説明

デジタル放送受信機

【課題】テレビ電話における会話によって利用者が視聴を希望する放送番組を見逃すことを防止することのできるデジタル放送受信機を提供する。
【解決手段】デジタル放送受信機は、通信網に接続されたテレビ電話手段と、放送番組の番組表を生成する番組表生成手段と、前記テレビ電話手段がオフフックされ、前記テレビ電話手段に送信された映像を画面に表示した後に、前記オフフック後の第1の所定時間に前記番組表を前記映像に重畳させて前記画面に表示する表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、デジタル放送受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像を撮影するカメラの小型化や、あるいは通信速度の向上などにより、映像と音声とによって通話を行うテレビ電話システムが普及しつつある。テレビ電話システムの端末の一形態として、デジタル放送番組を受信し、再生する放送受信機において、テレビ電話機能を有するデジタル放送受信機が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−184174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルテレビのようなデジタル放送受信機にテレビ電話機能を付加させた場合には、放送番組を視聴する画面とテレビ電話の画面を共用することになる。従って、放送番組を表示している画面にテレビ電話の映像が割り込む場合がある。割り込む場合に画面の一部が切り替わる場合と全画面が切り替わる場合がある。
【0005】
全画面が切り換わる場合に、利用者がテレビ電話の会話に夢中になって、視聴する予定であった放送番組を見逃してしまう可能性がある。また、利用者が、テレビ番組を視聴している途中でテレビ電話の着呼があった場合に、電話に出て相手と会話している最中に、利用者が視聴しようとしていた番組が始まってしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、テレビ電話における会話によって利用者が視聴を希望する放送番組を見逃すことを防止することのできるデジタル放送受信機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、実施形態によれば、デジタル放送受信機は、通信網に接続されたテレビ電話手段と、放送番組の番組表を生成する番組表生成手段と、前記テレビ電話手段がオフフックされ、前記テレビ電話手段に送信された映像を画面に表示した後に、前記オフフック後の第1の所定時間に前記番組表を前記映像に重畳させて前記画面に表示する表示手段とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態の構成の一例を示した概観斜視図。
【図2】実施形態に係わるデジタル放送受信機の構成を示したブロック図。
【図3】リモコンの実施形態を示した概観図。
【図4】テレビ電話の通話画面の例を示した図。
【図5】テレビ電話に送信された映像にミニ番組表が重畳されて画面に表示された例を示した図。
【図6】ミニ番組表の画面上の配置を示した図。
【図7】図5の状態から右カーソルボタンを1回押下した状態を示した図。
【図8】画面に選択チャンネルウィンドウが表示された状態を示した図。
【図9】画面にテレビ電話終了確認ウィンドウが表示された状態を示した図。
【図10】ミニ番組表自動表示処理の動作手順を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態の構成の一例を示した概観斜視図である。デジタル放送受信機1は、筐体2と、筐体2を支持するスタンド3を備えている。筐体2は前面側に液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)パネル等の表示パネル4が配置され、表示パネル4の背面側に表示パネル4を支持する図示しないフレームが配置されている。フレームには表示パネル4を駆動するための図示しない回路基板や電源回路が設置されている。
【0010】
筐体2は、筐体2の前面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う前面カバー5と、筐体2の背面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う背面カバー6とによって外面が囲まれている。画面7は、表示パネル4の前面カバー6の窓部5aの内側の表示部分である。
【0011】
