説明

デフォルメ地図生成装置

【課題】ユーザが意図する内容に近いデフォルメ地図を表示することができるデフォルメ地図生成装置を得ることを目的とする。
【解決手段】デフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を表示部2の画面領域に応じて大局的に変形し、各分割領域の配置位置を大まかに決定する大局的レイアウト決定部3を設け、領域内デフォルメ部4が大局的レイアウト決定部3により配置位置が決定された各分割領域内の地図を示す地図データを変更して、各分割領域内の地図の形状を変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図をデフォルメして、デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、カーナビゲーション装置や歩行者ナビゲーション装置では、地図の表示内容の視認性を高める目的で、デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成装置が搭載されていることがある。
例えば、以下の特許文献1には、地図を複数の領域に分割して、各分割領域内の地図を異なる簡略化度合で簡略化することによって、必要な部分は詳細に表示し、不要な部分は簡易化したデフォルメ地図を表示しているデフォルメ地図生成装置が開示されている。
【0003】
また、以下の特許文献2には、道路の方向を量子化して道路の形状を変形することにより、デフォルメ地図を生成しているデフォルメ地図生成装置が開示されている。
即ち、エッジと基準線(水平あるいは鉛直方向)とのなす角度が、予め設定された単位角度の整数倍となるように、逐次、エッジを回転させながらエッジ方向を量子化するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−227767号公報(段落番号[0006]、図1)
【特許文献2】特開2006−113457号公報(段落番号[0005]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のデフォルメ地図生成装置は以上のように構成されているので、地図の表示内容の視認性を高める目的で、デフォルメ地図を生成することができる。しかし、地図を表示するディスプレイ等の画面領域が考慮されることなくデフォルメ地図が生成されるため、デフォルメ地図のレイアウト(配置位置)が適正な位置にならず、ユーザが意図する内容に近いデフォルメ地図が得られないことがある課題があった。
具体的には、以下に示す課題があった。
【0006】
(1)デフォルメ対象領域の形状によっては、ディスプレイ等の画面領域を有効に活用することができないことがある。例えば、デフォルメ対象領域の形状が縦長である場合、デフォルメ後の領域の形状も縦長になる可能性が大きいが、画面領域が横長のディスプレイに表示する場合には、画面領域の左右に無駄な領域が発生する。
(2)ユーザが重要視する部分がディスプレイの画面領域のいずれに表示されるか分らず、画面領域内で見やすい位置に表示される保障がない。
(3)デフォルメ対象領域に対して、大局的な形状のデフォルメが困難であり、ディスプレイ等の画面領域を有効に活用することができない。例えば、図26に示すようなデフォルメ対象領域について、図27に示すように、デフォルメ対象領域の一部分を大胆にデフォルメすることができない。
(4)ある領域の地図の簡略化を行う場合、当該領域内に、複雑な形状の道路と簡素な形状の道路が混在していても、双方の道路が同じ簡略化度合で簡略化されてしまう。このため、簡略化度合を大きくすると、複雑な形状の道路が分り難くなってしまうことがある。逆に、簡略化度合を小さくすると、簡素な形状の道路のデフォルメを十分に行えなくなることがある。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ユーザが意図する内容に近いデフォルメ地図を表示することができるデフォルメ地図生成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るデフォルメ地図生成装置は、デフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を地図表示領域に応じて変形し、各分割領域の配置位置を決定するレイアウト決定手段を設け、デフォルメ手段がレイアウト決定手段により配置位置が決定された各分割領域内の地図を示す地図データを変更して、地図の形状を変形するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、デフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を地図表示領域に応じて変形し、各分割領域の配置位置を決定するレイアウト決定手段を設け、デフォルメ手段がレイアウト決定手段により配置位置が決定された各分割領域内の地図を示す地図データを変更して、地図の形状を変形するように構成したので、ユーザが意図する内容に近いデフォルメ地図を表示することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置を示す構成図であり、図において、地図記憶部1はデフォルメ対象の地図を示す地図データ(例えば、道路を構成する点(以下、「補間点」又は「ノード」と表記する)の座標や、ノードとリンクからなる道路の接続関係を示す道路ネットワークデータ)を記憶しているほか、デフォルメ処理の途中結果や、デフォルメに関するパラメータなどを格納するメモリである。
表示部2は例えば液晶ディスプレイなどの表示装置であり、表示処理部5の指示の下、デフォルメ地図などを表示する。
【0011】
