説明

デュアルモード式医療用酸素濃縮器

【課題】多様な患者のニーズを満たす酸素発生システムを提供する。
【解決手段】携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5を含む酸素濃縮システムであって、携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットが結合モード及び非結合モードで作動されるようになっているシステム。一実施形態では、濃酸素ガスは結合モードにおいて携帯用ユニットにより発生されて定置ベースユニットに移され、濃酸素生成ガスは定置ユニットからユーザに送出される。定置ベースユニットは、携帯用ユニットにおける濃酸素ガス生成速度を増大するために、ポンプブースト又は付加的供給空気を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
家庭及びその他の住宅環境における患者への治療用酸素の供給は、健康管理産業の重要でかつ増大しつつある分野である。酸素を、適切な気化又は圧力調節システム及びガス送出カニューレでもって液体又は圧縮酸素により患者に供給することができる。あるいは、患者の近くに配置されて発生された酸素をカニューレを通じ送出する小型の現場用空気分離装置を用いて酸素を発生させることにより、酸素を供給することもできる。この後者の酸素供給モードのほうが多くの患者に好まれ、この明らかなニーズに応えて多数の小型空気分離装置がこれまでに開発されてきた。
【0002】
呼吸酸素消費率は典型的には、酸素要求量が比較的低い歩行可能な患者の場合には3LPM(22℃、1atmaにおけるリットル/分)までの範囲にあり、より深刻な呼吸障害があり動きが制限されうる患者の場合には5LPMまでの範囲にあり、場合によっては、最も深刻な呼吸障害があり動きが更に制限される患者の場合には10LPMまでの範囲にある。患者は、当初、疾病中に高い酸素供給速度を必要とし、その後快復するにつれて患者が必要とする酸素が少なくなる場合がある。あるいは、慢性症状が悪化するにつれて患者が必要とする酸素供給速度が増大するおそれがある。患者の酸素要求量は従って、大きく変動しうるものであり、最大酸素要求量は最小酸素要求量の3倍から5倍にもなるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、住宅又は家庭用の酸素発生システムは、これらの多様な患者の要求に合わせるために、広範囲の酸素発生速度で構成されなければならない。家庭用酸素発生器の提供者は典型的には、患者の要求を満たしつつ、販売するシステムの種類の数を制限することを好む。高ターンダウン比の小型酸素発生システムの経済的な設計は難しく、提供者は患者のニーズを満たすために、いくつかのサイズの発生器を提供しなければならなくなるおそれがある。経済的理由により、提供される酸素発生システムの種類の数を最小限に抑え、かつ提供される各システムのターンダウン比を最大限まで高めることが望ましい。更に、歩行可能な患者と歩行不能な患者との両方の酸素要求量を単一の発生システムで満たし、かつ必要な場合には加湿酸素を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを含む酸素発生システムに関する。携帯用ユニットは、濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、ガスポンプを駆動する1次モータと、モータを駆動するための充電式電源と、充電式電源に電力を送るようになっているコネクタ手段と、濃酸素ガスを携帯用酸素発生器システムから移すためのフローカップリング手段と、第1の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む。定置ベースユニットは、携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっており、携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを受け取るフローカップリング手段と、第2の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む。
【0005】
携帯用酸素発生器ユニットは、非結合モードにおいて単独で作動して第1の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で濃酸素ガス生成物を供給することができる。携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットは、結合モードにおいて連携しつつ作動して第2の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第2の流量で濃酸素ガス生成物を供給することができ、第2の流量は第1の流量よりも多い。
【0006】
定置ベースユニットは、ブースタモータと、ブースタモータと一体化される第1の駆動カップリング手段とを含むことができ、携帯用酸素発生器ユニットは、1次モータと一体化される第2の駆動カップリング手段を含むことができ、定置ベースユニットが携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときにブースタモータ及び1次モータが連携しつつ作動して1次ガスポンプを駆動するようになっていてもよい。
【0007】
代替的には、定置ベースユニットは、定置駆動モータと、定置駆動モータと一体化される第1の駆動カップリング手段とを含むことができ、携帯用酸素発生器ユニットは1次ガスポンプと一体化される第2の駆動カップリング手段を含むことができ、定置ベースユニットが携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに定置駆動モータが1次ガスポンプを駆動するようになっていてもよい。
【0008】
代替的には、定置ベースユニットは、2次ガスポンプと、2次ガスポンプを駆動する定置駆動モータと、2次ガスポンプからのガス取出しラインとを含むことができ、携帯用酸素発生ユニットは、携帯用空気分離装置に流通しているガス取入れラインを含むことができ、これらガス取出しライン及びガス取入れラインはそれぞれ、定置ベースユニットが携帯用酸素発生ユニットに結合されたときに2次ガスポンプが携帯用空気分離装置への空気の一部を提供できるように結合できるフローカップリング手段を有することができる。
【0009】
別の代替態様では、定置ベースユニットは、2次ガスポンプと、2次ガスポンプを駆動する定置駆動モータと、2次ガスポンプからのガス取出しラインとを含むことができ、携帯用酸素発生器ユニットは、携帯用空気分離装置に流通しているガス取入れラインを含むことができ、これらガス取出しライン及びガス取入れラインはそれぞれ、定置ベースユニットが携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに2次ガスポンプが携帯用空気分離装置への空気の全てを提供できるように結合できるフローカップリング手段を有することができる。
【0010】
定置ベースユニットは、補助濃酸素ガスを発生させるための定置空気分離装置と、定置空気分離装置に空気を供給する手段とを含む定置ガスポンプと、定置ガスポンプを駆動するモータと、定置ベースユニットが携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに補助濃酸素ガスを携帯用酸素発生器ユニットからの濃酸素ガスに合流させる配管手段とを含むことができる。
【0011】
携帯用空気分離装置は圧力スウィング吸着システムを含むことができ、定置空気分離装置は圧力スウィング吸着システムを含むことができる。定置ベースユニットは更に、濃酸素ガス生成物に水分を付加するようになっている加湿器を含むことができる。
【0012】
本発明の別の実施形態は、濃酸素ガス生成物を発生させる方法であって、
(a)携帯用酸素発生器ユニットであって、濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、ガスポンプを駆動する1次モータと、モータを駆動する充電式電源と、携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するために電力を受け取るようになっているコネクタ手段と、携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを移すフローカップリング手段と、第1の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットを用意するステップと、
(b)携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットを用意するステップであって、定置ベースユニットが、携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するために電力を供給するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを受け取るフローカップリング手段と、第2の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含むステップと、
(c)これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを非結合モードで作動するステップであって、携帯用酸素発生器ユニットが、空気を分離して第1の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で濃酸素ガス生成物を提供するように作動されるステップと、
(d)(1)コネクタ手段同士を互いに接続しかつフローカップリング手段同士を互いに結合することによって携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとを互いに結合し、
(2)携帯用酸素発生器ユニットを作動させて空気を分離し濃酸素ガスを提供し、濃酸素ガスを定置ベースユニットに移し、第2の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じてユーザに第2の流量で濃酸素ガス生成物を供給する、
ことによってこれら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを結合モードで作動させるステップであって、第2の流量が第1の流量よりも多いステップと、
を含む方法を含んでいる。
【0013】
本発明の代替実施形態は、酸素発生システムであって、
(a)濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、ガスポンプを駆動する1次モータと、モータを駆動する充電式電源と、充電式電源に電力を送るようになっているコネクタ手段と、濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットであって、携帯用酸素発生器ユニットが携帯モードで作動して第1の流量の濃酸素ガスを発生させるようになっている携帯用酸素発生器ユニットと、
(b)携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットであって、定置ベースユニットが携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムを含んでいる定置ベースユニットと、
を含むシステムを含んでいる。
【0014】
携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットはそれぞれ、濃酸素ガスを携帯用酸素発生器ユニットから定置ベースユニットに移すようになっている第1のフローカップリング手段と、濃酸素ガスを定置ベースユニットから携帯用酸素発生器ユニットに移すようになっている第2のフローカップリング手段とを含むことができ、定置ベースユニット及び携帯用酸素発生器ユニットは、結合モードにおいて、提携しつつ作動して第1の流量より多い第2の流量で濃酸素ガスを発生させるようになっている。
