デバイスの製造方法、デバイス、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置
【課題】 大容量の電流を流すのに充分な厚みを確保することができるデバイスの製造方法、デバイス、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、さらには有機エレクトロルミネッセンス装置を提供すること。
【解決手段】 基板上に導電パターン12,13及び半導体素子14を形成する工程と、導電パターン12,13及び半導体素子14を含む基板上に第1の絶縁層30を形成する工程と、第1の絶縁層30に対して、導電パターン11,12に対応した位置に開口部30a,30bを形成する工程と、無電解めっきにより、開口部30a,30bに対応する導電パターン12,13上にめっき金属51,52を積層させる工程と、基板10a上にめっき金属51,52を覆うように第2の絶縁層60を形成する工程と、第2の絶縁層60上に有機エレクトロルミネッセンス素子29を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【解決手段】 基板上に導電パターン12,13及び半導体素子14を形成する工程と、導電パターン12,13及び半導体素子14を含む基板上に第1の絶縁層30を形成する工程と、第1の絶縁層30に対して、導電パターン11,12に対応した位置に開口部30a,30bを形成する工程と、無電解めっきにより、開口部30a,30bに対応する導電パターン12,13上にめっき金属51,52を積層させる工程と、基板10a上にめっき金属51,52を覆うように第2の絶縁層60を形成する工程と、第2の絶縁層60上に有機エレクトロルミネッセンス素子29を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスの製造方法、デバイス、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路または集積回路などに使われる導電パターンを有するデバイスの製造には、スパッタリング法または真空蒸着法等が用いられている。これらの方法では、配線基板の表面に、Al,Cu等の金属導電材料を成膜した後、配線基板をフォトリソグラフィ法により、予め導電膜を形成した基板上にレジスト等の感光材を塗布する。そして、回路パターンが形成されたマスクを介して光を照射した後、現像を行い、レジストパターンに応じて導電膜をエッチングすることで薄膜の導電パターンを形成するものである。
このような方法で形成された導電パターンは、電気光学装置として、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと称する。)表示パネルにも適用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の有機EL表示パネルは、画素スイッチング回路としてTFTを有するTFT駆動基板を備えており、このTFT駆動基板は透明基板を基本構成としている。この透明基板の一方の面には、TFT,走査線、信号線等の配線(導電パターン)、その他の電気素子等が形成されている。
また、インクジェット法を用いて金属微粒子を厚く積むことにより金属配線を形成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このように、インクジェット法を用いた場合、抵抗を下げるために金属微粒子を高温で焼成することによって、良好な導電性を有する金属配線を得ている。
【特許文献1】特開2003−347048号公報
【非特許文献1】「日経 エレクトロニクス」、2004年1月16日、p.102
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有機EL表示パネルに設けられた有機EL素子は電流駆動であり、特に大画面では高輝度な画像を得るために、大容量の電流を流す必要が生じる。しかしながら、上記のスパッタリング法等によりAl,Cu等の導電パターンが形成されたデバイスや有機EL素子に、大容量の電流を流すと、上記の膜厚では導電パターンに大きな負荷がかかり、破損,損傷してしまうおそれがあり、充分な電流を供給することは困難である。また、インクジェット法では、抵抗を下げるために金属微粒子を高温で焼成しなければならないが、TFT素子等の半導体素子の耐熱性から焼成温度を高温にするのは困難である。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、大容量の電流を流すのに充分な厚みを確保することができるデバイスの製造方法、デバイス、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、さらには有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のデバイスの製造方法は、基板上に形成された導電パターンを備えるデバイスの製造方法であって、前記基板上に前記導電パターンを形成する工程と、前記導電パターン上を含む前記基板上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、無電解めっきにより、前記開口部にめっき金属を積層させる工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るデバイスの製造方法では、基板上に導電パターンを形成した後、さらに絶縁層を形成し、導電パターンに対応した位置に開口部を形成する。そして、この開口部から露出した導電パターン上に、めっき金属を積層させる。すなわち、導電パターンの膜厚を厚くすることにより、大容量の電流を流すのに充分な厚みを確保することができる。
【0008】
本発明のデバイスの製造方法は、前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記絶縁層に押圧することにより、前記絶縁層に前記開口部を形成することが好ましい。
【0009】
本発明に係るデバイスの製造方法では、絶縁層に成形型を押圧し、成形型を取り除くことにより、開口部に相当する凹部が導電パターン上に形成される。したがって、例えば、フォトリソグラフィ等を用いない簡易な方法により、導電パターン上に開口部を形成することができるため、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0010】
本発明のデバイスの製造方法は、前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることが好ましい。
本発明に係るデバイスの製造方法では、開口部の幅が導電パターンの幅と同等であるため、より多くのめっき金属を導電パターン上に積層させることができるため、さらに、電流を多く流すことが可能となる。
【0011】
本発明のデバイスは、上記のデバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明に係るデバイスでは、上記デバイスの製造方法を用いることにより、導電パターンに大容量の電流を流すことができるため、大容量の電流を必要とするデバイスに用いるのに好適である。
【0012】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、基板上に導電パターン及び半導体素子を形成する工程と、前記導電パターン及び前記半導体素子を含む基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、無電解めっきにより、前記開口部に対応する前記導電パターン上にめっき金属を積層させる工程と、前記基板上に前記めっき金属を覆うように第2の絶縁層を形成する工程と、前記第2の絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、基板上に導電パターン及び半導体素子を形成した後、さらに第1の絶縁層を形成し、導電パターンに対応した位置に開口部を形成する。この開口部から露出した導電パターン上に、めっき金属を積層させる。このめっき金属を覆うように第2の絶縁層を形成し、この第2の絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する。したがって、有機エレクトロルミネッセンス素子に大容量の電流を流すことが可能な充分な厚みを確保することができるので、大容量の電流を必要とする大型の有機エレクトロルミネッセンス装置を製造することが可能になる。さらに、従来のようなインクジェット法に比べ、高温にする必要がなく、導電パターンの抵抗を下げることが可能となる。
【0014】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記導電パターン上に積層させためっき金属によって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電力を供給する電力供給線を形成することが好ましい。
【0015】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、電力供給線の膜厚が厚くなるため、より多くの電流を電力供給線に流すことができるので、有機エレクトロルミネッセンス素子を充分な電流により安定して駆動させることが可能となる。
【0016】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記第1の絶縁層に前記開口部を形成することが好ましい。
【0017】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第1の絶縁層に成形型を押圧し、成形型を取り除くことにより、開口部に相当する凹部が導電パターン上に形成される。したがって、簡易な方法により、導電パターン上に開口部を形成することができるため、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0018】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、開口部の幅が導電パターンの幅と同等であるため、導電パターン上により多くのめっき金属を積層させることができるため、さらに、電流を多く流すことが可能となる。
【0019】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記半導体素子と前記有機エレクトロルミネッセンス素子とを電気的に接続するコンタクトホールを前記開口部と同時に形成することが好ましい。
【0020】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第1の絶縁層に成形型の凸部を押圧し、成形型を取り除くことにより、半導体素子と有機エレクトロルミネッセンス素子とを電気的に接続するコンタクトホールが形成される。すなわち、成形型を押圧するだけで、開口部と同時にコンタクトホールを形成することができるため、別途フォトリソグラフィ等により形成する必要がないので、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0021】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記第2の絶縁層を形成した後、前記第2の絶縁層に対して平坦面を有する他の成形型を押圧することにより、前記第2の絶縁層の表面を平坦化する工程を備えることが好ましい。
