説明

デジタルカメラ

【課題】 水平でない場合の警告を効果的に行うことができるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】 水平角を検出する水平センサ22と、被写体からの光を撮像する撮像素子8と、前記撮像素子からの撮像信号に基づくスルー画像を表示する表示部18と、前記水平センサにより検出された前記水平角が所定範囲外である場合に前記水平角を示す表示を前記スルー画像上に重畳表示する表示制御部20と、カメラ固定装置に取り付けられているか否かを検出する固定装置検出部28と、前記固定装置検出部からの出力に基づいて前記所定範囲を変更する所定範囲変更部4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水平センサを備え、水平センサの出力に基づいて水平面と平行な水平位置を示す表示及び水平角を示す表示を行うカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−222837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このカメラにおいてはどのような撮影条件であっても水平位置を示す表示及び水平角を示す表示を行うため、撮影者にとって煩わしい場合がある等カメラが水平でないことを効果的に警告することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、水平でない場合の警告を効果的に行うことができるデジタルカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るデジタルカメラは、水平角を検出する水平センサと、被写体からの光を撮像する撮像素子と、前記撮像素子からの撮像信号に基づくスルー画像を表示する表示部と、前記水平センサにより検出された前記水平角が所定範囲外である場合に前記水平角を示す表示を前記スルー画像上に重畳表示する表示制御部と、カメラ固定装置に取り付けられているか否かを検出する固定装置検出部と、前記固定装置検出部からの出力に基づいて前記所定範囲を変更する所定範囲変更部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るデジタルカメラによれば、水平ではない場合の警告を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのモニタにおける表示を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのモニタにおける表示を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのモニタにおける表示を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのモニタにおける表示を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのモニタにおける表示を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのモニタにおける表示を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの画像認識を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。図1は、実施の形態に係るデジタルカメラのシステム構成を示すブロック図である。デジタルカメラ2はCPU4、CCD或いはCMOS等により構成され、撮像光学系6を介した被写体光を撮像して撮像信号を生成する撮像素子8を備える。CPU4には、撮像素子8を駆動し露光時間の制御等を行う撮像制御部12、撮像素子8から出力される撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を増幅すると共にA/D変換を行うことにより画像データを生成する映像処理回路13、撮像素子8から出力された撮像信号に基づいて映像処理回路13により生成された画像データを記憶するバッファメモリ10、図示しないカードスロットに着脱可能に構成され撮影画像データや種々のデータを記録するメモリカード14へのデータの記録制御及びデータの読出制御を行うメモリ制御部16、スルー画像の表示や水平面と平行な水平位置の表示、水平角の表示を行うモニタ18の表示制御を行うモニタ制御部20、3軸の地磁気センサ等により構成されデジタルカメラ2の水平角や仰角、俯角を検出する傾きセンサ22、CPU4が行う処理に用いられるプログラム等を格納する不揮発メモリ24、操作検出部26、角速度センサ等により構成されるブレ検出センサ28、ズーム制御部30、フォーカス制御部32、絞り制御部34、シャッタ制御部36、防振制御部38が接続されている。ここで、操作検出部26には電源スイッチ40、レリーズスイッチ42等の操作スイッチが接続され、操作スイッチを用いた撮影者の操作指示に基づく操作情報が操作検出部26からCPU4へ伝達される。