【0015】
本発明の別の実施形態では、
(a)濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、ガスポンプを駆動する1次モータと、モータを駆動する充電式電源と、充電式電源を充電するために電力を受け取るようになっているコネクタ手段と、濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットを用意するステップと、
(b)携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットを用意するステップであって、定置ベースユニットが、携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、濃酸素ガスを加湿する手段とを含んでおり、これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットがそれぞれ、濃酸素ガスを携帯用酸素発生器ユニットから定置ベースユニットに移すようになっている第1のカップリング手段と、濃酸素ガスを定置ベースユニットから携帯用酸素発生器ユニットに移すようになっている第2のカップリング手段とを含んでいるステップと、
(c)これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを非結合モードで作動するステップであって、携帯用酸素発生器ユニットが、空気を分離して生成物放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で濃酸素ガス生成物を提供するように作動されるステップと、
(d)(1)コネクタ手段同士を互いに接続しかつ第1及び第2のカップリング手段を互いに結合することによって携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとを互いに結合し、
(2)携帯用酸素発生器ユニットを作動させて空気を分離し濃酸素ガスを提供し、濃酸素ガスを定置ベースユニットに移し、濃酸素ガスを加湿して加湿濃酸素ガスを提供し、加湿濃酸素ガスを携帯用酸素発生器ユニットに移し、携帯用酸素発生器ユニットの放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第2の流量で加湿濃酸素ガス生成物を供給する、
ことによってこれら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを結合モードで作動させるステップであって、第2の流量が第1の流量よりも多いステップと、
を含む方法によって、濃酸素ガス生成物が発生される。
【0016】
本発明の別の実施形態は、酸素濃縮器システムであって、
(a)非加湿濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む第1のガスポンプと、第1のガスポンプを駆動するようになっている第1のモータと、第1のモータを駆動するために電力を供給するようになっている充電式電源システムと、充電式電源システムを充電するようになっている第1のコネクタと、加湿濃酸素ガスを受け取るようになっている第1のフローカップリングと、非加湿濃酸素ガスと加湿濃酸素ガスとを互いに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成するようになっている配管手段と、濃酸素ガス生成物送出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットと、
(b)携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットであって、定置ベースユニットが、加湿濃酸素ガスを発生させるための定置空気分離装置及び加湿器と、定置空気分離装置に空気を供給する手段を含む第2のガスポンプと、第2のガスポンプを駆動するようになっている第2のモータと、第1のフローカップリングと接続するようになっている第2のフローカップリングと、加湿濃酸素ガスを第2のフローカップリングに移す配管と、第2のモータに電力を提供するようになっている定置電源システムと、発生器ユニットとベースユニットとが互いに結合されたときに携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源システムを充電するために第1のコネクタと接続するようになっている第2のコネクタとを含む定置ベースユニットと、
を含むシステムに関する。
【0017】
第1のフローカップリングと、非加湿濃酸素ガスと加湿濃酸素ガスとを互いに結合するようになっている配管手段と、濃酸素ガス生成物送出ポートとは、携帯用酸素発生器ユニットの外部に取り付けられて配置されることができる。
【0018】
携帯用空気分離装置は、圧力スウィング吸着システムを含むことができる。このシステムは更に、圧力スウィング吸着システムから非加湿濃酸素ガスを受け取るようになっている貯蔵タンクを含むことができる。代替的には、圧力スウィング吸着システムから非加湿濃酸素ガスを受け取るためのガス貯蔵タンクを備えなくてもよい。
【0019】
定置空気分離装置は、圧力スウィング吸着システムを含むことができる。このシステムは更に、圧力スウィング吸着システムから濃酸素ガス生成物を受け取るようになっている貯蔵タンクを含むことができる。代替的には、圧力スウィング吸着システムから濃酸素ガスを受け取るための貯蔵タンクを備えなくてもよい。
【0020】
本発明の最後の実施形態は、濃酸素ガス生成物を発生させる方法であって、
(a)非加湿濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む第1のガスポンプと、第1のガスポンプを駆動するようになっている第1のモータと、第1のモータに電力を提供するようになっている充電式電源システムと、充電式電源システムを充電するようになっている第1のコネクタと、加湿濃酸素ガスを受け取るようになっている第1のフローカップリングと、非加湿濃酸素ガスと加湿濃酸素ガスとを互いに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成するようになっている配管手段と、濃酸素ガス生成物送出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットを用意するステップと、
(b)携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットを用意するステップであって、定置ベースユニットが、加湿濃酸素ガスを発生させるための定置空気分離装置及び加湿器と、定置空気分離装置に空気を供給する手段を含む第2のガスポンプと、第2のガスポンプを駆動するようになっている第2のモータと、第1のフローカップリングと接続するようになっている第2のフローカップリングと、加湿濃酸素ガスを第2のフローカップリングに移すための配管と、第2のモータに電力を提供するようになっている定置電源システムと、携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとが互いに結合されたときに携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源システムを充電するために第1のコネクタと接続するようになっている第2のコネクタとを含んでいるステップと、
(c)これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを非結合モードで作動するステップであって、携帯用酸素発生器ユニットが、空気を分離して濃酸素ガス生成物送出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で非加湿濃酸素ガスを濃酸素ガス生成物として提供するように作動されるステップと、
(d)(1)第1及び第2のコネクタを互いに接続しかつ第1及び第2のフローカップリングを互いに接続することによって携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとを互いに結合し、
(2)携帯用酸素発生器ユニットを作動させて空気を分離し非加湿濃酸素ガスを提供し、
(3)定置ベースユニットを作動させて空気を分離し濃酸素ガスの流れを提供し、濃酸素ガスの流れを加湿して加湿濃酸素ガスを提供し、加湿濃酸素ガスを非加湿濃酸素ガスに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成し、濃酸素ガス生成物送出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第2の流量で加湿濃酸素ガス生成物を供給する、ことによってこれら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを結合モードで作動するステップであって、第2の流量が第1の流量よりも多いステップと、
を含む方法を含んでいる。
【0021】
以下の図面には本発明の実施形態が示されているが、必ずしも一定の比率に縮小されていない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の略図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態の略図である。
【図3】図3は、本発明の第3実施形態の略図である。
【図4】図4は、図3の実施形態の単純化態様の略図である。
【図5】図5は、図4の実施形態の代替態様の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態は、携帯用酸素発生器ユニットと、この携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットとを含む酸素濃縮システムに関する。酸素濃縮システムは、酸素発生システムとして説明することもでき、これら2つの呼称は相互に交換可能である。携帯用酸素発生器ユニットは、濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、携帯用空気分離装置に空気を供給するための手段を含む1次ガスポンプと、ガスポンプを駆動するための1次モータと、モータを駆動するための充電式電源と、携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段と、携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを移すためのコネクタ手段と、第1の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む。定置ベースユニットは携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっており、この定置ベースユニットは、携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを受け取るためのフローカップリング手段と、選択任意の第2の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む。
【0024】
本発明の第1実施形態が図1に示されている。この実施形態では、酸素濃縮システム1は、ここでは非結合モードで示されている携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とを含む。携帯用酸素発生器ユニット3は、空気分離装置7と、ガスポンプ9と、ガスポンプ用1次駆動モータ11と、充電式電源13と、濃酸素ガス生成物を貯蔵するための選択任意の生成物貯蔵タンク15とを含む。充電式電源13はモータ11を駆動し、ユーザ用ディスプレイ/制御パネル(図示されていない)に電力を提供する。これらの構成要素はエンクロージャ又はケース17内に配置される。
