デクリメント割当ての使用
【課題】1つまたは複数の既存のユーザ装置への既存のリソース割当てと後続のユーザ装置のための新しいリソース割当てとの間のリソース競合を検出することによって無線網環境内のシステムリソースを動的に割り当てることを容易にするシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】競合を検出すると、検出されたリソース競合を解決するために、既存のリソース割当てをデクリメントするためのデクリメント割当てを1つまたは複数の既存のユーザ装置に提供することができる。デクリメント割当ては、明示的であることも、暗黙的であることもあり、従来の完全割当て解除/再割当てのメッセージと比べてそのサイズが比較的小さいため伝送オーバヘッドコストの軽減を促すことができる。
【解決手段】競合を検出すると、検出されたリソース競合を解決するために、既存のリソース割当てをデクリメントするためのデクリメント割当てを1つまたは複数の既存のユーザ装置に提供することができる。デクリメント割当ては、明示的であることも、暗黙的であることもあり、従来の完全割当て解除/再割当てのメッセージと比べてそのサイズが比較的小さいため伝送オーバヘッドコストの軽減を促すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記の説明は、一般には、無線通信に関し、より詳細には、割当てメッセージのサイズの減少を容易にするデクリメントリソース割当てを提供することに関する。
【0002】
米国法典第35編119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、2005年3月9日に出願され、本願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれている、米国仮出願第60/659969号、「USE OF DECREMENTAL ASSIGNMENTS」の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワーキングシステムは、世界中の大多数の人々が情報をやりとりするようになるための普及した手段となっている。無線通信装置は、消費者ニーズを満たし、可搬性および利便性を向上させるためにより小さく、より強力になってきた。セルラー式電話などの移動体装置内の処理能力の向上によって、無線網伝送システムへの要求が高まってきた。こうしたシステムは一般に、それを介して通信するセルラー式の装置ほど容易には更新されない。移動体装置の能力が拡大するにつれて、より古い無線網システムを新しい向上した無線装置能力の完全な活用を円滑に進めるやり方で維持することは難しくなり得る。
【0004】
たとえば、無線ネットワーキング環境内のチャネル割当てについて正確に表現することは、(たとえばビット単位など)多くの費用がかかることがある。これは、ユーザ(たとえば移動体装置)が無線システムの他のユーザへのシステムリソース割当てを認識する必要がない場合に特に当てはまり得る。こうした場合、たとえば報知チャネルなど、システムリソースの割当ては、各ユーザに十分な帯域幅および/またはネットワーキング能力を提供するために、事実上あらゆる報知周期において更新を必要とすることがあり、それによって、無線網システムに重い負担が課され、ネットワーク制限が現実なものとなるのが早まることがある。さらに、こうした連続的な更新および/または完全な再割当てのメッセージをユーザに非常に頻繁に送信することを必要とすることによって、こうした従来のシステムリソース割当て方法は、単にシステム要求を満たすために、高価で強力な通信コンポーネント(たとえばトランシーバ、プロセッサなど)を必要とすることがある。
【0005】
多元接続通信システムは一般に、システムの個々のユーザにシステムリソースを割り当てる方法を使用する。こうした割当てが時間とともに急速に変化する場合、単に割当てを管理するのに必要なシステムオーバヘッドが、総システム容量のかなりの部分となることがある。割当てが「スティッキー」である(たとえば、割当てが決定論的な満了時を有するのではなく、ある期間の間持続する)システムでは、第2のユーザによって使用中のリソースを第1のユーザにリソース割当てするには、第2のユーザからのリソースの割当て解除を必要とすることがあり、それによって、割当て解除されるリソースのいくらかが第2のユーザに割り当てられたままであることが望ましい場合などにおいて、競合および潜在的な複雑な再割当ての問題がもたらされることがある。
【0006】
少なくとも上記内容を考慮して、無線網システム内の割当て通知および/または更新を向上させ、割当てメッセージのオーバヘッドを低減するシステムおよび/または方法論が当技術分野において求められている。
【発明の概要】
【0007】
下記は、こうした実施形態についての基本的な理解を提供するために1つまたは複数の実施形態の簡略化された要約を提示している。この要約は、企図されたすべての実施形態についての広範囲の概要ではなく、すべての実施形態の重要なまたは重大な要素を識別するものでも、いずれかまたはすべての実施形態の範囲を示すものでもない。その唯一の目的は、1つまたは複数の実施形態の一部の概念を、下記に提示されるより詳細な説明の序文として簡略化された形で提示することである。
【0008】
1つまたは複数の実施形態が、無線ネットワーキング環境(たとえばOFDM、OFDMA、CDMA、…)内でデクリメント割当てを使用してリソース割当ての競合を解決するための複数のシステム/方法論を含む。デクリメント割当ては、暗黙的であることも、明示的であることもある。たとえば、明示的デクリメント割当ては、ユーザの割当てから取り除かれるべきユーザの既存の割当ての一部を指定することができ、暗黙的デクリメント割当ては、第1のユーザによって観察され、第1のユーザの割当てと競合する別のユーザへの割当てであり得る。後者の場合には、第2のユーザへのこうした競合割当てメッセージは、第1のユーザによって、デクリメント割当てと解釈されることができる。デクリメント割当てによって、競合する割当てが発見されたユーザのリソース割当てのすべてを取り除くリソースの完全な明示的割当て解除を一般に使用する従来のシステムよりも堅牢なリソース割当て管理機構が提供される。
【0009】
デクリメント割当てを使用すると、競合ユーザに割り当てられたリソースの一部の割当て解除と、意図されたユーザへのこうしたリソースの割当てを同時に行う単一の割当てを送信することによってネットワークに割当てメッセージのオーバヘッドを低減させることが容易になる。デクリメント割当てメッセージは、割当て解除の影響を受ける現在のすべてのユーザ(たとえば、現在のリソース割当てが、新しい割当てメッセージによって割り当てられるリソースと競合するすべてのユーザ、ならびにリソースの意図された受信者)によって割当てメッセージが復号可能であるようなやり方で送信することができる。さらに、割当てメッセージが定義可能なリソースサブセットの数の制限を受ける場合、デクリメント割当てによって、他のユーザへの既存の割当てによる割当て制限の緩和を促すことができる。たとえば、ユーザ割当て間の重複は、重複するリソースを意図された新しいユーザに再割当てすることを優先した、リソースの現在の被割当てユーザ(assignee)への暗黙的デクリメント割当てと解釈することができる。
【0010】
別の態様によれば、無線網環境内のシステムリソースを動的に割り当て、再割当てする方法が、第1のユーザ装置への既存のリソース割当てと第2のユーザ装置のための新しいリソース割当ての間のリソース競合を検出すること、および検出されたリソース競合を解決するために既存のリソース割当てをデクリメントするためのデクリメント割当てを第1のユーザ装置に提供することを含み得る。リソース競合の検出は、新しいリソース割当てと既存のリソース割当ての両方にリストされた少なくとも1つの競合リソースを決定するために新しいリソース割当てを既存のすべてのリソース割当てとを比較することを含み得る。
【0011】
別の態様では、無線網リソースを動的に割り当てる方法が、無線網に接続された第1のユーザ装置のための第1のリソース割当てを生成すること、第1の標準リソース割当て内に定義されたリソース制御を第1のユーザに与えるために第1のユーザ装置に第1の標準割当てを送信すること、無線網に接続された第2のユーザ装置のための第2の標準リソース割当てを生成すること、および第2の割当てを第2のユーザ装置に送信する前に少なくとも1つのリソースが第1および第2の標準割当てのそれぞれと共通するかどうか判断することを含み得る。少なくとも1つの共通リソース割当てが存在すると判断されると、この方法は、第1の標準リソース割当てからの少なくとも1つの共通リソースをデクリメントし、デクリメントされた少なくとも1つのリソースを第2の標準リソース割当てで第2のユーザ装置に割り当てることをさらに含み得る。さらに、第1のユーザ装置は、第1のユーザ装置のために共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースの暗黙デクリメント割当ての働きをする第2の標準割当てを読み出すと、共通に割り当てられたリソースをその割当てから自動的に取り除くことができる。
【0012】
別の態様によれば、無線網リソース割当て装置は、少なくとも1つの共通リソースを定義する競合標準リソース割当てを検出する手段と、リソース割当て間の検出された競合を解決するデクリメント割当てを生成する手段と、デクリメントリソース割当てを標準リソース割当てと区別する手段とを含み得る。さらに、この装置は、逆リンクを介した成功した割当て復号の受信についての表示、および/または標準リソース割当ての受信の成功を示す順方向リンクを介した成功した割当て復号についての肯定応答など、ユーザ装置による割当てメッセージの受信を確認する手段を含み得る。
【0013】
別の態様では、動的なリソース割当てシステムを容易にするシステムが、無線網環境内のユーザ装置のための持続的なリソース割当てを生成し、リソース割当て間の競合を検出する割当てコンポーネントと、ユーザ装置にリソース割当てを送信する送信機と、割当てコンポーネントによって検出された割当て間の競合を解決するために少なくとも1つのユーザ装置のためのデクリメント割当てを生成するデクリメント割当てコンポーネントとを含み得る。このシステムはさらに、リソース割当てを受信したユーザ装置から、割当てメッセージの受信の成功を示すことができる確認メッセージを受信する確認コンポーネントを含み得る。
【0014】
上記および関連する目的を達成するために、1つまたは複数の実施形態は、以下に十分に述べられており、特許請求の範囲中に具体的に指摘された諸特徴を含む。以下の説明および付属の図面は、1つまたは複数の実施形態の例示的な特定の態様を詳細に示している。しかし、これらの態様は、様々な実施形態の原理が使用され得る様々なやり方のほんのいくつかを示すものであり、示された諸実施形態は、こうしたすべての態様およびその等価物を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書に提示された様々な実施形態が動作することができるやり方についての理解を促すためにN個のシステムリソースブロックのグループを示す図である。
【図2】競合リソース割当て時にデクリメントされる関連の割当てサブセットをそのいずれかが有し得る、複数のユーザに割り当てることができるリソースブロックのグループを示す図である。
【図3】ある期間にわたって行われる一連の非持続的(たとえば非スティッキー)割当てを示す図である。
【図4】本明細書で述べられた様々な実施形態に関して使用され得るものなど、ある期間にわたって行われる一連の持続的な、すなわち「スティッキー」割当てを示す図である。
【図5】リソース再割当てに必要なメッセージの数を減少させ、リソースサブセットの部分的割当て解除を可能にすることによってシステムオーバヘッドおよび/または伝送要件を低減するやり方でシステムリソースを動的に割り当てるためのデクリメント割当ての使用を容易にするシステムを示す図である。
【図6】割当て信号のオーバヘッドコストを減少させるために通信網のユーザに補足のリソース割当てを提供することを容易にするシステムを示す図である。
【図7】リソース割当てコストを軽減しながら通信網のユーザにシステムリソースを割り当てるために補足の割当てを生成することを容易にするシステムを示す図である。
【図8】システムリソースの割当て、および1つまたは複数の初期割当ての確認の後のリソース再割当てを容易にするシステムを示す図である。
【図9】無線網通信環境内のユーザにシステムリソースのデクリメント割当てを提供することを容易にするシステムを示す図である。
【図10】無線網のユーザへのデクリメントシステムリソース割当てを生成し提供するための方法論を示す図である。
【図11】無線網環境内のリソース再編成を容易にする暗黙的デクリメント割当てを生成し送信するための方法論を示す図である。
【図12】無線網を介して通信する装置に明示的デクリメントリソース割当てを提供するための方法論を示す図である。
【図13】本明細書に示された様々なシステムおよび方法に関連して使用され得る無線網環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な実施形態について、次に図面を参照して述べる。図面では、同様の参照符号は、全体を通して同様の要素に言及するために使用されている。下記の説明では、説明目的により、1つまたは複数の実施形態についての完全な理解を提供するために複数の具体的な詳細について述べる。しかし、こうした(諸)実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことは明らかである。他の場合では、1つまたは複数の実施形態について説明し易くするために、よく知られている構造および装置がブロック図の形で示されている。
【0017】
本出願では、用語「コンポーネント」、「システム」などは、コンピュータ関連のエンティティ、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアに言及するものである。たとえば、コンポーネントは、それだけに限らないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラムおよび/またはコンピュータであり得る。1つまたは複数のコンポーネントがプロセスおよび/または実行スレッド内に常駐してもよく、コンポーネントは、1つのコンピュータ上に局所的に置かれ、かつ/または2つ以上のコンピュータ間で分散されてもよい。これらのコンポーネントは、様々なデータ構造体がその中に格納された様々なコンピュータ読取り可能媒体から実行することもできる。コンポーネントは、たとえば1つまたは複数のデータパケットを含む信号(たとえば、ローカルシステム、分散システム内の別のコンポーネントと、かつ/またはインターネットなどのネットワークを介して信号によって他のシステムと対話するあるコンポーネントからのデータ)に従って、ローカルおよび/または遠隔プロセスによって通信してもよい。
【0018】
1つまたは複数の実施形態およびその対応する開示によれば、システムリソース(たとえばチャネル、周波数、タイムスロット、…)を管理し、無線網環境内のユーザニーズを満たすことに関連して、様々な態様について述べられる。ある態様によれば、「スティッキー」割当て(たとえば次の割当て信号が受信されるまで有効である割当て)を完全に取り除きまたは割当て解除するのではなく、そこから減じるために、デクリメント割当てを使用することができる。述べられるデクリメント割当ては、特に瞬間的に使用可能なシステムリソースに関して微調整されたシステムリソース管理を容易にし、また従来のシステムおよび/または方法論によって達成され得るものよりも堅牢なユーザ体験を、減少したオーバヘッドコストで提供することができる。
【0019】
さらに、様々な実施形態について、加入者局に関連して本明細書で述べる。加入者局は、システム、加入者ユニット、移動局、移動体、遠隔局、アクセスポイント、基地局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、ユーザエージェントまたはユーザ装置と呼ぶこともできる。加入者局は、セルラー式電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)電話、無線ローカルループ(WLL:wireless local loop)局、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、無線接続能力を有するハンドヘルド装置、または無線モデムに接続された他の処理装置であり得る。
【0020】
さらに、本明細書で述べられる様々な態様または特徴は、標準のプログラミングおよび/またはエンジニアリング技術を使用して方法、装置または製品として実装されてもよい。本明細書では、用語「製品」は、任意のコンピュータ読取り可能装置、搬送波または媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。たとえば、コンピュータ読取り可能媒体には、それだけに限らないが、磁気記憶装置(たとえばハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、…)、光ディスク(たとえばコンパクトディスク(CD:compact disk)、ディジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、…)、スマートカード、およびフラッシュメモリ装置(たとえばカード、スティック、キードライブ、…)が含まれ得る。
【0021】
次に図面を参照すると、図1は、本明細書で提示された様々な実施形態が動作し得るやり方についての理解を促すために、N個のシステムリソースブロックのグループ100を示している。こうしたリソースブロック100は、たとえば伝送チャネル、タイムスロット、周波数、符号スロット、上記内容の組合せなどを表すことができる。こうしたブロックのサブセットについての一般的な記述は、たとえば、特定のユーザに割り当てられたブロックのリストなど、ブロックインデックスリストであり得る。たとえば、{2、3、10、11、12、13}などのインデックスリストが、ユーザにこうしたブロックが割り当てられていることを表すために使用され得る。あるいは、nビットの配列{01100000011110}などブール配列が、同じ割当てを表すために使用され得る。こうした割当て機構を使用する従来のシステムは、それぞれ異なる特性を有するが、それを行う際にかなり費用を認識する。たとえば、ブロックインデックスリストは、割り当てられるブロックのサブセットのサイズが増加するにつれて、こうした割当てを伝達するのに必要なビットの数に関して実質上より多くの費用がかかり得る。一方、ブール配列は、1および0の数に関係なくいくらか固定の費用を示すが、特にnが増大するにつれて費用は比較的に大きくなる。
【0022】
さらに、割当てがブロックまたはリソースの連続したセットに制限される場合では、こうした割当ては、その割当ての第1のブロック、および割当てのブロック総数を示すことによって知らせることができる。たとえば、{11,12,13,14,15}などのブロックインデックス割当ては、{11,5}として知らせることができ、ただし「11」は所与のユーザに割り当てられる第1のブロックを表し、「5」は、11をその第1のブロックとして、割り当てられた連続したブロックの総数を表す。さらに、ユーザの順序が知られている場合、割当て信号は、ユーザ情報なしに送信することができる。たとえば、すべてのユーザが他のすべてのユーザについての割当てを認識している限りは、割り当てられているブロックの数だけが知らされる必要がある。
【0023】
一実施形態によれば、ソースブロック管理を容易にするために、デクリメント割当てを生成しかつ/または使用することができる。デクリメント割当ては、暗黙的であることも、明示的であることもある。たとえば、明示的デクリメント割当ては、ユーザの割当てから取り除かれるべきユーザの既存の割当ての一部を指定することができ、暗黙的デクリメント割当ては、第1のユーザによって観察され、第1のユーザの割当てと競合する別のユーザへの割当てであり得る。後者の場合には、第2のユーザへのこうした競合割当てメッセージは、第1のユーザによっては、デクリメント割当てと解釈されることができる。両方のタイプのデクリメント割当ては、ユーザのリソース割当てのすべてを取り除く、リソースの完全な明示的割当て解除を一般に使用する従来のシステムよりも堅牢なリソース割当て管理機構を提供する。
【0024】
