説明

デジタルカメラ用クレードル装置

【課題】デジタルカメラのフラッシュROMをファームウェアのプログラマブルとして用いることやフラッシュROMに書き換え機能オブジェクトコードを配置することなく、クレードルにデジタルカメラのファームウェアを保管する装置、及びデジタルカメラのファームウェアを書き換える機能をもたせた。
【解決手段】デジタルカメラ3と接続可能な第一コネクタ部10を有し、情報処理装置2と接続可能な第二コネクタ部11を有し、第一コネクタ10を通じてデジタルカメラ3のファームウェアを書き換え、情報処理装置2より第二コネクタ11を通じてデジタルカメラ3の書き換え用ファームウェアを格納する記憶媒体18を有し、第一コネクタ10にデジタルカメラ3を接続することによって記録媒体18に格納されているデジタルカメラ用ファームウェアをデジタルカメラ3に対して書き込むようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラのファームウェアを書き換え可能としたデジタルカメラ用クレードル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、デジタルカメラが市場に普及しており、このデジタルカメラの利用者数が増えるにつれ、デジタルカメラに対する利用者からの機能要求も増大し、しかも多岐にわたるようになっている。
市場出荷後のデジタルカメラに対して、このような機能要求に応えるには、一例としてデジタルカメラの動作を司る制御プログラムであるファームウェアデータを書き換えることが考えられる。また、市場出荷後のデジタルカメラに何らかの障害が発見された場合、デジタルカメラのファームウェアデータを書き換えることで障害が解決するケースもある。従って、デジタルカメラのファームウェアがプログラマブルであることは、デジタルカメラ利用者においても、デジタルカメラ製造者においても極めて有用なことである。
【特許文献1】特開2000−232599公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
デジタルカメラのファームウェアをプログラマブルとするために、デジタルカメラのファームウェアを格納するフラッシュROMに着目した場合、このROM容量が大きなフラッシュROMにおいては、デジタルカメラ機能を一層多く配置できることになるが、部品コストが高くなってしまう。したがって、ファームウェアをプログラマブルとして必要以上にROM容量が大きなフラッシュROMを、デジタルカメラに搭載する訳にはいかない。
また、ファームウェア書き換えの機能をデジタルカメラ自身に持たせた場合、書き換え機能のオブジェクトコードをデジタルカメラのファームウェアに配置することになり、ROM容量サイズの制限が厳しいデジタルカメラの場合、書き換え機能のオブジェクトコードをフラッシュROMに配置することは、他のデジタルカメラ機能を搭載しないように制限することになり、利用者の機能要求に逆行する。
更に、例えばファームウェア書き換え中に停電等の要因よって、デジタルカメラ内のファームウェア書き換え機能のオブジェクトコードが削除、或いは破損してしまった場合、デジタルカメラが起動不能になってしまう可能性がある。
このようにして、デジタルカメラのフラッシュROMをファームウェアのプログラマブルとして用いること、フラッシュROMに書き換え機能オブジェクトコードを配置すること、は問題がある。
従って、デジタルカメラのファームウェア書き換え機能を、デジタルカメラ以外の装置に持たせれば良いことが考えられる。
【0004】
先行技術として、特開2000−232599公報に示されているデジタルカメラ用クレードル装置には、デジタルカメラから宛先のコンピュータ・システムまたはサーバへ直接に画像データを自動的に転送するデジタルカメラを提供することを目的として、画像を含む光を受け入れ画像を表す画像データを出力するように動作可能な画像感知装置と、画像データを記録するように動作可能なメモリと、ネットワークへの接続が確率されたことを検出し、ネットワークを介する宛先システムとの通信接続を確立し、記憶された画像データを宛先システムに送信するように動作可能な入出力アダプタと、が含まれ、外部電力接続と通信接続は、クレードル・アセンブリによって提供することが開示される。この公報の発明はデジタルカメラ以外の装置としてクレードル・アセンブリを用いたケースを開示するものであるが、デジタルカメラのファームウェアを保管する装置、及びデジタルカメラのファームウェアを書き換える機能まで言及されていない。