【0022】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第2の絶縁層に他の成形型を押圧し、成形型を取り除くことにより、基板の表面を確実に平坦化でき、その上に形成する有機エレクトロルミネッセンス素子においても、段差の発生を抑えることができる。したがって、表示ムラ等が生じ難く、表示品質の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することが可能となる。
【0023】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記他の成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第2の絶縁層に押圧することにより、前記第2の絶縁層に隔壁部を形成する工程を備えることが好ましい。
【0024】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第2の絶縁層に他の成形型の凸部を押圧し、他の成形型を取り除くことにより、隔壁部を形成することができる。したがって、隔壁部に囲まれた領域に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する際、例えば、インクジェット装置等による液滴吐出法を用いた場合、吐出された液滴が意図しない場所に濡れ広がる不具合を解消することが可能となる。
【0025】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、上記に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0026】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置では、上記有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を用いることにより、導電パターンに大容量の電流を流すことができるため、充分な電流により高輝度であるとともに、安定して駆動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0028】
(有機EL装置の第1実施形態)
まず、図1は本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の第1実施形態について、その要部構成を示す断面模式図である。本実施の形態の有機EL装置1は、半導体基板3上に有機EL素子29を備えた構成を具備している。
【0029】
半導体基板3は、主にガラス基板10aと、該ガラス基板10a上に形成され、有機EL素子29と電気的に接続する所定形状の走査線11,有機EL素子29に電力を供給する電源パターン(導電パターン:電力供給線)12及び後述する陰極25と電気的に接続する陰極パターン(導電パターン)13と、電源パターン12及び陰極パターン13上に積層されためっき金属51,52と、有機EL素子29を駆動させるTFT(駆動素子)14と、第1の樹脂膜30及び第2の樹脂膜60によって構成されている。またTFT14は、導電性ペースト15を介して走査線11及び電源パターン12接続されている。なお、導電性ペースト15は、異方性導電粒子(ACP)を含むものである。
【0030】
また、半導体基板3に設けられた第1の樹脂膜30は、電源パターン12及び陰極パターン13上にめっき金属51,52を積層(成長させる)するための開口部30a,30bを形成する機能を有し、第2の樹脂膜60は、めっき金属51,52等を覆う形にて形成され、当該半導体基板3の内面を平坦化する機能を有している。また、第1,第2の樹脂膜30,60には、コンタクトホール(導通用貫通孔)30c,60cが形成されており、該コンタクトホール30c,60c内に形成されたバンプ(導通部)53,67によりTFT14と有機EL素子29とが電気的に接続されている。
【0031】
有機EL素子29は、半導体基板3に形成されたTFT14と電気的に接続されてなる陽極21と、正孔注入/輸送層22と、発光層23と、電子注入/輸送層24と、陰極25とを含んで構成されており、陽極21で発生した正孔と陰極25で発生した電子が発光層23で結合することで、発光が生じるようになっている。なお、このような有機EL素子29の詳細な構造は、公知技術が採用される。
【0032】
更に、有機EL素子29は封止剤26によって封止され、該封止剤26上にはカバーガラス20が形成されている。また、有機EL素子29は画素構成を有しており、1つの画素の周りには、該画素を取り囲む形にて隔壁部たるバンク27が形成されている。バンク27は、有機EL素子29をインクジェット法にて形成する際に必要な部材であって、例えばアクリル樹脂等にて構成されている。
【0033】
本実施形態では発光層23から発した光を陰極25側から取り出すトップエミッション構造を採用しているため、陰極25にはバソクプロイン(BCP)とセシウム(Cs)の共蒸着膜を用い、さらに導電性を付与するためにITOを積層するといった構造が採用されている。また、陽極21側に発した光を陰極25側から取り出せるように、陽極21にはAlやAg等の高反射率の金属材料や、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造が採用されている。
【0034】
(有機EL装置の製造方法)
次に、図1に示す有機EL装置1の製造方法について説明する。本実施形態の有機EL装置1の製造方法は、半導体基板3を製造した後、有機EL素子29を形成し、さらにこれを封止剤26にて封止するとともにカバーガラス20を被覆させるものである。以下、順を追って説明する。
【0035】
(1.半導体基板の製造工程)
半導体基板3の製造工程においては、TFT14を備える素子基板40(図2参照)を製造し、さらに走査線11を有する配線基板10(図3参照)を製造した後、素子基板40のTFT14を配線基板10に転写する方法を採用している。
【0036】
(1−1.素子基板の製造工程)
まず、図2を参照して、基礎基板(第1基板)40a上にTFT14を形成して素子基板40を製造する工程について説明する。なお、TFT14の製造方法は、高温プロセスを含む公知の技術が採用されるので、詳細な説明を省略し、剥離層41の形成について詳しく説明することとする。
【0037】
はじめに、図2に示したような基礎基板40aを用意する。ここで、素子基板40の土台となる基礎基板40aは、有機EL装置1の構成要素ではなく、TFT製造工程と、貼り合わせ及び転写工程にのみに用いられる部材である。
【0038】
基礎基板40aとしては、1000℃程度に耐える石英ガラス等の透光性耐熱基板が好ましい。また、基礎基板40aの厚さには、大きな制限要素はないが、0.1mm〜1.5mm程度であることが好ましく、0.5mm〜1.5mm程度であることがより好ましい。基礎基板40aの厚さが薄すぎると強度の低下を招き、逆に厚すぎると基板の透過率が低い場合に照射光の減衰を招くからである。
【0039】
そして、基礎基板40a上に剥離層41を形成する。剥離層41は、レーザ光等の照射光により当該層内や界面において剥離(「層内剥離」又は「界面剥離」ともいう)が生ずる材料からなるものである。即ち、一定の強度の光を照射することにより、構成物質を構成する原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失し又は減少し、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を起こすものである。また、照射光の照射により、剥離層41に含有されていた成分が気体となって放出され分離に至る場合と、剥離層41が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
【0040】
剥離層41の組成としては、例えば、非晶質シリコン(a−Si)が採用され、また、当該非晶質シリコン中に水素(H)が含有されていてもよい。水素が含有されていると、光の照射により、水素が放出されることにより剥離層2に内圧が発生し、これが剥離を促進するので好ましい。この場合の水素の含有量は、2at%程度以上であることが好ましく、2〜20%at%であることが更に好ましい。水素の含有量は、成膜条件、例えば、CVD法を用いる場合には、そのガス組成、ガス圧力、ガス雰囲気、ガス流量、ガス温度、基板温度、投入するパワー等の条件を適宜設定することによって調整する。この他の剥離層材料としては、酸化ケイ素もしくはケイ酸化合物、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化セラミックス、有機高分子材料(光の照射によりこれらの原子間結合が切断されるもの)、金属、例えば、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、GdもしくはSm、又はこれらのうち少なくとも一種を含む合金が挙げられる。
【0041】
剥離層41の厚さとしては、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、20nm〜1μm程度であるのが更に好ましい。剥離層41の厚みが薄すぎると、形成された膜厚の均一性が失われて剥離にむらが生じるからであり、剥離層41の厚みが厚すぎると、剥離に必要とされる照射光のパワー(光量)を大きくする必要があったり、また、剥離後に残された剥離層41の残渣を除去するのに時間を要したりする。
【0042】
剥離層41の具体的な形成方法は、均一な厚みで剥離層41を形成可能な方法であればよく、剥離層41の組成や厚み等の諸条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、CVD(MOCCVD、低圧CVD、ECR−CVD含む)法、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング法、イオンドーピング法、PVD法等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ法等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等に適用できる。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
【0043】
特に剥離層41の組成が非晶質シリコン(a−Si)の場合には、CVD法、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。また、剥離層41をゾル−ゲル法によりセラミックを用いて成膜する場合や有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特にスピンコートにより成膜するのが好ましい。
そして、剥離層41上に所定パターンのTFT14を公知の技術により形成し、目的の素子基板40を得るものとしている。
【0044】
(1−2.配線基板の製造工程)
次に、図3に示す配線基板10の製造工程について説明する。
