説明

デジタルカメラのモータ駆動方法

【課題】ミラーをモータでアップダウンさせるデジタル一眼レフカメラにおいて、画像取り込みの際に画像データにノイズが入らないミラー駆動方法を提供する。
【解決手段】撮影レンズ100から入射した被写体光を、光学ファインダー光学系71方向に反射する観察位置と、撮像素子55への入射を許容する撮像位置とに移動するミラー37を備えたデジタル一眼レフカメラにおいて、前記ミラー37を観察位置から撮像位置へ、撮像位置から観察位置へ移動させるミラーモータ33の駆動方法であって、ミラーモータ33を起動するときは、小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始してからデューティー比を段階的に大きく変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラのモータ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラは、いわゆるクイックリターンミラーをモータ駆動によりアップ/ダウンさせるミラー装置が知られている。モータ駆動のミラー装置を備えた一眼レフカメラでは、レリーズ開始時にモータに通電してミラーをアップさせてアップ状態で停止させ、その後シャッタ(フォーカルプレーンシャッタ)を開放して露光を開始し、シャッタを閉じて露光を終了し、その後モータに通電してミラーをダウンさせると共に、いわゆるメカチャージを実行する(特許文献1)。
【特許文献1】特開平10-142686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のモータ駆動のミラー装置では、ミラーをアップ、またはダウンさせるためにモータに通電を開始した瞬間にラッシュ電流が発生し、このラッシュ電流が原因となって、一眼レフカメラの電源回路に過剰な負荷が加わって動作不良の原因となる。特に、いわゆるデジタル一眼レフカメラでは、ミラー装置のモータ駆動時のラッシュ電流の影響でノイズが発生してしまい、そのノイズが画像取り込みとオーバーラップして画像に帯状の乱れが発生することがあった。
【0004】
本発明は、デジタル一眼レフカメラにおいてミラーをモータでアップダウンさせるミラー装置の問題に鑑みてなされたもので、ノイズの発生を減らし、画像信号にノイズが入らないモータ駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成する本発明は、デジタルカメラに搭載されたモータの駆動方法であって、前記モータを起動するときは、小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始してからデューティー比を段階的に大きく変更することに特徴を有する。
【0006】
撮影レンズから入射した被写体光を、光学ファインダー方向に反射する観察位置と、撮像手段への入射を許容する撮像位置とに移動するミラーを備えたデジタル一眼レフカメラに適用した発明は、前記ミラーを観察位置から撮像位置へ、撮像位置から観察位置へ移動させるモータの駆動方法であって、前記モータを起動するときは、小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始してからデューティー比を段階的に大きく変更することに特徴を有する。
【0007】
さらに本発明の方法では、前記モータに小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始した後所定時間経過したときは直流通電するか、または、小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始した後直流通電になるまでデューティー比を段階的に大きく変更する。
そうして本発明の方法では、駆動しているモータを停止させるときは、かけ始めおよび終了前にPWM制御する逆転ブレーキをかける。前記PWM制御による逆転ブレーキは、逆転ブレーキかけ始めの期間はデューティー比を小から大に段階的に変更し、逆転ブレーキ終了前の期間はデューティー比を大から小に段階的に変更する。前記逆転ブレーキは、逆転ブレーキかけ始めの所定期間と逆転ブレーキ終了前の所定期間の間は直流による逆転ブレーキをかける。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータを起動するときは、PWM制御により通電を開始し、デューティー比を段階的に大きくするので、モータ起動時にラッシュ電流が流れることがなく、電圧降下やノイズの発生を抑えることが可能になる。
本発明を、撮影レンズから入射した被写体光を、光学ファインダー方向に反射する観察位置と撮像手段への入射を許容する撮像位置とに移動するミラー装置を備えたデジタルカメラに適用すれば、ラッシュ電流による画像信号への影響がなくなり、画像信号にノイズが混入するおそれがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明を適用したデジタル一眼レフカメラの回路構成をブロックで示す図、図2は本発明を適用したデジタル一眼レフカメラの主要部を光軸で縦断して示す図である。このデジタル一眼レフカメラは、撮影レンズ100から入射した被写体光束を、ファインダー光学系71に向けて反射する観察位置と、撮像素子55に入射させる撮像位置とに移動するミラー37を備えている(図2参照)。この実施形態では、このミラー37を、ミラーモータ33により観察位置と撮像位置とに移動させる。
【0010】
このデジタル一眼レフカメラは、制御系として、カメラ全体の動作を統括的に制御するCPU11と、主にモード設定用のスイッチ等の入力を制御するDPU13と、主に画像処理するDSP15を備えている。こらのCPU11、DPU13およびDSP15は、CPU11の制御下で相互通信して動作する。CPU11、DPU13およびDSP15、並びにこれらによって制御される各種電子部品は、バッテリ17および電源回路19を介して供給される電源によって動作する。この電源回路19は、DPU13によって制御される。
