説明

デジタル無線機、制御方法及びプログラム

【課題】先頭に同期ワードをもつフレーム構造の通信方式を用いて通信を行う携帯型デジタル無線機10において、同期ワードの先頭側部分の受信を欠落しても、該フレームについて同期を確立して、該フレームのデータを使用できるようにする。
【解決手段】受信信号部分について同期ワードの後半部分との一致性を調べ(S54)、一致性があれば、その次の受信信号部分について、それが同期ワードの次のNIDの受信信号部分であると仮定して、該NIDはエラー訂正可能であるか否かを判定する(S55)。エラー訂正可能であれば、エラー訂正してから、NIDのデータユニットIDとしてのフレーム構造がヘッダーであるか否かを判定する(S56)。ヘッダーであれば、同期ワードの後半部分と一致性の有った受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にしてフレーム同期を確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム構造の通信方式を用いて相手機と通信するデジタル無線機、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信機においてスケルチは、無信号状態の不快なノイズを無音にするための技術である。バッテリー駆動される無線端末は、長時間運用を目指すため、様々な低消費電流化に向けた動作を行っており、待受け時に、スケルチをRF回路で検出し、キャリアがないと判断した場合は、IF信号又は検波信号の抽出以降の後段処理を行なわないようにすることで消費電流を削減することは広く行われているところであり、アナログ無線機ではごく一般的な技術である。
【0003】
アナログの無線機の場合、後段処理とは主にフィルタリング処理であるので、キャリア検出直後に音声を直ちに出力することが可能である。受信波の信号強度は、中間周波数(IF周波数)まで、変換された受信波のレベルを調べることで、判定するとができる。このようにして、受信波の信号強度が所定値未満である時に、実施するスケルチを「キャリアスケルチ」と呼ぶ。
【0004】
IF信号は、さらに、検波器により検波され音声帯域信号に変換され、例えばFM方式の受信信号であれば、その検波信号を解析することで、送信側からの有意信号の有無を判定することができる。有意信号無しと解析した時に実施するスケルチは「ノイズスケルチ」と呼ぶ。一般的にスケルチというとノイズスケルチを示すことから、以降、単に「スケルチ」と言うときは「ノイズスケルチ」を意味するものとする。また、「キャリアスケルチ」を適宜、「信号強度判定」又は「レベル判定」と呼ぶ。
【0005】
信号強度判定やノイズスケルチの回路の出力は、パワーダウン制御部に入力され、相手機からの通信受信状態ではないと判断した場合には、検波信号についてのソフト処理及び回路の動作を停止し、省電力状態となる。
【0006】
一方、近年のデジタル化により、音声は直接的なアナログ変調ではなく、デジタル演算されたデータを、デジタル変調することで通信することが多くなってきている。デジタルデータはデータの同期を取る必要性があるため、あらかじめ決められたフォーマットでやり取りされることが多い。米国のデジタル無線方式APCO Project25(以下、「P−25」という。)では、通話開始時に特別構造のヘッダー(後述の図2に示す先頭フレームの呼び名。)を使用する。このように時間単位で同期を取ることをフレーム化と呼んでおり、フレームは、同期を取るための同期ワードとその他のデータ部とに分かれる。
【0007】
特許文献1は節電型検針側無線機を開示する(特許文献1の図1)。該検針側無線機の実施例(特許文献1の図4)は、キャリアが検出されない間は、受信作動を停止し(特許文献1の図4のstep2”No”→step11)、キャリアが検出されると、ビット同期検出を開始し(特許文献1の図4のstep2”Yes”→・・・→step7)、ビット同期検開始してから同期確定までの間に、キャリアが所定時間以上途絶えたり(特許文献1の図4のstep5”No”→step12”Yes”)、ヘッダー長さ以上の時間が経過したり(特許文献1の図4のstep5”No”→・・・→step8”No”→step13”Yes)すると、受信作動を停止して(特許文献1の図4のstep11)、これにより、受信作動期間を最小限に抑えて、節電を図っている。
【0008】
特許文献1の検針側無線機の別の実施例(特許文献1の図8)は、フレーム同期検出開始後、キャリアが所定時間以上途絶えたり(特許文献1の図8のstep6→・・・→step4”No”→step11”Yes”)、フレーム同期確定できないまま、所定時間が経過すると(特許文献2の図8のstep7”No”→step12”Yes”)、受信作動を停止して(特許文献1の図8のstep10)、これにより、受信作動期間を最小限に抑えて、節電を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3700264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