まず、図3に示すようなガラス基板10aを用意し、該ガラス基板10a上に走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13を形成する。これら走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13の形成方法としては、フォトリソフィ法等の公知技術が採用される。また、金属微粒子を溶剤に分散させた分散液を液滴吐出法(インクジェット法)を用いてガラス基板10a上に形成してもよい。このような走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13を構成する材料としては、低抵抗材料を採用するのが好ましく、AlやAl合金(Al・Cu合金等)を用いることが好ましい。
【0045】
なお、ガラス基板10aの表面には、下地絶縁膜として酸化シリコン膜(SiO2)等を形成してもよい。また、図3では、走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13が1層のみ形成された構造について説明しているが、2層や3層構造であってもよい。また、配線材料は、AlやAl合金のみに限定することなく、Al等の低抵抗金属をTiやTi化合物によって積層させたサンドイッチ構造でもよい。このようにすれば、Al配線に対するバリア性を高めることができる。
【0046】
(1−3.TFTの転写工程)
次に、図4から図6を参照しつつ、上記の配線基板10と素子基板40とを貼り合わせて、TFT14を配線基板10に転写し、半導体基板3を得る方法について説明する。
【0047】
図4に示すように、素子基板40のうちTFT14側を配線基板10に指向させ、且つTFT14とガラス基板10aとの間に異方性導電粒子(ACP)を含有する導電性ペースト15を介在させて、素子基板40と配線基板10とを貼り合わせる。
【0048】
次に、図5に示すように、導電性ペースト15が塗布された部分のみを局所的に、且つ基礎基板40の裏面側(TFT非形成面)から、レーザ光LAを照射する。これにより、剥離層41の原子や分子の結合が弱まり、また、剥離層41内の水素が分子化し、結晶の結合から分離され、即ち、TFT14と基礎基板40aとの結合力が完全になくなり、レーザ光LAが照射された領域において、TFT14から基礎基板40aを容易に取り外すことが可能となる。
次に、基礎基板40aを貼合せ状態から剥離することで、基礎基板40a上からTFT14が除去されると共に、当該TFT14が配線基板10に転写される。
以上のような転写工程を経て、ガラス基板10a上にTFT14が形成された構成の配線基板10を得る。
【0049】
(1−4.絶縁層の形成工程)
次に、図6から図9を参照して、絶縁層(第1の絶縁層)30の形成方法について説明する。
まず、図6に示すように、配線基板10の全面に、つまりTFT14や走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13を完全に覆うように未硬化の絶縁層31を塗布する。未硬化の絶縁材料としては、光硬化型の樹脂、或いは熱硬化型の樹脂のいずれであっても良く、本実施の形態では光硬化型のアクリル樹脂を採用している。なお、絶縁層31の塗布法としては、スピンコート法等の液相法を採用している。
【0050】
絶縁層31を形成した後、絶縁層31の上方から図7に示すような成形型50を押し付けることによって絶縁層31の表面に凹凸を形成する。ここで成形型50とは、絶縁層31に所定の表面形状を付与するための型(表面型)が形成されたものを意味するものであり、例えばガラスなどの紫外線透過材料で構成されている。具体的には、電源パターン12,陰極パターン13上に開口部30a,30bを形成するための凸部50a,50bと、走査線11上にコンタクトホール30cを形成するための凸部50cと、凹部(その凹底面は平坦面となっている)50dとが形成されたものである。なお、絶縁層31を構成する材料が熱硬化型の樹脂である場合には、成形型50をNi電鋳等で形成することができる。また、凸部50a,50bの幅L,Mは、電源パターン12,陰極パターン13の幅P,Qと同等であり、凸部50a,50bの深さはTFT14の厚みより若干深く形成されている。さらに、成形型50が好適に剥離(抜き出し)できるように、凸部50a,50b,50cの側面にテーパが形成されている。
【0051】
このような成形型50を絶縁層31に押圧することによって開口部30a,30b及びコンタクトホール30cに相当する凸部50a,50b及び50cが絶縁層31の表面から絶縁層31の底面まで達する。そして、UV光を照射し絶縁層31を硬化させた後、成形型50を絶縁層31から抜くことにより凸部形状を絶縁層31に転写させることができる。これによって、絶縁層31に開口部30a,30b及びコンタクトホール30cを形成しつつ、凹部50dの有する凹底面に対応した平坦面を付与した樹脂膜30が形成される。ここで、成形型50の凸部50a,50b,50cは、絶縁層31の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
なお、成形型50の表面(少なくとも絶縁層31と接する面)に撥水処理等を施すことで、絶縁層31からの剥離を容易にすることができる。
【0052】
次に、図9に示すように、走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13上にめっき金属51,52及びバンプ53を形成する。
本実施形態のめっき金属51,52及びバンプ53は、無電解メッキ法を用いることによって形成される。まず、メッキ成長させるため、開口部30a,30b及びコンタクトホール30cから剥き出しとなった走査線11,電源パターン12,陰極パターン13表面の濡れ性向上、及び残さを除去するために、フッ酸と硫酸を含有した水溶液中に含浸する。
【0053】
その後、水酸化ナトリウムを含むアルカリ性水溶液に加温した中に浸漬し、表面の酸化膜を除去する。その後、ZnOを含有したジンケート液中に浸漬してパッド表面をZnに置換する。その後、硝酸水溶液に浸漬し、Znを剥離し、再度ジンケート浴中に浸漬し、緻密なZn粒子をAl表面に析出させる。
その後、無電解Niメッキ浴に浸漬し、Niメッキを形成する。メッキ高さは2μm〜10μm程度析出させる。ここで、メッキ浴は次亜リン酸を還元剤とした浴であるため、リン(P)が共析する。最後に置換Auメッキ浴中に浸漬し、Ni表面をAuにする。Auは0.05μm〜0.3μm程度に形成する。Au浴はシアンフリータイプを用いて浸漬を行う。
【0054】
このようにしてパッド上にNi−Auバンプが形成される。また、Ni−Auバンプ上に、半田やPbフリー半田を、例えばSn−Ag−Cu系等の半田をスクリーン印刷やディッピング等で形成してバンプとしてもよい。なお、各化学処理の間には、水洗処理を行う。水洗槽はオーバーフロー構造あるいはQDR機構を有しており、最下面からN2バブリングを行う。バブリング方法は、テフロン(登録商標)のチューブ等に穴を開け、N2を出す方法や、焼結体等を通じてN2を出す。以上の工程により、短時間で十分効果のあるリンスを行うことができる。
このような一連の工程を経て、図9に示すように、それぞれのパターン11,12,13上にめっき金属51,52及びバンプ53が形成される。このようにして、電源パターン12及び陰極パターン13の膜厚が厚くなる。
【0055】
(1−5.絶縁層の形成工程)
次に、図10から図12を参照して、絶縁層(第2の絶縁層)60の形成方法について説明する。
まず、図10に示すように、配線基板10の全面に、つまりめっき金属51,52及びバンプ53を完全に覆うように未硬化の絶縁層61を塗布する。未硬化の絶縁材料及び塗布法としては、上述した絶縁層30と同様である。
絶縁層61を形成した後、絶縁層61の上方から図10に示すような成形型(他の成形型)65を押し付けることによって絶縁層61の表面を平坦化する。ここで成形型65とは、平坦部65dを有するとともに、図11に示すような所定のバンク27のパターン60aを形成するための凸部65aと、めっき金属52上にコンタクトホール60bを形成するための凸部65bと、バンプ53上にコンタクトホール60cを形成するための凸部65cとが形成されたものである。また、コンタクトホール60bは、めっき金属52と陰極25とを電気的に接続するためのものであり、コンタクトホール60cは、TFT14と有機EL素子29とを電気的に接続するためのものである。
【0056】
このような成形型65を絶縁層61に押圧し、上述したように、UV光を照射することによって、成形型50を絶縁層31に押圧したときと同様に、絶縁層61にバンク27のパターン60a,コンタクトホール60b及びコンタクトホール60cを形成しつつ、平坦部65dにより平坦面を付与した樹脂膜60が形成される。ここで、成形型65の凸部65b,65cは、絶縁層61の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
【0057】
また、成形型50,65の凸部50a,50b,50c,65b,65cの断面形状がテーパのない矩形状に形成されていてもよい。さらに、回転可能なローラに巻回されたベルトに成形型50,65を取り付けて、ローラの回転に伴ってベルトを走査し、そして成形型50,65を環状に移動させながら、かつ、半導体基板3をコンベア等によって移動させながら、成形型50,65を絶縁層31,61に押圧させてよい。この場合、連続的に成形型50,65を移動させながら、成形型50,65を絶縁層31,61に押し付けることができるので、半導体基板3の大量生産が可能となる。
【0058】
次に、図12に示すように、コンタクトホール60b,60c内にバンプ66,67を形成する。
本実施形態のバンプ66,67は、無電解メッキ法を用いることによって形成される。バンプ66,67は、上記した無電解メッキ法により、めっき金属51,52及びバンプ53の製造工程と同じ工程によって形成される。
【0059】
(2.有機EL素子の形成工程及び封止工程)
有機EL素子29の形成工程は、公知のインクジェット法を用いて行っている。
簡単に説明すると、図13に示すように、まず、所定パターンを有するマスクにより絶縁層60上に蒸着して、ITO等の陽極21を形成した後、バンク27の表面に撥液処理を施す一方、陽極21の表面に親液処理を施す。その後、図14に示すように、バンク27で囲まれた領域に正孔注入/輸送層22と、発光層23と、電子注入/輸送層24とをインクジェット法で形成する。そして、電子注入/輸送層24,バンク27の全面を覆うとともに、バンプ66と導通するような形状のマスクにてITO等の陰極25を形成する。続いて、これを封止剤26にて封止し、さらにカバーガラス20を形成して、図1に示した有機EL装置1を得るものとしている。
なお、陽極21を構成する材料(ITO等)をコンタクトホール60cに沿ったビア形状とすることで、バンプ67を省略することができる。
【0060】
また、本実施形態では、高分子タイプのEL素子を用いた場合について説明したが、例えばマスクスパッタにより成膜する低分子タイプのEL素子を用いても良い。この場合、バンク形成、バンクの撥液処理、陽極の親液処理は不要となる。
【0061】