デクリメント割当てを使用すると、リソースすなわち競合ユーザの割当て解除と、意図されたユーザへのこうしたリソースの割当てを同時に行う単一の割当てを送信することによってネットワークに割当てメッセージのオーバヘッドを低減させることが容易になる。デクリメント割当てメッセージは、割当て解除の影響を受ける現在のすべてのユーザ(たとえば、現在のリソース割当てが、新しく生成された割当てによって割り当てられるリソースと競合するすべてのユーザ、ならびに割当ての意図された受信者)によって割当てメッセージが復号可能であるようなやり方で送信することができる。さらに、割当てメッセージが定義可能なリソースサブセットの数の制限を受ける場合、デクリメント割当てによって、他のユーザへの既存の割当てによる割当て制限の緩和を促すことができる。たとえば、ユーザ割当て間の重複は、重複するリソースを意図された新しいユーザに再割当てすることを優先した、リソースの現在の被割当てユーザへの暗黙的デクリメント割当てと解釈することができる。
【0025】
例を挙げると、ブロックグループ100は、初期割当て時に複数のユーザに配分することができる。たとえば、第1のユーザU1にはリソースブロック4および5を割り当てることができ、他の様々なユーザにはリソースブロック1および6〜Nを割り当てることができる。第2のユーザU2が3つのリソースブロックを必要とすると決定される場合、およびU1が許容されるリソース提供側であると決定される場合、[2,3:0]など、U1およびU2によって復号可能であるデクリメント割当てを送信することができる。デクリメント割当ての上記例では、すべてのブロック1〜Nのセット内の第2のブロックから始めて、3つの連続したリソースブロックをU2に割り当てることができる。3つのブロック長の連続したリソースブロックのセットは、U1に割り当てられるブロック4を含むことに留意されたい。しかし、Ulは、U1のための暗黙的デクリメント割当てと解釈することができるこの割当てメッセージを復号することもできる。したがって、単一の割当てメッセージが伝送されると、U2への割当てと競合するU1のリソース割当ての一部は、U1のリソースサブセットのすべてを割当て解除することなしに割当て解除(たとえばデクリメント)することができる。この場合、リソースブロック4は、U1のリソース割当てセットからデクリメントされ、U2に再割当てされ、U1は、ブロック5についての割当てを保持する。
【0026】
図2は、リソース割当てが競合するとデクリメントされる関連の割当てサブセットをいずれかが有し得る複数のユーザに割り当てることができるリソースブロックのグループ200を示している。こうしたリソースには、たとえば、システムチャネル、タイムスロット、周波数、符号スロットなどが含まれ得る。一実施形態によれば、たとえば無線通信網(たとえばOFDM、OFDMA、CDMA、TDMA、GSM(登録商標)、…)内のシステムリソースを割り当てるために、スティッキー割当て(たとえば、さらなる割当て信号が受信されるまで有効である割当て)を使用することができる。こうした割当ては、リソースブロックのセットを任意に割り当てる能力を制限するという代償のもとで信号の費用が減少されるように、制限的なものとすることもできる。割当て信号の費用を最小限に抑えながらこうした制限を克服するために、デクリメント割当てを使用して、システムリソースを管理し、ユーザのリソースニーズを満たすことができる。たとえば、リソースブロック200は、ユーザ1に割り当てられるブロック1〜4を含む第1のブロックセット202を含むことができる。ユーザ2には、ブロック5および6を含む第2のブロックセット204を割り当てることができる。最後に、ブロック7〜9は、占有された(たとえば割り当てられた)リソースブロックからなる残りのブロックセット206を含むことができる。ユーザ2の要件は、ユーザ2が追加のリソースブロックを必要とするところまで増加したと決定され得る。この態様によれば、ユーザ1のリソースセット202を完全に割当て解除するのではなく、ユーザ1の割り当てられたリソースセット202を部分的に犠牲にしてユーザ2の現在の割当てセット204のためのリソースを解放することを容易にし得るデクリメント割当てを生成することができる。
【0027】
たとえば、ユーザ1の初期のスティッキー割当ては、チャネル1〜4が割り当てられる、チャネル{1,2,3,4:0}と表すことができる。さらに、割り当てられたチャネルが連続する場合の信号伝送の費用を軽減するために、こうした割当ては[1,4:0]と表すことができ、ただし、第1の整数「1」は割り当てられた第1のチャネルを表し、第2の整数「4」は割り当てられたチャネルの長さを表す。ユーザニーズの増加などにより、たとえば追加チャネルがユーザ2に割り当てられる場合、デクリメント割当てを生成し、ユーザ1およびユーザ2に送信することができる。たとえば{user2;4,3}は、リソースブロック4から6がユーザ2に割り当てられることを表すことができる。割当てメッセージはユーザ1によっても同様に復号することができ、それによって、リソースブロック4について競合する割当てが検出されることになり得る。競合の結果は、ユーザ1のリソース割当てセットが1つだけデクリメントされ(たとえばブロック4が割当て解除され)、ユーザ1はブロック1〜3への割当てを保持し、それは、ユーザ割当てのいずれかの部分について割当て競合が検出されるとユーザへのすべてのリソースの完全な割当て解除を必要とする従来のシステムと対照的である。したがって、競合は、追加リソース割当てを要求しかつ/または要求したユーザ2の装置に有利となるように解決することができる。
【0028】
関連する態様によれば、デクリメント割当て伝送の許可は、ユーザへの前の割当ての確認(たとえば、逆リンクを介したパケットまたはシーケンス復号の成功の表示、順方向リンクを介した肯定応答など、何らかの確認データの受信)に基づくことができる。このようにしてネットワークは、こうした割当てをデクリメントする前にユーザの割当てを確認することができる。
【0029】
図3は、ある期間にわたって行われる一連の非持続的(たとえば非スティッキー)割当てを示す図である。割り当てられるシステムリソースのタイプとして周波数が示されているが、割当て可能なシステムリソースは、それに限定されない。図によれば、時間1で、第1のユーザU1に、周波数Aが割り当てられる。時間2で、周波数Aは、一つには初期割当てがスティッキー割当てでないという理由から、ユーザ2に再割当てすることができる。周波数Cは、時間1と時間2の両方の間にユーザ3に割り当てられるものと示されている。しかし、ユーザ3への周波数Cの割当てはスティッキー割当てではないので、ユーザ3の周波数Cの保持は、時間1および時間2のそれぞれにおいて別個の割当てを必要とし、割当て信号オーバヘッドの望まれない増加がもたらされることがあり、その結果、システムリソースに悪影響を及ぼし得る。したがって、非スティッキー割当てを使用するシステムは、N個のユーザにn個の使用可能周波数を割り当てるために時間フレームごとにn個の異なる割当てメッセージを必要とする。
【0030】
図4は、本明細書で述べられる様々な実施形態に関して使用され得るものなど、ある期間にわたって行われる一連の持続的な、すなわち「スティッキー」割当てを示す図である。たとえば、第1の時間フレーム中に、第1の割当てセットをユーザ1〜Nに送信することができ、こうした割当ては、後続の1つまたは複数の割当てが1つまたは複数の個別ユーザに送信されるまで持続することができる。したがって、第1のN割当てセットは、(たとえばユーザニーズ、帯域幅使用可能性により)こうした割当ての変更が望まれ、かつ/または必要となるまで、すべてのユーザにシステムリソース割当てを提供するのに十分であり得る。U6などの後続のユーザには、こうした周波数がU6に必要になるならば周波数Dを割り当てることができ、周波数Dの割当てがU4への前の割当てと競合する場合、t3に示されるように、U6への割当てに有利になるようにDをU4から割当て解除することができる。このように、非スティッキー割当てを使用する場合よりも割当てメッセージがネットワークを介して送信される必要が少なくてすむ。
【0031】
さらに、ユーザが追加のリソースを要求するならば、システムリソースをいずれかのユーザ1〜Nに割り当てることができる。たとえば、ネットワークを介した通信の間のある時に、U5が周波数Eに加えて追加の周波数使用可能性を必要とすると決定され得る。周波数EおよびFがU5に割り当てられることを示すために、後続の割当てメッセージをU5に送信することができる。さらに、本明細書で詳述された様々な実施形態に関して、こうした追加の割当てメッセージは、U5への新しい割当てによって割当てセットに矛盾が生じるユーザによって検出し復号することができる暗黙的デクリメント割当てであり得る。このように、1つまたは複数のリソースを別のユーザから割当て解除しながら1つまたは複数のリソースをユーザに再割当てするのに単一のメッセージで十分とすることができ、その結果、リソース再割当てのときのネットワークリソース消費の軽減を促すことができる。
【0032】
図5は、リソース再割当てに必要なメッセージの数を減少させ、リソースサブセットの部分的割当て解除を可能にすることによってシステムオーバヘッドおよび/または伝送要件を低減するやり方でシステムリソースを動的に割り当てるデクリメント割当ての使用を容易にするシステム500を示す図である。システム500は、システムリソース(たとえばチャネル、周波数、タイムスロット、符号スロット、…)割当てを制御する割当てコンポーネント502を含むことができる。割当てコンポーネント502はさらに、後続の割当て情報がユーザ(たとえば装置)によって受信されるまで時間的に持続され得るスティッキー割当てを生成するスティッキーコンポーネント504を含む。割当てコンポーネント502はさらに、ユーザニーズが変化するときにそれに従ってシステムリソースを割り当てるためのデクリメント割当てを生成するデクリメントコンポーネント506を含む。たとえば、デクリメントコンポーネント506は、通信イベント中にそのチャネル要件が変化した1つまたは複数のユーザに対処するために1つまたは複数のデクリメントチャネル割当てを生成することができる。こうした割当ては、1つまたは複数の基地局508を介して1つまたは複数のユーザの受信装置510に送信することができる。
【0033】
一実施例によれば、ユーザには最初、{1,3,4:0}などの使用可能リソースのサブセットを割り当てることができ、その後で、ユーザが追加のリソースを必要とすると決定され得る。一実施形態によれば、ブロック1から始まり、4の長さを有するリソース(たとえばチャネル1〜4)を割り当てるために、デクリメント割当て[1,4:0]を生成し、ユーザに送信することができる。したがって、新しい割当ては、最初にユーザに割り当てられたチャネル1、3および4、ならびに新しく割り当てられたチャネル2を含むことができる。第1のユーザに割り当てられるときにチャネル2が別のユーザに割り当てられている場合、競合がネットワークによって検出され、新しく割り当てられるユーザに有利になるように解決されることができる。新しい伝送時にチャネル2が割り当てられているユーザ装置は、識別され、再割当てについて警告を受けることができ、その割当てを自動的にデクリメントさせることができる(たとえばチャネル2は、競合するユーザ装置の割当てセットから取り除くことができる)。このように、システム500は、競合ユーザへの別個の割当て解除メッセージを送信する必要はなく、それによってネットワーク上のオーバヘッドコストが減少する。
【0034】
図6は、割当て信号オーバヘッドコストを減少させるために通信網のユーザに補足のリソース割当てを提供することを容易にするシステム600を示している。システム600は、ユーザ(たとえば受信側装置、…)のためのリソース割当てを生成することができる割当てコンポーネント602を含む。割当てコンポーネント602は、ユーザのために、後続の割当て信号によってユーザのリソース割当てがリセットされるまで維持されるスティッキー(たとえば持続的)割当てを選択的に生成することができるスティッキーコンポーネント604を含むことができる。スティッキー割当ての使用は、ネットワークのユーザにリソースを割り当てるのに必要な割当てメッセージの数を減らすことによってシステムオーバヘッドの減少を容易にすることができるが、割当てコンポーネント602は、望まれるならば、非スティッキー割当てを生成することができる。割当てコンポーネント602および/またはスティッキーコンポーネント604によって割当てがネットワークのユーザに割り当てられると、デクリメントコンポーネント606は、1つまたは複数のユーザに追加のリソースを割り当てる必要に応じて追加の割当てを生成することができる。こうした割当ては、必要性に基づいてリソースを割り当てることができ、追加のリソース割当てを受けるユーザ装置610、ならびに新しい割当てとそのリソース割当てが競合するユーザ装置610によって解釈することができる。新しい割当てメッセージを検出すると、競合ユーザ装置は、リソースへのその割当てを自動的に放棄し、それによってそのリソース割当てリストをデクリメントさせることができる。したがって、従来のシステムが競合ユーザ装置への別個の割当てを必要とする場合、システム600は、1つまたは複数の基地局608による少なくとも2つの競合装置610への伝送のために、本明細書で詳述されるようにデクリメント割当てを生成することができる。
【0035】
システム600はさらに、割当てコンポーネント602に動作可能に結合されており、ユーザ装置610、システムリソース、その割当て、割当て競合に関する情報、および1つまたは複数のユーザ装置610へのシステムリソース(たとえばチャネル、周波数、タイムスロット、符号スロット、…)の動的割当ての提供に関する他の任意の適切な情報を格納するメモリ612を含むことができる。プロセッサ614は、リソース割当ての生成に関する情報の解析、および検出された競合に少なくとも一部基づく割当てのデクリメントなどを容易にするために、割当てコンポーネント602(および/またはメモリ612)に動作可能に結合することができる。プロセッサ614は、割当てコンポーネント602によって受信された情報の解析および/または生成に専用のプロセッサ、システム600の1つまたは複数のコンポーネントを制御するプロセッサ、ならびに/あるいは割当てコンポーネント602によって受信された情報の解析と生成の両方を行い、システム600の1つまたは複数のコンポーネントを制御するプロセッサであり得ることが理解されよう。
【0036】
メモリ612はさらに、システム600が本明細書に述べられるようにシステムリソースのデクリメント割当てを達成するために、格納されたプロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用し得るように割当ての生成および/またはデクリメントに関連するプロトコルを格納することができる。本明細書に述べられるデータストア(たとえばメモリ)コンポーネントは、揮発性メモリであっても、不揮発性メモリであってもよく、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得ることが理解されよう。限定のためではなく、例を挙げると、不揮発性メモリは、読出し専用メモリ(ROM:read only memory)、プログラマブルROM(PROM:programmable ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM:electrically programmable ROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM:electrically erasable ROM)またはフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして働くランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)を含むことができる。限定のためではなく、例を挙げると、RAMは、同期RAM(SRAM:synchronous RAM)、ダイナミックRAM(DRAM:dynamic RAM)、同期DRAM(SDRAM:synchronous DRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM:double data rate SDRAM)、拡張型SDRAM(ESDRAM:enhanced SDRAM)、同期リンクDRAM(SLDRAM: Synchlink DRAM)およびダイレクトラムバスRAM(DRRAM(登録商標):direct Rambus RAM)など、多くの形で使用可能である。このシステムおよび方法のメモリ612は、それに限定されないが、これらおよび他の任意の適切なタイプのメモリを含むものである。
【0037】
図7は、リソース割当てコストを軽減しながら通信網のユーザにシステムリソースを割り当てるための補足の割当てを生成することを容易にするシステム700を示す図である。システム700は、1つまたは複数の基地局708を介して1つまたは複数のネットワークユーザの受信装置710に伝送するためのリソース割当て信号を生成する割当てコンポーネント702を含む。こうした割当ては、所望であれば、(たとえば各時間フレームの間に生成される)非スティッキーのものとすることができる。割当てコンポーネント702は、装置710のためのスティッキー、すなわち持続的な割当てを生成するスティッキーコンポーネント704を含み、こうしたリソース割当ては、後続の割当てメッセージが特定のユーザに送信されるまでユーザの装置710のために持続される。持続的な割当てを送信することによって、スティッキーコンポーネント704は、ネットワークのユーザに送信される必要がある複数の割当てメッセージの減少を容易にすることができる。伝送コストおよび割当てメッセージサイズをさらに減少させるために、割当てコンポーネント702は、上記の図に関して述べられたようにデクリメント割当てメッセージを生成するデクリメントコンポーネント706を含むことができる。
【0038】
たとえば、スティッキーコンポーネント704によって生成された初期のスティッキー割当ては、意図されたユーザだけに送ることができる。第1のユーザへの後続のスティッキー割当ては、第2のユーザの、前に割り当てられたリソースセットと競合するリソース割当てを含むことがある。デクリメントコンポーネント706は、第2のユーザの識別を決定することができ、第1のユーザに送信されている新しい割当て(たとえば競合割当て)が第2のユーザに見えることを保証することができる。競合割当てを検出すると、第2のユーザは、リソースが最も最近割り当てられたユーザに有利になるように競合を解決するために、自動的にデクリメントすることができる(たとえば、第2のユーザは、競合したリソースへのその割当てを放棄する)。
【0039】
システム700はさらに、図6に関して上記で詳述したようなメモリ712とプロセッサ714とを含む。さらに、AIコンポーネント716は、割当てコンポーネント702と動作可能に関連付けることができ、オーバヘッドコストについての問題点などを考慮してリソース割当てに関する推論を行うことができる。本明細書では、用語「推論する」または「推論」は一般に、イベントおよび/またはデータを介して捕捉された1組の観察からシステム、環境および/またはユーザの状況を論理的に考えまたは推論するプロセスを指す。推論は、特定のコンテキストまたはアクションを識別するために使用することができ、あるいは、たとえば状態に関する確率分布を生成することができる。推論は、確率論的、すなわちデータおよびイベントについての考慮に基づいて関心のある状態に関する確率分布を計算することであり得る。推論は、1組のイベントおよび/またはデータからより高いレベルのイベントを構成するために使用される技術を指すこともある。こうした推論によって、イベントが時間的に密接に相関しているかどうかにかからず、またイベントおよびデータが1つのイベントおよびデータソースから生じているか、それとも複数のイベントおよびデータソースから生じているかにかからず、観察された1組のイベントおよび/または格納されたイベントデータから新しいイベントまたはアクションが構築されることになる。
【0040】
一実施例によれば、AIコンポーネント716は、たとえば検出された競合割当てに少なくとも一部基づいて、適切なデクリメント割当て受信側を推論することができる。この実施例によれば、第1のユーザが、たとえば伝送チャネルなど、3つの追加のシステムリソースブロックを必要とすると決定することができる。AIコンポーネント716は、プロセッサ714および/またはメモリ712と共に、こうしたリソースブロックが他のユーザによって制限されかつ/または占有されていると決定することができる。AIコンポーネント716は、たとえば潜在的な候補のグループから特定のユーザ装置割当て解除候補を選択することに関する費用効果解析についての推論を行うことができる。たとえば、第2と第3のユーザの両方は、ユーザ1への再割当てに適したリソース割当てを有するが、第3のユーザは、(たとえば基地局708から距離がより大きいこと、受信装置の品質がより低いことにより)メッセージを受信するのに実質上より多くの電力を必要とする。こうした場合、AIコンポーネント716は、伝送コストがより安価であり、また第2のユーザが適切なリソース割当てを所有するので、第2のユーザの選択を容易にすることができる。こうした推論に少なくとも一部分基づいて、デクリメントコンポーネント706は、第2のユーザをデクリメントされるユーザと識別することができ、第1のユーザへの競合割当てが第2のユーザ装置から見えることを保証することができる。第1のユーザ装置への競合割当てについて通知を受けると、第2のユーザ装置はそれに応じて、その割当てリストを自動的にデクリメントさせることができる。
