説明

ディスペンサー

【課題】爆発や火災の危険があるガスの注入が不要であり、内容物が詰め替え可能なディスペンサーを提供する。
【解決手段】外容器300と、外容器300の内部に収納されると共に内容物が貯蔵される内容器200と、内容器200の上端部に取設されて内容器200内の内容物を注出するポンピング部100と、を備え、内容器200は、収縮及び膨張可能な材質からなり、射出ブロー成形法によって多数の蛇腹部210が形成され、上部にはポンピング部100と結合されるための結合口が設けられるディスペンサーに関する。また、内容器の外周面に圧縮用ゴム帯がさらに設けられる。さらに、内容器の外周面に弾性の鋼帯がさらに周設され、鋼帯の一部を切欠して立設された多数の弾性鋼片が設けられて、弾性鋼片は、内容器200内の内容物が次第に注出されるにつれて、先端部が外容器300の内面に当接している状態を維持しつつ次第に立てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスペンサーに係り、特に、内容器に内容物の詰め替えが可能であり、内容器内の内容物が最大限に注出可能なディスペンサーに関する。
【0002】
特に、本発明は、内容器と外容器との間に圧縮空気を詰め込み、この圧縮空気によって内容物の注出力を向上させることを特徴とし、通常のフロンガスを使用することなく、人体に無害であり、且つ、環境にやさしい空気を利用するディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
液状または粘液状の化粧品は、内容物を一定量ずつ注出して使用できるようにディスペンサーに貯蔵される。
【0004】
かようなディスペンサーは、内容物が貯蔵される容器の上端にポンピング部が取り付けられてなる。
【0005】
より具体的に、ディスペンサーは、一方の側にノズルが形成され、このノズルを介して内容物を注出するためのボタンが配備されて、このボタンを押下してディスペンサーをポンピングすれば、内容物が注出される。
【0006】
この種の従来のディスペンサーは、ヘアムースやシェービングフォームなど液体と空気とを混合して使用する製品に適用されるものであり、フロンガスなどの圧縮ガスを利用する。
【0007】
これにより、従来のディスペンサーは爆発や火災の危険があり、人体に有害であり、オゾン層の破壊など環境破壊を引き起こすだけではなく、内容物の詰め替えが不可能であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の如き問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、爆発や火災の危険があるガスの注入が不要であり、内容物が詰め替え可能なディスペンサーを提供するところにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、内容器内の内容物が最大限に注出可能なディスペンサーを提供するところにある。
【0010】
特に、本発明の目的は、内容器と外容器との間に圧縮空気を詰め込み、この圧縮空気によって内容物の注出力を向上させ、従来のフロンガスを使用することなく、人体に無害であり、且つ、環境にやさしい空気を利用するディスペンサーを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、外容器300と、前記外容器300の内部に収納されると共に内容物が貯蔵される内容器200と、前記内容器200の上端部に取設されて内容器200内の内容物を注出するポンピング部100と、を備え、前記内容器200は、収縮及び膨張可能な材質からなり、射出ブロー成形法によって形成された多数の蛇腹部210と、上部に設けられてポンピング部100と結合されるための結合口220と、前記内容器200の外周面に周設された弾性の鋼帯420と 、前記鋼帯420の一部を切欠して立設された多数の弾性鋼片421と、を備え、前記弾性鋼片421は、前記内容器200内の内容物が次第に注出されるにつれて、先端部が外容器300の内面に当接している状態を維持しつつ次第に立てられ、前記外容器300と内容器との間に圧縮空気301を詰め込んで、前記圧縮空気301により内容物の注出が行われることを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるディスペンサーは、前記内容器200の外周面に圧縮用ゴム帯410がさらに設けられる。
【0013】
