説明

ディスポーザ及び生ゴミ処理システム

【課題】ディスポーザの破砕機及び貯留槽夫々へ適切に給水し、しかも作業者の利便性が向上されたディスポーザ及び生ゴミ処理システムを提供する。
【解決手段】破砕機14のモータ14mが作動した場合に、破砕機14への給水が必要であるため、三方弁18を破砕機14側に切り替えて破砕機14への給水を開始する。モータ14mが停止した場合に、破砕機14への給水が不要であるため、三方弁18を貯留槽11側に切り替えて貯留槽11への給水を開始し、また、タイマでの計時を開始する。タイマが計時したモータ14mが停止してからの経過時間が所定時間以上となった場合、貯留槽11への給水が不要であるため、三方弁18を切り替えて給水を停止する。三方弁18の切り替えは自動的に実行され、作業者が手動で給水の開始/切替/停止を行なう必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミを破砕するディスポーザ、及びディスポーザが破砕した生ゴミを微生物によって湿式の生ゴミ処理装置で分解処理する生ゴミ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
湿式の生ゴミ処理装置は、水槽の水に微生物を混入させて、生ゴミを水、二酸化炭素等に分解処理するための処理水となし、この処理水の中に生ゴミを投入して水中ポンプで処理水を循環させて攪拌することによって、微生物に生ゴミを分解させる(特許文献1参照)。
【0003】
生ゴミの分解効率を向上させるために、生ゴミ処理の作業者は、水槽に投入する生ゴミを予め裁断、破砕等しておく必要がある。また、裁断、破砕等された生ゴミを水槽の投入口から投入する必要もある。
【0004】
生ゴミの裁断、破砕等と水槽への投入とを自動化するために、生ゴミを破砕して水と共に生ゴミ処理装置の水槽へ搬送するディスポーザを用いることが考えられる。
【0005】
このようなディスポーザは、生ゴミを破砕する破砕機と貯留槽とを備える。破砕機には、生ゴミを破砕する際に水道水が供給され、破砕機が破砕した生ゴミ及び水道水は貯留槽へ流入して貯留される。
貯留槽内部には水中ポンプが設置してあり、貯留槽の水位が所定の第1水位以上の水位である場合に、貯留槽に貯留された生ゴミ及び水道水を吸入して生ゴミ処理装置の水槽へ搬送し、貯留槽の水位が第1水位より低い所定の第2水位以下である場合に、生ゴミ及び水道水の搬送を停止する。
生ゴミ処理装置においては、ディスポーザから水道水と共に水槽へ搬送された生ゴミが、微生物によって分解処理される。
【0006】
ところで、生ゴミ処理装置側でトラブルが生じ、生ゴミの分解処理が困難又は不可能になった場合、生ゴミ処理装置がディスポーザへ、生ゴミの搬送を禁止する信号を出力し、この信号が入力されたときにディスポーザの水中ポンプが停止して生ゴミ及び水道水を生ゴミ処理装置の水槽へ搬送しないようにする生ゴミ処理システムが考えられる。
【特許文献1】特開2000−354898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ディスポーザへの給水の実行及び停止は、例えば水道の蛇口を開閉することによって、作業者が手動で行なう。
このため、破砕機による生ゴミの破砕の開始と同時的に作業者が破砕機への給水を手動で実行し、生ゴミの破砕終了後に破砕機への給水を手動で停止させる必要がある。
【0008】
また、水中ポンプの冷却、貯留槽内部の清掃等のために、貯留槽にも水道水を給水するディスポーザが考えられる。この場合、作業者は更に、貯留槽への給水を手動で実行/停止させる必要がある。
【0009】
更にまた、生ゴミ処理装置側のトラブルが原因で水中ポンプが停止した場合に作業者が水中ポンプの停止に気づかずディスポーザへの給水を続行していると、貯留槽から破砕機への水道水及び生ゴミの逆流、ディスポーザから外部への水道水及び生ゴミの流出等の問題が生じる可能性がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、破砕機が作動した場合に破砕機への給水を開始し、破砕機が停止したときに貯留槽への給水に切り替える構成とすることにより、ディスポーザの破砕機及び貯留槽夫々へ適切に給水することができ、しかも作業者の利便性を向上させることができるディスポーザ及び生ゴミ処理システムを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、破砕機の停止から所定時間が経過した場合に、給水の実行を停止する構成とすることにより、ディスポーザへの給水を自動的に停止させることができるディスポーザを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、三方弁を用いて給水の実行/停止を切り替える構成とすることにより、簡易な構成で、給水の実行/停止を自動的に切り替えることができるディスポーザを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、生ゴミ処理装置がディスポーザに与える生ゴミの搬送の禁止指示に従ってディスポーザへの給水を停止する構成とすることにより、生ゴミ処理装置側のトラブルを原因とするディスポーザへの過剰な給水を防止することができるディスポーザ及び生ゴミ処理システムを提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、生ゴミ処理装置がディスポーザに、破砕機が作動した場合に破砕機への給水を開始させ、破砕機が停止したときに貯留槽への給水に切り替えさせる構成とすることにより、ディスポーザの破砕機及び貯留槽夫々へ適切に給水することができ、しかも作業者の利便性を向上させることができるディスポーザ及び生ゴミ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るディスポーザは、投入された生ゴミを破砕する破砕機と、該破砕機が破砕した生ゴミ及び水を貯留する貯留槽と、前記破砕機及び前記貯留槽夫々へ給水する給水手段と前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を外部へ搬送する搬送手段とを備えるディスポーザであって、前記給水手段による前記破砕機及び前記貯留槽夫々への給水の実行及び停止を切り替える切替手段を備え、該切替手段は、前記破砕機が作動した場合に前記破砕機への給水を開始し、前記破砕機が停止した場合に前記貯留槽への給水に切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るディスポーザは、前記破砕機が停止した場合に前記破砕機の停止からの経過時間を計時するタイマを備え、前記切替手段は、前記タイマが所定時間を計時した場合に、給水の実