デジタル放送受信機1の前面の下部の両側にスピーカ8が配置されている。右スピーカ8aは、前面カバー5の前面下部の右側にあるネット状のカバー9aの内側に配置されている。左スピーカ8bは、前面カバー5の前面下部の右側にあるネット状のカバー9bの内側に配置されている。なお、ネット状のカバー9は、デジタル放送受信機1の概観デザインの都合によって、筐体2の底面側に配置されたり、背面側に配置される場合がある。スピーカ8もこれに対応して底面側や背面側に向けて配置される場合がある。また、スピーカ8の形状や設置場所によって、ネット状のカバーが利用されない場合もある。
【0012】
デジタル放送受信機1の前面側の上部にカメラ10が配置されている。カメラ10は、テレビ電話において、デジタル放送受信機1の主に前方周辺の映像を撮影して映像信号をデジタル放送受信機1のカメラ映像処理部46(図2参照)へ送出する機能を有する。カメラ10は、筐体2の側面に設置されたカメラ入力端子46aにケーブル11によって接続されている。なお、カメラ10の設置位置は、前面側の上部に限るものではない。また、カメラ10は、デジタル放送受信機1の筐体2の内部に組み込まれた状態で配置されてもよい。
【0013】
デジタル放送受信機1の前面側の前方にはマイクロホン13が配置されている。マイクロホン12は、テレビ電話において、デジタル放送受信機1の周辺の音声を収集して音声信号をデジタル放送受信機1のマイク音声処理部47(図2参照)へ送出する機能を有する。マイクロホン12は、筐体2の側面に設置されたマイク入力端子47aにケーブル13によって接続されている。なお、マイクロホン12の設置位置は、前面側の前方に限るものではない。また、マイクロホン12は、デジタル放送受信機1の筐体2の内部に組み込まれた状態で配置されてもよい。また、マイクロホン12は、無線方式を利用してもよい。この際、デジタル放送受信機1にはマイクロホン12の無線信号を受け取る受信装置を必要とする。また、マイクロホン12は、リモコン14に搭載されたワイヤレスのマイクロホン66(図3参照)を代用することが可能である。
【0014】
リモコン14は赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用して、デジタル放送受信機1の操作受信部へ操作信号を送る操作機器である。
【0015】
図2は、実施形態のデジタル放送受信機1の構成を示したブロック図である。デジタル放送受信機1は、放送受信機17とテレビ電話機18の二つの機能を有する。デジタル放送受信機1の放送受信機17は、デジタル放送を受信可能であって、画面7に放送番組の映像を表示しスピーカ8から音声を出力することができる。また、デジタル放送受信機1のテレビ電話機18は、画面7にテレビ電話の相手からの映像を表示し、スピーカ8から電話の相手の音声を出力しながら通話することができ、カメラ10の映像を通話の相手のテレビ電話システムに送信することができる。
【0016】
放送受信機17の構成について説明する。アンテナ19は、放送局20から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。チューナ21は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送あるいはケーブルテレビ放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ21は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。アンテナ端子21aはアンテナ19が接続される端子である。
【0017】
復調器22は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理部23に出力される。
【0018】
デコード処理部23は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理部23は、復調器22から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。また、デコード処理部23は、記録装置24から入力された映像データ及び音声データをデコードする。
【0019】
記録装置24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)あるいはODD(Optical Disc Drive)等を含む記録手段である。記録装置24には情報を記録再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してMPEG−TSデータが記録再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSDあるいはODDに記録され、また再生される。再生データは、デコード処理部23でデコードされる。
【0020】