さらに、本発明によるディスペンサーは、前記内容器200の外周面に周設された弾性の鋼帯420と、前記鋼帯420の一部を切欠して立設された多数の弾性鋼片421と、を備えて、前記弾性鋼片421は、前記内容器200内の内容物が次第に注出されるにつれて、先端部が外容器300の内面に当接している状態を維持しつつ次第に立てられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるディスペンサーは、爆発や火災の危険があるガスの注入が不要であり、内容物の詰め替えが可能であるというメリットがある。
【0015】
また、本発明によるディスペンサーは、内容器内の内容物が最大限に注出可能であるというメリットがある。
【0016】
さらに、本発明によるディスペンサーは、内容器と外容器との間に詰め込まれた圧縮空気によって内容物の注出力が向上するというメリットがある。
【0017】
さらに、本発明によるディスペンサーは、外容器と内容器との間に詰め込まれた圧縮空気だけでも内容物が注出できるように製作された環境にやさしい製品である。
【0018】
特に、現在市販中のフロンガスと液化ガスとを混合した製品は、人体に有害であり、温室ガスの主犯として認識されているが、本発明はこのような問題を払拭する環境にやさしい製品であると共に、政府の緑色成長に最も理想的な製品である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態によるディスペンサーの分解斜視図。
【図2】本発明の一実施の形態によるディスペンサーの結合斜視図。
【図3】本発明の一実施の形態によるディスペンサーの正面図。
【図4】図2に示すディスペンサーの内容器が膨張された状態の斜視図。
【図5】本発明の他の実施の形態によるディスペンサーの斜視図。
【図6】図5に示すディスペンサーの内容器が膨張された状態の斜視図。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態によるディスペンサーの斜視図。
【図8】図7に示すディスペンサーの内容器が膨張された状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施の形態によるディスペンサーを詳述する。
【0021】
図1から図3は、本発明の一実施の形態によるディスペンサーの分解斜視図、結合斜視図及び正面図であって、いずれも内容器が収縮された状態を示すものであり、図4は、図2に示すディスペンサーの内容器が膨張された状態を示す斜視図である。
【0022】
図1〜4を参照すれば、本発明によるディスペンサーは、ポンピング部100と、内容器200及び外容器300を備える。
【0023】
外容器300は上部開放型容器であり、上部にはポンピング部100と係合されるための係合口310が形成される。
【0024】
また、外容器300は変形不可能な材質、例えば、固形のプラスチックや金属材質が好適である。
【0025】
この外容器300内には圧縮空気301が詰め込まれる。この圧縮空気301の力(矢印にて表示)は、内容器200内の内容物を注出するときに内容器200に働く。
【0026】
内容器200は外容器300の内部に収納され、液状やゲル状の内容物が貯蔵される容器であり、上部にはポンピング部100と結合されるための結合口220が形成される。
【0027】
また、内容器200は収縮及び膨張可能な材質からなり、射出ブロー成形法によって多数の蛇腹部210が形成される。
【0028】
例えば、内容器200は、丈夫で且つ無公害性フィルム(例えば、PPT、PETなど)からなる。
【0029】
蛇腹部210は上下方向に形成されるが、内容器200内に内容物が詰め込まれることにより、図3に示すように次第に膨らむ。このとき、膨張は、内容器200の外面が外容器300の内面に当接するまでなされる。
【0030】
ポンピング部100は、外容器300及び内容器200の上端部である係合口310及び結合口220に取設されるものであり、内容器200内の内容物を注出する役割を果たす。
【0031】
より具体的に、ポンピング部100は、一方の側にノズル(図示せず)が形成され、このノズルを介して内容物を流出するためのボタン(図示せず)が配備されて、このボタンを押下してディスペンサーをポンピングすれば、内容物が注出される。すなわち、ボタンを押下すれば、図1に示す押圧部110が押下され、この押圧部110につながるばね(図示せず)が圧着されて真空圧を発生させ、これにより、注出孔が開放されて内容物は注出孔を介して外部に注出される。
【0032】
ポンピング部100には逆止弁が内設されて内容物が逆流することを防止する。
【0033】
上記のように、内容器200内の内容物が次第に注出されるにつれて、内容器200は次第に縮まっていく。
【0034】
ポンピング部100としては、従来公知のディスペンサーのポンピング部が採用可能である。大韓民国実用新案第2000−14083号(名称:ディスペンサー)、大韓民国実用新案第2000−36103号(名称:ディスペンサー容器)などに開示されているポンピング部を参照されたい。