【0010】
また、撮影光学系6は、ズームレンズ44、フォーカシングレンズ46、絞り48、シャッタ50、防振用レンズ52を備えている。ここで、ズーム制御部30はズームレンズ44を駆動し撮影画角の変更を行い、フォーカス制御部32はフォーカシングレンズ46を駆動し合焦を行い、絞り制御部34は絞り48を駆動し撮影光学系6を通過する光の光量の調整を行い、シャッタ制御部36はレリーズスイッチ42を用いた撮影者の操作指示に基づいてシャッタ50を駆動し露光時間の制御を行う。また、防振制御部38は、ブレ検出センサ28により検出されたデジタルカメラ2のブレに基づいて、ブレを打ち消すように防振用レンズ52を駆動する。なお、ブレ検出センサ28により検出されるブレが三脚に固定した場合の特有の周波数を有するときにはCPU4はデジタルカメラ2が三脚に固定されていると判断し、それ以外の場合には撮影者がデジタルカメラ2を手に持っている状態、所謂手持ち状態であると判断する。
【0011】
次に、図2及び図3に示すフローチャートを参照して本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの処理について説明する。電源スイッチ40により電源がオンにされると、CPU4はシステムを初期化し(ステップS1)、モニタ制御部20を制御してモニタ18にスルー画像を表示させる。ここで、CPU4は、撮像素子8から出力されバッファメモリ12に記憶された画像データに基づくスルー画像を表示させる(ステップS2)。
【0012】
また、CPU4は撮影準備動作を行う。即ち、CPU4は、被写体光の輝度レベルに基づいて絞り制御部34を制御して絞り48を駆動させると共にシャッタ制御部36を制御して自動露出制御(AE)を行い(ステップS3)、被写体光の色温度に基づいてオートホワイトバランス制御(AWE)を行い(ステップS4)、スルー画像におけるコントラストに基づいてフォーカス制御部32を制御してフォーカシングレンズ46を駆動させオートフォーカス制御(AF)を行う(ステップS5)。
【0013】
次に、CPU4は傾きセンサ22により検出されたデジタルカメラ2の水平角を取得する(ステップS6)。ここで、デジタルカメラ2の水平角は、撮像素子8の受光面に平行な面内におけるデジタルカメラ2の傾きを示す。また、デジタルカメラ2の仰角及び俯角は、撮像素子8の受光面に垂直な直線が水平面となす角度であり、デジタルカメラ2の撮影方向が上方である場合には仰角、下方である場合には俯角として表す。
【0014】
また、CPU4は、水平が重要である撮影シーンであるか否か、及び傾きセンサ22からの出力に基づいてデジタルカメラ2の仰角または俯角が第1所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS7)。ここで、撮影シーンの解析は、撮像素子8からの出力に基づく画像における人物の顔の有無、被写体の色、明るさ、コントラスト、被写体距離、被写体の動き等の検出により行う。
【0015】
撮影シーンの解析により景色等、水平が重要である撮影シーンであり、かつ仰角または俯角が第1所定範囲内であると判断した場合には、CPU4は、デジタルカメラ2が三脚に固定されているか、手持ち状態であるかを判断する(ステップS8)。即ち、CPU4はブレ検出センサ28から出力に基づくブレの周波数が、デジタルカメラ2を三脚に固定した場合に特有の周波数であるか、手持ち状態の場合に検出される周波数であるかを判断する。
【0016】
三脚に固定されていると判断した場合には、CPU4は水平でないことを警告する水平角の範囲(第2所定範囲)を2°など狭角に設定する(ステップS9)。一方、手持ち状態であると判断した場合には、CPU4は第2所定範囲を5°など広角に設定する(ステップS10)。
【0017】
次に、CPU4は、傾きセンサ22により検出された水平角が第2所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS11)。ここで、傾きセンサ22により検出された水平角がデジタルカメラ2により通常の横位置撮影を行う場合の0°を基準にして第2所定範囲内である場合だけでなく、縦位置撮影を行う際の水平角である90°または270°を基準にして第2所定範囲内である場合にも、CPU4は第2所定範囲内であると判断する。また、通常の横位置撮影から180°回転させた状態、即ち、傾きセンサ22により検出された水平角が180°である状態を基準にして第2所定範囲内である場合にも、CPU4は第2所定範囲内であると判断する。
【0018】
