説明

デジタル放送における検索システム

【課題】放送中の視聴者からの検索要求に対して、必要な商品情報を即時に提供することが可能なオンデマンド方式の検索システムを提供する。
【解決手段】映像受像機1に表示される各映像に関連するキーワードを、当該映像が表示される時刻の時刻情報と対応付けて蓄積したキーワードサーバ4を備える。リモコン20からの検索要求があると、映像受像機1が放送電波から取得したコンテンツIDおよびそのときの時刻情報に基づいて、キーワードサーバ4が当該映像に関連するキーワードを抽出する。商品情報サーバ7、スナップショットサーバ8、商品画像サーバ9は、抽出されたキーワードに関連する商品の情報および画像を抽出し、これらに基づいて生成された検索結果を配信サーバ11から映像受像機1へ配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送を受信するテレビジョン受像機に表示された映像に関連する商品情報を即時に入手できるオンデマンド方式の検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル放送は、BS(Broadcasting Satellite)やCS(Communication Satellite)のような宇宙衛星からの放送電波を受信する衛星放送に限られていたが、2003年12月より、衛星放送に加えて、地上波によるデジタル放送が開始された。地上波デジタル放送は、デジタル信号に変換した映像・音声信号を電波に乗せて地上の電波塔から送信し、この放送電波をUHFアンテナおよび専用のチューナで受信して、テレビジョン受像機(以下、テレビと記す)で視聴する方式である。
【0003】
地上波デジタル放送には、データ放送としての機能が備わっているため、番組を視聴しながら、ニュース、天気予報、交通情報など、様々な情報をテレビの画面に映し出すことができる。また、いわゆる双方向性の機能により、情報を受け取るだけでなく、視聴者側から情報を発信することもできる。例えば、ショッピング番組において、欲しい商品をテレビの画面上で購入したり、クイズ番組において視聴者がその場で参加したりすることが可能となる。
【0004】
デジタル放送によって、テレビは従来の「見るテレビ」から「使うテレビ」へ変化したといわれる。前者は受動的機能、後者は能動的機能と言い換えることができる。しかしながら、テレビの能動的機能を考えた場合、視聴者には、ショッピングやクイズ参加のようなニーズだけではなく、テレビを見ている途中で必要となった情報をその場ですぐに得たいという潜在的なニーズがある。
【0005】
必要な情報を得る手段としては、インターネットによる検索がある。しかし、これによる場合は、まずパーソナルコンピュータを立ち上げ、その後に検索のための操作を行う必要があるため、必要な情報を得るまでに時間と手間がかかる。また、一般にインターネット検索では、例えば、「駅の近くで安価なスポーツクラブを探したい」というように検索目的が事前に明確になっており、その目的に向けて検索が行われる。しかるに、情報検索のモチベーション(動機)は、必ずしもこのような場合だけに限られず、偶発的に生まれることもある。
【0006】
例えば、テレビの画面に映し出された外国の街が印象的だった場合に「これはどこの国の、何という街だろう?」とか、出演しているタレントの服が自分の好みにぴったりだった場合に「あの服は何というブランドで、何処で買えるのだろう?」といった具合に、テレビの画面で偶然目にとまったものについて「知りたい」という欲求が発生する。そして、この欲求が商品やサービスを購入しようという購買意欲へとつながってゆく。
【0007】
このように、人間の「知りたい」という欲求は、偶然のタイミングから生まれることがあるが、その欲求に対して即座に対応がなされなければ、その欲求は消えてなくなり、ビジネスチャンスも失われる。デジタル放送の現状をみた場合、確かに、テレビの能動的機能が重視されるようになってきたのは事実であるが、上述したような、偶然のタイミングから生まれた検索要求を満たすことができるようなシステムは、いまだ実現されていない。
【0008】
なお、下記の特許文献1には、デジタルテレビのシステムにおいて、番組内容に関連の深いコンテンツを番組に連動して表示させることが記載されている。本文献では、コンテンツおよびその属性情報をあらかじめテレビ装置に蓄積しておき、番組視聴時に、放送局からの放送番組データから抽出したキーワード(番組タイトル、ジャンル等)を用いて、コンテンツの属性情報を検索することにより、番組内容と関連の強いコンテンツを読み出し、表示させるようにしている。しかしながら、この特許文献1のシステムは、視聴者の意思とは無関係に、番組単位で予め決められたコンテンツを番組放送時に表示するというものであり、番組放映中に時々刻々変化する各場面での視聴者からの検索要求に対応しうるものではない。また、本文献のように、放送番組のデータにキーワードを組み込むと、大量のキーワードを設定するには限界があり、検索用のシステムにはなじまない。
【0009】
【特許文献1】特開2002−247472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するものであって、その課題とするところは、放送中の視聴者からの検索要求に対して、必要な商品情報を即時に提供することが可能なオンデマンド方式の検索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る検索システムは、デジタル放送を受信する映像受像機に表示された映像に関して、検索要求手段からの検索要求に基づき所定の検索を行う検索システムであって、各映像に関連するキーワードを、当該映像が表示される時刻の時刻情報と対応付けて、コンテンツごとに蓄積したキーワード蓄積手段を備える。検索要求手段からの検索要求があると、映像受像機が放送信号から取得したコンテンツ識別情報およびそのときの時刻情報に基づいて、キーワード蓄積手段に蓄積されたキーワードの中から、当該映像に関連するキーワードを抽出する。そして、このキーワードに関連する商品の情報を抽出し、これらに基づいて生成された検索結果を配信する。ここで、本発明における「商品」には、有形物の商品だけでなく、無形物たるサービスも含まれる。
【0012】
本発明においては、各映像に関連するキーワードが時刻情報と対応付けられて蓄積されているので、検索要求があった時点で、そのときの映像に関連するキーワードが即座に抽出され、このキーワードに基づいて得られた商品情報を用いて検索結果がすみやかに配信される。このため、視聴者は、テレビを見ていて知りたい情報があった場合に、その情報を直ちに取得することができる。また、情報の提供側(例えば企業や広告代理店)からすれば、知りたいという欲求に対して即座に対応できるため、視聴者の購買意欲を高めてビジネスに結びつけることができる。
【0013】