本発明は、デジタルカメラのフラッシュROMをファームウェアのプログラマブルとして用いることやフラッシュROMに書き換え機能オブジェクトコードを配置することなく、デジタルカメラのファームウェアを保管する装置、及びデジタルカメラのファームウェアを書き換える機能を有するデジタルカメラ用クレードル装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、デジタルカメラと接続可能な第一コネクタ部と、情報処理装置と接続可能な第二コネクタ部と、前記第一コネクタを通じて前記デジタルカメラのファームウェアを書き換える書き換え手段と、前記情報処理装置より前記第二コネクタを通じて前記デジタルカメラの書き換え用ファームウェアを格納する記憶媒体と、を備え、前記第一コネクタは、前記デジタルカメラを接続することによって、前記記録媒体に格納されている前記デジタルカメラ用ファームウェアを前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、デジタルカメラのファームウェア書き換え機能をクレードル装置に持たせることにより、ファームウェア書き換え機能のオブジェクトコードをデジタルカメラのプログラムROMに配置しなくて済み、その分のプログラムROMをそれ以外のデジタルカメラ機能に割り当てることが出来、利用者に対して一つでも多くのデジタルカメラ機能を提供出来る。また、書き換え中の停電等の要因よって、デジタルカメラ内のファームウェア書き換え機能のオブジェクトが削除、或いは破損することがなくなり、利用者に対して安全性の高いファームウェアアップデート機能を提供出来る。また、ファームウェアデータをクレードル装置のフラッシュROMに格納しているので、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0006】
請求項2は、デジタルカメラと接続可能な第一コネクタ部と、情報処理装置と接続可能な第二コネクタ部と、前記第一コネクタを通じて前記デジタルカメラのファームウェアを書き換える書き換え手段と、前記情報処理装置より前記第二コネクタを通じて前記デジタルカメラの書き換え用ファームウェアを格納する記憶媒体と、前記ファームウェアを前記デジタルカメラに書き込み開始するための操作部と、を備え、前記操作部を操作することで前記記録媒体に格納されている前記デジタルカメラ用ファームウェアを前記第一コネクタに接続された前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、デジタルカメラのファームウェア書き換え機能をクレードル装置に持たせることにより、ファームウェア書き換え機能のオブジェクトコードをデジタルカメラのプログラムROMに配置しなくて済み、その分のプログラムROMをそれ以外のデジタルカメラ機能に割り当てることが出来、利用者に対して一つでも多くのデジタルカメラ機能を提供出来る。また、書き換え中の停電等の要因よって、デジタルカメラ内のファームウェア書き換え機能のオブジェクトが削除、或いは破損することがなくなり、利用者に対して安全性の高いファームウェアアップデート機能を提供出来る。また、ファームウェアデータをクレードル装置のフラッシュROMに格納しているので、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
請求項3は、クレードルの記録媒体に格納されているファームウェアの版数及び前記クレードルの第一コネクタに接続されたデジタルカメラのファームウェア版数とを比較する版数比較手段を備え、前記版数比較手段により比較された結果、前記クレードルの前記記録媒体に格納されているファームウェアの版数の方が前記第一コネクタに接続されたデジタルカメラのファームウェア版数に比較して上位版数の場合、前記デジタルカメラのファームウェアを書き換えるようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、書き換えるファームウェアデータのバージョン番号を比較することで、バージョンアップが不必要な場合は、バージョンアップ作業を自動的に回避でき、無駄作業が無くなり、バージョンアップが必要な場合は、バージョンアップ作業を自動的に行うことが出来、利用者のファームウェアバージョンアップに於ける利便性が向上する。
【0007】
