説明

デバイスドライバシステム

【課題】ユーザー端末から複数のプリンターなどの周辺機器に対する設定や操作を行う際、統合された単一のユーザーインターフェースによって、複数のプリンタードライバに対する設定及び操作を統一するとともに、ユーザーの嗜好を反映させるカスタマイズを可能とし、周辺機器制御の操作性や自由度の向上を図る。
【解決手段】 ユーザー端末2上において、複数のドライバ104a〜104cを通じて、各複数のプリンター1a〜1cに対する統合的な制御を行う統一ユーザーインターフェース103を実行し、複数のドライバ104a〜104cそれぞれに対する設定情報を取得し、ユーザー端末2において、設定取得部108により取得された各設定情報の種別に対応するGUIを関連づけ、統一ユーザーインターフェース103によって、ユーザー端末装置のディスプレイ21に、プリンターに対する制御を、各制御の種別毎に操作可能にするダイアログ22を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー端末装置に接続されたプリンターなどの周辺機器を制御するためのデバイスドライバシステム及びデバイス制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のパーソナルコンピュータと、複数のプリンター等の周辺機器とをネットワークによって接続し、必要なハードウェア資源を共有するシステムが普及しつつある。このようなシステムの一つに、ネットワークプリンターシステムがあり、このシステムによれば、ユーザーは、自分が使用するパーソナルコンピュータ等の端末から、ネットワーク上に存在する複数のプリンターの中から任意のプリンターを選択して印刷処理を実行することができる。
【0003】
ここで、パーソナルコンピュータには、各種プリンターに対応したプリンタードライバが組み込まれており、このドライバを通じてプリンターに印刷指示などを行っている。すなわち、各周辺機器の仕様や制御方法はその製品によって大きく異なり、ユーザー端末上で実行されているOS(Operating System)が単独ですべての製品をサポートすることはできない。このため、周辺機器メーカーは自社製品を制御するためのデバイスドライバを提供し、ユーザーはそれをOSに組み込んで、OSが周辺機器を制御するための橋渡しを行っている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003-271286号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、ドライバソフトは製品毎に相違するため、プリンターに対して印刷指示を行う場合、印刷させようとするプリンター毎に、異なるプリンタードライバを起動させ、印刷条件を設定するためのユーザーインターフェースを通じて、各種の設定情報を入力する必要がある。
【0005】
しかしながら、印刷させようとするプリンターに応じて異なるユーザーインターフェースを起動させる場合、各プリンタードライバに共通した設定項目についても重複した設定作業が必要となることからその設定作業が繁雑となり、また、各社によって設定項目の表現や仕様、規格が異なることから、ユーザーの混乱を招くこともあった。さらには、ユーザーによって、そのプリンタードライバの操作感に対する好みが異なることから、ユーザー毎のカスタマイズの自由度を高めたいとする要望もあった。
【0006】
また、新規な機能を備えたプリンターが導入された場合には、従前のプリンタードライバが対応できず、プリンターの導入と併せてプリンタードライバのバージョンアップ作業も必要であり、その作業が繁雑なものとなっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、統合された単一のユーザーインターフェースによって、複数のプリンタードライバに対する設定及び操作を統一するとともに、ユーザーの嗜好を反映させるカスタマイズを可能とし、複数の周辺機器に対する操作性の向上を図ることのできるデバイスドライバシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、ユーザー端末装置に接続された複数の周辺機器を制御するためのデバイスドライバシステムであって、ユーザー端末装置上で実行され、複数の周辺機器の動作をそれぞれ制御する複数のドライバソフトと、ユーザー端末装置上で実行され、前記複数のドライバソフトを通じて、各複数の周辺機器に対する統合的な制御を行う単一のユーザーインターフェースを提供する統一ユーザーインターフェースとを備える。そして、前記統一ユーザーインターフェースは、ユーザー端末装置の表示部に、周辺機器に対する制御を各制御の種別毎に操作可能に表示されるグラフィック操作部と、複数のドライバソフトそれぞれに対する設定情報を取得する設定取得部と、設定取得部により取得された各設定情報の種別に対応するグラフィック操作部を関連づけるインターフェース定義部とを有する。