このように、本実施形態では、有機EL素子29に大容量の電流を流すことが可能な充分な厚みを確保することができるので、大容量の電流を必要とする大型の有機エレクトロルミネッセンス装置を製造することが可能になる。また、絶縁層60の平坦化と、バンク27の形成とを同時に行うことが可能な成形型65を用いているため、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0062】
(有機EL装置の第2実施形態)
次に、有機EL装置の第2実施形態について、図15からを参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、上述した第1実施形態に係る有機EL装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る有機EL装置70は、絶縁層61を形成した後に使用する成形型が第1実施形態と異なる。
有機EL装置70は、具体的には、図15に示すように、バンク78がバンプ76を覆う形にて形成されている。
【0063】
まず、図16を参照して、絶縁層(第2の絶縁層)74の形成方法について説明する。
絶縁層61を形成した後、絶縁層61の上方から成形型(他の成形型)71を押し付けることによって絶縁層61の表面を平坦化する。ここで成形型71とは、平坦部71cを有するとともに、めっき金属52上にコンタクトホール73aを形成するための凸部71aと、バンプ53上にコンタクトホール73bを形成するための凸部71bとが形成されたものである。また、コンタクトホール73aは、めっき金属52と陰極25とを電気的に接続するためのものであり、コンタクトホール73bは、TFT14と有機EL素子29とを電気的に接続するためのものである。
【0064】
このような成形型71を絶縁層61に押圧し、第1実施形態と同様に、UV光を照射することによって、絶縁層61にコンタクトホール73a,73bを形成しつつ、平坦部71cにより平坦面を付与した樹脂膜74が形成される。ここで、成形型71の凸部71a,71bは、絶縁層61の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
【0065】
次に、図19を参照して、絶縁層(第2の絶縁層)79の形成方法について説明する。
まず、配線基板10の全面に、つまり陽極21及びバンプ75を完全に覆うように未硬化の絶縁層77を塗布する。絶縁層77を形成した後、絶縁層77の上方から成形型(他の成形型)72を押し付けることによって絶縁層77の表面を平坦化する。ここで成形型72とは、平坦部72cを有するとともに、所定のバンク78のパターン79aを形成するための凸部72aと、バンプ75上にコンタクトホール79bを形成するための凸部72bとが形成されたものである。また、コンタクトホール79bは、バンプ75と陰極25とを電気的に接続するためのものでる。
【0066】
このような成形型72を絶縁層77に押圧し、第1実施形態と同様に、UV光を照射することによって、絶縁層77にコンタクトホール79bを形成しつつ、平坦部72cにより平坦面を付与した樹脂膜79が形成される。ここで、成形型74の凸部72bは、絶縁層77の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
【0067】
次に、有機EL素子の形成工程及び封止工程について説明する。
まず、バンク78の表面に撥液処理を施す一方、陽極21の表面に親液処理を施す。その後、図20に示すように、バンク78で囲まれた領域に正孔注入/輸送層22と、発光層23と、電子注入/輸送層24とをインクジェット法で形成する。そして、電子注入/輸送層24を覆うとともに、バンプ75と導通するような形状のマスクにてITO等の陰極25を形成する。続いて、これを封止剤26にて封止し、さらにカバーガラス20を形成して、図15に示した有機EL装置70を得るものとしている。
なお、陽極21を構成する材料(ITO等)をコンタクトホール73bに沿ったビア形状とすることで、バンプ74を省略することができる。
【0068】
このように、本実施形態では、平坦面の形成と、バンク78との形成を別々の成形型71,72を用いることにより、バンク78がバンプ76を覆う形にて形成されることになる。このように、バンク78がバンプ76を覆うことで、陽極21,発光層23,陰極25同士の短絡を確実に回避することが可能となる。
【0069】
(電子機器)
次に、上記有機EL装置1あるいは有機EL装置70を備えた電子機器の例について、図21を用いて説明する。図21は、携帯電話の斜視図である。上記有機EL装置は、携帯電話1000の筐体内部に配置されている。そして、この携帯電話1000からなる電子機器によれば、安価で信頼性の高い有機EL装置を備えた電子機器とすることができる。
【0070】
なお、上記の方法で形成した有機EL装置は、携帯電話以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、パーソナルコンピュータ用モニタ、ワードプロセッサ用モニタ、テレビ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置などの電子機器に適用することが可能である。
【0071】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス装置1,70を用いて説明したが、これに限られることなく、導電パターンを備えるデバイスに適用することもできる。
また、ガラス基板10a上にTFT14を実装する方法として、素子基板40にTFT14を形成し、配線基板10に転写させることにより行ったが、これに限られることなく、例えば、ダイボンド装置を利用することにより、配線基板10にTFT14を接合しても良い。または、ガラス基板10a上にTFT14を直接造り込んでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の有機EL装置の第1実施形態の要部構成を示す断面図。
【図2】図1の有機EL装置を製造するための素子基板の構成を示す断面図。
【図3】TFTの転写工程の態様を示す断面図。
【図4】レーザ光照射の工程を説明するための断面図。
【図5】基板の剥離工程を説明するための断面図。
【図6】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図7】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図8】開口部の形成工程を説明するための断面図。
【図9】めっき金属及びバンプの形成工程を説明するための断面図。
【図10】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図11】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図12】バンプの形成工程を説明するための断面図。
【図13】有機EL素子の形成工程を説明するための断面図。
【図14】有機EL素子の形成工程を説明するための断面図。
【図15】本発明の有機EL装置の第2実施形態の要部構成を示す断面図。
【図16】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図17】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図18】有機EL素子の陽極の形成工程を説明するための断面図。
【図19】バンクの形成工程を説明するための断面図。
【図20】有機EL素子の形成工程を説明するための断面図。
【図21】本発明の電子機器の一実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0073】
1,70…有機EL装置、12…電源パターン(導電パターン:電力供給線)、13…陰極パターン(導電パターン)、27,78…バンク(隔壁部)、30a,30b…開口部、30…第1の絶縁層、50…成形型、50a,50b…凸部、51,52…めっき金属、60,79…第2の絶縁層、65…他の成形型、71…第1の成形型(他の成形型)、72…第2の成形型(他の成形型)、79…絶縁層(第2の絶縁層)
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスの製造方法、デバイス、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路または集積回路などに使われる導電パターンを有するデバイスの製造には、スパッタリング法または真空蒸着法等が用いられている。これらの方法では、配線基板の表面に、Al,Cu等の金属導電材料を成膜した後、配線基板をフォトリソグラフィ法により、予め導電膜を形成した基板上にレジスト等の感光材を塗布する。そして、回路パターンが形成されたマスクを介して光を照射した後、現像を行い、レジストパターンに応じて導電膜をエッチングすることで薄膜の導電パターンを形成するものである。
このような方法で形成された導電パターンは、電気光学装置として、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと称する。)表示パネルにも適用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の有機EL表示パネルは、画素スイッチング回路としてTFTを有するTFT駆動基板を備えており、このTFT駆動基板は透明基板を基本構成としている。この透明基板の一方の面には、TFT,走査線、信号線等の配線(導電パターン)、その他の電気素子等が形成されている。
また、インクジェット法を用いて金属微粒子を厚く積むことにより金属配線を形成する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このように、インクジェット法を用いた場合、抵抗を下げるために金属微粒子を高温で焼成することによって、良好な導電性を有する金属配線を得ている。
【特許文献1】特開2003−347048号公報
【非特許文献1】「日経 エレクトロニクス」、2004年1月16日、p.102
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有機EL表示パネルに設けられた有機EL素子は電流駆動であり、特に大画面では高輝度な画像を得るために、大容量の電流を流す必要が生じる。しかしながら、上記のスパッタリング法等によりAl,Cu等の導電パターンが形成されたデバイスや有機EL素子に、大容量の電流を流すと、上記の膜厚では導電パターンに大きな負荷がかかり、破損,損傷してしまうおそれがあり、充分な電流を供給することは困難である。また、インクジェット法では、抵抗を下げるために金属微粒子を高温で焼成しなければならないが、TFT素子等の半導体素子の耐熱性から焼成温度を高温にするのは困難である。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、大容量の電流を流すのに充分な厚みを確保することができるデバイスの製造方法、デバイス、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、さらには有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のデバイスの製造方法は、基板上に形成された導電パターンを備えるデバイスの製造方法であって、前記基板上に前記導電パターンを形成する工程と、前記導電パターン上を含む前記基板上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、無電解めっきにより、前記開口部にめっき金属を積層させる工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るデバイスの製造方法では、基板上に導電パターンを形成した後、さらに絶縁層を形成し、導電パターンに対応した位置に開口部を形成する。そして、この開口部から露出した導電パターン上に、めっき金属を積層させる。すなわち、導電パターンの膜厚を厚くすることにより、大容量の電流を流すのに充分な厚みを確保することができる。