大局的レイアウト決定部3はデフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を表示部2の画面領域(地図表示領域)に応じて大局的に変形し、各分割領域の配置位置を大まかに決定する処理を実施する。なお、大局的レイアウト決定部3はレイアウト決定手段を構成している。
ここでは、大局的レイアウト決定部3が各分割領域を表示部2の画面領域に応じて大局的に変形するものについて示したが、地図表示領域が表示部2の画面領域に限るものではなく、例えば、地図を紙に印刷するような場合には、地図表示領域が紙の印刷領域でもよい。
領域内デフォルメ部4は大局的レイアウト決定部3により配置位置が決定された各分割領域内の地図を示す地図データを変更して、各分割領域内の地図の形状を変形するデフォルメ処理を実施する。なお、領域内デフォルメ部4はデフォルメ手段を構成している。
表示処理部5は領域内デフォルメ部4によるデフォルメ処理後の各分割領域を大局的レイアウト決定部3により決定された配置位置に表示する表示指令を表示部2に出力する。
なお、表示処理部5及び表示部2から表示手段が構成されている。
【0012】
大局的レイアウト決定部3の領域分割部11はデフォルメ対象の地図を領域の重要性に応じて分割する処理を実施する。
大局的レイアウト決定部3の伸張領域検出部12はデフォルメ対象の地図と表示部2の画面領域とを比較して、デフォルメ対象の地図を伸張することが可能な伸張領域(デフォルメ対象の地図と表示部2の画面領域が重なっていない空白の領域)を検出する処理を実施する。
大局的レイアウト決定部3の配置位置決定部13は領域分割部11により分割された各分割領域を伸張領域検出部12により検出された伸張領域まで伸ばして、各分割領域を変形することにより、各分割領域の配置位置を決定する処理を実施する。
【0013】
領域内デフォルメ部4の接続地点設定部21は領域分割部11により分割された各分割領域において、相互に隣接している分割領域間を跨いでいる道路の地図データがある場合、その分割領域間の境界と交差する道路上の地点を接続地点として、その地図データ上に接続地点のノードを設定する処理を実施する。
領域内デフォルメ部4のデータ削減部22は補間点削減部23と隣接エッジ統合部24から構成されている。
【0014】
データ削減部22の補間点削減部23は各分割領域内の地図を示す地図データから、道路を構成する補間点の間引き処理を実施する。
データ削減部22の隣接エッジ統合部24は補間点削減部23により間引き処理が実施された地図データを参照して、隣接エッジ(エッジは隣り合う2つノードを結ぶ線分であり、隣接エッジは隣り合う2つエッジを表すものとする)のなす角度を算出し、そのなす角度が閾値以下であれば、その隣接エッジを統合して形状の簡略化を図る。
【0015】
領域内デフォルメ部4の形状変形部31は変形条件算出部32、初期配置部33、グループ生成部34、エッジ列形状変形部35及び削除点挿入部36から構成されており、接続地点設定部21により設定された接続地点のノード及びデータ削減部22により間引かれずに残っているノードのうち、少なくとも1つ以上のノードを移動して、複数の分割領域内の地図の形状を変形する処理を実施する。
形状変形部31の変形条件算出部32は大局的レイアウト決定部3の配置位置決定部13により配置位置が決定された分割領域のうち、表示部2の画面領域の淵に配置位置が決定された分割領域内の地図の形状を変形する際の条件を算出する処理を実施する。
【0016】
形状変形部31の初期配置部33は変形条件算出部32により算出された条件の下で、接続地点設定部21により設定された接続地点のノード及びデータ削減部22により間引かれずに残っているノードのうち、少なくとも1つ以上のノードを移動する処理を実施する。
形状変形部31のグループ生成部34は初期配置部33により移動処理が実施されたのち、複数のノードから構成されるエッジをグループ分けして、複数のグループを生成する処理を実施する。
【0017】
形状変形部31のエッジ列形状変形部35はグループ生成部34により生成されたグループ毎に、当該グループに属するエッジ列の形状を変形する処理を実施する。
形状変形部31の削除点挿入部36はデータ削減部22により間引かれたノードのうち、最終的なデフォルメ地図に必要なノードがあれば、エッジ列形状変形部35の変形処理結果であるデフォルメ結果に対して、そのノードを挿入する処理を実施する。
【0018】
次に動作について説明する。
地図記憶部1は、デフォルメ対象の地図を示す地図データ(例えば、道路を構成する補間点の座標や、ノードとリンクからなる道路の接続関係を示す道路ネットワークデータ)などを記憶している。
ここで、図2は地図データを構成しているノード等を示す説明図である。
図2では、道路を構成する補間点(ノード)や、2つのノードを両端とする線分(エッジ)を表している。
特に、交差点ノードは道路が交差している地点のノードであり、終端ノードはデフォルメ対象の地図内の道路の終端に該当するノードである。
交差点ノードから別の交差点ノード(または、終端ノード)に至るまでの一連のエッジ列をリンクと称している。
【0019】
また、地図記憶部1に記憶されている道路ネットワークデータは、リンクを構成するノードの情報(座標、ID等)、リンクを構成するエッジの接続関係、交差点ノードの情報(座標、ID等)、及び交差点ノードに接続するリンクの情報(ID等)などを有している。
また、地図記憶部1には、デフォルメ対象領域である外接矩形の左下及び右上の座標が記憶されており、また、形状のデフォルメにおいて最重要視する基準(例えば、エッジ長、エッジ方向等)などがデフォルメに関するパラメータとして記憶されている。
ここで、デフォルメ対象領域とは、デフォルメ対象を内包する領域であり、例えば、県内全域の道路をデフォルメする場合、デフォルメ対象領域は県全体である。また、特定の道路をデフォルメの対象とする場合には、その道路が含まれる領域をデフォルメ対象領域とする。