【0009】
このような本発明では、
(1)ユーザー端末装置上において、複数のドライバソフトを通じて、各複数の周辺機器に対する統合的な制御を行う単一のユーザーインターフェースを提供する統一ユーザーインターフェースを実行し、
(2)ユーザー端末装置上から、複数のドライバソフトそれぞれに対する設定情報を取得し、
(3)ユーザー端末装置において、設定取得部により取得された各設定情報の種別に対応するグラフィック操作部を関連づけ、
(4)統一ユーザーインターフェースによって、ユーザー端末装置の表示部に、周辺機器に対する制御を、各制御の種別毎に操作可能にするグラフィック操作部を表示する。
【0010】
このような本発明によれば、仕様や規格が異なるドライバソフトが複数インストールされているような場合であっても、統一したインターフェースを提供することによって、各プリンタードライバに共通した設定項目について設定作業をスムーズに行うことができ、ユーザーの操作性を高めることができる。
【0011】
上記発明において、グラフィック操作部に関連づけられた設定情報、及びグラフィック操作部の表示部上における表示形態を、ユーザー操作に基づいて新規に設定し又は変更するインターフェース再構築部をさらに有することが好ましい。この場合には、ユーザーによる自由なカスタマイズを可能とすることによって、ユーザーの嗜好を反映させた自由度の高いユーザーインターフェースを提供することができる。
【0012】
上記発明において、設定取得部は、周辺機器に対する制御の種別と、各制御に対する設定情報の種別との対応関係を示すキーワード一覧を記憶しており、キーワード一覧に基づいて、ユーザー端末装置上に保持されている設定情報を検索する機能を有することが好ましい。この場合には、予め備えられたキーワード一覧に基づいて、OS上の設定や設定ファイルなどを自動的に検索することが可能となり、統一したインターフェースの構築をより簡便なものとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、この発明によれば、ユーザー端末から複数のプリンターなどの周辺機器に対する設定や操作を行う際、統合された単一のユーザーインターフェースによって、複数のプリンタードライバに対する設定及び操作を統一するとともに、ユーザーの嗜好を反映させるカスタマイズを可能とすることによって、周辺機器制御の操作性や自由度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(プリンタードライバシステムの構成)
以下に添付図面を参照して、本発明に係るデバイスドライバシステムの実施形態を詳細に説明する。ここでは、本発明のデバイスドライバシステムをネットワークプリンターのプリンタードライバに適用した場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタードライバシステムの全体構成を示す概念図である。
【0015】
図1に示すように、プリンタードライバシステムは、ネットワーク7に対して、複数のプリンター1(1a〜1c)と、ユーザー端末2が接続されている。ネットワーク7は、通信プロトコルTCP/IPを用いた10BASE-Tや100BASE-TX等によるローカルネットワーク(LAN)や無線LAN(WLAN)等の無線ネットワークであるが、例えば、家庭内ネットワークなどのホームネットワークなども含まれる。また、プリンター1(1a〜1c)は、ユーザー操作に基づく印刷指示に従って、ネットワーク7を通じてユーザー端末2から受信した印刷データを印刷するネットワークプリンターである。
【0016】
ユーザー端末2は、CPUを備えた演算処理装置であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機であってもよい。
【0017】
図2は、ユーザー端末2の内部構成を示すブロック図であり、図3は、ユーザー端末2のCPU10上に仮想的に構築される機能ブロックである。なお、ここで用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0018】
同図に示すように、ユーザー端末2は、種々の演算処理を行うCPU10と、データや実行プログラム等のデータを保存するハードディスク11と、本システムに対してデータ等の入出力を行う外部インターフェース12及び入力インターフェース13と、ネットワーク7を介して通信を行うための通信インターフェース14と、これらの各モジュールを接続するバス15とから構成されている。
【0019】