本発明の第1実施形態においては、検索結果が映像受像機へ配信される。第1実施形態に係る検索システムは、前述のキーワード蓄積手段と、検索要求手段から検索要求があったときに、映像受像機が放送信号から取得したコンテンツ識別情報、そのときの時刻情報、およびユーザを特定するための固有情報を受け取って、受付処理を行うとともに、固有情報に基づいてユーザ登録の有無を問い合わせる受付処理手段と、この受付処理手段からのユーザ登録有無の問い合わせを受けて、ユーザ登録の有無の照合を行い、ユーザ登録有の場合は当該ユーザに関するユーザ情報を送出する照合手段と、受付処理手段が受け取ったコンテンツ識別情報および時刻情報に基づいて、キーワード蓄積手段に蓄積されたキーワードの中から、当該映像に関連するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、ユーザ情報および抽出されたキーワードを取得して、当該ユーザの検索履歴を抽出する履歴抽出手段と、キーワード抽出手段で抽出されたキーワードおよび履歴抽出手段で抽出されたユーザの検索履歴に基づいて、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出する商品情報抽出手段と、この商品情報抽出手段で抽出された商品に関する画像のデータを抽出する画像データ抽出手段と、商品情報抽出手段で抽出された商品情報および画像データ抽出手段で抽出された画像データに基づいて生成された検索結果を映像受像機へ配信する配信手段とを備える。
【0014】
この第1実施形態においては、キーワードに加えてユーザの検索履歴をも参照することにより、そのユーザに最も適した商品が抽出されるので、ユーザに対してきめの細かい情報提供サービスを行うことができる。
【0015】
また、第1実施形態では、ユーザ登録が無い場合に、照合手段が仮のユーザ識別情報を生成して仮登録を行うようにしてもよい。この場合は、ユーザの過去の検索履歴が存在しないため、商品情報抽出手段は、キーワードを参照することにより、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出する。これにより、ユーザ登録が済んでいない視聴者に対しても、必要な情報を提供することができる。
【0016】
本発明の第2実施形態においては、検索結果が映像受像機とは別のユーザ端末へ配信される。第2実施形態に係る検索システムは、前述のキーワード蓄積手段と、検索要求手段から検索要求があったときに、映像受像機が放送信号から取得したコンテンツ識別情報、そのときの時刻情報、およびユーザを特定するための固有情報を受け取って、受付処理を行うとともに、固有情報に基づいてユーザ登録の有無を問い合わせる受付処理手段と、この受付処理手段からのユーザ登録有無の問い合わせを受けて、ユーザ登録の有無の照合を行い、ユーザ登録有の場合は当該ユーザに関するユーザ情報を送出する照合手段と、受付処理手段が受け取ったコンテンツ識別情報および時刻情報に基づいて、キーワード蓄積手段に蓄積されたキーワードの中から、当該映像に関連するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、ユーザ情報および抽出されたキーワードを取得して、当該ユーザの検索履歴を抽出する履歴抽出手段と、キーワード抽出手段で抽出されたキーワードおよび履歴抽出手段で抽出されたユーザの検索履歴に基づいて、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出する商品情報抽出手段と、この商品情報抽出手段で抽出された商品に関する画像のデータを抽出する画像データ抽出手段と、商品情報抽出手段で抽出された商品情報および画像データ抽出手段で抽出された画像データに基づいて生成された検索結果を映像受像機とは別のユーザ端末へ配信する配信手段とを備える。ユーザ端末は、例えば携帯電話機やパーソナルコンピュータなどからなる。
【0017】
この第2実施形態においても、ユーザの検索履歴を参照することにより、そのユーザに最も適した商品が抽出されるので、ユーザに対してきめの細かい情報提供サービスを行うことができる。また、検索結果が携帯電話機等の端末に配信されるため、テレビの視聴後であっても、任意の時間に検索結果を取得することが可能となる。
【0018】
第2実施形態においても、ユーザ登録が無い場合に、照合手段が仮のユーザ識別情報を生成して仮登録を行うようにしてもよい。この場合も、ユーザの過去の検索履歴が存在しないため、商品情報抽出手段は、キーワードを参照することにより、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出する。また、映像受像機は、照合手段から取得した仮のユーザ識別情報と、ユーザ端末から配信手段へアクセスする場合のアクセス先とを表示する。視聴者は、映像受像機に表示された情報を用いてユーザ端末から配信手段へアクセスを行い、検索結果を取得する。これにより、ユーザ登録が済んでいない視聴者に対しても、必要な情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、検索要求を行った視聴者に対して必要な商品情報を即時に提供することが可能なオンデマンド方式の検索システムを実現することができる。また、検索用のキーワードを放送番組のデータに組み込む必要がないため、大量のキーワードを蓄積して豊富な情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態を示すシステム構成図である。1は映像受像機であって、地上波デジタル放送を受信するテレビジョン受像機(以下、テレビと記す)からなる。放送信号を受信する方式としては、電波による無線方式に限らず、光ケーブルによる有線方式であってもよい。20はリモートコントロール装置(以下、リモコンと記す)であって、視聴者の操作により映像受像機1に対して種々の指令信号を送信する。このリモコン20は、本発明における検索要求手段を構成している。30はネットワークであって、典型的にはインターネットから構成される。100は本発明の検索システムであって、ネットワーク30を介して映像受像機1との間でデータのやりとりを行う。
【0021】
検索システム100は、各種機能を備えた複数のサーバから構成されている。ここでは、受付サーバ2、顧客情報サーバ3、キーワードサーバ4、検索サーバ5、履歴サーバ6、商品情報サーバ7、スナップショットサーバ8、商品画像サーバ9、スクリプトサーバ10、配信サーバ11が備わっている。但し、サーバは必ずしも機能ごとに分ける必要はなく、複数の機能を1つのサーバに持たせてもよい。各サーバにおける詳細な処理内容については後述することとし、以下では、まず、各サーバの概要について述べる。
【0022】
受付サーバ2は、リモコン20から映像受像機1に検索要求信号が送信されたときに、映像受像機1からの通知に基づき、検索要求の受付処理を行うとともに、顧客情報サーバ3へユーザ登録有無の問合せを行う。顧客情報サーバ3は、ユーザ情報を保有しており、このユーザ情報を参照してユーザ登録有無の照合を行うとともに、登録有の場合はユーザ情報を受付サーバ2へ送出する。キーワードサーバ4は、映像受像機1に表示される各映像に関連するキーワードを、当該映像が表示される時刻の時刻情報と対応付けて、コンテンツごとに蓄積しており、検索要求があったときに、該当するキーワードを抽出する。
【0023】