【0020】
まず、大局的レイアウト決定部3は、地図記憶部1から地図データを取得すると、デフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を表示部2の画面領域に応じて大局的に変形し、各分割領域の配置位置を大まかに決定する。
以下、大局的レイアウト決定部3の処理内容を具体的に説明する。
【0021】
大局的レイアウト決定部3の領域分割部11は、地図記憶部1から地図データとして、デフォルメ対象領域である外接矩形の左下座標及び右上座標を取得すると、デフォルメ対象領域を領域の重要性に応じて分割する。
領域分割方法としては、例えば、デフォルメ対象領域の全体をメッシュ状に分割して、各メッシュ内のデータ密度を算出し、同程度のデータ密度となる付近のメッシュを統合していく方法を用いることができる。
あるいは、地図記憶部1から各領域の重要性を示すパラメータ(特に注目する領域(重要な領域:特定の市町村・特定の道路・特定の領域・特定の地点)と注目しない領域とを区別することが可能な領域分割基準を示すパラメータ)を取得し、そのパラメータを参照して、デフォルメ対象領域を分割する方法を用いることもできる。
なお、領域分割部11は、各分割領域であるメッシュのIDや左下・右上座標を算出し、各分割領域に領域の重要性を対応付けておくようにする。
【0022】
大局的レイアウト決定部3の伸張領域検出部12は、地図記憶部1から地図データとして、デフォルメ対象領域である外接矩形の左下座標及び右上座標を取得すると、デフォルメ対象領域と表示部2の画面領域とを比較して、デフォルメ対象領域を伸張することが可能な伸張領域(デフォルメ対象領域と表示部2の画面領域が重なっていない空白の領域)を検出する。
ここで、図3はデフォルメ対象領域を伸張することが可能な伸張領域を示す説明図である。
図3では、表示部2の画面領域がPQRSであり、デフォルメ対象領域がノードABCDを含むL字の領域である。
デフォルメ対象領域を伸張することが可能な伸張領域は、図中、斜線の領域である。
【0023】
大局的レイアウト決定部3の配置位置決定部13は、領域分割部11がデフォルメ対象領域を分割し、伸張領域検出部12が伸張領域を検出すると、領域分割部11により分割された各分割領域を伸張領域まで伸ばして、各分割領域を変形することにより、各分割領域の配置位置を大まかに決定する。
ここで、図4及び図5は配置位置決定部13により決定された各分割領域の配置位置の一例を示す説明図である。
図4はデフォルメ対象領域のノードCからノードDに至る領域の重要性が極めて低くない場合のレイアウト例であり、図5はノードCからノードDに至る領域の重要性が極めて低い場合のレイアウト例である。
【0024】
図4及び図5では、重要性が高い領域が広くなり、重要性が低い領域が狭くなるように、各分割領域を伸張領域まで伸ばして、各分割領域を変形するようにしている。
このとき、配置位置決定部13は、図6に示すように、重要性が高い領域と低い領域の接続点を算出し、重要性が高い領域の変形に伴って、その接続点が分断されないように、重要性が低い領域も変形させている。
この変形は、各領域の輪郭を構成する点を伸張領域に向かって移動させていく方法等が用いられる。
なお、伸張領域の終端に達した時点で、その方向への変形を停止する。配置位置決定部13で変形配置するのは、領域の輪郭のみであり、領域内の道路を構成するノードやエッジの形状を変形させる処理は、後述する領域内デフォルメ部4の処理である。
表示処理部5は、配置位置決定部13により変形される前の各分割領域の配置位置と、配置位置決定部13により変形された後の各分割領域の配置位置とを表示部2の画面領域に表示する。
【0025】
領域内デフォルメ部4は、上記のようにして、大局的レイアウト決定部3が各分割領域の配置位置を決定すると、各分割領域内の道路の形状を変形するデフォルメ処理を実施する。
以下、領域内デフォルメ部4の処理内容を具体的に説明する。なお、領域内デフォルメ部4は、重要性の高い分割領域から順番に、当該分割領域内の道路の形状を変形するデフォルメ処理を実施する。
【0026】
領域内デフォルメ部4の接続地点設定部21は、領域分割部11により分割された各分割領域において、相互に隣接している分割領域間を跨いでいる道路の地図データがある場合、その分割領域間の境界と交差する道路上の地点を接続地点として、その地図データ上に接続地点のノードを設定する。
ここで、図9は領域分割部11によりデフォルメ対象領域が3つの分割領域A,B,Cに分割され、接続地点設定部21により接続地点のノードp1〜p5が設定されている例を示す説明図である。
また、図10は配置位置決定部13により決定された分割領域A,B,Cの配置位置を示す説明図である。
【0027】
領域内デフォルメ部4のデータ削減部22は、接続地点設定部21が接続地点のノードp1〜p5を設定すると、ノードの削減やエッジの統合を行うことによって、後述する形状変形部31における変形対象のノードの個数を削減するようにしている。
即ち、データ削減部22の補間点削減部23は、道路の形状の特徴を失わない範囲で道路を構成するノードの間引き処理を実施し、ノードの間引き結果(ノード・リンクの情報)を隣接エッジ統合部24及び削除点挿入部26に出力する。なお、削除点挿入部26には間引いたノードの情報(ID、座標))も出力する。
ノードの間引き方法としては、一般的に知られている再帰的にエッジ列を近似する方法を用いることができる。
【0028】
データ削減部22の隣接エッジ統合部24は、補間点削減部23からノードの間引き結果を受けると、隣接エッジのなす角度θを算出し、そのなす角度θが所定の閾値(例えば、45度)以下であれば、その隣接エッジを統合して、形状の簡略化を図るようにする。