フレーム化されたデジタル信号では、弱電界などの理由により、受信開始が遅延してフレームの途中からとなってしまった場合、次のフレームの受信を待って、その同期ワードを検出するまでの受信データは、無効データとして捨てられる。特許文献1の無線機のように、キャリア無しの期間は同期検出処理回路への給電を停止して、節電を図るデジタル無線機では、従来機においてキャリアを検出してから、検出箇所より後段の各種処理回路に給電開始してその作動を開始させるようになっており、また、スケルチの判定やレベルの判定にはある程度の時定数(平均時間)が必要であるので、強電界の受信であっても、受信信号について同期検出処理が実際に開始するまで時間がかかり、同期処理においてフレームの同期ワードの先頭部分が欠落することが起こる。
【0011】
図8は従来のデジタル無線機(以下、「従来機」という。)において同期検出処理の開始が先頭フレームの受信開始時点に間に合わなかった場合のデータ利用状態処理を示している。従来機は、特許文献1の節電型デジタル無線機のように、キャリア検出までの期間は、節電のために同期検出回路を無給電状態にするものを想定している。図8において”p”はプリアンブル、”NID”はネットワークIDを意味する。
【0012】
従来機は、相手機との通信チャネルに対応する周波数に受信周波数を合わせられる。相手機がキャリア送出するのに伴い、従来機では、該キャリアの受信信号の受信強度が増加する。従来機は、受信信号の受信強度が所定の閾値以上になると、キャリア有りと判断して、同期検出回路に給電して、同期検出処理を開始するが、図8の場合、従来機は、同期ワードの先頭からの受信信号を受信することができず、同期ワードの前半部分の途中から受信信号を受信することになり、同期ワードの受信を検出することができない。したがって、従来機では、先頭フレームから同期確立をすることが困難となり、同期確立は先頭フレームの次のフレームの受信まで待たなければならない。このため、従来機では、先頭フレームのヘッダーコードワードのデータを抽出できても、該データから有意の情報を抽出することができず、破棄している。これは通信の頭切れの原因になる。
【0013】
このような問題を克服する効果的な手法は、送信側無線機が先頭フレームの前に送信するプリアンブルの長さを長くすることである。しかしながら、プリアンブルの長さは送信側で決められるので、すでにプリアンブルが短い状態で運営されている場合などには適用できず、この場合、デジタル無線機は、頭切れ防止のためにパワーダウンしない状態、すなわち常にミュートを保持しつつ受信して、フレーム同期を検出し続けるような状態を強いられており、消費電力抑制が困難になる。なお、プリアンブル長を長くするということは、データ伝送の開始が遅れてしまうことになり、若干であるが通信が遅延する不都合がある。
【0014】
本発明の目的は、フレームの同期ワードの先頭側部分に対応する受信信号部分が欠落しても、該フレームについて同期を確立して、そのデータを活用することができるようにしたデジタル無線機、制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があり、かつ第1の受信信号部分の次の第2の受信信号部分についてそれがフレームの同期ワードに後続するフレーム部分の受信信号部分として妥当性があれば、第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾として同期を確立する。
【0016】
本発明のデジタル無線機は、同期ワードが先頭部に配置されているフレーム構造の通信方式を用いて相手機との通信を行うものであり、次のものを備える。
第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があるか否かの末尾側一致性判定を行う末尾側一致性判定手段、
前記第1の受信信号部分に後続する第2の受信信号部分についてそれが同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のあるものとなっているか否かの妥当性判定を行う妥当性判定手段、及び
前記末尾側一致性判定及び妥当性判定が共に正であれば前記第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する同期確立手段。
【0017】
本発明の制御方法が適用されるデジタル無線機は、同期ワードが先頭部に配置されているフレーム構造の通信方式を用いて相手機との通信を行うのであり、本発明の制御方法は次のステップを備える。
第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があるか否かの末尾側一致性判定を行う末尾側一致性判定ステップ、
前記第1の受信信号部分に後続する第2の受信信号部分についてそれが同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のあるものとなっているか否かの妥当性判定を行う妥当性判定ステップ、及び
前記末尾側一致性判定及び妥当性判定が共に正であれば前記第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する同期確立ステップ。
