説明

ディスペンサ服用量カウンタ機構

ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、ハウジングまたはディスペンサに動作可能に接続される服用量カウンタとを含む、ディスペンサの、服用量をカウントする装置が提供される。服用量カウンタは、ディスペンサの、服用量に関する印を表示する。服用量カウンタは、手動で調整されるかまたは自動的に調整されるように構成され得、ハウジングがディスペンサから分離される回数をカウントすることを可能にし得る。分離の数は、ディスペンサによって投与される服用量の数を示す。好都合にも、本発明によって、ディスペンサの作動から分離して服用量をカウントする服用量カウンタが提供される。当業者によって理解されるように、本発明は、様々なディスペンサに適用し得るが、吸入器と共に使用することに特に良く適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、服用量カウント機構に関し、より詳細には、吸入器のための服用量カウント機構に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入器は、規格化された薬物送出し、必要に応じた薬物の送出し、および緊急薬物送出し用を含め、ごく普通であり、社会全体に広範囲に用いられている。吸入器は、口吸入器および鼻吸入器を含み得、それらは、スプレーアトマイザ、乾いた粉末吸入器(DPI)またはメータ計測の服用量吸入器(MDI)であり得る。吸入器は、推進薬を用い得るかまたは用い得ない。例えば、MDIは、測定された量の医薬を推進薬と共に患者が吸入する噴霧として送り出す。DPIは、推進薬なしで吸入される乾いた小片の薬剤を使用可能にし、吸入力により、乾いた小片は、DPIの中で粉々になり、それによって細かい乾いた粉末をユーザに送り出す。また吸入器は、スプレーアトマイザとして形成され得、スプレーアトマイザは、液体を粉々にし、推進薬を使用しないで液体が噴霧を形成するようにする。典型的には、MDIおよびDPIは口吸入のために用いられ、一方、MDIおよびスプレーアトマイザは、鼻吸入のために用いられる。喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、および肺気腫を持つ人は、吸入器の典型的なユーザである。
【0003】
吸入器は、送り出す使用可能な服用量の数を視覚的に決定することが可能でない不透明な本体または薬物缶で形成される。投与された服用量の数を正しくカウントしないことは、予期しない涸渇に到ることがあり得る。これは、人が急性または命にかかわる状態にあり吸入器による薬物の投与を必要とする場合、特に危険である。服用量の使用可能数を視覚的に監視することができないことに関係する潜在的な危険の結果として、米国食品医薬品局は、MDIが、投与された服用量の数をカウントし、残りの服用量の数をユーザが見きわめることを可能にする一体化した服用量カウント機構を含むことを推奨した。米国保健福祉省、食品医薬品局、医薬品評価研究センター(CDER)、臨床医療(Clinical Medical)のGuidance for Industry,Integration of Dose−Counting Mechanisms Into MDI Drug Products(2003年3月)を参照されたい。
【0004】
一体化した服用量カウント機構は、Kleinへの特許文献1、Garbyらへの特許文献2、Brunaへの特許文献3、Scarrottらへの特許文献4、Eckertへの特許文献5、特許文献6、および特許文献7に開示されたMDIなどのMDIと共に使用するために先行技術において開発された。引用文献のすべては、服用量をカウントするためのMDIの作動(activation)に依存する一体化した服用量カウント機構を開示する。特に、服用量カウント機構は、服用量カウント機構を作動するために、MDIの作動(activation)中の薬物缶の動きに依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,482,030号明細書
【特許文献2】米国特許第5,718,355号明細書
【特許文献3】米国特許第5,988,496号明細書
【特許文献4】米国特許第6,082,358号明細書
【特許文献5】米国特許第6,752,153号明細書
【特許文献6】国際出願公開第98/56446号パンフレット
【特許文献7】国際出願公開第2005/113044号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明の様々な実施形態において、ディスペンサの作動から分離して服用量をカウントする服用量カウンタが提供される。当業者によって理解されるように、本発明は、様々なディスペンサに適用され得るが、吸入器と共に使用することに特に良く適している。
【0007】
本発明の一局面において、ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、ハウジングに動作可能に接続可能な手動調整可能な服用量カウンタとを含む、ディスペンサの、服用量をカウントする装置が提供される。服用量カウンタは、ディスペンサの、服用量に関する印を表示する。
【0008】
本発明のさらなる局面において、ディスペンサの、服用量をカウントする装置が提供され、装置は、ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、ディスペンサに動作可能に接続可能な調整可能な服用量カウンタであって、服用量カウンタはディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと、ハウジングが、ディスペンサに結合されるときまたはディスペンサから分離されるとき、服用量カウンタの調整を自動的に引き起こす手段とを含む。
【0009】
本発明のなおもさらなる局面において、ディスペンサの、服用量をカウントする装置が提供される。ディスペンサは、分配開口部を通して服用量が投与される分配開口部を有し、装置は、ディスペンサに解放可能に結合するハウジングであって、ハウジングは、ディスペンサに結合されたとき、分配開口部の少なくとも一部分を覆うように構成される、ハウジングと、ディスペンサに動作可能に接続可能な服用量カウンタであって、服用量カウンタは、ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタとを含む。
【0010】
本発明のこれらの特徴および他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面の検討によってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図2】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図3】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図4】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図5】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図6】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図7】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図8】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図9】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図10】図1〜図10は、本発明の手動調整可能な服用量カウンタを表す。
