説明

データの送信及び受信のタイミングの不確実性を低減させる方法及びシステム

【課題】高速データ・レート通信システムのタイミング精度に関連した欠点及び問題点を減らす通信エレメントを提供する。
【解決手段】無線通信エレメントは、トリガ値を示すデータ転送情報を生成するよう構成された第1のコントローラを備える。無線通信エレメントは、通信するよう第1のコントローラに結合された第2のコントローラを更に備える。第2のコントローラは、カウンタ値を増やすよう構成されたカウンタを備え、第1のコントローラからデータ転送情報を受信するよう構成される。第2のコントローラは、データ転送トリガに応じて第2の無線通信エレメントとのデータ転送を無線通信エレメントが開始するようなトリガ値にカウンタ値が対応すると、データ転送トリガを生成するよう更に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、移動通信ネットワークに関し、特に、パケットベースのリンク及び別々のクロック・ドメインにわたるタイミングの不確実性を低減させる方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信システム、ケーブル・テレビジョン・システム、及びデータ通信ネットワークは、市場及び消費者の需要により、一層高速になってきている。前述の通信システム、特に移動通信システムが、高速データ・レートに移行するにつれ、信号及び情報を送信し、受信するうえでのタイミング精度の要件も増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示によれば、高速データ・レート通信システムのタイミング精度に関連した欠点及び問題点を減らすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施例によれば、無線通信エレメントは、トリガ値を示すデータ転送情報を生成するよう構成された第1のコントローラを備える。無線通信エレメントは、通信するよう第1のコントローラに結合された第2のコントローラを更に備える。第2のコントローラは、カウンタ値を増やすよう構成されたカウンタを備え、第1のコントローラからデータ転送情報を受信するよう構成される。第2のコントローラは、データ転送トリガに応じて第2の無線通信エレメントとのデータ転送を無線通信エレメントが開始するようなトリガ値にカウンタ値が対応すると、データ転送トリガを生成するよう更に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本開示の実施例による、例示的な無線通信システムを示すブロック図である。
【図2】例示的な送信エレメント及び/又は受信エレメントの選択された構成部分を示すブロック図である。
【図3】トリガ・カウンタ、及びトリガ・カウンタに関連付けられたタイミング・トリガを示す例示的なタイミング図である。
【図4】データ転送のタイミングの不確実性を低減させるよう構成された例示的なシステムを示す図である。
【図5】データ転送におけるタイミングの不確実性を低減させる方法を示す例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示並びにその構成及び利点をより完全に理解するために、次に、添付図面とともに以下の明細書を参照する。
【実施例】
【0007】
電気通信業界、特に無線通信業界は、データ伝送レートの増加を必要とする業界である。システムが高速データ・レートに移行するにつれ、通信装置(例えば、携帯電話機などの移動通信装置)内で時間クリティカルなイベント(例えば、データの送信及び受信)を行うためのコマンドの送信のタイミング精度の要件も増大し得る。
【0008】
図1は、本開示の実施例による、例示的な無線通信システム100のブロック図を示す。話を単純にするために、2つの端末110及び2つの基地局120のみを図1に示す。端末110は、遠隔局、移動局、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、無線通信装置、セルラー電話機、又は他の用語としても表し得る。基地局120は固定局であり得、アクセス・ポイント、ノ―ドB、又は他の用語としても表し得る。移動通信制御局(MSC)140は、基地局120に結合し得、基地局120の連係及び制御を提供し得る。
【0009】
端末110は、衛星130から信号を受信することができてもできなくてもよい。衛星130は、周知の全地球測位システム(GPS)などの衛星測位システムに属し得る。各GPS衛星は、地球上のGPS受信器がGPS信号の到着時間を測定することを可能にする情報で符号化されたGPS信号を送信し得る。十分な数のGPS衛星の測定は、GPS受信器の3次元の位置を正確に推定するために使用し得る。ブルートゥース(登録商標)送信器、無線フィデリティ(ワイファイ)送信器、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)送信器、IEEE802.11送信器、及び何れかの他の適切な送信器などの他のタイプの送信源からの信号を受信することもできる。
【0010】
図1では、各端末110は、複数の送信源からの信号を同時に受信するものとして示しており、送信源は基地局120又は衛星130であり得る。本実施例では、端末110は送信源であってもよい。一般に、端末110は、何れかの特定の時点で、ゼロ個、1個、又は複数個の送信源から信号を受信し得る。
【0011】
