説明

ディスポーザー

【課題】 充分微細な粉砕効果が得られるようにしたディスポーザーを提供すること。
【解決手段】 処理ボディは、上部の投入口に連通する粉砕室を内部に有し、この粉砕室には、互いに入れ子状に噛み合う一対の粉砕カッターが水平対向式に内蔵されるとともに、その粉砕カッターの前段階には、圧送粉砕スクリュウが内蔵されて、その一端側が前記投入口に連通し他端側が粉砕カッター上に臨むようにされ、これら圧送粉砕スクリュウと前記粉砕カッターとは、共通の駆動手段で連動するようになっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流し台のシンクの排水口に装着されて生ごみなどの厨芥を粉砕処理するディスポーザーに関する。
【背景技術】
【0002】
投入口に続く破砕室の底部に設けられた回転板を備え、水とともに投入された厨芥を破砕室で破砕して、回転板の下側に形成された排出室に落下させ、排出室の側面に設けた排出口から排水管に排出させるようにしたディスポーザーが下記特許公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−246234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示の技術によると、ディスポーザーの高さを小さくするとともに排出効率を向上させることができる。しかし、回転板に取付けられた打撃刃と破砕刃との組み合わせにより厨芥をそのまま打撃式に破砕処理するのみで圧搾作用を伴わないため、破砕がやや粗雑で微粉砕レベルまでの破砕効果が得られなかった。
【0005】
本発明は、こうした従来の問題を解決するためになされたもので、充分微細な粉砕効果が得られるようにしたディスポーザーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、処理ボディは、上部の投入口に連通する粉砕室を内部に有し、この粉砕室には、互いに入れ子状に噛み合う一対の粉砕カッターが水平対向式に内蔵されるとともに、その粉砕カッターの前段階には、圧送粉砕スクリュウが内蔵されて、その一端側が前記投入口に連通し他端側が粉砕カッター上に臨むようにされ、これら圧送粉砕スクリュウと前記粉砕カッターとは、共通の駆動手段で連動するようになっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、圧送粉砕スクリュウのスクリュウ部外周には鋸歯状の咬込み部が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明は、処理ボディは、上部の投入口に連通する粉砕室を内部に有し、この粉砕室には、互いに入れ子状に噛み合う一対の粉砕カッターが水平対向式に内蔵されるとともに、その粉砕カッターの前段階には、圧送粉砕スクリュウが内蔵されて、その一端側が前記投入口に連通し他端側が粉砕カッター上に臨むようにされ、これら圧送粉砕スクリュウと前記粉砕カッターとは、共通の駆動手段で連動するようになっていることを特徴とするので、圧送粉砕スクリュウが厨芥を取り込みと粉砕をしながら圧搾処理をするとともにその厨芥処理物をさらに粉砕カッターで微細に粉砕処理をして、充分微細な粉砕効果が得られるようにしたディスポーザーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】 図1のII−II線断面図。
【図3】 図2のIII−III線拡大断面図。
【図4】 図2のIV−IV線断面図。
【図5】 図1のV−V線に沿って他の実施形態を示す拡大断面図。
【図6】 開閉蓋の他の実施形態を示す縦断面図。
【図7】 図6の開閉蓋の開閉支持機構と蓋との関係を示す斜視図。
【図8】 第1粉砕室の点検窓機構と処理ボディの分解機構を示す断面図。
【図9】 他の実施形態を示す縦断面図。
【図10】 他の実施形態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明装置の一実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
図1ないし図3において、1はシンクで、その中央には口金2が装着されているとともにその中央には段付き状口金により落とし受口2が開けられており、この受口2を介してディスポーザーが取り付けられている。
【0010】
