説明

ディスプレー装置

【課題】照明手段である蛍光灯等の交換にかかるメンテナンス時期を延長することができるディスプレー装置を提供する。
【解決手段】透明体からなる筒状の外側ケース2と、外側ケース2内に回転可能に装設され所望の模様或いは意匠が施された回転体3と、回転体3を回転駆動する電動モータ等の駆動手段5と、回転体3をその内側或いは外側から照射する蛍光灯等の照明手段9a、9bとを備えたディスプレー装置1Aであって、照明手段9a、9bを複数個設けるとともに、照明手段9a、9bの電源回路11a、11b中に照明手段9a、9bをオン、オフする切替えスイッチ12を組込み、切替えスイッチ12により複数個の照明手段9a、9bに対するオン、オフ動作を切替え可能に構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店頭等に設置されてその店の広告、案内等をなす、とくに理髪店、美容店において使用されるサインポール等のディスプレー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のサインポール等のディスプレー装置においては、透明の合成樹脂板からなる筒状の外側ケース内に種々の模様或いは意匠が施された回転体を設け、この回転体の内部或いは回転体と外側ケースとの間に照明手段である比較的長い蛍光灯等を配備して該回転体に対して内側或いは外側から照明を当てるように構成されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3165062号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記したディスプレー装置にあっては、外側ケースに対して照明手段が回転体とともに組付けられ、さらに、外側ケースの上部には回転体の回転を支承する支持構造及び上部カバー部材等が組付けられるとともに、該外側ケースの下部には回転体を回転駆動する電動モータ及びこの電動モータからの回転を回転体に伝達する連結手段等が組付けられていることから、照明手段である蛍光灯等を交換する場合、回転体の内部或いは回転体と外側ケースとの間に配備された照明手段である蛍光灯等を取外す作業が必要となり、その取外し作業はいちいち外側ケースの上部における上部カバー部材や支持構造の組付けを分解して行なわなければならず、相当の経験と時間及び労力を要し、煩わしい作業となっている等の問題点を生起していた。とくに、上記ディスプレー装置が店頭の高所に設置されている場合には、作業環境の悪化等、上記した問題点が顕著となって、メンテナンスにおいて即応できない問題点を生起していた。
そこで、本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、とくに照明手段である蛍光灯等の交換にかかるメンテナンス時期を延長することができるディスプレー装置を提供することを課題とする。
また、他の課題は、看者に対する照明手段による表示の多様化を図ることができるディスプレー装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の上記した課題は、以下の請求項記載の発明により解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、透明体からなる筒状の外側ケースと、この外側ケース内に回転可能に装設され所望の模様或いは意匠が施された回転体と、この回転体を回転駆動する電動モータ等の駆動手段と、前記回転体をその内側或いは外側から照射する蛍光灯等の照明手段とを備えたディスプレー装置であって、前記照明手段を複数個設けるとともに、この照明手段の電源回路中に該照明手段をオン、オフする切替えスイッチを組込み、該切替えスイッチにより前記複数個の照明手段に対するオン、オフ動作を切替え可能に構成したことを要旨とする。
この構成によれば、複数個の照明手段において、一つの照明手段が使用不能(切れた状態)になった場合でも、該使用不能となった照明手段をすぐさま交換することを要することなく、切替えスイッチを切替えて他の照明手段をそのまま使用することができるものである。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のディスプレー装置であって、前記複数個の照明手段は、それぞれ異なる色の照明であることを要旨とする。
この構成によれば、それぞれ異なる色の照明手段を切替えスイッチにより切替えてオン、オフ動作することによって、看者に対する照明手段による表示の多様化を図ることができるものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、一つの照明手段が使用不能(切れた状態)になった場合でも、該使用不能となった照明手段をすぐさま交換する作業を要することなく、切替えスイッチを切替えて他の照明手段をそのまま使用することができ、とくに照明手段である蛍光灯等の交換にかかるメンテナンス時期を延長することができる。
【0007】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、看者に対する照明手段によるディスプレー装置としての表示の多様化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、実施例にしたがって説明する。
(実施例)
【0009】
ディスプレー装置として、例えば、理髪店、美容店において使用されるサインポール1Aについて説明する。
この サインポール1Aは、図1、図2に示すように、透明なアクリル板等の合成樹脂又はガラス等からなる外側ケース2は所望の径の長尺の円筒状に形成され、その上下端部が開放されており、外周の一部(後述する上下部のカバー部材)にはサインポール1A全体を理髪店、美容店に設置するための取付けブラケット18が装設されている。
なお、この実施例においては、前記の取付けブラケット18により、理髪店、美容店における壁等への取付けに対応する形態としたが、外側ケース2の下部の基台部(図示しない)を設けて据え置き形態とすることもできる。
【0010】
前記外側ケース2内には、該外側ケース2より小径の円筒状の回転体3が配設され、その外面には、既存の青白帯状模様或いは赤白帯状模様或いは新たな適宜の模様、意匠が連続状に施されている。そして、この回転体3は、その下端支持板3aの中心部に設けた連結筒部4が後述する電動モータ5のモータ軸5aと連結され、また上端支持板3bの中心部に設けた支持筒部6が後述する支持軸7に対し回転可能に支承されていることによって前記外側ケース2内において該外側ケース2とほぼ同一軸心で積極回転可能に支持される構成となっている。