デジタルカメラ2の水平角が第2所定範囲内であると判断した場合には、CPU4はモニタ制御部20を制御して、モニタ18のスルー画像上に水平面と平行な水平位置を示す水平ライン54を重畳表示させる設定を行う(ステップS12)。例えば、水平角が0°であり、図4に示すスルー画像がモニタ18に表示される場合において、デジタルカメラ2の水平角が2°であり、かつ、手持ち状態であるときにはCPU4は、図5に示すような水平ライン54を表示させる設定を行う。ここで、水平ライン54は水平面と平行な水平位置を示している。また、このときCPU4は、水平ラインを例えば白色で表示させる設定を行う等、警告表示をさせない設定を行う。なお、図6に示すように縦位置撮影の場合にはCPU4は、水平ライン54の表示方向を横位置撮影の場合とは変更させ縦位置撮影用の水平ライン54を表示させる設定を行う。また、CPU4は、後述するトリミング補正モードを解除する(ステップS13)。なお、CPU4は水平角を示す表示については、非表示とする設定を行う。
【0019】
一方、デジタルカメラ2の水平角が第2所定範囲外であると判断した場合には、CPU4は、スルー画像上に図7に示すような水平ライン54を重畳表示させる設定を行う(ステップS14)。このとき、デジタルカメラ2の水平角が2°以上であり、かつ、三脚に固定された状態であるときにはCPU4は、図7に示すような水平ライン54を例えば赤色で表示させる等、デジタルカメラ2の水平角が第2所定範囲内である場合と表示方法を変更させることにより警告表示を行わせる設定を行う。
【0020】
また、CPU4は、図7に示すようなデジタルカメラ2の水平角を示す表示をモニタ18のスルー画像上に重畳表示させる設定を行う(ステップS15)。即ち、CPU4は、水平目標ライン56及びデジタルカメラ2の傾きを補正すべき方向・補正量を示す矢印58をスルー画像上に重畳表示させる設定を行う。ここで、水平目標ライン56は、モニタ18の上辺及び下辺に対して水平な半直線であり、デジタルカメラ2の水平角が0°となった場合に水平ライン54が表示される位置を示している。また、矢印58の大きさは補正量を示し、CPU4は水平角が大きいほど矢印58の長さを長く表示させてもよいし、水平角が大きいほど矢印58の太さを太く表示させてもよい。また、CPU4は、後述するトリミング補正モードをセットする(ステップS16)。
【0021】
ステップS7において撮影シーンの解析や不図示のカメラの撮影方向を検出するセンサ、例えば地軸センサ等により花等のマクロ撮影、雲や空の上方の撮影、花壇やペット等の下方の撮影で、水平が重要ではない撮影シーンであると判断した場合、または、仰角または俯角が第1所定範囲外であると判断した場合には、CPU4は、モニタ18のスルー画像上における水平ライン54を非表示とする設定を行う(ステップS17)。また、CPU4は、水平角を示す表示については、非表示とする設定を行う。また、CPU4は、後述するトリミング補正モードを解除する(ステップS18)。
【0022】
次に、CPU4はモニタ制御部20を制御して、上述の設定に基づいて水平ライン54、水平目標ライン56及び矢印58をモニタ18のスルー画像上に重畳表示させる(ステップS19)。
【0023】
次に、CPU4はレリーズスイッチ42の半押し操作が行われたか否かを判断する(ステップS20)。レリーズスイッチ42の半押し操作が行われたと判断した場合には、CPU4は、撮影準備動作を行う。即ち、CPU4は、被写体光の輝度レベルに基づいて絞り制御部34を制御して絞り48を駆動させると共にシャッタ制御部36を制御して自動露出制御(AE)を行い(ステップS21)、被写体光の色温度に基づいてオートホワイトバランス制御(AWE)を行い(ステップS22)、スルー画像におけるコントラストに基づいてフォーカス制御部32を制御してフォーカシングレンズ46を駆動させオートフォーカス制御(AF)を行う(ステップS23)。
【0024】
次に、CPU4は、レリーズ指示が行われたか否か、即ち、レリーズスイッチ42の全押し操作が行われたか否かを判断する(ステップS24)。全押し操作が行われたと判断した場合には、CPU4は撮像制御部12及びシャッタ制御部36を制御して、被写体の撮影を行う(ステップS25)。
【0025】
次に、CPU4は、上述のステップS13、S16またはS18に示す処理においてトリミング補正モードがセットされているか否かを判断する(ステップS26)。トリミング補正モードがセットされていると判断した場合には、CPU4は傾きセンサ22により検出された水平角に基づいてトリミング角を設定し(ステップS27)、設定したトリミング角に基づいて撮影画像のトリミング処理を行う(ステップS28)。また、CPU4はメモリ制御部16を制御して、トリミング処理を行った後の撮影画像データをメモリカード14に記録させる(ステップS29)。
【0026】
例えば、図8に示すように手持ち状態において水平角が5°など第2所定範囲外である場合、即ちモニタ18のスルー画像上に警告表示が行われている場合において、レリーズスイッチ42の全押し操作が行われると、CPU4は、図9に示すように領域60外のトリミング処理を行う。そして、CPU4はメモリ制御部16を制御して、領域60の画像データを撮影画像データとしてメモリカード14に記録させる。