重畳処理部25は、デコード処理部23からの映像データと、バス29を介して転送されるデータ放送、GUI(Graphical User Interface)処理手段38によるウィンドウ描画やテレビ電話機18の映像音声制御部41からの電話映像をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像処理部26に送る。
【0021】
映像処理部26は、表示装置27で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、表示装置27に出力して映像を画面7に表示させる。
【0022】
音声処理部28は、デコード処理部23から伝送されたデジタルの音声データを、スピーカ8あるいはイヤーホーンで再生可能なアナログ音声信号に変換した後、スピーカ8あるいはイヤーホーンに出力して音声を再生させる。また音声処理部28は、テレビ電話機18の映像音声制御部41から送出された音声データをスピーカ8あるいはイヤーホーンに出力して音声を再生させる。なお、表示装置27やスピーカ8はデジタル放送受信機1の外部にあってもよい。またデジタル放送受信機1と別の筐体に納められていてもよい。
【0023】
デジタル放送受信機1は、上記した受信動作を含むその全ての動作を制御部30によって統括的に制御されている。制御部30はMPU(Micro Processing Unit)31が搭載されており、バス29を介して接続された各構成要素を制御する。制御部30はテレビ電話機18の各構成要素を統括的に制御し、放送受信機17とテレビ電話機18の動作順序や画面表示、音声出力等を制御する。
【0024】
RAM(Random Access Memory)32は、制御部30のデータ処理に必要な各種データを格納するリードライトメモリであり、映像データ等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)33は読出し専用メモリであり、MPU31が実行する制御のプログラムなどを格納している。
【0025】
フラッシュメモリ34は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ34は、番組情報、録画番組情報、録画予約情報等を記憶する機能を有する。
【0026】
操作受信部35は、操作機器36から送信される操作信号を受信し、制御部30に転送する。操作機器36は、例えば、赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用したリモコン(リモートコントローラ、remote controller)14、有線式あるいは無線式キーボード等であり、操作信号を送出する。操作受信部35は、これらリモコン14、キーボード等から操作信号を受信する。
【0027】
図2において、制御部30は、記録設定手段37、GUI処理手段38、番組表生成手段39の機能を有する。これらの機能は、制御部30のMPU31が実行するアプリケーションであり、通常はROM33に格納されており、使用時にはMPU31によって読み出され実行される。
【0028】
記録設定手段37は、利用者の要求に基づいて放送番組の記録を設定し管理する。また、記録設定手段37は、予約された番組の記録処理、また視聴中の番組の記録処理を行う。さらに、記録設定手段37は、記録装置24に記録された番組を管理する。記録された番組の番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類等)、記録時間、録画番組が再生済みか未再生かの区別等を、フラッシュメモリ34、または記録装置24に記録し、録画番組の情報を管理する。記録管理手段37は、録画番組リストの生成、録画番組の再生や削除、編集等の処理を実行する。
【0029】
GUI処理手段38は、GUI(Graphical User Interface)データを生成し、この生成されたGUIデータはバス29を介して重畳処理部25へ送信される。重畳処理部25に送付されたGUIデータは、例えば、放送番組の映像データやテレビ電話の映像データに重畳処理されたり、あるいはGUI単独画面として処理され、映像処理部26へ伝送される。
【0030】
番組表生成手段39は、EPGデータに基づいて番組表データを生成する。番組情報を含むEPGデータは映像・音声などと同様にパケット化され、多重されて放送されている。番組情報のデータは、SI(Service Information、番組配列情報)のEIT(Event Information Table)の中にあり、放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細等の個々の番組に関する情報が含まれている。番組表データは番組表生成手段39からGUI処理手段38へ送信され、番組表が生成されて重畳処理部25へ送出される。
【0031】
