説明

デュアルモード運転式の電動ロールチューブシステム

電動ロールチューブ用の駆動アセンブリが提供され、モーターと、多数のギヤステージを有するギヤアセンブリとを含んでいる。駆動アセンブリのモーターは、ピーク効率モーター速度の50%未満のモーター速度下に非効率的に運転され、環境音圧レベルが38dBAである状況下に約40〜44dBAの間の音圧レベルを生じる。効率はピーク効率の半分未満であることが好ましい。駆動アセンブリは、セットアップモーと超低速モードとを含む多数の運転モードを提供するコントローラーを含み、セットアップモードでの直線速度は超低速モードでのそれよりも大きく、好ましくは少なくとも2倍高速である。超低速モードでの騒音は好ましくはセットアップモードにおけるそれよりも好ましくは3dBAまたはそれ以上に少ない。コントローラーは入射光量レベルに応じて可撓性部材を調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2005年4月1日に提出した米国特許出願番号第11/096,783号の関連出願であり且つ同出願の優先権を主張するものである。
本発明は、シェード、スクリーンその他のような可撓性部材を巻き付けるために使用する電動ロールチューブシステムに関し、詳しくは、電動ロールチューブシステム用の駆動アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照するに、従来の駆動アセンブリ12を有する電動ロールチューブシステム10が示される。システム10は、回転自在に支持したロールチューブ14と、このロールチューブ14に巻き付けたウィンドウシェード布地のような可撓性部材16とを含んでいる。可撓性部材16は典型的には、その端部をローラーチューブ14に固定してこのロールチューブ14に係合させる。ロールチューブ14に可撓性部材16を固定する方法には様々なものが知られており、それらには、例えば、両面テープの使用、又は、クリップ部材をロールチューブ14の外側に設けた錠止用溝内に可撓性部材16越しに止めること等が含まれる。ロールチューブ14は、このロールチューブ14に関して可撓性部材16を巻き付けそして巻き解くべく、駆動アセンブリ12によって夫々反対方向に駆動される。従来の駆動アセンブリ12は、細長のハウジング18と、ハウジング18の端部に隣り合って位置付けたパック20とを含み、パック20はロールチューブ14の内面と係合し、駆動アセンブリ12がこのパック20を回転させるに従い、ロールチューブ14を駆動する。
【0003】
従来型のロールチューブ駆動アセンブリ12は、モーター22と、ハウジング18の内部に位置付けられてパック20と連結させたギヤアセンブリ24とを含む。モーター22とギヤアセンブリ24とは図2ではハウジング18を省略した状態で示される。従来の駆動アセンブリ12のモーター22はDCモーターである。再度図1を参照するに、アセンブリ12はロールチューブ14の内側で受けられており、そのため、この形式のロールチューブ駆動アセンブリは“内蔵型”駆動アセンブリと称される。既知のその他の電動ロールチューブシステムには、ロールチューブの外側に駆動アセンブリを位置付けたものもある。
【0004】
モーター22は、本明細書では“モーター速度”と称する回転速度でモーターにより回転される出力軸23を含む。従来の駆動アセンブリ12では、モーターは約2000rpmのモーター速度で運転される。モーター22の出力軸に連結したギヤアセンブリ24が、比較的高いこの2000rpmの入力モーター速度を、ロールチューブ14用の比較的遅い約27rpmの出力回転速度に減速させる。従って、従来の駆動アセンブリ12のギヤアセンブリ24ではギヤ比は約74:1(即ち、2000/27)である。
【0005】
モーターのトルク容量はモーター速度次第で変化することから、電動ロールチューブシステムのモーターは、可撓性部材16をロールチューブ14上に巻き付けるに十分なトルク容量を運転モーター速度で提供する必要がある。図3を参照するに、従来の駆動アセンブリ12でのモーター22の性能特性がグラフ表示されている。この形式のグラフは“モーター曲線”として参照される。モーター速度(Y軸で示す)と、モーターのトルク容量(X軸で示す)との間の関係が線26で示される。図示されるように、モーター22の最大モーター速度は約3150rpmであり、最大モータートルク容量は約280m−Nmである。同じく図示されるように、DCモーター22のモーターのトルク容量は全モーター速度範囲に渡り直線的に変化する。言い換えると、モーターのトルク容量は、モーター速度が0に近づく程に低速となる場合でさえも、モーター速度の低下と共に増大する。図3では速度対トルクを表す線26に沿ったモーターのトルク値は、動作中のモーターのトルクではなくむしろ、トルク容量を表す。言い換えると、モーター22は、0(即ち、無負荷状況)及び、速度対トルクを表す線26に沿った値との間の任意のトルクで所定のモーター速度で運転させ得る。運転速度が2000rpmであるときのモーター22のトルク容量は約99m−Nmである。
【0006】
図3に効率曲線28として示されるように、モーター22の効率はモーター速度次第でも変化する。Y軸上にモーター速度と共に示すモーター効率は、速度対トルクを表す線26から効率曲線28に垂直線を引いた位置の値を読み取って決定する。従って、モーターの運転速度が2000rpmの時の従来の駆動アセンブリ12のモーター22の効率は約25%である。図示されるように、25%というモーター効率はモーター22のピーク効率である。ピーク効率に関連するモーター速度はここではピーク効率モーター速度として参照する。ピーク効率モーター速度は最大モーター速度の約65%(即ち2000/3100)である。