【0041】
別の実施例によれば、AIコンポーネント716は、別のユーザに競合割当てメッセージが伝送されると、競合ユーザの割当てを完全に割当て解除するかどうかに関して推論を行うことができる。たとえば、競合割当てをテストするためのベンチマークとして、割当て競合のしきい値割合を定義し使用することができる。第1のユーザに5つの伝送チャネルが割り当てられ、第2のユーザに、第1のユーザの割り当てられた伝送チャネルのうちの3つと競合する割当てメッセージが発行される場合、AIコンポーネント716は、第1のユーザのリソースの完全な割当て解除がデクリメント割当てに優先すると推論することができる。それによって、リソース割当てが飽和点に達した場合にリソースを使用可能にすることを容易にすることができる。競合しきい値割合は、事前に定義することができ、またはリソース使用可能性に従ってネットワークの動作中に再定義することができる。
【0042】
図8は、システムリソースの割当て、および1つまたは複数の初期割当ての確認後のリソースの再割当てを容易にするシステム800を示している。システム800は、通信網内の1つまたは複数の基地局808によって1つまたは複数の受信装置810にたとえば周波数、チャネル、送信タイムスロットなどのリソースを割り当てることができる割当てコンポーネント802を含む。割当てコンポーネント802は、持続的な割当てを提供するスティッキーコンポーネント804を含むことができ、デクリメントコンポーネント806は、本明細書で上記の図に関して述べたように、競合リソース割当てを識別し、競合割当てを有するすべてのユーザに、競合を引き起こすリソース割当てが見えることを保証する。割当てコンポーネント802はさらに、メモリ812、プロセッサ814およびAIコンポーネント816のそれぞれに動作可能に結合され、その結果、これらはそれぞれ、他に動作可能に結合に結合されることができる。
【0043】
割当てコンポーネント802は、1つまたは複数の基地局808を介して1つまたは複数のユーザ装置810から確認データを受信する確認コンポーネント818をさらに含むことができる。このシナリオによれば、ユーザ装置810は、割当てコンポーネント802に送信確認情報を送信するためにトランシーバ機能を含むことができる。こうした確認データは、たとえば逆リンクを介したパケットまたはシーケンス復号の成功についての表示、順方向リンクを介した肯定応答(ACK:acknowledgement)などであり得る。こうしたやり方で、システム800は、デクリメントコンポーネント806によって生成された信号で割当てをデクリメントする前に、ユーザへの割当てを確認することができる。
【0044】
図9は、無線網通信環境内のユーザにシステムリソースのデクリメント割当てを提供することを容易にするシステム900を示す図である。システム900は、ユーザニーズに基づいてユーザのためのリソース割当てを生成することができる割当てコンポーネント902を含み、こうした割当てを、基地局908を介して意図された受信側ユーザ装置(たとえば移動電話、ラップトップ、PDA、…)に送信することができる。割当てコンポーネント902はさらに、持続的なリソース割当て(たとえばさらなる割当て情報がユーザ装置910によって受信されるまでユーザ装置910上で有効である割当て)を生成することができるスティッキーコンポーネント904と、リソース割当て競合を検出し、意図されたユーザ装置と、その競合リソースが前に割り当てられている競合ユーザ装置の両方によって競合割当てが受信可能であることを保証するデクリメントコンポーネント906とを含む。さらに、割当てコンポーネント902は、ユーザ装置901によって受信された割当てが、それがデクリメントされる前に確認されることを保証することができる確認コンポーネント918を含む。割当てコンポーネント902は、上記の図に関して述べたようにそれぞれが他と双方向通信することができるメモリ912と、プロセッサ914と、AIコンポーネント916とに動作可能に結合される。
【0045】
デクリメントコンポーネント906はさらに、明示的デクリメントコンポーネント920および暗黙的デクリメントコンポーネント922のそれぞれを含む。明示的コンポーネント920は、別のユーザ装置のための新しい割当てと競合する現存の割当てを有するユーザ装置のための別個のメッセージを生成することを容易にすることができる。明示的デクリメント割当ては、既存の割当てから削除されるべきユーザの既存の割当ての一部を指定することができる。たとえば、第1のユーザには、伝送チャネル1〜3などの1組のリソース(たとえば[1,3:0])を割り当てることができる。第2のユーザへの後続の割当ては、チャネル3および4(たとえば[3,2:0])を含むことができる。カッコ「[]」によって示されるように、リソース割当ての上記例は連続した割当てを表し、第1のインデックス番号が第1のリソースブロックを表し、第2のインデックス番号が、連続したセット内のリソースブロックの数を示すリソースベクトルの長さを表す。メッセージが標準割当てか、それとも明示的デクリメント割当てかを示すために、表示ビットをこうした割当てメッセージに添付することができる。たとえば、リソース割当てメッセージの上記例では、「:0」は、メッセージが標準割当てであることを示すことができる。明示的デクリメントコンポーネント920は、リソース3の割当てが第2のユーザへの新しい割当てと競合している第1のユーザへの伝送のために、「:1」が割当てメッセージがデクリメントのものであることを示す[3,1:1]など、デクリメント割当てメッセージを生成することができる。さらに、こうしたメッセージは、{3:1}のように非連続的な形で表すことができ、それはこの実施例では、1つのリソースブロックだけがデクリメントされるので減少した伝送オーバヘッドを必要とする。第1のユーザは、明示的デクリメント割当てを受信すると、リソースブロック3へのその割当てを放棄し、したがって、新しい割当てメッセージによりそれを第2のユーザへの割当てに使用できるようにすることができる。このように、明示的コンポーネント920は、競合する各装置についての完全な新しい割当てメッセージ、および/またはそれほど最近に割り当てられていないユーザ装置に割り当てられたリソースの完全な割当て解除を必要とする従来方式と比べて伝送オーバヘッドコストを比較的に減少した状態で維持しながら、こうしたメッセージが競合ユーザ装置によって受信されることを保証するために明示的デクリメント割当てメッセージを生成することを容易にすることができる。
【0046】
暗黙的デクリメントコンポーネント922が、明示的デクリメントコンポーネント920の機能を区別するように示されており、上記の図に関して示されたように、デクリメントコンポーネント906自体についての述べたのと同じように機能することができる。たとえば、スティッキーコンポーネント904によって新しいスティッキー割当てが生成されると、暗黙的コンポーネント922は、その割当てが新しい割当てと競合する他の装置を検出することができ、前に割り当てられたこうした競合装置がその新しい標準割当てのもとで競合リソースを第2のユーザへの再割当てに使用可能にするために自動的にデクリメントされることを保証することができる。新しい標準割当ておよび明示的デクリメント割当ては、こうした装置が(たとえばユニキャストメッセージ構造などに関連する)互いの割当てメッセージについて認識せずにそれぞれのユーザ装置に同時に送信することができる。
【0047】
図10〜12を参照すると、補足のシステムリソース割当ての生成に関する方法論が示されている。たとえば、方法論は、OFDM環境、OFDMA環境、CDMA環境、または他の任意の適切な無線環境内の補足の割当てに関する。説明を簡単にするために諸方法論は一連の行為として示され述べられているが、諸方法論は、一部の行為が1つまたは複数の実施形態に従って、本明細書に示され述べられたものとは異なる順序で、かつ/または他の行為と同時に行われるように、行為の順序によって限定されるものではないことを理解されたい(understand and appreciate)。たとえば、別法として方法論は、状態図など、相互に関連する一連の状態またはイベントとして表され得ることが当業者には理解されよう。さらに、図示されたすべての行為が、1つまたは複数の実施形態による方法論を実施することを必要とし得るとは限らない。
【0048】
次に図10を参照すると、無線網のユーザへのデクリメントシステムリソース割当てを生成し提供するための方法論1000が示されている。1002で、たとえばセルラー式電話、ラップトップ、PDAなど、意図されたユーザ装置のために、1つまたは複数のリソースブロック(たとえば周波数、タイムスロット、チャネル、…)を装置に割り当てるための標準リソース割当てを生成することができる。1004で、リソース割当ての競合について査定することができる。たとえば、1002で生成された意図された装置割当てが{1,2,3,5:0}(たとえば、中カッコ「{}」によって示されるように1、2、3および5は割り当てられた非連続のリソースを表し、コロンの後の「0」ビットは割当てを非デクリメントと指定する)で示されたリソースセットを含む場合、リソースブロック1および3〜5を意図されたユーザ装置に割り当てることができる。1004で、既存のリソース割当て(たとえば他の装置に既に割り当てられているリソース)を査定することができ、この査定はこうした割当ての確認を含み得る。リソース割当て競合を査定することによって、たとえば、別のユーザ装置(たとえば競合する装置など)への前の割当てなど、リソース3に関する競合がもたらされることがある。この実施例によれば、競合装置は、ブロック4〜8が競合ユーザ装置への現存の割当て対象であるように[4,5:0](たとえば、大カッコ「[]」によって示されるように、4は連続した列内の開始リソースブロックを表し、5は連続したリソースブロックの数を表す)の先在の割当てを有し得る。こうした競合装置が検出されるかどうかにかかわらず、1006で、標準リソース割当てを意図された装置、ならびに検出された任意の競合装置に送信することができる。この実施例によれば、1004で査定/決定された競合装置は、1006で送信された割当てを見ることを可能にされ得る。1008で、この実施例の競合装置など、標準割当てが送信される競合装置は、リソースブロック5を削除するためにその割り当てられたリソースセットを自動的にデクリメントすることができ、このリソースブロック5は、その割当てから解放されると、意図されるユーザ装置に割り当てることができる。このように、方法1000は、競合したリソースの最も最近の割当てに有利になるように、割当て競合および/またはあいまい性を解決することができる。この場合、結果として生じる割当てセットは、意図された装置のための{1、2、3、5}および競合装置のための{4、6、7、8}であり得る。
【0049】
図11は、無線網環境内のリソース再編成を容易にする暗黙的デクリメント割当てを生成し送信するための方法論1100を示す図である。1102で、意図されたユーザ装置のために、標準リソース割当てを生成することができる。1104で、1102で生成されたリソース割当てと先在のいずれかのリソース割当てとの間の潜在的な競合を識別するために、リソース割当てを査定することができる。1106で、競合の存在を確認することができる。競合する割当てが検出されない場合は、1108で、標準の割当てを意図されたユーザ装置に送信することができ、対応するリソース割当てを装置に適用することができる。
【0050】
1106で、競合が存在する(たとえば、意図されたユーザ装置のための標準割当て内で識別された1つまたは複数のリソースが、別のユーザ装置への先在の割当ての対象である)と判断される場合は、1110で、1つまたは複数の重複割当てに関する競合を解決し易くするために、競合装置(たとえば、競合する先在の割当てを有する1つまたは複数の装置)を識別し、それが標準の割当てを伝送され次第見ることを可能にし得る。1112で、競合ユーザ装置が割当てを見ることを可能にするために、標準の割当てを意図されたユーザ装置、ならびに識別されたいずれかの競合ユーザ装置に送信することができる。競合ユーザ装置は、意図された装置への新しい割当てを見ると、意図された装置に割り当てられる特定のリソースについて認識することができ、こうしたリソースが競合装置に前に割り当てられている場合には、1114で、新しい割当てによって意図された装置が重複リソースを使用できるようにするために、それへの割当ての権利を競合装置によって放棄することができる(たとえば、競合装置への割当てを暗黙的にデクリメントすることができる)。
【0051】
図12は、無線網を介して通信する装置に明示的デクリメントリソースの割当てを提供するための方法論1200を示している。1202で、意図されたユーザ装置(たとえばネットワークを介して通信セッションを開始するユーザ装置、…)のために、標準のリソース割当てを生成することができる。たとえば、意図されたユーザ装置にリソースブロック1〜4を割り当てるために、[1,4:0]などのスティッキー割当てを生成することができる。1204で、潜在的な競合および/または割り当てられたリソースブロック間の重複を識別するために、(たとえば、所望であれば確認され得る)他の装置への先在の割当てを査定することができる。1206で、こうした競合を確認することができる。1206で競合が存在しないと決定される場合は、1208で、新しく生成された標準の割当てを意図された装置に送信することができ、それによって割り当てられたリソースを割り当てることができる。
【0052】
1206で競合があると決定される場合は、(たとえば電力署名、ユニキャストメッセージングID機構によって)競合装置を識別することができ、1208で、競合装置のために明示的デクリメント割当てを生成することができる。たとえば、1206の決定は、競合装置が{4,5,7:0}の先在の割当てを有する(たとえばリソース4が、1202で生成された意図された装置のための新しいリソース割当てと重複しまたは競合する)ことを示すことができる。この実施例によれば、競合装置のための明示的デクリメント割当ては、意図された装置への割当てのためにブロック4を解放し、競合を解決するために、競合装置の割当てからリソースブロック4をデクリメントするように設計されることができる。たとえば、こうした明示的デクリメント割当ては、{4:1}(たとえば、4がデクリメントされるリソースブロックを示し、「:1」が、割当てを明示的デクリメント割当てと識別する指定ビットを表す)と表すことができる。「0」の値を含む指定ビットは、割当てが標準割当てであることを示すことができ、「1」の値は、割当てが明示的デクリメント割当てであることを示すことができる。指定ビットの値は、(たとえば標準および明示的デクリメント)割当てメッセージの2つの可能な状況のそれぞれを示すためにこうした値が一貫して適用される限り反転され得ることが理解されよう。さらに、こうした割当ての指定は、指定ビットの使用に限定されるものではなく、任意の適切な表示(たとえばビットシーケンス、メッセージ接頭語、メッセージヘッダ内のフラグ、…)を使用して行うことができる。
【0053】
1212で、標準割当てを意図された装置に送信することができ、同時に、明示的デクリメント割当てを競合装置に送信することができる。明示的デクリメント割当てによって競合装置に、重複するリソースブロックが競合装置のリソース割当てリストから削除されることが具体的に(たとえば明示的に)伝えられるので、この場合、標準割当てメッセージについて認識する必要はない(たとえば見ることが可能である必要はない)。したがって、それぞれの装置によって割当てメッセージを受信すると、1214で、競合装置は、競合リソース(この実施例ではリソースブロック4)を使用可能にするためにその割当てをデクリメントすることができ、意図された装置は、装置リソース割当て間のいずれかのあいまい性または競合を解決するために、割当てが受信されるときにその受信された割当てを適用することができる。このように、方法1200は、複数のユーザ装置が単一の割当てメッセージを見る必要性を緩和しながら、デクリメント割当てによるリソース割当て競合の解決策を提供することができる。さらに、明示的デクリメント割当てメッセージを使用することによって、たとえば従来の技術によって使用されるような完全な割当ての大量の(bulky)再送信の必要性を緩和することができる。
【0054】
図13は、例示的な無線通信システム1300を示している。簡潔にするために、無線通信システム1300は、1つの基地局と1つの端末とを示している。しかし、システムは、2つ以上の基地局および/または2つ以上の端末を含むことができ、追加の基地局および/または端末が、以下で述べる例示的な基地局および端末と実質上類似していても、それとは異なっていてもよいことを理解されたい。さらに、基地局および/または端末は、それらの間の無線通信を容易にするために本明細書に記載されているシステム(図5〜9)および/または方法(図9〜12)を使用できることを理解されたい。
【0055】
次に図13を参照すると、ダウンリンク上のアクセスポイント1305で、送信(TX)データプロセッサ1310が、トラヒックデータを受信し、フォーマットし、符号化し、インタリーブし、変調し(またはシンボルマッピングし)、変調シンボル(「データシンボル」)を供給する。OFDM変調器1315は、データシンボルおよびパイロットシンボルを受信し処理し、OFDMシンボルのストリームを供給する。OFDM変調器1320は、適切なサブバンド上のデータおよびパイロットシンボルを多重化し、未使用の各サブバンドについては0の信号値を供給し、各OFDMシンボル期間の間にN個のサブバンドについてのN個の送信シンボルのセットを取得する。それぞれの送信シンボルは、データシンボル、パイロットシンボル、またはゼロの信号値であり得る。パイロットシンボルは、各OFDMシンボル期間に連続的に送信されてもよい。あるいは、パイロットシンボルは、時分割多重(TDM:time division multiplexed)、周波数分割多重(FDM:frequency division multiplexed)または符号分割多重(CDM:code division multiplexed)であり得る。OFDM変調器1320は、N点IFFTを使用してN個の送信シンボルの各セットを時間領域に変換して、N個の時間領域チップを含む「変換済み」シンボルを取得することができる。OFDM変調器1320は一般に、対応するOFDMシンボルを取得するために、変換された各シンボルの一部を繰り返す。繰り返された部分は、サイクリックプレフィックスとして知られており、無線チャネル内の遅延スプレッドを抑えるために使用される。
【0056】
送信機ユニット(TMTR)1320は、OFDMシンボルのストリームを受信し、1つまたは複数のアナログ信号に変換し、アナログ信号を調節して(たとえば増幅し、フィルタリングし、周波数アップコンバートして)、無線チャネルを介した伝送に適したダウンリンク信号を生成する。次いで、ダウンリンク信号は、アンテナ1325を介して端末に送信される。端末1330上で、アンテナ1335は、ダウンリンク信号を受信し、受信された信号を受信機ユニット(RCVR)1340に供給する。受信機ユニット1340は、受信された信号を調節して(たとえばフィルタリングし、増幅し、周波数ダウンコンバートして)、調節された信号をディジタル化して、サンプルを取得する。OFDM復調器1345は、各OFDMシンボルに添付されたサイクリックプレフィックスを取り除き、受信された各変換済みシンボルをN点FFTを使用して周波数領域に変換し、各OFDMシンボル期間の間にN個のサブバンドについてのN個の受信シンボルを取得し、受信パイロットシンボルをチャネル推定のためにプロセッサ1350に供給する。OFDM復調器1345はさらに、プロセッサ1350からダウンリンクについての周波数応答推定値を受信し、受信データシンボルに対してデータ変調を実施して、(送信されたデータシンボルの推定値である)データシンボル推定値を取得し、このデータシンボル推定値を、送信されたトラヒックデータの回復のためにデータシンボル推定値を復調し(すなわちシンボルマッピング解除し)、デインタリーブし、復号するRXデータプロセッサ1355に供給する。OFDM復調器1345およびRXデータプロセッサ1355による処理は、アクセスポイント1300上のそれぞれOFDM変調器1315およびTXデータプロセッサ1310による処理を補完するものである。
【0057】