外部インターフェース12は、様々なデータ等の入出力を行うものであり、具体的には、ディスプレイ21等の表示装置や、フレキシブルディスクドライブ,CD-ROMドライブ,ハードディスクドライブ等、一般的に用いられているデバイスを用いることができる。ハードディスク11は、本システムに内蔵或いは外付けされるものであり、マウス13aやキーボード13b等の入力デバイスから入力されたデータやCPU10による演算処理の結果を保存するものである。
【0020】
前記CPU10は、プロセッサやメモリその他の周辺装置によって構成される演算装置である。特に、本実施形態においてこのCPU10上では、OS101が実行され、OS101上でアプリケーションソフト102が実行され、このOS101により上記各部11〜14の制御を行うドライバ104a〜104c〜104cが実行されている。そして、このOS101上において、後述する統一ユーザーインターフェースプログラムを起動することによって、統一ユーザーインターフェース103がCPU10上に仮想的に構築される。
【0021】
この統一ユーザーインターフェース103は、複数のドライバソフトを通じて、各複数の周辺機器に対する統合的な制御を行う単一のユーザーインターフェース(図4参照)を提供する機能モジュールであり、図3に示すように、この統一ユーザーインターフェース103は、インターフェース再構築部105と、グラフィック操作部106と、インターフェース定義部107と、設定取得部108とを機能モジュールとして備えている。
【0022】
グラフィック操作部106は、ディスプレイ21に、図4に示すような、プリンターに対する制御を各制御の種別毎に操作可能に表示されるタブコントロールや、テキストボックス、チェックボックス、ラジオボタン等のGUI(Graphical User Interface)を制御するモジュールである。このGUIに対する具体的な制御としては、ディスプレイ21上における表示制御と、入力インターフェース13を通じて取得されるユーザー操作に基づいて、GUIの表示変化に関する制御、及び入力インターフェース13から取得した操作信号をインターフェース再構築部105やインターフェース定義部107への送出などが含まれる。
【0023】
これらのGUIは、本実施形態では、ディスプレイ21に表示されるダイアログ22に集約された形態を採っており、このダイアログ22では、各プリンタードライバの個別インターフェースをタブコントロール22a及び22bとして統合されているとともに、統一UIとしてさらにタブコントロール22cが追加され、これらのタブを切り替え操作することによって、一つのダイアログ22上で個別のプリンタードライバに対する操作と、統一UIに対する操作を行うことができる。なお、この統一UIの他の形態としては、例えば、各プリンタードライバが個別に実行されるダイアログにタブ形式で追加するものが挙げられる。
【0024】
そして、図4に示すように、統一UIのタブパネル23上には、さらに複数のタブパネル23a〜23cが重畳して表示され、各タブコントロールをクリックすることによって、タブパネルを切り替えられるようになっている。各タブパネル23a〜23cは、「基本設定」、「詳細設定」、「オプション設定」が割り付けられており、ユーザーのニーズに応じて設定の詳細度を変更できるようになっている。
【0025】
基本設定のタブパネル23上では、用紙サイズの設定グループ231と、印刷の向きの設定グループ232と、片面又は両面の設定グループ233と、印刷枚数の設定グループ234と、レイアウトの設定グループ234というように、関係する設定項目のGUIがグループ化されている。
【0026】
設定取得部108は、複数のドライバソフトそれぞれに対する設定情報を取得するモジュールである。具体的には、各プリンタードライバのUI情報(印刷設定情報)に対応するプロパティ情報や、OS101で利用されているシステムやアプリケーションソフトの設定データが記録されているレジストリ101a、汎用プログラムであるDLL(Dynamic Link Library)101b、チップセットなどのハードウェアをOSに認識させるための情報(デバイスの名称やそのID、ドライバのファイル名など)を記したテキスト・ファイル(INF101c)等を検索し、統一UIに統合すべきプリンタードライバに関する情報を抽出する。
【0027】
この設定取得部108による情報の検索は、表1に示すような、テーブルデータ形式の定義一覧11bに基づいて行われる。
【表1】

【0028】
この定義一覧11bは、ハードディスク11等に記憶保持されており、設定取得部108が必要に応じて読み出すデータベースであり、表1に示すように、検索する設定情報の項目名と、その項目に関連づけられる機能/設定値、設定方法(GUIのコントロール種別)、その項目の一般的なタイトルの文字列(検索文字列)とが対応づけられている。なお、この定義一覧11bは、ユーザー自身が編集することができ、ユーザーのニーズに応じた設定項目や検索文字列を自由に設定することができる。
