デジタル地図の提示
本発明は、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法、地図提供デバイス、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品に関する。オブジェクト(O1)及びこのオブジェクトの第1の位置(P1)は、基準位置(RP)及び第1の位置(P1)を含むデジタル地図(M1)と共に取得される。一方の端が基準位置に接続され且つ他方の反対側の端が第1の位置に接続される線(L1)が決定される。次に、基準位置を含むデジタル地図の地域(A1)が提示される。第1の位置(P1)が地域の外側にある場合、地域にわたり延在する線の部分(L1A)が提示される。第1の位置(P1)が地域の外側にない場合、線は提示されない。提示される際の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末を介してデジタル地図を提示することに関する。特に本発明は、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法、地図提供デバイス、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル地図は、ユーザが地理的コンテキストで人、乗り物、動物、所在地、会社又は他の地点情報との関係を自然な方法で提示するために種々のアプリケーションで使用するのに益々普及してきている。
【0003】
位置を含む画像の提示は、Flickr及びPanoramio等の多くのアプリケーションで使用される。
【0004】
地図上で複数のオブジェクトをレンダリング又は提示する際、特にユーザ自身の位置等の基準位置と共にレンダリングされる際は地図におけるズームレベルが地図中の全てのオブジェクトをレンダリングするように設定される場合であり、情報レベル(例えば、地理的な)が非常に低くなることにより、ユーザにとって地図でナビゲートし且つ関連付けるのが困難になる。
【0005】
この問題を改善する種々の方法がある。1つの方法は、高いズームレベルの地図と共に低いズームレベルの縮小地図を表示する方法である。別の方法は、基準位置が発見される可能性のある方向を指し示す地図上の矢印をレンダリングする方法である。更に別の方法は、種々のオブジェクトを含むリストをレンダリングする方法であり、地図は、再度レンダリングされ、地図が範囲に含むべきリスト中のオブジェクトを選択することにより種々のオブジェクトを範囲に含む。
【0006】
特に画面が相対的に小さい場合、これらの種々の方法は、どれもユーザの使い易さに関連した問題を有する。一般的な問題は、ユーザが地図で「迷う」ことにより、地図を提供するサービスに関して苛立ち及び不満を感じるようになることである。
【0007】
また、一般に既存の解決方法は、ズームレベルを調整し且つ地図を手動でパンすることにより、自身の位置を再配置したりあるいは発見したりするユーザに向けた解決方法を提供する。あるいは、1つ以上のオブジェクトは強調表示されてもよい。
【0008】
従って、この技術の分野を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、デジタル地図を提示することに関連してユーザの使い易さを向上させることに関する。
【0010】
従って、本発明の1つの目的は、ユーザ端末の地図提示ユニットを介して地図をユーザにとってより使い易く提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明の第1の態様に従って、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法により達成される。方法において、第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置が取得される。また、基準位置及び第1の位置を含むデジタル地図が取得される。第1の線が更に決定される。この第1の線は、一方の端が基準位置に接続され、他方の反対側の端が第1の位置に接続される。そして、基準位置を含むデジタル地図の地域が提示される。第1の位置がその地域の外側にある場合、その地域において延在する第1の線の部分が提示される。他の場合、すなわち第1の位置が地域の内側にある場合、第1の位置は提示されない。提示される際の第1の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【0012】
第1の線の外観は、線の種々の色及び/又は強度、並びに種類を使用することにより、基準位置と第1の位置との間の距離に依存してもよい。外観は、線の形状に対する種々の影響、例えば種々の太さ、線が点線である場合は線の短点間の種々の距離、線が蛇行している場合は空間蛇行の周波数により、あるいは線が湾曲している場合は線の曲率により、基準位置と第1の位置との間の距離に更に依存してもよい。
【0013】
目的は、本発明の第2の態様に従って、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイスにより達成される。この地図提供デバイスは、第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置、並びに基準位置及び第1の位置を含むデジタル地図を取得するように構成される地図提示制御ユニットを備える。地図提示制御ユニットは、一方の端が基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、基準位置を含むデジタル地図の地域を提示するように更に構成される。第1の位置が地域の外側にある場合、地図提示制御ユニットは、地域において延在する第1の線の部分を提示するように構成される。他の場合、すなわち第1の位置が地域の内側にある場合、第1の線は、地図提示制御ユニットにより提示されない。提示される際の第1の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【0014】
地図提供デバイスは、ユーザ端末がネットワーク通信インタフェースを介して通信する地図サーバであってもよい。あるいは、地図提供デバイスは、ユーザ端末であってもよく、ユーザ入力ユニットを更に備える。ユーザ端末は、例えば、本明細書において携帯電話又はナビゲーションデバイスである。地図提供デバイスは、他のデバイスと通信するネットワーク通信インタフェースを更に備えてもよい。
【0015】
この目的は、本発明の第3の態様に従って、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイス上で実行される場合に地図提供デバイスにより、第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置、並びに基準位置及び第1の位置を含むデジタル地図を取得するコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムにより達成される。更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、一方の端が基準位置に接続され他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、基準位置を含むデジタル地図の地域を提示する。第1の位置が地域の外側にある場合、地域において延在する第1の線の部分が提示され、他の場合、すなわち第1の位置が地域の内側にある場合、第1の線は提示されない。提示される際の第1の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【0016】
上述の目的は、本発明の第4の態様に従って、第3の態様に係るコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムが格納されるコンピュータ可読媒体とを備えるコンピュータプログラム製品により達成される。
【0017】
本発明は多くの利点を有する。第1の線を使用することにより、ユーザが実際にこのオブジェクトを確認することなく第1のオブジェクトまでの距離の表示を得ることが可能である。このように、ユーザは、地図提示ユニットを介してレンダリングされない地点情報を適切に認識することができる。また、第1の線を提供することにより、第1のオブジェクトが配置される方向を識別することが更に可能である。これは、分かりやすい地図情報をユーザに提供するような、すなわちユーザが地図上で他のオブジェクトを識別できるようにするように構成される地図解像度で、地域を提供することと共に、実行される。このように、ユーザは、自身が理解できる距離情報及び地図情報の双方を取得する。
【0018】
第1の線の外観の基準位置と第1の位置との間の距離に対する依存性は、距離データを第1の線の形状に符号化することにより実行される。
【0019】
本発明の一変形例によると、第1の線は、基準位置から第1の位置の方向に第1の線成分及びこの方向に対して垂直な第2の線成分を有する。距離を反映する距離データは、本明細書において第2の線成分に符号化される。このように、第1の線成分を介した方向及び第2の線成分を介した距離を示すことが可能である。これは、距離及び方向の双方を示す場合に有効且つ効率的な方法である。
【0020】
第1の線は、本明細書において湾曲してもよく、距離は、基準位置と第1の位置との中間に提供される基準位置と第1の位置との間の湾曲した第1の線と直線の基準線との間の最大の高さにより第2の線成分に符号化される。更に最大の高さは、デジタル地図の大きさに関連して予め決定されてもよく、基準位置と第1の位置との間の距離に依存しなくてもよい。これにより、距離データを線に符号化する理解しやすい方法を提供する。距離は、ユーザが基準位置において曲線と基準線との間の角度を検査することにより推定されてもよい。
【0021】
第2の線成分を符号化する別の方法は、距離を示す空間蛇行周波数で蛇行している第1の線を介した方法である。
【0022】
空間蛇行周波数は、本明細書において距離に反比例したものとすることができる。
【0023】
第2の線成分に符号化する更に別の方法は、第1の線の太さを変動させることである。距離は、本明細書において第1の線の太さに反比例したものとすることができる。
【0024】
線の形状へと符号化することは、例えば破線、点線、一点鎖線等の種々の線を選択し、且つそのような線において長点間及び/又は短点間の距離を変動させることによる符号化の線の種類であってもよい。
【0025】
線の色又は線の強度の符号化を使用することにより、第1の線の外観を基準位置と第1の位置との間の距離に依存させることが更に可能である。これは、距離を表す強度及び/又は色を含む線を表示することにより実行され得る。
【0026】
本発明の別の変形例によると、方法は、基準位置と第1の位置との間で延在し、第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提示された地域で提供するステップと、ユーザ入力領域でユーザ入力を検出するステップと、検出されたユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するステップとを更に備える。
【0027】
この変形例によると、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、基準位置と第1の位置との間で延在し第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提示された地域で提供し、前記ユーザ入力領域で検出されるユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するように更に構成される。
【0028】
本発明のこの変形例によると、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、基準位置と第1の位置との間で延在し、第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提示された地域で提供し、前記ユーザ入力領域で検出されるユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行する。
【0029】
これにより、基準位置及び第1の位置に対して実行されることに関連して地図選択機能を容易に且つユーザにとって使い易く選択できる。
【0030】
地図選択機能は、提示される地域における変化とすることができる。そのような変化は、たとえば、基準位置及び第1の位置の双方を提示するためにズームアウトすることであってもよい。また、それは、第1の位置を範囲に含む地域を提示し、この地域で第1のオブジェクトを提示するために、デジタル地図をパンすることであってもよい。さらに、それは、第1のオブジェクトに関連した更なるデータを提示すること、または第1のオブジェクトと関連付けられたデバイスとの通信を開始することであってもよい。
【0031】
本発明の別の変形例によると、第1のオブジェクトに関連し、第1のオブジェクトに従属する第2のオブジェクトが存在する。
【0032】
そのような従属オブジェクトは、第1のオブジェクトと関連付けられた実体に従属する実体と関連付けられたオブジェクトであってもよい。第1のオブジェクトは、本明細書において人物を表してもよい。この場合、従属オブジェクトは、監視下の別の人物、コマンド又は第1のオブジェクトと関連付けられた人物の制御を表してもよい。
【0033】
この第2のオブジェクトに対して、方法は、一方の端が第1の位置に接続され、且つ他方の反対側の端が第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供するステップと、地図ズームレベルがズーム閾値を下回るか、さもなければ第2の線を提示するのを控える間、第2の位置が提示された地域の外側にある場合に、提示された地域において延在する第2の線の部分を提示するステップとを更に備えてもよい。
【0034】
この第2のオブジェクトに対して、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、一方の端が第1の位置に接続され、他方の反対側の端が前記第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供し、地図ズームレベルがズーム閾値を下回るか、さもなければ第2の線を提示するのを控える間、第2の位置が提示された地域の外側にある場合に、提示された地域において延在する第2の線の部分を提示するように更に構成されてもよい。
【0035】
この更なるオブジェクトに対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、一方の端が第1の位置に接続され、他方の反対側の端が前記第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供し、地図ズームレベルがズーム閾値を下回るか、さもなければ第2の線を提示するのを控える間、第2の位置が提示された地域の外側にある場合に、提示された地域において延在する第2の線の部分を提示する。
【0036】
本発明の更なる変形例によると、第1のオブジェクトに関連し、第1のオブジェクトに従属するいくつかの更なるオブジェクトが存在してもよく、第1のオブジェクトの第1の位置は、これらの更なるオブジェクトの位置の間の中心点としてもよい。
【0037】
そのような更なるオブジェクトに対して、方法は、提示された地域でズームインする命令を検出するステップと、この地域でズームインを実行するステップとを更に備え、このズームインを実行した後で初めて更なるオブジェクトが提示されるようにしてもよい。
【0038】
そのような更なるオブジェクトに対して、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、提示された地域でズームインする命令を検出し、この地域においてズームインを実行し、このズームインを実行した後で初めて更なるオブジェクトを提示するように更に構成されてもよい。
【0039】
そのような更なるオブジェクトに対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、提示された地域でズームインする命令を検出し、この地域でズームインを実行し、更なるオブジェクトがこのズームインを実行した後で初めて提示されるようにしてもよい。
【0040】
1つの種類のユーザ入力は、第1の線及びユーザ入力領域を横断する移動の方向性ユーザ入力であってもよい。別の種類のユーザ入力は、第1の線に沿うユーザ入力領域における移動の方向性ユーザ入力であってもよい。更なる種類のユーザ入力は、第1の線をクリックすることであってもよい。
【0041】
本発明の一変形例によると、基準位置は地図提示ユニットの位置である。基準位置は、移動経路に沿って更に移動していてもよい。
【0042】
移動経路に沿うこの種の移動に対して、方法は、基準位置が第1のオブジェクトに至る移動経路に沿う分岐点を通過した場合に第1の線を削除する、又は第1の線を提示するのを控えるステップを備えてもよい。第1のオブジェクトに関連するデータは、第1の線と共に更に提示されてもよい。
