説明

デジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット

【課題】従来のテレビには、見る人を見守るホームセキュリティー機能がなかったが、テレビの設置場所は、みんなから見える場所、すなわちテレビの設置場所からは、みんなを見守ることができる位置特性を活かし、通信ネットワークを活用してホームセキュリティーシステムを実現する。
【解決手段】テレビ画面上部に待機電力で常時作動する非常事態感知複合型マイコンセンサーで感知した一次非常事態信号により、すべてのセキュリティーシステムを起動してデジタルカメラ、超音波ソナー、通常生活補正装置、非常事態判定装置、テレビ自動起動装置、発信地表示器、映像付電話自動通報装置、自動復旧装置およびデータ記録装置で構成したデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット本体を設け、電話回線等の通信ネットワークに接続し、非常事態画像付自動通報によりホームセキュリティーシステムを構築した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビを見る人を見守る頭脳と非常事態時に自動通報行動をする知脳を持ったデジタルテレビによるホームセキュリティーシステムユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の地デジ双方向サービスには、アンケートやクイズ番組の参加があるが、ホームセキュリティー機能はない。
【0003】
仕事や外出後の家に残した子供や故郷で離れて暮らす家族や高齢者、実家を離れ一人で暮らす女性の健康状態や安否の確認は電話や訪問に頼っている現状であり、火災、急病、犯罪被害、孤独死など発見の遅れが社会問題となっている。
【0004】
監視カメラの記録データが犯罪捜査の手がかりとなった事件が数多く報道され証拠となっている。
【0005】
住宅用火災警報器の設置が義務化されたが、天井など高い場所に設置しなければならいことや住宅用火災警報器が単独機器であり設置促進が遅れている。
【0006】
デジタルテレビは、諸外国でも高性能高画質商品が安価で製造販売輸入されている現状にあり、日本がデジタルテレビに世界標準となる独自の高機能技術、付加価値を持たせなければ家電業界全体の衰退が危惧されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のテレビには、見る人を見守るホームセキュリティー機能がなかったが、テレビの設置場所は、みんなから見える場所、すなわちテレビの設置場所からは、みんなを見守ることができる位置特性を活かし、テレビ内に非常事態を的確に感知できるデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニットを内蔵し、通信ネットワークを活用してホームセキュリティーシステムを実現することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するためにテレビ画面上部に非常事態感知複合型マイコンセンサー、デジタルカメラ、超音波ソナー、通常生活補正装置、非常事態判定装置、テレビ自動起動装置、発信地表示器、映像付電話自動通報装置、自動復旧装置およびデータ記録装置で構成したデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット本体を設け、電話回線等の通信ネットワークに接続したものである。なお、映像付電話自動通報装置は電話と写メールを融合したものである。
【0009】
課題解決手段に用いる非常事態感知複合型マイコンセンサーは、待機電力でも常時作動する赤外線サーモセンサー、パッシブソナー聴音機、マイクで構成したものである。
【0010】
的確に非常事態を判定するための動作は次の通りである。すなわち、上記の非常事態感知複合型マイコンセンサーで感知した一次非常事態信号によりデジタルカメラの連写および超音波ソナーを作動させ、非常事態判定装置で以下に示す項目ごとに総合判定するものである。
【0011】
火災の感知は、赤外線サーモセンサーで室温の上昇率と延焼拡大速度による感知とパッシブソナー聴音機およびマイクで火災特有の燃焼音を検出し、デジタルカメラの連写による映像変化と超音波ソナーによる位置変化で複合的に判断することにより、通常生活おけるガスコンロなど調理器具の使用やライター、タバコ、マッチ、ろうそく、エアコン、暖房器具、季節、天候などの変化を通常生活補正装置の蓄積機能によりフィルタリング排除してある。
また、内壁や家財等の固定物は圧縮データとして非常事態感知時の作動を軽くしてある。
【0012】
地震の感知は、パッシブソナー聴音機およびマイクで地震特有の地震音を検出し、デジタルカメラの連写による映像の揺れを確認し震度4以上を検出する。
【0013】
急病の感知は、熱中症やウイルス感染による体温上昇や出血、病状悪化などによる低体温症状を赤外線サーモセンサーで検出し、助け声をパッシブソナー聴音機およびマイクで検出する。
【0014】
寝たきり状態又は死亡の感知は、通常生活範囲を超えるテレビの付けっぱなし又は見ない状況を判断する。なお、旅行などで長期にテレビを付けない場合は、この機能を停止できる。
【0015】
犯罪の感知は、悲鳴、破壊音、暴力行為をパッシブソナー聴音機およびマイク検出し、デジタルカメラの連写で判定する。なお、この機能によりテレビやラジオ番組の犯罪音は排除する。
【0016】
以上の方法で非常事態を判定し、テレビを起動してスピーカーから警報音声を発し、本人および周囲の人々に知らせるとともに予め登録した家族等の携帯電話や公共機関、警備会社等へ非常事態警報音声と住所およびカメラ映像をリアルタイムで自動通報するデジタルテレビ双方向機能の新たな活用形態で、受信者は音声と映像で非常事態を的確に把握できる。
【0017】
自動復旧は、リモコンのどのボタンを押しても復旧できるものである。なお、犯罪者が復旧操作やテレビ自体を破壊した場合でも通報先に非常事態画像等のデータが有り対処できるものである。