行を停止に切り替えるようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るディスポーザは、前記切替手段は、前記破砕機への給水側が前記破砕機の作動開始/作動停止に連動して開/閉し、前記貯留槽への給水側が前記タイマの計時開始/計時終了に連動して開/閉するようにしてある三方弁を用いてなることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るディスポーザは、生ゴミの搬送の禁止指示を受け付ける受付手段と、該受付手段が前記禁止指示を受け付けた場合に、前記破砕機及び前記搬送手段を停止させ、前記給水手段による給水を停止させる停止手段を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るディスポーザは、投入された生ゴミを破砕する破砕機と、該破砕機が破砕した生ゴミ及び水を貯留する貯留槽と、前記破砕機及び前記貯留槽夫々へ給水する給水手段と前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を外部へ搬送する搬送手段とを備えるディスポーザであって、前記破砕機の作動開始/作動停止を外部に報知する報知手段と、前記破砕機/前記貯留槽への給水指示を受け付ける指示受付手段と、該指示受付手段が前記破砕機/前記貯留槽への給水指示を受け付けた場合に、前記給水手段による前記破砕機/前記貯留槽への給水の実行を切り替える給水切替手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る生ゴミ処理システムは、微生物が混入された水を収容する水槽へ搬送された生ゴミを前記微生物によって分解処理する生ゴミ処理装置と、本発明の何れかひとつのディスポーザとを備える生ゴミ処理システムであって、前記ディスポーザは、前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を前記水槽へ搬送するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る生ゴミ処理システムは、微生物が混入された水を収容する水槽へ搬送された生ゴミを前記微生物によって分解処理する生ゴミ処理装置と、本発明のディスポーザとを備える生ゴミ処理システムであって、前記生ゴミ処理装置は、生ゴミの搬送の禁止指示を前記ディスポーザに与える禁止手段を備え、前記ディスポーザは、前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を前記水槽へ搬送するようにしてあることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る生ゴミ処理システムは、微生物が混入された水を収容する水槽へ搬送された生ゴミを前記微生物によって分解処理する生ゴミ処理装置と、本発明のディスポーザとを備える生ゴミ処理システムであって、前記ディスポーザは、前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を前記水槽へ搬送するようにしてあり、前記報知手段は、前記破砕機の作動開始/作動停止を前記生ゴミ処理装置に報知するようにしてあり、前記生ゴミ処理装置は、前記報知手段から前記破砕機の作動開始を報知された場合に、前記破砕機への給水指示を前記ディスポーザに与える第1給水指示手段と、前記報知手段から前記破砕機の作動停止を報知された場合に、前記貯留槽への給水指示を前記ディスポーザに与える第2給水指示手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、投入された生ゴミを破砕する破砕機と破砕機が破砕した生ゴミ及び水を貯留する貯留槽との夫々へ給水手段が給水し、給水手段による破砕機への給水の実行及び停止と、貯留槽への給水の実行及び停止とを切替手段が切り替える。
切替手段は、破砕機が作動した場合、即ち破砕機へ生ゴミが投入されて、破砕された生ゴミが貯留槽へ流入する場合に、破砕機への給水を開始し、貯留槽への給水は実行しない。
また、切替手段は、破砕機の作動後に破砕機が停止したとき、即ち生ゴミの破砕と貯留槽への流入とが終了したときに、貯留槽への給水を開始し、破砕機への給水を停止する。
【0024】
貯留槽内の搬送手段は、貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を外部へ、具体的には生ゴミ処理装置の水槽へ搬送する。この水槽には、微生物が混入された水(処理水)が収容してあり、水槽へ搬送された生ゴミは微生物によって分解処理される。
【0025】
本発明にあっては、破砕機の作動後に破砕機が停止した場合、切替手段は貯留槽への給水を開始し、タイマは破砕機の停止からの経過時間を計時する。タイマが所定時間を計時したとき、即ち、例えば貯留槽に貯留されていた生ゴミ及び水の搬送が終了したとき、切替手段は貯留槽への給水を停止する。また、破砕機への給水も行なわない。
【0026】
本発明にあっては、給水手段による破砕機及び貯留槽夫々への給水の実行及び停止を切り替える切替手段を、三方弁を用いて構成し、三方弁の破砕機への給水側を破砕機の作動開始/作動停止に連動して開/閉させ、三方弁の貯留槽への給水側をタイマの計時開始/計時終了に連動して開/閉させる。
【0027】
三方弁は、例えば通電されている場合に破砕機/貯留槽への給水側が開状態又は閉状態になって、破砕機(貯留槽)への給水側が開状態である場合に、破砕機(貯留槽)への給水を実行し、閉状態である場合に給水を停止する。
例えば、破砕機への通電開始(作動開始)/通電停止(作動終了)と同時的に三方弁の破砕機への給水側に通電開始/通電停止することによって、三方弁の破砕機への給水側が破砕機の作動開始/作動停止に連動して開/閉する。
同様に、例えば、タイマの計時開始/計時終了と同時的に三方弁の貯留槽への給水側に通電開始/通電停止することによって、三方弁の貯留槽への給水側がタイマの計時開始/計時終了に連動して開/閉する。
【0028】
本発明にあっては、生ゴミ処理装置が、生ゴミの搬送の禁止指示をディスポーザに与え、生ゴミの搬送の禁止指示を受け付けたディスポーザは、破砕機及び搬送手段が停止するため、貯留槽に貯留されている水及び生ゴミが生ゴミ処理装置の水槽へ搬送されず、しかも破砕機及び貯留槽夫々への給水が停止する。
【0029】
本発明にあっては、ディスポーザに関し、投入された生ゴミを破砕する破砕機と破砕機が破砕した生ゴミ及び水を貯留する貯留槽との夫々へ給水手段が給水する。
報知手段は破砕機の作動開始/作動停止を生ゴミ処理装置に報知する。
【0030】
生ゴミ処理装置に関し、破砕機の作動開始を報知された場合に、破砕機への給水指示を第1給水指示手段がディスポーザに与え、破砕機の作動停止を報知された場合に、貯留槽への給水指示を第2給水指示手段がディスポーザに与える。