【0025】
充電式バッテリでよい充電式電源13は、導線19を通じて1次駆動モータ11に直流電力を提供する。バッテリの作動が低下したときには、コネクタ23及び25を介し導線27に接続されうる導線21を通じて、選択任意に直流電力を1次駆動モータ11に供給することができる。外部供給直流電力が1次駆動モータ11に供給されるとき、必要であればバッテリが充電される。導線27は、例えば自動車の直流電源アウトレット又はその他の直流電源などの外部直流電源(図示されていない)から直流電力を供給することができる。代替的には、外部交流電源に接続される選択任意の交流−直流変換器(図示されていない)から導線27に直流電力を提供することもできる。
【0026】
充電式電源13がバッテリである場合、携帯用酸素発生器ユニット3が以下に説明される通り定置ベースユニット5に結合されると、導線29及びコネクタ31を通じて提供される直流電力によってバッテリが充電されうる。
【0027】
空気分離装置7は、ガスポンプ9からライン33を通じて加圧供給空気を受け取りかつここからガスポンプ9によりライン35を通じて排ガスが引き抜かれる圧力スウィング吸着(PSA)ユニット(後述する)でよい。ガスポンプ9は、入口ポート及びライン39を通じて供給空気37を引き込み、ライン43に接続された放出ポートから排ガス41を放出する。ガスポンプ9は典型的には、大気を取り込んで1から2.5atmaの圧縮供給空気をPSAシステムに放出する供給ガス圧縮器を含む。ガスポンプ9は典型的には、大気圧よりも高い圧力及び/又は大気圧よりも低い圧力で排ガスをPSAシステムから引き抜きかつほぼ大気圧で排ガスを放出する排ガス圧縮器も含む。供給ガス圧縮器及び排ガス圧縮器は典型的には、両方とも、ガスポンプ1次駆動モータ11によって作動される。後述する通り、ブースタモータのシャフトに結合するようになっているシャフトコネクタ12を駆動モータに装着してもよい。
【0028】
ガスポンプ9の供給ガス圧縮器及び排ガス圧縮器は、当該技術分野で公知のあらゆるタイプの圧縮器であってよく、スクロール式、ダイアフラム式、ピストン式、及び回転翼式圧縮器のなかから選択されうる。スクロール式圧縮器は本明細書において説明される空気分離装置に使用されるのに特に適している。
【0029】
本明細書において80モル%を越える酸素を含有するガスとして定義される濃酸素ガスは、空気分離装置7からライン45を通じて選択任意の生成物貯蔵タンク15に引き抜かれる。典型的には、濃酸素ガスは90モル%を越える酸素を含有する。濃酸素ガスは、ライン47を通じて生成物貯蔵タンク15から引き抜かれ、1つの入口と2つの出口とを有する流れ指向弁49に送られる。一方の出口はライン51及び生成物放出ポート即ち出口フローカップリング53に接続される。出口フローカップリングは、後述する通り、フローカップリング55に結合され又はこれから取り外されうる。フローカップリング55は、携帯用酸素発生器ユニット3が携帯モード即ち非結合モードで作動されるときに患者に濃酸素生成ガスを送出するためのカニューレ57に取り付けられる。流れ指向弁49の他方の出口は濃酸素ガスを出口カップリング61に送出するためのライン59に接続される。携帯用酸素発生器システム3と定置ベースユニット5とを結合する行為によって生成ガス流れがライン59に向かい、これらを取り外す行為によって生成ガス流れがライン51に向かうように、弁49を構成し配置することができる。
【0030】
代替実施形態(図示されていない)においては、流れ指向弁49を、携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とを互いに結合する行為により生成ガス流れがライン59に向かい、これらを取り外す行為により生成ガス流れがライン51に向かうように構成され配置される二つの分離弁に置き換えることができる。フローカップリング53及び55は、機械起動式一体弁を有する急速接続継手の二部分であってもよく、この弁はフローカップリング55に接続されると開弁しフローカップリング55から取り外されると閉弁される。同様に、フローカップリング61及び79も、類似の急速接続継手の二部分でよい。更に、フローカップリング81及び83も類似の急速接続継手の二部分でよい。
【0031】
従って、酸素発生システム1の一作動モードにおいて、携帯用酸素発生器ユニット3が携帯モードで作動するとき、即ち定置ベースユニット5から取り外されているときに、濃酸素ガス生成物はカニューレ57を通じて患者に送出される。他方の作動モードにおいては、携帯用酸素発生器ユニット3が定置ベースユニット5に結合されてこれら結合されたユニットが定置されているときに、濃酸素ガス生成物はカニューレ85を通じて患者に送出される。
【0032】
定置ベースユニット5は、定置電源システム63と、充電式バッテリでよい選択任意の予備充電式電源65と、ブースタモータ67と、選択任意の生成ガス加湿器69とを含む。ブースタモータは交流モータでも直流モータでもよいが、可変速度作動が必要とされる場合には直流モータが使用される。定置電源システム63は、交流−直流変換器と、例えば1つ又は複数の充電式バッテリを充電するようになっている直流バッテリ充電器とを含む。このシステムは、携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とが互いに結合されたときに充電式電源13を充電するために使用することができる。選択任意の予備充電式電源65は、充電式バッテリであってよく、受容部71に保持されて定置電源システム63から導線73を通じ充電されうる。定置ベースユニット5の全ての構成要素はエンクロージャ74内に配置される。定置電源システム63は、導線76及びプラグ78により外部交流電源に接続される。
【0033】
定置ベースユニット5は、携帯用酸素発生器ユニット3の対応するカップリング及びコネクタに結合及び接続可能ないくつかのカップリング及びコネクタを有する。コネクタ75は、充電式電源13を充電するためのコネクタ31に接続するようになっている。ブースタモータ67によって駆動されるシャフトカップリング77は、ブースタモータ67が1次駆動モータ11と連携しつつ作動されてガスポンプ9をより高い能力で作動させるための付加的電力を提供できるように、シャフトコネクタ12に結合されうる。フローカップリング79は、濃酸素ガスを選択任意の加湿器69に送出するために濃酸素ガス出口フローカップリング61に結合されうる。濃酸素生成ガス放出ポート即ちフローカップリング81は、後に説明する通り、フローカップリング83に結合され又はこれから取り外されうる。フローカップリング83は、濃酸素生成ガスを患者に送出するためのカニューレ85に取り付けられる。
【0034】
定置ベースユニット5及び携帯用酸素発生器ユニット3は、2つのモードで作動できる。第1のモードにおいては、定置ベースユニット5と携帯用酸素発生器ユニット3とは互いに分離され、携帯用酸素発生器ユニット3は単独で作動されて携帯用ユニットを運ぶことのできる歩行可能患者に対し濃酸素生成ガスを供給するようにする。携帯用ユニットには、充電式電源13から電力を供給でき、代替的には、コネクタ23及び25並びに導線27を通じて外部直流電源から電力を供給できる。導線27は、例えば自動車の直流電源アウトレット又はその他の直流電源といった外部直流電源(図示されていない)からの直流電力を供給できる。代替的には、導線27の直流電力を、外部交流電源に接続された選択任意の交流−直流変換器(図示されていない)から供給することができる。この作動モードの間、定置ベースユニット5は待機中であり、選択任意の予備充電式電源65を充電していてもよい。
【0035】
第2の作動モードでは、定置ベースユニット5と携帯用酸素発生器ユニット3とが互いに結合され、結合されたユニットの隣りに位置する歩行不能患者に濃酸素生成ガスを供給するために互いに連携しつつ作動される。このモードにおいては、シャフトカップリング77は、ブースタモータ67が1次駆動モータ11と連携しつつ作動してより高い能力でガスポンプ9を作動するための付加的な電力を提供するように、シャフトコネクタ12に結合される。フローカップリング79は濃酸素ガス出口フローカップリング61に結合されてこのガスを選択任意の加湿器69に送出する。濃酸素生成ガス放出ポート即ちフローカップリング81はフローカップリング83に結合され、濃酸素生成ガスはカニューレ85を通じて患者に送出される。このタンデムモードで作動しながら、コネクタ31及び75と導線29と導線21とを通じて電源システム63により、充電式電源13を充電することができる。予備電源システム65も導線73を通じて充電することができる。
【0036】
この第1実施形態の代替態様では、結合モードでガスポンプ9を駆動するための全ての動力がシャフトカップリング77及びシャフトコネクタ12を通じモータ67によって供給される。このモータ67は、上述した本実施形態の最初の態様でブースタモータとして使用されるモータよりも大きいモータである。1次駆動モータ11はこのモータはこの代替態様では作動されず、従って携帯モードのときのみ作動されるので耐用寿命が長くなる。
【0037】
本発明の第2実施形態が図2に示されている。この実施形態では、酸素発生システム1は、ここでは非結合モードで示されている携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とを含む。この第2実施形態では、2つのユニットがタンデムモード即ち結合モードで作動するときにベースユニットから携帯用ユニットに補助供給空気が供給されかつ排ガスが携帯用ユニットからベースユニットに引き抜かれるように、図1の携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5が変更されている。他の全ての特徴及び構成要素は典型的には、図1を参照して上述したものと同じである。この第2実施形態では、図1のブースタモータ67は使用されず、携帯用ユニット3の1次駆動モータは常に単独で作動する。
【0038】
図2において、1次駆動モータ201は、1次駆動モータ201が単独で作動しブースタモータに結合されない点を除いて、図1の1次駆動モータ11及びガスポンプ9と同様に、結合作動モードにおいても非結合作動モードにおいてもガスポンプ202を駆動する。結合モードにおいて、駆動モータ203は補助ガスポンプ205を駆動し、この補助ガスポンプ205は、入口ポートから補助供給空気207を引き込み、放出ポートから排ガス208を放出する。これら入口及び放出ポートは補助ガスポンプ205に接続される。ガスポンプ205は典型的に供給ガスブロワを含み、この供給ガスブロワは、大気207を取り込んでライン209と、フローカップリング211と、フローカップリング213と、PSAシステムでよい空気分離装置7にライン33を接続するライン215とを通じ補助圧縮供給空気を1から4atmaで空気分離装置7に放出する。また、ガスポンプ205は典型的に放出ガスブロワも含み、この放出ガスブロワは、ライン217と、フローカップリング219と、フローカップリング221と、ライン223とを通じ大気圧よりも高い圧力及び/又は大気圧よりも低い圧力で空気分離装置7からガスを引き抜いてほぼ大気圧でガスポンプ205からガス208を放出する。引き抜かれるガスはPSAシステム排ガスでありうる。供給ガスブロワ及び放出ガスブロワは典型的に、両方ともガスポンプ駆動モータ203によって作動される。
【0039】
この第2実施形態では、携帯用酸素発生器ユニット3は、非結合モードにおいて第1実施形態について説明したのと同様に作動する。結合モードにおいては、第2実施形態では、結合されたシステムは、すぐ上で説明した変更を除いて第1実施形態について説明したのと同様に作動する。この第2実施形態により、携帯用酸素発生器ユニット3のガスポンプのサイズを低減できるようになり、ここで図2のガスポンプ202は図1のガスポンプ9よりも小さく、それにより、携帯用酸素発生器ユニット3の重量が低減される。