ここで、図7は補間点削減部23によりノードの間引き処理が実施された道路を構成するエッジを示す説明図である。
図7では、道路がノードA〜Fから構成されており、ノードA〜Fがエッジ(1)〜(5)を構成している。
【0029】
例えば、隣接エッジであるエッジ(1)とエッジ(2)に着目すると、エッジ(1)とエッジ(2)のなす角度θを算出する。
図7の例では、エッジ(1)とエッジ(2)のなす角度θが閾値(例えば、45度)以下であるため、エッジ(1)とエッジ(2)を統合するようにしている。即ち、エッジ(1)とエッジ(2)の途中にあるノードEを削除して、エッジ(1)とエッジ(2)を一つのエッジとするようにする。
同様にして、他の隣接エッジにも着目して、ノードB、ノードC、ノードDを削除することにより、エッジ(1)(2)(3)(4)(5)を統合すると、図8に示すように、道路がノードAとノードFからなるリンクになる。
なお、隣接エッジ統合部24がエッジを統合する際、閾値を適宜変更することにより、エッジの簡略化度合を変えることができる。したがって、複雑な形状の道路は詳細形状を維持し、簡素な形状の道路は簡素化したエッジとすることが可能になる。
【0030】
領域内デフォルメ部4の形状変形部31は、接続地点設定部21により設定された接続地点のノード及びデータ削減部22により間引かれずに残っているノードのうち、少なくとも1つ以上のノードを移動して、複数の分割領域内の道路の形状を変形する。
即ち、形状変形部31の変形条件算出部32は、大局的レイアウト決定部3の配置位置決定部13により配置位置が決定された分割領域のうち、表示部2の画面領域の淵に配置位置が決定された分割領域内の道路の形状を変形する際の条件を算出する。
ここで、道路の形状を変形する際の条件とは、分割領域内の道路を構成するノードやエッジの移動後の座標算出において、座標値の制限や、移動方向等を定める条件である。
【0031】
以下、変形条件算出部32の処理内容を具体的に説明する。
例えば、配置位置決定部13により図9の分割領域A,B,Cが、図10に示すような位置に配置された場合、変形条件算出部32では、表示部2の画面領域の淵に配置位置された分割領域が、分割領域A,Cであると特定する。
変形条件算出部32は、分割領域A,Cのそれぞれについて、配置位置決定部13により配置位置が決定される前の状態(図9の状態)と、配置位置決定部13により配置位置が決定された後の状態(図10の状態)とを比較して、配置位置決定部13によるレイアウト内容を調査する。
【0032】
ここで、レイアウト内容の調査は、拡大縮小のみによるレイアウトであるのか、あるいは、表示部2の画面領域の淵に沿って輪郭形状が変形されて配置されたことによるレイアウトであるのかを調査する。
分割領域Aの場合、レイアウトの前後で、4頂点からなる矩形であることに変わりがないため、拡大縮小によるレイアウトであるとみなされる。
一方、分割領域Cの場合、レイアウト前が六角形であるのに対して、レイアウト後では八角形となっているため、画面領域の淵に沿った輪郭形状の変形を伴うレイアウトであるとみなされる。
【0033】
変形条件算出部32は、配置位置決定部13によるレイアウト内容を調査すると、そのレイアウト内容に基づいて、分割領域A,C内の道路の形状を変形する際の条件を以下のように定める。
(1)分割領域A
分割領域A内の道路を構成するノード及びエッジの移動範囲を図11の矩形a1a2a3a4内に制限する(矩形a1a2a3a4以外の領域には、分割領域A内の道路を構成するノードやエッジを移動させない条件を定める)。
(2)分割領域C
分割領域C内の道路を構成するノード及びエッジの移動範囲を図12の多角形c1c2c3s1c4c5s2c6内に制限するとともに、表示部2の画面領域の淵に沿って輪郭形状を変形させる部分についての変形方向の条件を定める。
輪郭形状を変形させる部分についての変形方向の条件は、図9の線分1−2よりも下側の領域を図12の斜線部分に変形配置するために、図9に示す道路r1、道路r2を画面領域の下部QRに沿って水平方向に変形させる条件である。
条件の具体例としては、道路r1や道路r2を構成するノードの移動方向をX軸方向に限定する条件などが該当である。
【0034】
初期配置部33は、変形条件算出部32により算出された条件の下で、接続地点設定部21により設定された接続地点のノード及びデータ削減部22により間引かれずに残っているノードのうち、少なくとも1つ以上のノードを移動する処理を実施する。
以下、初期配置部33の処理内容を具体的に説明する。ただし、処理内容の具体例は後述する。
【0035】
初期配置部33は、ノードの移動処理を実施するに際して、現在の処理対象の分割領域に隣接している分割領域に対して、領域内デフォルメ部4が、既にノードやエッジの変形配置を実行している場合には、移動後の接続地点におけるノードの座標を取得し、そのノードの座標を現在の処理対象の分割領域の接続地点におけるノードの初期座標とする。
一方、隣接している分割領域に対して、領域内デフォルメ部4が、未だノードやエッジの変形配置を実行していない場合には、接続地点におけるノードの初期座標を地図データ記憶部1に記憶されている地図データから得られる座標値とする。
【0036】
接続地点以外のノードの初期座標については、例えば、データ削減部22により間引かれずに残っているノードの中からノードを一つ選択し、最重要視する基準(例えば、エッジ長、エッジ方向)と大局的なレイアウトから定まる条件に基づいて移動後のノード座標を算出する。
ノードの選択方法は任意でよく、例えば、接続地点のノードを除いて、データ削減部22により間引かれずに残っているノードの中からランダムに選ぶ方法を用いてもよい。また、理想的なエッジ長やエッジ方向とするために、移動量が小さいノードから順番に選ぶ方法でもよい。また、複数のノードを同時に選んで移動させるようにしてもよい。