【図11】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図12】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図13】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図14】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図15】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図16】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図17】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図18】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図19】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図20】図11〜図20は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図21】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図22】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図23】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図24】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図25】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図26】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図27】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図28】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図29】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図30】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図31】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図32】図21〜図32は、本発明の自動的に調整可能な服用量カウンタを表す。
【図33】図33〜図37は、本発明の電子式服用量カウンタを表す。
【図34】図33〜図37は、本発明の電子式服用量カウンタを表す。
【図35】図33〜図37は、本発明の電子式服用量カウンタを表す。
【図36】図33〜図37は、本発明の電子式服用量カウンタを表す。
【図37】図33〜図37は、本発明の電子式服用量カウンタを表す。
【図38】図38は、鼻吸入器と共に使用する本発明を表す。
【図39】図39は、本発明と共に使用可能なつなぎ綱を表す。
【図40】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【図41】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【図42】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【図43】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【図44】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【図45】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【図46】図40〜図46は、本発明の好ましい実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明は、様々なディスペンサと共に使用するための服用量カウンタを提供する。当業者によって認識されるように、本発明は、MDI、DPIおよびスプレーアトマイザを含むがこれらに限定されない吸入器と共に使用することに特に適している。例示的目的のために、図面およびそれに続く説明は、吸入器、特にMDIに言及する。様々な構成のディスペンサ特に吸入器が本発明と連結して利用され得ることが、理解されるべきである。このことは、例えば鼻吸入器などの他のタイプの吸入器のみならず、他の構成の吸入器も含む。非限定の例として、本発明は、Schering−Plough Corporationによる商標「PROVENTIL」の下で販売される口吸入器と連結して利用され得るかまたはSchering−Plough Corporationによる商標「NASONEX」の下で販売される鼻吸入器と連結して用いられ得る。
【0013】
図1を参照すると、ディスペンサ12とハウジング14とを含むキット10が示される。ハウジング14は、任意の公知の物質でディスペンサ12に解放可能に結合されるように形成される。好ましくは、ハウジング14は、キット10が組み立てられたとき、安定した静止面を提供するのに十分な大きさで作られた概ね平らな静止面16付きで、形成される。好都合にも、静止面16は、使用と使用との間、ディスペンサ12が直立位置に保たれることを可能にする。そのようにして、ディスペンサ12の内部の弁は、ディスペンサ12が横置きまたは逆さまの状態で保たれる場合より、湿った状態によりよく維持されかつスタンバイされ得る。さらに、ハウジング14は、ディスペンサ12が結合されたとき前傾状態でディスペンサ12を保持するように形成され得る。この構成によって、すべての未投与の服用量の残りは、ハウジング14の方に重力で流れるように促され得る。この方法でディスペンサ12の内部の弁はより清潔な状態に保たれ得ることが考えられる。
【0014】