【0029】
そして、この設定取得部108による検索は、図5に示すように、複数のタブパネルが重畳されたダイアログに複数のコントロールがグループ化されているなど、ドライバ毎に階層的に構成されたGUIをその階層構造に従って検索する。図5に示した例では、先ず、タブコントロールA1を検索し、その下位に属するグループA2〜A5を順次検索し、各グループに含まれるコントロール(テキストボックスやチェックボックス、ラジオボタン等)の項目名や機能/設定値を抽出していく。このように抽出された設定情報は、下表に示すような、設定一覧としてハードディスク11に一時的に記憶保持される。
【表2】

【0030】
インターフェース定義部107は、設定取得部108により取得された各設定情報の種別に対して、対応する統一UI上の各GUI(グラフィック操作部106)を関連づけるモジュールである。この各GUIに関連づけられた設定情報は、各ドライバ104a〜104cに受け渡され、各ドライバの制御に用いられる。具体的には、上述したように、統一UIに関する各設定情報の種別である表1中の「項目名」に、機能が共通する各ドライバのGUI(設定方法、機能/設定値)を関連づけ、表3に示すような、再構築ルール(統一UI情報)11aとして記憶保持する。
【表3】

【0031】
この再構築ルール11aでは、各GUIに関連づけられたプリンタードライバについての機能や設定値の他、GUIの表示に必要な設定情報(コントロール種別、既定値、座標位置)なども含まれている。そして、この再構築ルール11aにおける設定情報は、インターフェース定義部107を通じて、各ドライバ104a〜104cに受け渡される。なお、表2に示した設定一覧中に、任意に選択可能な複数の機能/設定値が抽出されている場合(例えば、A3,A4…などユーザーが使用に際して任意に選択できる場合)には、直近の使用時における設定値や、使用頻度に基づく優先度に応じた設定値を既定値として保持する。
【0032】
前記インターフェース再構築部105は、グラフィック操作部106に関連づけられた設定情報、及びグラフィック操作部106の各GUIの表示形態を、ユーザー操作に基づいて新規に設定し又は変更するモジュールである。このインターフェース再構築部105に対する操作は、グラフィック操作部106を通じてのユーザー操作により行われ、これによって設定・変更された再構築ルール11aは、ハードディスク11内に記憶保持される。
【0033】
(プリンタードライバ制御方法)
以上の構成を有するプリンタードライバシステムを動作させることによって、本発明の方法を実施することができる。図6及び7は、本実施形態に係るプリンタードライバシステムの動作を示すフローチャート図である。
【0034】
(1)設定時の動作
先ず、統一UIに対する設定時の手順について説明する。図6に示すように、統一ユーザーインターフェース103を設定モードとして起動すると(S101)、定義一覧11b(表1)から検索キーワードを取得し、設定取得部108によりOS上から設定情報を検索する(S102)。この検索は、すべてのドライバ及びすべての項目について繰り返す。次いで、検索された設定情報の一覧(表2)を作成する(S103)。
【0035】
そして、この設定一覧の中から共通する機能へのGUIの割り付け(関連づけ)を、インターフェース定義部107にて行う(S104)。この際、ユーザー操作に基づいて、GUIの設定(既定値、GUIの表示形態の設定)のカスタマイズを行うことができる(S105)。
【0036】
カスタマイズとしては、ユーザーが各項目毎に、好みの設定方法(例えば、用紙サイズという項目に対しては、A3、A4…のプルダウンメニュー方式)を選択する。また、カスタマイズでは、前記の方法に加え、各項目毎に、複数の別の設定方法を対応づけておき(これらの設定方法は、各プリンタードライバのUI情報にないものも含まれる)、これらの設定方法も選択可能にGUI上に表示され、ユーザーが、各項目毎に好みの設定方法を選択する対象に上記複数の別の設定方法を含ませることができる。
【0037】
また、このカスタマイズの手順としては、例えば既存のドライバに対する設定を任意に呼び出して、これをテンプレートとして修正を行うようにしてもよい。具体的には、各プリンタードライバのUI情報を検索結果一覧から呼び出して、GUI上に表示し、ユーザーがいずれかのUI情報を選択し、これを修正することで、再構築ルール(統一UI情報)11aを生成する。又は、そのユーザーにとって、印刷枚数の多いプリンター、印刷ジョブ数の覆いプリンター(印刷枚数や印刷所部数をカウントするカウント部がある)に対応するプリンタードライバのUI情報を自動的に、GUI上に表示し、これを修正することで、統一UI情報を生成するようにしてもよい。