【0043】
移動経路に沿うこの種の移動に対して、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、基準位置が第1のオブジェクトに至る移動経路に沿う分岐点を通過した場合に第1の線を削除するか、あるいは第1の線を提示するのを控えるように更に構成されてもよい。第1のオブジェクトに関連するデータは、第1の線と共に更に提示されてもよい。
【0044】
移動経路に沿うこの種の移動に対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、基準位置が第1のオブジェクトに至る移動経路に沿う分岐点を通過した場合に第1の線を削除してもよく、あるいは第1の線を提示するのを控えてもよい。第1のオブジェクトに関連するデータは、第1の線と共に更に提示されてもよい。
【0045】
本発明の更なる変形例によると、第1の位置は、更なる端末と関連付けられた位置である。
【0046】
この更なる端末に対して、方法は、位置標定機能を使用してこの更なる端末の位置を取得する更なるステップを備えてもよい。
【0047】
この更なる端末に対して、地図提供デバイスは、この更なる端末の位置を取得するように構成されたオブジェクト位置標定ユニットを備えてもよい。
【0048】
この更なる端末に対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、位置標定機能を使用してこの更なる端末の位置を取得してもよい。
【0049】
本明細書において使用される場合の「備える」という用語は、記載される特徴、数字、ステップ又は構成要素の存在を特定するものとして解釈されるが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、構成要素又はそれらの集合の存在又は追加を除外しないことが強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、通信ネットワークに接続される2つのユーザ端末及び地図データベースに直接接続される地図サーバを概略的に示す図である。
【図2】図2は、地図サーバを示す簡略化された概略ブロック図である。
【図3】図3は、ユーザ端末を示す簡略化された概略ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に従ってユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法で実行される複数の方法ステップを示すフローチャートである。
【図5】図5は、第1の地域の基準オブジェクトが第1の線を介して第2の地域の第1のオブジェクトにリンクされる2つの別個の地域を有するデジタル地図を概略的に示す図である。
【図6A】図6Aは、基準オブジェクト及び第1の線の第1の部分を含む図5の第1の地域を概略的に示す図である。
【図6B】図6Bは、第1のオブジェクト及び第1の線の第2の部分を含む地域を概略的に示す図である。
【図7】図7は、第1のオブジェクト、第1の線の第3の部分及び第1のオブジェクトに関連した更なるオブジェクトを含む第2の地域の部分を概略的に示す図である。
【図8】図8は、第1の線のいくつかの別の構成を示す図である。
【図9】図9は、基準オブジェクトが移動経路に沿って移動している際に提示される地域を示す図である。
【図10】図10は、本発明の地図提供機能性を実現するコンピュータプログラムが格納されるCD ROMディスクの形態で本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラム製品を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
次に、添付の図面に関連して本発明を更に詳細に説明する。
【0052】
以下の説明において、限定するのではなく説明する目的で、本発明を完全に理解するために具体的な詳細、例えば特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術等を説明する。しかし、本発明がこれらの具体的な詳細から逸脱する他の実施形態で実施されてもよいことは、当業者には明らかとなるだろう。他の例において、既知のデバイス、回路及び方法の詳細な説明は、不要な詳細により本発明の説明を不明瞭にしないようにするために省略される。
【0053】
本発明は、ユーザ端末を介してデジタル地図上でオブジェクトを提示することに関する。オブジェクトは、本明細書において建物、営業所等の地図中のオブジェクトとすることができる。また、オブジェクトは、本明細書においてユーザに対する地点情報に関連する等、ユーザにとって興味深い地図上の場所に関連してものとすることもできる。そのような地点情報により、美容院または店等の種々のサービス及び歴史的に興味深い遺跡等の場所(site)を提供してもよい。さらに、オブジェクトは、地図上で提示されるインポートされたオブジェクト、例えばポータブルユーザ端末、車両等を搭載した人物を表すオブジェクトであってもよい。これは、オブジェクトが固定オブジェクトであっても移動オブジェクトであってもよいことを意味する。従って、オブジェクトは、デジタル地図上で提示されるかあるいはデジタル地図に対して提示されるアイコンのようなグラフィカルシンボルであってもよい。従って、オブジェクトは、ユーザにとって興味深いかもしれない人物、施設または他の何らかの項目をユーザが識別でき、それらがデジタル地図上で関連付けられた位置にリンクされることを何らかの方法で適切に示す記号であってもよい。
【0054】
本発明は、特に、地域が提示されるがそのようなオブジェクトが提示されない、すなわちオブジェクトが基準位置を含む地域の外側にある場合に、オブジェクトと基準位置との間の距離を提示することに関する。これは、オブジェクトがどのくらい離れて配置されているかをユーザが判定するのを容易にするために実行される。これは、サイズが小さく、多くの場合結果としてユーザが地図中の詳細を識別できるように狭い地域が提示される必要のあるディスプレイ等の地図提示ユニットにとって特に重要である。
【0055】
次に、WAN(ワイドエリアネットワーク)であってもよい通信ネットワークNの限定しない例の状況において本発明を更に詳細に説明する。ネットワークNを図1に示す。このネットワークNは、本明細書において、UMTS(ユニバーサル移動通信システム)ネットワーク又はLTE(Long Term Evolution)ネットワーク等のセルラネットワークとすることができ、それらはIMS(インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム)に接続されていてもよいし、されていなくてもよい。さらに、ネットワークNは固定ネットワークであってもよい。本発明は、実際にはワイドエリアネットワークに限定されず、実際にそのようなネットワークを使用せずに実現されてもよい。ネットワークNには、本発明の例では携帯電話である第1のユーザ端末10が接続される。携帯電話は、本発明で使用され得るユーザ端末の一例にすぎない。他の種類のユーザ端末としては、PC(パーソナルコンピュータ)、並びにラップトップコンピュータ及び/又はパームトップコンピュータ等のコンピュータ、並びに電子手帳などが挙げられる。本発明の一変形例において、第1のユーザ端末は、ユーザ、GPS(全地球測位システム)衛星からの入力、及び/又はナビゲーションデバイスの位置等を推定するために推測航法システムを利用する車両からの信号のみを受信できる、GPSを用いた誘導デバイス(guidance device)等の、独立型誘導デバイス、あるいはナビゲーションデバイスで実現される。ユーザ端末10は、地図サーバ12と通信することにより地図データベース14に接続する。本明細書において図1の地図データベース14は地図サーバ12の外側にあるものとして示されるが、他の実施形態において、地図サーバ12が地図データベース14を更に備えるようにしてもよい。ネットワークNには、別のユーザ端末15が更に接続される。
【0056】
地図サーバ12は、本明細書では本発明の一実施形態に係る地図提供デバイスであり、ユーザ端末10は、本発明の別の実施形態に係る地図提供デバイスである。
【0057】
図2は、地図サーバ12の内容を概略的に示す。地図サーバ12は、ネットワークを介して他のデバイスと通信し且つデータベース14とも通信するための、ネットワークに対する通信インタフェース16を含む。地図サーバ12は、後で示される例においてユーザ端末10から受信した命令を処理し、地図データベース14からデジタル地図を取り出し、結果をユーザ端末10に返送するサーバ地図提供ユニット18を更に含む。本明細書において、サーバ地図提供ユニット18及びインタフェース16に接続されたサーバオブジェクト位置標定ユニット19が更に存在する。このサーバオブジェクト位置標定ユニット19は、例えば通信ネットワークNを使用してオブジェクトの位置を標定する。そのような機能は、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)LCS(位置情報サービス)機能、又は、OMA(オープンモバイルアライアンス)loc機能、あるいは、Geopriv機能であってもよい。地図サーバ12は、携帯電話等の物体の位置を標定することを実行する。また、地図サーバ12は、人物に関連したグラフィカルオブジェクトを更に提供してもよい。
【0058】
図3は、本発明の一態様に係る第1のユーザ端末10の概略ブロック図を概略的に示す。第1のユーザ端末10は、ネットワークNと通信する通信インタフェースCI20を含む。通信インタフェース20は、端末地図ハンドリング機能MH_Fを実現するユーザ端末地図ハンドリングユニット32及びオブジェクト位置標定機能OPL_Fを実現する端末オブジェクト位置標定ユニット34を含む端末制御ユニット22に接続される。更に端末制御ユニット22は、本明細書ではキーボードKBの形態のユーザ入力ユニット24及び本明細書では表示ユニットDP_U26の形態の地図提示ユニット26に接続される。オブジェクト位置標定ユニット34は、上述したいずれかの種類に係るオブジェクト位置標定機能OPL_Fを提供してもよい。端末制御ユニット22には、位置決めユニットPOS28及びメモリM30が更に接続される。位置決めユニット28は、ユーザ端末の位置を提供するユニットである。すなわち、位置決めユニット28は、第1のユーザ端末自体の位置を取得するため、GPS信号受信及び計算回路の形態のGPS位置決めユニットであってもよい。あるいはユーザ端末の位置は、オブジェクト位置標定ユニット34を介して取得されてもよいことが本明細書において言及されるべきである。また、位置決めユニット28は、第1のユーザ端末10のプロセッサ上で実行されるソフトウェアの援助で実現されてもよい。位置決めユニット28のソフトウェアの実施形態は、第1のユーザ端末10の位置を判定するために現在のネットワークセルアイデンティティの位置の知識を利用してもよい。あるいは、又は、それに加え、第1のユーザ端末10の位置は、無線基地局信号の三角測量に基づいて判定されてもよい。これら2つの位置決め技術のうちの後者は、GPS衛星から十分な位置決め信号を受信できない場所で有益である。
【0059】
キーボードは、使用される可能性のある一種のユーザ入力ユニットである。しかし、マウス又はトラックボール等の他の種類のユーザ入力ユニットを用いることが更に可能である。また、ユーザ入力ユニットと地図提示ユニットとを組み合わせることが更に可能である。これは、タッチスクリーンが使用される場合の例である。表示層の上に提供されたタッチレジストレイション層はユーザ入力ユニットとして使用され、表示層は地図提示ユニットとして使用される。
【0060】
本発明の第1の実施形態において、ユーザ端末10は、オブジェクト位置標定機能34を用いて提供されないことが可能である。本明細書において、メモリ30及び位置決めユニット28が更に使用されてもよいが、それらを除去することが更に可能である。また、第1の実施形態における端末地図提供ユニット32の機能は、サーバ地図提供ユニット18に対するクライアントとして機能することに更に限定される。
【0061】
次に、上述した図1〜図3、並びにユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法において実行される複数の方法ステップのフローチャートを示す図4、2つの別個の地域を有するデジタル地図を示し、一方の地域の基準オブジェクトが第1の線を介して第2の地域の第1のオブジェクトにリンクされる図5、基準オブジェクト及び第1の線の第1の部分を含む図5の第1の地域を示す図6A、並びに第1のオブジェクト及び第1の線の第2の部分を含む第2の地域を示す図6Bを参照して、本発明の第1の実施形態に係る本発明の機能を更に詳細に説明する。
【0062】
今日では、デジタル地図を使用することにより、デジタル地図上の種々の位置に関する大量の情報をユーザに提供することが可能である。これにより、ユーザが地図の位置に関する興味深い情報及び有用なデータを発見し、そのような情報を提供するデータ又はユーザにとって興味深い他の機能を配置する多くの機会をもたらす。地図中のオブジェクト及び地図上のオブジェクトは、多くの場合、基準位置に関連して興味深いものである。この基準位置は、ユーザ端末自体の位置であってもよく、ユーザの位置を反映する。しかし、基準位置は、別の位置、例えばユーザが訪問する予定であるか、最近訪問したかあるいは他の理由で興味のある場所の位置であってもよい。興味深いオブジェクトは、家族、友人及びゲームの対抗者を表す移動オブジェクトであってもよいし、自動車及びバスのような車両等の他の移動オブジェクトであってもよい。オブジェクトは、地図中のオブジェクト、例えば特定の建物、店、又はレストラン等の施設、公園、あるいは地図に提示された他のあらゆる種類の実体であってもよい。本明細書において、オブジェクト及び基準位置の双方が同時に提示されるズームレベルで地図を提示することが可能である。しかし、これは2つの位置の間の距離をユーザに提示することに関して2つの欠点を有する。通常は携帯電話の場合であり、また、多くのナビゲーションデバイスの場合であるが、地図提示ユニットのサイズが小さい場合、建物及び道路等の地図要素が小さすぎて意味のある情報を全く提供できないため、距離を設定するのは困難となる。これは、ユーザがいくつかのオブジェクトに同時に興味がある場合に更に問題となる。
【0063】
基準位置にズームインすることにより大きさが変化する場合、地図の地理情報を掌握するのがより簡単になる。しかし、オブジェクトを提示できなくなる可能性がある。本明細書において、矢印等を介してオブジェクトへの一般的な方向を示すことが可能であるが、その場合には距離情報は失われる。これは、ユーザが、基準位置の局所的近傍を理解しつつ、基準位置と対象のオブジェクトとの間の距離を理解するために種々のズームレベル間で切り替えることが必要となることを意味する。更にそれには、多くのズームイン命令及びズームアウト命令が必要となり、非常に煩わしく且つ更に時間がかかるだろう。
【0064】
本発明は、オブジェクト及び基準位置を提供する際にユーザに対して距離情報を提示することに関連したこのような負担を軽減することに関する。
【0065】
ユーザ端末10は、この第1の実施形態においては単なるレンダリングデバイスである。従って、ユーザ端末10は、表示ユニット26上に提示される地図を取得するために地図サーバ12と通信する。従って、端末地図提供ユニット32は、本明細書においてサーバ地図提供ユニット18に接続する単なるクライアント機能である。従って、本実施形態において、サーバ地図提供ユニット18は、地図提示制御ユニットとして動作するサーバである。
【0066】
本明細書において第1のオブジェクト及び場合によっては更にこの第1のオブジェクトの第1の位置を提供するように、最初にユーザに入力指示をするようにしてもよい。本明細書において、ユーザがデジタル地図上で位置又はオブジェクトを示すことにより、例えば表示ユニット26を介して提示される地図上で建物を特定することにより、第1のオブジェクト及び第1の位置を提供するようにしてもよい。そのため、デジタル地図はサーバ地図提示制御ユニット18から端末地図提供ユニット32に転送され、端末地図提供ユニット32がそれを表示ユニット26上にレンダリングし、ユーザがキーボード24を使用してこの地図上で位置を選択することにより、その位置がオブジェクトを示すように構成してもよい。あるいはオブジェクトは、地図を探索すること、例えばレストラン等の種々のオブジェクトに関連して探索することにより取得されてもよい。この点に関して、本明細書において基準位置に関連した探索語をユーザが入力するようにしてもよく、この探索語をサーバ地図提供ユニット18に送信し、探索語に基づく探索で発見されたオブジェクトを含む地図を受信してもよい。
【0067】