【0008】
本発明のデバイスの製造方法は、前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記絶縁層に押圧することにより、前記絶縁層に前記開口部を形成することが好ましい。
【0009】
本発明に係るデバイスの製造方法では、絶縁層に成形型を押圧し、成形型を取り除くことにより、開口部に相当する凹部が導電パターン上に形成される。したがって、例えば、フォトリソグラフィ等を用いない簡易な方法により、導電パターン上に開口部を形成することができるため、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0010】
本発明のデバイスの製造方法は、前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることが好ましい。
本発明に係るデバイスの製造方法では、開口部の幅が導電パターンの幅と同等であるため、より多くのめっき金属を導電パターン上に積層させることができるため、さらに、電流を多く流すことが可能となる。
【0011】
本発明のデバイスは、上記のデバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明に係るデバイスでは、上記デバイスの製造方法を用いることにより、導電パターンに大容量の電流を流すことができるため、大容量の電流を必要とするデバイスに用いるのに好適である。
【0012】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、基板上に導電パターン及び半導体素子を形成する工程と、前記導電パターン及び前記半導体素子を含む基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、無電解めっきにより、前記開口部に対応する前記導電パターン上にめっき金属を積層させる工程と、前記基板上に前記めっき金属を覆うように第2の絶縁層を形成する工程と、前記第2の絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、基板上に導電パターン及び半導体素子を形成した後、さらに第1の絶縁層を形成し、導電パターンに対応した位置に開口部を形成する。この開口部から露出した導電パターン上に、めっき金属を積層させる。このめっき金属を覆うように第2の絶縁層を形成し、この第2の絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する。したがって、有機エレクトロルミネッセンス素子に大容量の電流を流すことが可能な充分な厚みを確保することができるので、大容量の電流を必要とする大型の有機エレクトロルミネッセンス装置を製造することが可能になる。さらに、従来のようなインクジェット法に比べ、高温にする必要がなく、導電パターンの抵抗を下げることが可能となる。
【0014】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記導電パターン上に積層させためっき金属によって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電力を供給する電力供給線を形成することが好ましい。
【0015】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、電力供給線の膜厚が厚くなるため、より多くの電流を電力供給線に流すことができるので、有機エレクトロルミネッセンス素子を充分な電流により安定して駆動させることが可能となる。
【0016】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記第1の絶縁層に前記開口部を形成することが好ましい。
【0017】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第1の絶縁層に成形型を押圧し、成形型を取り除くことにより、開口部に相当する凹部が導電パターン上に形成される。したがって、簡易な方法により、導電パターン上に開口部を形成することができるため、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0018】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることが好ましい。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、開口部の幅が導電パターンの幅と同等であるため、導電パターン上により多くのめっき金属を積層させることができるため、さらに、電流を多く流すことが可能となる。
【0019】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記半導体素子と前記有機エレクトロルミネッセンス素子とを電気的に接続するコンタクトホールを前記開口部と同時に形成することが好ましい。
【0020】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第1の絶縁層に成形型の凸部を押圧し、成形型を取り除くことにより、半導体素子と有機エレクトロルミネッセンス素子とを電気的に接続するコンタクトホールが形成される。すなわち、成形型を押圧するだけで、開口部と同時にコンタクトホールを形成することができるため、別途フォトリソグラフィ等により形成する必要がないので、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0021】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記第2の絶縁層を形成した後、前記第2の絶縁層に対して平坦面を有する他の成形型を押圧することにより、前記第2の絶縁層の表面を平坦化する工程を備えることが好ましい。
【0022】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第2の絶縁層に他の成形型を押圧し、成形型を取り除くことにより、基板の表面を確実に平坦化でき、その上に形成する有機エレクトロルミネッセンス素子においても、段差の発生を抑えることができる。したがって、表示ムラ等が生じ難く、表示品質の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することが可能となる。
【0023】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記他の成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第2の絶縁層に押圧することにより、前記第2の絶縁層に隔壁部を形成する工程を備えることが好ましい。
【0024】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、第2の絶縁層に他の成形型の凸部を押圧し、他の成形型を取り除くことにより、隔壁部を形成することができる。したがって、隔壁部に囲まれた領域に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する際、例えば、インクジェット装置等による液滴吐出法を用いた場合、吐出された液滴が意図しない場所に濡れ広がる不具合を解消することが可能となる。
【0025】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、上記に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0026】
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置では、上記有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を用いることにより、導電パターンに大容量の電流を流すことができるため、充分な電流により高輝度であるとともに、安定して駆動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0028】
(有機EL装置の第1実施形態)
まず、図1は本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の第1実施形態について、その要部構成を示す断面模式図である。本実施の形態の有機EL装置1は、半導体基板3上に有機EL素子29を備えた構成を具備している。
【0029】
半導体基板3は、主にガラス基板10aと、該ガラス基板10a上に形成され、有機EL素子29と電気的に接続する所定形状の走査線11,有機EL素子29に電力を供給する電源パターン(導電パターン:電力供給線)12及び後述する陰極25と電気的に接続する陰極パターン(導電パターン)13と、電源パターン12及び陰極パターン13上に積層されためっき金属51,52と、有機EL素子29を駆動させるTFT(駆動素子)14と、第1の樹脂膜30及び第2の樹脂膜60によって構成されている。またTFT14は、導電性ペースト15を介して走査線11及び電源パターン12接続されている。なお、導電性ペースト15は、異方性導電粒子(ACP)を含むものである。
【0030】
また、半導体基板3に設けられた第1の樹脂膜30は、電源パターン12及び陰極パターン13上にめっき金属51,52を積層(成長させる)するための開口部30a,30bを形成する機能を有し、第2の樹脂膜60は、めっき金属51,52等を覆う形にて形成され、当該半導体基板3の内面を平坦化する機能を有している。また、第1,第2の樹脂膜30,60には、コンタクトホール(導通用貫通孔)30c,60cが形成されており、該コンタクトホール30c,60c内に形成されたバンプ(導通部)53,67によりTFT14と有機EL素子29とが電気的に接続されている。
【0031】
有機EL素子29は、半導体基板3に形成されたTFT14と電気的に接続されてなる陽極21と、正孔注入/輸送層22と、発光層23と、電子注入/輸送層24と、陰極25とを含んで構成されており、陽極21で発生した正孔と陰極25で発生した電子が発光層23で結合することで、発光が生じるようになっている。なお、このような有機EL素子29の詳細な構造は、公知技術が採用される。
【0032】
更に、有機EL素子29は封止剤26によって封止され、該封止剤26上にはカバーガラス20が形成されている。また、有機EL素子29は画素構成を有しており、1つの画素の周りには、該画素を取り囲む形にて隔壁部たるバンク27が形成されている。バンク27は、有機EL素子29をインクジェット法にて形成する際に必要な部材であって、例えばアクリル樹脂等にて構成されている。