【0007】
特定のモーター速度、トルク容量、モーター効率はDCモーターが異なれば変化するが、或る特性は全てのDCモーターで共通である。先ず、モーター速度やモータートルク容量は、0に近づく程の非常に低い速度を含む全範囲でのモーター速度を通して直線的に且つ反比例的に変化する。また、モーター効率は、軽負荷条件(即ち、モーター速度が最大モーター速度の50%以上でトルク容量が比較的小さい場合)下では一般にピークA効率に達する。従来の駆動アセンブリのモーターは駆動アセンブリによって、軽負荷条件でモーター速度のピーク効率付近で駆動されるようになっている。モーター製造業者は、以下に詳しく説明するようにそうした比較的軽い負荷条件下でのモーター運転を推奨している。
【0008】
既知のロールチューブ駆動アセンブリのギヤアセンブリには、プラネタリー平歯車が含まれる。プラネタリー平歯車は、構造的に経済的でしかも、他のタイプのギヤと比べて動力伝達性が効率的であることが望ましいが、平歯車は、運転時に周囲部分の歯同士が相互に噛み合う時の騒音が他のタイプのギヤと比較して大きい。ギヤ歯合に関連するこうした接触音はしばしば、“ギヤ打ち”と称され、歯合するギヤの回転速度の増大と共に大きくなる。既知のギヤアセンブリには螺旋ギヤを持つギヤステージも含まれる。螺旋ギヤは別の螺旋ギヤのフライト部分と常に係合する細長い螺旋状のフライト部分を含む。しかしながら、螺旋ギヤは経済性及び効率が、共に平歯車のそれよりも低い。
従来型の駆動アセンブリ12のギヤアセンブリ24は、3つのギヤステージ30、32、34を含むハイブリッド型のギヤシステムであり、第1ステージ30が螺旋ギヤを、第2及び第3の各ステージ32、34が夫々プラネタリー平歯車を有している。第1ギヤステージ30はモーター22に最も接近して位置付けられるので、第1ギヤステージ30の各ギヤは2000rpmという比較的い高速度で回転する。しかしながら、第2及び第3ギヤステージ32、34の各回転速度は2000rpmのモーター速度からステップダウンされる。
従来の電動ロールチューブシステムには、駆動アセンブリモーターを可変速度制御するためのシステムが含まれる。可変速度制御の機能構造は、可撓性部材の動作を実質的に一定化(“直線速度”又は“繊維速度”として知られる)するためのもので、可撓性部材がロールチューブ上に巻き付けられるに従い巻き層が形成され、関連して有効巻き付け半径が変化するのに応じて、ロールチューブの回転速度が可変モータ速度により調節される。もし、ロールチューブの回転速度が一定であると繊維速度は有効巻き付け半径が変化するにつれて変化してしまう。従来の電動ロールチューブシステムでは、可撓性部材がロールチューブ上に巻き付けられるに従い、モーター速度を減速させて繊維速度を実質的に一定化している。
【0009】
【特許文献1】米国特許出願番号第10/774,919号
【特許文献1】米国特許第5,848,634号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の電動ロールチューブシステムでは、各モードでの繊維速度が異なるマルチモードでの運転は提供されない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、回転自在に支持されたロールチューブと、このロールチューブに係合して捲き受けされる可撓性部材とを含む電動ロールチューブシステムが提供される。電動ロールチューブシステムは、モーター速度で回転する出力軸と、この出力軸に連結されてモーターにより駆動されるギヤアセンブリとを更に含む。ギヤアセンブリは、モーター速度に関して減速された出力回転速度を生じるようになっている複数のギヤステージを含む。
【0012】
電動ロールチューブシステムは、モーターを制御して可撓性部材をロールチューブに関して巻き付け又は巻き解かせるための、モーターに連結したコントローラーを更に含む。本発明のコントローラーは、可撓性部材を夫々異なる直線速度で移動させるための少なくとも2つの運転モードを提供するようになっている。
本発明の1実施例では、運転モードにはセットアップモードと、超低速モードとが含まれる。セットアップモードでの直線速度は超低速モードのそれよりも大きい。現在好ましい本発明の1実施例では、セットアップモードでの直線速度は超低速モードのそれの少なくとも2倍である。
【0013】
1実施例では、電動ロールチューブシステムは、超低速モードで運転した場合の騒音レベルが約3dBA、又はセットアップモードで運転した場合のそれよりもずっと小さい。
1実施例ではコントローラーは、コントローラーへの入力光レベルに応じて可撓性部材の位置を調節するべく、入力光レベル応答性のものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
同じ参照番号は同じ要素を表す図面を参照するに、図4から図6には本発明に従うロールチューブ駆動アセンブリ40が示され、細長のハウジング41に収納された、モーター42と、ギヤアセンブリ44とを含んでいる。駆動アセンブリ40は図1に示すロールチューブ14のようなロールチューブ内に受けられ、ロールチューブの内面と係合してロールチューブを回転させ、ウィンドウシェードのような可撓性部材を巻き付け又は巻き解くようになっている。駆動アセンブリ40がロールチューブ内に受けられ、ロールチューブの内面と係合する構成は従来の駆動アセンブリ12に関して説明したそれと類似のものである。しかしながら、以で詳しく説明するように、本発明の駆動アセンブリ40は、所定の負荷を駆動するためのロールチューブ径を低減させる、又は言い換えれば、所定径のロールチューブを大きな負荷で駆動させる新規な様式において形態付けられる。この新規な形態ではロールチューブの発する動作音は比較的静かであり、他方、ギヤアセンブリ44全体に平歯車伝達機構が望ましく利用される。