請求項4は、前記クレードルの記録媒体は、前記デジタルカメラ用ファームウェアを複数個格納可能な構成であり、前記記録媒体に格納された複数個のデジタルカメラ用ファームウェアの名称を表示する名称表示手段と、デジタルカメラに書き込むための前記デジタルカメラ用ファームウェアを選択可能なファームウェア選択手段と、を備え、前記クレードルの第一コネクタに前記デジタルカメラが接続されることによって前記記録媒体に保管されている選択されたファームウェアを前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、複数の機能の異なるファームウェアデータをクレードルのフラッシュROMに格納しているので、デジタルカメラのフラッシュROM容量サイズの制限があるデジタルカメラであっても、利用する場面に応じた機能のファームウェアに書き換えて使用することが出来る。そして、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
請求項5は、前記クレードルの記録媒体は、前記デジタルカメラ用ファームウェアを複数個格納可能な構成であり、前記記録媒体に格納された複数個のデジタルカメラ用ファームウェアの名称を表示する名称表示手段と、デジタルカメラに書き込むための前記デジタルカメラ用ファームウェアを選択可能なファームウェア選択手段と、を備え、前記クレードルの操作部が操作されることによって前記記録媒体に保管されている選択されたファームウェアを前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、複数の機能の異なるファームウェアデータをクレードルのフラッシュROMに格納しているので、デジタルカメラのフラッシュROM容量サイズの制限があるデジタルカメラであっても、利用する場面に応じた機能のファームウェアに書き換えて使用することが出来る。そして、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
請求項6は、前記クレードルの記録媒体は、前記デジタルカメラ用ファームウェアと共に、デジタルカメラが撮影した画像ファイルを第一コネクタ経由で前記記憶媒体に格納するようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、クレードルのファームウェア格納用フラッシュROMを、デジタルカメラで撮影した画像データの補助記憶装置として併用することで、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていれば、デジタルカメラの画像データを保存することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、デジタルカメラを含めたクレードル装置のシステム構成を示す。図1において、クレードル1にはデジタルカメラ3と接続するための第一コネクタ10、及びPC(パーソナルコンピュータ)2と接続するための第二コネクタ11を備える。ここで、第二コネクタ11には、PC2と接続するためのケーブル4を接続し得る。
更に、クレードル1には、第一コネクタ10、第二コネクタ11以外にも、選択釦12、開始釦13、表示部14、及びACジャック15を備える。ACジャック15には、電源をAC−DCに変換するACアダプタ5を有するケーブル6が接続される。
【0009】
図2は、クレードル1の構成図である。クレードル1には、図1にも表示したデジタルカメラ3を接続する第一コネクタ10と、PC2と接続する第二コネクタ11と、DC電源をクレードル1に供給するためのACアダプタ5が接続されるACジャック15を備える。
クレードル1の内部は、通信I/Fコントローラ16、CPU17、フラッシュROM18の各ユニットに電源を供給するDC−DCコンバータ回路19を有し、CPU17は入力を得る選択釦12、開始釦13に接続し、出力の表示部14に接続し、第二コネクタ11につながる通信I/Fコントローラ16、フラッシュROM18、及び第一コネクタ10に接続する。
この場合、フラッシュROM18には、デジタルカメラ用のファームウェアデータが格納される。また、通信I/Fコントローラ16は、第二コネクタ11を介して接続されるPC2とのデータ通信を行う。従って、PC2より、デジタルカメラ用ファームウェアデータが通信I/Fコントローラ16経由でクレードル1に転送され、フラッシュROM18に格納され得る。フラッシュROM18は、デジタルカメラ用ファームウェアを複数個格納出来るようになっている。
このような構成にあって、第一コネクタ10にデジタルカメラ3を接続した際、第一コネクタ10の”書換制御”端子を使用し、CPU17は、デジタルカメラ3がクレードル1に接続されたことを検出し、第一コネクタ10の”通信I/F”端子を使用し、フラッシュROM18に格納されているファームウェアデータをデジタルカメラ3に対して転送し、ファームウェアを書き換える。