アップリンクでは、TXデータプロセッサ1360は、トラヒックデータを処理し、データシンボルを供給する。OFDM変調器1365は、パイロットシンボルを含むデータシンボルを受信し多重化し、OFDM変調を実施し、OFDMシンボルのストリームを供給する。パイロットシンボルは、パイロット伝送のために端末1330に割り当てられているサブバンド上で送信されてもよく、ただし、アップリンク用のパイロットサブバンドの数は、ダウンリンク用のパイロットサブバンドの数と同じであっても、それとは異なっていてもよい。次いで、送信機ユニット1370は、アンテナ1335によってアクセスポイント1310に送信されるアップリンク信号を生成するために、OFDMシンボルのストリームを受信し処理する。
【0058】
アクセスポイント1310では、サンプルを得るために、端末1330からのアップリンク信号が、アンテナ1325によって受信され、受信機ユニット1375によって処理される。次いで、OFDM復調器1380は、サンプルを処理し、アップリンクについての受信されたパイロットシンボルおよびデータシンボル推定値を供給する。RXデータプロセッサ1385は、データシンボル推定値を処理して、端末1335によって送信されたトラヒックデータを回復する。プロセッサ1390は、アップリンク上で送信する各アクティブ端末についてチャネル推定を実施する。アップリンク上で複数の端末が、インタレースされ得る割り当てられた各パイロットサブバンドセット上で、パイロットを同時に送信してもよい。
【0059】
プロセッサ1390および1350は、それぞれアクセスポイント1310および端末1335上の操作を指示(たとえば制御、調整、管理)する。それぞれのプロセッサ1390および1350は、プログラムコードおよびデータを格納する記憶装置(図示せず)に関連付けることができる。プロセッサ1390および1350は、それぞれアップリンクおよびダウンリンクについての周波数およびインパルス応答推定値を導出するための計算を実施することもできる。
【0060】
多元接続OFDM方式(たとえば直交周波数分割多元接続(OFDMA:orthogonal frequency division multiple−access)方式)では、複数の端末が、アップリンク上で同時に送信してもよい。こうしたシステムでは、パイロットサブバンドは、異なる端末間で共有してもよい。チャネル推定技術は、各端末のパイロットサブバンドが(恐らくバンドエッジを除いて)動作バンド全体にわたる場合に使用してもよい。こうしたパイロットサブバンド構造は、各端末について周波数ダイバーシティを得るのに望ましい。本明細書で述べられた技術は、様々な手段によって実装されてもよい。たとえば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその組合せで実装されてもよい。ハードウェア実装では、チャネル推定に使用される処理装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、ディジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、ディジタル信号処理装置(DSPD:digital signal processing device)、プログラマブル論理デバイス(PLD:programmable logic device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で述べられた諸機能を実施するように設計された他の電子ユニット、またはその組合わせの内で実装されてもよい。ソフトウェアでは実装は、本明細書で述べられた諸機能を実施するモジュール(たとえば手順、関数など)を用いて行うことができる。ソフトウェアコードは、記憶装置内に格納し、プロセッサ1390および1350によって実行してもよい。
【0061】
上記内容は、1つまたは複数の実施形態の例を含む。もちろん、上記実施形態について説明するためにコンポーネントまたは方法論の考えられるあらゆる組合わせについて述べることはできないが、様々な実施形態のさらなる組合せおよび置換が可能であることが当業者には認識されよう。したがって、述べられた諸実施形態は、添付の特許請求の精神および範囲内にあるこうしたすべての変更、修正および変形を包含するものである。さらに、用語「含む(include)」が発明を実施するための最良の形態、および特許請求の範囲中で使用される範囲では、こうした用語は、用語「含む(comprising)」が特許請求の範囲中で移行語として使用されるときに解釈されるのと同じように包含的なものである。
【技術分野】
【0001】
下記の説明は、一般には、無線通信に関し、より詳細には、割当てメッセージのサイズの減少を容易にするデクリメントリソース割当てを提供することに関する。
【0002】
米国法典第35編119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、2005年3月9日に出願され、本願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれている、米国仮出願第60/659969号、「USE OF DECREMENTAL ASSIGNMENTS」の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワーキングシステムは、世界中の大多数の人々が情報をやりとりするようになるための普及した手段となっている。無線通信装置は、消費者ニーズを満たし、可搬性および利便性を向上させるためにより小さく、より強力になってきた。セルラー式電話などの移動体装置内の処理能力の向上によって、無線網伝送システムへの要求が高まってきた。こうしたシステムは一般に、それを介して通信するセルラー式の装置ほど容易には更新されない。移動体装置の能力が拡大するにつれて、より古い無線網システムを新しい向上した無線装置能力の完全な活用を円滑に進めるやり方で維持することは難しくなり得る。
【0004】
たとえば、無線ネットワーキング環境内のチャネル割当てについて正確に表現することは、(たとえばビット単位など)多くの費用がかかることがある。これは、ユーザ(たとえば移動体装置)が無線システムの他のユーザへのシステムリソース割当てを認識する必要がない場合に特に当てはまり得る。こうした場合、たとえば報知チャネルなど、システムリソースの割当ては、各ユーザに十分な帯域幅および/またはネットワーキング能力を提供するために、事実上あらゆる報知周期において更新を必要とすることがあり、それによって、無線網システムに重い負担が課され、ネットワーク制限が現実なものとなるのが早まることがある。さらに、こうした連続的な更新および/または完全な再割当てのメッセージをユーザに非常に頻繁に送信することを必要とすることによって、こうした従来のシステムリソース割当て方法は、単にシステム要求を満たすために、高価で強力な通信コンポーネント(たとえばトランシーバ、プロセッサなど)を必要とすることがある。
【0005】
多元接続通信システムは一般に、システムの個々のユーザにシステムリソースを割り当てる方法を使用する。こうした割当てが時間とともに急速に変化する場合、単に割当てを管理するのに必要なシステムオーバヘッドが、総システム容量のかなりの部分となることがある。割当てが「スティッキー」である(たとえば、割当てが決定論的な満了時を有するのではなく、ある期間の間持続する)システムでは、第2のユーザによって使用中のリソースを第1のユーザにリソース割当てするには、第2のユーザからのリソースの割当て解除を必要とすることがあり、それによって、割当て解除されるリソースのいくらかが第2のユーザに割り当てられたままであることが望ましい場合などにおいて、競合および潜在的な複雑な再割当ての問題がもたらされることがある。
【0006】
少なくとも上記内容を考慮して、無線網システム内の割当て通知および/または更新を向上させ、割当てメッセージのオーバヘッドを低減するシステムおよび/または方法論が当技術分野において求められている。
【発明の概要】
【0007】
下記は、こうした実施形態についての基本的な理解を提供するために1つまたは複数の実施形態の簡略化された要約を提示している。この要約は、企図されたすべての実施形態についての広範囲の概要ではなく、すべての実施形態の重要なまたは重大な要素を識別するものでも、いずれかまたはすべての実施形態の範囲を示すものでもない。その唯一の目的は、1つまたは複数の実施形態の一部の概念を、下記に提示されるより詳細な説明の序文として簡略化された形で提示することである。
【0008】
1つまたは複数の実施形態が、無線ネットワーキング環境(たとえばOFDM、OFDMA、CDMA、…)内でデクリメント割当てを使用してリソース割当ての競合を解決するための複数のシステム/方法論を含む。デクリメント割当ては、暗黙的であることも、明示的であることもある。たとえば、明示的デクリメント割当ては、ユーザの割当てから取り除かれるべきユーザの既存の割当ての一部を指定することができ、暗黙的デクリメント割当ては、第1のユーザによって観察され、第1のユーザの割当てと競合する別のユーザへの割当てであり得る。後者の場合には、第2のユーザへのこうした競合割当てメッセージは、第1のユーザによって、デクリメント割当てと解釈されることができる。デクリメント割当てによって、競合する割当てが発見されたユーザのリソース割当てのすべてを取り除くリソースの完全な明示的割当て解除を一般に使用する従来のシステムよりも堅牢なリソース割当て管理機構が提供される。
【0009】
デクリメント割当てを使用すると、競合ユーザに割り当てられたリソースの一部の割当て解除と、意図されたユーザへのこうしたリソースの割当てを同時に行う単一の割当てを送信することによってネットワークに割当てメッセージのオーバヘッドを低減させることが容易になる。デクリメント割当てメッセージは、割当て解除の影響を受ける現在のすべてのユーザ(たとえば、現在のリソース割当てが、新しい割当てメッセージによって割り当てられるリソースと競合するすべてのユーザ、ならびにリソースの意図された受信者)によって割当てメッセージが復号可能であるようなやり方で送信することができる。さらに、割当てメッセージが定義可能なリソースサブセットの数の制限を受ける場合、デクリメント割当てによって、他のユーザへの既存の割当てによる割当て制限の緩和を促すことができる。たとえば、ユーザ割当て間の重複は、重複するリソースを意図された新しいユーザに再割当てすることを優先した、リソースの現在の被割当てユーザ(assignee)への暗黙的デクリメント割当てと解釈することができる。
【0010】
別の態様によれば、無線網環境内のシステムリソースを動的に割り当て、再割当てする方法が、第1のユーザ装置への既存のリソース割当てと第2のユーザ装置のための新しいリソース割当ての間のリソース競合を検出すること、および検出されたリソース競合を解決するために既存のリソース割当てをデクリメントするためのデクリメント割当てを第1のユーザ装置に提供することを含み得る。リソース競合の検出は、新しいリソース割当てと既存のリソース割当ての両方にリストされた少なくとも1つの競合リソースを決定するために新しいリソース割当てを既存のすべてのリソース割当てとを比較することを含み得る。
【0011】
別の態様では、無線網リソースを動的に割り当てる方法が、無線網に接続された第1のユーザ装置のための第1のリソース割当てを生成すること、第1の標準リソース割当て内に定義されたリソース制御を第1のユーザに与えるために第1のユーザ装置に第1の標準割当てを送信すること、無線網に接続された第2のユーザ装置のための第2の標準リソース割当てを生成すること、および第2の割当てを第2のユーザ装置に送信する前に少なくとも1つのリソースが第1および第2の標準割当てのそれぞれと共通するかどうか判断することを含み得る。少なくとも1つの共通リソース割当てが存在すると判断されると、この方法は、第1の標準リソース割当てからの少なくとも1つの共通リソースをデクリメントし、デクリメントされた少なくとも1つのリソースを第2の標準リソース割当てで第2のユーザ装置に割り当てることをさらに含み得る。さらに、第1のユーザ装置は、第1のユーザ装置のために共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースの暗黙デクリメント割当ての働きをする第2の標準割当てを読み出すと、共通に割り当てられたリソースをその割当てから自動的に取り除くことができる。
【0012】
別の態様によれば、無線網リソース割当て装置は、少なくとも1つの共通リソースを定義する競合標準リソース割当てを検出する手段と、リソース割当て間の検出された競合を解決するデクリメント割当てを生成する手段と、デクリメントリソース割当てを標準リソース割当てと区別する手段とを含み得る。さらに、この装置は、逆リンクを介した成功した割当て復号の受信についての表示、および/または標準リソース割当ての受信の成功を示す順方向リンクを介した成功した割当て復号についての肯定応答など、ユーザ装置による割当てメッセージの受信を確認する手段を含み得る。
【0013】
別の態様では、動的なリソース割当てシステムを容易にするシステムが、無線網環境内のユーザ装置のための持続的なリソース割当てを生成し、リソース割当て間の競合を検出する割当てコンポーネントと、ユーザ装置にリソース割当てを送信する送信機と、割当てコンポーネントによって検出された割当て間の競合を解決するために少なくとも1つのユーザ装置のためのデクリメント割当てを生成するデクリメント割当てコンポーネントとを含み得る。このシステムはさらに、リソース割当てを受信したユーザ装置から、割当てメッセージの受信の成功を示すことができる確認メッセージを受信する確認コンポーネントを含み得る。
【0014】
上記および関連する目的を達成するために、1つまたは複数の実施形態は、以下に十分に述べられており、特許請求の範囲中に具体的に指摘された諸特徴を含む。以下の説明および付属の図面は、1つまたは複数の実施形態の例示的な特定の態様を詳細に示している。しかし、これらの態様は、様々な実施形態の原理が使用され得る様々なやり方のほんのいくつかを示すものであり、示された諸実施形態は、こうしたすべての態様およびその等価物を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書に提示された様々な実施形態が動作することができるやり方についての理解を促すためにN個のシステムリソースブロックのグループを示す図である。
【図2】競合リソース割当て時にデクリメントされる関連の割当てサブセットをそのいずれかが有し得る、複数のユーザに割り当てることができるリソースブロックのグループを示す図である。
【図3】ある期間にわたって行われる一連の非持続的(たとえば非スティッキー)割当てを示す図である。
【図4】本明細書で述べられた様々な実施形態に関して使用され得るものなど、ある期間にわたって行われる一連の持続的な、すなわち「スティッキー」割当てを示す図である。
【図5】リソース再割当てに必要なメッセージの数を減少させ、リソースサブセットの部分的割当て解除を可能にすることによってシステムオーバヘッドおよび/または伝送要件を低減するやり方でシステムリソースを動的に割り当てるためのデクリメント割当ての使用を容易にするシステムを示す図である。
【図6】割当て信号のオーバヘッドコストを減少させるために通信網のユーザに補足のリソース割当てを提供することを容易にするシステムを示す図である。
【図7】リソース割当てコストを軽減しながら通信網のユーザにシステムリソースを割り当てるために補足の割当てを生成することを容易にするシステムを示す図である。
【図8】システムリソースの割当て、および1つまたは複数の初期割当ての確認の後のリソース再割当てを容易にするシステムを示す図である。
【図9】無線網通信環境内のユーザにシステムリソースのデクリメント割当てを提供することを容易にするシステムを示す図である。
【図10】無線網のユーザへのデクリメントシステムリソース割当てを生成し提供するための方法論を示す図である。
【図11】無線網環境内のリソース再編成を容易にする暗黙的デクリメント割当てを生成し送信するための方法論を示す図である。
【図12】無線網を介して通信する装置に明示的デクリメントリソース割当てを提供するための方法論を示す図である。
【図13】本明細書に示された様々なシステムおよび方法に関連して使用され得る無線網環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な実施形態について、次に図面を参照して述べる。図面では、同様の参照符号は、全体を通して同様の要素に言及するために使用されている。下記の説明では、説明目的により、1つまたは複数の実施形態についての完全な理解を提供するために複数の具体的な詳細について述べる。しかし、こうした(諸)実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことは明らかである。他の場合では、1つまたは複数の実施形態について説明し易くするために、よく知られている構造および装置がブロック図の形で示されている。
【0017】
本出願では、用語「コンポーネント」、「システム」などは、コンピュータ関連のエンティティ、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアに言及するものである。たとえば、コンポーネントは、それだけに限らないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラムおよび/またはコンピュータであり得る。1つまたは複数のコンポーネントがプロセスおよび/または実行スレッド内に常駐してもよく、コンポーネントは、1つのコンピュータ上に局所的に置かれ、かつ/または2つ以上のコンピュータ間で分散されてもよい。これらのコンポーネントは、様々なデータ構造体がその中に格納された様々なコンピュータ読取り可能媒体から実行することもできる。コンポーネントは、たとえば1つまたは複数のデータパケットを含む信号(たとえば、ローカルシステム、分散システム内の別のコンポーネントと、かつ/またはインターネットなどのネットワークを介して信号によって他のシステムと対話するあるコンポーネントからのデータ)に従って、ローカルおよび/または遠隔プロセスによって通信してもよい。
【0018】
1つまたは複数の実施形態およびその対応する開示によれば、システムリソース(たとえばチャネル、周波数、タイムスロット、…)を管理し、無線網環境内のユーザニーズを満たすことに関連して、様々な態様について述べられる。ある態様によれば、「スティッキー」割当て(たとえば次の割当て信号が受信されるまで有効である割当て)を完全に取り除きまたは割当て解除するのではなく、そこから減じるために、デクリメント割当てを使用することができる。述べられるデクリメント割当ては、特に瞬間的に使用可能なシステムリソースに関して微調整されたシステムリソース管理を容易にし、また従来のシステムおよび/または方法論によって達成され得るものよりも堅牢なユーザ体験を、減少したオーバヘッドコストで提供することができる。
【0019】
さらに、様々な実施形態について、加入者局に関連して本明細書で述べる。加入者局は、システム、加入者ユニット、移動局、移動体、遠隔局、アクセスポイント、基地局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、ユーザエージェントまたはユーザ装置と呼ぶこともできる。加入者局は、セルラー式電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)電話、無線ローカルループ(WLL:wireless local loop)局、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、無線接続能力を有するハンドヘルド装置、または無線モデムに接続された他の処理装置であり得る。
【0020】
さらに、本明細書で述べられる様々な態様または特徴は、標準のプログラミングおよび/またはエンジニアリング技術を使用して方法、装置または製品として実装されてもよい。本明細書では、用語「製品」は、任意のコンピュータ読取り可能装置、搬送波または媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。たとえば、コンピュータ読取り可能媒体には、それだけに限らないが、磁気記憶装置(たとえばハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、…)、光ディスク(たとえばコンパクトディスク(CD:compact disk)、ディジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、…)、スマートカード、およびフラッシュメモリ装置(たとえばカード、スティック、キードライブ、…)が含まれ得る。
【0021】