【0015】
駆動アセンブリ40のモーター42はDCモーターであることが好ましい。モーター42はモーター速度及びモータートルク下での機械的動力を伝達する出力軸43を有する。DCモーターは信頼性が高く、比較的安価で且つ大抵のロールチューブ用途における十分に小さいサイズでもトルク容量は適正である。DCモーターにはブラシ型とブラシレス型とがあり、それらのトルク/速度曲線は類似している。しかし、ブラシレス型のものでは、ブラシ型の場合とは逆に、巻き線したステータが永久磁石ローターを取り巻く配置となっている。ブラシレス型モーターはその構成上、ブラシ型モーターの、巻き線ローターへの電流流れを可能にするモーターブラシは不要なのである。ブラシレス型モーターのステータ巻き線は電子的に整流され、電流流れを制御するための制御用エレクトロニクスが必要である。ブラシ付きDCモーターは現在多様なものを入手可能であり、従って、経済的理由から現在好ましいものである。
【0016】
モーター42により生じる駆動アセンブリ40の騒音の大半はギヤアセンブリ44におけるものである。これらの騒音発生要素を図5に示すが、図5ではこの要素は、図2の従来の駆動アセンブリ12の相当する各要素との比較を容易化するべく、駆動アセンブリ40のその他の部分を省いた状態で示される。駆動アセンブリ40のギヤアセンブリ44は、モーター42の回転速度を、駆動アセンブリ40を受けるロールチューブを回転させるための所望の回転速度に落とすための第1及び第2の各ギヤステージ46、48を含む。第1及び第2の各ギヤステージ46、48の各ギヤはプラネタリー平歯車である。上述したように、プラネタリー平歯車をギヤアセンブリ44の全てのギヤステージを通して用いるのは、平歯車が経済的であり且つ、第1ギヤステージに螺旋ギヤの如きその他の形式のギヤを使用する従来の駆動アセンブリ12のそれと比較してギヤの伝達効率が高まることから望ましい。ギヤアセンブリ44のプラネタリー平歯車はプラスチック製であることが好ましい。
【0017】
図7を参照するに、モーター42のモーター曲線が示される。モーター22のモーター曲線である図3のそれと同様に、図7ではモーター速度、モータートルク容量、モーター効率を含むモーター42の色々な性能特性がグラフで表される。線51で示すように、モーター42のモーター速度及びモータートルク容量は、モーター22のそれと同様に0に近づく程の非常に低い速度を含む全範囲でのモーター速度を通して直線的に且つ反比例的に変化する。モーター42の最大モーター速度は約4200rpmであり、最大モータートルク容量は約122m−Nmである。効率曲線53が示す如く、モーター42のモーター効率は、モーターを約3700rpmの速度で運転した場合に約75%のピーク値に達する。
【0018】
図7に示すモーター曲線には、陰影領域55として示す、モーター製造業者による推奨運転範囲が含まれる。図示の如く、モーター42におけるこの推奨運転範囲には比較的高い負荷条件(即ち、比較的高速で且つ比較的モータートルクが小さい)に相当するモーター速度が含まれる。製造業者の推奨運転範囲にはモーター速度が3700rpmでのピーク効率が含まれているが、これは驚くには当たらない。先に議論したように、従来のロールチューブ駆動アセンブリではモーターは製造業者の推奨に従う軽負荷条件で運転される。詳しくは、製造業者はモーター42を約3200rpm以上のモーター速度で運転する、つまり、モーター42の最大モーター速度である4200rpmの約76〜100%の間で運転することを推奨しているのである。モーター42の推奨運転範囲には、モーター18におけると同様に、モーター速度が3700rpmでのピーク効率が含まれる。
【0019】
斯界の慣行に従ってロールチューブ駆動アセンブリのモーターを製造業者の推奨運転範囲内で運転するのは直感的には好ましく思える。先に議論したように、推奨運転範囲にはピーク効率モーター速度が含まれることから、推奨運転範囲ではモーターは効率的に運転される他、この推奨範囲に関連する負荷条件は比較的軽い(即ち比較的低トルク)ので、重負荷でモーターを運転した場合に生じ得るオーバーヒートによるダメージが制限され、かくしてモーター寿命も延びる。
しかしながら駆動アセンブリ40は、モーター42を慣行通りに製造業者の推奨運転範囲内で運転する形態を有さず、図7に斜線陰影領域57で表す好ましいモーター速度範囲で、重負荷(即ち、比較的高いトルク)で好ましく運転される。好ましい運転範囲である斜線陰影領域57には、図示されるように0〜約1500rpmのモーター速度が含まれる。上限速度1500rpmは、モーター42の最大モーター速度である4200rpmの約36%の速度である。駆動アセンブリ40では、モーター42を、最大モーター速度の約20%であるに過ぎない約850rpmの速度で運転することが最も好ましい。図7に線51で示すように、モーター42を850rpmの速度で運転した場合のモーター42のトルク容量は98m−Nmであり、モーター効率は曲線53で示すように約19%である。このモーター効率はモーター42のピーク効率のおよそ1/4(即ち19/75)であるに過ぎない。本発明の駆動アセンブリ40は、モーター42を、推奨運転範囲よりもずっと外側の、モーターにとっては非常に非効率的なモーター速度で運転するような形態とされる。