【0018】
本発明のプログラムは、本発明のデジタル無線機の各手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、同期ワードの先頭側部分に対応する受信信号部分の欠落のために同期ワードの完全受信ができなかったフレームに対しても、受信信号を該フレームの同期ワードの末尾側部分及びその後続のフレーム部分と照合して、該フレームについて同期を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】携帯型デジタル無線機の主要部構成図である。
【図2】P−25における通信開始時の先頭フレームをその前後の範囲と共に示す図である。
【図3】図1の信号処理部の主要部構成図である。
【図4】同期ワード判定方法のフローチャートである。
【図5】携帯型デジタル無線機において同期検出処理の開始が先頭フレームの受信開始時点に間に合わなかった場合に図4の同期ワード判定方法を実行したときのデータ利用状態を示す図である。
【図6】デジタル無線機のブロック図である。
【図7】デジタル無線機制御方法のフローチャートである。
【図8】従来のデジタル無線機において同期検出処理の開始が先頭フレームの受信開始時点に間に合わなかった場合のデータ利用状態処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は携帯型デジタル無線機10の主要部構成図である。携帯型デジタル無線機10は、P−25に準拠したものとなっており、また、バッテリー駆動されるものである。携帯型デジタル無線機10は受信部分と送信部分とを装備するが、図1では、携帯型デジタル無線機10の受信部分のみを示している。
【0022】
RF部11は高周波アンプ12、ミキサー13、局部発振機14及び中間波増幅器15を備える。相手機からの電波はアンテナ16により捕捉され、RF信号へ変換されて、高周波アンプ12へ供給される。高周波アンプ12は、RF信号を増幅して、ミキサー13へ出力する。局部発振機14は、ユーザが選択したチャネルの周波数に対応する周波数の発振信号を生成して、ミキサー13へ供給する。ミキサー13は、高周波アンプ12からのRF信号と局部発振機14からの発振信号とを混合して、IF信号を生成し、中間波増幅器15へ出力する。中間波増幅器15は、ミキサー13からのIF信号を増幅してから、復調器20及びレベル判定部21へ出力する。
【0023】
レベル判定部21は中間波増幅器15からのIF信号のレベルを所定の閾値と対比する。中間波増幅器15からのIF信号のレベルが該閾値以上であれば、現在の選択チャネルについてキャリア有りと判定し、また、該閾値未満であれば、現在の選択チャネルにおいてキャリア無しと判定する。この判定信号はパワーダウン制御部22へ送られる。
【0024】
復調器20は中間波増幅器15からのIF信号を復調して、検波信号をスケルチ判定部23及び信号処理部24へ出力する。スケルチ判定部23は、検波信号を解析して、検波信号がノイズのみの信号であるか又は音声を含んでいる信号であるかを判定する。この判定信号はパワーダウン制御部22へ送られる。パワーダウン制御部22は、レベル判定部21及び/又はスケルチ判定部23からの判定信号に基づきスケルチを実施するか否かを判定し、判定結果に基づきパワーダウン制御信号を信号処理部24へ送る。具体的には、パワーダウン制御部22は、レベル判定部21及び/又はスケルチ判定部23からキャリア無し及び/又はノイズ(非音声)の情報を受理したときには、信号処理部24をパワーダウン状態(無給電の作動休止状態)にし、レベル判定部21及び/又はスケルチ判定部23からキャリア有り及び/又は音声の情報を受理したときは、信号処理部24をパワー状態(給電した作動状態)にする。信号処理部24のパワーダウン状態及びパワー状態はそれぞれスケルチ実施期間及びスケルチ解除期間に対応する。信号処理部24はパワーダウン状態の期間では、消費電力がほぼ0となり、バッテリー切れまでの時間を延ばすことに寄与する。
【0025】
信号処理部24については、後述の図3において詳説するが、概説すると、信号処理部24は、復調器20からの検波信号をデジタル処理して、音声信号を生成し、該音声信号をアナログへ変換してから、スピーカ25へ出力する。スピーカ25は、入力された音声信号に対応する音声を出力する。
【0026】
図2はP−25における通信開始時の先頭フレームをその前後の範囲と共に示している。携帯型デジタル無線機10の相手機は、携帯型デジタル無線機10との通信開始に際し、最初にプリアンブル(図2の”P”の部分)を送信してから先頭フレームを送信し、その後、中間フレームを送信する。プリアンプルは、キャリアのみから成り、通信内容は含まない。
【0027】
P−25のフレームは、大きく分けると、先頭側の同期ワードと末尾側のデータ部との2つの区分から成る。データ部は、さらに、先頭側のNID(Network Identifier)と末尾側のコードワードとの2つの区分から成る。通信開始に伴い最初に送信するフレームとしての先頭フレームは「ヘッダー」とも呼ばれ、先頭フレームのデータ部のコードワードはヘッダーコードワードとなっている。