上記のように、ディスペンサ12は、様々な構成であり得る。図1および図2を参照すると、ディスペンサ12は、送り出される薬物を収容するように形成される薬物容器18を含む。適切な薬剤は、抗アセチルコリン剤、コルチコステロイド、長期作用ベータ作用薬、短期作用ベータ作用薬、ホスホジエステラーゼIV防止剤、および2つ以上のこれらの組み合せを含む。好適な薬剤は、呼吸気道疾患、炎症性気道疾患または閉塞性気道疾患の予防または治療に有用であり得る。適切な抗アセチルコリン剤は、(R)−3−[2−ヒドロキシル−2,2−(ジチエン−2−yl)アセトキシ]−1−1[2−(フェニル)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム(Oxitropium Bromide)、アトロピンメチル硝酸塩、アトロピン硫酸塩、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド(Scopolamine Methobromide)、メススコポラミン(Methscopolamine)、ホマトロピンメトブロミド(Homatropine Methobromide)、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド(Isopriopramide)、オルフェナドリン、塩化ベンズアルコニウム、臭化チオトロビウム、GSK202405、上記の任意の個々の異性体または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せを含む。適切なコルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ベクロメサゾンジプロピオネート(Beclomethasone Dipropionate)、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソルド、トリアムシノロン、(22R)−6.アルファ.、9.アルファ.−ジフルオロ−11.ベータ.、21−ジヒドロキシ−16.アルファ.、17.アルファ.−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン−3、20−ジオン、チプレダン(Tipredane)、GSK685698、GSK799943または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せを含む。適切な長期作用ベータ作用薬は、カルモテロール(carmoterol)、インダカテロール(indacaterol)、TA−2005、サルメテロール、ホルモテロール、または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せを含む。適切な短期作用ベータ作用薬は、アルブテロール、テルブタリン硫酸塩、ビトルテロール、メシラート、レバルブテロール(levalbuterol)、硫酸メタプロテレノール、ピルブテロール酢酸塩または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せを含む。適切なホスホジエステラーゼIV防止剤は、シロミラスト(Cilomilast)、ロフルミラスト(Roflumilast)、テトミラスト(Tetomilast)、1−[[5−(1(S)−アミノエチル)−2−[8−メトキシ基−2−(トリフルオメチル基)−5−キノリニル]−4−オキサゾリル(oxazolyl)]カルボニル]−4(R)−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−L−プロリン、エチルエステルまたは上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せを含む。アルブテロールおよびフランカルボン酸モメタゾン一水和物は、吸入器に一般的に用いられる。
【0015】
分配開口部20がディスペンサ12に形成され、該開口部を通って薬物容器18に収容されている薬物の服用量が投与される。ディスペンサ12は口吸入器であるので、ディスペンサ12はマウスピース22を含み、分配開口部20は該マウスピースに形成される。当該分野において公知のように、薬物容器18は、ディスペンサ12の再使用可能性に従って、取り替え可能であるようにまたは取り替え可能ではないように構成され得る。MDIに対して、薬物容器18は、薬物の服用量が噴霧になって送り出されることを可能にする圧力カートリッジまたは圧力缶であり得る。薬物容器18から分配開口部20を通って薬物を送り出す任意の機構は、本発明と共に利用され得る。
【0016】
図3を参照すると、ハウジング14はディスペンサ12の一部分を受け入れるような、より好ましくは、分配開口部20を有するディスペンサ12の一部分を受け入れるような大きさに作られたアパーチャ24を有するように形成されることが好ましい。アパーチャ24を通って延びるディスペンサ12に伴う分配開口部20の少なくとも一部分、より好ましくは、その全体を覆うように形成されるキャノピ26がハウジング14に形成されることがさらに好ましい。キャノピ26は、分配開口部20が大気から遮蔽された状態でキット10が保管されることを可能にする。キャノピ26は、半円形であり得るかまたは他の形状を取り得る。
【0017】
上記に示されるように、ハウジング14はディスペンサ12に解放可能に結合され得ることが好ましい。解放可能な結合は、アパーチャ24とディスペンサ12との間の摩擦接続または機械的接続(例えば、スナップフィット)によって画定され得る。さらに、または代わりに、アパーチャ24は、ディスペンサ12を干渉して係合する(例えば、締りばめ)ように構成され得る。協同細線、バヨネットロックなどの協同部材もまた、一緒にロックされ得るディスペンサ12およびハウジング14上に形成され得る。ハウジング14からのディスペンサ12の不慮の外れを防ぐが、ユーザのためにディスペンサの分離を可能にするのに十分な保持力を生成する任意の形態の解放可能な係合(例えば、機械的相互作用、接着剤、化学的引力、磁気引力)が利用され得る。
【0018】
ハウジング14はまた、下記に説明されるように、窓28を通して服用量の数が表示され得る窓28を有して形成され得る。ポインタ29は、窓28の中に延び得、特定の印を指し示し得る。
【0019】
服用量カウンタ30(図1)は、ハウジング14またはディスペンサ12に動作可能に接続され、ユーザがディスペンサ12によって投与される服用量をカウントすることを可能にする。様々な実施形態の服用量カウンタ30が利用され得る。例えば、アナログディスプレイまたはデジタルディスプレイが、服用量の数を示すために用いられ得る。さらに、服用量カウンタ30は、ディスペンサ12がハウジング14に結合されるかまたはハウジング14から取り外されるとき、手動で調整されるかまたは自動的に調整され得る。以下の説明は、服用量カウンタ30のための可能な構成を提供する。当業者によって容易に理解されるように、本明細書における開示と一致する他の構成もまた、利用され得る。
【0020】
図1および図2を参照すると、手動で調整可能な服用量カウンタ30の第1の変形が示される。服用量カウンタ30は、ハウジング14の内部に収容されているカウンタ32を含む。組み立てを簡単にするために、ハウジング14は、2つの部分、すなわち上部キャップ34および下部ベース36から形成され、上部キャップ34および下部ベース36は任意の公知の方法で結合される。静止面16は、下部ベース36の外面に形成され得る。
【0021】
図4に示されるように、カウンタ32は、好ましくは一連の歯40を有して形成される外側エッジ38を有して形成される。好ましくは、歯40は外側に面する係合面42を画定するように形成され、該係合面42はすべて、カウンタ32の周りに同じ放射方向に延びる(すなわち、すべての係合面42は、時計回りまたは反時計回りの方向のいずれかに延びる)。この態様においては、歯40は、1つの放射の方向には、カウンタ32の回転をより容易に可能にするが、逆の方向にはそうではないように、形成される。歯40は、ユーザに対してカウンタ32の高められた摩擦係合を提供するように意図される。織られた面またはぎさぎさのついた面を提供することを含む、摩擦係合を高めるための他の構成が外側エッジ38において可能である。