番組表の表示様態は放送受信機メーカや放送受信機の機種によって異なっているが、デジタル放送受信機1においては、新聞などにおけるテレビ番組欄のように画面7の横方向にチャンネルを並べたチャンネル軸を、縦方向に時間を表す時間軸を表示する場合と、画面7の縦方向にチャンネルを並べたチャンネル軸を、横方向に時間を表す時間軸を表示する場合がある。画面7にテレビ電話の映像が表示されているときに、この映像に重畳されて表示される番組表はミニ番組表であり、チャンネルの数と時間帯が制限さえた小さなサイズの番組表である。番組表生成手段39によって生成された番組表データは、GUI処理手段38、重畳処理部25、映像処理部26を経由して表示装置27の画面7に表示される。
【0032】
次にテレビ電話機18の構成について説明する。回線制御部41は、例えば、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線等の回線網42に接続されている。回線制御部41は、回線網42との間で送受される各種信号の伝送制御を行う。回線制御部41は、回線端子41aを介して回線網42に接続される。
【0033】
ネットワークインターフェース43は、インターネット或いは専用線によるネットワーク44に接続されている。このネットワークインターフェース43を経由したテレビ電話機18は、IP(Internet Protocol)電話の形態をとる。ネットワークインターフェース43は、ネットワーク端子43aを介してネットワーク44に接続される。
【0034】
テレビ電話機18は、回線網42またはネットワーク44のどちらか一つと接続されるか、または、両方とも接続されていてもよい。両方とも接続されている場合には、どちらか一方が有効となっている場合には他方が無効となるように制御部30によって切り替えられる。
【0035】
映像音声制御部45は、回線制御部41またはネットワークインターフェース43から伝送されたテレビ電話の映像信号および音声信号の圧縮、伸張を行うコーデック機能を有し、コーデックされた映像信号を重畳処理部25へ、音声信号を音声処理部28へ送出する。また、映像音声制御部45は、カメラ映像処理部46からの映像信号、マイク音声処理部47からの音声信号を回線網42或いはネットワーク44に送出するデータに変換する。
【0036】
カメラ映像処理部46は、カメラ10から送信された映像信号をエンコードして、バス29を介して重畳処理部25或いは映像音声制御部45に送出する。
【0037】
マイク音声処理部47は、マイクロホン12から送信された音声信号をエンコードして、バス29を介して音声処理部28或いは映像音声制御部45に送出する。マイク音声処理部47は、無線制御部を含みワイヤレスマイクロホンからの音声信号を受信し、この音声信号をエンコードすることができる。
【0038】
制御部30は、テレビ電話機18に着呼があった場合には、画面7に着呼があったことを知らせるアイコンを表示し、利用者がオフフック(電話回線を接続すること)した場合には、放送番組の表示を中断して、画面7の表示をテレビ電話機18の表示に切り替える。また、利用者がオンフック(電話回線を切ること)した場合には、テレビ電話機18の表示を終了して、画面7の表示を放送受信機17のラストチャンネルの番組の表示に切り替える。
【0039】
制御部30は、ミニ番組表自動表示設定手段40の機能を有する。ミニ番組自動表表示設定手段40は、画面7にテレビ電話の映像が表示されているときに、この映像にミニ番組表を重畳させて表示するか否かを設定する機能を有する。またミニ番組表自動表示設定手段40は、ミニ番組表に表示されるチャンネル数や時間帯の長さを設定する機能を有する。テレビ電話におけるミニ番組表の表示に関する設定は、デジタル放送受信機1の各種の設定項目の中に含まれており、リモコン14のメニューボタン57を押下することによって、デジタル放送受信機1に用意された各種の設定項目を表示させ、ミニ番組表自動表示設定を選択することにより設定できる。
【0040】
図3は、リモコン14の実施形態を示した概観図である。リモコン14は赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用して、デジタル放送受信機1の操作受信部35へ操作信号を送る。電源ボタン50は、デジタル放送受信機1の電源をオンまたはオフする。詳細にはデジタル放送受信機1を待機状態から動作状態、または動作状態から待機状態にするボタンである。
【0041】
選局ボタン51は、放送のチャンネル番号を直接選択する1から12までの番号が振られたボタンである。また選局ボタン51はテレビ電話を使用するときにはダイヤルボタンの機能を果たす。チャネル送りボタン52は、チャネル番号を順送りまたは逆送りで選局するボタンであり、選局ボタン51と同様にチャネルを選局するときに用いられる。音量調整ボタン53は、放送番組の視聴やテレビ電話の音量を調整するボタンである。
【0042】