【0020】
850rpmでの運転時のモーター42の98m−Nmと言うトルク容量は従来の駆動アセンブリ12のモーター22を2000rpmの速度で運転した場合に得られる99m−Nmというトルク容量に概略等しいものであるが、モーター22は直径が約4.1cm(1.65in)であるのに対し、モーター42の直径は約3.1cm(1.22in)であるに過ぎない。従って、本発明は、モーターを推奨運転範囲外の速度で非効率的に運転することにより、類似の適用負荷を駆動するための類似のトルク容量を提供し、他方、モーターの直径を低減させ得るのである。モーターの直径が減少するとロールチューブの必要直径も相当分低減する。ロールチューブ径の低減は、設置外観を嵩張らせないために審美的に望ましい。本発明は、モーター直径を減少させる代わりにトルク容量を増大させて、モーターの被駆動負荷を増大させるために使用することもできる。
【0021】
従来の駆動アセンブリ12は長さが約6.8cm(2.7in)であり、モーター22のアスペクト比(即ち長さ対直径)は約1.64(即ち、2.7/1.65)である。このアスペクト比は標準的なトルクモーターでは代表な値である。本発明の駆動アセンブリ40のモーター42も長さは約6.8cm(2.7in)であるが、モーター42のアスペクト比は約2.21(即ち、2.7/1.22)となる。モーター42におけるアスペクト比増大の効果が図2及び図5に示される。モーターのトルク容量が、Bを磁気フラックス、Iを電流、D及びLを夫々モーターの直径及び長さとした場合にBID2Lに比例して変化することは既知であり、かくして、モータートルク容量はB、I、D、Lの何れか一つを大きくすると増大する。モーター42のアスペクト比が標準型のトルクモーターに関連するそれよりも大きくなっていることから、モーター42は“高”トルクモーターであると考えられる。アスペクト比増大(即ち、長さの増大)により得られるトルク容量増大が、モーター42の直径の小ささに関連するトルク容量の減少が部分的に相殺されるのである。直径Dは先の関係(即ち、BID2L)では2乗されるので、直径減少がトルク容量に与える影響は長さの増大による同影響よりもずっと大きくなる。
従って、本発明によれば、上述した好ましい運転範囲である斜線陰影領域57に関連する重負荷条件で小直径モーターを運転する場合でもトルク容量が増大する。
【0022】
先に言及した如く、850rpmのモーター速度で運転するモーター42により提供されるトルク容量値98m−Nmは、従来の駆動アセンブリ12を2000rpmのモーター速度で運転した場合に得られるトルク容量値である99m−Nmにおよそ等しいものであるが、本発明は任意の特定のトルク容量に限定されるものではない。従って、駆動システムを、もっと直径の小さいロールチューブ内で使用するべく、モーター42と比較してトルク容量を小さくした、直径のずっと小さいモーターを含むような形態のものとすることができる。例えば、最大トルク容量値が50m−Nm〜75m−Nmの間であるモーターを使用して、直径が約4.1cm(1.625in)のロールチューブを駆動させることが可能である。
先に議論したように、プラネタリー平歯車はその経済性や、ギヤ効果の点でギヤ形式として好ましいものであるが、従来型の駆動アセンブリに関連する比較的高回転のモーター速度で駆動すると望ましからざる程に騒々しくもある。しかし本発明では、モーター速度を約850rpmに落とすことで、第1ギヤステージ46でのギヤ打ちによる過剰な騒音を伴うこともなく、こうした平歯車をギヤアセンブリ44の各ステージで望ましく使用することができる。上述したように、モーター速度を850rpmに落とすとギヤアセンブリ44の必要ギヤ比も約20:1に落ちる。その結果、ギヤステージ数を3から2に減らすことが可能である。ギヤステージ数が減少すると、ギヤアセンブリの総ギヤ数が減少し、ギヤアセンブリから発生する騒音は更に低減する。
【0023】
電動ロールチューブシステムの駆動アセンブリは駆動アセンブリモーターのモーター速度を可変制御可能であることが望ましい。そうした可変速度制御は、有効巻き付け半径が変化することを考えれば、ロールチューブ上に巻き付けられる可撓性部材の動きを実質的に一定化するために望ましいものである。可撓性部材は、ロールチューブ状に巻き付けられるにつれて層(又は“巻き付き”)を形成し、可撓性部材の巻き付け又は巻き解きによって有効巻き付け半径が変化する。かくして、ロールチューブを一定の回転速度で駆動すると、可撓性部材の移動速度(しばしば“直線速度”または“繊維速度”)は有効巻き付け半径が変化することで変動する。繊維速度を一定に維持するには、可撓性部材がロールチューブ上に巻き付けられるに従い回転速度を落としてゆく必要がある。従って、回転速度は、可撓性部材がロールチューブから完全に巻き解かれる(即ち、“全降下”または“全閉”位置)時又はその近傍で最大となる。可撓性部材が全降下位置にある時はロールチューブへの可撓性材料の巻き付け量は最小であり、可撓性材料によるロールチューブの音量減衰量は最小となる。従って、電動ロールチューブシステムの出す音圧レベルは、可撓性材料が全降下位置又はその付近にある時に駆動アセンブリがロールチューブを駆動する場合に最大となる。
【0024】