検索サーバ5は、受付サーバ2から取得したユーザ情報と、キーワードサーバ4から取得したキーワードとに基づき、履歴サーバ6、商品情報サーバ7、スナップショットサーバ8および商品画像サーバ9と協働して、ユーザに対する最適商品の検索を行う。履歴サーバ6は、ユーザごとの過去の検索履歴を蓄積しており、検索サーバ5からの指令を受けて、該当するユーザの検索履歴を抽出する。商品情報サーバ7は、検索サーバ5からの指令を受けて、ユーザに対する最適商品の情報(例えば、商品名・企業名・説明文など)を抽出する。
【0024】
スナップショットサーバ8は、検索サーバ5からの指令を受けて、最適商品に関連する画像を、放送信号の映像から(あるいは事前にファイルに登録された映像から)スナップショットにより取得する。商品画像サーバ9は、検索サーバ5からの指令を受けて、最適商品に関連する画像を、事前にファイルに登録された画像の中から抽出する。なお、スナップショットサーバ8と商品画像サーバ9とは、必ずしも両方設ける必要はなく、いずれか一方のみを設けてもよい。また、1つのサーバでスナップショットサーバ8と商品画像サーバ9の2つの機能を兼用してもよい。
【0025】
スクリプトサーバ10は、検索サーバ5から商品情報と画像データを含む検索結果を受け取り、この検索結果を映像受像機1に表示するためのスクリプトを自動的に生成する。配信サーバ11は、スクリプトサーバ10からスクリプトと画像とを受け取り、これをネットワーク30を介して映像受像機1に配信する。
【0026】
以上において、受付サーバ2は本発明における受付処理手段を構成し、顧客情報サーバ3は照合手段を構成し、キーワードサーバ4はキーワード蓄積手段およびキーワード抽出手段を構成し、検索サーバ5および履歴サーバ6は履歴抽出手段を構成し、検索サーバ5および商品情報サーバ7は商品情報抽出手段を構成し、検索サーバ5ならびにスナップショットサーバ8および商品画像サーバ9は画像データ抽出手段を構成し、スクリプトサーバ10および配信サーバ11は配信手段を構成する。各サーバに保存されているデータ、または一時的に記憶されるデータは、図11〜図20に示されている。
【0027】
図2は、各サーバの電気的構成を示したブロック図である。51は各部の制御を行う制御手段としてのCPU、52はディスクに対してデータを読み書きするためのディスクドライブ、53はスイッチや操作ボタンを含む操作部、54はLEDランプ等を含む表示部、55はRAMやROM等からなるメモリ、56はハードディスクからなる記憶装置、57は外部との間で通信を行うための通信部、58はキーボード、マウス、モニタ等の機器を接続するためのインターフェイスである。
【0028】
図3は、第1実施形態における検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムであり、図中の丸数字は処理の順番を表している。図4、図5A、図5Bは、同検索手順を示したフローチャートであり、各ステップの右側に付した丸数字は図3のそれと対応している。図6は、映像受像機1に表示される検索要求対象の映像例である。図7は、映像受像機1に表示される検索結果の例である。以下、図3〜図7を参照しながら、第1実施形態の検索手順について説明する。
【0029】
図3において、映像受像機1が受信するデジタル放送の電波には、映像信号と、コンテンツIDとが含まれている。コンテンツIDは、コンテンツを特定するための識別番号であって、本発明のコンテンツ識別情報に相当し、例えば1つの番組につき1つのコンテンツIDが割り当てられる。このため、映像受像機1は、放送電波を受信することで、映像信号とコンテンツIDとを取得する(図4のステップS1)。
【0030】
次に、映像受像機1に表示される映像のうち、ある特定の映像について関連情報を得るために検索を希望する場合、視聴者は、リモコン20を操作して、検索要求信号を映像受像機1へ送信する(ステップS2)。例えば、映像受像機1の画面1aに図6に示すような映像が表示されていて、この映像に関連する情報の検索を行いたい場合は、リモコン20に設けられている赤ボタンまたは青ボタン(図示省略)を押す。図6の画面1aには、この検索要求の操作を案内するメッセージ1bが表示されている。赤ボタンを押した場合は、検索結果が映像受像機1に表示され、青ボタンを押した場合は、検索結果が映像受像機1とは別の携帯電話機やパーソナルコンピュータ(PC)に表示されるようになっている。ここでは、赤ボタンが押されたとする。
【0031】
リモコン20から映像受像機1へ検索要求信号が送られると、映像受像機1は受信した放送信号から取得したコンテンツIDに、タイムスタンプと機器固有IDとを付加して、これらの情報をネットワーク30(図1)を介して受付サーバ2へ送信する(ステップS3)。タイムスタンプは、本発明の時刻情報に相当するものであって、映像受像機1に内蔵されている時計(例えば電波時計)から得られる。受付サーバ2へ送信されるタイムスタンプは、検索要求があった時点の時刻を表している。機器固有IDは、本発明の固有情報に相当するものであって、映像受像機1ごとに割り当てられている識別番号である。
【0032】
受付サーバ2は、映像受像機1からコンテンツID、タイムスタンプおよび機器固有IDを受け取ると、受付番号を生成して受付処理を行う(ステップS4)。受付サーバ2のメモリには、図11のように、機器固有ID、タイムスタンプ、コンテンツID、受付番号を格納する領域が確保されており、また、後述する参照先アドレスやユーザデータを格納する領域も確保されている。
【0033】
次に、受付サーバ2は、顧客情報サーバ3に対して、機器固有IDに基づきユーザ登録の有無を照会する(ステップS5)。顧客情報サーバ3では、受付サーバ2から受け取った機器固有IDをキーとして検索を行い、当該機器の所有者たるユーザが登録されているか否かを照合する(ステップS6)。顧客情報サーバ3の記憶装置には、図12に示すようなユーザデータが顧客ごとに蓄積されている。ユーザデータには、ユーザ名、個人情報(性別・年齢・職業・趣味・住所・電話番号・電子メールアドレス等)、ユーザID、パスワード、機器固有IDが含まれる。
【0034】
顧客情報サーバ3での照合の結果、ステップS7においてユーザ登録有と判定された場合は、図5AのステップS11へ移行し、顧客情報サーバ3は上述したユーザデータを受付サーバ2へ送信する。受付サーバ2は、顧客情報サーバ3からユーザデータを受け取ったことで、ユーザ登録がされていると判断し、映像受像機1に対して、配信サーバ11の参照先(検索結果が格納される領域のアドレス)を通知する(ステップS12)。これは、後述するように、映像受像機1は検索要求があってから一定時間後に自動的に配信サーバ11へアクセスを行い、配信サーバ11から検索結果を取得するので、その場合のアクセス先を事前に知らせておくためである。
【0035】
その後、受付サーバ2は、顧客情報サーバ3から受け取ったユーザデータを検索サーバ5へ転送する(ステップS13)。このとき、ユーザデータとともに受付番号も一緒に送信される。検索サーバ5のメモリには、図14に示すように、ユーザデータおよび受付番号を格納する領域が確保されており、また、後述するキーワード、商品情報、画像データ、検索履歴を格納する領域も確保されている。受付サーバ2は、続いて、映像受像機1から取得した情報のうち、タイムスタンプとコンテンツIDとをキーワードサーバ4へ送信する(ステップS14)。なお、ステップS13とS14の順序は逆であってもよい。タイムスタンプとコンテンツIDとを受け取ったキーワードサーバ4は、これらに基づいてキーワードを抽出する(ステップS15)。
