明の実施例によるディスプレイ装置の構成を示すものである。
【0014】
この発明のディスプレイ装置の外観は、図1および図5に示すように縦長の方形平板状の表示体1の外周縁を額縁状の保持枠3で保持して構成される。表示体1は、内部に微細な光拡散剤を分散混入した透明なアクリル樹脂等で構成した平板状の導光材で形成されている。表示体1を照光するLED素子を有する光源体2が、保持枠3内に収容され、LED素子の発光光が平板状の表示体1の外側端面から表示体1内へ入射されるように、LED素子を表示体1の外側端面に対向配置して固定する。
【0015】
額縁状の保持枠3は、図2、図3および図6から理解できるように、断面L字形のアルミニウムの引抜き材で形成される。この保持枠3は、表示体1の4辺を保持することができる適宜の長さの4つの分割フレーム31〜34に分割されている。各分割フレーム31〜34をそれぞれL字形の連結片33(33a〜33d)を介してねじ37により相互に連結結合して1つの額縁状の保持枠3となる。この保持枠3には、表示体1を保持するとともに保持枠内3に収容した光源2を固定するために、断面L字形の補助フレーム4を備える。補助フレーム4は、2から4個の分割補助フレーム41〜44に分割されている。
【0016】
表示体1を保持する保持枠3内に、複数のLED素子21をプリント基板22により固定支持して構成した光源体2が収容され、保持枠3に固定されている。光源体2は、詳細を図7に示すようにプリント基板22上に複数個のLED素子21を適宜の間隔で直線状に配列して固定支持している。プリント基板22には外部電源との接続のために接続端子台23が設けられ、この接続端子台23の内部接続端子がプリント配線24によってLED素子21に接続される。また、接続端子台23の外部接続端子に外部接続線26を接続し、この接続線を図示しない外部の電源・制御装置に接続して、光源体2のLED素子21の点灯を制御する。
【0017】
このように、複数のLED素子21を搭載した光源体2のプリント基板22は、図2、図3および図6から明らかなように表示体1の長手方向の対向する2辺の外側端面に沿う分割フレーム31および33にねじ止めにより固定される。フレーム31および33に固定された光源体2のLED素子21は、表示体1の長手方向の2つの辺11および13の外側端面に対して適宜の間隔をおいて対向配置されるようにする。
【0018】
光源体2の配置された箇所では、断面L字形の補助フレーム4(41、43)が光源体2のプリント基板22の上から、補助フレームの取り付け高さを決めるためのスペーサ45,46等を介して分割フレーム31〜34側に押し付けられ、ねじ35、36等により分割フレーム31〜34にねじ止め固定される。また、そして光源体2の配置されていない箇所では、補助フレーム4(42、44)が直接、分割フレーム32、34にねじ38によりねじ止め固定される。
【0019】
このとき、図3に示すように分割フレーム31および33の表示体1の表示面と平行する辺31aおよび33aと補助フレーム41および43の同様に表示体1の表示面と平行する辺41aおよび43aの間に表示体1の挿入可能な隙間が形成されるようにする。もちろん、光源体2の配置されていない表示体1の短辺部分の保持枠3の分割フレーム32および34と補助フレーム42および44との間にも表示体1の挿入可能な隙間が形成されるようにする。
【0020】
保持枠3と補助フレーム4との間に形成された隙間に挿入された表示体1の位置を固定して、表示体1の外側端面と光源体2のLED素子21の対向間隔を一定に保持するための位置決め手段として図4に示すように、分割フレーム31〜34をL字形連結金具33a〜33dを介して連結するときに使用する連結ねじ37を利用している。すなわち、連結ねじ37の長さを所定の長さにして、その先端が表示体1の外側端面11〜14に当接されるようにすることにより、保持枠3と表示体11の外側端面との間の間隔を決められた間隔にするのである。
【0021】
保持枠3に表示体1を挿入または、交換のために表示体1を保持枠3から引き出すときは、例えば、図5における右側の光源体2の固定された分割フレーム32を保持枠3から外して保持枠3の右辺を開放する。開放された保持枠3の右辺から表示体1を挿入し、上下の分割フレーム32、34と補助フレーム42、43との間に形成される隙間に沿って表示体1を押し込むことにより、表示体1を保持枠3に挿入することができる。表示体1が保持枠3に完全に挿入されたところで、保持枠1の右辺に光源体2の固定された分割フレーム33を結合して、右辺を閉塞することにより、表示体1がこれを保持する保持枠3と一体構成される。