さらに、ユーザが友人を示すことにより、オブジェクトが示されるようにしてもよい。ユーザは、本明細書において友人の位置を取得するために端末10の端末オブジェクト位置標定ユニット34を使用することができ、この位置及び友人を表すグラフィカルオブジェクトは、サーバ地図提示制御ユニット18に転送される。端末オブジェクト位置標定ユニット34は、本明細書において上述のオブジェクト位置標定機能に基づいて位置を標定してもよい。しかし、サーバ地図提示制御ユニット18がそのようなオブジェクト位置標定を処理することが更に可能である。従って、ユーザは、友人のユーザ端末の識別子、例えば携帯電話の番号、IMSプレゼンスサービスでの友人の名前又は別名を示してもよい。本発明の例において、ユーザは、キーボード24を介してそのような端末識別子を示してもよい。ユーザは、本明細書において友人を表すグラフィカルオブジェクトを更に提供してもよい。次にこの端末識別子は、場合によってはグラフィカルオブジェクトを伴う通信インタフェース20を介してサーバデバイスに転送される。
【0068】
その後、サーバデバイス12の地図提示制御ユニット18は、通信インタフェース16を介して端末識別子を受信し、場合によっては当該友人を表すグラフィカルオブジェクトを更に受信する。グラフィカルオブジェクトを受信しない場合、サーバ地図提供ユニット18は自身でそれを生成してもよい。あるいは、サーバ地図提供ユニット18は、友人の位置が標定される時にサーバオブジェクト位置標定ユニット19からグラフィカルオブジェクトを受信するようにしてもよい。一例として、この位置は、ネットワークNの更なるユーザ端末15の位置である。次にサーバ地図提供ユニット18は、ユーザ識別子によりサーバオブジェクト位置標定ユニット19に接続し、サーバオブジェクト位置標定ユニット19が、その後友人の位置を標定するようにしてもよい。本明細書において、サーバ位置標定ユニット19は、例えばセルアイデンティティ、三角測量、MPS又はGPS位置に基づく従来のあらゆる位置標定機能を使用してもよい。次にサーバオブジェクト位置標定ユニット19は、位置及び場合によっては更に位置と関連付けられたオブジェクトをサーバ地図提示制御ユニット18に提供する。この位置は本明細書において第1の位置を示し、オブジェクトは第1のオブジェクトを示す。このように、サーバ地図提供ユニット18は、ステップ36で第1のオブジェクトO1及び第1の位置P1を取得する。
【0069】
サーバ地図提供ユニット18は、場合によっては基準オブジェクトと共にステップ37で基準位置を更に取得する。本明細書において、基準位置は基準位置を入力するようにユーザに入力指示することにより取得されてもよく、これは表示ユニット26を介してレンダリングされている地図上でユーザが位置を示すことにより実行されてもよい。あるいは、ユーザ端末10の位置決めユニット28により、ユーザの位置を取得することが可能であり、取得されたユーザの位置はサーバ地図提示制御ユニット18に転送される。また、サーバ地図提供ユニット18は、サーバオブジェクト位置標定ユニット19を使用してユーザ端末10の位置を標定することが可能である。さらに、デジタル地図上のデフォルト位置が、基準位置として提供されることが可能である。特に基準位置がユーザの位置である場合、本明細書において、基準オブジェクトROはこの位置に対して提供されることが更に可能である。あるいは、位置の建物等の地図中のオブジェクトは、基準オブジェクトとして提供されてもよい。さらに、基準オブジェクトが提供されないことも可能である。
【0070】
次に、地図提示制御ユニットとして動作するサーバ地図提供ユニット18は、ステップ38でデジタル地図M1を取得する。本実施形態において、サーバ地図提供ユニット18は、データベース14から第1の位置及び基準位置を範囲に含むデジタル地図M1を収集する。こうして、デジタル地図は、基準位置及び第1の位置を含む。
【0071】
その後、サーバ地図提供ユニット18は、ステップ40で基準位置RPと第1の位置との間の距離Dを判定する。これは、基準位置の地図座標と第1の位置の地図座標とを比較することにより実行され得る。
【0072】
その後、地図提示制御ユニットは、基準位置と第1の位置との間に延在する第1の線を決定する。後に提示される際の線の外観は、本明細書において基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。地図提示制御ユニットは、第1の線の外観、この場合は第1の線の形状へ、距離を反映する距離データを符号化することが見て取れる。本発明のいくつかの実施形態において、従って第1の線は、ステップ42で、基準位置RPと第1の位置P1との間の距離Dを反映する形状を有する線L1を決定する。第1の線は、第1の端が基準位置に接続され、他方の反対側の端が第1の位置に接続される。
【0073】
第1の線は、本明細書において、基準位置から第1の位置の方向への第1の線成分とこの方向に対して垂直な第2の線成分とを有し、距離を反映する距離データは、第2の線成分に符号化されるようにしてもよい。本発明の第1の実施形態に従って第1の線が提供される方法を図5に示す。
【0074】
図5において、基準位置RP及び基準オブジェクトROを範囲に含む第1の地域A1、並びに、第1のオブジェクトO1及び第1の位置P1を範囲に含む第2の地域A2を含むデジタル地図M1を示す。第1の線L1は、本明細書において例えば放物線状に湾曲してもよく、距離データは、基準位置RPと第1の位置P1との中間に提供される、基準位置RPと第1の位置P1との間の湾曲した第1の線と直線である基準線RLとの間の最大の高さHにより、第2の線成分に符号化される。更にこの最大の高さは、デジタル地図の大きさに関連して予め決定され、基準位置と第1の位置との間の距離に依存しなくてもよく、地図に対して使用される全ての第1の線に適用されてもよい。これは、地図で距離を示すために使用された全ての線が同一の高さ及び同一の一般的な形状を有することを意味する。しかし、この曲線は、距離に基づいて圧縮されるかあるいは拡張される。
【0075】
図5に示されたものは、ユーザ端末10の表示ユニット26上でレンダリングされないことが本明細書において理解されるべきである。図5は、本発明を適切に理解するためだけに示されたものである。
【0076】
第1の線L1がこのように決定されたことに伴い、ステップ44で、提示される第1の地域A1がサーバ地図提示制御ユニット18により決定される。これは、ユーザ端末から転送されるキーボード24を介して行われたユーザ選択を受信するサーバ地図提示制御ユニットにより、例えばユーザにより選択されたズーミング動作またはパニング動作を通して実行されてもよい。あるいは、サーバ地図提示制御ユニットは、地図解像度、地図のサイズ及び表示ユニットのサイズに基づいたデフォルトにより、基準位置が提供される地域を決定してもよい。
【0077】
地域A1が決定されたことに伴い、サーバ地図提示制御ユニット18は、ステップ46において、第1の位置P1が第1の地域A1の外側にあるか否かを調査する。外側にない場合、サーバ地図提供ユニット18は、基準オブジェクトRO及び第1のオブジェクトO1を含む地図の地域をユーザ端末10に転送する。そして、端末制御ユニット22の端末地図提供ユニット32は、処理を進め、表示ユニット26を介して第1の地域を提示する。従って、この場合にステップ48で提示される第1の地域は、基準位置及び第1のオブジェクトの双方を範囲に含む。これは、デジタル地図の第1の地域が基準位置RPの基準オブジェクトRO及び第1の位置P1の第1のオブジェクトO1により標準的な方法で提示されることを意味する。しかし、第1の線L1は提示されない。こうして、サーバ地図提示制御ユニット18は、第1の線を提示するのを控える。
【0078】
しかし、第1のオブジェクトO1がステップ46で提示された第1の地域A1の外側の位置を有する場合、ステップ50において、サーバ地図提供ユニット18は、表示ユニット26上で提示されるように、第1の線L1の部分と共に基準位置RPの基準オブジェクトROをその範囲に含むデジタル地図M1の第1の地域A1を送出する。サーバ地図提供ユニット18は、本明細書において基準オブジェクトを更に転送してもよい。
【0079】
ユーザ端末10の端末地図提供ユニット32は、処理を進めて、表示ユニット26を介して第1の地域A1をレンダリングするかあるいは提示する。
【0080】
なお、第1の線は、上述されたものより後で決定されてもよいことが本明細書において理解されるべきである。例えば、第1の位置が第1の地域の外側にあることが分かった後で初めて決定されてもよい。
【0081】
提示される第1の地域を図6Aに概略的に示す。図示されるように、第1の線L1は全体が提示されず、地域A1にわたり延在する第1の線の第1の部分L1Aのみが提示されている。残りは提示されない。
【0082】
以上のように提示することにより、ユーザが実際にこのオブジェクトを確認せずに第1のオブジェクトまでの距離の表示を得ることが可能となる。このように、ユーザは、表示ユニットを介してレンダリングされない地点情報を適切に認識する。第1の線を提供することにより、第1のオブジェクトが配置される方向を識別することが更に可能である。これは、分かりやすい地図情報をユーザに提供する地図解像度、すなわちユーザが地図上で他のオブジェクトを識別できるようにする地図解像度で地域を表すことと共に実行される。このように、ユーザは、自身が理解できる距離情報及び地図情報の双方を取得する。この利点は、いくつかのオブジェクトまでの距離が上述の方法で提供される場合により明らかである。距離が第2の線成分に符号化される線を使用することにより、第1の線成分を介した方向を示すことが可能である。これは、距離及び方向の双方を示す場合に有効で効率的な方法である。
【0083】
第1の線L1のこの変形例において、第1の地域の基準位置における第1の線と直線の基準線(不図示)との角度は、距離を適切に示すことが明らかである。この角度は、第1のオブジェクトが基準位置に近接する場合に相対的に大きく、距離が長い場合に相対的に小さい。従って、第1の地域の曲線の高さは、距離に関する適切な指標となる。
【0084】
地図を介してナビゲートする単純な方法をユーザに提供するために、地図提示制御ユニットは、基準位置RPと第1の位置との間で延在し、第1の線を取り囲む入力領域UIAを提示された地域に提供してもよい。これは、このユーザ入力領域が基準位置RPから表示ユニット26の縁部までの線を範囲に含む帯域として提供されることを意味し、その線は表示ユニット26の縁部において提示されている地域を離脱する。ステップ52において、このユーザ入力領域UIAでユーザにより生成されるユーザ入力が検出されると、ステップ54において、地図選択機能が対応するユーザ入力領域における入力に基づいて実行される。
【0085】
ユーザ入力は、例えばディスプレイ上のカーソルの動きにより有効に検出されてもよい。また、ディスプレイがタッチスクリーンである場合には、触れることにより実行されてもよい。さらに、キーボード上の矢印又はマウスを使用することにより実現されてもよい。その後、そのように検出されたユーザ入力が端末地図提供ユニット32からサーバ地図提示制御ユニット18に転送されることにより、対応する地図選択機能が実行される。ユーザ入力領域に対するユーザ入力は、複数の地図選択機能と関連付けられてもよく、そのうちのいくつかを以下に説明する。
【0086】
提供される地図選択機能のうちの少なくともいくつかは、提示される地域における変化を含む。
【0087】
図6Aにおいて、第1の種類のユーザ入力は、第1の線に沿うユーザ入力領域UIAにおける移動UM1である方向性ユーザ入力の形態で示される。そのようなユーザ入力が検出され、サーバ地図提示制御ユニット18に転送される場合、このユニットは、たとえば、提示される第2の地域A2を選択する。本明細書において、この選択は、第1の位置P1が提供される第2の地域A2を選択することを含む。従って、これは、サーバ地図提供ユニット18が第1のオブジェクトO1と共にデジタル地図の第2の地域A2を端末地図提供ユニット32に転送し、端末地図提供ユニット32がデジタル地図の第2の地域A2上で第1のオブジェクトO1を提示することを意味する。この地域A2は、たとえば、第1の地域と同一の地図解像度で提示される。
【0088】
これを図6Bに概略的に示す。本明細書において、第2の地域A2に提供される第1の線の部分である第1の線の第2の部分L1Bが更に示される。このように、第1のオブジェクトO1に到達するために高速で直接的なパン動作を実行することが可能である。これはそのように1段階で実行されるため、特定の地図解像度で、第1の地域と第2の地域との間に多くの地図ビューがある場合に有利である。尚、本明細書において、第1の位置P1と表示ユニット26の縁部との間の第2の地域において第1の線を取り囲むユーザ入力領域(不図示)における対応するユーザの移動を介して第1の地域に再度パンすることが可能であってもよく、そのような移動は、基準位置に向けての方向の移動であるのが有効である。以上のように、上述の地図選択機能は、第1の位置P1を範囲に含み且つこの地域A2で第1のオブジェクトO1を提示するためにデジタル地図をパンすることである。
【0089】
更なる種類のユーザ入力を用いることが可能である。次に、再度図6Aを参照すると、ユーザが第1の地域A1において第1の線及びユーザ入力領域UIAを横断する方向性移動UA2を行う場合、別の地図選択機能が提供される。この場合、サーバ地図提示制御ユニットは、ズームアウトし且つ基準及び第1の位置の双方を範囲に含むデジタル地図の地域を送出することが可能である。このようにして、基準位置及び第1の位置の双方が提示される。従って、この場合の地図選択機能は、基準位置及び第1の位置の双方を提示するためにズームアウトすることである。
【0090】
別のユーザ入力は、提示される地域においてユーザ入力領域の第1の線をクリックすることであってもよい。なお、提示される地域は第1の地域又は第2の地域のいずれかであってもよい。これにより、第1のオブジェクトに関連した更なるデータが取り出される地図選択機能が選択されるようにしてもよい。例えばこれは、ユニフォームリソースロケータ(URL)等の、第1の線により提供されたリンクへの接続とすることができる。このリンクは、更なるデータが取り出されるサーバにつながってもよい。例えば、第1のオブジェクトがレストランである場合、レストランにより提供されるメニューに関連するデータが取り出されてもよい。また、ランキングデータ、営業時間、レストランの種類等であってもよい。
【0091】
別の方法として、地図選択機能は、第1のオブジェクトと関連付けられたデバイスとの通信を開始するようにしてもよい。たとえば、第1のオブジェクトがレストランである場合、通話がレストランに対して設定されるか、あるいは電子メッセージがレストランに送出されることようにすることが可能である。オブジェクトが自身のユーザ端末の位置により配置される人物である場合、第1の線をクリックすることによりこのユーザ端末に通話が設定されるか、あるいはメッセージが送出されることが更に可能である。一例として、そのような通信は、図1においてユーザ端末10から更なる端末15に設定される。
【0092】
上述したようなユーザ入力は、説明した地図選択機能と必ずしも関連付けられなくてもよい。例えば第1の線をクリックすることによりズームアウトしてもよく、あるいは、一方の地域から他方の地域にパンしてもよい。
【0093】
次に、再度図6Bを参照すると、第1のオブジェクトO1と関連付けられた少なくとも1つ又は複数の従属オブジェクトが存在することが可能である。従属オブジェクトは、例えば、第1のオブジェクトと関連付けられた実体に従属する実体と関連付けられたオブジェクトである。第1のオブジェクトは、本明細書において人物を表してもよい。この場合、従属オブジェクトは、第1のオブジェクトと関連付けられた人物の監視下、指揮下、管理下にある別の人物を表してもよい。例えば第1のオブジェクトは、教師又は幼稚園の先生を表してもよく、その場合の従属オブジェクトは、生徒又は幼稚園グループの子供を表してもよい。第1のオブジェクトはチームリーダーを更に表してもよく、その場合の従属オブジェクトは、チームのメンバーを表す。これらの従属オブジェクトの位置は、たとえば、第1のオブジェクトに関連して上述したのと同一の方法で取得され得る。
【0094】
本明細書において、そのような更なるオブジェクトは、第2の地域には提示されないが、ユーザにより実行された、提示された地域でズームインする命令を検出した後で初めて提示されるようにすることが可能である。そのような命令が検出された後、サーバ地図提供ユニット18が第2の地域においてズームインし、より詳細な地域を提供することにより、更なる従属オブジェクトがこのズームインを実行した後で初めて提示される。この一例を図7に示す。本明細書において、第1の線L1Cの部分を上述したように提示する。従属オブジェクトO2A及びO2Bが本明細書において更に示される。このより狭い地域の外側にある従属オブジェクトは、本明細書において、一方の端が第1の位置P1に接続され、他方の反対側の端が開示されない従属オブジェクトの第2の位置に接続される第2の線L2の部分を提示することにより示され得る。本明細書において、地図ズームレベルがズーム閾値を下回る前は、更なる従属オブジェクトは提示されないか、あるいは従属オブジェクトへの方向が提示される。提示される第2の線L2の部分は、提示された地域において延在する部分である。この第2の線L2は、第1の線以外の別の形態、例えば別の色、第2の線を第1の線と区別する順序で提示されることが可能である。