【0038】
次いで、上記GUIの割り付け及びカスタマイズの結果を再構築ルール11aとして記憶・保持する(S106)。なお、この再構築ルール11aの更新は、例えば、ユーザーが希望するとき、新たなプリンターが印刷システムに設けられたとき、プリンタードライバのバージョンアップがされたときなどにも行われる。その後、この再構築ルール11aを用いて統一UIを再構築して、ディスプレイ21に表示する(S107)。
【0039】
(2)使用時の動作
次いで、上述した手順により設定された統一ユーザーインターフェース103の使用時の手順を説明する。図7に示すように、統一ユーザーインターフェース103を起動すると(S201)、再構築ルール11aが読み出され(S202)、画面上にUI22を再構築して表示させる(S203)。なお、このUI22の起動・表示の方法としては、例えば、ユーザー端末2上でアプリケーションを用いて原稿データを生成後、印刷させたい場合、アプリケーション上で、所定情報(印刷指示情報、ファイルの印刷というタブ)を入力することにより、ダイアログ22を表示させる等がある。このとき、図4に示すように、他のプリンタードライバのUI情報がタグ22aや22bとして表示してもよい。
【0040】
そして、ユーザーは、ダイアログ22に従って、印刷設定情報を入力し、プリンター(プリンタードライバ)の指定を行うと、指定されたプリンタードライバが起動される(S204)。インターフェース定義部107は、再構築ルール11aを介して入力された印刷設定情報が、上記プリンタードライバに対応する検索結果一覧データのどのデータに対応するかを解釈し、解釈したデータをプリンタードライバに受け渡す(S205)。
【0041】
プリンタードライバは、送られてきたデータに基づいて、対応するプリンターに印刷指示情報(PDLデータ、印刷設定情報(総ページ数など))を送ると、指定されたプリンタードライバで、PDLデータに対するRIP処理が行われ、印刷設定情報(総ページ数など))に基づいて、印刷処理が行われる(S206)。
【0042】
(変更例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。例えば、上記プリンタードライバに加え、仮想プリンタードライバがパーソナルコンピュータに導入されてもよい。詳述すると、上述した実施形態ではプリンターを選択することによりプリンタードライバを選択し、必要に応じて統一ユーザーインターフェース103の設定情報を変更していたが、この仮想プリンタードライバは、設定情報に基づいて適切なプリンタードライバを逆引き検索するものである。
【0043】
すなわち、ダイアログ22に対して印刷指示情報が入力され印刷指示がなされると、自動的に仮想プリンタードライバが起動され、入力された印刷設定情報が印刷可能な所定範囲となるプリンタードライバを自動的に選択し、選択されたプリンタードライバを通じて印刷処理を実行する。例えば、印刷枚数が1枚から100枚の間の場合、プリンタードライバ104aが選択され、カラー印刷にする場合には、プリンタードライバ104bが選択され、印刷枚数が100枚以上の場合には、プリンタードライバ104cが選択される。
【0044】
これによれば、ユーザーは、印刷するプリンターの印刷可能条件を意識することなく、印刷設定を行うことができ、複数種のプリンターが接続可能なネットワークプリンターの利点を最大限に活かすことができる。
【0045】
(統一ユーザーインターフェースプログラム)
上述した本実施形態係るプリンタードライバシステム及びプリンタードライバの制御方法は、所定の言語で記述されたプログラムをコンピュータ上で実行することにより実現することができる。すなわち、このプログラムを、ユーザー端末やWebサーバ等のコンピュータやICチップにインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを容易に構築することができる。このプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またスタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。
【0046】