【0040】
第2実施形態の代替態様では、結合作動モードにおいて全ての供給空気が、ライン209及び215を通じガスポンプ205によって空気分離装置7に供給され、全ての排ガスが、ライン217及び223を通じガスポンプ205によって空気分離装置7から引き抜かれる。この代替態様では、ガスポンプ205の能力及び駆動モータ203の出力は、上述した実施形態の最初の態様に比べて増大する。1次駆動モータ201及びガスポンプ202は、この代替態様では作動されず、携帯モードのときのみ作動されるのでモータ及びポンプの耐用寿命が長くなる。
【0041】
本発明の第3実施形態が図3に示されている。この実施形態では、酸素発生システム1は、ここでは非結合モードで示されている携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とを含む。この第3実施形態では、携帯用ユニットの空気分離装置の最大生成能力が減少されると共に、結合モード及び非結合モードのうちの一方又は両方の作動のために空気分離装置が定置ベースユニットに含まれるように、図1の携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5が変更されている。その他の全ての特徴及び構成要素は、図1を参照して上述したものと典型的に同じである。
【0042】
この第3実施形態の非結合作動モードにおいて、空気分離装置301例えばPSAシステムはライン305を通じてガスポンプ303から加圧供給ガスを受け取り、ガスポンプ303はライン307を通じてガス例えば排ガスを空気分離装置301から引き抜く。1次駆動モータ309によって駆動されるガスポンプ303は、入口ポート及びライン313を通じて供給空気311を引き込み、ライン317に接続された放出ポートから排ガス315を放出する。ガスポンプ303は典型的に、大気を取り込んで圧縮供給空気を1から2.5atmaで、PSAシステムでよい空気分離装置301に放出する供給ブロワを含む。また、ガスポンプ303は典型的に、空気分離装置301からガスを引き抜く放出ガスブロワも含む。引き抜かれるガスは、例えば大気圧よりも高い圧力及び/又は大気圧よりも低い圧力で空気分離装置7からPSAシステムから引き抜かれてほぼ大気圧で放出される排ガスでありうる。供給ブロワ及び放出ガスブロワは典型的に、両方ともガスポンプ1次駆動モータ309によって作動される。
【0043】
この第3実施形態では、定置ベースユニット5は、圧力スウィング吸着(PSA)ユニットでよい空気分離装置319を含み、この空気分離装置319は、ガスポンプ323からライン321を通じ加圧供給空気を受け取り、ライン324を通じて濃酸素ガスを提供する。放出ガスは、ガスポンプ323により空気分離装置319からライン325を通じて引き抜かれる。ガスポンプ323は、入口ポートから供給空気326を引き込み、引き抜いたガス327を放出ポートから放出する。ガスポンプ323は典型的に、大気を取り込んで圧縮供給空気を例えばPSAシステムに1から2.5atmaで放出する供給ブロワを含む。また、ガスポンプ323は典型的に、大気圧よりも高い圧力及び/又は大気圧よりも低い圧力で放出ガスを空気分離装置319から引き抜きかつこのガスをほぼ大気圧で放出するブロワも含む。引き抜かれるガスは、例えばPSAシステム排ガスでありうる。供給ブロワ及び排ガスブロワは典型的に、両方ともガスポンプ駆動モータ329によって駆動され、この駆動モータ329は電源システム333から導線331を通じて電力を受ける。モータ329は、交流モータでも直流モータでもよいが、可変速度作動が必要とされる場合には直流モータが使用される。
【0044】
定置ベースユニット5は、携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニットとが互いに結合されたときに充電式電源339を充電するために携帯用酸素発生器ユニット3のコネクタ337に接続されうるコネクタ335を含む。ベースユニットは、また、携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とが結合されたときに濃酸素ガスが空気分離装置301から選択任意の生成ガス貯蔵タンク302を通って流れることができるようにするために携帯用酸素発生器ユニット3のフローカップリング343に接続されるフローカップリング341を含む。この結合モードにおいて、互いに合流された空気分離装置301からの濃酸素ガス及び空気分離装置319からの濃酸素ガスはライン345を通じて加湿器347内に流入する。カニューレ353を通じて患者に最終濃酸素生成ガスを提供するために、定置ベースユニット5のフローカップリング350とフローカップリング351とが互いに結合される。選択任意には、携帯用酸素発生器ユニット3が待機中又は休止中であるときに、定置ベースユニットを非結合モードで作動させて濃酸素生成ガスを低流量で提供するようにしてもよい。
【0045】
上述の第3実施形態は、先に説明した第1及び第2実施形態の場合に比べて、携帯用酸素発生器ユニット3の重量を最小限に抑える。なぜならば、空気分離装置301を、非結合モードで作動している携帯用酸素発生器ユニット3から要求された量のみの濃酸素生成ガスを提供するサイズにすることができるからである。これに対して、第1及び第2実施形態の空気分離装置7は、結合モードで作動するときに携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5から要求される濃酸素生成ガスの全て又は一部を提供するサイズにされる。従って、図3の空気分離装置301を図1及び2の空気分離装置7よりも軽くすることができる。
【0046】
ベースユニットの場合には携帯用ユニットの場合よりも低重量、低体積及び出力効率はさほど重要でないので、定置ベースユニットのガスポンプ319の形式を携帯用発生器に使用されるガスポンプ303の形式と異ならせることができる。同様にベースユニットの場合には携帯用ユニットの場合よりも低重量、低体積及び出力効率はさほど重要でないので、定置ユニットの空気分離装置及びプロセスも携帯用ユニットのそれと異ならせることができる。
【0047】
本発明の第4の実施形態が図4に示されており、これは図3のシステムの単純化された態様である。図4の実施形態では、図3のフローカップリング341と、フローカップリング343と、選択任意の生成ガス貯蔵タンク302とフローコネクタ352間のライン348の三方弁と、フローカップリング343から三方弁までのラインとが排除されている。分岐ライン357がライン348に接続され、フローカップリング359が分岐ライン357に接続される。図示される通り、携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5の外部に配置されうるコネクタライン361の両端に、フローカップリング363及び365を取り付けることができる。コネクタライン361は、図示されるような可撓性のあるラインか、又は剛性配管でよい。代替的には、フローカップリング350及び365を使用せずにライン349に直接的に接続される可撓性配管又は剛性配管であってもよい。フローカップリング359には機械起動式遮断弁が設けられ、この遮断弁は、フローカップリング359及び363が互いに接続されると開弁位置になり、フローカップリング359及び363が互いに分離されると閉弁位置になる。フローカップリング359及び363は、例えば分離されると流れを遮断する、市販のあらゆる急速カップリング又は急速接続継手でもよい。携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5を含む酸素発生システム1のその他の部品は、図3を参照して説明したものと同じである。
【0048】
図4の実施形態では、携帯用酸素発生器ユニット3は、非結合モード即ち携帯モードにおいては図3の実施形態について上述したのと同様に作動する。この携帯モードにおいて、フローカップリング359とフローカップリング363とは互いに切断され、それにより、上述の通りフローカップリング359の遮断弁が閉弁される。携帯用酸素発生器ユニット3が非結合モード即ち携帯モードで作動するときには、濃酸素生成ガスは加湿されない。
【0049】
図3の実施形態の場合と同様、システムを結合モード即ち固定モードで作動させるために、酸素発生器ユニット3が定置ベースユニット5に合体され、電気コネクタ335が電気コネクタ337に結合されて充電式電源339を充電する。フローカップリング359及び363が互いに結合され、フローカップリング350及び365(使用されるならば)も互いに結合される。酸素は、上述の通り、空気分離装置301によって発生され、非加湿濃酸素ガスが選択任意の生成ガス貯蔵タンク302に、かつライン348を通じてタンク302から流れる。空気分離装置319は、ライン345を通じて加湿器347に流れる濃酸素ガスを発生し、このガスは加湿器で加湿され、加湿濃酸素ガスは、フローカップリング350及び365(使用されるならば)と、外部コネクタライン361と、フローカップリング359及び363と、ライン357とを通って流れる。酸素発生器ユニット3からの非加湿濃酸素ガスと定置ベースユニット5からの加湿濃酸素ガスとの合流された流れは、ライン348と、フローカップリング352(これは濃酸素ガス送出ポートを提供する)と、フローカップリング354と、ライン355とを通じて患者のカニューレ(図示されない)に流れる。
【0050】
空気分離器301及び319の最大設計生成物流量を、携帯用酸素発生器装置3及び定置ベースユニット5が結合モードで作動されるときに装置319がその最大生成物流量で又はほぼ最大生成物流量で作動するように、選択することができる。例えば、空気分離装置301及び319の最大設計生成物流量を、それぞれ3及び2リットル/分(lpm)とすることができる。この例では、携帯用酸素発生器ユニット3と定置ベースユニット5とを組み合わせて作動させることにより、空気分離装置319がその最高設計流量である2lpmで作動するときに2から5lpmの流量で患者に加湿濃酸素生成ガスを提供することができる。
【0051】
図4の実施形態は、このように、ライン355を通じて患者に加湿濃酸素ガスを提供し、この場合の加湿作用は、空気分離装置319からの濃酸素ガスを、携帯用酸素発生器ユニット3の空気分離装置301からの非加湿濃酸素ガスと合流する前に、定置ベースユニット5の加湿器347において行われる。この実施形態では、携帯モードでも結合作動モードでも、空気分離装置301からの濃酸素ガスには加湿が行われない。
【0052】
図4の実施形態では、フローカップリング352及び354を互いに接続することによって、携帯作動モードにおいても固定作動モードにおいても患者は同じカニューレを使用することができる。フローカップリング350及び365が使用されるならば、カップリング350はカップリング352と同一であってよく、このことにより、患者は生成ガスの供給のためにベースユニットのみを使用するために、カニューレカップリング354をカップリング350に接続できるようになる。このことにより、携帯用酸素発生器ユニット3が待機中又は休止中であるときに、濃酸素生成ガスがより低流量で患者に提供されるようにる。
【0053】
図4の実施形態ではいくつかの代替態様が可能である。1つの代替態様では、分離装置301は、選択任意の生成ガス貯蔵タンク302が濃酸素生成ガスの一定流れを提供する必要がないように、少なくとも4つの吸着床を利用した圧力スウィング吸着プロセスを含む。別の代替態様では、フローカップリング350及び365は使用されず、ライン361は加湿器347の出口に直接接続される。この代替態様では、携帯用酸素発生器ユニット3を定置ベースユニット3に合体させることによってシステムは携帯モードから結合モードに切り替えられ、このことにより、コネクタ335及び337が互いに結合されて充電式電源339が充電される。患者がフローカップリング359及び363を互いに接続して加湿濃酸素生成ガスがライン355を通じ提供され、このライン355フローカップリング352及び354で接続されている。