【0095】
いくつかのそのような従属オブジェクトが存在する場合、これらの更なるオブジェクトの位置の間の中心点に第1のオブジェクトを提供することが更に可能である。
【0096】
距離データが第1のオブジェクトの形状に符号化される方法は、多くの方法で様々バリエーションが可能である。従って、上述した第1の線の第2の線成分のバリエーションは、線の形状を変更する方法の1例にすぎない。第2の線成分が変化し得る他の方法を用いることも可能である。
【0097】
この例を図8に示す。例えば符号化は、距離を示す空間蛇行周波数で蛇行している第1の線L1’を用いて提供されてもよい。本明細書においては、それが鋸歯状構造を有する一例を示す。しかし、他の構造は空洞形状等を更に実現可能である。空間蛇行周波数、すなわち例示している鋸歯が現れる頻度は、本明細書の例においては、距離に反比例している。空間周波数が高いほど、第1のオブジェクトは基準位置に近接している。また、符号化は、第1の線L1’’の太さを変動させることにより提供されてもよい。本明細書の例において、第1の線の太さは距離に反比例している。すなわち、細い線はより長い距離を表し、太い線はより短い距離を表す。
【0098】
線は他の方法、例えば破線及び点線により符号化されてもよく、その場合、長点間又は短点間の空間は距離を示すことが理解されるべきである。また、第1の線の色を用いた符号化または輝度を用いた符号化を用いることが更に可能である。これは、距離を表す色及び/又は輝度を含む第1の線を表示することにより実行され得る。
【0099】
上述の実施形態においては、サーバに地図提示制御機能が提供されている。これに対して、地図提示制御機能が代わりにユーザ端末に提供されてもよいことが理解されるべきである。この場合、端末地図提供ユニットは地図提示制御ユニットとして機能し、サーバオブジェクト位置標定ユニットの機能は端末オブジェクト位置標定ユニットにより実行される。デジタル地図は、メモリ30に格納されてもよい。本明細書において、ユーザ端末は、ネットワークNを介して地図サーバ12からデジタル地図を取り出すことが可能である。本発明のこの変形例において、本発明の地図提供機能は、ユーザ端末においてローカルアプリケーション又はローカルアプリケーションの一部を介してそのように提供される。
【0100】
従って、地図提供デバイスは、携帯電話等のユーザ端末であってもよい。従って、地図デバイスは移動型であってもよい。この場合、基準位置は移動していてもよい。
【0101】
地図提供デバイスは、GPSナビゲーションデバイス等のナビゲーションデバイスに提供されてもよい。そのような地図提供デバイスの図を図9に概略的に示す。本明細書において、地図の地域A1において移動経路MPに沿って移動する基準位置RPに基準オブジェクトROが存在する。この経路に沿って、基準位置RPが移動して第1のオブジェクトに至る別のルートを示す分岐点BPが存在する。この場合、基準オブジェクトROが移動するのに伴い、提示される地域は変化する。本明細書において、地域A1の外側の第1のオブジェクトまでの距離及び方向を示す第1の線L1(の第1の部分)が存在している。本明細書において、第1のオブジェクトに関連し、第1の線L1と共に提示される別のデータDA1及びDA2が更に存在する。第1のオブジェクトはここではレストランであってもよく、その場合更なるデータは、メニュー、料金リスト及びレストランの種類を表示してもよい。更なるデータは、レストランに連絡する方法を更に示してもよい。本明細書において、上述の方法のうちの1つ、例えば第1の線をクリックすることによりレストランに連絡することが更に可能であってもよい。第1のオブジェクトはガソリンスタンドであってもよく、その場合データは、提供される燃料の種類等のデータであってもよい。本発明のこの変形例によると、分岐点BPが通過された場合に第1の線L1を削除すること、あるいは第1の線L1を提示するのを控えることが可能である。図9の例において、これは、基準オブジェクトRO及び基準位置RPが移動経路MPの分岐点BPを通過するとすぐに第1の線L1が削除されることを意味する。
【0102】
これにより、ユーザは、ユーザにとって興味深いオブジェクトが依然として関連する限り、それらに関する情報を取得できる。
【0103】
地図提供ユニット及び位置標定ユニットは、地図提示制御ユニットの機能を実行するコンピュータプログラムコードを含む関連付けられたプログラムメモリを有するプロセッサの形態で提供されてもよい。このユニットは、ハードウェアの形態、例えばASIC回路の形態等で更に提供されてもよいことが理解されるべきである。本発明は、ソフトウェアとして提供されてもよい。これは、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイス上で実行される場合に地図提示制御ユニットの機能性を地図提供デバイスに実行させるコンピュータプログラムコードとして本発明が提供されてもよいことを意味する。このプログラムコードは、サーバ又はユーザ端末にロードされる場合に地図提示制御ユニットの機能を実現するCD ROMディスク又はメモリスティック等のデータ記憶媒体上に更に提供されてもよい。そのようなコンピュータプログラムコード56が格納されるCD ROMディスク58の形態の1つのそのようなコンピュータプログラム製品を図10に概略的に示す。
【0104】
現在最も実用的であると考えられるもの及び好適な実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、逆に種々の変形及び等価な構成を範囲に含むことを意図することが理解されるべきである。従って、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末を介してデジタル地図を提示することに関する。特に本発明は、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法、地図提供デバイス、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル地図は、ユーザが地理的コンテキストで人、乗り物、動物、所在地、会社又は他の地点情報との関係を自然な方法で提示するために種々のアプリケーションで使用するのに益々普及してきている。
【0003】
位置を含む画像の提示は、Flickr及びPanoramio等の多くのアプリケーションで使用される。
【0004】
地図上で複数のオブジェクトをレンダリング又は提示する際、特にユーザ自身の位置等の基準位置と共にレンダリングされる際は地図におけるズームレベルが地図中の全てのオブジェクトをレンダリングするように設定される場合であり、情報レベル(例えば、地理的な)が非常に低くなることにより、ユーザにとって地図でナビゲートし且つ関連付けるのが困難になる。
【0005】
この問題を改善する種々の方法がある。1つの方法は、高いズームレベルの地図と共に低いズームレベルの縮小地図を表示する方法である。別の方法は、基準位置が発見される可能性のある方向を指し示す地図上の矢印をレンダリングする方法である。更に別の方法は、種々のオブジェクトを含むリストをレンダリングする方法であり、地図は、再度レンダリングされ、地図が範囲に含むべきリスト中のオブジェクトを選択することにより種々のオブジェクトを範囲に含む。
【0006】
特に画面が相対的に小さい場合、これらの種々の方法は、どれもユーザの使い易さに関連した問題を有する。一般的な問題は、ユーザが地図で「迷う」ことにより、地図を提供するサービスに関して苛立ち及び不満を感じるようになることである。
【0007】
また、一般に既存の解決方法は、ズームレベルを調整し且つ地図を手動でパンすることにより、自身の位置を再配置したりあるいは発見したりするユーザに向けた解決方法を提供する。あるいは、1つ以上のオブジェクトは強調表示されてもよい。
【0008】
従って、この技術の分野を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、デジタル地図を提示することに関連してユーザの使い易さを向上させることに関する。
【0010】
従って、本発明の1つの目的は、ユーザ端末の地図提示ユニットを介して地図をユーザにとってより使い易く提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明の第1の態様に従って、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法により達成される。方法において、第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置が取得される。また、基準位置及び第1の位置を含むデジタル地図が取得される。第1の線が更に決定される。この第1の線は、一方の端が基準位置に接続され、他方の反対側の端が第1の位置に接続される。そして、基準位置を含むデジタル地図の地域が提示される。第1の位置がその地域の外側にある場合、その地域において延在する第1の線の部分が提示される。他の場合、すなわち第1の位置が地域の内側にある場合、第1の位置は提示されない。提示される際の第1の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【0012】
第1の線の外観は、線の種々の色及び/又は強度、並びに種類を使用することにより、基準位置と第1の位置との間の距離に依存してもよい。外観は、線の形状に対する種々の影響、例えば種々の太さ、線が点線である場合は線の短点間の種々の距離、線が蛇行している場合は空間蛇行の周波数により、あるいは線が湾曲している場合は線の曲率により、基準位置と第1の位置との間の距離に更に依存してもよい。
【0013】
目的は、本発明の第2の態様に従って、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイスにより達成される。この地図提供デバイスは、第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置、並びに基準位置及び第1の位置を含むデジタル地図を取得するように構成される地図提示制御ユニットを備える。地図提示制御ユニットは、一方の端が基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、基準位置を含むデジタル地図の地域を提示するように更に構成される。第1の位置が地域の外側にある場合、地図提示制御ユニットは、地域において延在する第1の線の部分を提示するように構成される。他の場合、すなわち第1の位置が地域の内側にある場合、第1の線は、地図提示制御ユニットにより提示されない。提示される際の第1の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【0014】
地図提供デバイスは、ユーザ端末がネットワーク通信インタフェースを介して通信する地図サーバであってもよい。あるいは、地図提供デバイスは、ユーザ端末であってもよく、ユーザ入力ユニットを更に備える。ユーザ端末は、例えば、本明細書において携帯電話又はナビゲーションデバイスである。地図提供デバイスは、他のデバイスと通信するネットワーク通信インタフェースを更に備えてもよい。
【0015】
この目的は、本発明の第3の態様に従って、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイス上で実行される場合に地図提供デバイスにより、第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置、並びに基準位置及び第1の位置を含むデジタル地図を取得するコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムにより達成される。更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、一方の端が基準位置に接続され他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、基準位置を含むデジタル地図の地域を提示する。第1の位置が地域の外側にある場合、地域において延在する第1の線の部分が提示され、他の場合、すなわち第1の位置が地域の内側にある場合、第1の線は提示されない。提示される際の第1の線の外観は、基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。
【0016】
上述の目的は、本発明の第4の態様に従って、第3の態様に係るコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムが格納されるコンピュータ可読媒体とを備えるコンピュータプログラム製品により達成される。
【0017】
本発明は多くの利点を有する。第1の線を使用することにより、ユーザが実際にこのオブジェクトを確認することなく第1のオブジェクトまでの距離の表示を得ることが可能である。このように、ユーザは、地図提示ユニットを介してレンダリングされない地点情報を適切に認識することができる。また、第1の線を提供することにより、第1のオブジェクトが配置される方向を識別することが更に可能である。これは、分かりやすい地図情報をユーザに提供するような、すなわちユーザが地図上で他のオブジェクトを識別できるようにするように構成される地図解像度で、地域を提供することと共に、実行される。このように、ユーザは、自身が理解できる距離情報及び地図情報の双方を取得する。
【0018】
第1の線の外観の基準位置と第1の位置との間の距離に対する依存性は、距離データを第1の線の形状に符号化することにより実行される。
【0019】
本発明の一変形例によると、第1の線は、基準位置から第1の位置の方向に第1の線成分及びこの方向に対して垂直な第2の線成分を有する。距離を反映する距離データは、本明細書において第2の線成分に符号化される。このように、第1の線成分を介した方向及び第2の線成分を介した距離を示すことが可能である。これは、距離及び方向の双方を示す場合に有効且つ効率的な方法である。
【0020】
第1の線は、本明細書において湾曲してもよく、距離は、基準位置と第1の位置との中間に提供される基準位置と第1の位置との間の湾曲した第1の線と直線の基準線との間の最大の高さにより第2の線成分に符号化される。更に最大の高さは、デジタル地図の大きさに関連して予め決定されてもよく、基準位置と第1の位置との間の距離に依存しなくてもよい。これにより、距離データを線に符号化する理解しやすい方法を提供する。距離は、ユーザが基準位置において曲線と基準線との間の角度を検査することにより推定されてもよい。
【0021】
第2の線成分を符号化する別の方法は、距離を示す空間蛇行周波数で蛇行している第1の線を介した方法である。
【0022】
空間蛇行周波数は、本明細書において距離に反比例したものとすることができる。
【0023】
第2の線成分に符号化する更に別の方法は、第1の線の太さを変動させることである。距離は、本明細書において第1の線の太さに反比例したものとすることができる。
【0024】
線の形状へと符号化することは、例えば破線、点線、一点鎖線等の種々の線を選択し、且つそのような線において長点間及び/又は短点間の距離を変動させることによる符号化の線の種類であってもよい。
【0025】
線の色又は線の強度の符号化を使用することにより、第1の線の外観を基準位置と第1の位置との間の距離に依存させることが更に可能である。これは、距離を表す強度及び/又は色を含む線を表示することにより実行され得る。
【0026】
本発明の別の変形例によると、方法は、基準位置と第1の位置との間で延在し、第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提示された地域で提供するステップと、ユーザ入力領域でユーザ入力を検出するステップと、検出されたユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するステップとを更に備える。
【0027】
この変形例によると、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、基準位置と第1の位置との間で延在し第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提示された地域で提供し、前記ユーザ入力領域で検出されるユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するように更に構成される。
【0028】
本発明のこの変形例によると、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、基準位置と第1の位置との間で延在し、第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提示された地域で提供し、前記ユーザ入力領域で検出されるユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行する。