【0011】
前記電動モータ5は、前記外側ケース2の開放された下端部に設けた下端支持板2aに装設されおり、その上向きに延出されたモータ軸5aには前記回転体3の連結筒部4が嵌合固定されている。
【0012】
前記支持軸7は、その下端部が前記モータ軸5aの軸端に対し調心型の軸受手段8を介して回転可能に支承され、上端部が前記回転体3の支持筒部6を回転可能に支持するように嵌挿されて前記外側ケース2の開放された上端部に設けた上端支持板2bに対して固定手段を介して固定されている。
【0013】
前記回転体3内において、前記支持軸7周りには、その軸方向に沿って蛍光灯等からなる照明手段9a、9bが複数個(図では2個の場合を示す。)180度の位相差をもって配設されている。すなわち、支持軸7の周りに180度の間隔をもって蛍光灯等からなる照明手段9a、9bにおける対の取付け具10a、10bが設けられ、この対の取付け具10a、10bに対して照明手段9a、9bである蛍光灯等が取替え可能にそれぞれ設けられるものであり、この複数個の照明手段9、9は、図5に示すように、並列回路となした照明手段9a、9bの電源回路11a、11b中に切替えスイッチ12が組込まれ、この切替えスイッチ12によって、照明手段9a、9bの電源回路11a、11bのそれぞれのオン、オフ動作なすとともに、その切替え動作をなすように構成されている。
【0014】
なお、前記電源回路11a、11中のGLは、それぞれグロー球を示し、また、13は安定器を示し、それぞれは外側ケース2の上部支持板3b側に配置され、切替えスイッチ12は図1に示すように外部から操作し得るように構成されている。さらに、図中14は電源に接続されるプラグを示す。
【0015】
そして、前記複数個の蛍光灯等からなる照明手段9a、9bは、それぞれ異なる色を照射し得るように構成することも可能である。
【0016】
なお、図において、15は、外側ケース2に下部開放において取外し可能に設けられた電動モータ5のカバー部材を示し、16は、外側ケース2に上部開放において取外し可能に設けられた上部カバー部材を示す。
【0017】
上述のように構成された本例のディスプレー装置であるサインポール1Aにあって、通常状態にあっては、照明手段9aにおける電源回路11を切替えスイッチ12により、単独にオン、オフ動作して該照明手段9aの点灯及び消灯を行なうものである。
そして、例えば、今まで使用していた一つの照明手段9aが使用不能(切れた状態)になった場合、切替えスイッチ12を他の照明手段9bの電源回路11b側に切替えることによって、今度は、その切替えられた側の照明手段9bを単独にオン、オフ動作するものである。これによって、使用不能となった照明手段9aを交換することなく、そのまま別の照明手段9bによってサインポール1A全体として使用することができ、その照明手段9aの交換等にかかるメンテナンス時期を可及的に延長することができるものである。
【0018】
そして、複数個の蛍光灯等からなる照明手段9a、9bは、それぞれ異なる色を照射し得るように構成することによって、例えば、必要に応じて好みに照明を当てる(ライトアップ)することが可能となるとともに、理髪店、美容店における客待ち時間の表示等にも応用でき、看者に対する照明手段9a、9bによるディスプレー装置1Aとしての表示の多様化を図ることができるものである。
【0019】
次に、別の実施例を図3及び図4にしたがって説明すると、この別の実施例は、上述した実施例において、回転体3内にさらに内側筒体17を設け、その内側に複数個の照明手段9a、9bを設け、該回転体3の裏側の模様等を部分的に視認できないように遮断してディスプレー装置1Aとしての表示に変化を与えるように構成した態様であって、その余の構成は上述した実施例と同様であり、同一の構成及び部材については図中同符号を付してその説明を省略する。
したがって、この実施例にあっても、上述した実施例と同様の作用効果を享受するものである。
【0020】
なお、上述した両実施例にあっては、複数個の照明手段9a、9bを回転体3内(内側筒体17内)に配設した場合について説明したが、これに限定するものではなく、回転体3の外側、すなわち、回転体3と外側ケース2との間に配設する構成であってもよい。
【0021】
また、複数個の照明手段9a、9bにあっては、蛍光灯に限定することなく、他の照明手段であってもよい。
【0022】
さらに、上述した両実施例にあっては、回転体3を円筒状としてその外面に種々の模様、意匠を施す態様について説明したが、これに限定するものではなく、回転体3を充実体として種々の模様、意匠を施すように構成する態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例を示すサインポールの縦断面図である。
【図2】図1のII―II線断面図である。
【図3】本発明の別の実施例を示すサインポールの縦断面図である。
【図4】図3のIV―IV線断面図である。
【図5】照明手段の電源回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
1 サインポール
2 外側ケース
3 回転体
5 電動モータ
9a、9b 照明手段
12 切替えスイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明体からなる筒状の外側ケースと、この外側ケース内に回転可能に装設され所望の模様或いは意匠が施された回転体と、この回転体を回転駆動する電動モータ等の駆動手段と、前記回転体をその内側或いは外側から照射する蛍光灯等の照明手段とを備えたディスプレー装置であって、前記照明手段を複数個設けるとともに、この照明手段の電源回路中に該照明手段をオン、オフする切替えスイッチを組込み、該切替えスイッチにより前記複数個の照明手段に対するオン、オフ動作を切替え可能に構成したことを特徴とするディスプレー装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスプレー装置であって、前記複数個の照明手段は、それぞれ異なる色の照明であることを特徴とするディスプレー装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−109565(P2009−109565A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279036(P2007−279036)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(390033411)株式会社喜田アイディア (3)
【Fターム(参考)】