本発明によれば、ギヤアセンブリ44の各ギヤステージに平歯車を望ましく含み、他方、駆動アセンブリの発生する騒音が抑えられる駆動アセンブリ40が提供される。電動ロールチューブシステムには、直径約4.1cm(1.625in)のロールチューブ内に収納した駆動アセンブリ40が含まれ、この駆動アセンブリ40が、約0.91Nm(約8.1in−lb:即ち、10ポンドの可撓性部材を半径0.81インチに付加)の負荷を駆動するために使用される。電動ロールチューブシステムの発生する音量レベルを、ロールチューブの駆動端から約1m(3ft)離れた位置で音圧計を用いて測定した。可撓性部材が全降下位置又はその付近の位置にある時に駆動アセンブリ40がロールチューブを駆動する際に発生する音圧レベル(即ち、電動シェードアセンブリから生じる最大音量レベル)は、周囲音圧レベルが38dBAである環境下で約43dBAであった。38dBAと言う周囲音量レベルは、例えば、ドアを閉めたプライベートオフィスのような、比較的静かなオフィス環境での音圧レベルである。前記設定で電動ロールチューブシステムの発生する音圧レベルは、約40〜44dBAであれば邪魔にならず且つ快適なものであると考えられる。平歯車をモーター製造業者の推奨運転範囲に関連する速度よりもずっと低い回転速度で駆動する本発明の駆動アセンブリから発生される音圧レベルは、平歯車をそうした推奨運転範囲よりも高い回転速度で駆動する従来の電動ロールチューブシステムのそれと比較して好ましいものだった。従来の電動ロールチューブシステムには、周囲音圧レベルが38dBAの環境に、ロールチューブの駆動端から約1m(3ft)離れた位置での音圧レベルが50dBAを越えるシステムが含まれる。そうした周囲音圧環境では50dBAを上回る音圧は邪魔であり且つ不快であると考えられる。
【0025】
上述したギヤアセンブリ44には2つのギヤステージ46、48が含まれるが、ギヤステージ数は臨界的なものではない。従って、本発明に従う駆動アセンブリは、これまで説明した実施例に示す2つのギヤステージ以上のギヤステージを含み得る。しかしながら、先に議論したように、ギヤステージ数を減らすとギヤアセンブリ内の合計ギヤ数が減少してギヤ打ち騒音も減少する。
議論したように、駆動アセンブリ40によるモーター42の運転効率が重負荷条件で悪化するのは直感に反するものである。モーターの運転効率が悪いのに加え、好ましい運転範囲である斜線陰影領域57に関連する重負荷トルク条件下でのモーターの運転が維持されることで、モーターはオーバーヒートし、おそらくはその寿命が短縮されるダメージを受ける。しかしながら、電動ロールチューブシステムのモーターは通常は連続運転されることはない。典型的な電動ロールチューブシステム、例えばウィンドーシェードのシェード繊維は、朝は巻き上げられ、夜になれば巻き下げられ、そして一日の間に何度かは幾つかのその他の位置に調節される。従って、殆どの特殊状況を除けば、モーター42はその寿命までに、非効率的な運転による明らかな影響を受けることはないだろう。しかしながら、モーター42を保護するために、駆動アセンブリ40をモーター42の実働時間を追跡する形態とすることが可能である。この場合、モーター42は、所定期間中に、仮にモーターをそのまま運転させ続けたとしたらモーターに悪影響が生じたであろう過剰な動作が発生すると停止される。あるいは、モーターのコンディションを、モーター又は関連する部品の温度に基づいて、又は熱電対、サーミスタ、温度センサその他の好適な検出装置を用いて監視することができる。
【0026】
図4を参照して、駆動アセンブリ40の構造上の詳細を更に説明する。細長のハウジング41はチューブ状を有し、駆動モーター42と、ギヤアセンブリ44とを格納する内側部分を画定する。駆動アセンブリ40は駆動モーター42の運転を制御するための電子ユニット(“EDUコントローラー”)50を含んでいるのが好ましい。EDUコントローラー50はその制御回路(図示せず)を搭載するための印刷回路基板52を含み、上述した様式でモーター42の実行時間を追跡する形態を有し得、所定機関内にモーター42が過剰使用されてモーターがダメージを受けそうな場合はモーターの運転を停止させる。EDUコントローラー50は支承体スリーブ54及び支承体マンドレル56をハウジング41の端部に隣り合う位置に含む。電動ロールチューブシステム用の電子駆動ユニットは既知であり、ここでは説明されない。
【0027】
駆動アセンブリ40は、ハウジングの、前記支承体スリーブ54及び支承体マンドレル56を取り付けた側と反対側の端部に隣り合って位置付けた駆動パック58を含み、この駆動パック58は、駆動アセンブリ40のハウジング41に駆動支承体62を介して回転自在に支持させたパック軸60に連結される。パック軸60は、駆動モーター42が駆動パック58を駆動上対で回転させるようにして、駆動アセンブリ40のギヤアセンブリ44に連結される。駆動パック58はその外側周囲部分に長手方向溝を有し、この長手方向溝が、駆動アセンブリをロールチューブ内に受けさせた場合の、駆動パック58の外側表面と、ロールチューブの内側表面との係合を助成する。駆動アセンブリ40は、EDUコントローラー50用の支承体スリーブ54と支承体マンドレル56とがロールチューブの端部に隣り合わせて位置付けられるようにして、ロールチューブの内側部分に受けられるようになっている。駆動アセンブリ40は、ブレーキ入口66と、ブレーキ出口68と、ブレーキマンドレル70とを有するブレーキ64をも含む。ブレーキ64はパック軸60を受ける内側部分を画定し、また、駆動モーター42と駆動パック58とが相対回転しないようにパック軸60と係合するようになっている。この係合により、既に巻き解かれた可撓性部材部分や、この可撓性部材に担持させた縁棒材の負荷がロールチューブに加わるので、可撓性部材が巻き解かれるのが防止され、かくして可撓性部材は選択位置に保持される。ロールチューブ駆動アセンブリ用のブレーキは既知であり、これ以上の説明はなされない。
【0028】