【0011】
DPU13は、外付けストロボ20および内蔵ストロボ21の充電、発光を制御し、モードダイヤル23、各種スイッチ25のオン/オフ状態をチェックし、そのオン/オフ状態に応じた制御を実行する。DPU13は、装着された撮影レンズ100に電源供給し、撮影レンズ100との間で絞りや焦点距離などの情報を通信する。さらにDPU13は、いわゆるパッシブ位相差焦点検出用センサであるAFIC29の動作を制御する。AFIC29は、撮影レンズ100を介して入射した被写体光のうち、ミラー37のハーフミラー部を透過し、サブミラー38で反射した被写体光を瞳分割光学系を介して分割して受光し(図2参照)、被写体像の位相差に関するビデオ信号をCPU11に出力する。
【0012】
CPU11は、AFIC29から入力したビデオ信号に基づいてデフォーカス量を求め、撮影レンズ100の焦点調節レンズ群(図示せず)の駆動方向および駆動量を求め、AFモータドライバ39を介してAFモータ41を駆動して焦点調節レンズ群を合焦位置まで駆動する。AFモータ41の駆動量は、AFモータ41の回転に連動してパルス信号を出力する、AF制御フォトインタラプタ43の周力パルス信号をカウントして検出する。さらにCPU11は、分割測光IC45から被写体輝度信号を入力し、シャッタ速度および絞り値を演算する。
【0013】
ミラー37は、ミラー駆動機構34によって、撮影レンズ100から入射した被写体光を、ファインダー光学系71に向かって反射する観察位置と、CCD撮像素子55に入射させる撮像位置とに移動可能に支持されている。このミラー駆動機構34はミラーモータ33によって駆動される。CPU11は、ミラーモータドライバ31を介してミラーモータ33を駆動制御する。この実施形態のミラー駆動機構34は、ミラーモータ33の正回転により、観察位置から撮像位置にアップし、撮像位置から観察位置にダウンする機構であって、ミラー37の位置をミラー検知スイッチ35によって検知する。この実施形態のミラー検知スイッチ35は、ミラーが撮像位置にアップしていることを検知するミラーアップスイッチSWMRUPと、ミラーが観察位置にダウンしていることを検知するミラーダウンスイッチSWMRDNを備えている。
【0014】
この実施形態におけるミラー駆動機構34は、詳細は図示しないが、ミラーモータ33の一方向回転によってミラー37を撮像位置から観察位置にアップし、撮像位置から観察位置にダウンする。ミラーアップスイッチSWMRUPは、ミラーモータ33の回転に連動するブラシと、ブラシが摺接する導通部および非導通部を備えたコード板で構成されていて、ミラー37が観察位置にあるときはハイレベル、ミラー37が観察位置から撮像位置方向に回動するときは、回動途中にローレベルとなり、撮像位置近傍でハイレベルになり、撮像位置でローレベルになる。ミラーダウンはミラー37が撮像位置から観察位置方向に回動するときは、回動途中で一度ローレベルになった後、再びハイレベルとなりミラーが観察位置に下りたときはローレベルを維持する。
【0015】
CPU11は、不揮発性のメモリ手段であるEEPROM47から、設定され撮影モード、撮影各種補正値等を入力し、撮影モードなどの撮影条件を、カメラ外部に設けられた外部表示LCD(液晶ディスプレイ)51およびファインダ内LCD(液晶ディスプレイ)53に表示する。これらのLCD51、53は、照明用LED51a、53aを備えている。
【0016】
CPU11には、スイッチ類として、絞り値をマニュアル設定するAvダイアルスイッチ59、シャッタ速度をマニュアル設定するTvダイアルスイッチ61、電源をオン/オフするメインスイッチ(電源スイッチ)SWM等を含むスイッチ63およびシャッタスイッチ65が接続されている。シャッタスイッチ65は、シャッタボタンの半押しでオンする測光スイッチSWSおよび同全押しでオンするレリーズスイッチSWRを含む。
【0017】
さらにCPU11は、シャッタ49の駆動を制御する。シャッタ49は、詳細は図示しないがフォーカルプレーンシャッタであって、先幕および後幕を走行させるばね、チャージされたバネにより先幕、後幕が走行するのを機械的に係止する。ミラー37に連動したシャッタ係止機構、シャッタ係止機構の係止に代わって先幕、後幕を電磁的に係止するシャッタマグネットESMg1、ESMg2、を備えている。
【0018】
ミラーがアップし、シャッタ49が開放されているときに、撮影レンズ100によって被写体像が撮像素子55の受光面に形成される。撮像素子55は、被写体像を多数の受光素子で受光し、電気的な画像信号に変換して、DSP15に出力する。DSP15は、入力した画像信号にホワイトバランス補正等所定の補正を施し、イメージLCD57に表示するとともに、予め設定された画像フォーマットに変換して、CFカード67に書き込む。イメージLCD57は、通常カメラボディの背面に装着されていて、照明用LED57aを備えている。なおフラッシュメモリ69には、カメラ動作、撮像動作等に関するファームウエアが書き込まれていて、DSP15は、電源がオン時に読み込む。
【0019】
次に、このデジタル一眼レフカメラの撮影動作について、図3、図4に示したタイミングチャートおよび図5から図12に示したフローチャートを参照して説明する。図3は、このデジタル一眼レフカメラのレリーズ処理に関する全体タイミングチャート、図4は同レリーズ処理におけるミラーモータ33の動作に関するタイミングチャートである。
【0020】