次に図面を参照すると、図1は、本明細書で提示された様々な実施形態が動作し得るやり方についての理解を促すために、N個のシステムリソースブロックのグループ100を示している。こうしたリソースブロック100は、たとえば伝送チャネル、タイムスロット、周波数、符号スロット、上記内容の組合せなどを表すことができる。こうしたブロックのサブセットについての一般的な記述は、たとえば、特定のユーザに割り当てられたブロックのリストなど、ブロックインデックスリストであり得る。たとえば、{2、3、10、11、12、13}などのインデックスリストが、ユーザにこうしたブロックが割り当てられていることを表すために使用され得る。あるいは、nビットの配列{01100000011110}などブール配列が、同じ割当てを表すために使用され得る。こうした割当て機構を使用する従来のシステムは、それぞれ異なる特性を有するが、それを行う際にかなり費用を認識する。たとえば、ブロックインデックスリストは、割り当てられるブロックのサブセットのサイズが増加するにつれて、こうした割当てを伝達するのに必要なビットの数に関して実質上より多くの費用がかかり得る。一方、ブール配列は、1および0の数に関係なくいくらか固定の費用を示すが、特にnが増大するにつれて費用は比較的に大きくなる。
【0022】
さらに、割当てがブロックまたはリソースの連続したセットに制限される場合では、こうした割当ては、その割当ての第1のブロック、および割当てのブロック総数を示すことによって知らせることができる。たとえば、{11,12,13,14,15}などのブロックインデックス割当ては、{11,5}として知らせることができ、ただし「11」は所与のユーザに割り当てられる第1のブロックを表し、「5」は、11をその第1のブロックとして、割り当てられた連続したブロックの総数を表す。さらに、ユーザの順序が知られている場合、割当て信号は、ユーザ情報なしに送信することができる。たとえば、すべてのユーザが他のすべてのユーザについての割当てを認識している限りは、割り当てられているブロックの数だけが知らされる必要がある。
【0023】
一実施形態によれば、ソースブロック管理を容易にするために、デクリメント割当てを生成しかつ/または使用することができる。デクリメント割当ては、暗黙的であることも、明示的であることもある。たとえば、明示的デクリメント割当ては、ユーザの割当てから取り除かれるべきユーザの既存の割当ての一部を指定することができ、暗黙的デクリメント割当ては、第1のユーザによって観察され、第1のユーザの割当てと競合する別のユーザへの割当てであり得る。後者の場合には、第2のユーザへのこうした競合割当てメッセージは、第1のユーザによっては、デクリメント割当てと解釈されることができる。両方のタイプのデクリメント割当ては、ユーザのリソース割当てのすべてを取り除く、リソースの完全な明示的割当て解除を一般に使用する従来のシステムよりも堅牢なリソース割当て管理機構を提供する。
【0024】
デクリメント割当てを使用すると、リソースすなわち競合ユーザの割当て解除と、意図されたユーザへのこうしたリソースの割当てを同時に行う単一の割当てを送信することによってネットワークに割当てメッセージのオーバヘッドを低減させることが容易になる。デクリメント割当てメッセージは、割当て解除の影響を受ける現在のすべてのユーザ(たとえば、現在のリソース割当てが、新しく生成された割当てによって割り当てられるリソースと競合するすべてのユーザ、ならびに割当ての意図された受信者)によって割当てメッセージが復号可能であるようなやり方で送信することができる。さらに、割当てメッセージが定義可能なリソースサブセットの数の制限を受ける場合、デクリメント割当てによって、他のユーザへの既存の割当てによる割当て制限の緩和を促すことができる。たとえば、ユーザ割当て間の重複は、重複するリソースを意図された新しいユーザに再割当てすることを優先した、リソースの現在の被割当てユーザへの暗黙的デクリメント割当てと解釈することができる。
【0025】
例を挙げると、ブロックグループ100は、初期割当て時に複数のユーザに配分することができる。たとえば、第1のユーザU1にはリソースブロック4および5を割り当てることができ、他の様々なユーザにはリソースブロック1および6〜Nを割り当てることができる。第2のユーザU2が3つのリソースブロックを必要とすると決定される場合、およびU1が許容されるリソース提供側であると決定される場合、[2,3:0]など、U1およびU2によって復号可能であるデクリメント割当てを送信することができる。デクリメント割当ての上記例では、すべてのブロック1〜Nのセット内の第2のブロックから始めて、3つの連続したリソースブロックをU2に割り当てることができる。3つのブロック長の連続したリソースブロックのセットは、U1に割り当てられるブロック4を含むことに留意されたい。しかし、Ulは、U1のための暗黙的デクリメント割当てと解釈することができるこの割当てメッセージを復号することもできる。したがって、単一の割当てメッセージが伝送されると、U2への割当てと競合するU1のリソース割当ての一部は、U1のリソースサブセットのすべてを割当て解除することなしに割当て解除(たとえばデクリメント)することができる。この場合、リソースブロック4は、U1のリソース割当てセットからデクリメントされ、U2に再割当てされ、U1は、ブロック5についての割当てを保持する。
【0026】
図2は、リソース割当てが競合するとデクリメントされる関連の割当てサブセットをいずれかが有し得る複数のユーザに割り当てることができるリソースブロックのグループ200を示している。こうしたリソースには、たとえば、システムチャネル、タイムスロット、周波数、符号スロットなどが含まれ得る。一実施形態によれば、たとえば無線通信網(たとえばOFDM、OFDMA、CDMA、TDMA、GSM(登録商標)、…)内のシステムリソースを割り当てるために、スティッキー割当て(たとえば、さらなる割当て信号が受信されるまで有効である割当て)を使用することができる。こうした割当ては、リソースブロックのセットを任意に割り当てる能力を制限するという代償のもとで信号の費用が減少されるように、制限的なものとすることもできる。割当て信号の費用を最小限に抑えながらこうした制限を克服するために、デクリメント割当てを使用して、システムリソースを管理し、ユーザのリソースニーズを満たすことができる。たとえば、リソースブロック200は、ユーザ1に割り当てられるブロック1〜4を含む第1のブロックセット202を含むことができる。ユーザ2には、ブロック5および6を含む第2のブロックセット204を割り当てることができる。最後に、ブロック7〜9は、占有された(たとえば割り当てられた)リソースブロックからなる残りのブロックセット206を含むことができる。ユーザ2の要件は、ユーザ2が追加のリソースブロックを必要とするところまで増加したと決定され得る。この態様によれば、ユーザ1のリソースセット202を完全に割当て解除するのではなく、ユーザ1の割り当てられたリソースセット202を部分的に犠牲にしてユーザ2の現在の割当てセット204のためのリソースを解放することを容易にし得るデクリメント割当てを生成することができる。
【0027】
たとえば、ユーザ1の初期のスティッキー割当ては、チャネル1〜4が割り当てられる、チャネル{1,2,3,4:0}と表すことができる。さらに、割り当てられたチャネルが連続する場合の信号伝送の費用を軽減するために、こうした割当ては[1,4:0]と表すことができ、ただし、第1の整数「1」は割り当てられた第1のチャネルを表し、第2の整数「4」は割り当てられたチャネルの長さを表す。ユーザニーズの増加などにより、たとえば追加チャネルがユーザ2に割り当てられる場合、デクリメント割当てを生成し、ユーザ1およびユーザ2に送信することができる。たとえば{user2;4,3}は、リソースブロック4から6がユーザ2に割り当てられることを表すことができる。割当てメッセージはユーザ1によっても同様に復号することができ、それによって、リソースブロック4について競合する割当てが検出されることになり得る。競合の結果は、ユーザ1のリソース割当てセットが1つだけデクリメントされ(たとえばブロック4が割当て解除され)、ユーザ1はブロック1〜3への割当てを保持し、それは、ユーザ割当てのいずれかの部分について割当て競合が検出されるとユーザへのすべてのリソースの完全な割当て解除を必要とする従来のシステムと対照的である。したがって、競合は、追加リソース割当てを要求しかつ/または要求したユーザ2の装置に有利となるように解決することができる。
【0028】
関連する態様によれば、デクリメント割当て伝送の許可は、ユーザへの前の割当ての確認(たとえば、逆リンクを介したパケットまたはシーケンス復号の成功の表示、順方向リンクを介した肯定応答など、何らかの確認データの受信)に基づくことができる。このようにしてネットワークは、こうした割当てをデクリメントする前にユーザの割当てを確認することができる。
【0029】
図3は、ある期間にわたって行われる一連の非持続的(たとえば非スティッキー)割当てを示す図である。割り当てられるシステムリソースのタイプとして周波数が示されているが、割当て可能なシステムリソースは、それに限定されない。図によれば、時間1で、第1のユーザU1に、周波数Aが割り当てられる。時間2で、周波数Aは、一つには初期割当てがスティッキー割当てでないという理由から、ユーザ2に再割当てすることができる。周波数Cは、時間1と時間2の両方の間にユーザ3に割り当てられるものと示されている。しかし、ユーザ3への周波数Cの割当てはスティッキー割当てではないので、ユーザ3の周波数Cの保持は、時間1および時間2のそれぞれにおいて別個の割当てを必要とし、割当て信号オーバヘッドの望まれない増加がもたらされることがあり、その結果、システムリソースに悪影響を及ぼし得る。したがって、非スティッキー割当てを使用するシステムは、N個のユーザにn個の使用可能周波数を割り当てるために時間フレームごとにn個の異なる割当てメッセージを必要とする。
【0030】
図4は、本明細書で述べられる様々な実施形態に関して使用され得るものなど、ある期間にわたって行われる一連の持続的な、すなわち「スティッキー」割当てを示す図である。たとえば、第1の時間フレーム中に、第1の割当てセットをユーザ1〜Nに送信することができ、こうした割当ては、後続の1つまたは複数の割当てが1つまたは複数の個別ユーザに送信されるまで持続することができる。したがって、第1のN割当てセットは、(たとえばユーザニーズ、帯域幅使用可能性により)こうした割当ての変更が望まれ、かつ/または必要となるまで、すべてのユーザにシステムリソース割当てを提供するのに十分であり得る。U6などの後続のユーザには、こうした周波数がU6に必要になるならば周波数Dを割り当てることができ、周波数Dの割当てがU4への前の割当てと競合する場合、t3に示されるように、U6への割当てに有利になるようにDをU4から割当て解除することができる。このように、非スティッキー割当てを使用する場合よりも割当てメッセージがネットワークを介して送信される必要が少なくてすむ。
【0031】
さらに、ユーザが追加のリソースを要求するならば、システムリソースをいずれかのユーザ1〜Nに割り当てることができる。たとえば、ネットワークを介した通信の間のある時に、U5が周波数Eに加えて追加の周波数使用可能性を必要とすると決定され得る。周波数EおよびFがU5に割り当てられることを示すために、後続の割当てメッセージをU5に送信することができる。さらに、本明細書で詳述された様々な実施形態に関して、こうした追加の割当てメッセージは、U5への新しい割当てによって割当てセットに矛盾が生じるユーザによって検出し復号することができる暗黙的デクリメント割当てであり得る。このように、1つまたは複数のリソースを別のユーザから割当て解除しながら1つまたは複数のリソースをユーザに再割当てするのに単一のメッセージで十分とすることができ、その結果、リソース再割当てのときのネットワークリソース消費の軽減を促すことができる。
【0032】
図5は、リソース再割当てに必要なメッセージの数を減少させ、リソースサブセットの部分的割当て解除を可能にすることによってシステムオーバヘッドおよび/または伝送要件を低減するやり方でシステムリソースを動的に割り当てるデクリメント割当ての使用を容易にするシステム500を示す図である。システム500は、システムリソース(たとえばチャネル、周波数、タイムスロット、符号スロット、…)割当てを制御する割当てコンポーネント502を含むことができる。割当てコンポーネント502はさらに、後続の割当て情報がユーザ(たとえば装置)によって受信されるまで時間的に持続され得るスティッキー割当てを生成するスティッキーコンポーネント504を含む。割当てコンポーネント502はさらに、ユーザニーズが変化するときにそれに従ってシステムリソースを割り当てるためのデクリメント割当てを生成するデクリメントコンポーネント506を含む。たとえば、デクリメントコンポーネント506は、通信イベント中にそのチャネル要件が変化した1つまたは複数のユーザに対処するために1つまたは複数のデクリメントチャネル割当てを生成することができる。こうした割当ては、1つまたは複数の基地局508を介して1つまたは複数のユーザの受信装置510に送信することができる。
【0033】
一実施例によれば、ユーザには最初、{1,3,4:0}などの使用可能リソースのサブセットを割り当てることができ、その後で、ユーザが追加のリソースを必要とすると決定され得る。一実施形態によれば、ブロック1から始まり、4の長さを有するリソース(たとえばチャネル1〜4)を割り当てるために、デクリメント割当て[1,4:0]を生成し、ユーザに送信することができる。したがって、新しい割当ては、最初にユーザに割り当てられたチャネル1、3および4、ならびに新しく割り当てられたチャネル2を含むことができる。第1のユーザに割り当てられるときにチャネル2が別のユーザに割り当てられている場合、競合がネットワークによって検出され、新しく割り当てられるユーザに有利になるように解決されることができる。新しい伝送時にチャネル2が割り当てられているユーザ装置は、識別され、再割当てについて警告を受けることができ、その割当てを自動的にデクリメントさせることができる(たとえばチャネル2は、競合するユーザ装置の割当てセットから取り除くことができる)。このように、システム500は、競合ユーザへの別個の割当て解除メッセージを送信する必要はなく、それによってネットワーク上のオーバヘッドコストが減少する。
【0034】
図6は、割当て信号オーバヘッドコストを減少させるために通信網のユーザに補足のリソース割当てを提供することを容易にするシステム600を示している。システム600は、ユーザ(たとえば受信側装置、…)のためのリソース割当てを生成することができる割当てコンポーネント602を含む。割当てコンポーネント602は、ユーザのために、後続の割当て信号によってユーザのリソース割当てがリセットされるまで維持されるスティッキー(たとえば持続的)割当てを選択的に生成することができるスティッキーコンポーネント604を含むことができる。スティッキー割当ての使用は、ネットワークのユーザにリソースを割り当てるのに必要な割当てメッセージの数を減らすことによってシステムオーバヘッドの減少を容易にすることができるが、割当てコンポーネント602は、望まれるならば、非スティッキー割当てを生成することができる。割当てコンポーネント602および/またはスティッキーコンポーネント604によって割当てがネットワークのユーザに割り当てられると、デクリメントコンポーネント606は、1つまたは複数のユーザに追加のリソースを割り当てる必要に応じて追加の割当てを生成することができる。こうした割当ては、必要性に基づいてリソースを割り当てることができ、追加のリソース割当てを受けるユーザ装置610、ならびに新しい割当てとそのリソース割当てが競合するユーザ装置610によって解釈することができる。新しい割当てメッセージを検出すると、競合ユーザ装置は、リソースへのその割当てを自動的に放棄し、それによってそのリソース割当てリストをデクリメントさせることができる。したがって、従来のシステムが競合ユーザ装置への別個の割当てを必要とする場合、システム600は、1つまたは複数の基地局608による少なくとも2つの競合装置610への伝送のために、本明細書で詳述されるようにデクリメント割当てを生成することができる。
【0035】
システム600はさらに、割当てコンポーネント602に動作可能に結合されており、ユーザ装置610、システムリソース、その割当て、割当て競合に関する情報、および1つまたは複数のユーザ装置610へのシステムリソース(たとえばチャネル、周波数、タイムスロット、符号スロット、…)の動的割当ての提供に関する他の任意の適切な情報を格納するメモリ612を含むことができる。プロセッサ614は、リソース割当ての生成に関する情報の解析、および検出された競合に少なくとも一部基づく割当てのデクリメントなどを容易にするために、割当てコンポーネント602(および/またはメモリ612)に動作可能に結合することができる。プロセッサ614は、割当てコンポーネント602によって受信された情報の解析および/または生成に専用のプロセッサ、システム600の1つまたは複数のコンポーネントを制御するプロセッサ、ならびに/あるいは割当てコンポーネント602によって受信された情報の解析と生成の両方を行い、システム600の1つまたは複数のコンポーネントを制御するプロセッサであり得ることが理解されよう。
【0036】
メモリ612はさらに、システム600が本明細書に述べられるようにシステムリソースのデクリメント割当てを達成するために、格納されたプロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用し得るように割当ての生成および/またはデクリメントに関連するプロトコルを格納することができる。本明細書に述べられるデータストア(たとえばメモリ)コンポーネントは、揮発性メモリであっても、不揮発性メモリであってもよく、あるいは揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得ることが理解されよう。限定のためではなく、例を挙げると、不揮発性メモリは、読出し専用メモリ(ROM:read only memory)、プログラマブルROM(PROM:programmable ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM:electrically programmable ROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM:electrically erasable ROM)またはフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして働くランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)を含むことができる。限定のためではなく、例を挙げると、RAMは、同期RAM(SRAM:synchronous RAM)、ダイナミックRAM(DRAM:dynamic RAM)、同期DRAM(SDRAM:synchronous DRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM:double data rate SDRAM)、拡張型SDRAM(ESDRAM:enhanced SDRAM)、同期リンクDRAM(SLDRAM: Synchlink DRAM)およびダイレクトラムバスRAM(DRRAM(登録商標):direct Rambus RAM)など、多くの形で使用可能である。このシステムおよび方法のメモリ612は、それに限定されないが、これらおよび他の任意の適切なタイプのメモリを含むものである。
【0037】
図7は、リソース割当てコストを軽減しながら通信網のユーザにシステムリソースを割り当てるための補足の割当てを生成することを容易にするシステム700を示す図である。システム700は、1つまたは複数の基地局708を介して1つまたは複数のネットワークユーザの受信装置710に伝送するためのリソース割当て信号を生成する割当てコンポーネント702を含む。こうした割当ては、所望であれば、(たとえば各時間フレームの間に生成される)非スティッキーのものとすることができる。割当てコンポーネント702は、装置710のためのスティッキー、すなわち持続的な割当てを生成するスティッキーコンポーネント704を含み、こうしたリソース割当ては、後続の割当てメッセージが特定のユーザに送信されるまでユーザの装置710のために持続される。持続的な割当てを送信することによって、スティッキーコンポーネント704は、ネットワークのユーザに送信される必要がある複数の割当てメッセージの減少を容易にすることができる。伝送コストおよび割当てメッセージサイズをさらに減少させるために、割当てコンポーネント702は、上記の図に関して述べられたようにデクリメント割当てメッセージを生成するデクリメントコンポーネント706を含むことができる。
【0038】