【0054】
図4の実施形態の別の代替態様が図5に略示されている。この代替実施形態では、T状組体501として説明される配管手段が携帯用酸素発生器ユニット3の側壁の外側に装着されており、ライン503がT状組体の側枝を選択任意の濃酸素生成物貯蔵タンク302に接続する。T状組体にはフローカップリング505が取り付けられ、このフローカップリング505は、フローカップリング354に接続されてライン355を通じ患者に濃酸素生成ガスを提供するようになっている。T状組体にはフローカップリング507も装着されており、このフローカップリング507は、フローカップリング509に接続されてライン511を通じ定置ベースユニット5の加湿器347から加湿濃酸素生成ガスを受け取るようになっている。T状組体501は、加湿濃酸素ガスと非加湿濃酸素ガスとを互いに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成するようになっており、この生成物は濃酸素ガス生成物送出ポート即ちフローカップリング505を通じて送出される。
【0055】
定置ベースユニット5のケーシングに、フローカップリング509及びライン511を保持する延長アーム513を設けることもできる。フローカップリング509には、フローカップリング507及び509が互いに接続されるときに開放位置になり、フローカップリング507及び509が互いに切断されるときに閉鎖位置になる機械起動式遮断弁が取り付けられる。フローカップリング507及び509は、例えば切断されると流れを遮断する、あらゆる市販の急速カップリング又は急速接続継手でよい。携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5を含む酸素発生システム1のその他の部品は、図3を参照しながら説明したものと同じである。
【0056】
T状組体501は図5において略示されており、ユニットの設計者はT状組体501を適切な任意の方法で携帯用酸素発生器ユニット3のケーシング又はハウジングに組み込むことができる。同様に、延長アーム513は略示されており、ユニットの設計者は延長アーム513を任意の適切な方法で可搬式定置ベースユニット5のケーシングに組み込むことができる。例えば、図5の構成の代替態様では、ライン503をT状組体501まで内部延長してT状組体501を携帯用酸素発生器ユニット3の側面の底部の近くに又は当該底部に配置することができる。この例では、可搬式定置ベースユニット5の延長アームはもっと短くなる。
【0057】
図5の実施形態の特徴は、T状組体501及び延長アーム513の実際の設計構成に関係なく、フローカップリング505及び507を携帯用酸素発生器ユニット3のケーシング又はハウジングの外に配置できることにある。
【0058】
図5のシステムの携帯用酸素発生器ユニット3は、非結合モード即ち携帯モードにおいて上述の通りに作動し、ライン503と、フローカップリング354及び505と、ライン355とを通じて患者に非加湿濃酸素生成ガスを送出する。携帯用酸素発生器ユニット3を定置ベースユニット5に合体することによってシステムは携帯モードから結合モードに切り替えられ、このことにより、コネクタ335及び337が互いに接続されて充電式電源339が充電される。この合体により、フローカップリング507及び509も互いに接続され、これにより、ライン355を通じて加湿濃酸素生成ガスが提供されるようになる。
【0059】
上述した5つの実施形態の代替態様は、患者が長期旅行を例えば自動車でしようとし、加湿濃酸素ガス生成物をおそらく携帯用ユニット単独で発生させるよりも大きい流量で必要とする場合に考えられうる。これらの代替態様のいずれにおいても、定置ベースユニット5には直流電源接続部が取り付けられ、定置ベースユニット5は、自動車で運ばれ、ベースユニット及び携帯用ユニットが結合モードで作動できるように自動車の直流電源アウトレットに接続されうる。代替的には、上述した第3,第4,又は第5実施形態において、患者は自動車での長期旅行にベースユニットだけを持っていくことができる。
【0060】
上述の実施形態のいずれにおいても、コンサーバを使用することによって患者の酸素使用効率が大幅に増大する。これは、典型的には吸入センサを使用してカニューレ入口におけるパラメータ例えば圧力を測定する周知の装置である。患者が吸気すると減圧が感知され、これが制御ユニットに中継され、制御ユニットは生成物タンクから生成ガスを放出する。患者が吐気すると増圧が感知され、これが制御ユニットに中継され、制御ユニットは生成物タンクからの生成ガスの放出を停止する。本発明の任意の実施形態には、当該技術分野で公知の様々なタイプのコンサーバのうち任意のものを使用することができる。コンサーバは、定置ベースユニット及び/又は携帯用酸素発生器ユニット3に設置されることができ、患者がコンサーバを使用してもしなくても濃酸素生成物を得られるように適切な配管及び制御装置を有する。
【0061】
図1,2,3,4及び5の酸素発生システム1は、携帯用酸素発生器ユニット3のケース17に取り付けられるユーザインターフェイス(図示されていない)を含むことができる。このインターフェイスは、システムをオンオフにするための制御装置と、連続出力モードとコンサーバモードとの間で切り替えるための制御装置を含む。インターフェイスは、また、ユニットがオンのときに酸素濃度が低いこと及びその他の作動条件又はアラームを示す各種のランプを有することもできる。低酸素流量又は低バッテリ充電レベルなどの状態に関する可聴アラームを使用することもできる。保守技術者又は患者が患者の主治医の助言に基づいて濃酸素生成物の規定の流量を変更できるように、携帯用酸素発生器ユニット3のケース17のパネルの裏側に配置されうる第2のインターフェイスを設けてもよい。流量を変更するための制御装置は、機械式又はデジタル式のものでよく、流量設定のデジタル表示を有することもできる。このインターフェイスは実行時間メータを含むこともできる。
【0062】
上述の通り、空気分離装置7,301及び319はいずれもPSAシステムでよく、PSAシステムの作動は、大気圧よりも高い圧力で吸着し大気圧よりも低い圧力で脱離するサイクルを含む。この用途に使用される典型的なPSAシステムは、複数の吸着床を含むことができ、例えば5つの吸着床を使用することができる。5つの吸着床を有するPSAシステムの一例では、例えば吸着/生成物製造と、別の吸着床に加圧ガスを提供する第1の脱圧と、更に別の吸着床に加圧ガスを提供する第2の脱圧と、選択任意のアイドル段階と、向流排気と、生成ガスを用いたパージと、第2の脱圧が行われる別の吸着床からのガスによる第1の加圧と、第1の脱圧が行われる更に別の吸着床からのガスによる第2の加圧と、生成物の再昇圧と、供給物の再昇圧と、を含むプロセス段階を有するサイクルを使用することができる。典型的なサイクル時間は10秒でありうる。
【0063】
空気分離装置7,301及び319はいずれも、PSAシステムでよく、ガス貯蔵タンクを使用することもできる。例えば、図1の選択任意のタンク15は、空気分離装置7からの濃酸素ガスを貯蔵することができ、図3−5の選択任意の生成物貯蔵タンク302は空気分離装置301からの濃酸素ガスを貯蔵することができる。定置ベースユニット5の空気分離装置319(図3−5)は、加湿器347の前に濃酸素ガスを貯蔵するためにガス貯蔵タンク(図示されていない)を使用することができる。
【0064】
空気分離装置7,301及び319のいずれのPSAシステムも、複数の吸着床、例えば4つ又はそれ以上の吸着床を有することができ、ガス貯蔵タンクが必要とされないように適切なサイクルでシステムを作動させることができる。この場合には、例えば選択任意の生成ガス貯蔵タンク15(図1)又は302(図3−5)が必要なくなる。同様に、空気分離装置319の後の生成物貯蔵タンクも必要なくなる。
【0065】
吸着床への及び吸着床からのガスの流れは、一対のロータリ弁によって制御することができ、一方のロータリ弁は吸着床の供給端のためのものであり、他方は吸着床の生成物端のためのものである。ロータリ弁は、単一のモータで作動される共通のシャフトによって作動されうる。このタイプのロータリ弁については、例えば2002年11月15日に提出された同時係属中の米国特許出願第10/295,144号において説明されている。この特許出願はそれを参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0066】
PSAシステムのこの例における吸着床は、吸着剤の2つの層を含むことができ、この場合、水除去用の吸着剤(例えばNaXゼオライト又は活性アルミナ)の層が各吸着床の入口端に配置され、空気分離用の窒素選択吸着層(例えばLiXゼオライト)が水除去用吸着剤と吸着床出口との間に配置される。これら吸着剤は、高速物質移動と妥当な圧力低下のと間のバランスをとるために、直径が0.25mmから1.0mmの範囲である従来の粒子でよい。代替的には、吸着剤を、モノリス、ラミネート又は当該技術分野で公知のその他のタイプの構造の形で利用してもよい。3LPMの93モル%酸素を発生させるための典型的な吸着床の寸法は、高さ87mm、直径53mmである。最小サイクル圧力は例えば0.25から0.65atmであり、最大サイクル圧力は例えば1.3から2.5atmaである。
【0067】
代替的には、空気分離装置7,301及び319はいずれも、周囲温度近傍で作動する高分子膜か又は高温で作動する混合金属酸化物イオン移送膜を利用した隔膜ベースのシステムでよい。隔膜ベースの空気分離システムの技術分野の現状を考えると、携帯用酸素発生ユニット3と比べて重量及び体積がさほど重要でない図3の定置ベースユニット5の空気分離装置319に使用するのに、これらのシステムが最も適しているかも知れない。例えば、空気分離装置319が混合金属酸化物イオン移送膜システムであり、空気分離装置310がPSAシステムであるといった、第3実施形態(図3)の変形例を考えることもできる。
【0068】
充電式電源13,65及び339はいずれも、重量と作動寿命との間に適切なバランスをとるために寸法決めされた充電式バッテリでよい。この場合、定置電源システム63及び333(図1及び3)は、交流−直流変換器と、携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5が互いに結合されたときに1つ又は複数の充電式バッテリを充電するようになっている直流バッテリ充電器とを含むことができる。このような機能のバッテリ及び電源システムは周知であり市販されている。
【0069】
代替的には、充電式電源13,65及び339はいずれも、例えば水素又はメタノールで作動する燃料電池システムでもよい。各燃料電池システムは、燃料電池と、水素又はメタノールを貯蔵するための手段とを含み、重量と作動寿命のバランスを適切にとるために寸法決めされることになる。この場合、定置ベースユニットの各定置電源システムも、例えば水素又はメタノールで作動する燃料電池を含むことができる。定置ベースユニットの各燃料電池システムは、駆動モータを作動させるために電力を発生する燃料電池を含み、水素又はメタノールを貯蔵するための一体手段を含むか又は外部燃料源に接続されうる。定置電源システムは、携帯用酸素発生器ユニット3とベースユニット5が結合されたときに充電式電源13,65及び339に燃料を供給するようになっている。
【0070】
デュアルモード式酸素発生器を作動させるために燃料電池とバッテリの組み合わせを使用することも考えられる。例えば、ベースユニット5の定置電源システムは、駆動モータ67,203及び329を作動させるための交流電源を含み、携帯用酸素発生器ユニット3は燃料電池システムを含むことができる。この場合、ベースユニット5の電源システムは、携帯用酸素発生器ユニット3及びベースユニット5が互いに結合されたときに充電式電源13,65及び339を充電するための水素を発生する電解ユニットを含むことができる。