【0036】
キーワードサーバ4の記憶装置には、図13に示すようなコンテンツに関する情報がコンテンツごとに蓄積されており、この中には、コンテンツIDと、各映像が放送される時刻(つまり映像受像機1に各映像が表示される時刻)と、各映像に関連するキーワードとが含まれている。そして、時刻とキーワードとは対応付けて記録されている。すなわち、ある時刻における映像には、あるキーワードが割り当てられ、別の時刻における映像には、別のキーワードが割り当てられることになる。したがって、キーワードは時々刻々変化する映像ごとに異なったものとなる。1つの映像に対して複数個のキーワードを割り当てることも可能である。キーワードサーバ4は、受付サーバ2から受け取ったコンテンツIDに基づき、該当するコンテンツのテーブル(図13)を参照し、受け取ったタイムスタンプと、テーブル中の時刻とを照合して、タイムスタンプの時刻に対応する映像のキーワードを抽出する。なお、図13において、コンテンツデータとは、例えばコンテンツのデータサイズ、データフォーマット、ビットレート等のデータである。
【0037】
次に、キーワードサーバ4は、抽出したキーワードを検索サーバ5へ送信する(ステップS16)。検索サーバ5は、キーワードサーバ4から受け取ったキーワードと、ステップS13で受付サーバ2から受け取ったユーザデータおよび受付番号とを、履歴サーバ6へ転送する(ステップS17)。履歴サーバ6は、送られてきたキーワードやユーザデータ等を蓄積する(ステップS18)。履歴サーバ6の記憶装置には、図15に示すように、ユーザデータ(ユーザ名・個人情報・ユーザID・パスワード)と、検索年月日、キーワード履歴、受付番号、コンテンツIDが蓄積されており、検索サーバ5からキーワードやユーザデータ等を受け取るたびに、蓄積データが更新される。
【0038】
履歴サーバ6は、更新した検索履歴、すなわち検索年月日とキーワード履歴とからなるユーザの検索履歴を、検索サーバ5へ送信する(ステップS19)。検索サーバ5は、履歴サーバ6から検索履歴を受け取ると、ステップS13で取得済のユーザデータと、ステップS16で取得済のキーワードと、上記検索履歴とに基づいて、ユーザの嗜好傾向や興味分野等を分析する(ステップS20)。これによって、例えばキーワードの絞り込み等が行われる。その後、検索サーバ5は、商品情報サーバ7に対して、分析結果に基づくユーザの最適商品を問い合わせる(ステップS21)。商品情報サーバ7の記憶装置には、図16に示すように、商品名・商品ID・企業名・説明文・キーワード、コンテンツID、タイムスタンプ等の商品情報が、商品ごとに蓄積されている。なお、ここでのコンテンツIDはその商品の画像を含む放送映像(例えばCM)のコンテンツIDであり、タイムスタンプは当該映像の放送時刻であって、これらは、受付サーバ2が映像受像機1から取得(ステップS3)したコンテンツID、タイムスタンプとは別のものである。商品情報サーバ7の商品情報は、定期的に更新される。検索サーバ5から照会を受けた商品情報サーバ7は、蓄積している商品情報から、分析結果に合う最適の商品を抽出し、その商品情報を検索サーバ5へ送信する(ステップS22)。
【0039】
検索サーバ5は、商品情報サーバ7から最適の商品情報を取得すると、スナップショットサーバ8および商品画像サーバ9に対して、画像の取得を指令する(図5BのステップS23)。このとき、検索サーバ5からスナップショットサーバ8へは、図16の商品情報に含まれるコンテンツIDおよびタイムスタンプが送られ、検索サーバ5から商品画像サーバ9へは、図16の商品情報に含まれる商品IDが送られる。このとき、検索サーバ5から各サーバ8、9へは受付番号も一緒に送られる。スナップショットサーバ8は、放送電波の映像を受信して、これを所定時間分だけ蓄積する機能を備えており、検索サーバ5からの指令を受けて、上記コンテンツIDおよびタイムスタンプに基づき、蓄積した映像の中から最適商品に関するスナップショット画像を取得する。そして、この画像が映像受像機1で正常に表示されるようにするために、社団法人電波産業会の定めるARIB(Association of Radio Industries and Businesses)規格に準拠したJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)形式の画像データを作成する(ステップS24)。また、スナップショットサーバ8に上記コンテンツIDおよびタイムスタンプに該当する映像が蓄積されていない場合には、商品画像サーバ9は、検索サーバ5からの指令を受けて、商品IDに基づき、予め蓄積されている商品画像の中から、最適の商品に対応する画像を抽出し、上記と同様に、ARIB規格に準拠したJPEG形式の画像データを作成する(ステップS25)。
【0040】
スナップショットサーバ8のメモリには、図17に示すように、検索サーバ5から受け取った受付番号、コンテンツIDおよびタイムスタンプを格納する領域と、放送電波の映像から取得したスナップショット画像を格納する領域とが確保されているとともに、記憶装置には、放送電波の映像を蓄積する領域が確保されている。また、商品画像サーバ9のメモリには、図18に示すように、検索サーバ5から受け取った受付番号および商品IDを格納する領域が確保されているとともに、記憶装置には商品画像が予め登録されている。商品画像は静止画のみであってもよいし、静止画と動画の両方であってもよい。
【0041】
前記のようにしてARIB規格準拠のJPEG画像が作成された後、スナップショットサーバ8または商品画像サーバ9から検索サーバ5へ、この画像データが送信される(ステップS26)。スナップショットサーバ8で蓄積映像からスナップショット画像が得られた場合は、そのスナップショット画像が検索サーバ5へ送信され、スナップショット画像が得られなかった場合は、商品画像サーバ9で抽出された適切な画像が検索サーバ5へ送信される。ここでは、いずれか一方のサーバで取得された画像のみを検索サーバ5へ送信するようにしているが、各サーバ8、9で取得された画像を両方とも検索サーバ5へ送信するようにしてもよい。
【0042】
画像データを受け取った検索サーバ5は、最適商品についての商品情報とともに、この画像データをスクリプトサーバ10へ転送する(ステップS27)。このとき、検索サーバ5からスクリプトサーバ10へは受付番号も一緒に送られる。スクリプトサーバ10は、検索結果を映像受像機1に表示させるためのスクリプトを作成する(ステップS28)。スクリプトサーバ10のメモリには、図19に示すように、検索サーバ5から受け取った受付番号、商品情報および画像データ(ARIB規格準拠のJPEG画像データ)を格納する領域と、作成したスクリプトが格納される領域とが確保されている。
【0043】