【0028】
NIDは、他のサービス網との干渉を防ぐために、ネットワークに固有に割り当てられたNAC(Network Access Code)とフレームの構造を示すデータユニットID(Data Unit ID)とから成る。NIDの源符号は、NACが12ビット、データユニットIDが4ビットの計16ビットである。NIDの源符号16ビットは、実際の伝送では、ブロック符号により64ビットに拡張される。ブロック符号はBCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)とパリティビットとで構成され、訂正ビット数などを調べることにより、NIDが信用できるものかを判定することができる。
【0029】
NACは、ネットワーク毎のユニークな番号であるが、データユニットIDはフレーム構造を示すため、今回のような音声受信の先頭フレーム(図2のフレーム)では必ず「ヘッダーデータユニット(Header Data Unit)」を示す。源符号で4ビットのデータユニットIDは、P−25においてデータユニットIDに定義されているものには、「ヘッダーデータユニット」の他に、次リンク制御無しターミネータ(Terminator without subsequent Link Control)、次リンク制御付きターミネータ(Terminator with subsequent Link Control)付き、論理リンクデータユニット1(Logical Link Data Unit 1)、及び論理リンクデータユニット2(Logical Link Data Unit 2)等がある。先頭フレームのデータユニットIDは「ヘッダーデータユニット(4ビット表現では”0000”」とすることに決められている。これに対し、2番目以降の中間フレームのデータユニットIDは種々、書き込むことができる。したがって、受信信号から抽出したデータユニットIDが「ヘッダーデータユニット」になっていれば、該受信信号は先頭フレームの一部である。
【0030】
図3は図1の信号処理部24の主要部構成図である。信号処理部24は、スケルチの実行中では無給電状態に維持されて、作動を停止している。信号処理部24は、デジタル信号処理のため、入力側及び出力側にそれぞれA/D変換器及びD/A変換器(共に図示せず)を装備している。ベースバンドフィルタ30は、デジタルの検波信号を帯域制限することによりベースバンド信号を生成する。ベースバンドフィルタ30から出力されるベースバンド信号は、クロック再生部31、同期前半検出部32,同期後半検出部33及びNID判定部34と共に、データ取得部39へも送られる。
【0031】
クロック再生部31は、ベースバンド信号からシンボルのナイキスト点を検出し、ナイキスト点に同期したクロックパルスを再生して、データ取得部39へ出力する。P−25の同期ワードは24シンボル(48ビット)で構成されている。従来機における同期判定は同期ワード全体のシンボル列と受信信号部分のシンボル列とを比較し、両シンボル列の不一致シンボル数が許容数以内である場合、受信信号部分は同期ワードであると結論して同期を確立する。また、軟判定的手法を用いる従来機では、同期ワード全体の理想波形と受信信号部分の波形との相関を調べて、ある程度の相関があると判断されると、受信信号部分は同期ワードであると結論して同期を確立する。
【0032】
これに対し、携帯型デジタル無線機10では、この同期ワードを前半と後半との2つに分割し、受信信号部分を同期ワードの前半部分及び後半部分と個々にシンボル列対比又は波形相関の演算を行う。すなわち、同期前半検出部32は受信信号部分について同期ワードの前半部分との一致性の有無をシンボル列対比又は相関値から判断し、同期後半検出部33は受信信号部分について同期ワードの後半部分との一致性の有無をシンボル列対比又は相関値から判断する。
【0033】
前半及び後半の長さは同期ワードの長さのちょうど半分(12シンボル)でもよいし、前半又は後半が後半又は前半より長いというように調整されてもよい。回路構成などによりキャリア検出が遅くなってしまう場合は、前半を長くして後半が少しのビットでも受信できるようにする。また、前半の数ビットが欠けてしまうシステムではできるだけ後半のビット数を長くすることで、フレーム検出の精度が上がる。
【0034】
NID判定部34はNIDのデータユニットIDがヘッダーデータユニットであるか否かを判定する。同期判定部35は、同期前半検出部32、同期後半検出部33及びNID判定部34からの判断情報等に基づき同期を確立するか否かを判定し、判定結果の信号をデータ取得部39へ出力する。
【0035】
データ取得部39は、同期判定部35から同期判定信号に基づき同期ワードの受信時点を把握するとともに、クロック再生部31からのクロックパルスに基づきシンボルサンプリング点としてのナイキスト点を把握し、ベースバンドフィルタ30からのベースバンド信号からシンボルを抽出し、さらに、抽出シンボルを2ビットのデータへ変換し、デジタル信号を生成する。該デジタル信号は、データ解析部40において解析されて、制御情報を抽出されるとともに、音声デコーダ41へ供給されて、音声デコーダ41において制御情報に基づき音声のデジタル信号へ変換される。音声デコーダ41の出力は、図示しないD/A変換器や増幅器を経て、スピーカ25へ送られて、音声をスピーカ25から出力される。