【0071】
上述の5つの実施形態を、結合作動モード及び非結合作動モードにおいて様々な濃酸素ガス発生速度を示すように構成して作動させることができる。これら実施形態は、また、定置ベースユニットの構成及び作動のための選択任意の機能を含むこともできる。一連の5つの実施形態は、本発明を例証するために以下に説明されるが、本発明の範囲を限定しようとするものではない。表1には5つの実施形態が要約されている。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
実施形態1
この実施形態は、上述の通り図1のシステムを使用する。この実施形態では、携帯用空気分離装置7は、少なくとも80モル%酸素の純度の濃酸素ガス生成物を0.5から5LPMだけ送出するように寸法決めされたPSAシステムである。ガスポンプ9は、0.5から5LPMの要求範囲の濃酸素ガス生成物をPSAシステムが発生できるようにすべく、PSAシステムに充分な加圧空気を供給しかつPSAシステムから充分な排ガスを引き抜くように構成される。ガスポンプ1次駆動モータ11は、0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生させるために、ガスポンプ9を駆動して携帯用空気分離装置に充分な空気を提供するように構成される。定置ベースユニット5のブースタモータ67は、0から2LPMの濃酸素ガスを発生させるために、1次ガスポンプを駆動して携帯用空気分離装置に充分な空気を提供するように構成される。1次駆動モータ11はブースタモータ67に結合されるように構成され、これら結合された駆動モータは、0.5から5LPMの濃酸素ガスを発生させるために、携帯用空気分離装置に充分な空気を提供するように構成される。
【0075】
非結合作動即ち携帯作動モードにおいて、携帯用空気分離装置7は、患者によって運ばれ、バッテリである充電式電源13からの電力で作動する。PSAシステムは、0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生し、カニューレ57を通じて患者にガスを送出する。ガスポンプ9及び1次駆動モータ11は、0.5から3LPMの要求範囲の濃酸素ガス生成物をPSAシステムが発生できるように、PSAシステムに充分な加圧空気を供給しかつPSAシステムから充分な排ガスを引き抜くよう作動する。携帯用空気分離装置7の携帯作動中は、定置ベースユニット5は待機中であり、予備充電式バッテリ65を充電する。
【0076】
充電式電源13のバッテリは、完全に充電されると、少なくとも60分にわたり3LPMの生成速度で携帯用システムを作動する。患者が電源13のバッテリの完全充電時作動寿命よりも長い携帯作動が必要であると予想するときには、この実施形態でも以下の実施形態でもいくつかの選択肢が考えられる。第1の選択肢では、完全充電された予備バッテリ65が利用されて放電時に電力切れとなったバッテリと取り替えられる。第2の選択肢では、導線27が利用されて自動車のアウトレットなどの外部直流電源に接続され、次いでコネクタ25がコネクタ23に接続されて直流電力が導線21及び19を通じ提供される。第3の選択肢では、患者は選択任意の交流−直流変換器(図示されていない)を利用し、代替交流電源に接続して導線27,コネクタ23及び35及び導線19及び21を通じ直流電力が提供される。
【0077】
この実施形態の結合作動では、携帯用空気分離装置7及び定置ベースユニット5は、フローカップリング61及び79と、シャフトカップリング77及びシャフトコネクタ12と、コネクタ13及び75とによって結合される。結合作動中、定置ベースユニット5及び携帯用酸素発生器ユニット3は互いに結合され、タンデムユニットの隣りに居る歩行不能患者に0.5から5LPMの濃酸素生成ガスを供給するために連携しつつ作動される。このモードにおいて、ブースタモータ67が1次駆動モータ11と連携してより高い能力でガスポンプ9を作動させるために付加的な電力を提供するように、シャフトカップリング77がシャフトコネクタ12に結合される。フローカップリング79は、濃酸素ガス出口フローカップリング61に結合され、このガスを選択任意の加湿器69に送出する。濃酸素生成ガス放出ポート即ちフローカップリング81はフローカップリング83に結合され、濃酸素生成ガスはカニューレ85を通じて患者に送出される。このタンデムモードで作動している間、充電式電源13のバッテリは、コネクタ31及び75、導線29及び導線21を通じ電源システム63によって充電される。予備電源システム65のバッテリはレセプタクル71内に置かれ、必要に応じこの間に導線73を通じて充電される。
【0078】
実施形態1A
この実施形態は、結合モードにおけるガスポンプ9の駆動方法を除いて実施形態1と同じである。この実施形態では、結合モードでガスポンプ9を駆動するための電力は全て、シャフトカップリング77及びシャフトコネクタ12を通じモータ67によって供給される。モータ67は、上述の実施形態1においてブースタモータとして使用されるモータよりも大きいモータである。1次駆動モータ11はこの代替態様においてはアイドル状態であり、従って携帯モードのときしか作動されないのでこのモータの耐用寿命が長くなる。従って、携帯用空気分離装置7のPSAシステムが0.5から5LPMの濃酸素生成ガスを発生できるようガスポンプ9を駆動するように、モータ67は寸法決めされている。
【0079】
実施形態2
この実施形態は、上述の通り図2のシステムを使用する。この実施形態では、携帯用空気分離装置7は、少なくとも80モル%酸素の純度の濃酸素ガス生成物を0.5から5LPMだけ送出するように寸法決めされたPSAシステムである。ガスポンプ202は、PSAシステムが0.5から3LPMの濃酸素ガス生成物を発生できるようにすべく、PSAシステムに充分な加圧空気を供給しかつPSAシステムから充分な排ガスを引き抜くように構成される。ガスポンプ202は従って、実施形態1のガスポンプ9よりも小さい。ガスポンプ1次駆動モータ201は、この実施形態では、0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生させるために、ガスポンプ202を駆動して携帯用空気分離装置に充分な空気を提供するように構成される。
【0080】
駆動モータ203及び補助ガスポンプ205は定置ベースユニット5内に配置され、0から2LPMの濃酸素ガスを発生させるために、携帯用空気分離装置に充分な空気を提供ように寸法決めされる。
【0081】
この実施形態では、携帯用酸素発生器ユニット3は、非結合モードにおいては、上述の実施形態1に関して説明した通りに作動する。結合モードにおいて、結合されたシステムは、空気分離装置7のPSAシステムへの全ての供給ガス及びPSAシステムからの全ての排ガスがガスポンプ205と共にガスポンプ202によって提供されるように作動する。従って、この実施形態では、ガスポンプ202は実施形態1のガスポンプ9よりも小さく、これにより、携帯用酸素発生器ユニット3の重量が低減される。結合モードで作動するときに、システムは、カニューレ85を通じて0.5から5LPMの濃酸素ガス生成物を提供する。この実施形態の結合モードにおける他の作動形態は、実施形態1と同じである。
【0082】
実施形態2A
この実施形態では、結合作動モードにおける全ての供給空気は、ガスポンプ205によりライン209及び215を通じて空気分離装置7に供給され、全ての排ガスは、ガスポンプ205によりライン217及び223を通じて空気分離装置7から引き抜かれる。この実施形態では、ガスポンプ205の能力及び駆動モータ203の出力は上述の実施形態2と比べて増大されており、空気分離装置7のPSAシステムから0.5から5LPMの生成速度を提供する。1次駆動モータ201及びガスポンプ202は、この実施形態の結合モードでは作動されず、従って非結合モード即ち携帯モードにおいてしか作動されないので、これらモータ及びポンプの耐用寿命が長くなる。この実施形態のその他の全ての構成及び作動形態は、上述の実施形態2と同じである。
【0083】
実施形態3
この実施形態は、上述の通り図3のシステムを使用する。この実施形態では、携帯用酸素発生器ユニット3も定置ベースユニット5も、結合モードでは連携しつつ作動し非結合モードでは単独で作動することができる、完全な空気分離システムを有する。この実施形態では、携帯用空気分離装置301は0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生させるよう寸法決めされ、1次ガスポンプ303は0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生させるために携帯用空気分離装置に充分な空気を提供するよう寸法決めされ、1次駆動モータ309は、0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生させるために、1次ガスポンプを駆動して携帯用空気分離装置に充分な空気を提供するよう寸法決めされる。2次ガスポンプ323は、0から7LPMの濃酸素ガスを発生させるために定置空気分離装置319に充分な空気を提供するよう寸法決めされ、定置駆動モータ329は0−7LPMの濃酸素ガスを発生させるために、2次ガスポンプを駆動して定置空気分離装置319に充分な空気を提供するよう寸法決めされる。
【0084】
非結合モードにおいて、携帯用酸素発生器ユニット3は、実施形態1及び2について上述した通り作動し、0.5から3LPMの濃酸素ガスを発生し、このガスをカニューレ355を通じて患者に供給する。非結合モードにおいて、0から7LPMの濃酸素ガスを発生してこのガスをカニューレ353を通じ患者に供給するように定置ベースユニット5を作動させてもよい。このことは、携帯用酸素発生器ユニット3が保守又は修理のために休止中である場合に有利である。
【0085】
結合モードにおいて、携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5は、0から10LPMの濃酸素ガスを発生してこのガスをカニューレ353を通じ患者に供給するように、連携しつつ作動される。この実施形態は、上述した実施形態1,1A,2及び2Aのものに比べて携帯用酸素発生器ユニット3の重量を最小限に抑える。というのは、空気分離装置301を、非結合モードにおいて作動している携帯用酸素発生器ユニット3から要求される量の濃酸素生成ガスだけを提供するよう寸法決めすることができ、結合モードにおいて付加的生成物を提供するよう寸法決めする必要がないからである。定置ベースユニットに関しては低重量、低体積及び出力効率は携帯用ユニットに関してほど重要ではないので、定置ベースユニットのガスポンプ319のタイプを、携帯用発生器に使用されるガスポンプ303のタイプと異ならせることができる。同様に、ベースユニットに関しては低重量、低体積及び出力効率は携帯用ユニットに関してほど重要ではないので、ベースユニットのPSAシステム及びプロセスも、携帯用ユニットのものと異ならせることができる。
【0086】
携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5が結合モードで作動されるときの患者への濃酸素ガス生成物の流れに関して、以上の実施形態の代替態様が可能である。これら全ての代替実施形態において、定置ベースユニット5からの加湿酸素が携帯用酸素発生器ユニット3に流れ、酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニット5の結合作動モードにおいても非結合作動モードにおいても、携帯用酸素発生器ユニット3に結合されたカニューレを通じて患者に送出される。
【0087】