【0037】
移動後のノードの座標を算出すると、元の道路の接続関係が維持されているか否かを判定し、元の道路の接続関係が維持されている場合には、そのノードに対して座標値を更新する。道路の接続関係が維持されているか否かを判定する判断基準としては、例えば、以下の判断基準を使用する。
[判断基準]
(1)簡略化前の地図データ(市販の道路地図のデータ)に存在する交差点が消失しないこと
(2)簡略化前の地図データに存在しない道路の交差を発生させないこと
(3)交差点に接続するエッジの接続順序が、簡略化前と簡略化後で変わらないこと(例えば、簡略化前の地図データにおいて、交差点に接続するエッジが交差点の周囲に反時計回りにe1、e2、e3の順序で並んでいる場合、簡略化後もe1、e2、e3の順序となること)
【0038】
以下、初期配置部33の処理内容の具体例を説明する。
ここでは、最終的にエッジ方向が水平、垂直又は斜め45度方向の8方向に量子化されているデフォルメ結果が得られるように、初期配置部33がノードの移動処理を実施する例を説明する。
【0039】
初期配置部33は、変形条件算出部32から分割領域内の道路の形状を変形する際の条件を受け取り、隣接エッジ統合部24から隣接エッジ統合結果を受け取ると、その条件に基づいて、隣接統合処理で削除されずに残っているノードの座標を変換し、そのノードを配置位置決定部13により配置位置が決定された分割領域内に移動させる。
図13は移動後のノードからなる道路を示す説明図である。
図において、点Pは交差点ノードであり、ノードPQ間、ノードPR間、ノードPS間のエッジ列はリンクである。また、ノードQ,R,Sは非接続地点のノードである。
【0040】
次に、初期配置部33は、エッジ長やエッジ方向を基準にして、移動後のノードや、当該ノードから構成されるエッジの変形処理を実施する。
即ち、初期配置部33は、形状のデフォルメにおいて最重要視する基準としてエッジ方向を量子化するものとし、エッジ方向の中でも、特に水平方向及び垂直方向の2方向への量子化を行うものとする。
具体的には、図13のエッジ列に対して、水平方向、あるいは、垂直方向とのなす角度が閾値以下であるエッジを抽出し、そのエッジ方向が水平方向又は垂直方向になるように、そのエッジのノードの移動後の座標を算出する。
移動後のノードの座標を算出すると、元の道路の接続関係が維持されているか否かを判定し、元の道路の接続関係が維持されている場合には、そのノードに対して座標値を更新する。道路の接続関係が維持されているか否かを判定する判断基準としては、上述した判断基準を使用する。
図14は水平方向及び垂直方向の2方向への量子化が行われてノードが移動された道路を示す説明図である。
【0041】
形状変形部31のグループ生成部34は、初期配置部33がノードの移動処理を実施すると、複数のノードから構成されるエッジをグループ分けして、複数のグループを生成する。
複数のエッジをグループ分けする基準としては、エッジ長やエッジ方向を用いることができる。
図15は初期配置部33によるノードの移動処理結果(図14を参照)に対して、斜め方向のエッジを基準としてグループを生成した例を示す説明図である。
図15の例では、エッジ方向が斜め方向のエッジに着目して、その斜め方向のエッジに連なっている水平方向又は垂直方向のエッジを1つのグループにまとめており、グループ(1)〜グループ(4)が生成されている。
なお、グループ生成部34は、グループID、グループを構成するエッジのID、当該エッジの両端のノードの座標、エッジの接続関係などをグループに関する情報としてエッジ列形状変形部35に出力する。
【0042】
形状変形部31のエッジ列形状変形部35は、グループ生成部34が複数のグループを生成すると、グループ毎に、当該グループに属するエッジ列の形状を変形する処理を実施する。
即ち、エッジ列形状変形部35は、グループ生成部34からグループに関する情報を受けると、まだ移動させていないノードを動かすことを基本として、ノードやエッジの変形配置を行う。グループを用いた変形配置処理は、下記の(A)(B)である。
(A)複数のエッジ列をまとめた座標変換
(B)グループ内の一部分のエッジ列に対して、その特性を用いてエッジ列の形状を変形し、簡略化度合を変える
【0043】
以下、エッジ列形状変形部35の処理内容を具体的に説明する。
最初に、図16〜図18を用いて、変形配置処理(A)を説明する。
まず、グループの一つとして、グループ(1)に関する情報を取得し、その情報を参照して、グループ(1)に属するノードの中から、非交差点ノードであり、かつ、初期配置部33で移動させていないノードを特定する。ここでは、説明の便宜上、ノードn1を特定したものとする。
次に、ノードn1とノードPを両端とするエッジのエッジ方向が、斜め45度方向となるように、ノードn1の移動後の座標を算出する。ただし、初期配置部33と同様に、道路の接続関係が崩れない範囲で移動後の座標を算出するものとする。
図16のノードn1’は、ノードn1が移動されたノードである。
【0044】
続いて、グループを構成するエッジ列のうち、残りのエッジ列(図16の場合、エッジn1’n2、エッジn2n3、エッジn3n4、エッジn4n5、エッジn5n6、エッジn6Q)全体の座標変換を実施して、これらのエッジ列が移動後のノード位置n1’に接続されるようにする。
このようにして、ノードn1’の移動後の座標に基づいて、残りのエッジ列(ここでは、水平方向及び垂直方向からなるエッジ列)の座標変換を実施する。
図17はグループ(1)内のエッジのデフォルメ結果を示す説明図である。
【0045】
斜め方向のエッジを除いた残りのエッジ列全体の座標変換を行う際にも、元の地図にない道路の交差が発生することがないように、道路の接続関係が維持されるか否かの判定を実施し、道路のトポロジーが崩れないようにグループ内のノード座標を再算出する。