【0022】
カウンタ32は、ハウジング14に回転可能に連結される。この連結を達成するために、カウンタ32は、下部ベース36から延びるラッチ46によって係合される内側開口部44を有して形成され得る(図5〜図7)。ラッチ46は、カウンタ32をその周りに取り付けることを可能にするように内側に偏向可能である。リップ48は、ラッチ46に形成され得、カウンタ32が一旦取り付けられるとラッチ46から分離することを防ぎ得る。図6を参照すると、ハウジング14は、少なくとも1つ、好ましくは2つの側面開口部50を有して形成される。カウンタ32は、外側エッジ38の部分が側面開口部50を介してアクセス可能であるような大きさで作られ、下部ベース36に位置を決められる。ハウジング14が組み立てられ、カウンタ32がそこに位置を定められると、側面開口部50はカウンタ32へのアクセスを可能にする。アクセスによって、カウンタ32は、ラッチ46の回りを回転させられるように手動で調整され得る。
【0023】
カウンタ32は、上部面52および下部面54を有して形成される。上部面52は、組み立てられた状態において、下部ベース36から離れるようにかつ上部キャップ34の方に向けられる。図7に示されるように、印56は、ハウジング14に形成される窓28を通して見ることが可能であるような大きさで作られかつ位置を決められる上部面52上に配置され得る。好ましくは、窓28および印56は、混乱を避けるために一度に一つの印56だけを見ることを可能にするように構成される。印56は、任意の英数字文字であり得る。好ましくは、印56は、ディスペンサ12内の残りの服用量の数を反復してカウントダウンすることを可能にする数字の連続である。従って、印56は、連続における第1の数字として、1ずつ0まで減少する連続の数字を有する、ディスペンサ内の服用量の合計数(例えば、100服用量)を有する。服用量の投与ごとに、カウンタ32は、ディスペンサ12に1少ない服用量が残っていることを示すように回転可能に調整される。印56は、他の方法で、投与された服用量の数をカウントすること(すなわち、カウントダウンよりはむしろカウントアップ)、毎日の服用量をカウントすること、週の日を示すこと、残りの服用量の全体的なレベル(例えば、10単位でのカウント)をカウントするなどを行うように適合され得る。印56はまた、グラフィックスおよび色づけされた領域または色づけされた背景を含み得る。例えば、印56は、使用可能な服用量の数の全体的な状態を示す色の連続した帯域であり得る。すなわち、緑の帯域は服用量の比較的大きい数を示し得、黄色の帯域は服用量の中位の数を示し得、赤の帯域は服用量の小さい数を示し得る。選択的に、色は、背景として英数字文字に適用され得、使用可能な服用量の数の読み取りを可能にし、同時にディスペンサ12の全体的な状態の指示を提供し得る。
【0024】
印56は、任意の様式で整列され得る。カウンタ32が車輪形状を有しており、印56は、リング形に配置され得る。印56はまた、例えば、カウンタ32がシフト可能である場合、印56のより大きい数が提供されることを可能にするように、平行に配置され得る(例えば、1〜50の服用量を示す印の1つのリングは51〜100服用量を示す印のリングに隣接して提供され、カウンタ32のシフトによって、対応するリングが利用され得る)。さらに、ギア機構によりシフトされ得る2つ以上のカウンタ32が提供され得る。さらに、複数のカウンタ32が平行に配置されかつ調整され得、服用量にまとめて対応する種々の数を示し得る(例えば、3つのカウンタは各々、1の値、10の値および100の値を示す)。複数のアレイおよび/または複数のカウンタ32によって、印56の大きい数が提供され得る。
【0025】
好ましくは、服用量カウンタ30は、カウンタ32の一方向のみの回転を可能にして、カウンタ32が誤った方向に回転する可能性を最小限にする機構を含む。より好ましくは、服用量カウンタ30はまた、服用量カウンタ30を解放可能にロックし、その調整を選択的に妨げるロッキング機構を含む。そのようにして不慮の回転が防がれ得る。非限定の例として、一方向の回転および解放可能なロックを可能にする機構が描かれる。下部面54にあるカウンタ32は、図4および図6に示されるように、内側を向くつめ車歯58を備えられる。つめ車歯58は、好ましくは鋸歯の形状であり、同じ放射方向に向けられる。つめ車歯58は、印56を正しく調整するのに必要とされるカウンタ32の回転の方向とは反対の方向にカウンタ30が回転するのを防ぐように放射状に向けられる。インデクサ(indexer)60は、下部ベース36から延び、2つのつめ車歯58の間にぴったり入るような形状である端部62を有する。インデクサ60は、端部62がつめ車歯58の間にぴったり入っている静止状態を有するように、つめ車歯58の方に放射方向に偏向させられる。端部62のぴったり入った状態は、カウンタ32の回転を阻止し、ロック効果を提供する。つめ車歯58の傾斜した構成によって、つめ車歯58は、傾斜した面64および概ね直線の後部面66を有する。インデクサ60の後部面66および端部62の各々は、インデクサ60がどの後部面66をも昇ることを防ぐ概して平らな、面と面との係合を満たすように構成され、それによって、つめ車歯58が端部62を通過することを防ぐ。後部面66と端部62との相互係合は、後方へ(図6における矢印Rによって表わされる)のカウンタ32の回転を防ぐ。端部62および傾斜面64の各々は、端部62が、結局は傾斜面64を飛び越えて、回転56を調整するのに必要とされる正しい方向のカウンタ32の回転力によって傾斜面64を昇ることを可能にするように形成される。一旦、傾斜面64を通過すると、固有の偏向させる力によって、端部62は、後部面66および傾斜面64の隣接する一組の間にぴったりと収まる。この配置によって、カウンタ32の後方への回転は禁止される一方、前方への回転(図6において矢印Fによって表わされる)のカウンタ32の回転力によって克服され得るロック効果が提供される。
【0026】
服用量カウンタ30の全体の体積を最小限にするために、つめ車歯58は、外側エッジ38の近くに、その中に画定される空隙68(図4)を備えつけられることが好ましい。インデクサ60は、下部ベース36から空隙68の中に延び得る。
【0027】
服用量カウンタ30は、ディスペンサ12内の服用量の完全な涸渇時に係合するように構成されるロック70をさらに備えつけられ得る。ロック70は、いずれかの方向へのカウンタ32の回転を完全に禁止する。図4を参照すると、ロック70は、ハウジング14から、好ましくは下部ベース36から延びるロック移動止め74(図5)によって係合されるように位置を決められそして構成される、カウンタ32におけるロック穴72を含み得る。図8〜図10を参照すると、ロック穴72は、服用量カウンタ30の開始位置(すなわち、服用量カウントの開始時に一致する位置)においてロック移動止め74から間隔を置いて配置される。ロック穴72は、カウンタ32の動作中、カウンタ32を調整するのに必要とされる放射方向と同じ放射方向にロック移動止め74から間隔を置いて配置される。ロック移動止め74は、カウンタ32の方に上方に偏向させられる。ロック移動止め74との整列から外れるロック穴72によって、ロック移動止め74は、カウンタ32を押す。使用中、ロック穴72は、ロック移動止め74から離れて回転する。ディスペンサ12内の服用量の数が消耗されると、ロック穴72は、図9に示されるようにロック移動止め74に近づく。服用量が涸渇すると、ロック穴72は、図10に示されるように、ロック移動止め74と整列するようになる。整列時、ロック移動止め74は、ロック穴72の中に挿入されるように偏向させられる。ロック穴72の中への移動止め74の相互係合は、どちらかの方向へのカウンタ32の回転を妨げる。