たとえば、スティッキーコンポーネント704によって生成された初期のスティッキー割当ては、意図されたユーザだけに送ることができる。第1のユーザへの後続のスティッキー割当ては、第2のユーザの、前に割り当てられたリソースセットと競合するリソース割当てを含むことがある。デクリメントコンポーネント706は、第2のユーザの識別を決定することができ、第1のユーザに送信されている新しい割当て(たとえば競合割当て)が第2のユーザに見えることを保証することができる。競合割当てを検出すると、第2のユーザは、リソースが最も最近割り当てられたユーザに有利になるように競合を解決するために、自動的にデクリメントすることができる(たとえば、第2のユーザは、競合したリソースへのその割当てを放棄する)。
【0039】
システム700はさらに、図6に関して上記で詳述したようなメモリ712とプロセッサ714とを含む。さらに、AIコンポーネント716は、割当てコンポーネント702と動作可能に関連付けることができ、オーバヘッドコストについての問題点などを考慮してリソース割当てに関する推論を行うことができる。本明細書では、用語「推論する」または「推論」は一般に、イベントおよび/またはデータを介して捕捉された1組の観察からシステム、環境および/またはユーザの状況を論理的に考えまたは推論するプロセスを指す。推論は、特定のコンテキストまたはアクションを識別するために使用することができ、あるいは、たとえば状態に関する確率分布を生成することができる。推論は、確率論的、すなわちデータおよびイベントについての考慮に基づいて関心のある状態に関する確率分布を計算することであり得る。推論は、1組のイベントおよび/またはデータからより高いレベルのイベントを構成するために使用される技術を指すこともある。こうした推論によって、イベントが時間的に密接に相関しているかどうかにかからず、またイベントおよびデータが1つのイベントおよびデータソースから生じているか、それとも複数のイベントおよびデータソースから生じているかにかからず、観察された1組のイベントおよび/または格納されたイベントデータから新しいイベントまたはアクションが構築されることになる。
【0040】
一実施例によれば、AIコンポーネント716は、たとえば検出された競合割当てに少なくとも一部基づいて、適切なデクリメント割当て受信側を推論することができる。この実施例によれば、第1のユーザが、たとえば伝送チャネルなど、3つの追加のシステムリソースブロックを必要とすると決定することができる。AIコンポーネント716は、プロセッサ714および/またはメモリ712と共に、こうしたリソースブロックが他のユーザによって制限されかつ/または占有されていると決定することができる。AIコンポーネント716は、たとえば潜在的な候補のグループから特定のユーザ装置割当て解除候補を選択することに関する費用効果解析についての推論を行うことができる。たとえば、第2と第3のユーザの両方は、ユーザ1への再割当てに適したリソース割当てを有するが、第3のユーザは、(たとえば基地局708から距離がより大きいこと、受信装置の品質がより低いことにより)メッセージを受信するのに実質上より多くの電力を必要とする。こうした場合、AIコンポーネント716は、伝送コストがより安価であり、また第2のユーザが適切なリソース割当てを所有するので、第2のユーザの選択を容易にすることができる。こうした推論に少なくとも一部分基づいて、デクリメントコンポーネント706は、第2のユーザをデクリメントされるユーザと識別することができ、第1のユーザへの競合割当てが第2のユーザ装置から見えることを保証することができる。第1のユーザ装置への競合割当てについて通知を受けると、第2のユーザ装置はそれに応じて、その割当てリストを自動的にデクリメントさせることができる。
【0041】
別の実施例によれば、AIコンポーネント716は、別のユーザに競合割当てメッセージが伝送されると、競合ユーザの割当てを完全に割当て解除するかどうかに関して推論を行うことができる。たとえば、競合割当てをテストするためのベンチマークとして、割当て競合のしきい値割合を定義し使用することができる。第1のユーザに5つの伝送チャネルが割り当てられ、第2のユーザに、第1のユーザの割り当てられた伝送チャネルのうちの3つと競合する割当てメッセージが発行される場合、AIコンポーネント716は、第1のユーザのリソースの完全な割当て解除がデクリメント割当てに優先すると推論することができる。それによって、リソース割当てが飽和点に達した場合にリソースを使用可能にすることを容易にすることができる。競合しきい値割合は、事前に定義することができ、またはリソース使用可能性に従ってネットワークの動作中に再定義することができる。
【0042】
図8は、システムリソースの割当て、および1つまたは複数の初期割当ての確認後のリソースの再割当てを容易にするシステム800を示している。システム800は、通信網内の1つまたは複数の基地局808によって1つまたは複数の受信装置810にたとえば周波数、チャネル、送信タイムスロットなどのリソースを割り当てることができる割当てコンポーネント802を含む。割当てコンポーネント802は、持続的な割当てを提供するスティッキーコンポーネント804を含むことができ、デクリメントコンポーネント806は、本明細書で上記の図に関して述べたように、競合リソース割当てを識別し、競合割当てを有するすべてのユーザに、競合を引き起こすリソース割当てが見えることを保証する。割当てコンポーネント802はさらに、メモリ812、プロセッサ814およびAIコンポーネント816のそれぞれに動作可能に結合され、その結果、これらはそれぞれ、他に動作可能に結合に結合されることができる。
【0043】
割当てコンポーネント802は、1つまたは複数の基地局808を介して1つまたは複数のユーザ装置810から確認データを受信する確認コンポーネント818をさらに含むことができる。このシナリオによれば、ユーザ装置810は、割当てコンポーネント802に送信確認情報を送信するためにトランシーバ機能を含むことができる。こうした確認データは、たとえば逆リンクを介したパケットまたはシーケンス復号の成功についての表示、順方向リンクを介した肯定応答(ACK:acknowledgement)などであり得る。こうしたやり方で、システム800は、デクリメントコンポーネント806によって生成された信号で割当てをデクリメントする前に、ユーザへの割当てを確認することができる。
【0044】
図9は、無線網通信環境内のユーザにシステムリソースのデクリメント割当てを提供することを容易にするシステム900を示す図である。システム900は、ユーザニーズに基づいてユーザのためのリソース割当てを生成することができる割当てコンポーネント902を含み、こうした割当てを、基地局908を介して意図された受信側ユーザ装置(たとえば移動電話、ラップトップ、PDA、…)に送信することができる。割当てコンポーネント902はさらに、持続的なリソース割当て(たとえばさらなる割当て情報がユーザ装置910によって受信されるまでユーザ装置910上で有効である割当て)を生成することができるスティッキーコンポーネント904と、リソース割当て競合を検出し、意図されたユーザ装置と、その競合リソースが前に割り当てられている競合ユーザ装置の両方によって競合割当てが受信可能であることを保証するデクリメントコンポーネント906とを含む。さらに、割当てコンポーネント902は、ユーザ装置901によって受信された割当てが、それがデクリメントされる前に確認されることを保証することができる確認コンポーネント918を含む。割当てコンポーネント902は、上記の図に関して述べたようにそれぞれが他と双方向通信することができるメモリ912と、プロセッサ914と、AIコンポーネント916とに動作可能に結合される。
【0045】
デクリメントコンポーネント906はさらに、明示的デクリメントコンポーネント920および暗黙的デクリメントコンポーネント922のそれぞれを含む。明示的コンポーネント920は、別のユーザ装置のための新しい割当てと競合する現存の割当てを有するユーザ装置のための別個のメッセージを生成することを容易にすることができる。明示的デクリメント割当ては、既存の割当てから削除されるべきユーザの既存の割当ての一部を指定することができる。たとえば、第1のユーザには、伝送チャネル1〜3などの1組のリソース(たとえば[1,3:0])を割り当てることができる。第2のユーザへの後続の割当ては、チャネル3および4(たとえば[3,2:0])を含むことができる。カッコ「[]」によって示されるように、リソース割当ての上記例は連続した割当てを表し、第1のインデックス番号が第1のリソースブロックを表し、第2のインデックス番号が、連続したセット内のリソースブロックの数を示すリソースベクトルの長さを表す。メッセージが標準割当てか、それとも明示的デクリメント割当てかを示すために、表示ビットをこうした割当てメッセージに添付することができる。たとえば、リソース割当てメッセージの上記例では、「:0」は、メッセージが標準割当てであることを示すことができる。明示的デクリメントコンポーネント920は、リソース3の割当てが第2のユーザへの新しい割当てと競合している第1のユーザへの伝送のために、「:1」が割当てメッセージがデクリメントのものであることを示す[3,1:1]など、デクリメント割当てメッセージを生成することができる。さらに、こうしたメッセージは、{3:1}のように非連続的な形で表すことができ、それはこの実施例では、1つのリソースブロックだけがデクリメントされるので減少した伝送オーバヘッドを必要とする。第1のユーザは、明示的デクリメント割当てを受信すると、リソースブロック3へのその割当てを放棄し、したがって、新しい割当てメッセージによりそれを第2のユーザへの割当てに使用できるようにすることができる。このように、明示的コンポーネント920は、競合する各装置についての完全な新しい割当てメッセージ、および/またはそれほど最近に割り当てられていないユーザ装置に割り当てられたリソースの完全な割当て解除を必要とする従来方式と比べて伝送オーバヘッドコストを比較的に減少した状態で維持しながら、こうしたメッセージが競合ユーザ装置によって受信されることを保証するために明示的デクリメント割当てメッセージを生成することを容易にすることができる。
【0046】
暗黙的デクリメントコンポーネント922が、明示的デクリメントコンポーネント920の機能を区別するように示されており、上記の図に関して示されたように、デクリメントコンポーネント906自体についての述べたのと同じように機能することができる。たとえば、スティッキーコンポーネント904によって新しいスティッキー割当てが生成されると、暗黙的コンポーネント922は、その割当てが新しい割当てと競合する他の装置を検出することができ、前に割り当てられたこうした競合装置がその新しい標準割当てのもとで競合リソースを第2のユーザへの再割当てに使用可能にするために自動的にデクリメントされることを保証することができる。新しい標準割当ておよび明示的デクリメント割当ては、こうした装置が(たとえばユニキャストメッセージ構造などに関連する)互いの割当てメッセージについて認識せずにそれぞれのユーザ装置に同時に送信することができる。
【0047】
図10〜12を参照すると、補足のシステムリソース割当ての生成に関する方法論が示されている。たとえば、方法論は、OFDM環境、OFDMA環境、CDMA環境、または他の任意の適切な無線環境内の補足の割当てに関する。説明を簡単にするために諸方法論は一連の行為として示され述べられているが、諸方法論は、一部の行為が1つまたは複数の実施形態に従って、本明細書に示され述べられたものとは異なる順序で、かつ/または他の行為と同時に行われるように、行為の順序によって限定されるものではないことを理解されたい(understand and appreciate)。たとえば、別法として方法論は、状態図など、相互に関連する一連の状態またはイベントとして表され得ることが当業者には理解されよう。さらに、図示されたすべての行為が、1つまたは複数の実施形態による方法論を実施することを必要とし得るとは限らない。
【0048】
次に図10を参照すると、無線網のユーザへのデクリメントシステムリソース割当てを生成し提供するための方法論1000が示されている。1002で、たとえばセルラー式電話、ラップトップ、PDAなど、意図されたユーザ装置のために、1つまたは複数のリソースブロック(たとえば周波数、タイムスロット、チャネル、…)を装置に割り当てるための標準リソース割当てを生成することができる。1004で、リソース割当ての競合について査定することができる。たとえば、1002で生成された意図された装置割当てが{1,2,3,5:0}(たとえば、中カッコ「{}」によって示されるように1、2、3および5は割り当てられた非連続のリソースを表し、コロンの後の「0」ビットは割当てを非デクリメントと指定する)で示されたリソースセットを含む場合、リソースブロック1および3〜5を意図されたユーザ装置に割り当てることができる。1004で、既存のリソース割当て(たとえば他の装置に既に割り当てられているリソース)を査定することができ、この査定はこうした割当ての確認を含み得る。リソース割当て競合を査定することによって、たとえば、別のユーザ装置(たとえば競合する装置など)への前の割当てなど、リソース3に関する競合がもたらされることがある。この実施例によれば、競合装置は、ブロック4〜8が競合ユーザ装置への現存の割当て対象であるように[4,5:0](たとえば、大カッコ「[]」によって示されるように、4は連続した列内の開始リソースブロックを表し、5は連続したリソースブロックの数を表す)の先在の割当てを有し得る。こうした競合装置が検出されるかどうかにかかわらず、1006で、標準リソース割当てを意図された装置、ならびに検出された任意の競合装置に送信することができる。この実施例によれば、1004で査定/決定された競合装置は、1006で送信された割当てを見ることを可能にされ得る。1008で、この実施例の競合装置など、標準割当てが送信される競合装置は、リソースブロック5を削除するためにその割り当てられたリソースセットを自動的にデクリメントすることができ、このリソースブロック5は、その割当てから解放されると、意図されるユーザ装置に割り当てることができる。このように、方法1000は、競合したリソースの最も最近の割当てに有利になるように、割当て競合および/またはあいまい性を解決することができる。この場合、結果として生じる割当てセットは、意図された装置のための{1、2、3、5}および競合装置のための{4、6、7、8}であり得る。
【0049】
図11は、無線網環境内のリソース再編成を容易にする暗黙的デクリメント割当てを生成し送信するための方法論1100を示す図である。1102で、意図されたユーザ装置のために、標準リソース割当てを生成することができる。1104で、1102で生成されたリソース割当てと先在のいずれかのリソース割当てとの間の潜在的な競合を識別するために、リソース割当てを査定することができる。1106で、競合の存在を確認することができる。競合する割当てが検出されない場合は、1108で、標準の割当てを意図されたユーザ装置に送信することができ、対応するリソース割当てを装置に適用することができる。
【0050】
1106で、競合が存在する(たとえば、意図されたユーザ装置のための標準割当て内で識別された1つまたは複数のリソースが、別のユーザ装置への先在の割当ての対象である)と判断される場合は、1110で、1つまたは複数の重複割当てに関する競合を解決し易くするために、競合装置(たとえば、競合する先在の割当てを有する1つまたは複数の装置)を識別し、それが標準の割当てを伝送され次第見ることを可能にし得る。1112で、競合ユーザ装置が割当てを見ることを可能にするために、標準の割当てを意図されたユーザ装置、ならびに識別されたいずれかの競合ユーザ装置に送信することができる。競合ユーザ装置は、意図された装置への新しい割当てを見ると、意図された装置に割り当てられる特定のリソースについて認識することができ、こうしたリソースが競合装置に前に割り当てられている場合には、1114で、新しい割当てによって意図された装置が重複リソースを使用できるようにするために、それへの割当ての権利を競合装置によって放棄することができる(たとえば、競合装置への割当てを暗黙的にデクリメントすることができる)。
【0051】
図12は、無線網を介して通信する装置に明示的デクリメントリソースの割当てを提供するための方法論1200を示している。1202で、意図されたユーザ装置(たとえばネットワークを介して通信セッションを開始するユーザ装置、…)のために、標準のリソース割当てを生成することができる。たとえば、意図されたユーザ装置にリソースブロック1〜4を割り当てるために、[1,4:0]などのスティッキー割当てを生成することができる。1204で、潜在的な競合および/または割り当てられたリソースブロック間の重複を識別するために、(たとえば、所望であれば確認され得る)他の装置への先在の割当てを査定することができる。1206で、こうした競合を確認することができる。1206で競合が存在しないと決定される場合は、1208で、新しく生成された標準の割当てを意図された装置に送信することができ、それによって割り当てられたリソースを割り当てることができる。
【0052】
1206で競合があると決定される場合は、(たとえば電力署名、ユニキャストメッセージングID機構によって)競合装置を識別することができ、1208で、競合装置のために明示的デクリメント割当てを生成することができる。たとえば、1206の決定は、競合装置が{4,5,7:0}の先在の割当てを有する(たとえばリソース4が、1202で生成された意図された装置のための新しいリソース割当てと重複しまたは競合する)ことを示すことができる。この実施例によれば、競合装置のための明示的デクリメント割当ては、意図された装置への割当てのためにブロック4を解放し、競合を解決するために、競合装置の割当てからリソースブロック4をデクリメントするように設計されることができる。たとえば、こうした明示的デクリメント割当ては、{4:1}(たとえば、4がデクリメントされるリソースブロックを示し、「:1」が、割当てを明示的デクリメント割当てと識別する指定ビットを表す)と表すことができる。「0」の値を含む指定ビットは、割当てが標準割当てであることを示すことができ、「1」の値は、割当てが明示的デクリメント割当てであることを示すことができる。指定ビットの値は、(たとえば標準および明示的デクリメント)割当てメッセージの2つの可能な状況のそれぞれを示すためにこうした値が一貫して適用される限り反転され得ることが理解されよう。さらに、こうした割当ての指定は、指定ビットの使用に限定されるものではなく、任意の適切な表示(たとえばビットシーケンス、メッセージ接頭語、メッセージヘッダ内のフラグ、…)を使用して行うことができる。
【0053】
1212で、標準割当てを意図された装置に送信することができ、同時に、明示的デクリメント割当てを競合装置に送信することができる。明示的デクリメント割当てによって競合装置に、重複するリソースブロックが競合装置のリソース割当てリストから削除されることが具体的に(たとえば明示的に)伝えられるので、この場合、標準割当てメッセージについて認識する必要はない(たとえば見ることが可能である必要はない)。したがって、それぞれの装置によって割当てメッセージを受信すると、1214で、競合装置は、競合リソース(この実施例ではリソースブロック4)を使用可能にするためにその割当てをデクリメントすることができ、意図された装置は、装置リソース割当て間のいずれかのあいまい性または競合を解決するために、割当てが受信されるときにその受信された割当てを適用することができる。このように、方法1200は、複数のユーザ装置が単一の割当てメッセージを見る必要性を緩和しながら、デクリメント割当てによるリソース割当て競合の解決策を提供することができる。さらに、明示的デクリメント割当てメッセージを使用することによって、たとえば従来の技術によって使用されるような完全な割当ての大量の(bulky)再送信の必要性を緩和することができる。
【0054】
図13は、例示的な無線通信システム1300を示している。簡潔にするために、無線通信システム1300は、1つの基地局と1つの端末とを示している。しかし、システムは、2つ以上の基地局および/または2つ以上の端末を含むことができ、追加の基地局および/または端末が、以下で述べる例示的な基地局および端末と実質上類似していても、それとは異なっていてもよいことを理解されたい。さらに、基地局および/または端末は、それらの間の無線通信を容易にするために本明細書に記載されているシステム(図5〜9)および/または方法(図9〜12)を使用できることを理解されたい。
【0055】