ディスポーザに関し、破砕機/貯留槽への給水指示を指示受付手段が受け付けた場合に、給水手段による破砕機への給水の実行及び停止と、貯留槽への給水の実行及び停止とを給水切替手段が切り替える。例えば、破砕機(貯留槽)への給水指示を指示受付手段が受け付けた場合に、給水手段による破砕機(貯留槽)への給水を実行し、受け付けていない場合に停止する。
【0031】
貯留槽内の搬送手段は、貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を外部へ、具体的には生ゴミ処理装置の水槽へ搬送する。この水槽には、微生物が混入された水が収容してあり、水槽へ搬送された生ゴミは微生物によって分解処理される。
【発明の効果】
【0032】
本発明のディスポーザ及び生ゴミ処理システムによる場合、給水手段及び切替手段が、破砕機の作動/停止に応じて、自動的に破砕機への給水を実行/停止し、しかも破砕機の停止に応じて、自動的に貯留槽への給水を実行する。
破砕機の作動中は破砕機への給水が必要であり、貯留槽への給水は必要ではない。また、破砕機の停止後は破砕機への給水は必要ではなく、貯留槽への給水が望ましい。
【0033】
このため、破砕機及び貯留槽夫々へ給水すべきとき、作業者が手動で給水の実行/停止を切り替えることなく、破砕機及び貯留槽夫々へ適切に給水することができる。この結果、作業者の利便性を向上させることができる。
また、給水が必要でないときに給水しないため、無駄な給水を防止して水のコストを低減することができる。
【0034】
本発明のディスポーザによる場合、タイマによって、貯留槽への給水、延いてはディスポーザへの給水を自動的に停止させることができる。
破砕機が停止してから所定時間の経過後は、貯留槽(及び破砕機)への給水は不要になる。仮に、貯留槽(及び破砕機)への給水を継続する場合、ディスポーザから生ゴミ処理装置へ水が不要に搬送されてディスポーザの運転コスト及び水のコストが増大し、また、生ゴミ処理装置における生ゴミ処理に支障をきたす(水槽への過剰な給水によって、微生物の濃度が下がる、水槽の水位が過剰に上昇して未処理の生ゴミが排水口を詰まらせる等)可能性がある。
【0035】
以上のことから、貯留槽への給水を停止すべきとき、作業者が手動で給水を停止させることなく、貯留槽へ適切に給水することができる。この結果、作業者の利便性を向上させることができ、無駄な給水を防止して給水コストを低減することができ、ディスポーザに起因する生ゴミ処理装置側のトラブルを抑制することができる。
【0036】
本発明のディスポーザによる場合、三方弁を用いて給水の実行/停止を切り替えるため、簡易な構成で、破砕機/貯留槽への給水の実行及び停止を自動的に切り替えることができる。
【0037】
本発明のディスポーザ及び生ゴミ処理システムによる場合、生ゴミの搬送の禁止指示が与えられた場合に、ディスポーザへの給水が停止するため、生ゴミ処理装置側のトラブルに基づく搬送手段の停止によっても、ディスポーザへの過剰な給水を確実に防止することができる。ここで、破砕機及び搬送手段が停止しているため、破砕機及び貯留槽への給水が停止しても問題はない。
【0038】
本発明のディスポーザ及び生ゴミ処理システムによる場合、生ゴミ処理装置が、破砕機の作動/停止に応じて、自動的に破砕機への給水を実行/停止させ、しかも破砕機の停止に応じて、自動的に貯留槽への給水を実行させる。
このため、破砕機及び貯留槽夫々へ給水すべきとき、作業者が手動で給水の実行/停止を切り替えることなく、破砕機及び貯留槽夫々へ適切に給水することができる。この結果、作業者の利便性を向上させることができる。
また、給水が必要でないときに給水しないため、無駄な給水を防止して水のコストを低減することができる。
【0039】
以上のような場合、生ゴミ処理装置側の状況(例えば水槽の水位)に応じてディスポーザへの給水を実行/切替/停止するタイミングを変更することができ、より柔軟に生ゴミ処理システムを運用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0041】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る生ゴミ処理システム3の構成を示す正面図である。生ゴミ処理システム3は業務用の生ゴミ処理システムであり、夫々地面に設置されたディスポーザ1と、湿式の生ゴミ処理装置2とを備える。
ディスポーザ1は、生ゴミを破砕するための破砕室140と、破砕された生ゴミを、生ゴミ処理装置2が備える処理槽21へ搬送する前に一時的に貯留するための貯留槽11とを並設し、貯留槽11及び破砕室140の上方に、ディスポーザ1へ、更に詳細には貯留槽11及び後述する破砕機14(図2)夫々へ給水する給水手段としての給水部10を配してなる。
【0042】
図2及び図3は、ディスポーザ1の構成を示す模式的な透視正面図及び平面図であり、図4は、ディスポーザ1を作動させるための回路配置を示す回路図である。また、図5は、生ゴミ処理装置2の操作盤22の構成を示すブロック図である。
【0043】
図2及び図3に示すように、ディスポーザ1の破砕室140は、生ゴミを破砕する図示しないカッター部とカッター部を駆動するモータ14mとを備える破砕機14を内蔵している。生ゴミは、破砕室140上部の投入口141から破砕機14内へ、給水部10から投入口141へ供給される水道水と共に投入され、投入された生ゴミは破砕機14で約5mm角未満のサイズに破砕される。破砕された生ゴミは、破砕機14と貯留槽11とを連結する連結パイプ142を介して、水道水と共に貯留槽11へ流入する。連結パイプ142の貯留槽11側の端部は、貯留槽11の高さ方向中央部に配されている。
【0044】
貯留槽11は、破砕機14が破砕した生ゴミ及び水道水を貯留する。
また、貯留槽11に貯留された生ゴミ及び水道水をディスポーザ1外部(具体的には図1に示す生ゴミ処理装置2の処理槽21)へ搬送する搬送手段として、水中ポンプを用いてなる搬送ポンプ17が、貯留槽11底面に立設してある。搬送ポンプ17の底面には複数本の脚部が設けられ、搬送ポンプ17底面と貯留槽11底面とを適長離隔させている。また、搬送ポンプ17底面には吸入口が開口している。
【0045】
搬送ポンプ17は、貯留槽11の水位が第1所定水位W1 以上になった場合に作動開始して、貯留槽11に貯留された水道水及びこの水道水に含まれる生ゴミを吸入口から吸入し、吐出パイプ171を介してディスポーザ1外部へ吐出するよう構成されている。また、搬送ポンプ17は、貯留槽11の水位が第1所定水位W1 より低い第2所定水位W2 以下になった場合に作動停止するよう構成されている。
【0046】