【0028】
ハウジング14は、服用量が涸渇した時に、ディスペンサ12によって廃棄される使い捨て品目として提供され得る。あるいは、ハウジング14は、複数のディスペンサ12と共に用いられるように再使用可能であり得る。再使用のために、ロック70は、備えつけられ得ないか、またはロック穴72からロック移動止め74の係合を解くことを可能にするように、再設定可能であるように形成され得る。ユーザを助けるために、方向指示の矢印76(図2)がハウジング14に備えつけられ得、服用量カウンタ30を調整するのに必要な正しい方向または回転を示し得る。
【0029】
使用中、ハウジング14は、ディスペンサ12から分離されて、薬物投与を可能にする。ユーザは、ディスペンサを使用する前または使用した後に、窓28に対して1増加量だけ服用量カウンタ30を調整する。好ましくは、つめ車歯58およびインデクサ60は、服用量カウンタ30の移動を1増加間隔に限定するように構成される。
【0030】
ハウジング14に動作可能に接続される服用量カウンタ30の他の構成が、本発明と共に使用可能である。服用量カウンタ30は、ハウジング14がディスペンサ12に結合されるかまたはディスペンサ12から取り外されるときに、自動的に調整されるように形成され得る。服用量カウンタ30の第2の変形において、服用量カウンタ30は、ハウジング14へのディスペンサ12の結合時に自動的に調整されるように形成される。
【0031】
図11を参照すると、カウンタ32は、第1の変形における方法と同じ方法でハウジング14に回転可能に結合される。第1の構成の場合のように、カウンタ32の一方向の回転を可能にし、カウンタ32に解放可能にロック効果を提供する機構が提供されることが好ましい。この目的のための非限定の例として、つめ車歯58は、図12に示されるように、カウンタ32の下部面54に備えつけられ得る。手動調整可能な構成において、つめ車歯58は、カウンタ32の内側開口部44の方に向かうように方向づけられる。第2の変形において、つめ車歯58は、ハウジング14の下部ベース36の方に向かうように方向づけられる。インデクサ60は、ハウジング14(図13)、特に下部ベース36から延びる。図14に示されるように、インデクサ60は、第1の変形に関する上記と同じ方法で、端部62が一組のつめ車歯58の間にぴったり入るように偏向させられ、後方への回転(矢印Rによって表される)を妨げるが、適切かつ十分な回転力によって前方への回転(矢印Fによって表される)を可能にする。
【0032】
一連の駆動つめ車歯78は、カウンタ32の上部面52に備えつけられる。駆動つめ車歯78は、つめ車歯58と同じ方法で形作られる。好ましくは、駆動つめ車歯78は、つめ車歯58と同じ効果を提供するように配向された駆動傾斜面80を有する。特に、図14に示されるように、駆動傾斜面80は、矢印Fによって表される方向に回転することを可能にするが、矢印Rによって表される方向への回転を妨げるように配向される。この配置によって、つめ車歯62および駆動つめ車歯78は、下記のように後方への回転を妨げるが前方への回転を可能にする。
【0033】
カウンタ32の自動的調整を引き起こす力を提供する任意の機構が、本発明と共に用いられ得る。第2の変形に関して、スライダ82および偏向させる手段84が用いられる。スライダ82は、一組の駆動つめ車歯78の間にぴったり入るように位置を決められかつ構成される(図17)偏向させる駆動移動止め86(図16)を含む。駆動移動止め86は、インデクサ60の端部62がつめ車歯58と共同するのと同じ方法で、駆動つめ車歯78と共同するように形成される。
【0034】
偏向させる手段84は、任意の公知の方法でハウジング14に固定され、スライダ82を静止位置に推進する。偏向させる手段84は、図18に示されるように、リーフスプリングであり得る。ポスト88はスライダ82から延び得、スライダ82に対して偏向させる手段84が作用し得る。スプリング拘束体90は、ハウジング14(図13)から延び得、偏向させる手段84を適切な位置に支持し得る。ストッパ92はまたハウジング14から延び得、偏向させる手段84の力によってスライダ82の進行を制限し得る。組み立てられたとき、図17に示されるように、偏向させる手段84は、スライダ82をストッパ92に向かって静止位置に推進する。ディスペンサ12がハウジング14の穴24の中に挿入される方向とは反対の方向にスライダ82が静止位置に推進されることが好ましい。
【0035】
スライダ82は、上方に延びる係合タブ94を備えつけられる(図19)。ハウジング14は、ディスペンサ12がハウジング14に結合されている状態で、図20に示されるように、ディスペンサ12によって係合される係合タブ94を有するように形成される。このことは、キャノピ26の下でハウジング14が開かれることによって達成され得る。
ディスペンサ12がハウジング14に結合されている状態で、スライダ82は、(静止位置から間隔を置いた)準備完了位置において、偏向させる手段84の力に対してディスペンサ12によって保持される。
【0036】
使用時、ディスペンサ12は、服用量投与のためにハウジング14から分離される。ディスペンサ12が係合タブ94から取り外されることによって、偏向させる手段84は、スライダ82を静止位置に推進する。この移動の力によって、駆動移動止め86は、駆動つめ車歯78のうちの1つの駆動傾斜面80を昇る。カウンタ32は、インデクサ60とつめ車歯58との相互係合によって、この動作中、回転することが妨げられる。特に、スライダ30が静止位置に移動すると、つめ車歯58は、カウンタ32の回転を妨げるように構成される。スライダ82が静止位置に移動すると、カウンタ32は移動しない。服用量投与後、ディスペンサ12がハウジング14に結合されるまで、スライダ82は静止位置に留まる。結合すると、ディスペンサ12は、係合タブ94を係合する。ディスペンサ12が結合位置に駆動されると、ディスペンサ12は、偏向させる手段84の進行に対して静止位置から準備完了位置に係合タブ94を押す。この動作の力によって、駆動移動止め86は、駆動つめ車歯78のうちの1つの駆動後部面96(図14)を押す。駆動移動止め86は、駆動後部面96を昇らないように形成され、駆動移動止め86と駆動後部面96との相互係合は、カウンタ32を回転させる。同時に、インデクサ60は、つめ車歯58のうちの1つを横切るようにされる。好ましくは、静止位置から準備完了位置へのスライダ82の移動は、つめ車歯58のうちの1つを横切るインデクサ60と一致する。カウンタ32の回転によって、印56は、ハウジング14に形成される窓28に対して調整される。
【0037】