他方、第二コネクタ11にPC2を接続した際、第二コネクタ11の”通信I/F”端子が使用され、ファームウェアデータが通信I/Fコントローラ16を介してフラッシュROM18に格納される。
なお、選択釦12は、フラッシュROM18に複数個格納されたファームウェアを選択するための釦であり、表示部14は選択されたファームウェアの名称を表示し、開始釦13は、デジタルカメラ3へのファームウェアの書き換えを開始するための釦である。
【0010】
図3は、クレードル1に接続されるデジタルカメラ3の構成を示す。被写体画像が撮像素子であるCCD30に入力され、電気信号に変換される。撮像素子出力信号は、CDS(相関2重サンプリング)回路31を通してA/D変換回路32で最適なサンプリング周波数(例えば NTSC方式ではカラーサブキャリア周発数の整数倍)にてデジタル信号に変換される。A/D変換回路32にてデジタル信号に変換されたCDS出力信号は、デジタル信号処理回路33にてガンマ補正、色分離等、通常のカメラ信号処理がなされY(輝度)、Cb、Cr(色差)信号が作成される。そして、この信号は、デジタル信号処理回路33内の画像圧縮回路で符号化される。CPU34は、符号化された画像データを、着脱可能なメモリ35に記録する。
ここで、CPU34は、デジタルカメラ内部の全動作を制御するものである。また、フラッシュROM36には、デジタルカメラ3を制御するプログラムが格納される。そして、フラッシュROM36内のプログラムデータは、書き換え可能である。CPU34は、フラッシュROM36に格納されるプログラムに基づいて、デジタルカメラ3を制御することになる。
デジタルカメラ3の電源としては、充電バッテリ37 例えばNiCd、ニッケル水素、リチウム電池等 からDC−DCコンバータ38に接続され、このDC−DCコンバータ38 ̄電力がデジタルカメラ内部の各部に供給される。
CPU34に接続されるコネクタ39には、クレードル1が接続される。CPU34は、コネクタ39の”書換制御”端子より、クレードル1に対し接続したことを通知し、コネクタ39の”通信I/F”端子を使用してクレードル1のフラッシュROM18に格納されているファームウェアデータがデジタルカメラ3に対して転送され、そのファームウェアデータをデジタルカメラ3のフラッシュROM36に書き込むことでデジタルカメラ3のファームウェアデータのアップデートが図られる。なお、図3中、40はCCD30、CDS31、A/D32の駆動制御部である。
【0011】
以下に図2に示すクレードル1及び図3に示すデジタルカメラ3を用いつつファームウェアデータの書き換えについて述べる。
図6において、デジタルカメラ用ファームウェアデータは、図2のクレードル1の第二コネクタ11に接続されるPC2よりクレードル1に対して転送される(ステップS50)。この場合、図2の通信I/Fコントローラ16が、PC2とのデータ通信を行い、ファームウェアデータが図2のCPU17を介し、図2のフラッシュROM18に格納される(ステップS51)。ついで、図2の第一コネクタ10に、図3で示すデジタルカメラ3が接続されると(ステップS52)、クレードル1は、第一コネクタ10の”書換制御”端子より、デジタルカメラ1がクレードル1に接続されたことを検出する(ステップS53)。デジタルカメラ3が接続されたことを検出したクレードル1は、図2のフラッシュROM18よりデジタルカメラ用ファームウェアデータを読み出し、図2の第一コネクタ10の”通信I/F”端子を通じてファームウェアデータをデジタルカメラ3に転送し(ステップS54)、図3のフラッシュROM36にこのファームウェアデータを書き込む(ステップS55)。
更に別の第二例として、図7において、デジタルカメラ用ファームウェアデータは、図2のクレードル1の第二コネクタ11に接続されるPC2よりクレードル1に対して転送される(ステップS60)。図2の通信I/Fコントローラ16がPC2とのデータ通信を行い、図2のCPU17を介し、図2のフラッシュROM18に格納する(ステップS61)。図2のクレードル1の第一コネクタ10に、図3で示すデジタルカメラ3のコネクタ39を接続する(ステップS62)。図2の開始釦13が押されると、図2のフラッシュROM18よりデジタルカメラ用ファームウェアデータを読み出し、図2の第一コネクタ10の”通信I/F”端子を通じてファームウェアデータをデジタルカメラ3に転送し(ステップS64)、図3のフラッシュROM36にファームウェアデータを書き込む(ステップS65)。