図5および図6は、このカメラ全体処理に関するメインフローチャートである。この処理には、バッテリ17が装填されたときに入る。カメラ全体処理に入ると、まず、各入出力ポートの初期化等、ハードイニシャライズを実行し(S2)、内蔵RAMをオールクリアし、定数設定、補正値読み出し等のソフトイニシャライズを実行する(S4)。その後、CPU11等の主要制御系の電源以外の電源をオフし(S6)、全ての表示用LCDを消灯し(S8)、メインスイッチOFFループ処理に入る。
【0021】
「メインスイッチSWM;OFF」
メインスイッチOFFループ処理は、メインスイッチSWMがOFFしている間定期的に繰り返す処理である。この処理に入ると、まず、全てのスイッチ63のオン/オフ状態を入力し(S10)、メインスイッチSWMがONしているかどうかをチェックする(S12)。メインスイッチSWMがONしていないとき(S12;N)は、250mSタイマ割込みをセットし(S14)、CPU11をスタンバイモードに移行し(S16)、250mS経過したらCPU11を起動し(S18)、S10に戻る。つまり、メインスイッチSWMがOFFしている間は250mS毎にこのメインスイッチOFFループ処理を繰り返す。
【0022】
「メインスイッチSWM;ON」
メインスイッチSWMがオンされると(S12;Y)、メインスイッチONループ処理のスタートや、電源ONループ処理からのバッテリNGによるジャンプに備えて、まず電源OFF処理を実行して(S20)から、測光タイマOFFループ処理に入る。
【0023】
『測光タイマOFFループ処理』
測光タイマOFFループ処理に入ると、外部表示LCDに、撮影可能枚数、バッテリ状態、画像サイズ、ホワイトバランス(WB)等、カメラ状態に関する情報を点灯表示する(S22)。次に、メインスイッチSWM、測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWRを含む全てのスイッチ状態を入力し(S24)、メインスイッチSWMがONしているかどうかをチェックする(S26)。メインスイッチSWMがONしていなければ(S26;N)、S6に戻るが、メインスイッチSWMがONしているとき(S26;Y)は、CPU‐レンズ通信によってレンズ情報を入力し(S28)、CPU‐DSP通信によってスイッチ情報、バッテリ情報などのカメラ情報をDSPに通信し(S30)、測光スイッチSWS割込みを許可し(S32)、250mSタイマによる割込みをセットし(S34)、CPUスタンバイモードに入る(S36)。測光スイッチSWSによる割込みがあった(測光スイッチSWSがONした)かどうかをチェックする(S38)。測光スイッチSWSによる割込みがなければ(S38;N)、250mS経過するのを待ち(S40)、経過したらCPU11が起動し、S22に戻る。以上の処理を、メインスイッチSWMがOFFするか、測光スイッチSWSがONするまで繰り返す。メインスイッチSWMがOFFすると(S26;N)、S6に戻る。
【0024】
「測光スイッチSWS;ON」
測光スイッチSWSによる割込みがあった場合(S38;Y)は、16分割測光IC46、AFIC29、外部表示LCD51等に使用する電源をON(S42)して、16分割測光IC46による測光、AFIC29による焦点検出、外部表示LCD51等による表示動作をさせる。そうして測光10秒タイマをスタートさせて(S44)、測光タイマONループ処理に入る。測光タイマは、測光スイッチSWSがOFFした状態で所定時間経過したときにS20に戻るための時間を計測するタイマである。
【0025】
『測光スイッチタイマONループ処理』
測光タイマONループ処理に入ると、全スイッチのオン/オフ状態を入力し(S46)、メインスイッチSWMがONしているかどうかをチェックする(S48)。メインスイッチSWMがONしていなければ(S48;N)、S6に戻り、ONしているとき(S48;Y)は、以下のループ処理を実行する。
【0026】
「メインスイッチSWM:ON、測光スイッチSWS;ON」
CPU‐レンズ通信によってレンズ情報を入力する(S50)。16分割測光IC46から入力した被写体輝度Bv信号をA/D変換し、AE演算により適正シャッタ速度および絞り値を演算し(S54)、電源オフ時の表示情報に加え、AE演算によって演算したシャッタ速度および絞り値等の表示、ファインダ内LCD53および照明用LED53aも点灯し(S56)、測光演算値(シャッタ速度および絞り値)をCPU‐DSP通信によってDSP15に通信する(S58)。そうして、125mSタイマをスタートさせ(S60)、レリーズスイッチSWR割込みを許可する(S62)。
【0027】
125mS経過(125mSタイマがタイムアップ)したかどうかをチェックし(S64)、経過していないとき(S64;N)は測光タイマ時間(測光2秒タイマ、又は10秒タイマ)が経過したかどうかをチェックし(S66)、経過していないとき(S66;N)は測光スイッチSWSがONしているかどうかをチェックする(S68)。測光スイッチSWSがONしているとき(S68;Y)はAF処理を実行して(S80)、ONしていないとき(S68;Y)はS80をスキップしてレリーズ割込みが有ったか(レリーズスイッチSWRがONしたか)どうかチェックする(S70)。レリーズ割込みがなかった場合(S70;N)はS64に戻る。つまり、125mS経過するまでS64からS70の処理を繰り返す。そうして、125mS経過したら(S64;Y)、S46に戻ってS46からS62、S64からS70の処理を実行する。
「レリーズスイッチSWR;ON」
測光タイマONループ処理を実行している間にレリーズスイッチSWRがON、つまりレリーズ割込みが入ると(S70;Y)、ミラーアップ処理(S72)を実行し、露光処理(S74)を実行し、メカチャージ処理(S78)を実行してから、露光後、測光値を2秒間表示させるために測光2秒タイマをスタートさせる(S78)。そうして、S46に戻り、S46からS80の処理を繰り返す。この実施形態では、レリーズスイッチSWRをONし続けると、測光処理(S52、S54)、AF処理(S68;Y、S80)および露光処理(S70;Y、S72からS78、S46)を繰り返す。一方、レリーズスイッチSWRがOFFすると、測光タイマ時間として設定された測光2秒タイマ時間が経過すると(S66;Y)、S20に戻り、電源OFF処理を実行して測光タイマOFFループ処理を繰り返す。