カーソルボタン54は表示装置27の画面7に表示されたGUI画面の各種の情報ウィンドウ内のカーソルの移動や各種項目の選択ボタンの移動を行うためのボタンである。左方向カーソルボタン54aはカーソルを左方向に移動させるときに用いるボタンである。右方向カーソルボタン54b、上方向カーソルボタン54c、下方向カーソルボタン54dはそれぞれカーソルを右方向、上方向、下方向に移動させるときに用いる。決定ボタン55は、カーソルボタン54a〜54dで移動した先の位置または画面上のボタンを実行するときに用いられる。
【0043】
番組表ボタン56は、番組表を画面7に表示するときに操作する専用の操作ボタンである。メニューボタン57は、デジタル放送受信機1に用意された各種の設定項目を表示するときに押下するボタンである。利用者は、階層表示された複数の項目の中から目的の設定項目を選択する。
【0044】
戻るボタン58は一つ前の操作段階の画面へ戻るときに使うボタンである。終了ボタン59は、一連の操作を終了するときに操作するボタンである。
【0045】
4色の色ボタン60は、左から青ボタン60a、赤ボタン60b、緑ボタン60c、黄ボタン60dの順に配置されている。画面7上に色により区別された項目や色による選択の表示があるときに使用する。記録装置操作ボタン61は、記録装置24に記録された番組を再生する際に、再生、停止、一時停止、早送り再生、早戻し再生、次番組スキップ、先頭戻り・前番組スキップするためのボタンである。
【0046】
通話ボタン62は、テレビ電話を掛けたり、受けたりするときの電話回線を接続するオフフック用のボタンである。終話ボタン63は通話を終了するときの電話回線を切断するオンフック用のボタンである。
【0047】
テレビ電話ボタン64は、リモコン14をテレビ電話用のリモコンに切り替えるときに操作するボタンである。マイクボタン65はマイクロホン66を使用するときに押下するボタンである。マイクロホン66はワイヤレスのマイクロホンであり、リモコン14から送信された音声信号は、マイク音声処理部47内の無線制御部で受信されてエンコードされる。
【0048】
図4は、テレビ電話の通話画面の例を示した図である。デジタル放送受信機1に着呼があり、利用者がリモコン14の通話ボタン62を押下してオフフックすると、画面7にテレビ電話の相手からテレビ電話機18に送信されたテレビ電話映像70が表示され、また利用者側のカメラ10のカメラ映像71が画面7の隅に表示される。スピーカ8a、8bから相手の音声が出力される。利用者が放送番組を視聴している途中で着呼がありオフフックした場合には、画面7の表示は放送番組からテレビ電話の表示に切り替わる。
【0049】
図5は、テレビ電話機18に送信されたテレビ電話映像70にミニ番組表72が重畳されて画面7に表示された例を示した図である。テレビ電話におけるミニ番組表の自動表示が設定されている場合には、テレビ電話機18がオフフックされてテレビ電話機18に送信されたテレビ電話映像70が画面に表示された後に、オフフック後の第1の所定時間にミニ番組表72が映像70に重畳されて画面7に表示される。
【0050】
図6は、ミニ番組表72の画面7上の配置を示した図である。表示されるミニ番組表72は、画面7の上端付近74aもしくは下端付近74bもしくは左端付近74cもしくは右端付近74dのいずれかに表示される。テレビ電話映像70が表示の主体であり、テレビ電話映像70を画面7の中央近辺に配置し、ミニ番組表72は、周辺の一部に配置される。図5の例においては、ミニ番組表72は、画面7の上端付近に表示された例を示している。
【0051】
第1の所定時間とは、毎正時あるいは毎30分などの番組が切り替わる切れ目のよい時間における最初の時間のことである。例えば、午前9時50分にオンフックした場合には、午前10時が最初に番組が切り替わる時間である。また、例えば、午前10時20分にオンフックした場合には、午前10時30分が最初に番組が切り替わる時間であると見なす。詳細にはミニ番組表72は、第1の所定時間の数秒から数十秒前に画面7に表示される。
【0052】
ミニ番組表72のチャンネル数は、利用者がテレビ電話をオフフックする前に最後に視聴していたチャンネル(ラストチャンネル)を含む数チャンネルである。図5の例においては、ラストチャンネルが4チャンネルであり、このラストチャンネルを中心とし両側に2個ずつのチャンネルを配置し合計5チャンネルが表示されている。表示するチャンネル数は画面7のサイズによって適宜決めればよい。また利用者によって設定できるようにしてもよい。
【0053】
表示される番組表の時間は、30分から2時間程度の範囲である。ミニ番組表72が画面7の周辺部の一部に表示されるため、比較的短い範囲の時間帯について表示する。図5の例においては、10時から11時までの1時間の時間帯について表示されている。表示する時間帯は画面7のサイズによって適宜決めればよい。また利用者によって設定できるようにしてもよい。