【0033】
本実施形態では発光層23から発した光を陰極25側から取り出すトップエミッション構造を採用しているため、陰極25にはバソクプロイン(BCP)とセシウム(Cs)の共蒸着膜を用い、さらに導電性を付与するためにITOを積層するといった構造が採用されている。また、陽極21側に発した光を陰極25側から取り出せるように、陽極21にはAlやAg等の高反射率の金属材料や、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造が採用されている。
【0034】
(有機EL装置の製造方法)
次に、図1に示す有機EL装置1の製造方法について説明する。本実施形態の有機EL装置1の製造方法は、半導体基板3を製造した後、有機EL素子29を形成し、さらにこれを封止剤26にて封止するとともにカバーガラス20を被覆させるものである。以下、順を追って説明する。
【0035】
(1.半導体基板の製造工程)
半導体基板3の製造工程においては、TFT14を備える素子基板40(図2参照)を製造し、さらに走査線11を有する配線基板10(図3参照)を製造した後、素子基板40のTFT14を配線基板10に転写する方法を採用している。
【0036】
(1−1.素子基板の製造工程)
まず、図2を参照して、基礎基板(第1基板)40a上にTFT14を形成して素子基板40を製造する工程について説明する。なお、TFT14の製造方法は、高温プロセスを含む公知の技術が採用されるので、詳細な説明を省略し、剥離層41の形成について詳しく説明することとする。
【0037】
はじめに、図2に示したような基礎基板40aを用意する。ここで、素子基板40の土台となる基礎基板40aは、有機EL装置1の構成要素ではなく、TFT製造工程と、貼り合わせ及び転写工程にのみに用いられる部材である。
【0038】
基礎基板40aとしては、1000℃程度に耐える石英ガラス等の透光性耐熱基板が好ましい。また、基礎基板40aの厚さには、大きな制限要素はないが、0.1mm〜1.5mm程度であることが好ましく、0.5mm〜1.5mm程度であることがより好ましい。基礎基板40aの厚さが薄すぎると強度の低下を招き、逆に厚すぎると基板の透過率が低い場合に照射光の減衰を招くからである。
【0039】
そして、基礎基板40a上に剥離層41を形成する。剥離層41は、レーザ光等の照射光により当該層内や界面において剥離(「層内剥離」又は「界面剥離」ともいう)が生ずる材料からなるものである。即ち、一定の強度の光を照射することにより、構成物質を構成する原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失し又は減少し、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を起こすものである。また、照射光の照射により、剥離層41に含有されていた成分が気体となって放出され分離に至る場合と、剥離層41が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
【0040】
剥離層41の組成としては、例えば、非晶質シリコン(a−Si)が採用され、また、当該非晶質シリコン中に水素(H)が含有されていてもよい。水素が含有されていると、光の照射により、水素が放出されることにより剥離層2に内圧が発生し、これが剥離を促進するので好ましい。この場合の水素の含有量は、2at%程度以上であることが好ましく、2〜20%at%であることが更に好ましい。水素の含有量は、成膜条件、例えば、CVD法を用いる場合には、そのガス組成、ガス圧力、ガス雰囲気、ガス流量、ガス温度、基板温度、投入するパワー等の条件を適宜設定することによって調整する。この他の剥離層材料としては、酸化ケイ素もしくはケイ酸化合物、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化セラミックス、有機高分子材料(光の照射によりこれらの原子間結合が切断されるもの)、金属、例えば、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、GdもしくはSm、又はこれらのうち少なくとも一種を含む合金が挙げられる。
【0041】
剥離層41の厚さとしては、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、20nm〜1μm程度であるのが更に好ましい。剥離層41の厚みが薄すぎると、形成された膜厚の均一性が失われて剥離にむらが生じるからであり、剥離層41の厚みが厚すぎると、剥離に必要とされる照射光のパワー(光量)を大きくする必要があったり、また、剥離後に残された剥離層41の残渣を除去するのに時間を要したりする。
【0042】
剥離層41の具体的な形成方法は、均一な厚みで剥離層41を形成可能な方法であればよく、剥離層41の組成や厚み等の諸条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、CVD(MOCCVD、低圧CVD、ECR−CVD含む)法、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング法、イオンドーピング法、PVD法等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ法等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等に適用できる。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
【0043】
特に剥離層41の組成が非晶質シリコン(a−Si)の場合には、CVD法、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。また、剥離層41をゾル−ゲル法によりセラミックを用いて成膜する場合や有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特にスピンコートにより成膜するのが好ましい。
そして、剥離層41上に所定パターンのTFT14を公知の技術により形成し、目的の素子基板40を得るものとしている。
【0044】
(1−2.配線基板の製造工程)
次に、図3に示す配線基板10の製造工程について説明する。
まず、図3に示すようなガラス基板10aを用意し、該ガラス基板10a上に走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13を形成する。これら走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13の形成方法としては、フォトリソフィ法等の公知技術が採用される。また、金属微粒子を溶剤に分散させた分散液を液滴吐出法(インクジェット法)を用いてガラス基板10a上に形成してもよい。このような走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13を構成する材料としては、低抵抗材料を採用するのが好ましく、AlやAl合金(Al・Cu合金等)を用いることが好ましい。
【0045】
なお、ガラス基板10aの表面には、下地絶縁膜として酸化シリコン膜(SiO2)等を形成してもよい。また、図3では、走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13が1層のみ形成された構造について説明しているが、2層や3層構造であってもよい。また、配線材料は、AlやAl合金のみに限定することなく、Al等の低抵抗金属をTiやTi化合物によって積層させたサンドイッチ構造でもよい。このようにすれば、Al配線に対するバリア性を高めることができる。
【0046】
(1−3.TFTの転写工程)
次に、図4から図6を参照しつつ、上記の配線基板10と素子基板40とを貼り合わせて、TFT14を配線基板10に転写し、半導体基板3を得る方法について説明する。
【0047】
図4に示すように、素子基板40のうちTFT14側を配線基板10に指向させ、且つTFT14とガラス基板10aとの間に異方性導電粒子(ACP)を含有する導電性ペースト15を介在させて、素子基板40と配線基板10とを貼り合わせる。
【0048】
次に、図5に示すように、導電性ペースト15が塗布された部分のみを局所的に、且つ基礎基板40の裏面側(TFT非形成面)から、レーザ光LAを照射する。これにより、剥離層41の原子や分子の結合が弱まり、また、剥離層41内の水素が分子化し、結晶の結合から分離され、即ち、TFT14と基礎基板40aとの結合力が完全になくなり、レーザ光LAが照射された領域において、TFT14から基礎基板40aを容易に取り外すことが可能となる。
次に、基礎基板40aを貼合せ状態から剥離することで、基礎基板40a上からTFT14が除去されると共に、当該TFT14が配線基板10に転写される。
以上のような転写工程を経て、ガラス基板10a上にTFT14が形成された構成の配線基板10を得る。
【0049】
(1−4.絶縁層の形成工程)
次に、図6から図9を参照して、絶縁層(第1の絶縁層)30の形成方法について説明する。
まず、図6に示すように、配線基板10の全面に、つまりTFT14や走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13を完全に覆うように未硬化の絶縁層31を塗布する。未硬化の絶縁材料としては、光硬化型の樹脂、或いは熱硬化型の樹脂のいずれであっても良く、本実施の形態では光硬化型のアクリル樹脂を採用している。なお、絶縁層31の塗布法としては、スピンコート法等の液相法を採用している。
【0050】
絶縁層31を形成した後、絶縁層31の上方から図7に示すような成形型50を押し付けることによって絶縁層31の表面に凹凸を形成する。ここで成形型50とは、絶縁層31に所定の表面形状を付与するための型(表面型)が形成されたものを意味するものであり、例えばガラスなどの紫外線透過材料で構成されている。具体的には、電源パターン12,陰極パターン13上に開口部30a,30bを形成するための凸部50a,50bと、走査線11上にコンタクトホール30cを形成するための凸部50cと、凹部(その凹底面は平坦面となっている)50dとが形成されたものである。なお、絶縁層31を構成する材料が熱硬化型の樹脂である場合には、成形型50をNi電鋳等で形成することができる。また、凸部50a,50bの幅L,Mは、電源パターン12,陰極パターン13の幅P,Qと同等であり、凸部50a,50bの深さはTFT14の厚みより若干深く形成されている。さらに、成形型50が好適に剥離(抜き出し)できるように、凸部50a,50b,50cの側面にテーパが形成されている。
【0051】
このような成形型50を絶縁層31に押圧することによって開口部30a,30b及びコンタクトホール30cに相当する凸部50a,50b及び50cが絶縁層31の表面から絶縁層31の底面まで達する。そして、UV光を照射し絶縁層31を硬化させた後、成形型50を絶縁層31から抜くことにより凸部形状を絶縁層31に転写させることができる。これによって、絶縁層31に開口部30a,30b及びコンタクトホール30cを形成しつつ、凹部50dの有する凹底面に対応した平坦面を付与した樹脂膜30が形成される。ここで、成形型50の凸部50a,50b,50cは、絶縁層31の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