更に、別の第三例では図8に示すように、図6によるデジタルカメラ3がクレードル1に接続されてクレードル1が接続を検出した際、あるいは図7に示すクレードル1の開始釦13が押された際に、図2のCPU17が、図2のフラッシュROM18に格納されているファームウェアデータのバージョン番号(版数)を読み出し(ステップS70)、図3のCPU34が、図3のフラッシュROM36に格納されているファームウェアデータのバージョン番号を読み出し(ステップS71)、図2のCPU17が、図2の第一コネクタ10の通信I/F端子経由で、図3のフラッシュROM36のファームウェアデータバージョン番号情報を取得し(ステップS72)、図2のCPU17が、それぞれのファームウェアバージョン番号を比較し(ステップS73)判定し(ステップS74)、図2のフラッシュROM18に格納されているファームウェアデータのバージョン番号の方が新しいバージョンであった場合のみ、図2の第一コネクタの”通信I/F”端子を通じてファームウェアデータをデジタルカメラに転送し、図3のフラッシュROMにファームウェアデータを書き込む(ステップS75)。そうでない場合には書き換えはしない(ステップS76)。
【0012】
図9において、別の第四例を述べる。デジタルカメラ用ファームウェアデータは、図2のクレードル1の第二コネクタ11に接続されるPC2よりクレードル1に対して転送される(ステップS80)。図2の通信I/Fコントローラ16が、PC2とのデータ通信を行い、図2のCPU17を介し、図2のフラッシュROM18に格納する(ステップS81)。尚、図2のフラッシュROM18には異なる複数のデジタルカメラ用ファームウェアデータを格納することが可能であり、図2のフラッシュROM18には、図4に示すメモリ領域のように複数のファームウェアデータを格納することが可能である。図2の表示部14にデジタルカメラ3に書き込むファームウェアデータの名称が表示され、図2の選択釦12を押すことで、書き込むファームウェアを選択する(ステップS82)。図2の第一コネクタ10に、図3で示すデジタルカメラ3が接続されると(ステップS83)、クレードル1は、第一コネクタ10の”書換制御”端子より、デジタルカメラ3がクレードル1に接続されたことを検出する(ステップS84)。デジタルカメラ3が接続されたことを検出したクレードル1は、図2のフラッシュROM18よりデジタルカメラ用ファームウェアデータを読み出し、図2の第一コネクタ10の”通信I/F”端子を通じてファームウェアデータをデジタルカメラ3に転送し(ステップS85)、図3のフラッシュROM36にファームウェアデータを書き込む(ステップS86)。
【0013】
また、図10は更に別の第五例であり、デジタルカメラ用ファームウェアデータは、図2のクレードル1の第二コネクタ11に接続されるPC2よりクレードル1に対して転送される(ステップS90)。図2の通信I/Fコントローラ16が、PC2とのデータ通信を行い、図2のCPU17を介し、ファームウェアデータは図2のフラッシュROM18に格納される(ステップS91)。尚、図2のフラッシュROM18には異なる複数のデジタルカメラ用ファームウェアデータを格納することが可能であり、図2のフラッシュROM18には、図4のように複数ファームウェアデータを格納することが可能である。図2の表示部14にデジタルカメラ3に書き込むファームウェアデータの名称が表示され、図2の選択釦12を押すことで、書き込むファームウェアを選択する(ステップS92)。図2の第一コネクタ10に、図3で示すデジタルカメラ3を接続する(ステップS93)。図2の開始釦13が押されると(ステップS94)、図2のフラッシュROM18よりデジタルカメラ用ファームウェアデータを読み出し、図2の第一コネクタ10の”通信I/F”端子を通じてファームウェアデータをデジタルカメラ3に転送し(ステップS95)、図3のフラッシュROM36にファームウェアデータを書き込む(ステップS96)。
【0014】
また別の第六例では、図11に示すように、図2の第一コネクタ10に、図3で示すデジタルカメラ3を接続する(ステップS100)。図2の開始釦13を押すと(ステップS101)、図2の第一コネクタ10の”通信I/F”端子を通じて、接続されているデジタルカメラ3に対して、  画像転送要求を行う。要求を受けた図3のCPU36は、図3のメモリ35に格納されている撮影済みの画像データを読み出し(ステップS102)、図3のコネクタ39の”通信I/F”端子を経由して、クレードル1に画像データを転送する(ステップS102)。図2のクレードル1は、受け取った画像データを図2のフラッシュROM18に書き込む(ステップS104)。図2のフラッシュROM18には、図5で示されたように、ファームウェアデータとフラッシュROMを共用してデータを書き込む。