スクリプトサーバ10は、作成したスクリプトを画像データとともに配信サーバ11へ送信する(ステップS29)。配信サーバ11の記憶装置には、図20に示すように、配信データ(スクリプトおよび画像データ)が格納される領域がユーザごとに確保されており、スクリプトサーバ10から送られてきたスクリプトと画像データは、所定の領域に格納される。そして、映像受像機1は、リモコン20から検索要求があった後、一定時間(例えば5秒)が経過すると、ステップS12において予め通知されていた参照先に基づいて、配信サーバ11へアクセスを行い、配信サーバ11は、アクセスのあった領域に格納されている配信データ、すなわち検索結果を、ネットワーク30(図1)を介して映像受像機1へ配信する(ステップS30)。これによって、映像受像機1の画面には、例えば図7に示すような検索結果が表示される(ステップS31)。
【0044】
図7において、映像受像機1の画面1aには、リモコン20で検索要求を行った時点で抽出された検索キーワード1cと、キーワードに基づく検索により、商品情報サーバ7から最適商品として抽出された旅行商品の商品情報(広告)1d、1eと、スナップショットサーバ8または商品画像サーバ9で取得された旅行商品の関連画像1fとが表示されている。表示された商品については、詳細画面に切り替えることにより、その画面上で購入ができるようにしてもよい。
【0045】
このようにして、視聴者は、映像受像機1の画面に興味のある映像が現れた場合に、リモコン20を用いて検索要求を行うことで、その映像に関連する商品の情報をすみやかに入手することができる。また、商品が気に入った場合は、その場で直ちに購入手続を行うこともできる。さらに、検索サーバ5では、ユーザデータとキーワードに加え、ユーザの検索履歴も参照して、ユーザに最も適した商品を抽出するようにしているので、ユーザに対してきめの細かい情報を提供することができる。
【0046】
以上説明した第1実施形態の処理手順は、顧客情報サーバ3に予めユーザ登録がされている場合の手順であったが、次に、ユーザ登録がされていない場合の処理手順について説明する。図8は、この場合の検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムであり、図中の丸数字は処理の順番を表している。図4、図9A、図9Bは同検索手順を示したフローチャートであり、各ステップの右側に付した丸数字は図8のそれと対応している。図10は、映像受像機1に表示される検索結果の例である。以下、図4、図8〜図10を参照しながら、ユーザ登録がない場合の検索手順について説明する。
【0047】
図4のステップS1〜S6までの手順については、ユーザ登録有の場合と共通しているので、説明は省略する。ステップS7でユーザ登録無と判定された場合は、図9AのステップS41へ移行する。ステップS41において、顧客情報サーバ3は、仮ユーザIDおよび仮パスワードを生成し、仮ユーザ登録を行う。仮ユーザIDと仮パスワードとは、本発明における仮のユーザ識別情報に相当し、例えば機器固有IDを用いて生成される。なお、仮のユーザ識別情報としては、仮ユーザIDと仮パスワードのいずれか一方のみであってもよい。
【0048】
次に、顧客情報サーバ3は、生成した仮ユーザIDと仮パスワードを受付サーバ2へ送信する(ステップS42)。この場合は、顧客情報サーバ3にユーザの個人情報等が存在しないので、仮ユーザIDと仮パスワードのみをユーザデータとして受付サーバ2へ送る。その後、受付サーバ2は映像受像機1に配信サーバ11の参照先を通知し(ステップS43)、仮ユーザIDと仮パスワードを検索サーバ5へ転送した後(ステップS44)、タイムスタンプとコンテンツIDとをキーワードサーバ4へ送信する(ステップS45)。キーワードサーバ4は、タイムスタンプとコンテンツIDに基づいてキーワードを抽出し(ステップS46)、抽出したキーワードを検索サーバ5へ送信する(ステップS47)。検索サーバ5は、キーワードサーバ4から受け取ったキーワードと、ステップS44で受付サーバ2から受け取った仮ユーザIDおよび仮パスワードを履歴サーバ6へ転送し(ステップS48)、履歴サーバ6はこれらを蓄積する(ステップS49)。
【0049】
以上のステップS43〜S49の処理は、それぞれ図5AのステップS12〜S18の処理と基本的に同じであるが、ステップS13、S17、S18では、個人情報等を含んだユーザデータが転送され蓄積されるのに対し、ステップS44、S48、S49では、ユーザデータとして仮ユーザIDと仮パスワードのみが転送され蓄積される点が異なっている。
【0050】
次に、検索サーバ5は、キーワードサーバ4から受け取ったキーワードに基づき、商品情報サーバ7に対して、ユーザの最適商品を問い合わせる(ステップS50)。商品情報サーバ7は、キーワードに対応する最適の商品を抽出し、その商品情報を検索サーバ5へ送信する(ステップS51)。なお、ユーザ登録がされてなければ、履歴サーバ6には過去の検索履歴は存在しないので、図9Aには、図5AのステップS19、S20に相当する処理はない。したがって、図5AのステップS21では、検索サーバ5はキーワードのほかに検索履歴を参照して最適商品の照会を行うが、ステップS50では、検索サーバ5はキーワードのみに基づいて最適商品の照会を行う。ステップS51の処理は、ステップS22の処理と同じである。
【0051】
次に、図9Bに移って、検索サーバ5は、スナップショットサーバ8および商品画像サーバ9に対して、画像の取得を指令する(ステップS52)。これを受けて、スナップショットサーバ8と商品画像サーバ9は、画像ARIB規格に準拠したJPEG形式の画像データを作成し(ステップS53、S54)、この画像データを検索サーバ5へ送信する(ステップS55)。画像データを受け取った検索サーバ5は、商品情報とともに画像データをスクリプトサーバ10へ転送する(ステップS56)。スクリプトサーバ10はスクリプトを作成し(ステップS57)、 作成したスクリプトを画像データとともに配信サーバ11へ送信する(ステップS58)。配信サーバ11は、スクリプトと画像データとを配信データとして格納し、映像受像機1からのアクセスがあると、配信データを映像受像機1へ配信する(ステップS59)。以上のステップS52〜S59の処理は、図5BのステップS23〜S30の処理と同じである。
【0052】
ステップS60では、図10に示すように、映像受像機1の画面1aに検索結果に加えて、ユーザの本登録を促すメッセージ1gが表示される点が、図5BのステップS31と異なる。画面1aには、本登録に必要な仮ユーザIDおよび仮パスワード1hも表示されている。
【0053】
このようにして、ユーザ登録がされてない場合は、仮ユーザIDおよび仮パスワードを発行して仮登録を行うことにより、未登録のユーザに対しても必要な情報を提供することができる。また、検索結果とともに本登録を促すメッセージ1gを表示することで、ユーザ登録を推進し、検索人口を増やして商品の販売促進につなげることができる。
【0054】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図21は、本発明の第2実施形態を示すシステム構成図である。1は映像受像機、20はリモコン、30はネットワーク、100は検索システムであって、これらは図1に示したものと同じものである。12はユーザ端末であって、例えば携帯電話機121やパーソナルコンピュータ122から構成される。ユーザ端末12は、ネットワーク30を介して検索システム100との間でデータのやりとりを行う。第2実施形態においては、このユーザ端末12に検索結果が配信されるようになっている。