【0036】
図4は同期ワード判定方法50のフローチャートである。同期ワード判定方法50は信号処理部24において実施される。同期ワード判定方法50は、パワーダウン制御部22(図1)が信号処理部24のパワーダウンを解除したことに伴い、すなわちスケルチ(ノイズスケルチ又はキャリアスケルチ)を解除したことに伴い、起動する。
【0037】
S51では、受信信号部分について同期ワードの前半部分との一致性の有無を判定し、一致性有りの場合には、S52へ進み、一致性無しの場合には、S54へ進む。一致性有無の判定対象になる受信信号部分は、具体的には受信信号部分の検波信号であり、受信信号部分について同期ワードの先頭号部分の検波信号はシンボル波形となっている。したがって、S51の一致性判断は、具体的には、同期ワードの前半部分のシンボル列と受信信号部分から抽出したシンボル列とにおいて同一順番のシンボル同士が一致しているか又は相違しているかに基づき実施する。
【0038】
S51において、「一致」ではなく、「一致性」としているのは、両シンボル列が完全同一である場合、すなわち、両シンボル列の同一番号(時間軸方向へ前から後ろへ順番に番号を付ける。シンボル列の最初のシンボルの番号は1番。)のシンボル同士が全部一致する場合だけでなく、不一致数が許容数以下である場合も、両シンボル列は一致するものとS51では判断するからである。
【0039】
S52では、受信信号部分について同期ワードの後半部分との一致性の有無を判定し、一致性有りの場合には、S53へ進み、一致性無しの場合には、S57へ進む。S52において、「一致」ではなく、「一致性」としたのはS51において「一致性」を使用したのと同じ理由からである。
【0040】
S53では、S52又は後述のS54において同期ワードの後半部分との一致性有りと判断された受信信号部分の受信終了時点をフレームの同期ワードの受信終了時点にして同期を確立する。S53で同期が確立される事例には次のものがある。(a)同期ワード判定方法50の起動が先頭フレームの最初からの受信開始に間に合い、携帯型デジタル無線機10が先頭フレームの同期ワードの全部を検出したとき(S51正→S52正)、(b)同期ワード判定方法50の起動が先頭フレームの最初からの受信開始には間に合わなかったものの、同期ワードの後半部分の最初からの受信開始が間に合い、後述のS54〜S56の処理により、先頭フレームの同期ワードに基づき同期を確立したとき(S51否→S54正→S55正→S56正)、及び(c)先頭フレームの同期ワードに対しては同期を確立できなかったものの、次のフレームの同期ワードに対し同期を確立したとき(S51否→S54否、S55否又はS56否→S57→S51正→S52正)である。
【0041】
S54では、S52と同様に、受信信号部分について同期ワードの後半部分との一致性の有無を判定し、一致性有りの場合には、S55へ進み、一致性無しの場合には、S57へ進む。S54において、「一致」ではなく、「一致性」としたのはS51において「一致性」を使用したのと同じ理由からである。
【0042】
前述のS51は、1シンボルの受信時間が経過するごとに実施される。同期ワードの前半部分及び後半部分のシンボル数をそれぞれn,m(典型的にはn=mであるが、n≠m可。)とし、n,mの内の大きい方をuとする。受信信号の直近のu個のシンボルの値が記憶され、記憶中の直近u個のシンボル値は1シンボルの受信時間が経過するごとに最新のものに更新される。S51において、受信信号の直近n個のシンボルのシンボル列について同期ワードの一致性が無いと判定されると、直ちに、S54へ進む。したがって、直近の複数のシンボルのシンボル列はS51とS54との両方で重複して判定対象となる。これに対し、前述のS52において判定対象とする直近m個のシンボルのシンボル列は、S51において判定対象となったn個のシンボルのシンボル列に続くm個のシンボルのシンボル列であり、S51及びS52で判定対象になる受信信号部分のシンボル列は重複しない。
【0043】
S55では、S54で一致性有りとされた受信信号部分に後続する受信信号部分について、それが64ビットのNIDの受信信号部分であると仮定して、該NIDはエラー訂正可能であるか否かを判定し、判定が正であれば、S56へ進み、否であれば、エラー訂正後、S57へ進む。
【0044】
S56では、NIDのデータユニットIDがヘッダー(ヘッダーデータユニット)であるか否かを判定し、判定が正であれは、S53へ進み、否であれば、S57へ進む。NIDのデータユニットIDがヘッダーとなるフレームは先頭フレームのみである。先頭フレームでは、NIDのデータユニットIDが必ずヘッダーとなるので、受信信号部分について同期ワードの後半部分の一致性有りを確認した後、それに後続するNIDのデータユニットIDがヘッダーとなっていれば、該データユニットIDの抽出元の受信信号部分は先頭フレームのものであると結論することができる。こうして、先頭フレームについて同期検出作動の開始が遅れたために、受信信号部分について同期ワードの全体との一致性判断ができなかった場合にも、受信信号部分について同期ワードの後半部分との一致性が有り、かつデータユニットIDから先頭フレームのものであると結論される受信信号である場合には、S53へ進んで、先頭フレームの同期を確立する。S57では、同期未確立であるとして、S51へ戻る。