以上が、グループ(1)に関する変形配置処理(A)である。
グループ(2)、グループ(3)、グループ(4)についても同様に、斜め方向のエッジの移動後のノードの座標に基づいてグループ内の他のエッジ列を座標変換する。
図18はエッジ列形状変形部35によるデフォルメ結果を示す説明図である。
【0046】
次に、図19〜図20を用いて、変形配置処理(B)を説明する。
ここでは、グループ生成部34のグループ生成結果が図19であるものとする。
まず、エッジ列形状変形部35は、グループ生成部34からグループに関する情報を取得して、グループ内のエッジの特性を認識し、その特性を利用して各グループ内のエッジの形状に対する簡略化度合を設定する。
図20はグループ(1)とグループ(2)におけるエッジの形状に対する簡略化度合が異なる例を示す説明図である。
【0047】
図20では、図19と比べて、グループ(1)が、エッジの形状に対する簡略化度合が高い設定(詳細形状を保つ状態に設定)になされており、グループ(1)では、エッジ列が水平方向又は垂直方向のエッジ列であるという特性があるため、一つのエッジabの部分が、水平方向と垂直方向からなる3つのエッジ(エッジap、エッジpq、エッジqb’)として作成されている。
図20では、図19と比べて、グループ(2)が、エッジの形状に対する簡略化度合が低い設定(形状を簡略化する状態に設定)になされており、エッジcd、エッジde、エッジef、エッジfgの部分が簡素化されて、エッジcsとされている。
このようにして、エッジの特性を利用して、一つのエッジを複数のエッジからなる詳細な形状に変形させたり、エッジの一部を除去してエッジ列を簡素化させたりすることができる。
【0048】
形状変形部31の削除点挿入部36は、データ削減部22により間引かれたノードのうち、最終的なデフォルメ地図に必要なノードがあれば、エッジ列形状変形部35の変形処理結果であるデフォルメ結果に対して、そのノードを挿入する処理を実施する。
図21から図23はノードの挿入例を示す説明図であり、特に図21は隣接エッジ統合部24により隣接エッジが統合される前の状態を示しており、エッジn3n4の長さがd1、エッジn4n5の長さがd2である。
また、図22は隣接エッジ統合部24やエッジ列形状変形部35において、エッジの統合やエッジ方向の量子化が行われた結果を示しており、ノードn4が間引かれている。
このとき、削除点挿入部36は、図22の状態に対して、エッジn3’n5’間をd1:d2の比率で分割した位置を算出し、図23に示すように、その分割した位置に間引かれたノードn4をノードn4’として挿入配置する。
【0049】
表示処理部5は、領域内デフォルメ部4によるデフォルメ処理が完了すると、デフォルメ処理後の各分割領域を大局的レイアウト決定部3により決定された配置位置に表示する表示指令を表示部2に出力する。
これにより、表示部2は、デフォルメ処理後の各分割領域を大局的レイアウト決定部3により決定された配置位置に表示する。
【0050】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、デフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を表示部2の画面領域に応じて大局的に変形し、各分割領域の配置位置を大まかに決定する大局的レイアウト決定部3を設け、領域内デフォルメ部4が大局的レイアウト決定部3により配置位置が決定された各分割領域内の地図を示す地図データを変更して、各分割領域内の地図の形状を変形するように構成したので、ユーザが意図する内容に近いデフォルメ地図を表示することができる効果を奏する。
即ち、大局的なレイアウト(デフォルメ対象領域中のどの領域が画面領域のどの辺りに配置されるか)と、局所的な変形(各分割領域内で道路の形状をどのように簡略化・変形させるか)の双方をフレキシブルに行うことが可能であるため、ユーザの意図する内容に近いデフォルメ結果を得ることができる。特に、局所的な変形を行う前に大局的なレイアウトを決めることができるので、道路を構成する個々のエッジを変形させた結果、思うような範囲にデフォルメされないという状況を回避することができる。
【0051】
また、大局的なレイアウト位置を変えたり、分割領域内の局所的なデフォルメにおいて、グループ内のエッジの簡略化度合を変えたりすることで、様々なバリエーションのデフォルメ結果を容易に生成することができる。いくつかの生成結果の中からユーザが意図する内容に近いものを選択することも可能となる。
また、デフォルメ結果を出力する画面領域を考慮して、大局的なレイアウトを決定するため、デフォルメ結果を画面に表示したり、紙面に印刷したりする際に、無駄な部分を残さずに済み、画面領域を有効に活用したデフォルメ地図を生成することができる。
【0052】
さらに、局所的なデフォルメにおいて個々のエッジを変形させる際、最重要視する基準に基づいて初期配置を行った後に、未移動のノードについて移動後の座標を算出するという2段階の処理に分けることにより、最も重要視する基準に対する視認性を向上させたデフォルメ結果を得ることが可能となる。
また、初期配置後の結果に対して複数のエッジをグルーピングし、グループを用いて変形配置を行うことにより、道路が複雑に交差している場合であっても、エッジの変形配置を容易に行うことができる。
【0053】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、初期配置部33が、形状のデフォルメにおいて最重要視する基準がエッジ方向であり、エッジ方向の量子化(最終的に量子化する8方向の中でも、特に、水平・垂直の2方向への方向量子化)を実施して初期配置を定めるものについて示したが、最重要視する基準は、エッジ方向に限るものではなく、例えば、エッジの長さ(理想的な長さや、元地図と同じ長さ)や、付近のノードとの距離であってもよい。