ディスポーザーは、落とし受口2内に締付具3をセットしておき、この締付具3に処理ボディ4側の締めナット5を締め付けることにより水密状に連結される。処理ボディ4の上端には、フランジ6が突設されており、このフランジ6を介して締めナット5が遊転自在に装備されており、このナット5を相手側の締付具3の外周ネジに螺着してゆくようになっている。締付具3の開口は投入口7になっている。
尚、落とし受口2と締付具3の上下間に設けられたパッキンは図示省略されている。
また、前記落とし受口2内には、面内に放射状の切り溝を有して自らの弾性変形により開閉するゴムあるいは樹脂製の開閉蓋8が脱着自在に設けられている。
【0011】
ディスポーザーの本体である処理ボディ4は、樹脂あるいは金属製で全体が筒状をなすとともに正面からみるとクランク形に屈曲した形状を有する。この処理ボディ4の上部内は垂直な円筒状をなす投入連通口9として厨芥が落とし込まれる通路とされるとともに、この連通口9の下部には、連通口9の下端に連通する第1粉砕室10が形成されている。この第1粉砕室10は、円筒を横軸状にした形を有する外殻の内部に形成されている。
【0012】
第1粉砕室10内には、圧送粉砕スクリュウ12が内装されている。この圧送粉砕スクリュウ12は、駆動軸13とスクリュウ部14とでなるとともに、その前後両端が軸受支持され、処理ボディ4外に装備した減速機能付きのモーターである駆動源15により図1矢印X方向に連続回転するようになっている。
圧送粉砕スクリュウ12が矢印X方向に回転されることで投入された厨芥は粉砕処理を受けたあと圧搾処理を受けながら矢印Bの方向に運ばれるようになっている。
尚、投入連通口9と第1粉砕室10間には、厨芥が第1粉砕室10内に取り込まれやすいようにするための斜め勾配状の導入ガイド10aが形成されている。
【0013】
第1粉砕室10の送り側他端には、縦向きの第2粉砕室17が設けられている。この粉砕室17内には、図2および図3のように、粉砕刃18…を周位に複数配備したカッタープレート19と、これらの間にプレート19と同じ厚さとしたスペーサ20とを回転軸21回りに交互に列設した粉砕カッター22の一対を水平対向式で互いに入組み状をなすように取り付けてある。これら粉砕カッター22,22は、互いの上部域が粉砕機能を発揮するように矢印Y方向に回転するようになっている。
【0014】
この回転は、駆動源15により得られる。すなわち、図4に示すように、駆動軸13の駆動源15とは反対側には、駆動ギア24が取り付けられるとともに、回転軸21の一方には従動ギア25が設けられて、これらギア24,25が連動関係とされている。回転軸21には、従動ギア25の横列にあるようにピニオン26が設けられ、それと噛み合うように他の回転軸21にもピニオン26が設けられている。尚、27はギアカバーである。また、28は排出通路、29はこの排出通路28に接続された排出ダクト管である。
【0015】
投入口7から投入連通口9を通じて投入された厨芥は、第1粉砕室10に持ち込まれて圧送粉砕スクリュウ12の回転によって粉砕されながら図1の矢印B方向に圧送され、最後に圧搾を受けながら矢印C方向である下方へ落とし込まれる。スクリュウ12により第1段階の粉砕処理をされた厨芥はさらに第2粉砕室17内に持ち込まれて粉砕カッター22により更なる微粉砕を受けることになり、そのあと排出通路28から矢印Dのように排出ダクト管29を通じて系外の排出系に排除される。圧送粉砕スクリュウ12の存在により騒音カットになる。
【0016】
尚、図5に示すように、厨芥の粉砕能力を高めるため、スクリュウ部14の外周縁に鋸歯状の咬込み部31を設けて厨芥を咬み込みながら切断してゆく力を持たせるようにしてもよい。この場合、咬込み部31は、図の下周りに示すように歯高の大きいものにしてもよい。
この咬込み部31は、図1におけるスクリュウ部14の全長に亘って形成する場合と投入連通口9に臨む一部にのみ形成する場合とがある。また、図5の右下に示すように欠損状鋸歯をもつ咬込み部31として咬み込みをより確実化するようにしてもよい。
【0017】
図6および図7は、前記開閉蓋8の他の実施形態を示す。この開閉蓋33は、樹脂あるいはゴム製で、受入れ口34よりも大径状にした投入連通口35の上端開口部36に矢印Zのように開閉可能にセットされており、この開閉蓋33は、図7に示すような一対からなるスプリング式の開閉支持機構37,37により開閉支持されている。