【0022】
表示体1を交換するために、保持枠3から引き出す場合は、挿入時と反対の作業により引き出すことができる。引出した後に、新たな表示体1を保持枠3に挿入することにより、ディスプレイ装置も表示内容を簡単に変更することができる。
【0023】
表示体1の交換時に光源体2の取り付けられていない、ここでは、上下の分割フレーム32、34と補助フレーム42,44によって形成された隙間をガイドにして挿入するようにすると、挿入時に表示体1が保持枠に固定された光源体2のLED素子21に当たることがないので、LED素子を傷つけることなく安全に挿入することができる。
【0024】
なお、表示体1には表面に所望の文字や図形を表示するだけでなく、これと対向する裏面にも、所望の文字や図形を刻印等により表示することができる。さらに、表示体1の表面の表示面からの発光効率を高めるために、文字や図形の刻印表示された裏面に白色のシート等からなる反射体を貼り付けるようにするのがよい。
【0025】
このように構成されたこの発明のディスプレイ装置により照光表示を行う場合は、外部接続線26(図7参照)を外部の電源・制御装置に接続することにより光源体2のLED素子21を点灯する。これによりLED素子21が発光し、発光光が表示体1の左右両側端面から表示体1内へ入射される。入射された光は、表示体1を構成する導光体内に分散混入された微細な光拡散剤により全方位に反射して拡散されるため、表示体1の全面から発光光が出射されることになる。この光により表示体1の表示面となる表面またはこの面と対向する裏面に表示された文字や図形が照光されて表示が強調されるため、表示効果が高められる。
【0026】
このとき、光源体2の複数のLED素子21の点灯順序や強さおよび点灯時間等を時系列的に制御するようにすれば、サイン広告のように表示光に時間的な動きが与えられるようになるので、表示体の表示内容がより際立ち、表示効果をより高めることができる。
【0027】
上記のこの発明の実施例においては、2個の光源体2を表示体1の左右両辺の外側端面にそれぞれ対向配置したものを示したが、光源体2を1個用い、少なくとも表示体1の4辺の何れか1辺の外側端面に対向配置するようにしてもよく、また、表示体1の表示光をより明るくするために、表示体1の4辺の全部の外側端面に光源体1を対向配置することもできる。
【符号の説明】
【0028】
1:表示体
2:光源体
21:LED素子
3:保持枠
31〜34:分割フレーム
4(41〜44):補助フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な導光材で構成された平板状の表示体を備え、この表示体を額縁状の保持枠で保持し、この保持枠内に複数のLED素子を備えた光源体を固定的に収容し、この光源の複数のLED素子を前記表示体の少なくとも1辺の外側端面に対向してこの端面の長手方向に並置し、前記前記表示体の端面から表示体内にLED素子の発光光を入射するようにしたことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のものにおいて、前記表示体を構成する導光材が、内部に微細な光拡散材の分散混合された透明なプラスチックで構成されたことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のものにおいて、前記平板状の表示体の表示面となる面の裏面に反射体を設けたことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載のものにおいて、前記光源体の複数のLED素子の点灯順序、点灯の強さ、点灯時間等を制御することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載のものにおいて、前記表示体は、保持枠に対して出し入れ自在に構成したことを特徴とするディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−37643(P2012−37643A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176177(P2010−176177)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(508296738)富士電機機器制御株式会社 (299)
【出願人】(390021186)株式会社秩父富士 (54)
【Fターム(参考)】