例えば、最重要視する基準がエッジの長さであれば、エッジの長さの量子化を実施して初期配置を定めるようにする。
【0054】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、グループ生成部34がグループを生成する際、斜め方向のエッジに着目し、斜め方向のエッジに連なっている水平方向又は垂直方向のエッジを1つのグループにまとめて、グループを生成するものについて示したが、斜め方向のエッジを基準とするものに限るものではなく、例えば、エッジの長さを基準とするようにしてもよい。
例えば、エッジの長さを基準とする場合、エッジの長さが同程度のエッジ同士を一つのグループにまとめるようにする。
また、交差点ノードに連なっている一定個数のエッジを同じグループにまとめるようにしてもよい。
【0055】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、領域分割部11がデフォルメ対象領域を分割する際、データ密度や領域の重要性などによって自動的に分割するものについて示したが、デフォルメ対象領域を表示部2に表示し、ユーザがマウス等のデバイスを用いて、分割後の領域を画面上で指定するようにしてもよい。
【0056】
実施の形態5.
上記実施の形態1では、エッジ列形状変形部35がエッジを8方向の方向量子化を実施するものについて示したが、方向量子化における方向は8方向に限るものではなく、例えば、4方向の方向量子化でも、16方向の方向量子化でもよい。
【0057】
実施の形態6.
上記実施の形態1では、デフォルメ対象の地図を示す地図データが、道路を構成する補間点の座標や、道路の接続関係を示す道路ネットワークデータであり、道路の形状を変形するものについて示したが、道路の形状を変形するものに限るものではない。
例えば、デフォルメ対象の地図を示す地図データが、上下水道を構成する補間点の座標や、上下水道の接続関係を示す上下水道ネットワークデータであれば、上下水道の形状を変形して、上下水道のデフォルメ地図を生成することができる。
【0058】
実施の形態7.
上記実施の形態1では、補間点削減部23が、隣接エッジ統合部24でエッジ形状を簡略化する際の対象ノード数を削減しているものについて示したが、地図記憶部1に記憶されている元の道路の地図データが少ない補間点から構成されている場合には、補間点削減部23を省略するようにしてもよい。
【0059】
実施の形態8.
上記実施の形態1では、表示部2の画面領域を考慮して、重要な領域を画面領域内のどの辺りに表示させるかを決めることができるものについて示したが、表示部2の画面領域を特に考慮しない場合には、大局的レイアウト決定部3を省略するようにしてもよい。
この場合、図1において、大局的レイアウト決定部3と、領域内デフォルメ部4の接続地点設定部21が除かれた構成になる。
【0060】
実施の形態9.
上記実施の形態1では、デフォルメ対象とする道路を特に限定しないものについて示したが、特定の道路のみをデフォルメ対象に限定するようにしてもよい。
ここで、図24はカーナビゲーションの全ルートの表示例を示す説明図である。図24では、出発地から目的地までのルートが3ルートある例を示している。
この状態に対して、大局的レイアウト決定部3では、ルート(1)、ルート(2)、ルート(3)が分離するように領域を分割し、3つの分割領域を図25に示すような位置関係にレイアウトしている。
【0061】
ここで、矩形PQRSは、表示部2の画面領域の4隅であり、領域内デフォルメ部4では、このレイアウト結果に対して、ルート(1)、ルート(2)、ルート(3)を構成するノードやエッジのデフォルメ処理を行う。このデフォルメ処理は、上記実施の形態1で説明した処理と同じ処理である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置を示す構成図である。
【図2】地図データを構成しているノード等を示す説明図である。
【図3】デフォルメ対象領域を伸張することが可能な伸張領域を示す説明図である。
【図4】配置位置決定部13により決定された各分割領域の配置位置の一例を示す説明図である。
【図5】配置位置決定部13により決定された各分割領域の配置位置の一例を示す説明図である。
【図6】各分割領域の移動変形を示す説明図である。
【図7】補間点削減部23によりノードの間引き処理が実施された道路を構成するエッジを示す説明図である。
【図8】エッジ統合後の道路を示す説明図である。
【図9】領域分割部11によりデフォルメ対象領域が3つの分割領域A,B,Cに分割され、接続地点設定部21により接続地点のノードp1〜p5が設定されている例を示す説明図である。
【図10】配置位置決定部13により決定された分割領域A,B,Cの配置位置を示す説明図である。
【図11】分割領域A内の道路を構成するノード及びエッジの移動範囲を示す説明図である。
【図12】分割領域C内の道路を構成するノード及びエッジの移動範囲を示す説明図である。
【図13】移動後のノードからなる道路を示す説明図である。
【図14】水平方向及び垂直方向の2方向への量子化が行われてノードが移動された道路を示す説明図である。
【図15】初期配置部33によるノードの移動処理結果(図14を参照)に対して、斜め方向のエッジを基準としてグループを生成した例を示す説明図である。
【図16】エッジ列形状変形部35によるノードの移動を示す説明図である。
【図17】グループ(1)内のエッジのデフォルメ結果を示す説明図である。
【図18】エッジ列形状変形部35によるデフォルメ結果を示す説明図である。
【図19】グループ生成部34によるグループ生成例を示す説明図である。
【図20】グループ(1)とグループ(2)におけるエッジの形状に対する簡略化度合が異なる例を示す説明図である。