【0028】
『ミラーアップ処理』
S72で実行されるミラーアップ処理について、図7、図8および図9に示したフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートにおいて、ミラーモータ状態は、下記の通りミラーモータの状態を識別する。
ミラーモータ状態
0;動作開始におけるPWM駆動中(正転)
1;DC駆動中(正転)
2;1次ブレーキ中
3;DC駆動中(正転)
4;逆転ブレーキ中
5;2次ブレーキ中
【0029】
この処理に入ると、まず、シャッタマグネットESMg1、ESMg2に通電してシャッタ先幕および後幕を電磁的に係止する(S102)。分割測光IC45から測光値Bvを入力して最新の測光値BvをA/D変換し(S104)、AE演算によりシャッタ速度および絞り値を算出し(S106)、算出したシャッタ速度および絞り値を各LCD51、53に表示する(S108)。そうして、200μS基準タイマをスタートさせる(S110)。200μS基準タイマはCPU11が内蔵するハードタイマであって、シャッタ速度(露光時間)の計測、ブレーキ時間、ミラースイッチSWチェンジタイミング等の時間計測に使用される。
【0030】
動体予測計算用に、ミラーアップ時間計測タイマをスタートさせ(S112)、ミラーアップ開始をCPU-DSP通信によってDSP15に伝達する。
絞り開放かどうかをチェックし(S116)、絞り開放であれば(S116;Y)、絞りマグネットEEMgをオンして(S118)絞りを開放に保持し、絞り開放でなければ(S116;N)、EEPカウントをセットし、EEP絞り込みを許可し(S120)、ミラーアップスイッチSWMRUPのチャタリング除去用変数、ミラーアップスイッチSWMRUPカウント用変数、モータ状態等の変数、定数を初期化し(S122)、ミラーモータ33が停止したときに“1”にセットされるミラー停止フラグをクリアする(S124)。EEPカウントのセットおよび、EEP絞り込みを許可により、ミラーアップに連動して動作する、図示しない絞り込み機構から出力される絞りパルス(EEP)をカウントし、カウント値がEEPカウントと一致したときに絞りマグネットEEMgをオンして絞り込み機構を停止させる。
【0031】
「ミラーモータ起動;PWM制御開始;ミラーモータ状態1;図4のA」
そうして、ミラーモータ33に、PWM制御による通電を開始する(S126)。この実施形態では、PWM制御の周期(パルス1サイクル)を100μSに設定し、オフ状態からPWM制御を開始するときは、最も小さいデューティー比(0パーセント)から開始し、デューティー比を周期的(200μS毎)に段階的(数パーセントずつ)に大きく変更してDC駆動し、DC駆動状態からPWM制御を開始するときは、最も大きいューティー比(100パーセント)から開始し、デューティー比を周期的(200μS毎)に段階的(数パーセントずつ)に小さく変更してオフする。このようにミラーモータ33を最小のデューティーによるPWM制御で起動するので、ラッシュ電流が流れることがなく、電源回路19に過度の負担をかけることがない。なお、図示実施例ではいわゆる一枚撮りであるが、本実施形態の起動時、停止時のPWM制御処理は、連続撮影において、画像処理回路動作がミラーアップ処理と重複するときに効果的である。
【0032】
ミラーモータ状態に“0”をセットし(S128)、ミラー停止フラグに“1”がセットされているかどうかをチェックする(S130)。ミラー停止フラグは、ミラーが停止したことを検知したときにセットされるフラグである。ミラー停止フラグに“1”がセットされていたとき(S130;Y)、つまりミラーアップが終了したときは、フラッシュ発光用のAE演算を実行し(S204)、外部フラッシュとフラッシュデータ最終通信を実行し(S206)、TTL積分の開始準備を実行し(S208)、ミラーアップ終了をCPU-DSP通信によってDSP15に伝達し(S210)、ミラーアップ時間計測を終了して計測時間を測定値として保存し(S212)、リターンする。
【0033】
ミラー停止フラグに“1”がセットされていない間(S130;N)は、以下のループ処理を200μS毎に繰り返す。
【0034】
ミラーアップスイッチSWMRUPのレベルをチェックする(S132)。連続して5回同レベルであることを検知した場合に、ミラーアップスイッチSWMRUPのエッジ切り替わりと判定し、ミラーアップスイッチSWMRUPのエッジ数を1加算する。そうして、ミラーアップ時間計測カウンタを1加算する(S134)。ブレーキ時間カウントソフトカウンタを1減算する(S136)。ブレーキ時間カウントソフトカウンタは、1次ブレーキ時間を計測するためのカウンタである
【0035】
そうして、ミラーモータ状態フラグが“0”かどうかをチェックする(S138)。ミラーモータ状態フラグが“0”のとき(S138;Y)はPWM制御中なので、DUTY変更処理を実行する(S140)。DUTY変更処理は、PWM制御のデューティーを段階的に増加させる処理である。この実施形態では、200μS毎にデューティーを増加させる。
【0036】
PWM制御時間が終了したかどうかをチェックする(S142)。この実施形態におけるPWM制御時間は5mSである。PWM制御時間が経過する前(S142;N)は、S144、S146をスキップし、ミラーアップスイッチSWMRUPのエッジが“1”、つまりミラーアップスイッチSWMRUPの1番目のエッジを検出したかどうかをチェックする(S148)。1番目のエッジを検出していない場合(S148;N)は、200μS経過するのを待ち(S156;N)、200μS経過したら(S156;Y)、S130に戻ってS130からS156のループ処理を繰り返す。