図6を参照するに、駆動アセンブリ40の駆動モーター42及びギヤアセンブリ44の1実施例の詳細が示され、ギヤアセンブリ44が、リングギヤカバー74の内側に受けられたリングギヤ72を含んでいる。モーター42とリングギヤカバー74との間にはモーターアダプタ76が位置付けられる。モーターアダプタ76はリングギヤカバー74と係合する。リングギヤカバー74は、モーターアダプタ76の相当形状の切り欠き80に受けられるタブ78を含み、このタブ78が、モーターアダプタ76とリングギヤカバー74との相対化移転を制限する。リングギヤカバー74はブレーキマンドレル70によって受けられる端部フィッティング82をも含む。
ギヤアセンブリ44は、出力軸43と共に回転するようにして駆動モーター42の出力軸43に取り付けたサンギヤ45を含む。サンギヤ45は、出力軸43上に押し付けられることが好ましい。ギヤアセンブリ44の第1及び第2の各ギヤステージ46、48は、リングギヤ72の内側表面に形成した長手方向ギヤ歯96と歯合する3つの平歯車96を含む。サンギヤ45は第1ギヤステージ46の平歯車と歯合し、第1ギヤステージ46の平歯車はモーター速度でサンギヤ45によって回転される。第1ギヤステージ46の各平歯車はサンキャリヤ88の各ピン90上に回転自在に受けられ、第2ギヤステージ48の各平歯車は六角キャリヤ92の各ピン94上に回転自在に受けられる。サンギヤ98はピン90の反対側でサンキャリヤ88に固定されるとともに、第2ギヤステージ48の各平歯車と歯合して、サンキャリヤ88が第1ギヤステージ46によって駆動されると第2ギヤステージの各ギヤを回転させる。ピン94とは反対側で六角ソケット100が六角キャリア92に固定される。ギヤアセンブリ44は第2ギヤステージアダプター102をも含み、このアダプター102は、六角キャリヤ92の六角ソケット100によって受けられる六角ヘッド104と、六角ヘッド104の反対側で駆動パック軸60の端部を受けるソケット106を含んでいる。第2ギヤステージアダプター102は、六角キャリヤ92が第2ギヤステージ48によって駆動される時の六角キャリヤ92の回転を駆動パック58に伝達する。
【0029】
駆動アセンブリ40のEDUコントローラー50は、モーター42の速度を可変速度制御することが好ましい。そうした可変速度制御は、ロールチューブ駆動アセンブリにおいては、可撓性部材のロールチューブ上への巻き付き動作(“直線速度”又は“繊維速度”)が実質的に一定となるように速度を調節する上で望ましいものである。そうした制御システムの一例は“Control System for Uniform Movement of Multiple Roller Shades”と題する、2004年2月9日に提出された米国特許出願番号第10/774,919号に開示される。可撓性部材がロールチューブ上に巻き付けられて行くに従い、可撓性部材の材料から成る層(又は“巻き付き”)が形成される。この繊維層が、繊維をロールチューブに受けさせる、又は巻き解かせるところの半径を変化させるので、仮にロールチューブを一定の回転速度で駆動すると可撓性部材の移動速度はロールチューブ上に巻き付かれるに従って速くなる。DCモーターの速度を、パルス幅変調方式を使用したモーター電圧制御を用いて制御することが知られている。パルス幅変調方式でモーター速度を可変制御する電動ロールチューブシステムの一例は米国特許第5,848,634号に記載される。
【0030】
上述した駆動アセンブリの駆動モーター42はDCモーターであるが、ブラシ型DCモーターであることが好ましい。特に、モーターの被駆動負荷が比較的大きく、DCモーターよりはACモーターを使用する方が好ましい用途があり得る。そうした状況は、例えば、端部を連ねるように配置した多数のロールチューブを単一のモーターで駆動する場合に生じ得る。AC誘導モーターを使用する可変速度制御ではモーターへの電圧だけでなく、周波数も変調される。AC誘導モーターは代表的には、各々が1つのAC電圧波形で駆動される一組のステータ巻き線が巻き付けられる。典型的には、モーターステータの周囲部分に沿って3つの別個の巻き線が間隔を置いて配置され、3相のAC電圧波形で駆動される。駆動電圧波形の位相変位によりモーターの回転セクションに回転磁場が発生し、ローターに誘起された磁場と、ステータの磁場とが反発して、ローターにおける正味のトルクが発生する。ローターの旋回速度は駆動波形の周波数と、ステータの巻き線構造によって生じる電極数とに関連する。この関係は式:n=120×F/Pによって表される。nはローターのrpm速度であり、Fはヘルツでの駆動電圧周波数であり、Pは電極数である。
【0031】
市販入手可能なAC誘導モーターの電極数は代表的には2又は4つである。この形態であればステータ巻き線の製造は容易である。電極数が2及び4のAC誘導モーターは、代表的には、60Hzの駆動電圧波形で駆動した場合、夫々3600rpm及び1800rpmの公称速度で動作する。こうした形式のモーターを約750から900rpmの速度で運転させるには運転周波数を引き下げる必要があるが、これは周波数制御インバーター回路を使用すれば可能である。例えば、4極のAC誘導モーターを750rpmの速度で運転するには駆動周波数を約25Hzにする必要がある。
上述したように、本発明の駆動アセンブリ40は、図1に示したロールチューブ14のような、回転自在に支持したロールチューブ内に受けられるようになっている。しかしながら、本発明は円筒状のチューブ内で使用することに限定されるものではなく、回転自在に支持されるチューブには、回転自在に支持され且つ可撓性部材を巻き付け状態で受けるようになっている任意の細長部材が含まれ得る。従って、ロールチューブは断面が円形ではない、例えば六角形又は八角形のものであり得る。非円形断面は、例えば楕円の様な非対称形状でもあり得る。