【0045】
S56では、NIDのデータユニットID、すなわちフレーム構造がヘッダーデータユニットであるか否かを判定しているが、これに代えて、NIDのNACが自機のものであるか否かを判定し、その判定結果が正及び否であるかに応じてそれぞれS53及びS57へ進むようになっていてもよい。さらに、S56に代えて、NIDのデータユニットIDがヘッダーデータユニットでありかつNIDのNACが自機のものであるかを判定し、その判定結果が正及び否であるかに応じてそれぞれS53及びS57へ進むようにしてもよい。
【0046】
なお、同期確立及びフレーム構造判定(NIDのデータユニットIDがヘッダーデータユニットか否かの判定)はレイヤー1の物理層で実施するのに対し、NIDのNACは、ネットワークID情報であり、グループのIDや個別IDと共に物理層より上層のレイヤーに属するので、NACの情報に係る判定は、物理層の判定に比して結果を得るまでに時間がかかる。
【0047】
図5は携帯型デジタル無線機10において同期検出処理の開始が先頭フレームの受信開始時点に間に合わなかった場合に同期ワード判定方法50(図4)を実行したときのデータ利用状態を示している。キャリアの検出時刻、すなわち同期検出処理の開始は、受信開始には間に合わなかったものの、同期ワードの後半部分の受信開始前となっている。結果、携帯型デジタル無線機10は、受信信号から同期ワードの前半部分の受信を検出できなかったが(図5の前半「NG」)、同期ワードの後半部分の受信を検出する。携帯型デジタル無線機10は、さらに、受信信号において同期ワードの後半部分の後のNIDのデータユニットIDがヘッダーとなっていることを確認すると(図5のNID「OK」)、同期ワードの後半部分の受信信号部分の受信終了時を同期ワードの受信終了時にして同期を確立する。こうして、先頭フレームの同期確立により、先頭フレームのヘッダーコードデータから抽出したデータを破棄することなく、情報抽出に利用して、通信の頭切れを回避することができる。
【0048】
図6はデジタル無線機63のブロック図である。前述の携帯型デジタル無線機10はデジタル無線機63の一例である。デジタル無線機63は、据置き型や車載型であってもよい。デジタル無線機63はバッテリー駆動でなくてもよい。デジタル無線機63は同期ワードが先頭部に配置されているフレーム構造の通信方式を用いて相手機との通信を行う。デジタル無線機63は末尾側一致性判定手段64、妥当性判定手段65及び同期確立手段66を備える。デジタル無線機63は、さらに、先頭側一致性判定手段69、スケルチ実施手段73及び休止制御手段74を備えることもできる。
【0049】
末尾側一致性判定手段64は、第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があるか否かの末尾側一致性判定を行う。妥当性判定手段65は、第1の受信信号部分に後続する第2の受信信号部分についてそれが同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性妥当性のあるものとなっているか否かの妥当性判定を行う。同期確立手段66は、末尾側一致性判定及び妥当性判定が共に正であれば第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する。
【0050】
同期ワードの末尾側部分及び先頭側部分は、同期ワード判定方法50(図4)のS51,S54の前半部分及び後半部分に対応する。同期ワードの末尾側部分及び先頭側部分は相互に同一長さに設定されていなくてもよい。デジタル無線機63が用いるフレームは例えばP−25に準拠したフレームである。一致性とは完全同一に限定されず、部分的に相違していても、全体に対する相違部分の割合が許容値以内となっていれば、同一であると判定してかまわないことを意味する。第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性は、例えば、第1の受信信号部分のシンボル列と同期ワードの末尾側部分のシンボル列とにおける同一順番のシンボル同士の値が一致するか否かにより判定する。
【0051】
同期ワードの後続のフレーム部分とは例えばフレームのネットワークIDである。同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のある受信信号部分とは、例えば(a)フレームのネットワークIDに含まれるデータ構造情報がヘッダーとなっている受信信号部分、及び/又は(b)フレームのネットワークIDに含まれるネットワークアクセスコードが自機のものとなっている受信信号部分である。(a)はP−25の場合、受信信号が先頭フレームであったときである。(a)でかつ(b)である場合には、(a)又は(b)の場合よりも、同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性が高まる。(a)となっているか否かはレイヤー1の物理層での判断となるので、(b)となっているか否かの判断より判断待ち時間か少ない。