このような搬送ポンプ17の作動開始/作動停止は、第1所定水位W1 及び第2所定水位W2 夫々に配されたフロートスイッチ131,132を用いて実行される。
フロートスイッチ131(132)は、貯留槽11に収容された水道水の水面に浮遊する浮玉を有し、浮玉の上下方向の位置が第1所定水位W1 以上(第2所定水位W2 超過)である場合はオン状態となり、第1所定水位W1 未満(第2所定水位W2 以下)である場合はオフ状態となる。
【0047】
フロートスイッチ131,132は夫々搬送ポンプ17に接続されており、貯留槽11の水位が第1所定水位W1 未満である場合、フロートスイッチ131がオフ状態であって搬送ポンプ17への通電を遮断し、貯留槽11の水位が第1所定水位W1 以上になった場合にオン状態となって搬送ポンプ17への通電を可能とする。同様に、貯留槽11の水位が第2所定水位W2 超過である場合、フロートスイッチ132は搬送ポンプ17への通電を可能とし、貯留槽11の水位が第2所定水位W2 以下になった場合に搬送ポンプ17への通電を遮断する。
【0048】
第1所定水位W1 は、連結パイプ142の貯留槽11側の端部の高さよりも適宜の距離だけ低い位置に設定してある。このため、貯留槽11に貯留されている水道水及び生ゴミが、連結パイプ142を介して破砕機14側へ逆流することが防止される。また、第2所定水位W2 は、搬送ポンプ17の吸入口よりも適宜の距離だけ高い位置に設定してある。このため、搬送ポンプ17の空運転が防止される。
【0049】
給水部10は、給水栓100、水道管101,102,103を用いてなり、水道管101と水道管102,103との間に、水道管101及び水道管102間、及び水道管101及び水道管103間を個々に開閉する三方弁18が配されている。
水道管101は、電磁弁104及び給水栓100を介して上水道に連結されている。また、水道管102,103は、投入口141の蓋近傍、及び貯留槽11の上面に連結してある。
なお、水道管102,103の破砕機14側及び貯留槽11側の端部に多数の小孔を形成して、給水された水道水がシャワー状に放水されるようにしてもよい。
【0050】
給水栓100は、例えば蛇口を用いてなり、作業者が開閉するが、通常は開状態にしてある。給水栓100が閉状態である場合、電磁弁104及び三方弁18の開閉にかかわらず、水道水はディスポーザ1に給水されない。
電磁弁104は、電磁弁104に対する通電が実行/停止されることによって開状態/閉状態になるよう構成してある。なお、電磁弁104の代わりに電動バルブを用いてもよい。
電磁弁104が閉状態である場合、給水栓100及び三方弁18が開状態であっても、水道水はディスポーザ1に給水されない。
【0051】
三方弁18は、三方弁18の水道管102側、即ち破砕機14側に対応する電磁弁18a(図4)に通電が実行/停止されることによって水道管102を介した給水を実行/停止する電磁弁18aが開状態/閉状態になるよう構成してある。同様に、三方弁18は、三方弁18の水道管103側、即ち貯留槽11側に対応する電磁弁18b(図4)に通電が実行/停止されることによって水道管103を介した給水を実行/停止する電磁弁18bが開状態/閉状態になるよう構成してある。
【0052】
電磁弁104及び給水栓100の両方が開状態であり、三方弁18の破砕機14側が開状態である場合、水道水が水道管101、三方弁18及び水道管102をこの順に通過して、投入口141から破砕機14へ給水される。このとき、水道管102から給水された水道水は、投入口141の内面を全体的に通過するようにして破砕機14へ移動し、破砕機14へ給水された水道水は、破砕機14が破砕した生ゴミと共に、連結パイプ142を通過して貯留槽11へ流入する。
【0053】
同様に、電磁弁104及び給水栓100の両方が開状態であり、三方弁18の貯留槽11側が開状態である場合、水道水が水道管101、三方弁18及び水道管103をこの順に通過して、貯留槽11へ給水される。
水道管103の貯留槽11側の端部は、搬送ポンプ17に向けて開口している水道管103aと、フロートスイッチ131,132に向けて開口している水道管103bとに分岐しており、水道管103a,103bから給水された水道水は、搬送ポンプ17及びフロートスイッチ131,132に向けて放水されるようにしてある。
【0054】
ここで、破砕機14に給水された水道水は、投入口141から投入された生ゴミが破砕機14内部へ円滑に移動し、破砕された生ゴミが連結パイプ142を通過して貯留槽11へ円滑に流入するために利用される。また、水道水は、投入口141、破砕機14及び連結パイプ142の清掃に利用される。
貯留槽11に給水された水道水は、搬送ポンプ17の冷却、フロートスイッチ131,132に付着した生ゴミの除去、及び貯留槽11内部の清掃等に利用される。
【0055】
つまり、給水部10からディスポーザ1への給水によって、破砕室140及び貯留槽11に生ゴミ、汚水等が残留することが抑制され、このため、悪臭の発生を抑制し、害虫、雑菌等の繁殖を抑制することができ、衛生的である。また、生ゴミの付着によるフロートスイッチ131,132の誤作動が防止される。
【0056】
ただし、破砕機14への給水は破砕機14の作動中(更に詳細にはモータ14mの作動中)に実行されれば必要十分であり、貯留槽11への給水は破砕機14の停止後から搬送ポンプ17による生ゴミ及び水道水の搬送終了前後まで実行されれば必要十分である。破砕機14及び貯留槽11への不要な給水は、水道代の増大を招く。また、搬送ポンプ17の不要な作動による生ゴミ処理装置2の処理槽21への水道水の不要な搬送を招き、電気代の増大、生ゴミ処理装置2側の生ゴミ慮離能力の低下等の要因となる。
【0057】
また、後述するように生ゴミ処理装置2側から搬送ポンプ17が作動停止させられた場合、仮に、搬送ポンプ17の作動停止後も貯留槽11へ水道水が水道管103及び/又は連結パイプ142を介して供給されたとき、貯留槽11への給水が過剰となって、貯留槽11に貯留されている水道水及び生ゴミが、連結パイプ142を介して破砕機14側へ逆流し、更に投入口141からディスポーザ1外部へ流出(オーバーフロー)する可能性がある。
【0058】
同様に、搬送ポンプ17の吸入量よりも貯留槽11への給水量の方が多い場合(例えば給水部10からの給水量が過剰である場合、又は搬送ポンプ17の吸入口が生ゴミで半ば詰まって吸入困難となっている場合)も、貯留槽11への給水が過剰となる。
【0059】
以下では、ディスポーザ1に対する必要十分な給水を行なうための構成を主に説明する。
【0060】
三方弁18及び電磁弁104、並びに破砕機14のモータ14m及び搬送ポンプ17は、図4に示すように、ブレーカBを介して商用電源Sに接続されて、商用電源Sから給電されるようにしてある。また、この商用電源Sには後述する各種のランプ161,162,163及びタイマ13もブレーカBを介して接続されており、商用電源Sから給電されるようにしてある。