【0018】
開閉支持機構37は、バネ線材をU字形に折り曲げて形成されその一対の脚線部が処理ボディ4に明けた細孔4a内に差し込まれることにより固定されるようになった固定線材38と、その受線材38回りに基部39aを巻き付けて固定化されその長く伸びる受部39bが蓋33裏の挿入部33a内に挿し入れられる受線材39よりなる。
【0019】
厨芥が投入されないときは、受線材39が上向きのバネ力をもつので、開閉蓋33は上端開口部36を閉じた状態になって処理ボディ4内や排出ダクト内からの臭いを抑止することができる。厨芥が投入されると、その重さにより受線材39が弾性変形して矢印Zのように下向きに曲がることで開閉蓋33は開き、厨芥は連通口35から第1粉砕室10内に落ちてゆく。そのあと、開閉蓋33は受線材39のもつ弾性復帰力により閉じて第1粉砕室10内などに残る臭いが上方へ放散するのを阻止する。開閉蓋33が矢印Zのように開閉するのは、受入れ口34よりも投入連通口35の方が口径が大きくなっているためである。
【0020】
尚、図7の右側欄に示すように、固定線材38をU字形でなくその両脚のない形にして受線材39を巻きつけ固定しさらに開閉蓋33を取付けたものとし、このセットを、処理ボディ4側に固定した受溝材40に脱着可能に装着できるようにして、必要により前記セットをこの受溝材40から取り外すことでこれらの洗浄や交換などができるように構成してもよい。
【0021】
図8は他の実施形態を示す。この実施形態は、第1粉砕室10内の保守点検などに対処できるようにするため、処理ボディ4の圧送粉砕スクリュウ12に対応する壁部に点検窓口42を開けておき、この窓口42を開閉カバー43により開閉できるようにしたものである。44は止着具、45はカバーガイドである。
【0022】
図8にはさらに他の実施形態が示されている。処理ボディ4を第1粉砕室10側のボディaと第2粉砕室17側のボディbとに合体・分解可能に構成したものである。これも保守点検の用に至便である。
【0023】
尚、図9は他の実施形態で、第1粉砕室10および圧送粉砕スクリュウ12の長さを投入連通口9の幅の略2倍程度とし、処理ボディ4をコンパクトなものにして機器を狭いスペースでも装着しやすくしたものである。
【0024】
図10は他の実施形態で、第1粉砕室10および圧送粉砕スクリュウ12の長さを投入連通口9よりも少し長くし(30〜50mm前後)、処理ボディ4をコンパクトなものにして機器を狭いスペースでもより装着しやすくしたものである。
これら図9および図10の実施形態にも図5の咬込み部31を構成することができる。
【符号の説明】
【0025】
1…シンク 4…処理ボディ 7…投入口 9…投入連通口 10…第1粉砕室 12…圧送粉砕スクリュウ 14…スクリュウ部 15…駆動部 17…第2粉砕室 22…粉砕カッター 31…咬込み部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ボディは、上部の投入口に連通する粉砕室を内部に有し、この粉砕室には、互いに入れ子状に噛み合う一対の粉砕カッターが水平対向式に内蔵されるとともに、その粉砕カッターの前段階には、圧送粉砕スクリュウが内蔵されて、その一端側が前記投入口に連通し他端側が粉砕カッター上に臨むようにされ、これら圧送粉砕スクリュウと前記粉砕カッターとは、共通の駆動手段で連動するようになっていることを特徴とするディスポーザー。
【請求項2】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、圧送粉砕スクリュウのスクリュウ部外周には鋸歯状の咬込み部が形成されているディスポーザー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−202201(P2012−202201A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88628(P2011−88628)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【特許番号】特許第4848536号(P4848536)
【特許公報発行日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(501098061)株式会社サンエイ (13)
【Fターム(参考)】