【0052】
典型的には、妥当性判定手段65は、第2の受信信号部分から抽出したデジタル信号についてエラー訂正が困難である場合、妥当性判定結果を否として、同期確立を保留する。同期確立が保留されている時は当然に同期が確立されることはない。
【0053】
デジタル無線機63では、第1の受信信号部分が同期ワードの末尾側部分と一致性が有り、かつその次の第2の受信信号部分が同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のあるものであれば、同期ワード全体との一致性について判断できなくても、十分な信頼性でフレームの同期を確立することができる。また、該フレームについて同期を確立することにより、該フレームのデータ部のデータを破棄することなく活用して情報を抽出することができる。
【0054】
好ましくは、デジタル無線機63はさらに先頭側一致性判定手段69を備える。先頭側一致性判定手段69は、第3の受信信号部分について同期ワードの先頭側部分との一致性があるか否かの先頭側一致性判定を行う。これに対応して、末尾側一致性判定手段64は、第3の受信信号部分に後続する第1の受信信号部分について末尾側一致性判定を行う。同期確立手段66は、先頭側一致性判定及び末尾側一致性判定が共に正であれば、妥当性判定の結果を待たずに第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する。結果、同期確立の終了時期を早めることができる。
【0055】
典型的には、デジタル無線機63は、さらに、スケルチ実施手段73及び休止制御手段74を備える。スケルチ実施手段73は、受信信号に基づきスケルチを実施する。休止制御手段74は、スケルチ実施中は先頭側一致性判定手段69、末尾側一致性判定手段64、妥当性判定手段65及び同期確立手段66を作動休止状態に維持し、スケルチ解除に伴いそれら手段69,64,65.66を作動開始させる。こうして、待ち受け時の節電を図りつつ、相手機からの受信開始時では、起動が少し遅延して、フレームの先頭部分の受信に間に合わなかったとしても、該フレームについて同期を確立することができる。
【0056】
図7はデジタル無線機制御方法80のフローチャートである。デジタル無線機制御方法80はデジタル無線機63に適用される。S81では、第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があるか否かの末尾側一致性判定を行い、判定が正であれば、S82へ進み、否であれば、デジタル無線機制御方法80を終了する。S82では、第1の受信信号部分に後続する第2の受信信号部分についてそれが同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のあるものとなっているか否かの妥当性判定を行い、判定が正であれば、S83へ進み、否であれば、デジタル無線機制御方法80を終了する。S83では、第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する。
【0057】
S81〜S83の処理は、デジタル無線機63(図6)の末尾側一致性判定手段64〜同期確立手段66の各機能にそれぞれ対応している。デジタル無線機63の各手段について前述した具体的態様は、デジタル無線機制御方法80において対応するステップの具体的態様としても適用可能である。
【0058】
デジタル無線機63には先頭側一致性判定手段69の機能に対応するステップSa1を追加可能である。ステップSa1は、「第3の受信信号部分について同期ワードの先頭側部分との一致性があるか否かを判定する」ことを内容とし、S81の前に追加し、さらに、ステップSa1とS81との判定が共に正であれば、S82をスキップして、直ちにS83へ進ませるステップSa2も追加する。
【0059】
スケルチ実施手段73及び休止制御手段74の機能に対応するステップSb1,Sb2を含む休止制御方法Mbを追加することができる。休止制御方法Mbは、デジタル無線機制御方法80とは別に実施することにし、ステップSb1は「受信信号に基づきスケルチを実施する」ことを内容とし、ステップSb2は、「スケルチ実施中はデジタル無線機制御方法80の実施を停止させ、スケルチ解除中はデジタル無線機制御方法80を実施させる」ことを内容とする。
【0060】
本発明を適用したプログラムは、コンピュータをデジタル無線機63の各手段として機能させる。本発明を適用した別のプログラムは、デジタル無線機制御方法80の各ステップをコンピュータに実行させる。
【0061】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更(付加及び削除も含む。)が可能であることは言うまでもない。