【発明の効果】
【0018】
上述したように本発明のデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニットは、生活必需品であるテレビがホームセキュリティー機能を持ったことで見る人の容態確認が迅速に行え、自動通報で見守る人が必要な救助救命対策を講じることにより、生命身体の保護と高い安心安全を提供するものである。
【0019】
自動通報の受信者は、非常事態の状況を音声と映像で確認できるので、遠隔地からでも迅速適切な119、110番等の通報対処が確実にできるという効果を発揮する。
【0020】
本発明を内蔵したテレビは、住宅用火災警報器の要件を具備しているので、住宅用火災警報器の設置促進が図られる。
【0021】
本発明システム導入により消防、警察や警備会社への即時直接通報体制が構築できる。
【0022】
掛かりつけの医療機関、身近な社会福祉機関、介護サービスセンター、民生委員などへも個人情報の保護に配慮した通報先として設定できる。
【0023】
本発明によるホームセキュリティーシステムの普及で、ユニット本体および通報先に記録した非常事態のメモリー機能は犯罪捜査の有力な証拠であり、犯罪防止の抑止力になる効果を発揮するものである。
【0024】
本発明は、通信ネットワークを活用していることから、世界中のどこの地域でもホームセキュリティーシステムを実現することができ、日本独自開発のデジタルテレビの世界標準技術となるものである。
【発明の実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0026】
図においては、火災発生をテレビ画面上部に設置したデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット1内のテレビ待機電力でも常時作動している非常事態感知複合型マイコンセンサー2が検出し、すべてのセキュリティーシステムを起動してデジタルカメラ3で室内を連写するとともに超音波ソナー4からの非常信号を含め、非常事態判定装置で火災と総合判定し、テレビをONにしスピーカー5から「火事です、火事です」と警報音声で寝ている人6に知らせるとともに映像付電話自動通報装置から電話回線7を使用して家族の携帯電話8にデジタルカメラ3で撮影した室内画像9と住所表示10を添付した自動通報をする。
【0027】
通報を受信した家族は、携帯電話8の室内画像9と住所表示10を見て遠隔地からでも迅速適切な119番通報11等の対処が確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 本発明の実施形態を示す火災を事例としたデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニットのイメージ図
【符号の説明】
【0029】
1 デジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット本体。
2 テレビの待機電力でも常時作動する赤外線サーモセンサー、パッシブソナー聴音機、マイクで構成した非常事態感知複合型マイコンセンサー。
3 非常事態総合判定と画像伝送に使用するデジタルカメラ。
4 人体状況および非常事態総合判定に使用する超音波ソナー。
7 本発明のセキュリティーシステムを構築するための通信ネットワークとして電話回線の使用例を示した。
通信ネットワークには、この他にインターネット回線、地上デジタル・衛星デジタル回線がある。
10 正確な119番通報等をするために必要なテレビの設置住所を発信地表示器に登録した住所表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ内に火災、地震、急病、犯罪、死亡などの非常事態感知部とデジタルカメラ映像付自動通報装置からなるセキュリティーシステムを組み込んだことを特徴とするデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット。
【請求項2】
前記セキュリティーシステムの自動通報回線が電話回線、インターネット回線、地上デジタル・衛星デジタル回線であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット。
【請求項3】
前記セキュリティーシステムがユニットであり、既存テレビやテレビメーカーを問わずに組み込みできることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット。
【請求項4】
前記非常事態感知部の電源が、待機電力で賄う省エネであることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット。
【請求項5】
前記セキュリティーシステムユニットをパソコン又はエアコンに取り付けたことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載のデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット。
【請求項6】
前記デジタルテレビホームセキュリティーシステムユニットが住宅用火災警報器であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載のデジタルテレビホームセキュリティーシステムユニット。

【図1】
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【公開番号】特開2012−43392(P2012−43392A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196148(P2010−196148)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(507067320)
【Fターム(参考)】