【図21】隣接エッジ統合部24により隣接エッジが統合される前の状態を示す説明図である。
【図22】隣接エッジ統合部24やエッジ列形状変形部35において、エッジの統合やエッジ方向の量子化が行われた結果を示す説明図である。
【図23】削除点挿入部36によりノードが挿入された結果を示す説明図である。
【図24】カーナビゲーションの全ルートの表示例を示す説明図である。
【図25】大局的レイアウト決定部3のレイアウト結果を示す説明図である。
【図26】デフォルメ対象領域を示す説明図である。
【図27】デフォルメ後の対象領域を示す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1 地図記憶部、2 表示部(表示手段)、3 大局的レイアウト決定部(レイアウト決定手段)、4 領域内デフォルメ部(デフォルメ手段)、5 表示処理部(表示手段)、11 領域分割部、12 伸張領域検出部、13 配置位置決定部、21 接続地点設定部、22 データ削減部、23 補間点削減部、24 隣接エッジ統合部、31 形状変形部、32 変形条件算出部、33 初期配置部、34 グループ生成部、35 エッジ列形状変形部、36 削除点挿入部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デフォルメ対象の地図を複数の領域に分割して、各分割領域を地図表示領域に応じて変形し、各分割領域の配置位置を決定するレイアウト決定手段と、上記レイアウト決定手段により配置位置が決定された各分割領域内の地図を示す地図データを変更して、上記地図の形状を変形するデフォルメ処理を実施するデフォルメ手段と、上記デフォルメ手段によるデフォルメ処理後の各分割領域を上記レイアウト決定手段により決定された配置位置に表示する表示手段とを備えたデフォルメ地図生成装置。
【請求項2】
レイアウト決定手段は、デフォルメ対象の地図を領域の重要性に応じて分割する領域分割部と、デフォルメ対象の地図と地図表示領域から上記地図を伸張することが可能な伸張領域を検出する伸張領域検出部と、上記領域分割部により分割された各分割領域を上記伸張領域検出部により検出された伸張領域まで伸ばして各分割領域を変形し、各分割領域の配置位置を決定する配置位置決定部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項3】
デフォルメ手段は、相互に隣接している分割領域間を跨いでいる地図データがある場合、上記分割領域間の境界と交差する上記地図データ上の地点を接続地点としてノードを設定する接続地点設定部と、各分割領域内の地図を示す地図データを構成するノードの間引きを行うデータ削減部と、上記接続地点設定部により設定された接続地点のノード及び上記データ削減部により間引かれずに残っているノードのうち、少なくとも1つ以上のノードを移動して、複数の分割領域内の地図の形状を変形する形状変形部とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項4】
形状変形部は、レイアウト決定手段により配置位置が決定された分割領域のうち、地図表示領域の淵に配置位置が決定された分割領域内の地図の形状を変形する際の条件を算出する変形条件算出部と、上記変形条件算出部により算出された条件の下で、接続地点設定部により設定された接続地点のノード及びデータ削減部により間引かれずに残っているノードのうち、少なくとも1つ以上のノードを移動する初期配置部と、上記初期配置部により移動処理が実施されたのち、複数のノードから構成されるエッジをグループ分けして、複数のグループを生成するグループ生成部と、上記グループ生成部により生成されたグループ毎に、当該グループに属するエッジ列の形状を変形するエッジ列形状変形部とを備えていることを特徴とする請求項3記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項5】
初期配置部は、形状のデフォルメにおいて最重要視する基準が設定されている場合、上記基準にしたがってノードを移動することを特徴とする請求項4記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項6】
初期配置部は、接続地点設定部により設定された接続地点のノードとデータ削減部により間引かれずに残っているノードから構成されるエッジのうち、一部のエッジの方向が特定のエッジ方向と一致するように、いずれかのノードを移動することを特徴とする請求項4記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項7】
エッジ列形状変形部は、グループに属する一部のエッジ列の形状を局所的に変形することを特徴とする請求項4記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項8】
エッジ列形状変形部は、グループに属するエッジの特性を利用して、グループ内のエッジ列の形状の変形度合を変えることを特徴とする請求項4記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項9】
グループ生成部は、エッジ方向が斜め方向のエッジに着目し、当該エッジに連なっている水平又は垂直方向のエッジを1つのグループにまとめることを特徴とする請求項4記載のデフォルメ地図生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−109643(P2009−109643A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280466(P2007−280466)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】