【0029】
これにより、基準位置及び第1の位置に対して実行されることに関連して地図選択機能を容易に且つユーザにとって使い易く選択できる。
【0030】
地図選択機能は、提示される地域における変化とすることができる。そのような変化は、たとえば、基準位置及び第1の位置の双方を提示するためにズームアウトすることであってもよい。また、それは、第1の位置を範囲に含む地域を提示し、この地域で第1のオブジェクトを提示するために、デジタル地図をパンすることであってもよい。さらに、それは、第1のオブジェクトに関連した更なるデータを提示すること、または第1のオブジェクトと関連付けられたデバイスとの通信を開始することであってもよい。
【0031】
本発明の別の変形例によると、第1のオブジェクトに関連し、第1のオブジェクトに従属する第2のオブジェクトが存在する。
【0032】
そのような従属オブジェクトは、第1のオブジェクトと関連付けられた実体に従属する実体と関連付けられたオブジェクトであってもよい。第1のオブジェクトは、本明細書において人物を表してもよい。この場合、従属オブジェクトは、監視下の別の人物、コマンド又は第1のオブジェクトと関連付けられた人物の制御を表してもよい。
【0033】
この第2のオブジェクトに対して、方法は、一方の端が第1の位置に接続され、且つ他方の反対側の端が第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供するステップと、地図ズームレベルがズーム閾値を下回るか、さもなければ第2の線を提示するのを控える間、第2の位置が提示された地域の外側にある場合に、提示された地域において延在する第2の線の部分を提示するステップとを更に備えてもよい。
【0034】
この第2のオブジェクトに対して、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、一方の端が第1の位置に接続され、他方の反対側の端が前記第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供し、地図ズームレベルがズーム閾値を下回るか、さもなければ第2の線を提示するのを控える間、第2の位置が提示された地域の外側にある場合に、提示された地域において延在する第2の線の部分を提示するように更に構成されてもよい。
【0035】
この更なるオブジェクトに対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、一方の端が第1の位置に接続され、他方の反対側の端が前記第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供し、地図ズームレベルがズーム閾値を下回るか、さもなければ第2の線を提示するのを控える間、第2の位置が提示された地域の外側にある場合に、提示された地域において延在する第2の線の部分を提示する。
【0036】
本発明の更なる変形例によると、第1のオブジェクトに関連し、第1のオブジェクトに従属するいくつかの更なるオブジェクトが存在してもよく、第1のオブジェクトの第1の位置は、これらの更なるオブジェクトの位置の間の中心点としてもよい。
【0037】
そのような更なるオブジェクトに対して、方法は、提示された地域でズームインする命令を検出するステップと、この地域でズームインを実行するステップとを更に備え、このズームインを実行した後で初めて更なるオブジェクトが提示されるようにしてもよい。
【0038】
そのような更なるオブジェクトに対して、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、提示された地域でズームインする命令を検出し、この地域においてズームインを実行し、このズームインを実行した後で初めて更なるオブジェクトを提示するように更に構成されてもよい。
【0039】
そのような更なるオブジェクトに対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、提示された地域でズームインする命令を検出し、この地域でズームインを実行し、更なるオブジェクトがこのズームインを実行した後で初めて提示されるようにしてもよい。
【0040】
1つの種類のユーザ入力は、第1の線及びユーザ入力領域を横断する移動の方向性ユーザ入力であってもよい。別の種類のユーザ入力は、第1の線に沿うユーザ入力領域における移動の方向性ユーザ入力であってもよい。更なる種類のユーザ入力は、第1の線をクリックすることであってもよい。
【0041】
本発明の一変形例によると、基準位置は地図提示ユニットの位置である。基準位置は、移動経路に沿って更に移動していてもよい。
【0042】
移動経路に沿うこの種の移動に対して、方法は、基準位置が第1のオブジェクトに至る移動経路に沿う分岐点を通過した場合に第1の線を削除する、又は第1の線を提示するのを控えるステップを備えてもよい。第1のオブジェクトに関連するデータは、第1の線と共に更に提示されてもよい。
【0043】
移動経路に沿うこの種の移動に対して、地図提供デバイスの地図提示制御ユニットは、基準位置が第1のオブジェクトに至る移動経路に沿う分岐点を通過した場合に第1の線を削除するか、あるいは第1の線を提示するのを控えるように更に構成されてもよい。第1のオブジェクトに関連するデータは、第1の線と共に更に提示されてもよい。
【0044】
移動経路に沿うこの種の移動に対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、基準位置が第1のオブジェクトに至る移動経路に沿う分岐点を通過した場合に第1の線を削除してもよく、あるいは第1の線を提示するのを控えてもよい。第1のオブジェクトに関連するデータは、第1の線と共に更に提示されてもよい。
【0045】
本発明の更なる変形例によると、第1の位置は、更なる端末と関連付けられた位置である。
【0046】
この更なる端末に対して、方法は、位置標定機能を使用してこの更なる端末の位置を取得する更なるステップを備えてもよい。
【0047】
この更なる端末に対して、地図提供デバイスは、この更なる端末の位置を取得するように構成されたオブジェクト位置標定ユニットを備えてもよい。
【0048】
この更なる端末に対して、更にコンピュータプログラムコードにより、地図提供デバイスは、位置標定機能を使用してこの更なる端末の位置を取得してもよい。
【0049】
本明細書において使用される場合の「備える」という用語は、記載される特徴、数字、ステップ又は構成要素の存在を特定するものとして解釈されるが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、構成要素又はそれらの集合の存在又は追加を除外しないことが強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、通信ネットワークに接続される2つのユーザ端末及び地図データベースに直接接続される地図サーバを概略的に示す図である。
【図2】図2は、地図サーバを示す簡略化された概略ブロック図である。
【図3】図3は、ユーザ端末を示す簡略化された概略ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に従ってユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法で実行される複数の方法ステップを示すフローチャートである。
【図5】図5は、第1の地域の基準オブジェクトが第1の線を介して第2の地域の第1のオブジェクトにリンクされる2つの別個の地域を有するデジタル地図を概略的に示す図である。
【図6A】図6Aは、基準オブジェクト及び第1の線の第1の部分を含む図5の第1の地域を概略的に示す図である。
【図6B】図6Bは、第1のオブジェクト及び第1の線の第2の部分を含む地域を概略的に示す図である。
【図7】図7は、第1のオブジェクト、第1の線の第3の部分及び第1のオブジェクトに関連した更なるオブジェクトを含む第2の地域の部分を概略的に示す図である。
【図8】図8は、第1の線のいくつかの別の構成を示す図である。
【図9】図9は、基準オブジェクトが移動経路に沿って移動している際に提示される地域を示す図である。
【図10】図10は、本発明の地図提供機能性を実現するコンピュータプログラムが格納されるCD ROMディスクの形態で本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラム製品を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
次に、添付の図面に関連して本発明を更に詳細に説明する。
【0052】
以下の説明において、限定するのではなく説明する目的で、本発明を完全に理解するために具体的な詳細、例えば特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術等を説明する。しかし、本発明がこれらの具体的な詳細から逸脱する他の実施形態で実施されてもよいことは、当業者には明らかとなるだろう。他の例において、既知のデバイス、回路及び方法の詳細な説明は、不要な詳細により本発明の説明を不明瞭にしないようにするために省略される。
【0053】
本発明は、ユーザ端末を介してデジタル地図上でオブジェクトを提示することに関する。オブジェクトは、本明細書において建物、営業所等の地図中のオブジェクトとすることができる。また、オブジェクトは、本明細書においてユーザに対する地点情報に関連する等、ユーザにとって興味深い地図上の場所に関連してものとすることもできる。そのような地点情報により、美容院または店等の種々のサービス及び歴史的に興味深い遺跡等の場所(site)を提供してもよい。さらに、オブジェクトは、地図上で提示されるインポートされたオブジェクト、例えばポータブルユーザ端末、車両等を搭載した人物を表すオブジェクトであってもよい。これは、オブジェクトが固定オブジェクトであっても移動オブジェクトであってもよいことを意味する。従って、オブジェクトは、デジタル地図上で提示されるかあるいはデジタル地図に対して提示されるアイコンのようなグラフィカルシンボルであってもよい。従って、オブジェクトは、ユーザにとって興味深いかもしれない人物、施設または他の何らかの項目をユーザが識別でき、それらがデジタル地図上で関連付けられた位置にリンクされることを何らかの方法で適切に示す記号であってもよい。
【0054】
本発明は、特に、地域が提示されるがそのようなオブジェクトが提示されない、すなわちオブジェクトが基準位置を含む地域の外側にある場合に、オブジェクトと基準位置との間の距離を提示することに関する。これは、オブジェクトがどのくらい離れて配置されているかをユーザが判定するのを容易にするために実行される。これは、サイズが小さく、多くの場合結果としてユーザが地図中の詳細を識別できるように狭い地域が提示される必要のあるディスプレイ等の地図提示ユニットにとって特に重要である。
【0055】
次に、WAN(ワイドエリアネットワーク)であってもよい通信ネットワークNの限定しない例の状況において本発明を更に詳細に説明する。ネットワークNを図1に示す。このネットワークNは、本明細書において、UMTS(ユニバーサル移動通信システム)ネットワーク又はLTE(Long Term Evolution)ネットワーク等のセルラネットワークとすることができ、それらはIMS(インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム)に接続されていてもよいし、されていなくてもよい。さらに、ネットワークNは固定ネットワークであってもよい。本発明は、実際にはワイドエリアネットワークに限定されず、実際にそのようなネットワークを使用せずに実現されてもよい。ネットワークNには、本発明の例では携帯電話である第1のユーザ端末10が接続される。携帯電話は、本発明で使用され得るユーザ端末の一例にすぎない。他の種類のユーザ端末としては、PC(パーソナルコンピュータ)、並びにラップトップコンピュータ及び/又はパームトップコンピュータ等のコンピュータ、並びに電子手帳などが挙げられる。本発明の一変形例において、第1のユーザ端末は、ユーザ、GPS(全地球測位システム)衛星からの入力、及び/又はナビゲーションデバイスの位置等を推定するために推測航法システムを利用する車両からの信号のみを受信できる、GPSを用いた誘導デバイス(guidance device)等の、独立型誘導デバイス、あるいはナビゲーションデバイスで実現される。ユーザ端末10は、地図サーバ12と通信することにより地図データベース14に接続する。本明細書において図1の地図データベース14は地図サーバ12の外側にあるものとして示されるが、他の実施形態において、地図サーバ12が地図データベース14を更に備えるようにしてもよい。ネットワークNには、別のユーザ端末15が更に接続される。
【0056】
地図サーバ12は、本明細書では本発明の一実施形態に係る地図提供デバイスであり、ユーザ端末10は、本発明の別の実施形態に係る地図提供デバイスである。
【0057】
図2は、地図サーバ12の内容を概略的に示す。地図サーバ12は、ネットワークを介して他のデバイスと通信し且つデータベース14とも通信するための、ネットワークに対する通信インタフェース16を含む。地図サーバ12は、後で示される例においてユーザ端末10から受信した命令を処理し、地図データベース14からデジタル地図を取り出し、結果をユーザ端末10に返送するサーバ地図提供ユニット18を更に含む。本明細書において、サーバ地図提供ユニット18及びインタフェース16に接続されたサーバオブジェクト位置標定ユニット19が更に存在する。このサーバオブジェクト位置標定ユニット19は、例えば通信ネットワークNを使用してオブジェクトの位置を標定する。そのような機能は、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)LCS(位置情報サービス)機能、又は、OMA(オープンモバイルアライアンス)loc機能、あるいは、Geopriv機能であってもよい。地図サーバ12は、携帯電話等の物体の位置を標定することを実行する。また、地図サーバ12は、人物に関連したグラフィカルオブジェクトを更に提供してもよい。
【0058】
図3は、本発明の一態様に係る第1のユーザ端末10の概略ブロック図を概略的に示す。第1のユーザ端末10は、ネットワークNと通信する通信インタフェースCI20を含む。通信インタフェース20は、端末地図ハンドリング機能MH_Fを実現するユーザ端末地図ハンドリングユニット32及びオブジェクト位置標定機能OPL_Fを実現する端末オブジェクト位置標定ユニット34を含む端末制御ユニット22に接続される。更に端末制御ユニット22は、本明細書ではキーボードKBの形態のユーザ入力ユニット24及び本明細書では表示ユニットDP_U26の形態の地図提示ユニット26に接続される。オブジェクト位置標定ユニット34は、上述したいずれかの種類に係るオブジェクト位置標定機能OPL_Fを提供してもよい。端末制御ユニット22には、位置決めユニットPOS28及びメモリM30が更に接続される。位置決めユニット28は、ユーザ端末の位置を提供するユニットである。すなわち、位置決めユニット28は、第1のユーザ端末自体の位置を取得するため、GPS信号受信及び計算回路の形態のGPS位置決めユニットであってもよい。あるいはユーザ端末の位置は、オブジェクト位置標定ユニット34を介して取得されてもよいことが本明細書において言及されるべきである。また、位置決めユニット28は、第1のユーザ端末10のプロセッサ上で実行されるソフトウェアの援助で実現されてもよい。位置決めユニット28のソフトウェアの実施形態は、第1のユーザ端末10の位置を判定するために現在のネットワークセルアイデンティティの位置の知識を利用してもよい。あるいは、又は、それに加え、第1のユーザ端末10の位置は、無線基地局信号の三角測量に基づいて判定されてもよい。これら2つの位置決め技術のうちの後者は、GPS衛星から十分な位置決め信号を受信できない場所で有益である。
【0059】
キーボードは、使用される可能性のある一種のユーザ入力ユニットである。しかし、マウス又はトラックボール等の他の種類のユーザ入力ユニットを用いることが更に可能である。また、ユーザ入力ユニットと地図提示ユニットとを組み合わせることが更に可能である。これは、タッチスクリーンが使用される場合の例である。表示層の上に提供されたタッチレジストレイション層はユーザ入力ユニットとして使用され、表示層は地図提示ユニットとして使用される。
【0060】
本発明の第1の実施形態において、ユーザ端末10は、オブジェクト位置標定機能34を用いて提供されないことが可能である。本明細書において、メモリ30及び位置決めユニット28が更に使用されてもよいが、それらを除去することが更に可能である。また、第1の実施形態における端末地図提供ユニット32の機能は、サーバ地図提供ユニット18に対するクライアントとして機能することに更に限定される。
【0061】