【0061】
更にディスポーザ1は、図1に示すように、投入口141近傍の破砕室140正面に操作部16を備える。操作部16は、電源ランプ161、運転ランプ162、及びスタンバイランプ163、並びに運転ボタン164、停止ボタン165及び非常停止ボタン166を備える。
【0062】
また、図4に示すディスポーザ1の運転報知部12及び運転許可部15は、夫々リレーを用いてなり、生ゴミ処理装置2の操作盤22に接続されている。運転報知部12は、オン状態である場合に、モータ14mが運転中であることを示す運転信号を操作盤22へ出力し、オフ状態である場合は運転信号を出力しない。一方、運転許可部15は、後述する許可信号を操作盤22から入力された場合にオン状態になり、入力されていない場合にオフ状態になる。
【0063】
非常停止ボタン166及び運転許可部15は、運転ランプ162、スタンバイランプ163、電磁弁104、三方弁18、タイマ13、モータ14m、搬送ポンプ17並びに運転報知部12に対して設けてある。運転許可部15がオン状態であり、しかも非常停止ボタン166が操作されていない場合、各部への通電が可能となって、スタンバイランプ163は点灯し、運転ランプ162は点灯可能となり、電磁弁104及び三方弁18夫々は開放可能となり、タイマ13、モータ14m及び搬送ポンプ17夫々は作動可能となり、運転報知部12はオン状態可能となる。
【0064】
非常停止ボタン166が操作された場合、又は運転許可部15がオフ状態である場合、各部への通電が遮断されて、運転ランプ162及びスタンバイランプ163は消灯し、電磁弁104及び三方弁18夫々は閉鎖され、タイマ13、モータ14m及び搬送ポンプ17夫々は作動停止し、運転報知部12はオフされる。
【0065】
つまりスタンバイランプ163は、点灯/消灯によって、ディスポーザ1の運転が可能である(許可されている)/不可能である(禁止されている)ことを作業者に報知する。
電源ランプ161は商用電源Sに対して設けてあり、ディスポーザ1の電源がオン状態/オフ状態である場合に点灯/消灯する。つまり電源ランプ161は、ディスポーザ1の電源のオン/オフを作業者に報知する。
【0066】
運転ボタン164及び停止ボタン165は、運転ランプ162、モータ14m及び運転報知部12に対して設けてある。
運転ボタン164は破砕機14を運転させるための操作ボタンであり、スタンバイランプ163点灯中に操作された場合にモータ14mが作動開始し、運転ランプ162が点灯し、運転報知部12がオン状態になる。スタンバイランプ163消灯中に運転ボタン164を操作した場合は破砕機14は作動停止したままであり、運転ランプ162は消灯したままであり、運転報知部12はオフ状態になったままである。
【0067】
停止ボタン165は破砕機14を停止させるための操作ボタンであり、運転ランプ162点灯中に操作された場合にモータ14mが作動停止し、運転ランプ162が消灯し、運転報知部12がオフ状態になる。
つまり運転ランプ162は、点灯/消灯によって、モータ14m、延いては破砕機14の運転/停止を作業者に報知する。
【0068】
運転報知部12は、三方弁18の水道管102を介した給水を実行/停止する電磁弁18aに対して設けてあり、運転報知部12がオン状態になった場合、即ち破砕機14のモータ14mが作動開始した場合、電磁弁18aを開状態にして破砕機14への給水を開始させる。逆に、運転報知部12がオフ状態になった場合、即ち破砕機14のモータ14mが作動停止した場合、電磁弁18aを閉状態にして破砕機14への給水を停止させる。
【0069】
運転報知部12及び運転許可部15夫々がオン状態である場合に、運転許可部15がオフ状態になったとき、運転報知部12もオフ状態になる。しかしながら、運転報知部12及び運転許可部15夫々がオフ状態である場合に、運転許可部15がオン状態になったとき、運転報知部12はオフ状態のままであり、この状態で運転ボタン164が操作されることによって運転報知部12もオン状態になる。
【0070】
タイマ13は、運転ボタン164、停止ボタン165及び三方弁18の水道管103を介した給水を実行/停止する電磁弁18bに対して設けてある。タイマ13は、運転ボタン164が操作された場合に、タイマ13自身もオン状態となって、時間カウンタを“1”ずつインクリメントするが、同時的に、計数した時間カウンタを“0”にクリアし続ける。
【0071】
また、タイマ13は、停止ボタン165が操作された場合に、時間カウンタのインクリメントを続行するが、時間カウンタのクリアは停止し、更に、電磁弁18bへの通電を行なうことによって電磁弁18bを開状態にして貯留槽11への給水を開始させる。つまり、タイマ13は、破砕機14のモータ14mの作動停止に連動して、モータ14mの作動停止時点からの経過時間の計時を開始し、また、貯留槽11への給水を開始させる。
【0072】
更にタイマ13は、計数した時間カウンタが所定の時間カウンタ以上であった場合に、前記経過時間の計時を終了し、更に、電磁弁18bへの通電を止めることによって電磁弁18bを閉状態にして貯留槽11への給水を停止させる。ここで用いられる所定の時間カウンタは、作業者による生ゴミ投入終了時点、即ちモータ14mの作動停止時点から、貯留槽11に貯留された生ゴミの処理槽21への搬送終了時点までに要する経過時間(例えば15分)より適宜の時間(5分)だけ長い時間(20分)に対応する。このため、タイマ13は、貯留槽11に貯留された生ゴミが処理槽21へ完全に搬送された後で、電磁弁18bを閉状態にして貯留槽11への給水を停止させる。
【0073】
さて、生ゴミ処理装置2の処理槽21は、微生物が混入された水(処理水)を収容する水槽であり、図1〜図3に示すように、この処理槽21とディスポーザ1の貯留槽11とが、搬送パイプ30を介して連結されている。搬送パイプ30のディスポーザ1側の端部は、破砕された生ゴミを含む水道水が搬送ポンプ17側へ逆流することを防止する逆止弁31を介在して搬送ポンプ17の吐出パイプ171に連結されており、搬送パイプ30の生ゴミ処理装置2側の端部は処理槽21の側面上部に連結されている。
【0074】
また、処理槽21の上方には、生ゴミ処理装置2を操作するための操作盤22が設置してある。
図5に示すように、操作盤22は、バス又は信号線を介して電気的に相互に接続されたCPU20、ROM25、RAM26、タイマ27、操作部28及びI/F(インタフェース)部29を備える。また、操作盤22は、I/F部29を介して生ゴミ処理装置2の機能部(給水用、攪拌用等のポンプ、給水用、給気用等のバルブ等の各部)23及び水位検出部24夫々に接続され、更に、I/F部29を介してディスポーザ1の運転報知部12及び運転許可部15夫々に接続されている。