【0037】
「PWM制御時間終了、DC駆動、ミラーモータ状態1」
PWM制御時間が終了すると(S142;Y)、ミラーモータ33の駆動をDC(直流)による正転駆動に切り替え(S144)、ミラーモータ状態に“1”をセットする(S146)。そうして、S148;NからS156、S130を経てS138のミラーモータ状態チェックに戻る。
【0038】
S146でミラーモータ状態に“1”がセットされているので(S138;N)、S158に進んでミラーモータ状態が“1”かどうかチェックする。ここでミラー状態が“1”なので(S158;Y)、S148に戻る。つまり、ミラーモータ33のDC駆動を、ミラーアップスイッチSWMRUPの1番目のエッジを検出するまで繰り返す(S148;N、S156;Y、S130;N、S132からS138;N、S158;Y、S148;N)。
【0039】
「SWMRUPの状態信号のエッジ検知、1次ブレーキ、ミラーモータ状態2」
ミラーアップスイッチSWMRUPの状態信号のエッジを1回検知すると(S148;Y)、ミラーモータ33に1次ブレーキをかける(S150)。ここで1次ブレーキとは、ミラーモータ33の電源端子を短絡させることである。そうして、1次ブレーキをかけ続ける時間である1次ブレーキ時間をセットし(S154)、ミラーモータ状態に“2”をセットする(S154)。
【0040】
ミラーモータ状態に“2”がセットされると、ミラーモータ状態チェック処理(S138;N、S158;N)を経て、ミラーモータ状態が“2”であるかどうかのチェック(S160)に進む。ここでミラーモータ状態が“2”なので(S160;Y)、S136でデクリメントした1次ブレーキ時間ソフトカウンタが0になったかどうか(1次ブレーキが終了したかどうか)をチェックする(S162)。1次ブレーキが終了していなければ(S162;N)、ミラーアップスイッチSWMRUPの状態信号のエッジを3回検知したかどうかをチェックする(S168)。3回検知していなければ(S158;N)、1次ブレーキが終了するまで、200μS毎にS156;Y、S130;NからS138;N、S160;Y、S162;N、S168;N、S156の処理を繰り返す。通常は、ミラーアップスイッチSWMRUPの状態信号のエッジを3回検知する前に1次ブレーキ時間が経過して1次ブレーキが終了する。
【0041】
「1次ブレーキ時間経過、DC駆動、ミラーモータ状態3」
1次ブレーキ時間が経過して1次ブレーキが終了すると(S162;Y)。ミラーモータ33をDC正転駆動し(S164)、ミラーモータ状態に“3”をセットする(S166)。そうして、ミラーアップスイッチSWMRUPのエッジ数が3になるまで、200μS毎にS168;N、S156;Y、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;Y、S168;N、S156のループ処理を繰り返す。
【0042】
「ミラーアップスイッチSWMRUPエッジ3回、PWM逆転ブレーキ、ミラーモータ状態4;図4のB」
ミラーアップスイッチSWMRUPのエッジ数が3回になったとき(S168;Y)は、ミラーモータ33に逆転PWMブレーキをかけ(S170)、逆転ブレーキ時間をセットし(S172)、ミラーモータ状態に“4”をセットする(S174)。そうして、200μS経過すると(S156;Y)、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;N、S178;YからS180に進み、デューティー変更処理を実行する。ここでのデューティー変更処理は、デューティー比を200μS経過する毎に段階的に小さく変更する処理である。
【0043】
「PWM逆転ブレーキ開始後5mS経過前、PWM逆転ブレーキ」
そうして、デューティー変更処理(S180)を、PWM逆転ブレーキ開始後5mS(第1のブレーキ時間)が経過するまで、200μS毎に繰り返す(S182;N、S186;N、S190;N、S156;Y、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;N、S178;YからS180、S182)。S182ではミラーモータソフトカウンタによってPWM逆転ブレーキ開始後5mS(第1のブレーキ時間)が経過したかどうかをチェックし、S186ではミラーモータソフトカウンタによりブレーキ終了前5mSかどうかをチェックし、S190では逆転ブレーキ時間終了かどうかをチェックする。
【0044】
「ブレーキ開始後5mS経過、ミラーモータ逆転DCブレーキ」
PWM逆転ブレーキ開始後5mS経過すると(S182;Y)、ミラーモータ逆転DCブレーキに切り替える(S184)。そうして、ミラーモータ逆転DCブレーキを継続する(S186;N、S190;N、S156;Y、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;N、S178;Y、S180、S182;Y、S184、S186;N)。
【0045】
「逆転ブレーキ時間終了5mS前」
ブレーキ時間終了前5mSになると(S186;Y)、逆転DCブレーキから逆転PWMブレーキに切り替える(S188)。そうして、この逆転PWMブレーキ処理を、200μS毎に繰り返す(S、逆転ブレーキ時間が終了するまで繰り返す(S190;N、156;Y、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;N、S178;Y、S180、S182;N、S186;Y、S188、S190;N)。なお、このループ処理におけるデューティ変更処理(S180)は、200μS経過する毎に段階的にデューティ比を小さく(通電ON時間を短く)する処理である。