そして、このようなプログラムは、汎用コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録することができる。このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピュータや専用コンピュータを用いて、上述したシステムや方法を実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【0047】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、仕様や規格が異なるドライバソフトが複数インストールされているような場合であっても、統一したダイアログ22を提供することによって、各プリンタードライバに共通した設定項目について重複した設定作業を省略することができ、ユーザーの操作性を高めることができる。また、上記実施形態では、GUIの設定をユーザー操作に基づいてカスタマイズ可能としたことにより、ユーザーの嗜好を反映させた自由度の高いユーザーインターフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態に係るプリンタードライバシステムの全体構成を示す概念図である。
【図2】実施形態に係るユーザー端末2の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係るユーザー端末2のCPU10上に仮想的に構築される機能ブロックである。
【図4】実施形態に係るGUIの画面構成を示す説明図である。
【図5】実施形態に係る設定情報の検索手順を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る統一UIに対する設定時の手順を示すフローチャート図である。
【図7】実施形態に係る統一UIの使用時の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0049】
A1…タブコントロール
A2〜A5…設定グループ
1…プリンター
2…ユーザー端末
7…ネットワーク
10…CPU
11a…再構築ルール
11b…定義一覧
11…ハードディスク
12…外部インターフェース
13…入力インターフェース
13a…マウス
13b…キーボード
14…通信インターフェース
15…バス
21…ディスプレイ
22…ダイアログ
22a〜22c…タブコントロール
23…タブパネル
23a〜23c…タブパネル
101…OS
101a…レジストリ
101b…DLL
101c…INF
102…アプリケーションソフト
103…統一ユーザーインターフェース
104a〜104c…ドライバ
105…インターフェース再構築部
106…グラフィック操作部
107…インターフェース定義部
108…設定取得部
231〜234…設定グループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末装置に接続された複数の周辺機器を制御するためのデバイスドライバシステムであって、
前記ユーザー端末装置上で実行され、前記複数の周辺機器の動作をそれぞれ制御する複数のドライバソフトと、
前記ユーザー端末装置上で実行され、前記複数のドライバソフトを通じて、前記各複数の周辺機器に対する統合的な制御を行う統一ユーザーインターフェースと
を備え、
前記統一ユーザーインターフェースは、
前記ユーザー端末装置の表示部に、前記周辺機器に対する制御を、各制御の種別毎に操作可能に表示されるグラフィック操作部と、
前記複数のドライバソフトそれぞれに対する設定情報を取得する設定取得部と、
前記設定取得部により取得された各設定情報の種別に対応する前記グラフィック操作部を関連づけるインターフェース定義部と
を有することを特徴とするデバイスドライバシステム。
【請求項2】
前記グラフィック操作部に関連づけられた設定情報、及び該グラフィック操作部の前記表示部上における表示形態を、ユーザー操作に基づいて新規に設定し又は変更するインターフェース再構築部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデバイスドライバシステム。
【請求項3】
前記設定取得部は、周辺機器に対する制御の種別と、各制御に対する設定情報の種別との対応関係を示すキーワード一覧を記憶しており、前記キーワード一覧に基づいて、前記ユーザー端末装置上に保持されている前記設定情報を検索する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイスドライバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−272857(P2007−272857A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146571(P2006−146571)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願変更の表示】意願2006−2331(D2006−2331)の変更
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】