【0075】
水位検出部24はフロートスイッチを用いてなり、処理槽21内部に設けられている。水位検出部24は、処理槽21の処理水の水面に浮遊する浮玉を有し、浮玉の上下方向の位置が処理槽21のオーバーフロー水位(例えば処理槽21の排水口の高さ)を超過している場合に、水位超過信号を操作盤22へ出力するオーバーフロースイッチである。
【0076】
操作盤22のCPU20は、RAM26を作業領域として用い、ROM25に記憶された制御プログラム及びデータに従って、生ゴミ処理装置2の機能部23へ、機能部23を制御する制御信号を出力する。
また、CPU20は、水位検出部24から出力された水位超過信号を入力され、運転報知部12から出力された運転信号を入力される。
【0077】
CPU20は、タイマ27が計時した経過時間、作業者による操作部28を用いた操作入力、水位検出部24からの水位超過信号の入力等に応じて、機能部23を制御する制御信号を出力開始/出力停止する。例えばCPU20は、運転信号を入力されてから所定時間が経過した場合に、ディスポーザ1から生ゴミが搬送されたと判定して、生ゴミの処理を開始すべく、処理槽21の処理水を攪拌するポンプを作動させる制御信号を出力する。また、CPU20は、水位超過信号が入力された場合に、処理槽21に給水するバルブを閉鎖する制御信号を出力して、処理槽21への過剰な給水を防止する。
【0078】
さて、CPU20は、水位検出部24から水位超過信号が入力されていない場合、処理槽21がオーバーフローしていないため、運転許可部15に許可信号を出力する。この許可信号の出力(オン状態の許可信号)は、生ゴミ処理装置2の処理槽21への生ゴミの搬送の許可指示である。
また、CPU20は、水位検出部24から水位超過信号が入力された場合、運転許可部15に対する許可信号の出力を停止する。許可信号の出力停止(オフ状態の許可信号)は、生ゴミ処理装置2の処理槽21への生ゴミの搬送の禁止指示である。
【0079】
つまり、ディスポーザ1から生ゴミ処理装置2への生ゴミの搬送が許可されている場合は、電磁弁104が開放されて破砕機14及び貯留槽11への給水が可能となり、破砕機14による生ゴミの破砕が可能となり、貯留槽11に貯留された生ゴミ及び水道水の搬送ポンプ17による処理槽21への搬送が可能となる。
【0080】
一方、ディスポーザ1から生ゴミ処理装置2への生ゴミの搬送が禁止されている場合は、電磁弁104が閉鎖されて破砕機14及び貯留槽11に水道水が給水されず、破砕機14によって生ゴミが破砕されず、搬送ポンプ17によって貯留槽11に貯留された生ゴミ及び水道水が生ゴミ処理装置2の処理槽21へ搬送されない。
【0081】
以上のような生ゴミ処理システム3を用いる場合、作業者は、投入口141へ生ゴミを投入する場合に、スタンバイランプ163の点灯を確認してから運転ボタン164を操作して破砕機14を作動開始させ、また、破砕機14への給水を開始させる。更に作業者は、生ゴミを投入した後で、停止ボタン165を操作して破砕機14を作動停止させ、また、破砕機14への給水を終了させ、貯留槽11への給水を開始させる。
【0082】
ただし、スタンバイランプ163が消灯している場合は、生ゴミ処理装置2の電源がオン状態でない、処理槽21がオーバーフローしている等のトラブルが生じているため、作業者はトラブルを解消してから生ゴミの処理を実行する。
また、水道管103から貯留槽11への単位時間当たりの給水量は、搬送ポンプ17の単位時間当たりの吸入量よりも少なくしておく必要がある。
【0083】
投入口141から生ゴミが投入され、水道管102から投入口141へ水道水が給水されることによって、投入された生ゴミは破砕機14によって破砕され、破砕された生ゴミと投入口141から給水された水道水とが連結パイプ142を介して貯留槽11へ流入し、貯留槽11の水位が第1所定水位W1 になるまで貯留槽11に貯留される。
【0084】
破砕室140から貯留槽11へ生ゴミ及び水道水が流入することによって、貯留槽11内の水位が上昇する。そして、貯留槽11の水位が第1所定水位W1 以上になった場合、即ち貯留槽11内に適量の生ゴミ及び水道水が貯留された場合、搬送ポンプ17が作動開始して、貯留槽11内の水道水及び生ゴミが搬送ポンプ17の吸入口から吸入されて、吐出パイプ171、逆止弁31及び搬送パイプ30を通過して処理槽21へ連続的に吐出される。
【0085】
更に、貯留槽11の水位が第2所定水位W2 以下になった場合、即ち貯留槽11内の生ゴミ及び水道水を処理槽21へ搬送し終えた場合、搬送ポンプ17が作動停止する。また、所定時間の計時を終えたタイマ13が三方弁18を閉鎖することによって、貯留槽11への給水が停止する。このため、作業者は停止ボタン165の操作後、ディスポーザ1を監視している必要がない。
【0086】
以上のようにしてディスポーザ1は、破砕した生ゴミを生ゴミ処理装置2の処理槽21へ搬送する。
処理槽21内では、ディスポーザ1から搬送された生ゴミ及び水道水が処理水と混合され、この処理水中に含まれる微生物によって生ゴミが分解処理される。
【0087】
生ゴミ処理装置2の処理槽21でオーバーフローが生じた場合、運転許可部15によってディスポーザ1が作動を停止し、電磁弁104も閉状態になる。このため、搬送ポンプ17から処理槽21への生ゴミ及び水道水の搬送が停止して、生ゴミ処理装置2における生ゴミ及び水道水の生ゴミ処理装置2外部への流出が防止される。また、水道管102,103から貯留槽11及び破砕機14への給水も停止し、この結果、搬送ポンプ17の停止に伴う貯留槽11への過剰な給水が防止される。
【0088】
生ゴミ処理装置2によって生ゴミの搬送を禁止されたディスポーザ1は、運転ランプ162及びスタンバイランプ163を消灯し、自動的に運転を再開することはない。作業者はスタンバイランプ163の点灯を視認して生ゴミ処理装置2への生ゴミの搬送が許可されていることを知り、運転ボタン164を操作して、運転ランプ162を点灯させ、投入口141へ生ゴミを投入する。このように、一旦運転を停止したディスポーザ1が勝手に運転を再開しないため、例えば急に作動を開始した破砕機14によって作業者が傷を負うことが防止され、安全性が向上されている。
【0089】
以上のようなディスポーザ1において、三方弁18は、給水部10による破砕機14及び貯留槽11夫々への給水の実行及び停止を切り替える切替手段として機能し、破砕機14が作動した場合に破砕機14への給水を開始し、破砕機14が停止したときに貯留槽11への給水に切り替えるようにしてある。また、三方弁18は、破砕機14が停止した場合に破砕機14の停止からの経過時間を計時するタイマ13が所定時間を計時したときに、給水の実行を停止に切り替えるようにしてある。更に三方弁18は、破砕機14への給水側が破砕機14の作動開始/作動停止に連動して開/閉し、貯留槽11への給水側がタイマ13の計時開始/計時終了に連動して開/閉するようにしてある。