次に、上述した図1〜図3、並びにユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法において実行される複数の方法ステップのフローチャートを示す図4、2つの別個の地域を有するデジタル地図を示し、一方の地域の基準オブジェクトが第1の線を介して第2の地域の第1のオブジェクトにリンクされる図5、基準オブジェクト及び第1の線の第1の部分を含む図5の第1の地域を示す図6A、並びに第1のオブジェクト及び第1の線の第2の部分を含む第2の地域を示す図6Bを参照して、本発明の第1の実施形態に係る本発明の機能を更に詳細に説明する。
【0062】
今日では、デジタル地図を使用することにより、デジタル地図上の種々の位置に関する大量の情報をユーザに提供することが可能である。これにより、ユーザが地図の位置に関する興味深い情報及び有用なデータを発見し、そのような情報を提供するデータ又はユーザにとって興味深い他の機能を配置する多くの機会をもたらす。地図中のオブジェクト及び地図上のオブジェクトは、多くの場合、基準位置に関連して興味深いものである。この基準位置は、ユーザ端末自体の位置であってもよく、ユーザの位置を反映する。しかし、基準位置は、別の位置、例えばユーザが訪問する予定であるか、最近訪問したかあるいは他の理由で興味のある場所の位置であってもよい。興味深いオブジェクトは、家族、友人及びゲームの対抗者を表す移動オブジェクトであってもよいし、自動車及びバスのような車両等の他の移動オブジェクトであってもよい。オブジェクトは、地図中のオブジェクト、例えば特定の建物、店、又はレストラン等の施設、公園、あるいは地図に提示された他のあらゆる種類の実体であってもよい。本明細書において、オブジェクト及び基準位置の双方が同時に提示されるズームレベルで地図を提示することが可能である。しかし、これは2つの位置の間の距離をユーザに提示することに関して2つの欠点を有する。通常は携帯電話の場合であり、また、多くのナビゲーションデバイスの場合であるが、地図提示ユニットのサイズが小さい場合、建物及び道路等の地図要素が小さすぎて意味のある情報を全く提供できないため、距離を設定するのは困難となる。これは、ユーザがいくつかのオブジェクトに同時に興味がある場合に更に問題となる。
【0063】
基準位置にズームインすることにより大きさが変化する場合、地図の地理情報を掌握するのがより簡単になる。しかし、オブジェクトを提示できなくなる可能性がある。本明細書において、矢印等を介してオブジェクトへの一般的な方向を示すことが可能であるが、その場合には距離情報は失われる。これは、ユーザが、基準位置の局所的近傍を理解しつつ、基準位置と対象のオブジェクトとの間の距離を理解するために種々のズームレベル間で切り替えることが必要となることを意味する。更にそれには、多くのズームイン命令及びズームアウト命令が必要となり、非常に煩わしく且つ更に時間がかかるだろう。
【0064】
本発明は、オブジェクト及び基準位置を提供する際にユーザに対して距離情報を提示することに関連したこのような負担を軽減することに関する。
【0065】
ユーザ端末10は、この第1の実施形態においては単なるレンダリングデバイスである。従って、ユーザ端末10は、表示ユニット26上に提示される地図を取得するために地図サーバ12と通信する。従って、端末地図提供ユニット32は、本明細書においてサーバ地図提供ユニット18に接続する単なるクライアント機能である。従って、本実施形態において、サーバ地図提供ユニット18は、地図提示制御ユニットとして動作するサーバである。
【0066】
本明細書において第1のオブジェクト及び場合によっては更にこの第1のオブジェクトの第1の位置を提供するように、最初にユーザに入力指示をするようにしてもよい。本明細書において、ユーザがデジタル地図上で位置又はオブジェクトを示すことにより、例えば表示ユニット26を介して提示される地図上で建物を特定することにより、第1のオブジェクト及び第1の位置を提供するようにしてもよい。そのため、デジタル地図はサーバ地図提示制御ユニット18から端末地図提供ユニット32に転送され、端末地図提供ユニット32がそれを表示ユニット26上にレンダリングし、ユーザがキーボード24を使用してこの地図上で位置を選択することにより、その位置がオブジェクトを示すように構成してもよい。あるいはオブジェクトは、地図を探索すること、例えばレストラン等の種々のオブジェクトに関連して探索することにより取得されてもよい。この点に関して、本明細書において基準位置に関連した探索語をユーザが入力するようにしてもよく、この探索語をサーバ地図提供ユニット18に送信し、探索語に基づく探索で発見されたオブジェクトを含む地図を受信してもよい。
【0067】
さらに、ユーザが友人を示すことにより、オブジェクトが示されるようにしてもよい。ユーザは、本明細書において友人の位置を取得するために端末10の端末オブジェクト位置標定ユニット34を使用することができ、この位置及び友人を表すグラフィカルオブジェクトは、サーバ地図提示制御ユニット18に転送される。端末オブジェクト位置標定ユニット34は、本明細書において上述のオブジェクト位置標定機能に基づいて位置を標定してもよい。しかし、サーバ地図提示制御ユニット18がそのようなオブジェクト位置標定を処理することが更に可能である。従って、ユーザは、友人のユーザ端末の識別子、例えば携帯電話の番号、IMSプレゼンスサービスでの友人の名前又は別名を示してもよい。本発明の例において、ユーザは、キーボード24を介してそのような端末識別子を示してもよい。ユーザは、本明細書において友人を表すグラフィカルオブジェクトを更に提供してもよい。次にこの端末識別子は、場合によってはグラフィカルオブジェクトを伴う通信インタフェース20を介してサーバデバイスに転送される。
【0068】
その後、サーバデバイス12の地図提示制御ユニット18は、通信インタフェース16を介して端末識別子を受信し、場合によっては当該友人を表すグラフィカルオブジェクトを更に受信する。グラフィカルオブジェクトを受信しない場合、サーバ地図提供ユニット18は自身でそれを生成してもよい。あるいは、サーバ地図提供ユニット18は、友人の位置が標定される時にサーバオブジェクト位置標定ユニット19からグラフィカルオブジェクトを受信するようにしてもよい。一例として、この位置は、ネットワークNの更なるユーザ端末15の位置である。次にサーバ地図提供ユニット18は、ユーザ識別子によりサーバオブジェクト位置標定ユニット19に接続し、サーバオブジェクト位置標定ユニット19が、その後友人の位置を標定するようにしてもよい。本明細書において、サーバ位置標定ユニット19は、例えばセルアイデンティティ、三角測量、MPS又はGPS位置に基づく従来のあらゆる位置標定機能を使用してもよい。次にサーバオブジェクト位置標定ユニット19は、位置及び場合によっては更に位置と関連付けられたオブジェクトをサーバ地図提示制御ユニット18に提供する。この位置は本明細書において第1の位置を示し、オブジェクトは第1のオブジェクトを示す。このように、サーバ地図提供ユニット18は、ステップ36で第1のオブジェクトO1及び第1の位置P1を取得する。
【0069】
サーバ地図提供ユニット18は、場合によっては基準オブジェクトと共にステップ37で基準位置を更に取得する。本明細書において、基準位置は基準位置を入力するようにユーザに入力指示することにより取得されてもよく、これは表示ユニット26を介してレンダリングされている地図上でユーザが位置を示すことにより実行されてもよい。あるいは、ユーザ端末10の位置決めユニット28により、ユーザの位置を取得することが可能であり、取得されたユーザの位置はサーバ地図提示制御ユニット18に転送される。また、サーバ地図提供ユニット18は、サーバオブジェクト位置標定ユニット19を使用してユーザ端末10の位置を標定することが可能である。さらに、デジタル地図上のデフォルト位置が、基準位置として提供されることが可能である。特に基準位置がユーザの位置である場合、本明細書において、基準オブジェクトROはこの位置に対して提供されることが更に可能である。あるいは、位置の建物等の地図中のオブジェクトは、基準オブジェクトとして提供されてもよい。さらに、基準オブジェクトが提供されないことも可能である。
【0070】
次に、地図提示制御ユニットとして動作するサーバ地図提供ユニット18は、ステップ38でデジタル地図M1を取得する。本実施形態において、サーバ地図提供ユニット18は、データベース14から第1の位置及び基準位置を範囲に含むデジタル地図M1を収集する。こうして、デジタル地図は、基準位置及び第1の位置を含む。
【0071】
その後、サーバ地図提供ユニット18は、ステップ40で基準位置RPと第1の位置との間の距離Dを判定する。これは、基準位置の地図座標と第1の位置の地図座標とを比較することにより実行され得る。
【0072】
その後、地図提示制御ユニットは、基準位置と第1の位置との間に延在する第1の線を決定する。後に提示される際の線の外観は、本明細書において基準位置と第1の位置との間の距離に依存する。地図提示制御ユニットは、第1の線の外観、この場合は第1の線の形状へ、距離を反映する距離データを符号化することが見て取れる。本発明のいくつかの実施形態において、従って第1の線は、ステップ42で、基準位置RPと第1の位置P1との間の距離Dを反映する形状を有する線L1を決定する。第1の線は、第1の端が基準位置に接続され、他方の反対側の端が第1の位置に接続される。
【0073】
第1の線は、本明細書において、基準位置から第1の位置の方向への第1の線成分とこの方向に対して垂直な第2の線成分とを有し、距離を反映する距離データは、第2の線成分に符号化されるようにしてもよい。本発明の第1の実施形態に従って第1の線が提供される方法を図5に示す。
【0074】
図5において、基準位置RP及び基準オブジェクトROを範囲に含む第1の地域A1、並びに、第1のオブジェクトO1及び第1の位置P1を範囲に含む第2の地域A2を含むデジタル地図M1を示す。第1の線L1は、本明細書において例えば放物線状に湾曲してもよく、距離データは、基準位置RPと第1の位置P1との中間に提供される、基準位置RPと第1の位置P1との間の湾曲した第1の線と直線である基準線RLとの間の最大の高さHにより、第2の線成分に符号化される。更にこの最大の高さは、デジタル地図の大きさに関連して予め決定され、基準位置と第1の位置との間の距離に依存しなくてもよく、地図に対して使用される全ての第1の線に適用されてもよい。これは、地図で距離を示すために使用された全ての線が同一の高さ及び同一の一般的な形状を有することを意味する。しかし、この曲線は、距離に基づいて圧縮されるかあるいは拡張される。
【0075】
図5に示されたものは、ユーザ端末10の表示ユニット26上でレンダリングされないことが本明細書において理解されるべきである。図5は、本発明を適切に理解するためだけに示されたものである。
【0076】
第1の線L1がこのように決定されたことに伴い、ステップ44で、提示される第1の地域A1がサーバ地図提示制御ユニット18により決定される。これは、ユーザ端末から転送されるキーボード24を介して行われたユーザ選択を受信するサーバ地図提示制御ユニットにより、例えばユーザにより選択されたズーミング動作またはパニング動作を通して実行されてもよい。あるいは、サーバ地図提示制御ユニットは、地図解像度、地図のサイズ及び表示ユニットのサイズに基づいたデフォルトにより、基準位置が提供される地域を決定してもよい。
【0077】
地域A1が決定されたことに伴い、サーバ地図提示制御ユニット18は、ステップ46において、第1の位置P1が第1の地域A1の外側にあるか否かを調査する。外側にない場合、サーバ地図提供ユニット18は、基準オブジェクトRO及び第1のオブジェクトO1を含む地図の地域をユーザ端末10に転送する。そして、端末制御ユニット22の端末地図提供ユニット32は、処理を進め、表示ユニット26を介して第1の地域を提示する。従って、この場合にステップ48で提示される第1の地域は、基準位置及び第1のオブジェクトの双方を範囲に含む。これは、デジタル地図の第1の地域が基準位置RPの基準オブジェクトRO及び第1の位置P1の第1のオブジェクトO1により標準的な方法で提示されることを意味する。しかし、第1の線L1は提示されない。こうして、サーバ地図提示制御ユニット18は、第1の線を提示するのを控える。
【0078】
しかし、第1のオブジェクトO1がステップ46で提示された第1の地域A1の外側の位置を有する場合、ステップ50において、サーバ地図提供ユニット18は、表示ユニット26上で提示されるように、第1の線L1の部分と共に基準位置RPの基準オブジェクトROをその範囲に含むデジタル地図M1の第1の地域A1を送出する。サーバ地図提供ユニット18は、本明細書において基準オブジェクトを更に転送してもよい。
【0079】
ユーザ端末10の端末地図提供ユニット32は、処理を進めて、表示ユニット26を介して第1の地域A1をレンダリングするかあるいは提示する。
【0080】
なお、第1の線は、上述されたものより後で決定されてもよいことが本明細書において理解されるべきである。例えば、第1の位置が第1の地域の外側にあることが分かった後で初めて決定されてもよい。
【0081】
提示される第1の地域を図6Aに概略的に示す。図示されるように、第1の線L1は全体が提示されず、地域A1にわたり延在する第1の線の第1の部分L1Aのみが提示されている。残りは提示されない。
【0082】
以上のように提示することにより、ユーザが実際にこのオブジェクトを確認せずに第1のオブジェクトまでの距離の表示を得ることが可能となる。このように、ユーザは、表示ユニットを介してレンダリングされない地点情報を適切に認識する。第1の線を提供することにより、第1のオブジェクトが配置される方向を識別することが更に可能である。これは、分かりやすい地図情報をユーザに提供する地図解像度、すなわちユーザが地図上で他のオブジェクトを識別できるようにする地図解像度で地域を表すことと共に実行される。このように、ユーザは、自身が理解できる距離情報及び地図情報の双方を取得する。この利点は、いくつかのオブジェクトまでの距離が上述の方法で提供される場合により明らかである。距離が第2の線成分に符号化される線を使用することにより、第1の線成分を介した方向を示すことが可能である。これは、距離及び方向の双方を示す場合に有効で効率的な方法である。
【0083】
第1の線L1のこの変形例において、第1の地域の基準位置における第1の線と直線の基準線(不図示)との角度は、距離を適切に示すことが明らかである。この角度は、第1のオブジェクトが基準位置に近接する場合に相対的に大きく、距離が長い場合に相対的に小さい。従って、第1の地域の曲線の高さは、距離に関する適切な指標となる。
【0084】
地図を介してナビゲートする単純な方法をユーザに提供するために、地図提示制御ユニットは、基準位置RPと第1の位置との間で延在し、第1の線を取り囲む入力領域UIAを提示された地域に提供してもよい。これは、このユーザ入力領域が基準位置RPから表示ユニット26の縁部までの線を範囲に含む帯域として提供されることを意味し、その線は表示ユニット26の縁部において提示されている地域を離脱する。ステップ52において、このユーザ入力領域UIAでユーザにより生成されるユーザ入力が検出されると、ステップ54において、地図選択機能が対応するユーザ入力領域における入力に基づいて実行される。
【0085】
ユーザ入力は、例えばディスプレイ上のカーソルの動きにより有効に検出されてもよい。また、ディスプレイがタッチスクリーンである場合には、触れることにより実行されてもよい。さらに、キーボード上の矢印又はマウスを使用することにより実現されてもよい。その後、そのように検出されたユーザ入力が端末地図提供ユニット32からサーバ地図提示制御ユニット18に転送されることにより、対応する地図選択機能が実行される。ユーザ入力領域に対するユーザ入力は、複数の地図選択機能と関連付けられてもよく、そのうちのいくつかを以下に説明する。
【0086】
提供される地図選択機能のうちの少なくともいくつかは、提示される地域における変化を含む。
【0087】
図6Aにおいて、第1の種類のユーザ入力は、第1の線に沿うユーザ入力領域UIAにおける移動UM1である方向性ユーザ入力の形態で示される。そのようなユーザ入力が検出され、サーバ地図提示制御ユニット18に転送される場合、このユニットは、たとえば、提示される第2の地域A2を選択する。本明細書において、この選択は、第1の位置P1が提供される第2の地域A2を選択することを含む。従って、これは、サーバ地図提供ユニット18が第1のオブジェクトO1と共にデジタル地図の第2の地域A2を端末地図提供ユニット32に転送し、端末地図提供ユニット32がデジタル地図の第2の地域A2上で第1のオブジェクトO1を提示することを意味する。この地域A2は、たとえば、第1の地域と同一の地図解像度で提示される。
【0088】