なお、成形型50の表面(少なくとも絶縁層31と接する面)に撥水処理等を施すことで、絶縁層31からの剥離を容易にすることができる。
【0052】
次に、図9に示すように、走査線11,電源パターン12及び陰極パターン13上にめっき金属51,52及びバンプ53を形成する。
本実施形態のめっき金属51,52及びバンプ53は、無電解メッキ法を用いることによって形成される。まず、メッキ成長させるため、開口部30a,30b及びコンタクトホール30cから剥き出しとなった走査線11,電源パターン12,陰極パターン13表面の濡れ性向上、及び残さを除去するために、フッ酸と硫酸を含有した水溶液中に含浸する。
【0053】
その後、水酸化ナトリウムを含むアルカリ性水溶液に加温した中に浸漬し、表面の酸化膜を除去する。その後、ZnOを含有したジンケート液中に浸漬してパッド表面をZnに置換する。その後、硝酸水溶液に浸漬し、Znを剥離し、再度ジンケート浴中に浸漬し、緻密なZn粒子をAl表面に析出させる。
その後、無電解Niメッキ浴に浸漬し、Niメッキを形成する。メッキ高さは2μm〜10μm程度析出させる。ここで、メッキ浴は次亜リン酸を還元剤とした浴であるため、リン(P)が共析する。最後に置換Auメッキ浴中に浸漬し、Ni表面をAuにする。Auは0.05μm〜0.3μm程度に形成する。Au浴はシアンフリータイプを用いて浸漬を行う。
【0054】
このようにしてパッド上にNi−Auバンプが形成される。また、Ni−Auバンプ上に、半田やPbフリー半田を、例えばSn−Ag−Cu系等の半田をスクリーン印刷やディッピング等で形成してバンプとしてもよい。なお、各化学処理の間には、水洗処理を行う。水洗槽はオーバーフロー構造あるいはQDR機構を有しており、最下面からN2バブリングを行う。バブリング方法は、テフロン(登録商標)のチューブ等に穴を開け、N2を出す方法や、焼結体等を通じてN2を出す。以上の工程により、短時間で十分効果のあるリンスを行うことができる。
このような一連の工程を経て、図9に示すように、それぞれのパターン11,12,13上にめっき金属51,52及びバンプ53が形成される。このようにして、電源パターン12及び陰極パターン13の膜厚が厚くなる。
【0055】
(1−5.絶縁層の形成工程)
次に、図10から図12を参照して、絶縁層(第2の絶縁層)60の形成方法について説明する。
まず、図10に示すように、配線基板10の全面に、つまりめっき金属51,52及びバンプ53を完全に覆うように未硬化の絶縁層61を塗布する。未硬化の絶縁材料及び塗布法としては、上述した絶縁層30と同様である。
絶縁層61を形成した後、絶縁層61の上方から図10に示すような成形型(他の成形型)65を押し付けることによって絶縁層61の表面を平坦化する。ここで成形型65とは、平坦部65dを有するとともに、図11に示すような所定のバンク27のパターン60aを形成するための凸部65aと、めっき金属52上にコンタクトホール60bを形成するための凸部65bと、バンプ53上にコンタクトホール60cを形成するための凸部65cとが形成されたものである。また、コンタクトホール60bは、めっき金属52と陰極25とを電気的に接続するためのものであり、コンタクトホール60cは、TFT14と有機EL素子29とを電気的に接続するためのものである。
【0056】
このような成形型65を絶縁層61に押圧し、上述したように、UV光を照射することによって、成形型50を絶縁層31に押圧したときと同様に、絶縁層61にバンク27のパターン60a,コンタクトホール60b及びコンタクトホール60cを形成しつつ、平坦部65dにより平坦面を付与した樹脂膜60が形成される。ここで、成形型65の凸部65b,65cは、絶縁層61の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
【0057】
また、成形型50,65の凸部50a,50b,50c,65b,65cの断面形状がテーパのない矩形状に形成されていてもよい。さらに、回転可能なローラに巻回されたベルトに成形型50,65を取り付けて、ローラの回転に伴ってベルトを走査し、そして成形型50,65を環状に移動させながら、かつ、半導体基板3をコンベア等によって移動させながら、成形型50,65を絶縁層31,61に押圧させてよい。この場合、連続的に成形型50,65を移動させながら、成形型50,65を絶縁層31,61に押し付けることができるので、半導体基板3の大量生産が可能となる。
【0058】
次に、図12に示すように、コンタクトホール60b,60c内にバンプ66,67を形成する。
本実施形態のバンプ66,67は、無電解メッキ法を用いることによって形成される。バンプ66,67は、上記した無電解メッキ法により、めっき金属51,52及びバンプ53の製造工程と同じ工程によって形成される。
【0059】
(2.有機EL素子の形成工程及び封止工程)
有機EL素子29の形成工程は、公知のインクジェット法を用いて行っている。
簡単に説明すると、図13に示すように、まず、所定パターンを有するマスクにより絶縁層60上に蒸着して、ITO等の陽極21を形成した後、バンク27の表面に撥液処理を施す一方、陽極21の表面に親液処理を施す。その後、図14に示すように、バンク27で囲まれた領域に正孔注入/輸送層22と、発光層23と、電子注入/輸送層24とをインクジェット法で形成する。そして、電子注入/輸送層24,バンク27の全面を覆うとともに、バンプ66と導通するような形状のマスクにてITO等の陰極25を形成する。続いて、これを封止剤26にて封止し、さらにカバーガラス20を形成して、図1に示した有機EL装置1を得るものとしている。
なお、陽極21を構成する材料(ITO等)をコンタクトホール60cに沿ったビア形状とすることで、バンプ67を省略することができる。
【0060】
また、本実施形態では、高分子タイプのEL素子を用いた場合について説明したが、例えばマスクスパッタにより成膜する低分子タイプのEL素子を用いても良い。この場合、バンク形成、バンクの撥液処理、陽極の親液処理は不要となる。
【0061】
このように、本実施形態では、有機EL素子29に大容量の電流を流すことが可能な充分な厚みを確保することができるので、大容量の電流を必要とする大型の有機エレクトロルミネッセンス装置を製造することが可能になる。また、絶縁層60の平坦化と、バンク27の形成とを同時に行うことが可能な成形型65を用いているため、工程の簡略化による製造コストの低減を達成することが可能となる。
【0062】
(有機EL装置の第2実施形態)
次に、有機EL装置の第2実施形態について、図15からを参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、上述した第1実施形態に係る有機EL装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る有機EL装置70は、絶縁層61を形成した後に使用する成形型が第1実施形態と異なる。
有機EL装置70は、具体的には、図15に示すように、バンク78がバンプ76を覆う形にて形成されている。
【0063】
まず、図16を参照して、絶縁層(第2の絶縁層)74の形成方法について説明する。
絶縁層61を形成した後、絶縁層61の上方から成形型(他の成形型)71を押し付けることによって絶縁層61の表面を平坦化する。ここで成形型71とは、平坦部71cを有するとともに、めっき金属52上にコンタクトホール73aを形成するための凸部71aと、バンプ53上にコンタクトホール73bを形成するための凸部71bとが形成されたものである。また、コンタクトホール73aは、めっき金属52と陰極25とを電気的に接続するためのものであり、コンタクトホール73bは、TFT14と有機EL素子29とを電気的に接続するためのものである。
【0064】
このような成形型71を絶縁層61に押圧し、第1実施形態と同様に、UV光を照射することによって、絶縁層61にコンタクトホール73a,73bを形成しつつ、平坦部71cにより平坦面を付与した樹脂膜74が形成される。ここで、成形型71の凸部71a,71bは、絶縁層61の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
【0065】
次に、図19を参照して、絶縁層(第2の絶縁層)79の形成方法について説明する。
まず、配線基板10の全面に、つまり陽極21及びバンプ75を完全に覆うように未硬化の絶縁層77を塗布する。絶縁層77を形成した後、絶縁層77の上方から成形型(他の成形型)72を押し付けることによって絶縁層77の表面を平坦化する。ここで成形型72とは、平坦部72cを有するとともに、所定のバンク78のパターン79aを形成するための凸部72aと、バンプ75上にコンタクトホール79bを形成するための凸部72bとが形成されたものである。また、コンタクトホール79bは、バンプ75と陰極25とを電気的に接続するためのものでる。
【0066】
このような成形型72を絶縁層77に押圧し、第1実施形態と同様に、UV光を照射することによって、絶縁層77にコンタクトホール79bを形成しつつ、平坦部72cにより平坦面を付与した樹脂膜79が形成される。ここで、成形型74の凸部72bは、絶縁層77の厚さを基板面内で一定の厚さにするための機能も担っている。
【0067】
次に、有機EL素子の形成工程及び封止工程について説明する。
まず、バンク78の表面に撥液処理を施す一方、陽極21の表面に親液処理を施す。その後、図20に示すように、バンク78で囲まれた領域に正孔注入/輸送層22と、発光層23と、電子注入/輸送層24とをインクジェット法で形成する。そして、電子注入/輸送層24を覆うとともに、バンプ75と導通するような形状のマスクにてITO等の陰極25を形成する。続いて、これを封止剤26にて封止し、さらにカバーガラス20を形成して、図15に示した有機EL装置70を得るものとしている。
なお、陽極21を構成する材料(ITO等)をコンタクトホール73bに沿ったビア形状とすることで、バンプ74を省略することができる。
【0068】
このように、本実施形態では、平坦面の形成と、バンク78との形成を別々の成形型71,72を用いることにより、バンク78がバンプ76を覆う形にて形成されることになる。このように、バンク78がバンプ76を覆うことで、陽極21,発光層23,陰極25同士の短絡を確実に回避することが可能となる。
【0069】
(電子機器)
次に、上記有機EL装置1あるいは有機EL装置70を備えた電子機器の例について、図21を用いて説明する。図21は、携帯電話の斜視図である。上記有機EL装置は、携帯電話1000の筐体内部に配置されている。そして、この携帯電話1000からなる電子機器によれば、安価で信頼性の高い有機EL装置を備えた電子機器とすることができる。
【0070】
なお、上記の方法で形成した有機EL装置は、携帯電話以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、パーソナルコンピュータ用モニタ、ワードプロセッサ用モニタ、テレビ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置などの電子機器に適用することが可能である。