【0090】
生ゴミ処理装置2のCPU20は、運転許可部15に対する許可信号の出力実行/出力停止を行なうことによって、ディスポーザ1からの生ゴミの搬送の禁止指示をディスポーザ1に与える禁止手段として機能する。
また、ディスポーザ1の運転許可部15は、生ゴミの搬送の禁止指示を受け付ける受付手段、及び、受付手段が前記禁止指示を受け付けた場合に、破砕機14のモータ14m及び搬送ポンプ17を停止させ、給水部10による給水を停止させる停止手段として機能する。
【0091】
なお、CPU20による運転許可部15に対する許可信号の出力停止のタイミングは、処理槽21のオーバーフロー時に限るものではない。
また、ディスポーザ1と生ゴミ処理装置2との運転信号及び許可信号の入出力を行なわず、ディスポーザ1と生ゴミ処理装置2とが個別に作動する構成でもよい。この場合、生ゴミの搬送の禁止指示は、例えば非常停止ボタン166を介して作業者がディスポーザ1に与える構成でもよい。
【0092】
実施の形態 2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る生ゴミ処理システム3が備える生ゴミ処理装置2の操作盤22の構成を示すブロック図である。
本実施の形態のディスポーザ1は、実施の形態1のディスポーザ1とは異なり、タイマ13を備えず、三方弁18に運転報知部12が接続されていない。また、三方弁18に対してリレー部19が設けてある。
【0093】
リレー部19は、CPU20から、破砕機14への給水指示を示す破砕機給水信号を与えられた場合にオン状態になって、三方弁18の水道管102を介した給水を実行/停止する電磁弁18aに対する通電を実行し、破砕機給水信号を与えられていない場合、即ち破砕機14への給水を禁止されている場合にオフ状態になって、電磁弁18aに対する通電を停止するよう構成されている。
また、リレー部19は、CPU20から、貯留槽11への給水指示を示す貯留槽給水信号を与えられた場合にオン状態になって、三方弁18の水道管103を介した給水を実行/停止する電磁弁18bに対する通電を実行し、貯留槽給水信号を与えられていない場合、即ち貯留槽11への給水を禁止されている場合にオフ状態になって、電磁弁18bに対する通電を停止するよう構成されている。
【0094】
CPU20は、破砕機14が停止した場合に破砕機14の停止からの経過時間を計時するためにタイマ27を用い、タイマ27が所定時間を計時したときに、給水の実行を停止に切り替える。ここで用いられる所定時間は、作業者による生ゴミ投入終了時点、即ちモータ14mの作動停止時点から、貯留槽11に貯留された生ゴミの処理槽21への搬送終了時点までに要する経過時間より適宜の時間だけ長い時間(例えば20分)である。
【0095】
図7は、CPU20が実行するディスポーザ給水処理の手順を示すフローチャートである。
CPU20は、まず、運転報知部12から運転信号が入力されたか否かを判定し(S11)、入力されていない場合(S11でNO)、入力されるまで待機する。
【0096】
運転信号が入力された場合(S11でYES)、即ち運転ボタン164が操作されて破砕機14が作動開始した場合、CPU20は、リレー部19へ破砕機給水信号を出力する(S12)。S12の処理によって、リレー部19が三方弁18の水道管102側を開放させ、このため破砕機14への給水が実行される。
【0097】
次に、CPU20は、運転報知部12からの運転信号の入力が停止したか否かを判定し(S13)、停止していない場合(S13でNO)、リレー部19への破砕機給水信号の出力を継続する。
運転報知部12からの運転信号の入力が停止した場合(S13でYES)、即ち停止ボタン165が操作されて破砕機14が作動停止した場合、CPU20は、破砕機給水信号の出力を停止し(S14)、替わりにリレー部19へ貯留槽給水信号を出力する(S15)。S14及びS15の処理によって、リレー部19が三方弁18の水道管102側を閉鎖させ、代わりに水道管103側を開放させ、このため破砕機14への給水が停止され、貯留槽11への給水が実行される。
【0098】
更にCPU20は、タイマ27を用いて経過時間、更に詳細には破砕機14が作動停止してからの経過時間の計時を開始し(S16)、所定時間が経過したか否かを判定する(S17)。所定時間が経過していない場合(S17でNO)、CPU20はリレー部19への貯留槽給水信号の出力を継続しつつ、タイマ27での計時を継続する。
所定時間が経過した場合(S17でYES)、CPU20は貯留槽給水信号の出力を停止し(S18)、タイマ27での計時を終了して(S19)、処理をS11へ戻す。S18の処理によって、リレー部19が三方弁18の水道管103側を閉鎖させ、このため貯留槽11への給水が停止される。
【0099】
ただし、CPU20は、水位検出部22からの水位検出信号が入力されていない場合は運転許可部15へ許可信号を出力し続け、水位検出信号が入力された場合は、図7に示すS11〜S19の処理に割り込んで許可信号の出力を停止し、ディスポーザ給水処理を強制終了させる。
【0100】
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0101】
以上のようなディスポーザ1においても、作業者は、運転ボタン164を操作することによって、破砕機14を作動開始させ、また、破砕機14への給水を開始させる。更に作業者は、停止ボタン165を操作することによって、破砕機14を作動停止させ、また、破砕機14への給水を終了させ、貯留槽11への給水を開始させる。停止ボタン165の操作後、作業者がディスポーザ1を監視していなくても、停止ボタン165の操作から所定時間の経過後に貯留槽11への給水が自動的に停止する。
【0102】
つまり、ディスポーザ1の運転報知部12は、運転信号の出力開始/出力停止によって、破砕機14の作動開始/作動停止を生ゴミ処理装置2に報知する報知手段として機能する。また、リレー部19は、破砕機給水信号/貯留槽給水信号が入力されることによって、破砕機14/貯留槽11への給水指示を受け付ける指示受付手段として機能する。更に三方弁18は、指示受付手段が破砕機14/貯留槽11への給水指示を受け付けた場合に、給水部10による破砕機14/貯留槽11への給水の実行を切り替える給水切替手段として機能する。
【0103】
また、生ゴミ処理装置2のCPU20は、報知手段から破砕機14の作動開始を報知された場合に、破砕機14への給水指示をディスポーザ1に与える第1給水指示手段、及び、報知手段から破砕機14の作動停止を報知された場合に、貯留槽11への給水指示をディスポーザ1に与える第2給水指示手段として機能する。