これを図6Bに概略的に示す。本明細書において、第2の地域A2に提供される第1の線の部分である第1の線の第2の部分L1Bが更に示される。このように、第1のオブジェクトO1に到達するために高速で直接的なパン動作を実行することが可能である。これはそのように1段階で実行されるため、特定の地図解像度で、第1の地域と第2の地域との間に多くの地図ビューがある場合に有利である。尚、本明細書において、第1の位置P1と表示ユニット26の縁部との間の第2の地域において第1の線を取り囲むユーザ入力領域(不図示)における対応するユーザの移動を介して第1の地域に再度パンすることが可能であってもよく、そのような移動は、基準位置に向けての方向の移動であるのが有効である。以上のように、上述の地図選択機能は、第1の位置P1を範囲に含み且つこの地域A2で第1のオブジェクトO1を提示するためにデジタル地図をパンすることである。
【0089】
更なる種類のユーザ入力を用いることが可能である。次に、再度図6Aを参照すると、ユーザが第1の地域A1において第1の線及びユーザ入力領域UIAを横断する方向性移動UA2を行う場合、別の地図選択機能が提供される。この場合、サーバ地図提示制御ユニットは、ズームアウトし且つ基準及び第1の位置の双方を範囲に含むデジタル地図の地域を送出することが可能である。このようにして、基準位置及び第1の位置の双方が提示される。従って、この場合の地図選択機能は、基準位置及び第1の位置の双方を提示するためにズームアウトすることである。
【0090】
別のユーザ入力は、提示される地域においてユーザ入力領域の第1の線をクリックすることであってもよい。なお、提示される地域は第1の地域又は第2の地域のいずれかであってもよい。これにより、第1のオブジェクトに関連した更なるデータが取り出される地図選択機能が選択されるようにしてもよい。例えばこれは、ユニフォームリソースロケータ(URL)等の、第1の線により提供されたリンクへの接続とすることができる。このリンクは、更なるデータが取り出されるサーバにつながってもよい。例えば、第1のオブジェクトがレストランである場合、レストランにより提供されるメニューに関連するデータが取り出されてもよい。また、ランキングデータ、営業時間、レストランの種類等であってもよい。
【0091】
別の方法として、地図選択機能は、第1のオブジェクトと関連付けられたデバイスとの通信を開始するようにしてもよい。たとえば、第1のオブジェクトがレストランである場合、通話がレストランに対して設定されるか、あるいは電子メッセージがレストランに送出されることようにすることが可能である。オブジェクトが自身のユーザ端末の位置により配置される人物である場合、第1の線をクリックすることによりこのユーザ端末に通話が設定されるか、あるいはメッセージが送出されることが更に可能である。一例として、そのような通信は、図1においてユーザ端末10から更なる端末15に設定される。
【0092】
上述したようなユーザ入力は、説明した地図選択機能と必ずしも関連付けられなくてもよい。例えば第1の線をクリックすることによりズームアウトしてもよく、あるいは、一方の地域から他方の地域にパンしてもよい。
【0093】
次に、再度図6Bを参照すると、第1のオブジェクトO1と関連付けられた少なくとも1つ又は複数の従属オブジェクトが存在することが可能である。従属オブジェクトは、例えば、第1のオブジェクトと関連付けられた実体に従属する実体と関連付けられたオブジェクトである。第1のオブジェクトは、本明細書において人物を表してもよい。この場合、従属オブジェクトは、第1のオブジェクトと関連付けられた人物の監視下、指揮下、管理下にある別の人物を表してもよい。例えば第1のオブジェクトは、教師又は幼稚園の先生を表してもよく、その場合の従属オブジェクトは、生徒又は幼稚園グループの子供を表してもよい。第1のオブジェクトはチームリーダーを更に表してもよく、その場合の従属オブジェクトは、チームのメンバーを表す。これらの従属オブジェクトの位置は、たとえば、第1のオブジェクトに関連して上述したのと同一の方法で取得され得る。
【0094】
本明細書において、そのような更なるオブジェクトは、第2の地域には提示されないが、ユーザにより実行された、提示された地域でズームインする命令を検出した後で初めて提示されるようにすることが可能である。そのような命令が検出された後、サーバ地図提供ユニット18が第2の地域においてズームインし、より詳細な地域を提供することにより、更なる従属オブジェクトがこのズームインを実行した後で初めて提示される。この一例を図7に示す。本明細書において、第1の線L1Cの部分を上述したように提示する。従属オブジェクトO2A及びO2Bが本明細書において更に示される。このより狭い地域の外側にある従属オブジェクトは、本明細書において、一方の端が第1の位置P1に接続され、他方の反対側の端が開示されない従属オブジェクトの第2の位置に接続される第2の線L2の部分を提示することにより示され得る。本明細書において、地図ズームレベルがズーム閾値を下回る前は、更なる従属オブジェクトは提示されないか、あるいは従属オブジェクトへの方向が提示される。提示される第2の線L2の部分は、提示された地域において延在する部分である。この第2の線L2は、第1の線以外の別の形態、例えば別の色、第2の線を第1の線と区別する順序で提示されることが可能である。
【0095】
いくつかのそのような従属オブジェクトが存在する場合、これらの更なるオブジェクトの位置の間の中心点に第1のオブジェクトを提供することが更に可能である。
【0096】
距離データが第1のオブジェクトの形状に符号化される方法は、多くの方法で様々バリエーションが可能である。従って、上述した第1の線の第2の線成分のバリエーションは、線の形状を変更する方法の1例にすぎない。第2の線成分が変化し得る他の方法を用いることも可能である。
【0097】
この例を図8に示す。例えば符号化は、距離を示す空間蛇行周波数で蛇行している第1の線L1’を用いて提供されてもよい。本明細書においては、それが鋸歯状構造を有する一例を示す。しかし、他の構造は空洞形状等を更に実現可能である。空間蛇行周波数、すなわち例示している鋸歯が現れる頻度は、本明細書の例においては、距離に反比例している。空間周波数が高いほど、第1のオブジェクトは基準位置に近接している。また、符号化は、第1の線L1’’の太さを変動させることにより提供されてもよい。本明細書の例において、第1の線の太さは距離に反比例している。すなわち、細い線はより長い距離を表し、太い線はより短い距離を表す。
【0098】
線は他の方法、例えば破線及び点線により符号化されてもよく、その場合、長点間又は短点間の空間は距離を示すことが理解されるべきである。また、第1の線の色を用いた符号化または輝度を用いた符号化を用いることが更に可能である。これは、距離を表す色及び/又は輝度を含む第1の線を表示することにより実行され得る。
【0099】
上述の実施形態においては、サーバに地図提示制御機能が提供されている。これに対して、地図提示制御機能が代わりにユーザ端末に提供されてもよいことが理解されるべきである。この場合、端末地図提供ユニットは地図提示制御ユニットとして機能し、サーバオブジェクト位置標定ユニットの機能は端末オブジェクト位置標定ユニットにより実行される。デジタル地図は、メモリ30に格納されてもよい。本明細書において、ユーザ端末は、ネットワークNを介して地図サーバ12からデジタル地図を取り出すことが可能である。本発明のこの変形例において、本発明の地図提供機能は、ユーザ端末においてローカルアプリケーション又はローカルアプリケーションの一部を介してそのように提供される。
【0100】
従って、地図提供デバイスは、携帯電話等のユーザ端末であってもよい。従って、地図デバイスは移動型であってもよい。この場合、基準位置は移動していてもよい。
【0101】
地図提供デバイスは、GPSナビゲーションデバイス等のナビゲーションデバイスに提供されてもよい。そのような地図提供デバイスの図を図9に概略的に示す。本明細書において、地図の地域A1において移動経路MPに沿って移動する基準位置RPに基準オブジェクトROが存在する。この経路に沿って、基準位置RPが移動して第1のオブジェクトに至る別のルートを示す分岐点BPが存在する。この場合、基準オブジェクトROが移動するのに伴い、提示される地域は変化する。本明細書において、地域A1の外側の第1のオブジェクトまでの距離及び方向を示す第1の線L1(の第1の部分)が存在している。本明細書において、第1のオブジェクトに関連し、第1の線L1と共に提示される別のデータDA1及びDA2が更に存在する。第1のオブジェクトはここではレストランであってもよく、その場合更なるデータは、メニュー、料金リスト及びレストランの種類を表示してもよい。更なるデータは、レストランに連絡する方法を更に示してもよい。本明細書において、上述の方法のうちの1つ、例えば第1の線をクリックすることによりレストランに連絡することが更に可能であってもよい。第1のオブジェクトはガソリンスタンドであってもよく、その場合データは、提供される燃料の種類等のデータであってもよい。本発明のこの変形例によると、分岐点BPが通過された場合に第1の線L1を削除すること、あるいは第1の線L1を提示するのを控えることが可能である。図9の例において、これは、基準オブジェクトRO及び基準位置RPが移動経路MPの分岐点BPを通過するとすぐに第1の線L1が削除されることを意味する。
【0102】
これにより、ユーザは、ユーザにとって興味深いオブジェクトが依然として関連する限り、それらに関する情報を取得できる。
【0103】
地図提供ユニット及び位置標定ユニットは、地図提示制御ユニットの機能を実行するコンピュータプログラムコードを含む関連付けられたプログラムメモリを有するプロセッサの形態で提供されてもよい。このユニットは、ハードウェアの形態、例えばASIC回路の形態等で更に提供されてもよいことが理解されるべきである。本発明は、ソフトウェアとして提供されてもよい。これは、ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイス上で実行される場合に地図提示制御ユニットの機能性を地図提供デバイスに実行させるコンピュータプログラムコードとして本発明が提供されてもよいことを意味する。このプログラムコードは、サーバ又はユーザ端末にロードされる場合に地図提示制御ユニットの機能を実現するCD ROMディスク又はメモリスティック等のデータ記憶媒体上に更に提供されてもよい。そのようなコンピュータプログラムコード56が格納されるCD ROMディスク58の形態の1つのそのようなコンピュータプログラム製品を図10に概略的に示す。
【0104】
現在最も実用的であると考えられるもの及び好適な実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、逆に種々の変形及び等価な構成を範囲に含むことを意図することが理解されるべきである。従って、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法であって、
第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置を取得するステップと、
基準位置及び前記第1の位置を含むデジタル地図を取得するステップと、
一方の端が前記基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定するステップと、
前記基準位置を含む前記デジタル地図の地域を提示するステップと、を備え、
前記提示するステップは、前記第1の位置が前記地域の外側にある場合には、前記地域において延在し、一方の端が前記基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される前記第1の線の部分を提示することを含み、他の場合には前記第1の線は提示されず、提示される際の前記第1の線の外観は、前記基準位置と前記第1の位置との間の距離に依存することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の線は、前記基準位置から前記第1の位置の方向に第1の線成分及びこの方向に対して垂直な第2の線成分を有し、前記第1の線の外観は、前記距離を反映する距離データを前記第2の線成分に符号化することにより前記基準位置と前記第1の位置との間の前記距離に依存する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の線は湾曲し、前記基準位置と前記第1の位置との中間に提供される、前記基準位置と前記第1の位置との間の前記湾曲した第1の線と直線の基準線との間の最大の高さを通して、前記距離が前記第2の線成分に符号化されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記最大の高さは、前記デジタル地図の大きさに関連して予め決定され、前記基準位置と前記第1の位置との間の前記距離に依存しないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の線成分への前記符号化は、前記距離を示す空間蛇行周波数で蛇行している前記第1の線により提供されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記空間蛇行周波数は前記距離に反比例することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の線成分への前記符号化は、前記第1の線の太さを変動させることにより提供されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記距離は前記第1の線の太さに反比例することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の線の外観は、前記第1の線における線の種類、色又は輝度の変動により、前記基準位置と前記第1の位置との間の前記距離に依存することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記提示された地域において、前記基準位置と前記第1の位置との間で延在し前記第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提供するステップと、前記ユーザ入力領域でユーザ入力を検出するステップと、前記検出されたユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するステップと、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記地図選択機能の1つは、提示される地域における変化である、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記地図選択機能の1つは、前記基準位置及び前記第1の位置の双方を提示するためにズームアウトすることである、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記地図選択機能の1つは、前記第1の位置を範囲に含む地域を提示し、この地域で前記第1のオブジェクトを提示するために、前記デジタル地図をパンすることである、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のオブジェクトに関連し前記第1のオブジェクトに従属する第2のオブジェクトが存在し、一方の端が前記第1の位置に接続され他方の反対側の端が前記第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供するステップと、地図ズームレベルがズーム閾値を下回る場合であって、前記第2の位置が前記提示された地域の外側にある場合に、前記提示された地域において延在する前記第2の線の部分を提示し、他の場合には前記第2の線の提示を控えるステップと、を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のオブジェクトに関連し前記第1のオブジェクトに従属するいくつかの更なるオブジェクトが存在し、前記第1のオブジェクトの前記第1の位置は、これらの更なるオブジェクトの位置の間の中心点である、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記提示された地域でズームインする命令を検出し、前記地域でズームインを実行するステップをさらに備え、このズームインを実行した後で初めて更なるオブジェクトが提示される、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記地図選択機能の1つは、前記第1のオブジェクトに関連した更なるデータを提示することである、ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記地図選択機能の1つは、前記第1のオブジェクトと関連付けられたデバイスとの通信を開始することである、ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ユーザ入力の1つの種類は、前記第1の線及び前記ユーザ入力領域を横断する移動の方向性ユーザ入力であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ユーザ入力の1つの種類は、前記ユーザ入力領域における前記第1の線に沿う移動の方向性ユーザ入力である、ことを特徴とする請求項10乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ユーザ入力の1つの種類は、前記第1の線をクリックすることである、ことを特徴とする請求項10乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記基準位置は、前記地図提示ユニットの位置である、ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記基準位置は移動経路に沿って移動しており、前記基準位置が前記第1のオブジェクトに至る前記移動経路に沿う分岐点を通過した場合に、前記第1の線を削除するまたは前記第1の線を提示するのを控えるステップをさらに備える、ことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記第1の線と共に前記第1のオブジェクトに関連するデータを提示するステップを更に備える、ことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の位置は更なる端末と関連付けられた位置であり、前記取得するステップでは、この更なる端末の位置の取得を位置標定機能を使用して実行する、ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイスであって、