【0015】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、デジタルカメラのファームウェア書き換え機能をクレードル装置に持たせることにより、ファームウェア書き換え機能のオブジェクトコードをデジタルカメラのプログラムROMに配置しなくて済み、その分のプログラムROMをそれ以外のデジタルカメラ機能に割り当てることが出来、利用者に対して一つでも多くのデジタルカメラ機能を提供出来る。また、書き換え中の停電等の要因よって、デジタルカメラ内のファームウェア書き換え機能のオブジェクトが削除、或いは破損することがなくなり、利用者に対して安全性の高いファームウェアアップデート機能を提供出来る。また、ファームウェアデータをクレードル装置のフラッシュROMに格納しているので、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
また請求項2では、デジタルカメラのファームウェア書き換え機能をクレードル装置に持たせることにより、ファームウェア書き換え機能のオブジェクトコードをデジタルカメラのプログラムROMに配置しなくて済み、その分のプログラムROMをそれ以外のデジタルカメラ機能に割り当てることが出来、利用者に対して一つでも多くのデジタルカメラ機能を提供出来る。また、書き換え中の停電等の要因よって、デジタルカメラ内のファームウェア書き換え機能のオブジェクトが削除、或いは破損することがなくなり、利用者に対して安全性の高いファームウェアアップデート機能を提供出来る。また、ファームウェアデータをクレードル装置のフラッシュROMに格納しているので、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
また請求項3では、書き換えるファームウェアデータのバージョン番号を比較することで、バージョンアップが不必要な場合は、バージョンアップ作業を自動的に回避でき、無駄作業が無くなり、バージョンアップが必要な場合は、バージョンアップ作業を自動的に行うことが出来、利用者のファームウェアバージョンアップに於ける利便性が向上する。
【0016】
また請求項4では、複数の機能の異なるファームウェアデータをクレードルのフラッシュROMに格納しているので、デジタルカメラのフラッシュROM容量サイズの制限があるデジタルカメラであっても、利用する場面に応じた機能のファームウェアに書き換えて使用することが出来る。そして、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
また請求項5では、複数の機能の異なるファームウェアデータをクレードルのフラッシュROMに格納しているので、デジタルカメラのフラッシュROM容量サイズの制限があるデジタルカメラであっても、利用する場面に応じた機能のファームウェアに書き換えて使用することが出来る。そして、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていればファームウェアバージョンアップが可能となり、例えば外出時にPCを持ち運ばなくとも、ファームウェアアップデートが可能となり、利用者の利便性が向上する。
また請求項6では、クレードルの記録媒体に、デジタルカメラ用ファームウェアだけでなく、デジタルカメラが撮影した画像ファイルを第一コネクタ経由で前記記憶媒体に格納するようにしたことで、クレードルのファームウェア格納用フラッシュROMを、デジタルカメラで撮影した画像データの補助記憶装置として併用することで、PCを持ち合わせていない状況であっても、クレードル装置を持ち合わせていれば、デジタルカメラの画像データを保存することが可能となり、利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラを含めたクレードル装置のシステム構成図である。
【図2】クレードルの構成図である。
【図3】クレードルに接続されるデジタルカメラの構成図である。
【図4】メモリ領域を示す図である。
【図5】メモリ領域を示す図である。
【図6】ファームウェアデータの第一の書き換えフローチャートである。
【図7】ファームウェアデータの第二の書き換えフローチャートである。
【図8】ファームウェアデータの第三の書き換えフローチャートである。
【図9】ファームウェアデータの第四の書き換えフローチャートである。
【図10】ファームウェアデータの第五の書き換えフローチャートである。
【図11】ファームウェアデータの第六の書き換えフローチャートである。