次に図13を参照すると、ダウンリンク上のアクセスポイント1305で、送信(TX)データプロセッサ1310が、トラヒックデータを受信し、フォーマットし、符号化し、インタリーブし、変調し(またはシンボルマッピングし)、変調シンボル(「データシンボル」)を供給する。OFDM変調器1315は、データシンボルおよびパイロットシンボルを受信し処理し、OFDMシンボルのストリームを供給する。OFDM変調器1320は、適切なサブバンド上のデータおよびパイロットシンボルを多重化し、未使用の各サブバンドについては0の信号値を供給し、各OFDMシンボル期間の間にN個のサブバンドについてのN個の送信シンボルのセットを取得する。それぞれの送信シンボルは、データシンボル、パイロットシンボル、またはゼロの信号値であり得る。パイロットシンボルは、各OFDMシンボル期間に連続的に送信されてもよい。あるいは、パイロットシンボルは、時分割多重(TDM:time division multiplexed)、周波数分割多重(FDM:frequency division multiplexed)または符号分割多重(CDM:code division multiplexed)であり得る。OFDM変調器1320は、N点IFFTを使用してN個の送信シンボルの各セットを時間領域に変換して、N個の時間領域チップを含む「変換済み」シンボルを取得することができる。OFDM変調器1320は一般に、対応するOFDMシンボルを取得するために、変換された各シンボルの一部を繰り返す。繰り返された部分は、サイクリックプレフィックスとして知られており、無線チャネル内の遅延スプレッドを抑えるために使用される。
【0056】
送信機ユニット(TMTR)1320は、OFDMシンボルのストリームを受信し、1つまたは複数のアナログ信号に変換し、アナログ信号を調節して(たとえば増幅し、フィルタリングし、周波数アップコンバートして)、無線チャネルを介した伝送に適したダウンリンク信号を生成する。次いで、ダウンリンク信号は、アンテナ1325を介して端末に送信される。端末1330上で、アンテナ1335は、ダウンリンク信号を受信し、受信された信号を受信機ユニット(RCVR)1340に供給する。受信機ユニット1340は、受信された信号を調節して(たとえばフィルタリングし、増幅し、周波数ダウンコンバートして)、調節された信号をディジタル化して、サンプルを取得する。OFDM復調器1345は、各OFDMシンボルに添付されたサイクリックプレフィックスを取り除き、受信された各変換済みシンボルをN点FFTを使用して周波数領域に変換し、各OFDMシンボル期間の間にN個のサブバンドについてのN個の受信シンボルを取得し、受信パイロットシンボルをチャネル推定のためにプロセッサ1350に供給する。OFDM復調器1345はさらに、プロセッサ1350からダウンリンクについての周波数応答推定値を受信し、受信データシンボルに対してデータ変調を実施して、(送信されたデータシンボルの推定値である)データシンボル推定値を取得し、このデータシンボル推定値を、送信されたトラヒックデータの回復のためにデータシンボル推定値を復調し(すなわちシンボルマッピング解除し)、デインタリーブし、復号するRXデータプロセッサ1355に供給する。OFDM復調器1345およびRXデータプロセッサ1355による処理は、アクセスポイント1300上のそれぞれOFDM変調器1315およびTXデータプロセッサ1310による処理を補完するものである。
【0057】
アップリンクでは、TXデータプロセッサ1360は、トラヒックデータを処理し、データシンボルを供給する。OFDM変調器1365は、パイロットシンボルを含むデータシンボルを受信し多重化し、OFDM変調を実施し、OFDMシンボルのストリームを供給する。パイロットシンボルは、パイロット伝送のために端末1330に割り当てられているサブバンド上で送信されてもよく、ただし、アップリンク用のパイロットサブバンドの数は、ダウンリンク用のパイロットサブバンドの数と同じであっても、それとは異なっていてもよい。次いで、送信機ユニット1370は、アンテナ1335によってアクセスポイント1310に送信されるアップリンク信号を生成するために、OFDMシンボルのストリームを受信し処理する。
【0058】
アクセスポイント1310では、サンプルを得るために、端末1330からのアップリンク信号が、アンテナ1325によって受信され、受信機ユニット1375によって処理される。次いで、OFDM復調器1380は、サンプルを処理し、アップリンクについての受信されたパイロットシンボルおよびデータシンボル推定値を供給する。RXデータプロセッサ1385は、データシンボル推定値を処理して、端末1335によって送信されたトラヒックデータを回復する。プロセッサ1390は、アップリンク上で送信する各アクティブ端末についてチャネル推定を実施する。アップリンク上で複数の端末が、インタレースされ得る割り当てられた各パイロットサブバンドセット上で、パイロットを同時に送信してもよい。
【0059】
プロセッサ1390および1350は、それぞれアクセスポイント1310および端末1335上の操作を指示(たとえば制御、調整、管理)する。それぞれのプロセッサ1390および1350は、プログラムコードおよびデータを格納する記憶装置(図示せず)に関連付けることができる。プロセッサ1390および1350は、それぞれアップリンクおよびダウンリンクについての周波数およびインパルス応答推定値を導出するための計算を実施することもできる。
【0060】
多元接続OFDM方式(たとえば直交周波数分割多元接続(OFDMA:orthogonal frequency division multiple−access)方式)では、複数の端末が、アップリンク上で同時に送信してもよい。こうしたシステムでは、パイロットサブバンドは、異なる端末間で共有してもよい。チャネル推定技術は、各端末のパイロットサブバンドが(恐らくバンドエッジを除いて)動作バンド全体にわたる場合に使用してもよい。こうしたパイロットサブバンド構造は、各端末について周波数ダイバーシティを得るのに望ましい。本明細書で述べられた技術は、様々な手段によって実装されてもよい。たとえば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその組合せで実装されてもよい。ハードウェア実装では、チャネル推定に使用される処理装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、ディジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、ディジタル信号処理装置(DSPD:digital signal processing device)、プログラマブル論理デバイス(PLD:programmable logic device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で述べられた諸機能を実施するように設計された他の電子ユニット、またはその組合わせの内で実装されてもよい。ソフトウェアでは実装は、本明細書で述べられた諸機能を実施するモジュール(たとえば手順、関数など)を用いて行うことができる。ソフトウェアコードは、記憶装置内に格納し、プロセッサ1390および1350によって実行してもよい。
【0061】
上記内容は、1つまたは複数の実施形態の例を含む。もちろん、上記実施形態について説明するためにコンポーネントまたは方法論の考えられるあらゆる組合わせについて述べることはできないが、様々な実施形態のさらなる組合せおよび置換が可能であることが当業者には認識されよう。したがって、述べられた諸実施形態は、添付の特許請求の精神および範囲内にあるこうしたすべての変更、修正および変形を包含するものである。さらに、用語「含む(include)」が発明を実施するための最良の形態、および特許請求の範囲中で使用される範囲では、こうした用語は、用語「含む(comprising)」が特許請求の範囲中で移行語として使用されるときに解釈されるのと同じように包含的なものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線網リソースを動的に割り当てる装置であって、
無線網に接続された第1のユーザ装置のために第1の標準リソース割当て及び前記無線網に接続された少なくとも第2のユーザ装置のための第2の標準リソース割当てを生成する割当てコンポーネントと、
前記第1の標準リソース割当てに定義されたリソース制御を前記第1のユーザに与える
ために前記第1の標準リソース割当てを前記第1のユーザ装置に送信する送信機とを含み、
前記割当てコンポーネントが、前記第2の割当てを前記第2のユーザ装置に送信する前に、少なくとも1つのリソースが前記第1および第2の標準割当てのそれぞれと共通であるかどうか判断する、装置。
【請求項2】
共通に割り当てられたリソースが存在しないと判断される場合は、前記割当てコンポーネントが前記送信機に前記第2の割当てを前記第2のユーザ装置だけに送信するように指示する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースが存在すると判断される場合は、前記第2のユーザ装置にリソース競合の存在を知らせるために、前記割当てコンポーネントが前記送信機に前記第2の割当てを前記第1および第2のユーザ装置に送信するように指示する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のユーザ装置が、前記第1のユーザ装置のために前記共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースの暗黙的デクリメント割当ての働きをする前記第2の標準割当てを読み出すと、前記共通に割り当てられたリソースをその割当てから自動的に取り除く、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のユーザ装置が、前記第2の標準割当てを読み出し、少なくとも1つのリソースが共通に割り当てられていると判断すると、そのリソース割当てからすべてのリソースを自動的に取り除く、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2の標準割当て内に共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースが存在すると判断すると明示的デクリメント割当てを生成するデクリメント割当てコンポーネントをさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、前記明示的デクリメント割当てを標準リソース割当てと区別する指定を提供する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記指定が、「1」または「0」に設定され、割当てメッセージに添付されることができる表示ビットである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記表示ビットが、前記割当てメッセージを明示的デクリメント割当てと指定するために前記デクリメント割当てコンポーネントによって「1」に設定され、前記割当てメッセージを標準リリソース割当てと指定するために前記割当てコンポーネントによって「0」に設定される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1および第2のユーザ装置のうちの少なくとも1つがセルラー式電話である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1および第2のユーザ装置のうちの少なくとも1つがラップトップである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1および第2のユーザ装置のうちの少なくとも1つが携帯情報端末である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
割当てが、前記割当てを変更する後続の割当てメッセージが受信されるまでユーザ装置によって保持される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
無線網環境内でシステムリソースを動的に割り当てる方法であって、
第1のユーザ装置への既存のリソース割当てと第2のユーザ装置のための新しいリソース割当ての間のリソース競合を検出すること、および
検出されたリソース競合を解決するために前記既存のリソース割当てをデクリメントするためのデクリメント割当てを前記第1のユーザ装置に提供することを含む方法。
【請求項15】
リソース競合の検出が、前記新しいリソース割当てと前記既存のリソース割当ての両方にリストされた少なくとも1つの競合リソースを決定するために前記新しいリソース割当てを既存のすべてのリソース割当てと比較することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のユーザにデクリメント割当てを提供することが、暗黙的デクリメント割当ておよび明示的デクリメント割当てのうちの少なくとも1つを提供することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
暗黙的デクリメント割当ての提供が、前記第1のユーザ装置に前記新しいリソース割当てを送信し、前記第1のユーザ装置が前記新しいリソース割当てを見ることを可能にすることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のユーザ装置が、前記新しい割当てメッセージを読み出して前記少なくとも1つの競合リソースを識別し、その既存のリソース割当てをデクリメントし、前記少なくとも1つの競合リソースを使用可能にするために前記少なくとも1つの競合リソースへの制御を放棄する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記新しいリソース割当てメッセージを前記第1のユーザ装置に加えて前記第2のユーザ装置に同時に送信することをさらに含み、前記第2のユーザ装置に、少なくとも前記第1のユーザ装置によって放棄されたリソースを含めて前記新しい割当て内のすべてのリソースが割り当てられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のユーザ装置が、前記少なくとも1つの競合リソースを使用可能にするためにその既存のリソース割当て内のすべてのリソースの制御を放棄する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
明示的デクリメント割当てを生成し、前記第1のユーザに送信することをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記明示的デクリメント割当てが、前記明示的デクリメント割当てをデクリメント割当てと識別する表示ビットを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記明示的デクリメント割当て内で少なくとも1つの競合リソースを識別することをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のユーザ装置が前記明示的デクリメント割当てを復号し、前記明示的デクリメント割当て内に定義された前記少なくとも1つの競合リソースの割当てを放棄する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記新しい割当てを前記第2のユーザ装置に送信することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記デクリメント割当ての受信の成功に関して前記第1のユーザ装置から確認メッセージを提供することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
無線網環境内のユーザ装置のための持続的リソース割当てを生成し、リソース割当て間の競合を検出する割当てコンポーネントと、
ユーザ装置にリソース割当てを送信する送信機と、
前記割当てコンポーネントによって検出された割当て間の競合を解決するために少なくとも1つのユーザ装置のためのデクリメント割当てを生成するデクリメント割当てコンポーネントとを含むリソース割当てシステム。
【請求項28】
リソース割当てを受信したユーザ装置から、前記割当てメッセージの受信の成功を示す確認メッセージを受信する確認コンポーネントをさらに含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、第2のユーザ装置のための新しいリソース割当てと競合する既存のリソース割当てを有する第1のユーザ装置を識別する請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、前記新しいリソース割当てが前記第1のユーザ装置および前記第2のユーザ装置に送信されることを保証し、前記新しいリソース割当てが前記第1のユーザ装置によって読み出され、前記第1のユーザ装置がその既存の割当てから前記新しいリソース割当てに共通のいずれかのリソースを削除する、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、前記第1のユーザ装置のための明示的デクリメント割当てを生成する、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記明示的デクリメント割当てが、前記第1のユーザ装置の前記既存のリソース割当てと前記第2のユーザ装置のための前記新しいリソース割当ての両方に共通の少なくとも1つのリソースのリストと、前記明示的デクリメント割当てをデクリメント割当てと識別する表示ビットとを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記送信機が、前記第2のユーザ装置への前記新しいリソース割当てと、前記第1のユーザ装置への前記明示的デクリメント割当てを同時に送信する、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1のユーザ装置が、前記明示的デクリメント割当てメッセージ内で識別されたいずれかのリソースの割当てを放棄する、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
ユーザ装置がセルラー式電話である、請求項27に記載のシステム。
【請求項36】
リソースが、通信チャネル、通信周波数および伝送タイムスロットのうちの少なくとも1つである、請求項27に記載のシステム。
【請求項37】
少なくとも1つの共通リソースを定義する競合標準リソース割当てを検出する手段と、
リソース割当て間の検出された競合を解決するデクリメント割当てを生成する手段と、
前記デクリメントリソース割当てを標準リソース割当てと区別する手段とを含む無線網リソース割当て装置。
【請求項38】
ユーザ装置による割当てメッセージの受信を確認する手段をさらに含む請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記確認手段が、標準リソース割当ての受信の成功を示すための逆リンクを介した成功した割当て復号の受信についての表示を受信する、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記確認手段が、標準リソース割当ての受信の成功を示すための順方向リンクを介した成功した割当て復号の受信についての肯定応答を受信する、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記確認手段が、標準リソース割当ての受信の成功を示すための逆リンクを介した成功した割当て復号の受信についての表示を受信する、請求項38に記載の装置。
【請求項42】
前記デクリメント割当て区別手段が前記デクリメント割当てに表示ビットを付加する、請求項37に記載の装置。
【請求項43】
前記デクリメント割当て生成手段が、暗黙的デクリメント割当ておよび明示的デクリメント割当てのうちの少なくとも1つを生成する、請求項37に記載の装置。
【請求項44】
前記暗黙的デクリメント割当てが、前記第2のユーザ装置が前記第1のユーザの標準の割当てと競合する既存の割当てを有する場合に前記第1のユーザ装置と前記第2のユーザ装置に同時に送信される前記第1のユーザ装置のための標準割当てを含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記第2のユーザ装置が、前記第1のユーザ装置のための前記標準割当てを読み出し、その既存の割当てからいずれかの競合リソースをデクリメントし、それらを前記第1のユーザ装置への割当てに使用可能にする、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記明示的デクリメント割当てが、第1のユーザ装置への既存の割当てからデクリメントされるリソースの表示を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記明示的デクリメント割当てが受信されると、デクリメントされる前記リソースが前記第1のユーザ装置から割当て解除され、第2のユーザ装置に使用可能にされる、前記明示的デクリメント割当てを前記第1のユーザ装置だけに送信する手段をさらに含む請求項46に記載の装置。
【請求項48】
無線網を介して通信する複数の装置へのリソース割当てを査定し、