【0035】
本発明は、外容器300内に圧縮空気301を詰め込む。すなわち、外容器300と内容器200との間に圧縮空気301を詰め込み、この圧縮空気301によって内容物の注出力を一層向上させることができる。
【0036】
特に、本発明は、従来ようにフロンガスを使用することなく、人体に無害であり、且つ、環境にやさしい空気を利用するという点で極めて有用な発明である。
【0037】
図5は、本発明の他の実施の形態によるディスペンサーの斜視図であり、図6は、図5に示すディスペンサーの内容器200が膨張された状態の斜視図である。
【0038】
図5及び図6に示すディスペンサーは、図1から図4に示すディスペンサーに比べて、内容器200の外周面に圧縮用ゴム帯410がさらに設けられている。
【0039】
圧縮用ゴム帯410は弾性を有するため、内容物が注出されるにつれて収縮する。
【0040】
上記のように、内容器200の外面に圧縮用ゴム帯410を設けることにより、ゴム帯410の絞り力によって内容物の注出力を向上させることができ、しかも、内容器200から内容物を最大限に注出することができる。
【0041】
図7は、本発明のさらに他の実施の形態によるディスペンサーの斜視図であり、図8は、図7に示すディスペンサーの内容器が膨張された状態の斜視図である。
【0042】
図7及び図8に示すディスペンサーは、図1から図4に示すディスペンサーに比べて、内容器200の外周面に弾性の鋼帯420がさらに周設されている。
【0043】
鋼帯420は帯状を呈し、この鋼帯420には一部を切欠して立設された多数の弾性鋼片421が設けられる。なお、鋼帯420の切欠部位には切欠孔422が穿孔される。
【0044】
前記内容器200内に内容物が最大限に詰め込まれれば、図8に示すように、弾性鋼片421が切欠孔422の位置まで達し、内容物が次第に注出されるにつれて、前記弾性鋼片421は次第に立てられて図7に示す状態となる。
【0045】
このとき、弾性鋼片421の先端部は外容器300の内面に当接している状態を維持する。
【0046】
これにより、内容器200が次第に収縮されることにより、弾性鋼片421が次第に立てられ、逆に、内容器200が次第に膨張されることにより弾性鋼片421が次第に横たわる。
【0047】
上記のように、内容器200の外周面に弾性鋼片421を設けることにより、内容物の注出力を向上させることができ、しかも、内容器200から内容物を最大限に注出することができる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施の形態を参照して説明したが、当該技術分野における当業者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内において本発明を様々に修正及び変更させることができるということが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0049】
100:ポンピング部、
110:押圧部、
200:内容器、
210:蛇腹部、
220:結合口、
300:外容器、
301:圧縮空気、
310:係合口、
410:ゴム帯、
420:鋼帯、
421:弾性鋼片、
422:切欠孔、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器(300)と、前記外容器(300)の内部に収納されると共に内容物が貯蔵される内容器(200)と、前記内容器(200)の上端部に取設されて内容器(200)内の内容物を注出するポンピング部(100)と、を備え、
前記内容器(200)は、収縮及び膨張可能な材質からなり、射出ブロー成形法によって形成された多数の蛇腹部(210)と、上部に設けられてポンピング部(100)と結合されるための結合口(220)と、前記内容器(200)の外周面に周設された弾性の鋼帯(420)と 、内容器の上部に設けられる、前記鋼帯(420)の一部を切欠して立設された多数の弾性鋼片(421)と、を備え、
前記弾性鋼片(421)は、前記内容器(200)内の内容物が次第に注出されるにつれて、先端部が外容器(300)の内面に当接している状態を維持しつつ次第に立てられ、
前記外容器(300)と内容器(200)との間に圧縮空気(301)を詰め込んで、前記圧縮空気(301)により内容物の注出が行われることを特徴とするディスペンサー。
【請求項2】
前記内容器(200)の外周面に圧縮用ゴム帯(410)がさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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