【0062】
本明細書は様々な範囲及びレベルの発明を開示している。それら発明は、本明細書で説明した様々な技術的範囲及び具体的レベルの各装置及び各方法だけでなく、拡張ないし一般化の範囲で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を拡張ないし一般化の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
【符号の説明】
【0063】
63:デジタル無線機、64:末尾側一致性判定手段、65:妥当性判定手段、66:同期確立手段、69:先頭側一致性判定手段、73:スケルチ実施手段、74:休止制御手段、80:デジタル無線機制御方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期ワードが先頭部に配置されているフレーム構造の通信方式を用いて相手機との通信を行うデジタル無線機であって、
第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があるか否かの末尾側一致性判定を行う末尾側一致性判定手段、
前記第1の受信信号部分に後続する第2の受信信号部分についてそれが同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のあるものとなっているか否かの妥当性判定を行う妥当性判定手段、及び
前記末尾側一致性判定及び妥当性判定が共に正であれば前記第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する同期確立手段、
を備えることを特徴とするデジタル無線機。
【請求項2】
第3の受信信号部分について同期ワードの先頭側部分との一致性があるか否かの先頭側一致性判定を行う先頭側一致性判定手段、
前記第3の受信信号部分に後続する前記第1の受信信号部分について前記末尾側一致性判定を行う前記末尾側一致性判定手段、及び
前記先頭側一致性判定及び前記末尾側一致性判定が共に正であれば前記妥当性判定の結果を待たずに前記第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する前記同期確立手段、
を備えることを特徴とする請求項1記載のデジタル無線機。
【請求項3】
受信信号に基づきスケルチを実施するスケルチ実施手段、及び
スケルチ実施中は前記先頭側一致性判定手段、前記末尾側一致性判定手段、前記妥当性判定手段及び前記同期確立手段を作動休止状態に維持しスケルチ解除に伴いそれら手段を作動開始させる休止制御手段、
を備えることを特徴とする請求項2記載のデジタル無線機。
【請求項4】
前記妥当性判定手段は、第2の受信信号部分から抽出したデジタル信号についてエラー訂正が困難である場合、妥当性判定結果を否とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル無線機。
【請求項5】
同期ワードの後続のフレーム部分とはフレームのネットワークIDであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタル無線機。
【請求項6】
同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のある受信信号部分とはフレームのネットワークIDに含まれるデータ構造情報がヘッダーとなっている受信信号部分であることを示すデータであることを特徴とする請求項5記載のデジタル無線機。
【請求項7】
同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のある受信信号部分とはフレームのネットワークIDに含まれるネットワークアクセスコードが自機のものとなっている受信信号部分であることを特徴とする請求項5又は6記載のデジタル無線機。
【請求項8】
同期ワードが先頭部に配置されているフレーム構造の通信方式を用いて相手機との通信を行うデジタル無線機の制御方法であって、
第1の受信信号部分について同期ワードの末尾側部分との一致性があるか否かの末尾側一致性判定を行う末尾側一致性判定ステップ、
前記第1の受信信号部分に後続する第2の受信信号部分についてそれが同期ワードの後続のフレーム部分の受信信号部分として妥当性のあるものとなっているか否かの妥当性判定を行う妥当性判定ステップ、及び
前記末尾側一致性判定及び妥当性判定が共に正であれば前記第1の受信信号部分の末尾を同期ワードの末尾にして同期を確立する同期確立ステップ、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のデジタル無線機の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−49982(P2011−49982A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198427(P2009−198427)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】