【0046】
「逆転ブレーキ時間終了後、ミラーモータ状態5」
逆転ブレーキ時間が終了すると(S190;Y)、ミラーモータ33に2次ブレーキをかける(S192)。この2次ブレーキは、1次ブレーキ同様、ミラーモータ33の電源端子を短絡させる処理である。そうして2次ブレーキ時間をセットし(S194)、ミラーモータ状態に“5”をセットする(S196)。そうして、200μS経過すると(S156;Y)、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;N、S178;NからS198に進む。
【0047】
S198では2次ブレーキ時間が終了したかどうかをチェックし、終了していなければ(S198;N)、S156に戻る。そうして、2次ブレーキ時間が終了したかどうかのチェックを、200μS毎に繰り返す(S156;Y、S130;NからS138;N、S158;N、S160;N、S176;N、S178;NからS198;N、S156)。2次ブレーキが終了すると(S198;Y)、ミラーモータ33をフリーに、つまり電源端子を開放し(S200)、ミラーモータ停止フラグに“1”をセットして(S202)、S156に進む。このようにミラーアップが完了したときに、ミラーモータ停止フラグには“1”がセットされる。
【0048】
「ミラーアップ完了、ミラーモータ停止フラグ“1”」
ミラーモータ停止フラグに“1”がセットされているときは(S130;Y)、ミラーアップ終了をCPU-DSP通信によってDSP15に伝達し(S210)、ミラーアップ時間計測を終了して計測時間を測定値として保存し(S212)、リターンする。
【0049】
『メカチャージ処理』
次に、露光終了後に実行されるメカチャージ処理について、図10、図11および図12に示したフローチャートを参照して説明する。露光処理終了は、露光時間が経過して、シャッタ(後幕)マグネットESMg2の通電をOFFしたときである。
【0050】
まず、後幕が完全に走行を完了する時間(20mS)待機する(S302)。20mS経過すると、メカチャージ開始を伝達するCPU-DSP通信を実行し(S304)、メカチャージを開始する。
【0051】
ミラーダインスイッチSWMRDNのチャタリング除去用の変数、ミラーダウンスイッチSWMRDNカウント用変数、モータ状態等の変数、定数をイニシャライズし(S306)、動体予測計算用にミラーダウン時間の測定を開始する(S308)。そうして、ブレーキ時間、ミラースイッチチェックタイミング等の基準になる200μSをカウントする200μS基準タイマをスタートさせる(S310)。
【0052】
「ミラーモータ起動;PWM駆動制御開始;ミラーモータ状態0;図4のC」
ミラーモータ33を、PWM駆動で正転起動する(S312)。PWMの周期は100μSに設定する。PWM駆動起動時のデューティーは、ON時間が最も短い設定である。ミラーモータ状態を“0”にセットし(S314)、ミラーモータ停止フラグをクリア(“0”をセット)する(S316)。そうして、ミラーモータ停止フラグに“1”がセットされるまで、S318以降のループ処理を繰り返す。
【0053】
S318では、ミラーモータ停止フラグに“1”がセットされているかどうかをチェックする。最初はS316で“0”がセットされているので(S318;N)、S320以降の処理に進む。ミラーモータ停止フラグに“0”がセットされている間(S318;N)は、以下のループ処理を繰り返す。なお、ミラーモータ停止フラグに“1”がセットされている場合(S318;Y)は、メカチャージ終了をCPU‐DSP通信でDSP15に送信し(S392)、ミラーダウン時間計測を処理を終了して測定時間をRAMに格納し(S394)、リターンする。
【0054】
まず、ミラーダウンスイッチSWMRDNのレベルをチェックし(S320)、チャージ時間計測カウンタを1カウントアップし(S322)、ブレーキ時間ソフトカウンタを1カウントダウンする(S324)。ミラーダウンスイッチSWMRDNのレベルが連続して5回同レベルであったときにエッジ切り替わりと判定し、ミラーダウンスイッチSWMRDNエッジ数に“1”を代入する。
この実施形態におけるミラーダウンスイッチSWMRDNはミラーアップスイッチSWMRUP同様に、ミラーモータ33の回転に連動するブラシと、ブラシが摺接する導通部および非導通部を備えたコード板で構成されていて、ミラー37が観察位置にあるときにローレベル、ミラー37が観察位置から撮像位置方向に回動するとその途中にハイレベルとなってハイレベルを維持し、さらにミラー37が撮像位置から観察位置方向に揺動し、観察位置に達したときにローレベルになり、さらに一旦ハイレベルになってからローレベルとなり、ローレベル状態を維持する。
【0055】
「PWM駆動時間経過前、ミラーモータ状態0」
ミラーモータ状態が“0”かどうかをチェックする(S326)。ミラーモータ状態が“0”の場合(S326;Y)は、PMW駆動のデューティーを1段階、ON時間が長い方に変更する(S328)。そうして、PWM駆動時間が終了したかどうかをチェックする(S330)。PWM駆動時間が終了していない場合(S330:N)はS332、S334をスキップし、S320の処理でミラーダウンスイッチSWMRDNの1番目のエッジを検出したかどうかをチェックする(S336)。1番目のエッジを検出していない場合(S336;N)は、S338、S340、S342をスキップし、200μS経過するのを待って(S344)、200μS経過したら(S344;Y)、S318に戻ってS320以降の処理を繰り返す。つまり、PWM駆動のデューティーを200μS毎にON時間が長い方に変更しながらPWM駆動時間が終了するのを待つ。
【0056】