【符号の説明】
1 クレードル、2 PC、3 デジタルカメラ、10 第一コネクタ、11第二コネクタ、12 選択釦、13 開始釦、14 表示部、16 通信I/Fコントローラ、17、34 CPU、18、36 フラッシュROM、35 メモリ、39 コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラと接続可能な第一コネクタ部と、情報処理装置と接続可能な第二コネクタ部と、前記第一コネクタを通じて前記デジタルカメラのファームウェアを書き換える書き換え手段と、前記情報処理装置より前記第二コネクタを通じて前記デジタルカメラの書き換え用ファームウェアを格納する記憶媒体と、を備え、
前記第一コネクタは、前記デジタルカメラを接続することによって、前記記録媒体に格納されている前記デジタルカメラ用ファームウェアを前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とするデジタルカメラ用クレードル装置。
【請求項2】
デジタルカメラと接続可能な第一コネクタ部と、情報処理装置と接続可能な第二コネクタ部と、前記第一コネクタを通じて前記デジタルカメラのファームウェアを書き換える書き換え手段と、前記情報処理装置より前記第二コネクタを通じて前記デジタルカメラの書き換え用ファームウェアを格納する記憶媒体と、前記ファームウェアを前記デジタルカメラに書き込み開始するための操作部と、を備え、
前記操作部を操作することで前記記録媒体に格納されている前記デジタルカメラ用ファームウェアを前記第一コネクタに接続された前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とするデジタルカメラ用クレードル装置。
【請求項3】
クレードルの記録媒体に格納されているファームウェアの版数及び前記クレードルの第一コネクタに接続されたデジタルカメラのファームウェア版数とを比較する版数比較手段を備え、
前記版数比較手段により比較された結果、前記クレードルの前記記録媒体に格納されているファームウェアの版数の方が前記第一コネクタに接続されたデジタルカメラのファームウェア版数に比較して上位版数の場合、前記デジタルカメラのファームウェアを書き換えるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルカメラ用クレードル装置。
【請求項4】
前記クレードルの記録媒体は、前記デジタルカメラ用ファームウェアを複数個格納可能な構成であり、前記記録媒体に格納された複数個のデジタルカメラ用ファームウェアの名称を表示する名称表示手段と、デジタルカメラに書き込むための前記デジタルカメラ用ファームウェアを選択可能なファームウェア選択手段と、を備え、
前記クレードルの第一コネクタに前記デジタルカメラが接続されることによって前記記録媒体に保管されている選択されたファームウェアを前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ用クレードル装置。
【請求項5】
前記クレードルの記録媒体は、前記デジタルカメラ用ファームウェアを複数個格納可能な構成であり、前記記録媒体に格納された複数個のデジタルカメラ用ファームウェアの名称を表示する名称表示手段と、デジタルカメラに書き込むための前記デジタルカメラ用ファームウェアを選択可能なファームウェア選択手段と、を備え、
前記クレードルの操作部が操作されることによって前記記録媒体に保管されている選択されたファームウェアを前記デジタルカメラに対して書き込むようにしたことを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ用クレードル装置。
【請求項6】
前記クレードルの記録媒体は、前記デジタルカメラ用ファームウェアと共に、デジタルカメラが撮影した画像ファイルを第一コネクタ経由で前記記憶媒体に格納するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデジタルカメラ用クレードル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2004−104533(P2004−104533A)
【公開日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−264814(P2002−264814)
【出願日】平成14年9月10日(2002.9.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】