ロック70は、ディスペンサ12内の服用量の涸渇時に服用量カウンタ30をロックするために利用され得る。様々なロック配置が利用され得る。図12を参照すると、カウンタ32、特に下部面54は、制限溝(limiting groove)98を備えつけられ得る。制限溝98は、停止面100において終結する。キー102(図13)は、ハウジング14から延び、制限溝98の中に延びるような形状でありかつその中に位置を決められる。服用量カウンタ30の開始位置(すなわち、服用量カウントの開始に一致する位置)において、キー102は、停止面100から離れて位置を定められる。服用量カウンタ30の動作によって、カウンタ32は、キー102と共に回転し、停止面100に近づく。キー102は、結局は停止面100と係合し、さらなる回転は阻止される。同時に、つめ車歯58および駆動つめ車歯78の構成は、後方への回転を妨げる。このようにして、どちらかの回転方向への回転は禁止される。第1の構成の場合のように、ロック70は、ハウジング14の再使用を可能にするように利用される必要がない。さらにロック70は、再使用を可能にする(例えば、制限溝98における開始位置にキー102の再設置を可能にする)ように再設定可能であるように構成され得る。
【0038】
本発明の第3の変形は、服用量カウンタ30の調整を自動的に引き起こす異なる機構を提供する。図21〜図23を参照すると、この変形において、カウンタ32の内側開口部44は、歯(gear teeth)104を有して形成される。また、カウンタ32の下部面54は、つめ車歯58有して形成され得、第2の変形の場合と同じように、一方向の回転に限定する機構を提供し、解放可能なロック効果を提供し得る。インデクサ60は、ハウジング14から延び得る(図24)。図25に示されるように、つめ車歯58およびインデクサ60は、第2の変形と同じ方法で構成されそして動作する。
【0039】
第3の変形において、カウンタ32は、好ましくはハウジング14にラッチされない。むしろカウンタ32は、下部ベース36に置かれている。カウンタ32の移動を最小限にするために、ガイドリング106は、ハウジング14において画定され得、ガイドリング106は連続的または不連続的であり得る。ガイドリング106は、図25に示されるように、カウンタ32がガイドリング106の周りに回転可能であり、歯104内に適合するような大きさで作られ得る。
【0040】
第3の構成は、シャフト110(図24)などにおいてハウジング14に回転可能に取り付けられる駆動車輪108を含む。駆動車輪108は、カウンタ32の歯104とかみ合うように形成される駆動歯114を有する下部駆動ギア112を有する(図26〜図27)。駆動車輪108は、ハウジング14に位置を決められ、駆動歯114が歯104とかみ合うように係合させ、その結果、駆動車輪108の回転がカウンタ32の回転という結果になる(図28〜図29)。ガイドリング106は、好ましくはシャフト110の近傍において割り込まれて、駆動車輪108の適切な位置決めおよび動作を可能にする。
【0041】
図26および図27を参照すると、駆動車輪108は、その中心から延びる複数のアーム116を有して形成される。アーム116は、好ましくは、上方にのびる部分118で終結する。部分118は、駆動車輪108の周囲に間隔を置いて配置される。
【0042】
ハウジング14および服用量カウンタ30は、ディスペンサ12が駆動車輪108を係合し得るように、より詳細にはディスペンサ12がハウジング14に結合されるとアーム116のうちの1つを係合し得るように、組み立てられる。第2の変形の場合のように、ハウジング12は、キャノピ26の下に開いて形成され得、駆動車輪108へのアクセスを提供し得る。
【0043】
使用時、ディスペンサ12は、薬物服用量投与のためにハウジング14から分離される。図30〜図32を参照すると、ディスペンサ12をハウジング14に結合すると、ディスペンサ12はアーム116のうちの1つを係合する。ハウジング14の中にディスペンサ12を前方に挿入することによって、駆動車輪118のアーム116は前方に押しこまれる。同時に、駆動ギア112はカウンタ32を強制的に回転させる。駆動車輪108、ハウジング14およびディスペンサ12は、ディスペンサ12をハウジング14に結合すると、印56に関して1増加量だけカウンタ32を回転させるように位置を決められかつ配置される。つめ車歯58およびインデクサ60は、カウンタ32の回転を1増加量に制限するように構成される。各投与された服用量は、このようにしてカウントされ得る。ロック70はまた、上記のように備えつけられ得る。
【0044】
当業者によって容易に理解されるように、説明された構成に対する変形は可能である。例えば、印56は、アナログ手段よりはむしろ電子的手段によって表示され得る。例えば、カウンタ32の増加する回転ごとに信号を受ける電子ディスプレイが用いられ得る。さらに、服用量カウンタ30は完全に電子式であり得、この場合、カウンタ32は利用されない。非限定の例として、第4の変形が図32〜図37に提示され、この場合、服用量カウンタ30は、完全に電子式であり、自動的に調整される。
【0045】
図33〜図34を参照すると、服用量カウンタ30はハウジング14に動作可能に接続される。服用量カウンタ30は、印56を表示するための、ハウジング14の側壁に取り付けられる電子ディスプレイ120を含む。図35に示されるように、電子ディスプレイ120は、電子カウンタ122およびプランジャ124に電気的に接続される。電子カウンタ122は、増加するカウントまたはデータの配列が可能である任意の構成であり得る。電子カウンタ122によって生成された値は、印56として電子ディスプレイ120によって表示可能である。プランジャ124は、スライド可能であり、好ましくは電子カウンタ122から延びるように偏向させられる。
【0046】
図36〜図37によって示されるように、服用量カウンタ30は、ハウジング14に位置を決められて、プランジャ124がディスペンサ12によって係合され、ディスペンサ12はハウジング14に結合される。ディスペンサ12がハウジング14に結合されることによって、プランジャ124は、電子カウンタ122の中に押し込まれる。ハウジング14からのディスペンサ12の分離によって、プランジャ124は、内部への偏向させる力によって、前方に(電子カウンタ122から離れるように)駆動する。電子カウンタ122は、プランジャ124が電子カウンタ122から外されることによる(すなわち、分離時のカウント)1増加量をカウントする(すなわち、投与された1服用量)か、またはプランジャ124が電子カウンタ122の中に入れられることによる1増加量をカウントする(すなわち、結合時のカウント)ように構成され得る。
【0047】
プランジャ124は、ディスペンサ12とプランジャ124との間の直接接触の必要性を回避する非接触センサによって置き換えられ得る。非限定の例として、磁気センサ、赤外線センサ、トリッパブル(trippable)光ビームなどは、電子カウンタ122に信号を送るために利用され得る。
【0048】
服用量カウンタ30は、再使用を可能にするためのリセットボタン、服用間の時間間隔を測定するタイマ、服用時間を指示する聴覚または視覚のインジケータ(電子音発生器または光)、低い服用レベルを指示する聴覚または視覚のインジケータなどの様々な特徴を提供され得る。さらに服用量カウンタ30は、ユーザが電子カウンタ122上の印56を手動で調整することを可能にするボタンまたはスイッチを提供することによって電子的にまたは手動で調整可能であり得る。この配置によって、プランジャ124または他のセンサは必要ない。
【0049】
図38は、鼻吸入器としてのディスペンサ12を表す。
【0050】