【0071】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス装置1,70を用いて説明したが、これに限られることなく、導電パターンを備えるデバイスに適用することもできる。
また、ガラス基板10a上にTFT14を実装する方法として、素子基板40にTFT14を形成し、配線基板10に転写させることにより行ったが、これに限られることなく、例えば、ダイボンド装置を利用することにより、配線基板10にTFT14を接合しても良い。または、ガラス基板10a上にTFT14を直接造り込んでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の有機EL装置の第1実施形態の要部構成を示す断面図。
【図2】図1の有機EL装置を製造するための素子基板の構成を示す断面図。
【図3】TFTの転写工程の態様を示す断面図。
【図4】レーザ光照射の工程を説明するための断面図。
【図5】基板の剥離工程を説明するための断面図。
【図6】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図7】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図8】開口部の形成工程を説明するための断面図。
【図9】めっき金属及びバンプの形成工程を説明するための断面図。
【図10】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図11】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図12】バンプの形成工程を説明するための断面図。
【図13】有機EL素子の形成工程を説明するための断面図。
【図14】有機EL素子の形成工程を説明するための断面図。
【図15】本発明の有機EL装置の第2実施形態の要部構成を示す断面図。
【図16】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図17】樹脂膜の形成工程を説明するための断面図。
【図18】有機EL素子の陽極の形成工程を説明するための断面図。
【図19】バンクの形成工程を説明するための断面図。
【図20】有機EL素子の形成工程を説明するための断面図。
【図21】本発明の電子機器の一実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0073】
1,70…有機EL装置、12…電源パターン(導電パターン:電力供給線)、13…陰極パターン(導電パターン)、27,78…バンク(隔壁部)、30a,30b…開口部、30…第1の絶縁層、50…成形型、50a,50b…凸部、51,52…めっき金属、60,79…第2の絶縁層、65…他の成形型、71…第1の成形型(他の成形型)、72…第2の成形型(他の成形型)、79…絶縁層(第2の絶縁層)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された導電パターンを備えるデバイスの製造方法であって、
前記基板上に前記導電パターンを形成する工程と、
前記導電パターン上を含む前記基板上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、
無電解めっきにより、前記開口部にめっき金属を積層させる工程とを備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
【請求項2】
前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記絶縁層に押圧することにより、前記絶縁層に前記開口部を形成することを特徴とする請求項1に記載のデバイスの製造方法。
【請求項3】
前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることを特徴とする請求項2に記載のデバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデバイスの製造方法により製造されたことを特徴とするデバイス。
【請求項5】
基板上に導電パターン及び半導体素子を形成する工程と、
前記導電パターン及び前記半導体素子を含む基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、
無電解めっきにより、前記開口部に対応する前記導電パターン上にめっき金属を積層させる工程と、
前記基板上に前記めっき金属を覆うように第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項6】
前記導電パターン上に積層させためっき金属によって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電力を供給する電力供給線を形成することを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項7】
前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記第1の絶縁層に前記開口部を形成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項8】
前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項9】
前記成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記半導体素子と前記有機エレクトロルミネッセンス素子とを電気的に接続するコンタクトホールを前記開口部と同時に形成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2の絶縁層を形成した後、前記第2の絶縁層に対して平坦面を有する他の成形型を押圧することにより、前記第2の絶縁層の表面を平坦化する工程を備えることを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項11】
前記他の成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第2の絶縁層に押圧することにより、前記第2の絶縁層に隔壁部を形成する工程を備えることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項12】
請求項5から請求項11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項1】
基板上に形成された導電パターンを備えるデバイスの製造方法であって、
前記基板上に前記導電パターンを形成する工程と、
前記導電パターン上を含む前記基板上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、
無電解めっきにより、前記開口部にめっき金属を積層させる工程とを備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
【請求項2】
前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記絶縁層に押圧することにより、前記絶縁層に前記開口部を形成することを特徴とする請求項1に記載のデバイスの製造方法。
【請求項3】
前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることを特徴とする請求項2に記載のデバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデバイスの製造方法により製造されたことを特徴とするデバイス。
【請求項5】
基板上に導電パターン及び半導体素子を形成する工程と、
前記導電パターン及び前記半導体素子を含む基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層に対して、前記導電パターンに対応した位置に開口部を形成する工程と、
無電解めっきにより、前記開口部に対応する前記導電パターン上にめっき金属を積層させる工程と、
前記基板上に前記めっき金属を覆うように第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項6】
前記導電パターン上に積層させためっき金属によって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電力を供給する電力供給線を形成することを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項7】
前記開口部を形成する工程において、前記開口部のパターンをなす凸部が形成された成形型を用い、前記凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記第1の絶縁層に前記開口部を形成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項8】
前記成形型に形成された開口部の幅が、前記導電パターンの幅と同等であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項9】
前記成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第1の絶縁層に押圧することにより、前記半導体素子と前記有機エレクトロルミネッセンス素子とを電気的に接続するコンタクトホールを前記開口部と同時に形成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2の絶縁層を形成した後、前記第2の絶縁層に対して平坦面を有する他の成形型を押圧することにより、前記第2の絶縁層の表面を平坦化する工程を備えることを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項11】
前記他の成形型として、凸部を有するものを用い、該凸部を前記第2の絶縁層に押圧することにより、前記第2の絶縁層に隔壁部を形成する工程を備えることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項12】
請求項5から請求項11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法により製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
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【図11】
【図12】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−185789(P2006−185789A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379201(P2004−379201)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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