「PWM駆動時間が終了、ミラーモータ状態1」
PWM駆動時間が終了したら(S330;Y)、ミラーモータ33をDC正転駆動し(S332)、ミラーモータ状態を“1”にして(S334)、S320の処理でミラーダウンスイッチSWMRDNの1番目のエッジを検出するまで(S336;N)、200μS毎にS318からS326;Y、S346;Y、S336からS344、S318のループ処理を繰り返す。
【0057】
「SWMRDN1番目のエッジ、1次ブレーキ、ミラーモータ状態2」
S320の処理でミラーダウンスイッチSWMRDNの1番目のエッジを検出したら(S336;Y)、ミラーモータ33に1次ブレーキをかけ(S338)、1次ブレーキをかけ続ける1次ブレーキ時間をセットし(S340)、ミラーモータ状態に“2”をセットする(S342)。そうして、200μS毎に(S344;Y、S318からS326;N、S346;N、S348;Y)、1次ブレーキ時間が終了したかどうかをチェックする(S350)。そうして、1次ブレーキ時間が終了していなければ(S350;Y)、S352、S354をスキップしてS320の処理でミラーダウンスイッチSWMRDNの3番目のエッジを検出したかどうかをチェックし(S356)、していなけければ(S356;N)、S344に戻って、200μS毎に1次ブレーキ時間終了したかどうかをチェックする(S344;Y、S318からS326;N、S346;N、S348;Y、S350)。つまり、200μS毎に、1次ブレーキ時間が終了したかどうかをチェックする。
【0058】
「1次ブレーキ時間経過、DC駆動、ミラーモータ状態3」
1次ブレーキ時間が終了すると(S350;Y)、ミラーモータをDCで正転駆動し(S352)、ミラーモータ状態に“3”をセットする(S354)。そうして、ミラーダウンスイッチSWMRDNのエッジ数が3かどうかをチェックし(S356)、3回になるのをループ処理を繰り返して待つ(S356;N、S344;Y、S318;N、S320からS326;N、S346;N、S348;N、S364;Y、S356)。
【0059】
「SWMRDNのエッジ数3、PWM逆転ブレーキ、ミラーモータ状態4、図4のD」
「ブレーキ開始後5mS経過前」
ミラーダウンスイッチSWMRDNのエッジ数が3になると(S356;Y)、ミラーモータ33に対するPWM逆転ブレーキ制御を開始し(S358)、逆転ブレーキ時間をセットし、ミラーモータ状態に、逆転ブレーキ状態を識別する“4”をセットする(S362)。そうして、200μS経過する毎に(S344;Y)、デューティーを段階的に変更する(S318;N、S320からS326;N、S346;N、S348;N、S364;N、S366;Y、S368)。逆転ブレーキ処理におけるデューティーの段階的な変更処理では、PWM駆動のデューティーを1段階ずつ、逆転開始後5mS以内なら、ON時間を長い方に変更し、逆転開始終了前5mS以内ならON時間を短い方に変更する。つまり、ミラーモータソフトカウンタの値からブレーキ開始後5mS経過したかどうかをチェックし(S370)、逆転開始後5mS以内の間は200μS毎に、PWM駆動のデューティーを、ON時間が長くなる方に1段階変更するループ処理を繰り返す(S370;N、S374;N、S378;N、S344;Y、S318からS326;N、S346;N、S348;N、S364;N、S366;Y、S368、S370)。
【0060】
「PWM逆転ブレーキ開始後5mS経過後、終了前5mSまで」
PWM逆転ブレーキ開始後5mS経過すると(S370;Y)、ミラーモータ33にDC逆転ブレーキをかける(S372)。そうして、DC逆転ブレーキをかけた状態で、PWM逆転ブレーキ終了前5mS以内になるのを待つ(S370;Y、S372、S374;N、S378;N、S344;Y、S318;NからS326;N、S346;N、S348;N、S364;N、S366;Y、S368、S370;Y、S372)。
【0061】
「PWM逆転ブレーキ終了前5mS以内、PWM逆転ブレーキ」
PWM逆転ブレーキ終了前5mS以内になると(S374;Y)、ミラーモータ33にPWM逆転ブレーキをかける(S376)。ここでのPWM逆転ブレーキは、DC逆転駆動からデューティーを段階的に小さく、つまりデューティーをON時間が短くなる方に1段階変更するループ処理を繰り返す(S374;Y、S376、S378;N、S344;Y、S318;NからS326;N、S346;N、S348;N、S364;N、S366;Y、S368、S370;N、S374)。
【0062】
「逆転ブレーキ時間終了後、2次ブレーキ、ミラーモータ状態5」
PWM逆転ブレーキ時間が終了すると(S378;Y)、ミラーモータ33に2次ブレーキをかける(S380)。2次ブレーキは、ミラーモータ33の入力端子を短絡させるショートブレーキである。そうして、2次ブレーキ時間をEEPROMから読み出してセットし(S382)、ミラーモータ状態に、2次ブレーキをかけている状態を識別する“5”をセットする(S384)。
【0063】
ミラーモータ状態に“5”がセットされると、200μS毎に2次ブレーキ時間が終了したかどうかをチェックするループ処理を繰り返す(S344;Y、S318;NからS326;N、S346;N、S348;N、S364;N、S366;N、S386;N、S344)。そうして、2次ブレーキ時間が終了すると(S386;Y)、2次ブレーキを解除(S388)し、つまり、ミラーモータ33の入力端子を開放し、ミラーモータ停止フラグに“1”をセットし(S390)てからS344に進み、200μS経過したら(S344;Y)、S318に戻る。
【0064】
「2次ブレーキ時間終了、メカチャージ終了、ミラーモータ停止フラグ1」