【0032】
本発明の駆動アセンブリを組み込んだロールチューブシステムに巻き付ける可撓性部材には、シェード、スクリーン、カーテンその他の、遮光、又は反射、又は部分遮光、又は部分反射性のものであり得る。可撓性部材は、紙、布、又は任意の種類の繊維、から形成され得る。可撓性部材の例には、ウィンドーシェード、ウィンドースクリーン、テレビプロジェクターを含むプロジェクター用のスクリーン、全遮光、又は部遮光、又は反射性のカーテンや、物品を隠す又は保護するために使用するカーテン、が含まれる。
【0033】
コントローラー50を使用してモーター42を色々の速度で運転することにより追加的な特徴が生じる。モーターを約1000rpmの公称速度で運転すると、運転音は非常に静かである。壁のコントロールステーションのようなユーザーインターフェースを作動させて上昇又は降下コマンドのような動作コマンドを出した時の可撓性部材の動きは動作コマンド入力に応答しているように見える。つまり、上昇ボタンを押すと可撓性部材が適正速度で移動することで、要求された動作をユーザーに確認させるのである。可撓性部材が毎秒約8cm(3in)の速度で移動するとオペレーターのフィードバック条件が満たされることが分かった。しかしながら、可撓性部材を特定の所定位置に移動させるコマンドを出す場合は可視的なフィードバック条件は大幅に少なくなる。オペレーターは、可撓性部材を所定位置に移動させるコマンドを出す際は、可撓性部材への追加入力が不要であることを知っている。つまり、コマンドを出した後はユーザーはそのコマンドを保持していなくとも可撓性部材は所定位置まで移動するのである。従って、ユーザーはボタンを押した後は別の作業をすることができる。この運転モードには別の利益もある。プリセット操作では可撓性部材の動作の可視的なフィードバックが要求されないので、モーターは可撓性部材を非常にゆっくりとした直線速度(以下、“超低速”)で移動させることが可能である。
【0034】
超低速運転モードは少なくとも2つの大きな利益をもたらす。1つは、電動ロールチューブシステムから生じる騒音が43dBA以下〜約40dBAに一層低減されることである。大抵の周囲気条件では40dBAの騒音レベルは人間には感知できないレベルである。他の1つは、モーター42の超低速を、可撓性部材の移動速度が毎秒約2.54cm(1in)であるように選択可能なことである。この速度は約300rpmのモーター速度に相当する。この速度での可撓性部材の動作は室内の人々には殆ど気付かれず、かくして、室内活動に邪魔になることが少ない。この形式の電動ロールチューブシステムでは、フォトセルセンサのような自動制御装置が使用される傾向がある。
【0035】
従来の照明システムには、窓に隣り合って位置付けた制御式補助蛍光灯のような人工光源が自然光を補助するシステムが含まれる。空間内の総光量を測定し、制御式蛍光灯の出力を調節して室内の周囲光量を所定値に維持する制御システムが一般的に提供されているが、空間内への自然光入射量を調節するための電動ロールチューブシステム制御能力は開ループ制御に限定化されている。開ループ制御では電動ロールチューブシステムの可撓性シェード部材は、手動制御に応じて、又はタイマー制御によって、又はセンサを使用した外光レベル測定によって作動される。実際の室内光レベルを測定し、測定値に応じて可撓性シェード部材を調節しようとする従来の試みでは、可撓性シェード部材の移動速度が速すぎ又は遅すぎて空間への入射光量が過多又は過小となり、結局、制御ループシステムは、低制動的で(under−damped)、揺動的(oscillating)なものであった。可撓性シェード部材の動きがあまりに早過ぎると室内の人々に取って邪魔にもなる。本発明における超低速動作と、関連する可撓性部材の非常にゆっくりとした動作とによれば、可撓性部材のゆっくりした動作を室内光レベルの所望の応答速度に合致させることができるので、室内の人々に不快感を与える揺動的な制御を防止することが可能である。
【0036】
本発明によれば、少なくとも2つの別個の運転モードを有する電動ロールチューブシステムが提供される。第1の運転モードではシステムのモーターは約1000rpmの運転モーター速度で運転され、関連する可撓性部材が約8cm(3in)の直線速度で移動される。第1の運転モードは、オペレーターが可撓性部材を所望位置に移動させる上昇/下降コマンドを使用し且つ保持することで可撓性部材を選択位置に移動する場合に有益である。本明細書では第1の運転モードを“セットアップモード”とも称する。
第2の運転モードでは、システムのモーターは約300rpmの運転モーター速度で運転され、関連する可撓性部材は毎秒約2.54cm(1in)の速度で移動する。第2の運転モードは、可撓性部材を所定位置(しばしば“プリセット位置”と称する)に移動させる場合、又は先に説明したように閉ループ制御システムでの運転中に室内への自然光の入射量を調節する場合に特に有益である。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
付随する請求項で“可撓性部材”とは、光を遮る又は反射させる、又は部分的に遮る又は部分的に反射させる、巻き付け可能な任意の部材を含む如く広く解釈されるべきである。可撓性部材の非限定例にはシェード、スクリーン、カーテンが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来の駆動アセンブリを含む電動ロールチューブシステムの部分破除した斜視図である。