図1を参照した実施形態1及び1Aの代替実施形態では、加湿器69からの加湿濃酸素ガスの流れは、フローカップリング(図示されていない)と、ライン51に接続されるライン(図示されていない)とを通じて携帯用酸素発生器ユニット3に戻される。フローカップリング81と、フローカップリング83と、カニューレ85とはこれらの代替実施形態では使用されない。加湿濃酸素ガスは、互いに結合されたフローカップリング53及び55とカニューレ57とを通って患者まで移動する。
【0088】
図2を参照した実施形態2及び2Aの代替態様では、加湿器225からの加湿濃酸素ガスの流れは、フローカップリング(図示されていない)と、ライン51に接続されるライン(図示されていない)とを通じて携帯用酸素発生器ユニット3に戻される。フローカップリング81と、フローカップリング83と、カニューレ85とはこれらの代替実施形態では使用されない。加湿濃酸素ガスは、互いに結合されたフローカップリング53及び55とカニューレ57とを通って患者まで移動する。
【0089】
図3を参照した実施形態3の代替態様では、加湿器347からの加湿濃酸素ガスの流れは、フローカップリング(図示されていない)と、ライン348に接続されるライン(図示されていない)とを通じて携帯用酸素発生器ユニット3に戻される。フローカップリング350と、フローカップリング351と、カニューレ353とはこれらの代替実施形態では使用されない。加湿濃酸素ガスは、互いに結合されたフローカップリング352及び354とカニューレ355とを通って患者まで移動する。
【0090】
図2のプロセスシステムの2つのプロセスシミュレーションによって、上述の実施形態2が以下の実施例で例証される。これらの実施例は、ここに説明された特定の細部に本発明を限定するものではない。
【0091】
実施例1
「吸着」,Vol.1,pp.133−151(1995)におけるD.G.Hartzog及びS.Sircarの説明、「分離及び純化技術」,Vol.17(1),pp.11−20(1999)におけるS.Sircarらの説明に基づき、SIMPACガス吸着プロセスシミュレーションソフトウェアを用いて、図2の携帯用酸素発生器ユニット3の単独作動がシミュレーションされた。空気分離装置7は、0.753ACFM(実立方フィート/分)コンプレッサ及び1.088ACFM真空ポンプと共に作動される5床PSAシステムである。サイクル時間は10秒であり、圧力範囲は圧力比2.94で0.514atmaから1.5138atmaである。各吸着床は直径53mm、高さ87mmである。吸着床は、供給端に水除去のための深さ26mmのNaxゼオライト層と、次に空気分離のための深さ61mmの高リチウム交換低シリカXタイプゼオライトの層とを含む。このシステムは、酸素純度93%の3.28LPMの濃酸素ガスを発生させる。
【0092】
シミュレーションされたプロセスに使用されたサイクルステップが以下の表2に示される。
【0093】
【表3】

【0094】
ステップ1の最初の部分である供給ステップ中、生成ガスが吸着床から流れる前に、短い供給加圧時間がある。5つの吸着床同士の間のサイクルステップの関係を示すためにサイクルチャートが表3に示される。
【0095】
【表4】

【0096】
実施例2
実施例1と同じPSAシステム及び10秒サイクルを用いて、携帯用酸素発生器ユニット3及び定置ベースユニットの結合作動が、同様にシミュレーションされた。結合モードにおけるガスポンプ202及び205の両方の作動において、結合圧縮能力は1.243ACFMであり、結合真空ポンプ能力は1.795ACFMである。圧力範囲は、圧力比4.85で0.474atmaから2.297atmaである。この結合作動モードは、酸素純度93%の合計5.81LPMの生成物を発生させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素発生システムであって、
(a)携帯用酸素発生器ユニットであって、濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、該携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、該ガスポンプを駆動する1次モータと、該モータを駆動する充電式電源と、該充電式電源に電力を送るようになっているコネクタ手段と、濃酸素ガスを該携帯用酸素発生器ユニットから移すフローカップリング手段と、第1の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットと、
(b)該携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットであって、該定置ベースユニットが、該携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、該携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを受け取るフローカップリング手段と、第2の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む定置ベースユニットと、
を含むシステム。
【請求項2】
前記携帯用酸素発生器ユニットが非結合モードにおいて単独で作動して前記第1の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で濃酸素ガス生成物を供給することができる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットが結合モードにおいて連携しつつ作動して前記第2の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第2の流量で濃酸素ガス生成物を供給することができ、該第2の流量が前記第1の流量よりも多い請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記定置ベースユニットが、ブースタモータと、該ブースタモータと一体化される第1の駆動カップリング手段とを含み、前記携帯用酸素発生器ユニットが前記1次モータと一体化される第2の駆動カップリング手段を含み、前記定置ベースユニットが前記携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに該ブースタモータ及び1次モータが連携しつつ作動して前記1次ガスポンプを駆動するようになっている請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記定置ベースユニットが、定置駆動モータと、該定置駆動モータと一体化される第1の駆動カップリング手段とを含み、前記携帯用酸素発生器ユニットが前記1次ガスポンプと一体化される第2の駆動カップリング手段を含み、前記定置ベースユニットが前記携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに該定置駆動モータが前記1次ガスポンプを駆動するようになっている請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記定置ベースユニットが、2次ガスポンプと、該2次ガスポンプを駆動する定置駆動モータと、該2次ガスポンプからのガス取出しラインとを含み、前記携帯用酸素発生器ユニットが前記携帯用空気分離装置に流通してるガス取入れラインを含み、これらガス取出しライン及びガス取入れラインがそれぞれ、前記定置ベースユニットが前記携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに該2次ガスポンプが前記携帯用空気分離装置への空気の一部を提供できるように結合できるフローカップリング手段を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記定置ベースユニットが、2次ガスポンプと、該2次ガスポンプを駆動する定置駆動モータと、該2次ガスポンプからのガス取出しラインとを含み、前記携帯用酸素発生器ユニットが前記携帯用空気分離装置に流通しているガス取入れラインを含み、これらガス取出しライン及びガス取入れラインがそれぞれ、前記定置ベースユニットが前記携帯用酸素発生器ユニットに結合されたときに該2次ガスポンプが前記携帯用空気分離装置への空気の全てを提供できるように結合できるフローカップリング手段を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記定置ベースユニットが、補助濃酸素ガスを発生させるための定置空気分離装置と、該定置空気分離装置に空気を供給する手段を含む定置ガスポンプと、該定置ガスポンプを駆動するモータと、前記定置ベースユニットが前記携帯用酸素発生器ユニットに結合されたとき該補助濃酸素ガスを前記携帯用酸素発生器ユニットからの濃酸素ガスに合流させる配管手段とを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記携帯用空気分離装置が圧力スウィング吸着システムを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記定置空気分離装置が圧力スウィング吸着システムを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記定置ベースユニットが濃酸素ガス生成物に水分を付加するようになっている加湿器を更に含む請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
濃酸素ガス生成物を発生させる方法であって、
(a)携帯用酸素発生器ユニットであって、濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、該携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、該ガスポンプを駆動する1次モータと、該モータを駆動する充電式電源と、該携帯用酸素発生器ユニットの該充電式電源を充電するために電力を受け取るようになっているコネクタ手段と、該携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを移すフローカップリング手段と、第1の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットを用意するステップと、
(b)該携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットを用意するステップであって、該定置ベースユニットが、該携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するために電力を供給するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、該携帯用酸素発生器ユニットから濃酸素ガスを受け取るフローカップリング手段と、第2の濃酸素ガス生成物放出ポートとを含んでいるステップと、
(c)これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを非結合モードで作動するステップであって、該携帯用酸素発生器ユニットが、空気を分離して該第1の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で濃酸素ガス生成物を提供するように作動されるステップと、
(d)(1)前記コネクタ手段同士を互いに接続しかつ前記フローカップリング手段同士を互いに結合することによって携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとを互いに結合し、
(2)前記携帯用酸素発生器ユニットを作動させて空気を分離し濃酸素ガスを提供し、該濃酸素ガスを前記定置ベースユニットに移し、前記第2の放出ポートに取り付けられるカニューレを通じてユーザに第2の流量で濃酸素ガス生成物を供給する、