ミラーモータ停止フラグに“1”がセットされると、S318;YからS392に進み、メカチャージ終了をCPU‐DSP通信でDSP15に送信し(S392)、ミラーダウン時間計測を処理を終了して測定時間をRAMに格納し(S394)、リターンする。以上のメカチャージ処理によって周知の通り、ミラーが観察位置までダウンし、先幕および後幕が撮影待機状態まで移動し、先幕および後幕駆動バネがチャージされる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明を適用したデジタル一眼レフカメラの回路構成の実施形態をブロックで示す図である。
【図2】本発明を適用したデジタル一眼レフカメラの主要部を光軸で縦断して示す図である。
【図3】同デジタル一眼レフカメラのレリーズ時のタイミングチャートを示す図である。
【図4】同タイミングチャートにおけるミラーアップ/ダウン処理部分の詳細タイミングチャートを示す図であって、(1)はミラーアップからミラーダウンまでのタイミングチャートを、(2)はミラーモータ起動時のPWM制御のタイミングチャートを、(3)はPWM逆転ブレーキのタイミングチャートを示す図である。
【図5】同デジタル一眼レフカメラのメイン動作に関するフローチャートを示す図である。
【図6】同デジタル一眼レフカメラのメイン動作に関するフローチャートを示す図である。
【図7】同デジタル一眼レフカメラのミラーアップ処理に関するフローチャートを示す図である。
【図8】同デジタル一眼レフカメラのミラーアップ処理に関するフローチャートを示す図である。
【図9】同デジタル一眼レフカメラのミラーアップ処理に関するフローチャートを示す図である。
【図10】同デジタル一眼レフカメラのメカチャージ(ミラーダウン処理)に関するフローチャートを示す図である。
【図11】同デジタル一眼レフカメラのメカチャージ(ミラーダウン処理)に関するフローチャートを示す図である。
【図12】同デジタル一眼レフカメラのメカチャージ(ミラーダウン処理)に関するフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0066】
11 CPU
13 DPU
15 DSP
17 バッテリ
19 電源回路
20 外付けストロボ
21 内蔵ストロボ
23 モードダイヤル
25 各種スイッチ
29 AFIC
33 ミラーモータ
34 ミラー駆動機構
35 ミラー検知スイッチ
37 ミラー
38 サブミラー
39 AFモータドライバ
41 AFモータ
43 AF制御フォトインタラプタ
45 分割測光IC
47 EEPROM
49 シャッタ
51 外部表示LCD
51a 照明用LED
53 ファインダ内LCD
53a 照明用LED
55 CCD撮像素子
59 Avダイアルスイッチ
61 Tvダイアルスイッチ
63 スイッチ
65 シャッタスイッチ
100 撮影レンズ
ESMg1 シャッタ(先幕)マグネット
ESMg2 シャッタ(後幕)マグネット
SWM メインスイッチ(電源スイッチ)
SWS 測光スイッチ
SWR レリーズスイッチ
SWMRUP ミラーアップスイッチ
SWMRDN ミラーダウンスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラに搭載されたモータの駆動方法であって、
前記モータを起動するときは、小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始してからデューティー比を段階的に大きく変更することを特徴とするデジタルカメラのモータ駆動方法。
【請求項2】
撮影レンズから入射した被写体光を、光学ファインダー方向に反射する観察位置と、撮像手段への入射を許容する撮像位置とに移動するミラーを備えたデジタルカメラにおいて、前記ミラーを観察位置から撮像位置へ、撮像位置から観察位置へ移動させるモータの駆動方法であって、
前記モータを起動するときは、小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始してからデューティー比を段階的に大きく変更することを特徴とするデジタルカメラのモータ駆動方法。
【請求項3】
請求項1または2記載のデジタルカメラのモータ駆動方法において、前記モータに小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始した後所定時間経過したときは直流通電するデジタルカメラのモータ駆動方法。
【請求項4】
請求項1または2記載のデジタルカメラのモータ駆動方法において、前記小さいデューティー比によるPWM制御で通電を開始した後直流通電になるまでデューティー比を段階的に大きく変更するデジタルカメラのモータ駆動方法。
【請求項5】
請求項3または4記載のデジタルカメラのモータ駆動方法において、前記駆動しているモータを停止させるときは、かけ始めおよび終了前にPWM制御する逆転ブレーキをかけるデジタルカメラのモータ駆動方法。
【請求項6】
請求項5記載のデジタルカメラのモータ駆動方法において、前記PWM制御による逆転ブレーキは、逆転ブレーキかけ始めの期間はデューティー比を小から大に段階的に変更し、逆転ブレーキ終了前の期間はデューティー比を大から小に段階的に変更するデジタルカメラのモータ駆動方法。
【請求項7】
請求項6記載のデジタルカメラのモータ駆動方法において、前記逆転ブレーキは、逆転ブレーキかけ始めの所定期間と逆転ブレーキ終了前の所定期間の間は直流による逆転ブレーキをかけるデジタルカメラのモータ駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−91136(P2006−91136A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273750(P2004−273750)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】