第1の装置への既存のリソース割当てと第2の装置への切迫したリソース割当ての間の競合を検出し、
前記第1の装置への前記リソース割当てをデクリメントすることによって前記第2の装置への割当てに有利になるように競合を解決するデクリメント割当てを提供するためのコンピュータ実行可能命令を格納するコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項49】
第1の装置が前記第2の装置への競合リソースの割当てを受信することを可能にするためのコンピュータ実行可能命令をさらに含み、前記第2の装置への前記割当てが、前記第1の装置への前記リソース割当てからの前記競合リソースの暗黙的デクリメント割当てとして働く、請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項50】
前記第1の装置のための明示的デクリメント割当てを生成し送信するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含み、前記明示的デクリメント割当てが前記第1の装置に、前記第2の装置への割当てのために前記競合リソースを放棄し、前記第1の装置に割り当てられた前記リソースの残りを保持するように指示する、請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項51】
デクリメント割当てを標準割当てと区別するために明示的デクリメント割当てをデクリメント割当てと識別するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項52】
装置によってデクリメント割当ての受信を確認するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項53】
デクリメントリソース割当てを提供するための命令を実行するマイクロプロセッサであって、前記命令が、
リソースが無線通信環境内の装置への潜在的に競合する割当ての対象となっているかどうか判断すること、
競合リソース割当てのそれほど最近でない被割当て装置に、前記競合リソース割当てによって設定されたその割当てセットをデクリメントし、その割当てセットの残りを保持するように前記それほど最近でない被割当て装置に指示するデクリメント割当てを提供すること、および
前記デクリメントされたリソースを前記リソースのより最近の被割当て装置に割り当てることを含む、マイクロプロセッサ。
【請求項54】
ネットワークを介した無線通信を容易にする移動体装置であって、
標準リソース割当てを受信する受信コンポーネントと、
前記標準リソース割当てに示されたリソースに対して制御を行い、前記受信コンポーネントによって受信された後続のデクリメント割当てを識別し、前記デクリメント割当て内に定義された少なくとも1つの競合リソースの制御を放棄し、前記標準リソース割当てによって割り当てられたリソースの残りを保持する処理コンポーネントとを含む移動体装置。
【請求項55】
前記処理コンポーネントが、前記受信コンポーネントによって受信されたデクリメント割当てを識別すると、前記標準リソース割当てによって割り当てられたすべてのリソースに対する制御を放棄する、請求項54に記載の移動体装置。
【請求項1】
無線網リソースを動的に割り当てる装置であって、
無線網に接続された第1のユーザ装置のために第1の標準リソース割当て及び前記無線網に接続された少なくとも第2のユーザ装置のための第2の標準リソース割当てを生成する割当てコンポーネントと、
前記第1の標準リソース割当てに定義されたリソース制御を前記第1のユーザに与える
ために前記第1の標準リソース割当てを前記第1のユーザ装置に送信する送信機とを含み、
前記割当てコンポーネントが、前記第2の割当てを前記第2のユーザ装置に送信する前に、少なくとも1つのリソースが前記第1および第2の標準割当てのそれぞれと共通であるかどうか判断する、装置。
【請求項2】
共通に割り当てられたリソースが存在しないと判断される場合は、前記割当てコンポーネントが前記送信機に前記第2の割当てを前記第2のユーザ装置だけに送信するように指示する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースが存在すると判断される場合は、前記第2のユーザ装置にリソース競合の存在を知らせるために、前記割当てコンポーネントが前記送信機に前記第2の割当てを前記第1および第2のユーザ装置に送信するように指示する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のユーザ装置が、前記第1のユーザ装置のために前記共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースの暗黙的デクリメント割当ての働きをする前記第2の標準割当てを読み出すと、前記共通に割り当てられたリソースをその割当てから自動的に取り除く、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のユーザ装置が、前記第2の標準割当てを読み出し、少なくとも1つのリソースが共通に割り当てられていると判断すると、そのリソース割当てからすべてのリソースを自動的に取り除く、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2の標準割当て内に共通に割り当てられた少なくとも1つのリソースが存在すると判断すると明示的デクリメント割当てを生成するデクリメント割当てコンポーネントをさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、前記明示的デクリメント割当てを標準リソース割当てと区別する指定を提供する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記指定が、「1」または「0」に設定され、割当てメッセージに添付されることができる表示ビットである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記表示ビットが、前記割当てメッセージを明示的デクリメント割当てと指定するために前記デクリメント割当てコンポーネントによって「1」に設定され、前記割当てメッセージを標準リリソース割当てと指定するために前記割当てコンポーネントによって「0」に設定される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1および第2のユーザ装置のうちの少なくとも1つがセルラー式電話である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1および第2のユーザ装置のうちの少なくとも1つがラップトップである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1および第2のユーザ装置のうちの少なくとも1つが携帯情報端末である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
割当てが、前記割当てを変更する後続の割当てメッセージが受信されるまでユーザ装置によって保持される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
無線網環境内でシステムリソースを動的に割り当てる方法であって、
第1のユーザ装置への既存のリソース割当てと第2のユーザ装置のための新しいリソース割当ての間のリソース競合を検出すること、および
検出されたリソース競合を解決するために前記既存のリソース割当てをデクリメントするためのデクリメント割当てを前記第1のユーザ装置に提供することを含む方法。
【請求項15】
リソース競合の検出が、前記新しいリソース割当てと前記既存のリソース割当ての両方にリストされた少なくとも1つの競合リソースを決定するために前記新しいリソース割当てを既存のすべてのリソース割当てと比較することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のユーザにデクリメント割当てを提供することが、暗黙的デクリメント割当ておよび明示的デクリメント割当てのうちの少なくとも1つを提供することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
暗黙的デクリメント割当ての提供が、前記第1のユーザ装置に前記新しいリソース割当てを送信し、前記第1のユーザ装置が前記新しいリソース割当てを見ることを可能にすることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のユーザ装置が、前記新しい割当てメッセージを読み出して前記少なくとも1つの競合リソースを識別し、その既存のリソース割当てをデクリメントし、前記少なくとも1つの競合リソースを使用可能にするために前記少なくとも1つの競合リソースへの制御を放棄する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記新しいリソース割当てメッセージを前記第1のユーザ装置に加えて前記第2のユーザ装置に同時に送信することをさらに含み、前記第2のユーザ装置に、少なくとも前記第1のユーザ装置によって放棄されたリソースを含めて前記新しい割当て内のすべてのリソースが割り当てられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のユーザ装置が、前記少なくとも1つの競合リソースを使用可能にするためにその既存のリソース割当て内のすべてのリソースの制御を放棄する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
明示的デクリメント割当てを生成し、前記第1のユーザに送信することをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記明示的デクリメント割当てが、前記明示的デクリメント割当てをデクリメント割当てと識別する表示ビットを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記明示的デクリメント割当て内で少なくとも1つの競合リソースを識別することをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のユーザ装置が前記明示的デクリメント割当てを復号し、前記明示的デクリメント割当て内に定義された前記少なくとも1つの競合リソースの割当てを放棄する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記新しい割当てを前記第2のユーザ装置に送信することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記デクリメント割当ての受信の成功に関して前記第1のユーザ装置から確認メッセージを提供することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
無線網環境内のユーザ装置のための持続的リソース割当てを生成し、リソース割当て間の競合を検出する割当てコンポーネントと、
ユーザ装置にリソース割当てを送信する送信機と、
前記割当てコンポーネントによって検出された割当て間の競合を解決するために少なくとも1つのユーザ装置のためのデクリメント割当てを生成するデクリメント割当てコンポーネントとを含むリソース割当てシステム。
【請求項28】
リソース割当てを受信したユーザ装置から、前記割当てメッセージの受信の成功を示す確認メッセージを受信する確認コンポーネントをさらに含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、第2のユーザ装置のための新しいリソース割当てと競合する既存のリソース割当てを有する第1のユーザ装置を識別する請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、前記新しいリソース割当てが前記第1のユーザ装置および前記第2のユーザ装置に送信されることを保証し、前記新しいリソース割当てが前記第1のユーザ装置によって読み出され、前記第1のユーザ装置がその既存の割当てから前記新しいリソース割当てに共通のいずれかのリソースを削除する、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記デクリメント割当てコンポーネントが、前記第1のユーザ装置のための明示的デクリメント割当てを生成する、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記明示的デクリメント割当てが、前記第1のユーザ装置の前記既存のリソース割当てと前記第2のユーザ装置のための前記新しいリソース割当ての両方に共通の少なくとも1つのリソースのリストと、前記明示的デクリメント割当てをデクリメント割当てと識別する表示ビットとを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記送信機が、前記第2のユーザ装置への前記新しいリソース割当てと、前記第1のユーザ装置への前記明示的デクリメント割当てを同時に送信する、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1のユーザ装置が、前記明示的デクリメント割当てメッセージ内で識別されたいずれかのリソースの割当てを放棄する、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
ユーザ装置がセルラー式電話である、請求項27に記載のシステム。
【請求項36】
リソースが、通信チャネル、通信周波数および伝送タイムスロットのうちの少なくとも1つである、請求項27に記載のシステム。
【請求項37】
少なくとも1つの共通リソースを定義する競合標準リソース割当てを検出する手段と、
リソース割当て間の検出された競合を解決するデクリメント割当てを生成する手段と、
前記デクリメントリソース割当てを標準リソース割当てと区別する手段とを含む無線網リソース割当て装置。
【請求項38】
ユーザ装置による割当てメッセージの受信を確認する手段をさらに含む請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記確認手段が、標準リソース割当ての受信の成功を示すための逆リンクを介した成功した割当て復号の受信についての表示を受信する、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記確認手段が、標準リソース割当ての受信の成功を示すための順方向リンクを介した成功した割当て復号の受信についての肯定応答を受信する、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記確認手段が、標準リソース割当ての受信の成功を示すための逆リンクを介した成功した割当て復号の受信についての表示を受信する、請求項38に記載の装置。
【請求項42】
前記デクリメント割当て区別手段が前記デクリメント割当てに表示ビットを付加する、請求項37に記載の装置。
【請求項43】
前記デクリメント割当て生成手段が、暗黙的デクリメント割当ておよび明示的デクリメント割当てのうちの少なくとも1つを生成する、請求項37に記載の装置。
【請求項44】
前記暗黙的デクリメント割当てが、前記第2のユーザ装置が前記第1のユーザの標準の割当てと競合する既存の割当てを有する場合に前記第1のユーザ装置と前記第2のユーザ装置に同時に送信される前記第1のユーザ装置のための標準割当てを含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記第2のユーザ装置が、前記第1のユーザ装置のための前記標準割当てを読み出し、その既存の割当てからいずれかの競合リソースをデクリメントし、それらを前記第1のユーザ装置への割当てに使用可能にする、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記明示的デクリメント割当てが、第1のユーザ装置への既存の割当てからデクリメントされるリソースの表示を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記明示的デクリメント割当てが受信されると、デクリメントされる前記リソースが前記第1のユーザ装置から割当て解除され、第2のユーザ装置に使用可能にされる、前記明示的デクリメント割当てを前記第1のユーザ装置だけに送信する手段をさらに含む請求項46に記載の装置。
【請求項48】
無線網を介して通信する複数の装置へのリソース割当てを査定し、
第1の装置への既存のリソース割当てと第2の装置への切迫したリソース割当ての間の競合を検出し、
前記第1の装置への前記リソース割当てをデクリメントすることによって前記第2の装置への割当てに有利になるように競合を解決するデクリメント割当てを提供するためのコンピュータ実行可能命令を格納するコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項49】
第1の装置が前記第2の装置への競合リソースの割当てを受信することを可能にするためのコンピュータ実行可能命令をさらに含み、前記第2の装置への前記割当てが、前記第1の装置への前記リソース割当てからの前記競合リソースの暗黙的デクリメント割当てとして働く、請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項50】
前記第1の装置のための明示的デクリメント割当てを生成し送信するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含み、前記明示的デクリメント割当てが前記第1の装置に、前記第2の装置への割当てのために前記競合リソースを放棄し、前記第1の装置に割り当てられた前記リソースの残りを保持するように指示する、請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項51】
デクリメント割当てを標準割当てと区別するために明示的デクリメント割当てをデクリメント割当てと識別するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項52】
装置によってデクリメント割当ての受信を確認するためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む請求項48に記載のコンピュータ読取り可能媒体。
【請求項53】
デクリメントリソース割当てを提供するための命令を実行するマイクロプロセッサであって、前記命令が、
リソースが無線通信環境内の装置への潜在的に競合する割当ての対象となっているかどうか判断すること、
競合リソース割当てのそれほど最近でない被割当て装置に、前記競合リソース割当てによって設定されたその割当てセットをデクリメントし、その割当てセットの残りを保持するように前記それほど最近でない被割当て装置に指示するデクリメント割当てを提供すること、および
前記デクリメントされたリソースを前記リソースのより最近の被割当て装置に割り当てることを含む、マイクロプロセッサ。
【請求項54】
ネットワークを介した無線通信を容易にする移動体装置であって、
標準リソース割当てを受信する受信コンポーネントと、
前記標準リソース割当てに示されたリソースに対して制御を行い、前記受信コンポーネントによって受信された後続のデクリメント割当てを識別し、前記デクリメント割当て内に定義された少なくとも1つの競合リソースの制御を放棄し、前記標準リソース割当てによって割り当てられたリソースの残りを保持する処理コンポーネントとを含む移動体装置。
【請求項55】
前記処理コンポーネントが、前記受信コンポーネントによって受信されたデクリメント割当てを識別すると、前記標準リソース割当てによって割り当てられたすべてのリソースに対する制御を放棄する、請求項54に記載の移動体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−54969(P2012−54969A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−223014(P2011−223014)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【分割の表示】特願2008−500882(P2008−500882)の分割
【原出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223014(P2011−223014)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【分割の表示】特願2008−500882(P2008−500882)の分割
【原出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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