【0027】
ステップS26においてトリミング補正モードがセットされていないと判断した場合には、CPU4はメモリ制御部16を制御して、トリミング処理を行わせずに撮像画像データをメモリカードに記録させる(ステップS29)。
【0028】
ステップS24においてレリーズスイッチ42の全押し操作が行われなかった場合には、CPU4は、その後レリーズスイッチ42の半押し操作が行われたか否かを判断する(ステップS30)。レリーズスイッチ42の半押し操作が行われた場合にはステップS24に示す処理を継続し、レリーズスイッチ42の半押し操作が行われなかった場合にはステップS3に示す処理に戻る。
【0029】
また、ステップS20においてレリーズスイッチ42の半押し操作が行われなかった場合には、CPU4は電源スイッチ40の操作が行われたか否かを判断する(ステップS31)。電源スイッチ40の操作が行われたと判断した場合には、CPU4はデジタルカメラ2の電源をオフとし(ステップS32)、処理を終了する。一方、電源スイッチ40の操作が行われなかったと判断した場合にはステップS3に示す処理に戻る。
【0030】
本実施の形態に係るデジタルカメラによれば、水平ではない場合の警告を効果的に行うことができる。
【0031】
また、撮影者が意図せずにデジタルカメラが水平でない状態となった場合に、撮影が行われると水平角に基づいてトリミング処理を行うことができる。また、デジタルカメラが水平でない状態において警告表示を行うため、撮影者がデジタルカメラの傾きを直した後に撮影を行うことができる。従って、失敗写真が撮影されることを防ぐことができる。
【0032】
また、雲や地面を撮影する場合等、撮影者が意図してデジタルカメラを傾けた場合には水平角を示す表示を停止するため、撮影者にとって警告表示が煩わしくなることを防ぐことができる。また、マクロ撮影や上方、下方に向けた撮影時、トリミング補正を自動的に解除するため、誤って画像が切り取られてしまう危険を排除できる。
【0033】
なお、上述の実施の形態においては、傾きセンサ22により検出された仰角または俯角が第1所定範囲外である場合に水平ラインの表示を停止する構成としたが、仰角または俯角が第1所定範囲外であることを撮影シーン解析により検出してもよい。例えば、CPU4は、雲を撮影していると解析した場合には仰角が第1所定範囲外であるとし、地面を撮影していると解析した場合には俯角が第1所定範囲外であるとし、水平ラインの表示を停止する。
【0034】
また、撮影方向が上方である場合の第1所定範囲、即ち仰角についての第1所定範囲と、撮影方向が下方である場合の第1所定範囲、即ち俯角についての第1所定範囲とを、同一の範囲としてもよいし、仰角についての第1所定範囲と俯角についての第1所定範囲とを異なる範囲としてもよい。同一の範囲とする場合には、仰角についての第1所定範囲と俯角についての第1所定範囲とをそれぞれ5°や10°、30°などとすることができ、同一の範囲であればこれらの値に限られるものではない。また、異なる範囲とする場合には、仰角についての第1所定範囲を10°とし俯角についての第1所定範囲を5°としてもよいし、仰角についての第1所定範囲を5°とし俯角についての第1所定範囲を10°としてもよいし、仰角についての第1所定範囲を10°とし俯角についての第1所定範囲を30°としてもよいし、仰角についての第1所定範囲を30°とし俯角についての第1所定範囲を10°としてもよい。また、異なる範囲であればこれらの値に限られるものではない。
【0035】
また、上述の実施の形態においては、水平角が所定値以上である場合にレリーズスイッチ42の全押し操作がされると、トリミング処理を行ってメモリカード14に記録させる構成としたが、トリミング処理を行わずに撮影画像データ及び水平角データをメモリカード14に記録させる構成としてもよい。この場合には、CPU4は、水平角データを撮影画像データのExif形式等のファイルのタグデータ内にメタデータとして含めてメモリカード40に記録させる。従って、撮影画像の再生を行う際に水平角データを用いてトリミング処理を行って再生を行うことができる。
【0036】
また、上述の実施の形態においては、水平角が第2所定範囲内である場合にも第2所定範囲外である場合にも水平ライン54を表示させる構成としたが、水平角が第2所定範囲内の場合には水平ライン54を表示させない構成としてもよい。この場合には、水平角が第2所定範囲外の場合にのみ水平ライン54を表示させてもよいし、水平角が第2所定範囲外の場合にも水平ライン54を表示させず、水平目標ライン56または矢印58のうち少なくとも一方を表示させてもよい。
【0037】