ディスペンサ12とハウジング14とを関係づけるための手段をキット10に備えつけることが望まれ得る。この2つの切り離しは、ユーザが複数のディスペンサ12を利用する場合、懸念となり得る。ハウジング14を非対応のディスペンサに不注意に組み合わせることによって、服用量の誤った指示という結果になり得る。切り離しに限定して、図39を参照すると、柔軟性のあるつなぎ綱126または他の連結部材がディスペンサ42とハウジング14とに取り付けられ得る。つなぎ綱126は、好ましくはディスペンサ12が使用の妨げとならないことを促進するのに十分な長さを有する。ハウジング14は、ディスペンサ12に直接に固定され得る。例えば、ハウジング14は、分配開口部20へのアクセスを選択的に可能にするために旋回可能に結合され得る。あるいは、ディスペンサ12およびハウジング14は、対であることを示すために、色調和され得るかまたは調和する印を備えつけられ得る。選択的に、ディスペンサ12とハウジング14とは、特定の組になる構成外形で形成され(例えば、穴24とマウスピース22とは特に組み合わされる形状)、ディスペンサ12とハウジング14との異なる組み合せに対して異なる形状が組になる構成(例えば、異なる種類の薬物に対して異なる構成)が、関連がないことの可能性を最小限にするために複数のキット10の全体に利用され得る。
【0051】
当業者によって理解されるように、本明細書において説明される服用量カウンタ30は、ハウジング14よりはむしろ、ディスペンサ12に動作可能に接続される。服用量カウンタ30は、ディスペンサ12に分離可能に結合されるかまたはディスペンサ12に一体化して形成され得る。たとえば、図40および図41を参照すると、第1の変形に関して、服用量カウンタ30は、手動調整可能であるようにディスペンサ12に取り付けられ得る。特に、カウンタ32は、例えばラッチ46によって、ディスペンサ12の外壁13および/または内壁15に回転可能に取り付けられ得る。
【0052】
第2〜第4の構成に関して、服用量カウンタ30は、ディスペンサ12に取り付けられ得、ディスペンサ12との相互係合に依存する上記の実施形態と同じ方法で、ハウジング14との相互係合に依存し得る。ハウジング14は、服用量カウンタ30が形成されるかまたは固定される方法に関わらず、提供される。
【0053】
特に図42〜図44を参照すると、第2の変形は、ディスペンサ12のベース19と持ち上げられた床21との間に提供され得る。スライダ82は、係合タブ94が露出して、ディスペンサ12から延びる。ハウジング14が、ディスペンサ12に、特にマウスピース22の周りに取り付けられることによって、ハウジング14は、係合タブ94を係合し、スライダ82とともに係合タブ94の後方への変位を引き起こす。スライダ82の変位は、上記と同じ方法でカウンタ32の前進を引き起こす。図43に示されるように、この配置において容器18に向かって上方に面する印56は、ディスペンサ12の側面に形成された窓28を通して見られ得る。第3の変形は同様に、ベース19と持ち上げられた床21との間に収納され得、上記のように動作し得る。
【0054】
図45〜図46は、服用量カウンタ30がディスペンサ12に取り付けられている第4の変形を描く。プランジャ124は、ハウジング14によって係合されるように位置を定められる。例えば、突起部121は、ディスペンサ12に形成される開口部123に合うように形成され得、ハウジング14に備えられ得る。プランジャ124は、突起部121によって係合されるように位置を決められ、突起部121は開口部123を通って延びている。ハウジング14の他の部分は、プランジャ124を係合するために用いられ得る。プランジャ124は、服用量カウンタ30に電気的に連結され、上記のように服用量をカウントするために服用量カウンタ30の作動のための信号を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサの、服用量をカウントする装置であって、該装置は、
該ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、
該ディスペンサに動作可能に接続可能な手動調整可能な服用量カウンタであって、該服用量カウンタは該ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと
を備えている、装置。
【請求項2】
前記服用量カウンタの調整を選択的に防止するために該服用量カウンタを解放可能にロックする手段をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ディスペンサは、口吸入器または鼻吸入器である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ディスペンサは、前記服用量がそれを通過して投与される分配開口部を含み、前記ハウジングは、該ディスペンサに結合されたとき、該分配開口部の少なくとも一部分を覆うように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記印は、前記服用量カウンタに位置を定められ、該印は前記ハウジングを通して選択的に視認可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記服用量カウンタは電子ディスプレイを含み、前記印は該電子ディスプレイ上に電子的に表示される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記服用量カウンタの一方向の調整を可能にする手段をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ディスペンサの、服用量をカウントする装置であって、該装置は、
該ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、
該ディスペンサに動作可能に接続可能な調整可能な服用量カウンタであって、該服用量カウンタは該ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと、
該ハウジングが、該ディスペンサに結合されるとき、または該ディスペンサから分離されるとき、該服用量カウンタの調整を自動的に引き起こす手段と
を備えている、装置。
【請求項9】
前記服用量カウンタの調整を選択的に防止するために、該服用量カウンタを解放可能にロックする手段をさらに備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ディスペンサは、口吸入器または鼻吸入器である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記ディスペンサは、前記服用量がそれを通過して投与される分配開口部を含み、前記ハウジングは、該ディスペンサに結合されたとき、該分配開口部の少なくとも一部分を覆うように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記印は、前記服用量カウンタに位置を定められ、該印は前記ハウジングを通して選択的に視認可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記服用量カウンタは電子ディスプレイを含み、前記印は該電子ディスプレイ上に電子的に表示される、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記服用量カウンタの一方向の調整を可能にする手段をさらに備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