ことによってこれら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを結合モードで作動させるステップであって、該第2の流量が前記第1の流量よりも多いステップと、
を含む方法。
【請求項13】
酸素発生システムであって、
(a)濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、該携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、該ガスポンプを駆動する1次モータと、該モータを駆動する充電式電源と、該充電式電源に電力を送るようになっているコネクタ手段と、濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットであって、該携帯用酸素発生器ユニットが携帯モードで作動して第1の流量の濃酸素ガスを発生させるようになっている携帯用酸素発生器ユニットと、
(b)該携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットであって、該定置ベースユニットが該携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムを含んでいる定置ベースユニットと、
を含み、
これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットがそれぞれ、濃酸素ガスを携帯用酸素発生器ユニットから定置ベースユニットに移すようになっている第1のフローカップリング手段と、濃酸素ガスを定置ベースユニットから携帯用酸素発生器ユニットに移すようになっている第2のフローカップリング手段とを含み、定置ベースユニット及び携帯用酸素発生器ユニットが結合モードにおいて連携しつつ作動して前記第1の流量よりも多い第2の流量で濃酸素ガスを発生させるようになっているシステム。
【請求項14】
濃酸素ガス生成物を発生させる方法であって、
(a)濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、該携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む1次ガスポンプと、該ガスポンプを駆動する1次モータと、該モータを駆動する充電式電源と、該充電式電源を充電するために電力を受け取るようになっているコネクタ手段と、濃酸素ガス生成物放出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットを用意するステップと、
(b)該携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットを用意するステップであって、該定置ベースユニットが、該携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源を充電するようになっているコネクタ手段を含む定置電源システムと、濃酸素ガスを加湿する手段とを含んでおり、これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットがそれぞれ、濃酸素ガスを携帯用酸素発生器ユニットから定置ベースユニットに移すようになっている第1のカップリング手段と、濃酸素ガスを定置ベースユニットから携帯用酸素発生器ユニットに移すようになっている第2のカップリング手段とを含んでいるステップと、
(c)これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを非結合モードで作動するステップであって、該携帯用酸素発生器ユニットが、空気を分離して前記生成物放出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で濃酸素生成ガスを提供するように作動されるステップと、
(d)(1)前記コネクタ手段同士を互いに接続しかつ前記第1及び第2のカップリング手段を互いに結合することによって携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとを互いに結合し、
(2)前記携帯用酸素発生器ユニットを作動させて空気を分離し濃酸素ガスを提供し、該濃酸素ガスを前記定置ベースユニットに移し、濃酸素ガスを加湿して加湿濃酸素ガスを提供し、該加湿濃酸素ガスを前記携帯用酸素発生器ユニットに移し、前記携帯用酸素発生器ユニットの前記放出ポートに取り付けられる前記カニューレを通じユーザに第2の流量で加湿濃酸素ガス生成物を供給する、
ことによってこれら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを結合モードで作動させるステップであって、該第2の流量が前記第1の流量よりも多いステップと、
を含む方法。
【請求項15】
酸素濃縮器システムであって、
(a)非加湿濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、該携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む第1のガスポンプと、該第1のガスポンプを駆動するようになっている第1のモータと、該第1のモータを駆動するために電力を供給するようになっている充電式電源システムと、該充電式電源システムを充電するようになっている第1のコネクタと、加湿濃酸素ガスを受け取るようになっている第1のフローカップリングと、非加湿濃酸素ガスと加湿濃酸素ガスとを互いに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成するようになっている配管手段と、濃酸素ガス生成物送出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットと、
(b)該携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットであって、該定置ベースユニットが、加湿濃酸素ガスを発生させるための定置空気分離装置及び加湿器と、該定置空気分離装置に空気を供給する手段を含む第2のガスポンプと、該第2のガスポンプを駆動するようになっている第2のモータと、前記第1のフローカップリングに接続するようになっている第2のフローカップリングと、加湿濃酸素ガスを該第2のフローカップリングに移す配管と、該第2のモータに電力を提供するようになっている定置電源システムと、前記携帯用酸素発生器ユニットと該ベースユニットとが互いに結合されたときに前記携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源システムを充電するために前記第1のコネクタと接続するようになっている第2のコネクタとを含む定置ベースユニットと、
を含むシステム。
【請求項16】
前記第1のフローカップリングと、前記非加湿濃酸素ガスと前記加湿濃酸素ガスとを互いに合流させるようになっている前記配管手段と、前記濃酸素ガス生成物送出ポートとが、前記携帯用酸素発生器ユニットの外部に取り付けられて配置される請求項15に記載の酸素発生システム。
【請求項17】
前記携帯用空気分離装置が圧力スウィング吸着システムを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記圧力スウィング吸着システムから非加湿濃酸素ガスを受け取るようになっている貯蔵タンクを更に含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記圧力スウィング吸着システムから非加湿濃酸素ガスを受け取るためのガス貯蔵タンクを備えていない請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記定置空気分離装置が圧力スウィング吸着システムを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記圧力スウィング吸着システムから濃酸素生成ガスを受け取るようになっている貯蔵タンクを更に含む請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記圧力スウィング吸着システムから濃酸素ガスを受け取るための貯蔵タンクを備えていない請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
濃酸素ガス生成物を発生させる方法であって、
(a)非加湿濃酸素ガスを発生させるための携帯用空気分離装置と、該携帯用空気分離装置に空気を供給する手段を含む第1のガスポンプと、該第1のガスポンプを駆動するようになっている第1のモータと、該第1のモータに電力を提供するようになっている充電式電源システムと、該充電式電源システムを充電するようになっている第1のコネクタと、加湿濃酸素ガスを受け取るようになっている第1のフローカップリングと、非加湿濃酸素ガスと加湿濃酸素ガスとを互いに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成するようになっている配管手段と、濃酸素ガス生成物送出ポートとを含む携帯用酸素発生器ユニットを用意するステップと、
(b)該携帯用酸素発生器ユニットに結合するようになっている定置ベースユニットを用意するステップであって、該定置ベースユニットが、加湿濃酸素ガスを発生させるための定置空気分離装置及び加湿器と、該定置空気分離装置に空気を供給する手段を含む第2のガスポンプと、該第2のガスポンプを駆動するようになっている第2のモータと、前記第1のフローカップリングと接続するようになっている第2のフローカップリングと、加湿濃酸素ガスを該第2のフローカップリングに移すための配管と、該第2のモータに電力を提供するようになっている定置電源システムと、前記携帯用酸素発生器ユニットと前記定置ベースユニットとが互いに結合されたときに前記携帯用酸素発生器ユニットの充電式電源システムを充電するために前記第1のコネクタと接続するようになっている第2のコネクタとを含んでいるステップと、
(c)これら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを非結合モードで作動するステップであって、該携帯用酸素発生器ユニットが、空気を分離して前記濃酸素ガス生成物送出ポートに取り付けられるカニューレを通じユーザに第1の流量で非加湿濃酸素ガスを濃酸素ガス生成物として提供するように作動されるステップと、
(d)(1)前記第1及び第2のコネクタを互いに接続しかつ前記第1及び第2のフローカップリングを互いに接続することによって携帯用酸素発生器ユニットと定置ベースユニットとを互いに結合し、
(2)携帯用酸素発生器ユニットを作動させて空気を分離し非加湿濃酸素ガスを提供し、
(3)定置ベースユニットを作動させて空気を分離し濃酸素ガスの流れを提供し、濃酸素ガスの流れを加湿して加湿濃酸素ガスを提供し、加湿濃酸素ガスを非加湿濃酸素ガスに合流させて加湿濃酸素ガス生成物を形成し、前記濃酸素ガス生成物送出ポートに取り付けられる前記カニューレを通じユーザに第2の流量で加湿濃酸素ガス生成物を供給する、
ことによってこれら携帯用酸素発生器ユニット及び定置ベースユニットを結合モードで作動するステップであって、該第2の流量が前記第1の流量よりも多いステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−143256(P2011−143256A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−31112(P2011−31112)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【分割の表示】特願2005−15856(P2005−15856)の分割
【原出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】