【0055】
図22は、第2実施形態における検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムであり、図中の丸数字は処理の順番を表している。図23、図24A、図24Bは、同検索手順を示したフローチャートであり、各ステップの右側に付した丸数字は図22のそれと対応している。図25は、ユーザ端末12に表示されるアドレス通知画面の例である。図26は、ユーザ端末12に表示される検索結果通知画面の例である。以下、図22〜図26を参照しながら、第2実施形態の検索手順について説明する。
【0056】
図22、図23において、映像受像機1が放送電波から映像信号とコンテンツIDとを取得し(ステップS71)、リモコン20から映像受像機1へ検索要求信号を送信し(ステップS72)、映像受像機1から受付サーバ2へ機器固有IDやタイムスタンプ等を送信し(ステップS73)、受付サーバ2で受付処理を行い(ステップS74)、受付サーバ2から顧客情報サーバ3へユーザ登録有無の照会を行い(ステップS75)、顧客情報サーバ3でユーザ登録の有無を照合する(ステップS76)までの手順は、第1実施形態のステップS1〜S6(図4)と同じである。ただ、図6の画面に対して、第1実施形態ではリモコン20の赤ボタンを操作したが、第2実施形態では青ボタンを操作することになる。
【0057】
顧客情報サーバ3での照合の結果、ステップS77においてユーザ登録有と判定された場合は、図24AのステップS81へ移行する。ステップS81では、顧客情報サーバ3は、配信サーバ11に対して、ユーザに配信するデータを格納するための記憶領域(ページ領域)を確保することを要求する。次に、顧客情報サーバ3は、ユーザデータを受付サーバ2へ送信する(ステップS82)。この処理は、第1実施形態のステップS11(図5A)と同じである。この後、第1実施形態では、映像受像機1へ参照先の通知が行われたが(ステップS12)、第2実施形態では、検索結果はユーザ端末12へ配信されるので、この処理は省略される。
【0058】
これ以降のステップS83〜S92の処理は、第1実施形態のステップS13〜S22の処理と同じであるので、簡単に説明するにとどめる。受付サーバ2はユーザデータを検索サーバ5へ転送し(ステップS83)、タイムスタンプとコンテンツIDとをキーワードサーバ4へ転送する(ステップS84)。キーワードサーバ4は、キーワードを抽出し(ステップS85)、それを検索サーバ5へ送信する(ステップS86)。検索サーバ5は、キーワードとユーザデータ等を履歴サーバ6へ転送し(ステップS87)、履歴サーバ6はこれらを蓄積するとともに(ステップS88)、ユーザの検索履歴を検索サーバ5へ送信する(ステップS89)。検索サーバ5はキーワードや検索履歴等に基づく分析を行い(ステップS90)、その結果に基づいて、商品情報サーバ7に最適商品の照会を行う(ステップS91)。商品情報サーバ7は、最適商品を抽出して、その商品情報を検索サーバ5へ送信する(ステップS92)。
【0059】
その後、図24BのステップS93に移り、検索サーバ5からスナップショットサーバ8および商品画像サーバ9に対して、画像取得を指令する。この処理は、第1実施形態のステップS23(図5B)と同じである。この指令を受けて、スナップショットサーバ8は、放送電波の映像から適切なスナップショット画像を取得し、商品画像サーバ9は、予め蓄積されている商品画像の中から、最適商品に対応する画像を取得し、各サーバ8、9で動画ファイルまたは静止画ファイルが作成される(ステップS94、S95)。第1実施形態の場合は、検索結果が映像受像機1に表示されるため、取得した画像をARIB規格に準拠したJPEG形式の画像に編集する必要があったが(図5BのステップS24、S25)、第2実施形態では、検索結果が携帯電話機121やパーソナルコンピュータ122に配信されるため、取得した画像をそのまま用いることができる。
【0060】
次に、スナップショットサーバ8および/または商品画像サーバ9から検索サーバ5へ画像ファイルを送信し(ステップS96)、検索サーバ5は、最適商品の商品情報とともに画像ファイルをスクリプトサーバ10へ転送する(ステップS97)。スクリプトサーバ10は、検索結果を映像受像機1に表示させるためのスクリプトを作成し(ステップS98)、作成したスクリプトを画像ファイルとともに配信サーバ11へ送信する(ステップS99)。第1実施形態の場合は、この後、配信サーバ11から映像受像機1へ検索結果が配信されたが(図5BのステップS30)、第2実施形態では、検索結果をユーザ端末12へ配信するために、以下のステップS100〜S106の処理が行われる。
【0061】
スクリプトサーバ10は、顧客情報サーバ3に対して、ユーザ端末12へ電子メールを送信するよう要求する(ステップS100)。この電子メールは、検索結果を取得するためにユーザ端末12から配信サーバ11へアクセスする際のアドレス(URL)を通知するものである。メール送信要求を受けた顧客情報サーバ3は、上記電子メールをユーザ端末12へ送信する(ステップS101)。ユーザ端末12が電子メールを受信すると、その画面に例えば図25のような通知画面121aが表示される。ここでは、ユーザ端末12として携帯電話機121を用いた例を挙げている。通知画面121aには、検索要求を受け付けた旨のメッセージ121b、検索要求受付時刻および番組タイトル121c、検索結果閲覧の案内メッセージ121d、アクセス先のアドレス(URL)121eが表示されている。
【0062】
次に、顧客情報サーバ3は、映像受像機1へ検索が終了した旨のメッセージを送信する(ステップS102)。これを受けて、映像受像機1の画面には、検索終了のメッセージ(図示省略)が表示される(ステップS103)。なお、ステップS101とS102の処理は順序が逆であってもよい。その後、ユーザ端末12を操作して、指定されたURLへのアクセスを行うと(ステップS104)、配信サーバ11からユーザ端末12へ検索結果が配信され(ステップS105)、ユーザ端末12の画面には、例えば図26に示すような検索結果通知画面121fが表示される(ステップS106)。この画面には、検索結果リスト121gが表示されており、閲覧したいタイトルの選択操作を行うと、例えば図7に示したのと同様の詳細な検索結果が表示される。
【0063】
このようにして、第2実施形態においても、視聴者は、映像受像機1に表示された映像に関連する商品の情報をすみやかに入手することができる。また、ユーザの検索履歴を参照して最適商品を抽出するので、きめの細かい情報を提供することができる。さらに、第2実施形態の場合は、検索結果が携帯電話機等のユーザ端末12に配信されるため、テレビを視聴した後であっても、任意の時間に検索結果を取得することが可能となる。
【0064】
以上説明した第2実施形態の処理手順は、顧客情報サーバ3に予めユーザ登録がされている場合の手順であったが、次に、ユーザ登録がされていない場合の処理手順について説明する。図27は、この場合の検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムであり、図中の丸数字は処理の順番を表している。図23、図28A、図28Bは同検索手順を示したフローチャートであり、各ステップの右側に付した丸数字は図27のそれと対応している。以下、図23、図27〜図28Bを参照しながら、ユーザ登録がない場合の検索手順について説明する。