【0104】
なお、本実施の形態1,2においては業務用の生ゴミ処理システム3を例示したが、これに限らず、家庭用の生ゴミ処理システムでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施の形態1に係る生ゴミ処理システムの構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るディスポーザの構成を示す模式的な透視正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るディスポーザの構成を示す模式的な透視平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るディスポーザを作動させるための回路配置を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る生ゴミ処理システムが備える生ゴミ処理装置の操作盤の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る生ゴミ処理システムが備える生ゴミ処理装置の操作盤の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る生ゴミ処理システムが備える生ゴミ処理装置のCPUが実行するディスポーザ給水処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1 ディスポーザ
10 給水部(給水手段)
11 貯留槽
12 運転報知部(報知手段)
13 タイマ
14 破砕機
15 運転許可部(受付手段,停止手段)
17 搬送ポンプ(搬送手段)
18 三方弁(切替手段,給水切替手段)
19 リレー部(指示受付手段)
2 生ゴミ処理装置
20 CPU(禁止手段,第1給水指示手段,第2給水指示手段)
21 処理槽(水槽)
3 生ゴミ処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された生ゴミを破砕する破砕機と、
該破砕機が破砕した生ゴミ及び水を貯留する貯留槽と、
前記破砕機及び前記貯留槽夫々へ給水する給水手段と、
前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を外部へ搬送する搬送手段と
を備えるディスポーザであって、
前記給水手段による前記破砕機及び前記貯留槽夫々への給水の実行及び停止を切り替える切替手段を備え、
該切替手段は、
前記破砕機が作動した場合に前記破砕機への給水を開始し、
前記破砕機が停止した場合に前記貯留槽への給水に切り替えるようにしてあることを特徴とするディスポーザ。
【請求項2】
前記破砕機が停止した場合に前記破砕機の停止からの経過時間を計時するタイマを備え、
前記切替手段は、前記タイマが所定時間を計時した場合に、給水の実行を停止に切り替えるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載のディスポーザ。
【請求項3】
前記切替手段は、前記破砕機への給水側が前記破砕機の作動開始/作動停止に連動して開/閉し、前記貯留槽への給水側が前記タイマの計時開始/計時終了に連動して開/閉するようにしてある三方弁を用いてなることを特徴とする請求項2に記載のディスポーザ。
【請求項4】
生ゴミの搬送の禁止指示を受け付ける受付手段と、
該受付手段が前記禁止指示を受け付けた場合に、前記破砕機及び前記搬送手段を停止させ、前記給水手段による給水を停止させる停止手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかひとつに記載のディスポーザ。
【請求項5】
投入された生ゴミを破砕する破砕機と、
該破砕機が破砕した生ゴミ及び水を貯留する貯留槽と、
前記破砕機及び前記貯留槽夫々へ給水する給水手段と、
前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を外部へ搬送する搬送手段と
を備えるディスポーザであって、
前記破砕機の作動開始/作動停止を外部に報知する報知手段と、
前記破砕機/前記貯留槽への給水指示を受け付ける指示受付手段と、
該指示受付手段が前記破砕機/前記貯留槽への給水指示を受け付けた場合に、前記給水手段による前記破砕機/前記貯留槽への給水の実行を切り替える給水切替手段と
を備えることを特徴とするディスポーザ。
【請求項6】
微生物が混入された水を収容する水槽へ搬送された生ゴミを前記微生物によって分解処理する生ゴミ処理装置と、
請求項1乃至4の何れかひとつに記載のディスポーザと
を備える生ゴミ処理システムであって、
前記ディスポーザは、前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を前記水槽へ搬送するようにしてあることを特徴とする生ゴミ処理システム。
【請求項7】
微生物が混入された水を収容する水槽へ搬送された生ゴミを前記微生物によって分解処理する生ゴミ処理装置と、
請求項4に記載のディスポーザと
を備える生ゴミ処理システムであって、
前記生ゴミ処理装置は、生ゴミの搬送の禁止指示を前記ディスポーザに与える禁止手段を備え、
前記ディスポーザは、前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を前記水槽へ搬送するようにしてあることを特徴とする生ゴミ処理システム。
【請求項8】
微生物が混入された水を収容する水槽へ搬送された生ゴミを前記微生物によって分解処理する生ゴミ処理装置と、
請求項5に記載のディスポーザと
を備える生ゴミ処理システムであって、
前記ディスポーザは、前記貯留槽に貯留された生ゴミ及び水を前記水槽へ搬送するようにしてあり、
前記報知手段は、前記破砕機の作動開始/作動停止を前記生ゴミ処理装置に報知するようにしてあり、
前記生ゴミ処理装置は、
前記報知手段から前記破砕機の作動開始を報知された場合に、前記破砕機への給水指示を前記ディスポーザに与える第1給水指示手段と、
前記報知手段から前記破砕機の作動停止を報知された場合に、前記貯留槽への給水指示を前記ディスポーザに与える第2給水指示手段と
を備えることを特徴とする生ゴミ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−216124(P2007−216124A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38555(P2006−38555)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】