【0054】
ミニ番組表72は、番組表生成手段39によって番組表データが生成され、GUI処理手段38によって番組表の形式に変換され、部重畳処理部25、映像処理部26を経由して表示装置27の画面7に表示される。
【0055】
このようにすることによって、利用者がテレビ電話での会話に夢中になり時間を忘れて話し込んでしまうことを防ぎ、視聴したい番組を見逃す事態を軽減できる。
【0056】
図5において、画面7にミニ番組表72が表示されたとき、ラストチャンネルがハイライト表示され、このチャンネルについては、文字情報とサムネイル映像73が表示されている。
【0057】
図7は、図5の状態から右カーソルボタン54bを1回押下した状態を示した図である。右カーソルボタン54bを1回押下すると、ラストチャンネルから1個右側のチャンネル(この場合は5チャンネル)がハイライトされる。さらにハイライトされたチャンネルはこの番組のサムネイル映像75が表示される。
【0058】
図8は、画面7に選択チャンネルウィンドウ76が表示された状態を示した図である。利用者がミニ番組表72の中の1個のチャンネル番号をカーソルボタン54で選択して決定ボタン55を押下すると、選択チャンネルウィンドウ76が表示される。選択チャンネルウィンドウ76は選択されたチャンネルが1個表示され、文字情報とサムネイル映像77が表示される。選択チャンネルウィンドウ76の近傍に視聴ボタン78と録画ボタン79が表示される。
【0059】
視聴ボタン78は、テレビ電話を終了し、選択チャンネルウィンドウ76に表示されたチャンネルの番組を表示するときに操作するボタンである。録画ボタン79は、テレビ電話を終了せずに、記録装置24に選択チャンネルウィンドウ76に表示されたチャンネルの番組を録画するときに操作するボタンである。
【0060】
図9は、画面7にテレビ電話終了確認ウィンドウ80が表示された状態を示した図である。利用者がリモコン14のカーソルボタン54を操作して視聴ボタン78を選択し、リモコン14の決定ボタン55を押下すると、テレビ電話終了確認ウィンドウ80が表示される。利用者にテレビ電話を終了することを確認させるためである。
【0061】
利用者がはいボタン81を選択し、リモコン14の決定ボタン55を押下すると、オンフックされテレビ電話が終了し、選択チャンネルウィンドウ76に表示されたチャンネルの放送番組が表示され視聴が開始される。いいえボタン82を選択し決定ボタン55を押下すると、選択チャンネルウィンドウ76及びテレビ電話終了確認ウィンドウ80を消去し、テレビ電話を継続する。
【0062】
図10は、テレビ電話におけるミニ番組表自動表示処理の動作手順を示したフローチャートである。利用者がテレビ電話の発呼または着呼によってオフフックをしたときにミニ番組表自動表示処理が開始される。
【0063】
S11において制御部30は、ラストチャンネルの情報をRAM32に記憶させる。S12において、制御部30は、画面7の表示を放送番組からテレビ電話の画面に切り替える。S13において、制御部30はミニ番組表自動表示設定が設定されているか判定する。ミニ番組自動表表示設定手段40によって、画面7にテレビ電話の映像が表示されているときに、この映像にミニ番組表を重畳させて表示するように設定されているか否かを判定する。ミニ番組表自動表示設定が設定されていたならばS14へ移る。設定されていないならばS15へ移り、テレビ電話を通話状態にして終了する。
【0064】
S14において、制御部30はテレビ電話を通話状態とする。S16において番組表生成手段39はミニ番組表のデータを生成し、GUI処理手段38が番組表を生成する。S17において、制御部30は制御部30内に設けられたタイマーを設定する。
【0065】
S18において、制御部30は、タイマー割り込みを掛ける。割り込みのタイミングは、テレビ電話機18がオフフックされてテレビ電話機18に送信された映像70が画面に表示された後に、オフフック後の第1の所定時間(毎正時あるいは毎30分などの番組が切り替わる切れ目のよい時間における最初の時間)の数秒前である。S19において、制御部30は、ミニ番組表72を重畳処理部25、映像処理部26を経由して表示装置27の画面7に表示させる。
【0066】
S20において、制御部30は、表示されたミニ番組表72に対して利用者の操作があったか否かを判定する。操作があったならば、S21へ移り、所定時間操作がないならばS25へ移ってミニ番組表72を消去して終了する。所定時間とは、例えば30秒程度である。S21において、制御部30はミニ番組表72の中の番組が選択されたかを判定する。番組が選択されたならば、S22へ移り、所定時間が経過しても番組が選択されなければS25へ移って終了する。所定時間とは、例えば30秒程度である。
【0067】