また、上述の実施の形態においては、ブレ検出センサ28からの出力に基づいて三脚に固定されていることを判断する構成としたが、メニュー画面等において三脚に固定する三脚モードが予め設定された場合に三脚に固定されていると判断する構成としてもよい。また、自動車や電車等の揺れる乗り物から撮影する場合の揺れをブレとして認識するアクティブモードを設定可能な構成としてもよい。この場合には、乗り物が揺れている場合であっても、デジタルカメラ2が三脚に固定されているか、手持ち状態であるかを適切に検出することができ、図2及び図3のフローチャートに示す処理によって水平の表示及び水平でないことの警告を適切に行うことができる。
【0038】
また上述の実施形態においては、カメラにはトリミング補正モードがセットされない自動補正禁止モードを持たせても良い。これにより、不本意に画像が切り取られてしまうことが防止できる。
【0039】
また、上述の実施の形態においては、傾きセンサ22の出力に基づいて水平角を検出する構成としたが、図10に示すように画像認識を行うことにより水平角を検出する構成としてもよい。この場合には、CPU4は、撮像素子8の出力に基づく画像において建物や樹木等を検出し、建物や樹木等を基準にして水平角を検出する。即ち、CPU4は、図10に示すように建物と地面が接する部分を水平面に平行な直線62、建物の側壁に平行な面を水平面に垂直な面64、樹木の幹を水平面に垂直な直線66として検出し、直線62、66及び面64のうちの少なくとも1つの直線とのずれを水平角として検出する。
【0040】
また、上述の実施の形態においては、カメラ固定装置として三脚を用いる構成を例に説明したが、一脚や雲台を用いる構成としてもよい。また、デジタルカメラ2を建物等の壁面や天井、地面に固定された台に接着または螺着することにより固定する構成としてもよい。これらの場合においても、CPU4はブレ検出センサ28からの出力に基づくブレの周波数が、デジタルカメラ2をカメラ固定装置に固定した場合に特有の周波数であるか、手持ち状態の場合に検出される周波数であるかを判断することにより、図2及び図3のフローチャートに示す処理によって水平の表示及び水平でないことの警告を適切に行うことができる。また、これらのカメラ固定装置にデジタルカメラ2が固定されていることをメニュー画面等において設定してもよい。
【符号の説明】
【0041】
2…デジタルカメラ、4…CPU、8…撮像素子、18…モニタ、20…モニタ制御部、22…傾きセンサ、28…ブレ検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平角を検出する水平センサと、
被写体からの光を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子からの撮像信号に基づくスルー画像を表示する表示部と、
前記水平センサにより検出された前記水平角が所定範囲外である場合に前記水平角を示す表示を前記スルー画像上に重畳表示する表示制御部と、
カメラ固定装置に取り付けられているか否かを検出する固定装置検出部と、
前記固定装置検出部からの出力に基づいて前記所定範囲を変更する所定範囲変更部と
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記カメラ固定装置は、三脚であることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記水平センサからの出力に基づいて水平面と平行な水平位置を示す表示を前記スルー画像上に重畳表示することを特徴とする請求項1または2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記固定装置検出部からの出力に基づいて前記水平位置の表示方法を変更することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
撮影シーンを設定する撮影シーン設定部を備え、
前記表示制御部は、前記撮影シーンに応じて前記水平角を示す表示を行わないことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
仰角及び俯角を検出する仰俯角センサを備え、
前記仰俯角センサにより検出された前記仰角または前記俯角が一定値以上である場合には、前記表示制御部は、前記水平角を示す表示を行わないことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記水平角が所定範囲外である場合に前記撮像素子により撮像した撮影画像に対してトリミング処理を行う画像処理部を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−12978(P2013−12978A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145289(P2011−145289)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】