【0065】
図23のステップS71〜S76までの手順については、ユーザ登録有の場合と共通しているので、説明は省略する。ステップS77でユーザ登録無と判定された場合は、図28AのステップS201へ移行する。顧客情報サーバ3は、仮ユーザIDおよび仮パスワードを生成して仮ユーザ登録を行い(ステップS201)、配信サーバ11に対して記憶領域(ページ領域)の確保要求を行った後(ステップS202)、仮ユーザIDと仮パスワードを受付サーバ2へ送信する(ステップS203)。
【0066】
これ以降のステップS204〜S211は、第1実施形態においてユーザ登録無の場合のステップS44〜S51(図9A)と同じであるので、以下では簡単に説明するにとどめる。受付サーバ2は、仮ユーザIDと仮パスワードを検索サーバ5へ転送した後(ステップS204)、タイムスタンプとコンテンツIDとをキーワードサーバ4へ送信する(ステップS205)。キーワードサーバ4は、タイムスタンプとコンテンツIDに基づいてキーワードを抽出し(ステップS206)、抽出したキーワードを検索サーバ5へ送信する(ステップS207)。検索サーバ5は、キーワードサーバ4から受け取ったキーワードと、ステップS204で受付サーバ2から受け取った仮ユーザIDと仮パスワードを履歴サーバ6へ転送し(ステップS208)、履歴サーバ6はこれらを蓄積する(ステップS209)。次に、検索サーバ5は、キーワードサーバ4から受け取ったキーワードに基づき、商品情報サーバ7に対して、ユーザの最適商品を問い合わせる(ステップS210)。商品情報サーバ7は、キーワードに対応する最適の商品を抽出し、その商品情報を検索サーバ5へ送信する(ステップS211)。
【0067】
次に、図28BのステップS213に移る。ステップS213〜S219は、図24BのステップS93〜S99と同じであるので、以下では簡単に説明するにとどめる。検索サーバ5は、スナップショットサーバ8および商品画像サーバ9に対して、画像の取得を指令する(ステップS213)。この指令を受けて、スナップショットサーバ8と商品画像サーバ9は、画像を取得して動画ファイルまたは静止画ファイルを作成し(ステップS214、S215)、検索サーバ5へ画像ファイルを送信する(ステップS216)。検索サーバ5は、商品情報と画像ファイルをスクリプトサーバ10へ転送し(ステップS217)、スクリプトサーバ10は、スクリプトを作成して(ステップS218)、作成したスクリプトを画像ファイルとともに配信サーバ11へ送信する(ステップS219)。
【0068】
次に、スクリプトサーバ10は、顧客情報サーバ3に対して、映像受像機1へ仮ユーザID、仮パスワードおよびアクセス先(URL)を送信するよう要求する(ステップS220)。要求を受けた顧客情報サーバ3は、上記各データを映像受像機1へ送信する(ステップS221)。この結果、映像受像機1には、仮ユーザID、仮パスワードおよびアクセス先のURLが表示される(ステップS222)。ユーザは、この表示を見て、ユーザ端末12から仮ユーザID、仮パスワード、URLを入力し、配信サーバ11へのアクセスを行う(ステップS223)。アクセスを受けた配信サーバ11は、ユーザ端末12へ検索結果を配信し(ステップS224)、ユーザ端末12の画面には、検索結果と本登録を促すメッセージとが表示(図示省略)される(ステップS225)。
【0069】
このようにして、第2実施形態においても、ユーザ登録がない場合に、仮ユーザIDおよび仮パスワードを発行して仮登録を行うことにより、未登録のユーザに対しても必要な情報を提供することができる。また、検索結果とともに本登録を促すメッセージを表示することで、ユーザ登録を推進し、検索人口を増やして商品の販売促進につなげることができる。
【0070】
上述した実施形態では、スナップショットサーバ8および商品画像サーバ9を設け、これらで取得された商品の画像データを検索結果に含ませるようにしたが、商品の画像データを省略し、商品情報サーバ7で得られた商品情報のみに基づいて検索結果を作成するようにしてもよい。また、商品情報サーバ7に、商品情報に加えて画像データを蓄積するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、ユーザを特定するための固有情報として、映像受像機の機器固有IDを例に挙げたが、この固有情報は、ユーザがリモコンによって映像受像機に設定した固有情報であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態においては、地上波デジタル放送を受信する映像受像機を用いたシステムを例に挙げたが、本発明は、BSやCSによる衛星放送を受信する映像受像機を用いたシステムにも適用することができる。
【0073】
さらに、デジタル放送としては、地上波や衛星放送によるものに限らず、例えば、通信網を介してパーソナルコンピュータへ映像を配信するIP(Internet Protocol)放送であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】各サーバの電気的構成を示したブロック図である。
【図3】第1実施形態における検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムである。
【図4】第1実施形態における検索手順を示したフローチャートである。
【図5A】同検索手順を示したフローチャートである。
【図5B】同検索手順を示したフローチャートである。
【図6】映像受像機に表示される検索要求対象の映像例である。
【図7】映像受像機に表示される検索結果の例である。
【図8】第1実施形態においてユーザ登録無の場合の検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムである。
【図9A】同検索手順を示したフローチャートである。
【図9B】同検索手順を示したフローチャートである。
【図10】映像受像機に表示される検索結果の例である。
【図11】受付サーバが保持するデータを示した図である。
【図12】顧客情報サーバが保持するデータを示した図である。
【図13】キーワードサーバが保持するデータを示した図である。
【図14】検索サーバが保持するデータを示した図である。
【図15】履歴サーバが保持するデータを示した図である。
【図16】商品情報サーバが保持するデータを示した図である。
【図17】スナップショットサーバが保持するデータを示した図である。
【図18】商品画像サーバが保持するデータを示した図である。
【図19】スクリプトサーバが保持するデータを示した図である。
【図20】配信サーバが保持するデータを示した図である。
【図21】本発明の第2実施形態を示すシステム構成図である。
【図22】第2実施形態における検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムである。
【図23】第2実施形態における検索手順を示したフローチャートである。