第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置を取得し、
基準位置及び前記第1の位置を含むデジタル地図を取得し、
一方の端が前記基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、前記基準位置を含む前記デジタル地図の地域を提示する、ように構成された地図提示制御ユニットを備え、
前記提示することは、前記第1の位置が前記地域の外側にある場合に前記地域において延在する前記第1の線の部分を提示することを含み、他の場合には前記第1の線は提示されず、提示される際の前記第1の線の外観は、前記基準位置と前記第1の位置との間の距離に依存する、ことを特徴とする地図提供デバイス。
【請求項27】
前記地図提示制御ユニットは、前記提示された地域において、前記基準位置と前記第1の位置との間で延在し前記第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提供し、前記ユーザ入力領域で検出されるユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するように更に構成される、ことを特徴とする請求項26に記載の地図提供デバイス。
【請求項28】
前記第1の位置は更なる端末と関連付けられた位置であり、この更なる端末の位置を取得するように構成されたオブジェクト位置標定ユニットを更に備える、ことを特徴とする請求項26又は27に記載の地図提供デバイス。
【請求項29】
他のデバイスと通信するネットワーク通信インタフェースを更に備える、ことを特徴とする請求項26乃至28のいずれか1項に記載の地図提供デバイス。
【請求項30】
前記地図提供デバイスは、前記ネットワーク通信インタフェースを介して前記ユーザ端末と通信するように構成された地図サーバである、ことを特徴とする請求項29記載の地図提供デバイス。
【請求項31】
前記地図提供デバイスは前記ユーザ端末であり、ユーザ入力を検出するユーザ入力ユニットと、前記デジタル地図を提示する前記地図提示ユニットとを更に備える、ことを特徴とする請求項26乃至29のいずれか1項に記載の地図提供デバイス。
【請求項32】
前記地図提供デバイスは、携帯電話であることを特徴とする請求項31記載の地図提供デバイス。
【請求項33】
前期地図提供デバイスは、ナビゲーションデバイスであることを特徴とする請求項32記載の地図提供デバイス。
【請求項34】
ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイス上で実行される場合に前記地図提供デバイスに、
第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置を取得し、
基準位置及び前記第1の位置を含む前記デジタル地図を取得し、
一方の端が前記基準位置に接続され且つ他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、
前記基準位置を含む前記デジタル地図の地域を提示するステップを実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記提示することは、前記第1の位置が前記地域の外側にある場合に前記地域において延在する前記第1の線の部分を提示することを含み、他の場合には前記第1の線は提示されず、提示される際の前記第1の線の外観は、前記基準位置と前記第1の位置との間の距離に依存する、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項35】
請求項34に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読媒体。
【請求項1】
ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する方法であって、
第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置を取得するステップと、
基準位置及び前記第1の位置を含むデジタル地図を取得するステップと、
一方の端が前記基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定するステップと、
前記基準位置を含む前記デジタル地図の地域を提示するステップと、を備え、
前記提示するステップは、前記第1の位置が前記地域の外側にある場合には、前記地域において延在し、一方の端が前記基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される前記第1の線の部分を提示することを含み、他の場合には前記第1の線は提示されず、提示される際の前記第1の線の外観は、前記基準位置と前記第1の位置との間の距離に依存することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の線は、前記基準位置から前記第1の位置の方向に第1の線成分及びこの方向に対して垂直な第2の線成分を有し、前記第1の線の外観は、前記距離を反映する距離データを前記第2の線成分に符号化することにより前記基準位置と前記第1の位置との間の前記距離に依存する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の線は湾曲し、前記基準位置と前記第1の位置との中間に提供される、前記基準位置と前記第1の位置との間の前記湾曲した第1の線と直線の基準線との間の最大の高さを通して、前記距離が前記第2の線成分に符号化されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記最大の高さは、前記デジタル地図の大きさに関連して予め決定され、前記基準位置と前記第1の位置との間の前記距離に依存しないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の線成分への前記符号化は、前記距離を示す空間蛇行周波数で蛇行している前記第1の線により提供されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記空間蛇行周波数は前記距離に反比例することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の線成分への前記符号化は、前記第1の線の太さを変動させることにより提供されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記距離は前記第1の線の太さに反比例することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の線の外観は、前記第1の線における線の種類、色又は輝度の変動により、前記基準位置と前記第1の位置との間の前記距離に依存することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記提示された地域において、前記基準位置と前記第1の位置との間で延在し前記第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提供するステップと、前記ユーザ入力領域でユーザ入力を検出するステップと、前記検出されたユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するステップと、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記地図選択機能の1つは、提示される地域における変化である、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記地図選択機能の1つは、前記基準位置及び前記第1の位置の双方を提示するためにズームアウトすることである、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記地図選択機能の1つは、前記第1の位置を範囲に含む地域を提示し、この地域で前記第1のオブジェクトを提示するために、前記デジタル地図をパンすることである、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のオブジェクトに関連し前記第1のオブジェクトに従属する第2のオブジェクトが存在し、一方の端が前記第1の位置に接続され他方の反対側の端が前記第2のオブジェクトの位置である第2の位置に接続される第2の線を提供するステップと、地図ズームレベルがズーム閾値を下回る場合であって、前記第2の位置が前記提示された地域の外側にある場合に、前記提示された地域において延在する前記第2の線の部分を提示し、他の場合には前記第2の線の提示を控えるステップと、を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のオブジェクトに関連し前記第1のオブジェクトに従属するいくつかの更なるオブジェクトが存在し、前記第1のオブジェクトの前記第1の位置は、これらの更なるオブジェクトの位置の間の中心点である、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記提示された地域でズームインする命令を検出し、前記地域でズームインを実行するステップをさらに備え、このズームインを実行した後で初めて更なるオブジェクトが提示される、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記地図選択機能の1つは、前記第1のオブジェクトに関連した更なるデータを提示することである、ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記地図選択機能の1つは、前記第1のオブジェクトと関連付けられたデバイスとの通信を開始することである、ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ユーザ入力の1つの種類は、前記第1の線及び前記ユーザ入力領域を横断する移動の方向性ユーザ入力であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ユーザ入力の1つの種類は、前記ユーザ入力領域における前記第1の線に沿う移動の方向性ユーザ入力である、ことを特徴とする請求項10乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ユーザ入力の1つの種類は、前記第1の線をクリックすることである、ことを特徴とする請求項10乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記基準位置は、前記地図提示ユニットの位置である、ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記基準位置は移動経路に沿って移動しており、前記基準位置が前記第1のオブジェクトに至る前記移動経路に沿う分岐点を通過した場合に、前記第1の線を削除するまたは前記第1の線を提示するのを控えるステップをさらに備える、ことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記第1の線と共に前記第1のオブジェクトに関連するデータを提示するステップを更に備える、ことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の位置は更なる端末と関連付けられた位置であり、前記取得するステップでは、この更なる端末の位置の取得を位置標定機能を使用して実行する、ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイスであって、
第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置を取得し、
基準位置及び前記第1の位置を含むデジタル地図を取得し、
一方の端が前記基準位置に接続され、他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、前記基準位置を含む前記デジタル地図の地域を提示する、ように構成された地図提示制御ユニットを備え、
前記提示することは、前記第1の位置が前記地域の外側にある場合に前記地域において延在する前記第1の線の部分を提示することを含み、他の場合には前記第1の線は提示されず、提示される際の前記第1の線の外観は、前記基準位置と前記第1の位置との間の距離に依存する、ことを特徴とする地図提供デバイス。
【請求項27】
前記地図提示制御ユニットは、前記提示された地域において、前記基準位置と前記第1の位置との間で延在し前記第1の線を取り囲むユーザ入力領域を提供し、前記ユーザ入力領域で検出されるユーザ入力に基づいて地図選択機能を実行するように更に構成される、ことを特徴とする請求項26に記載の地図提供デバイス。
【請求項28】
前記第1の位置は更なる端末と関連付けられた位置であり、この更なる端末の位置を取得するように構成されたオブジェクト位置標定ユニットを更に備える、ことを特徴とする請求項26又は27に記載の地図提供デバイス。
【請求項29】
他のデバイスと通信するネットワーク通信インタフェースを更に備える、ことを特徴とする請求項26乃至28のいずれか1項に記載の地図提供デバイス。
【請求項30】
前記地図提供デバイスは、前記ネットワーク通信インタフェースを介して前記ユーザ端末と通信するように構成された地図サーバである、ことを特徴とする請求項29記載の地図提供デバイス。
【請求項31】
前記地図提供デバイスは前記ユーザ端末であり、ユーザ入力を検出するユーザ入力ユニットと、前記デジタル地図を提示する前記地図提示ユニットとを更に備える、ことを特徴とする請求項26乃至29のいずれか1項に記載の地図提供デバイス。
【請求項32】
前記地図提供デバイスは、携帯電話であることを特徴とする請求項31記載の地図提供デバイス。
【請求項33】
前期地図提供デバイスは、ナビゲーションデバイスであることを特徴とする請求項32記載の地図提供デバイス。
【請求項34】
ユーザ端末の地図提示ユニットを介してデジタル地図を提示する地図提供デバイス上で実行される場合に前記地図提供デバイスに、
第1のオブジェクト及びこの第1のオブジェクトの第1の位置を取得し、
基準位置及び前記第1の位置を含む前記デジタル地図を取得し、
一方の端が前記基準位置に接続され且つ他方の反対側の端が前記第1の位置に接続される第1の線を決定し、
前記基準位置を含む前記デジタル地図の地域を提示するステップを実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記提示することは、前記第1の位置が前記地域の外側にある場合に前記地域において延在する前記第1の線の部分を提示することを含み、他の場合には前記第1の線は提示されず、提示される際の前記第1の線の外観は、前記基準位置と前記第1の位置との間の距離に依存する、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項35】
請求項34に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−533764(P2012−533764A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520568(P2012−520568)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050908
【国際公開番号】WO2011/008147
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050908
【国際公開番号】WO2011/008147
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]