ディスペンサの、服用量をカウントする装置であって、該ディスペンサは、該服用量がそれを通過して投与される分配開口部を有し、該装置は、
該ディスペンサに解放可能に結合するハウジングであって、該ハウジングは、該ディスペンサに結合されたとき、該分配開口部の少なくとも一部分を覆うように構成される、ハウジングと、
該ディスペンサに動作可能に接続可能な服用量カウンタであって、該服用量カウンタは、該ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと
を備えている、装置。
【請求項16】
前記ディスペンサは、口吸入器または鼻吸入器である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ディスペンサが吸入器である場合、該ディスペンサは、マウスピースを含み、前記分配開口部は該マウスピースに形成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
薬物容器と、
該薬物容器から服用量を分配するディスペンサと、
該ディスペンサの、服用量をカウントする装置であって、該装置は、
該ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、
該ディスペンサに動作可能に接続される手動調整可能な服用量カウンタであって、該服用量カウンタは、該ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと
を含む、装置と
を備えている、キット。
【請求項19】
薬物容器と、
該薬物容器から服用量を分配するディスペンサと、
該ディスペンサの、服用量をカウントする装置であって、該装置は、
該ディスペンサに解放可能に結合するハウジングと、
該ディスペンサに動作可能に接続される調整可能な服用量カウンタであって、該服用量カウンタは、該ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと、
該ハウジングが、該ディスペンサに結合されるとき、または該ディスペンサから分離されるとき、該服用量カウンタの調整を自動的に引き起こす手段と
を含む、装置と
を備えている、キット。
【請求項20】
薬物容器と、
該薬物容器から服用量を分配するディスペンサであって、該ディスペンサは、該服用量がそれを通過して投与される分配開口部を有する、ディスペンサと、
該ディスペンサの、服用量をカウントする装置であって、該装置は、
該ディスペンサに解放可能に結合するハウジングであって、該ハウジングは、該ディスペンサに結合されたとき、該分配開口部の少なくとも一部分を覆うように構成される、ハウジングと、
該ディスペンサに動作可能に接続される服用量カウンタであって、該服用量カウンタは、該ディスペンサの、服用量に関する印を表示する、服用量カウンタと、
を含む、装置と
を備えている、キット。
【請求項21】
前記薬物カートリッジは、抗アセチルコリン剤、コルチコステロイド、長期作用ベータ作用薬、短期作用ベータ作用薬、ホスホジエステラーゼIV防止剤、および2つ以上のこれらの組み合せから成る群から選択される薬物を含む、請求項18〜20のいずれかに記載のキット。
【請求項22】
前記抗アセチルコリン剤は、(R)−3−[2−ヒドロキシル−2,2−(ジチエン−2−yl)アセトキシ]−1−1[2−(フェニル)エチル]−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、アトロピンメチル硝酸塩、アトロピン硫酸塩、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、メススコポラミン、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンズアルコニウム、臭化チオトロビウム、GSK202405、上記の任意の個々の異性体または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せから成る群から選択される、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記コルチコステロイドは、フランカルボン酸モメタゾン、ベクロメサゾンジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾン、デキサメタゾン、フルニソルド、トリアムシノロン、(22R)−6.アルファ.、9.アルファ.−ジフルオロ−11.ベータ.、21−ジヒドロキシ−16.アルファ.、17.アルファ.−プロピルメチレンジオキシ−4−プレグネン−3、20−ジオン、チプレダン、GSK685698、GSK799943または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せから成る群から選択される、請求項21に記載のキット。
【請求項24】
前記長期作用ベータ作用薬は、カルモテロール、インダカテロール、TA−2005、サルメテロール、ホルモテロール、または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せから成る群から選択される、請求項21に記載のキット。
【請求項25】
前記短期作用ベータ作用薬は、アルブテロール、テルブタリン硫酸塩、ビトルテロール、メシテート、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、ピルブテロール酢酸塩または上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せから成る群から選択される、請求項21に記載のキット。
【請求項26】
前記ホスホジエステラーゼIV防止剤は、シロミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、1−[[5−(1(S)−アミノエチル)−2−[8−メトキシ基−2−(トリフルオメチル基)−5−キノリニル]−4−オキサゾリル]カルボニル]−4(R)−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−L−プロリン、エチルエステルまたは上記の任意の薬学的に受容可能な塩または水和物、または上記のものの2つ以上の組み合せから成る群から選択される、請求項21に記載のキット。
【請求項27】
前記印は一連の隣接する番号を含み、該番号は該一連の番号において連続的に1ずつ少なくなる、請求項1〜26のいずれかに記載の装置またはキット。
【請求項28】
前記印は、少なくとも1つの色づけされた領域または色づけされた背景を含む、請求項1〜27のいずれかに記載の装置またはキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公表番号】特表2011−502551(P2011−502551A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542948(P2009−542948)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/026214
【国際公開番号】WO2008/079360
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】