【図2】図1の従来型駆動システムのモーター及びギヤアセンブリを示す斜視図である。
【図3】図2のモーターのモーター曲線のグラフである。
【図4】本発明に従う電動ロールチューブシステム用の駆動アセンブリの斜視図である。
【図5】図4のモーター及びギヤアセンブリのギヤステージの、その他の駆動アセンブリ部分を省いた状態で示す斜視図である。
【図6】図4のモーター及びギヤアセンブリの分解斜視図である。
【図7】図4及び図5のモーターのモーター曲線のグラフである。
【符号の説明】
【0038】
40 ロールチューブ駆動アセンブリ
41 ハウジング
42 モーター
43 出力軸
44 ギヤアセンブリ
46 第1ギヤステージ
48 第2ギヤステージ
53 効率曲線
55 陰影領域
57 斜線陰影領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ロールチューブシステムであって、
回転自在に支持されたロールチューブと、
ロールチューブと係合し、該ロールチューブに巻き受けされる可撓性部材と、
モーター速度で回転する出力軸を有するモーターと、
モーターの出力軸に連結したギヤアセンブリにして、モーターによって駆動され、モーター速度に関して減速された出力回転速度を発生するようになっている複数のギヤステージを含むギヤアセンブリと、
可撓性部材がロールチューブに関して巻き付き又は巻き解かれるようにモーターを制御するための、モーターに連結した制御体と、
を含み、
制御体が、少なくとも2つの運転モードにして、各運転モードが可撓性部材を所定の直線速度で移動させる2つの運転モードにおいてモーターを制御し、一方の運転モードでの直線速度が他方の運転モードでのそれとは異なる電動ロールチューブシステム。
【請求項2】
少なくとも2つの運転モードが、セットアップモード及び超低速モードを含み、セットアップモード時の直線速度が超低速モード時のそれよりも大きい請求項1の電動ロールチューブシステム。
【請求項3】
セットアップモード時の直線速度が超低速モード時のそれの少なくとも2倍である請求項2の電動ロールチューブシステム。
【請求項4】
電動ロールチューブシステムが、少なくとも2つの運転モードの何れにおいも或る騒音レベルを生じ、超低速モード時の騒音レベルがセットアップモード時のそれよりも約3dBA又はそれ以上少ない請求項2の電動ロールチューブシステム。
【請求項5】
制御体が、該制御体への入射光レベルに応じて可撓性部材の位置を調節する請求項1の電動ロールチューブシステム。
【請求項6】
少なくとも2つの運転モードの一方における直線速度が毎秒2.54cm又はそれ未満である請求項1の電動ロールチューブシステム。
【請求項7】
周囲音圧レベルが約38dBAである場合に、電動ロールチューブシステムの超低速モード時での、ロールチューブから約1m離れた距離における音圧レベルが38〜40dBAである請求項2の電動ロールチューブシステム。
【請求項8】
制御体が、少なくとも2つの運転モードの各々に関連する制御信号を含む複数の制御信号に応答する請求項1の電動ロールチューブシステム。
【請求項9】
制御体がセットアップモードの制御信号及びプリセットモード制御信号に応答自在であり、制御体が、各制御信号に応じて可撓性部材を所定の直線速度で移動させ、セットアップモードの直線速度が、プリセットモード時の直線速度の少なくとも2倍である請求項8の電動ロールチューブシステム。
【請求項10】
電動ロールチューブシステムであって、
回転自在に支持されたロールチューブと、
ロールチューブと係合し、該ロールチューブに巻き受けされる可撓性部材と、
モーター速度で回転する出力軸を有するモーターと、
モーターの出力軸と、ロールチューブとに連結されたギヤアセンブリにして、モーターによってギヤアセンブリが駆動されるとロールチューブがギヤアセンブリによって駆動され、モーター速度に関して減速された出力回転速度を発生するようになっている複数のギヤステージを含むギヤアセンブリと、
可撓性部材がロールチューブに関して実質的に一定の直線速度で巻き付き又は巻き解かれるようにモーターを可変制御するように適合された、モーターに連結した制御体と、
を含み、
制御体が、可撓性部材を第1の所定の直線速度で移動させるようにモーターを制御するための第1の制御信号に応答自在であり、
制御体が、可撓性部材を第1の所定の直線速度とは異なる第2の所定の直線速度で移動させるようにモーターを制御するための第2の制御信号に応答自在である電動ロールチューブシステム。
【請求項11】
第1の所定の直線速度が第2の所定の直線速度の少なくとも2倍である請求項10の電動ロールチューブシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−534408(P2008−534408A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504153(P2008−504153)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/010353
【国際公開番号】WO2006/107597
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(596063584)ルトロン・エレクトロニクス・カンパニー・インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Lutron Electronics Co., Inc.
【Fターム(参考)】