【図24A】同検索手順を示したフローチャートである。
【図24B】同検索手順を示したフローチャートである。
【図25】ユーザ端末に表示されるアドレス通知画面の例である。
【図26】ユーザ端末に表示される検索結果通知画面の例である。
【図27】第2実施形態においてユーザ登録無の場合の検索手順を説明するためのブロックダイヤグラムである。
【図28A】同検索手順を示したフローチャートである。
【図28B】同検索手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1 映像受像機
2 受付サーバ
3 顧客情報サーバ
4 キーワードサーバ
5 検索サーバ
6 履歴サーバ
7 商品情報サーバ
8 スナップショットサーバ
9 商品画像サーバ
10 スクリプトサーバ
11 配信サーバ
20 リモコン
30 ネットワーク
100 検索システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を受信する映像受像機に表示された映像に関して、検索要求手段からの検索要求に基づき所定の検索を行う検索システムであって、
各映像に関連するキーワードを、当該映像が表示される時刻の時刻情報と対応付けて、コンテンツごとに蓄積したキーワード蓄積手段を備え、
前記検索要求手段から検索要求があったときに、前記映像受像機が放送信号から取得したコンテンツ識別情報およびそのときの時刻情報に基づいて、前記キーワード蓄積手段に蓄積されたキーワードの中から、当該映像に関連するキーワードを抽出し、
前記抽出されたキーワードに基づいて、当該キーワードに関連する商品の情報を抽出し、
前記抽出された商品の情報に基づいて生成された検索結果を配信することを特徴とするデジタル放送における検索システム。
【請求項2】
デジタル放送を受信する映像受像機に表示された映像に関して、検索要求手段からの検索要求に基づき所定の検索を行う検索システムであって、
各映像に関連するキーワードを、当該映像が表示される時刻の時刻情報と対応付けて、コンテンツごとに蓄積したキーワード蓄積手段と、
前記検索要求手段から検索要求があったときに、前記映像受像機が放送信号から取得したコンテンツ識別情報、そのときの時刻情報、およびユーザを特定するための固有情報を受け取って、受付処理を行うとともに、前記固有情報に基づいてユーザ登録の有無を問い合わせる受付処理手段と、
前記受付処理手段からのユーザ登録有無の問い合わせを受けて、ユーザ登録の有無の照合を行い、ユーザ登録有の場合は当該ユーザに関するユーザ情報を送出する照合手段と、
前記受付処理手段が受け取ったコンテンツ識別情報および時刻情報に基づいて、前記キーワード蓄積手段に蓄積されたキーワードの中から、当該映像に関連するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
前記ユーザ情報および抽出されたキーワードを取得して、当該ユーザの検索履歴を抽出する履歴抽出手段と、
前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードおよび前記履歴抽出手段で抽出されたユーザの検索履歴に基づいて、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出する商品情報抽出手段と、
前記商品情報抽出手段で抽出された商品に関する画像のデータを抽出する画像データ抽出手段と、
前記商品情報抽出手段で抽出された商品情報および前記画像データ抽出手段で抽出された画像データに基づいて生成された検索結果を、前記映像受像機へ配信する配信手段と、
を備えたことを特徴とするデジタル放送における検索システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検索システムにおいて、
前記照合手段は、ユーザ登録が無い場合に仮のユーザ識別情報を生成して仮登録を行い、
前記商品情報抽出手段は、前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードに基づいて、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出することを特徴とするデジタル放送における検索システム。
【請求項4】
デジタル放送を受信する映像受像機に表示された映像に関して、検索要求手段からの検索要求に基づき所定の検索を行う検索システムであって、
各映像に関連するキーワードを、当該映像が表示される時刻の時刻情報と対応付けて、コンテンツごとに蓄積したキーワード蓄積手段と、
前記検索要求手段から検索要求があったときに、前記映像受像機が放送信号から取得したコンテンツ識別情報、そのときの時刻情報、およびユーザを特定するための固有情報を受け取って、受付処理を行うとともに、前記固有情報に基づいてユーザ登録の有無を問い合わせる受付処理手段と、
前記受付処理手段からのユーザ登録有無の問い合わせを受けて、ユーザ登録の有無の照合を行い、ユーザ登録有の場合は当該ユーザに関するユーザ情報を送出する照合手段と、
前記受付処理手段が受け取ったコンテンツ識別情報および時刻情報に基づいて、前記キーワード蓄積手段に蓄積されたキーワードの中から、当該映像に関連するキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
前記ユーザ情報および抽出されたキーワードを取得して、当該ユーザの検索履歴を抽出する履歴抽出手段と、
前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードおよび前記履歴抽出手段で抽出されたユーザの検索履歴に基づいて、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出する商品情報抽出手段と、
前記商品情報抽出手段で抽出された商品に関する画像のデータを抽出する画像データ抽出手段と、
前記商品情報抽出手段で抽出された商品情報および前記画像データ抽出手段で抽出された画像データに基づいて生成された検索結果を、前記映像受像機とは別のユーザ端末へ配信する配信手段と、
を備えたことを特徴とするデジタル放送における検索システム。
【請求項5】
請求項4に記載の検索システムにおいて、
前記照合手段は、ユーザ登録が無い場合に仮のユーザ識別情報を生成して仮登録を行い、
前記商品情報抽出手段は、前記キーワード抽出手段で抽出されたキーワードに基づいて、当該ユーザに対する最適の商品の情報を抽出し、
前記映像受像機は、前記照合手段から取得した仮のユーザ識別情報と、前記ユーザ端末から前記配信手段へアクセスする場合のアクセス先とを表示することを特徴とするデジタル放送における検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−33546(P2006−33546A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211056(P2004−211056)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(397080265)株式会社エキスプレス (2)
【Fターム(参考)】