S22において、制御部30は、選択チャンネルウィンドウ76と視聴ボタン78、録画ボタン79を画面7に表示する。S23において、制御部30は、視聴ボタン78、録画ボタン79に対して利用者の操作があったかを判定する。視聴ボタン78が選択されたならば、S24へ移る。録画ボタン79が選択されたならば、S29へ移る。所定時間操作がないならばS25へ移って選択チャンネルウィンドウ76、視聴ボタン78、録画ボタン79を消去して終了する。所定時間とは、例えば30秒程度である。
【0068】
S24において、制御部30は画面7にテレビ電話終了確認ウィンドウ80を表示する。S29において、記録設定手段37は、指定された番組の録画を開始する。S30において、制御部30は、選択チャンネルウィンドウ76、視聴ボタン78、録画ボタン79を消去して終了する。
【0069】
S26において、制御部は利用者がテレビ電話を終了することを確認したかを判定する。テレビ電話を終了すると判定されたならば、S27へ移る。テレビ電話を終了しないと判定されたならば、S25へ移って選択チャンネルウィンドウ76、視聴ボタン78、録画ボタン79、テレビ電話終了確認ウィンドウ80を消去して終了する。
【0070】
S27において、制御部30は、テレビ電話の通話を終了し、オンフックの状態とする。S28において、制御部30が指定されたチャンネルの番組を画面7に表示して視聴が開始され、終了する。
【0071】
以上のように、テレビ電話がオフフックされ、テレビ電話に送信された映像が画面に表示された後に、オフフック後の第1の所定時間にミニ番組表をテレビ電話の映像に重畳させて画面7に表示することによって、利用者がテレビ電話での会話に夢中になり時間を忘れて話し込んでしまうことを防ぎ、視聴したい番組を見逃す事態を軽減できる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 デジタル放送受信機
7 画面
8 スピーカ
8a 右スピーカ
8b 左スピーカ
10 カメラ
12 マイク
14 リモコン
25 重畳処理部
26 映像処理部
27 表示装置
28 音声処理部
30 制御部
31 MPU
32 RAM
33 ROM
34 フラッシュメモリ
35 操作受信部
36 操作機器
37 記録設定手段
38 GUI処理手段
39 番組表生成手段
40 ミニ番組表自動表示設定手段
41 回線制御部
42 回線網
43 ネットワークインターフェース
44 ネットワーク
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続されたテレビ電話手段と、
放送番組の番組表を生成する番組表生成手段と、
前記テレビ電話手段がオフフックされ、前記テレビ電話手段に送信された映像を画面に表示した後に、前記オフフック後の第1の所定時間に前記番組表を前記映像に重畳させて前記画面に表示する表示手段と
を有するデジタル放送受信機。
【請求項2】
前記番組表は前記画面の上端付近もしくは下端付近もしくは左端付近もしくは右端付近のいずれかに表示される請求項1に記載のデジタル放送受信機。
【請求項3】
前記番組表は文字情報とサムネイル映像を含む請求項1に記載のデジタル放送受信機。
【請求項4】
前記番組表は前記テレビ電話手段がオフフックされる前に視聴していた最後のチャンネルを前記番組表の略中央に表示しこの左右に1個または複数のチャンネルを表示する請求項1に記載のデジタル放送受信機。
【請求項5】
前記番組表は第2の所定時間表示される請求項1に記載のデジタル放送受信機。
【請求項6】
前記番組表に表示された番組の録画を設定する手段を備え、録画が設定された場合には前記テレビ電話手段がオフフックされた状態が継続する請求項1に記載のデジタル放送受信機。
【請求項7】
前記番組表に表示された番組の視聴を実行する手段を備え、視聴が開始された場合には前記テレビ電話手段がオンフックされた状態となる請求項1に記載のデジタル放送受信機。
【請求項8】
前記表示手段が、前記テレビ電話手段がオフフックされた後に前記テレビ電話手段に送信された映像を画面に表示した後に、前記オフフック後の第1の所定時間に前記番組表を前記映像に重畳させて前記画面に表示するか否かを設定する設定手段を有する請求項1に記載のデジタル放送受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−160920(P2012−160920A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19240(P2011−19240)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【特許番号】特許第4960512号(P4960512)
【特許公報発行日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】