システム100は、符号分割多元アクセス(CDMA)システム、時分割多元アクセス(TDMA)システム、又は他の無線通信システムであり得る。CDMAシステムは、IS−95、IS−2000(一般に、「1x」としても知られている)、IS−856(一般に、「1xEV−DO」としても知られている)、ワイドバンドCDMA(W−CDMA)等などの1つ又は複数のCDMA標準を実現し得る。TDMAシステムは、1つ又は複数のTDMA標準(ジーエスエム(GSM(登録商標))など)を実現し得る。W−CDMA標準は、3GPPとして知られているコンソーシアムによって規定され、IS−2000標準及びIS−856標準は、3GPP2として知られているコンソーシアムによって規定される。
【0012】
多くの通信ネットワークでは、情報はデータ・パケット又は「バースト」で送信し得る。ユーザ間の同一チャネル干渉を最小にし、ネットワーク100のシステム容量を最大にするために、端末110、基地局120、並びに衛星130間のデータ・パケットの送信及び受信は特定の時点に基づく。データ・パケットの送信及び受信に与えられる時間が少ないために、データ伝送レート(例えば、シンボル・レート)が増加するにつれ、パケットの送信及び受信のタイミングは、より正確になる必要があり得る。通信ネットワークにおけるデータの送信及び受信は併せて、データ転送又はデータ交換と表し得る。
【0013】
例えば、ガウス最小偏移変調(GMSK)/GSM進化型高速データ・レートのバーストは、GMSKシンボル期間の1/4よりもよい必要があるタイミング精度で、割り当てられた時間スロット内で送信される必要があり得る。GMSKシンボルの期間は3.7マイクロ秒(μs)であり、よって、割り当てられた時間スロット内の送信のタイミング精度は0.925μs(3.7μs/4)であり得る。対照的に、4G(第4世代)シンボル・レートは、特定の送信時間の0.065μs内にデータ・パケット送信のタイミング精度が収まらなければならないように、GMSK/EDGEシンボル・レートよりもずっと高速であり得る。よって、情報をその指定された時間スロット内に、かつ、高速データ・レート・システムの狭いタイミング精度制約内で転送し得るようにタイミングの不正確性及び不確実性を低減させることが効果的であり得る。
【0014】
システム100の送信及び受信エレメント(例えば、端末110、基地局120、又は衛星130)によるデータ・パケットの転送(例えば、送信又は受信)のタイミングは、タイミング・トリガによって制御し得る。一部のシステムでは、タイミング・トリガはタイム・アキュレート(time accurate)ストローブ(TAS)を含み得る。システム100の送信及び受信エレメント内に含まれる別々の構成部分からタイミング・トリガが転送されるにつれ、タイミングの不正確性及び不確実性が生じ得る。非同期クロック・ドメイン下で動作する別々の構成部分をタイミング・トリガが通過し、よって、非同期クロック・ドメイン転送がもたらされるにつれ、不確実性が生じ得る。更に、トリガが高速リンクを介して複数のシステム構成部分が転送されるにつれ、ビット誤りの発生率は増加し、よって、タイミング・トリガを損ない、潜在的にタイミングの不確実性をもたらし得る。
【0015】
したがって、本開示によれば、システム100の送信及び受信エレメント(例えば、端末110、基地局120、又は衛星130)は、パケットの送信又は受信を開始するタイミング・トリガのクロック・ドメイン転送の数を削減するか、なくすことにより、タイミングの不正確性を削減するよう構成し得る。以下に更に詳細に説明するように、システム100の送信及び受信エレメントは、データ・パケットの参照サブフレームの転送によって起動されるカウンタにデータ・パケットのタイミング・トリガが基づくように構成し得る。参照サブフレームが送信又は受信されると、カウンタは、送信クロック・ドメイン内、又は受信クロック・ドメイン内で開始し得る。後続サブフレームの転送のためのタイミング・トリガはカウンタに基づき得、タイミング・トリガがクロック・ドメイン転送によって影響されないことがあり得るように、別のクロック・ドメインに転送されないことがあり得る。更に、タイミング・トリガのクロック・ドメイン転送の数を削減するか、又はなくすことにより、前述の転送によるビット・エラーも削減するか、又はなくし得る。よって、システム100の送信及び受信エレメントは、ドメイン転送及びビット・エラーによるデータ転送のタイミングの不確実性を削減するか又はなくし得るように構成し得る。
【0016】
図2は、本開示の実施例により、タイミングの不確実性を低減させるよう構成された、例示的な送信及び/又は受信エレメント200(例えば、端末110、基地局120、又は衛星130)の選択された構成部分のブロック図を示す。エレメント200は送信経路201及び/又は受信経路221を含み得る。エレメント200の機能に応じて、エレメント200は、送信器、受信器、又はトランシーバであるとみなし得る。
【0017】
ディジタル回路202は、受信経路221を介して受信されるディジタル信号及び情報を処理するよう構成され、かつ/又は、送信経路201を介して送信されるための信号及び情報を処理するよう構成された何れかのシステム、デバイス、又は装置を含み得る。前述のディジタル回路202は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ、及び/若しくは他の適切なデバイスを含み得る。以下に更に詳細に説明するように、ディジタル回路202、並びに、送信経路201及び受信経路221の構成部分は、1つ又は複数のクロック・ドメインを通過しないことがあり得るタイミング・トリガによるサブフレームを送信又は受信し得るように構成され、エレメント200におけるタイミングの不確実性を低減させ得る。
【0018】
送信経路201は、ディジタル・アナログ変換器(DAC)204を含み得る。DAC204は、ディジタル回路202からディジタル信号を受け取り、前述のディジタル信号をアナログ信号に変換するよう構成し得る。前述のアナログ信号は次いで、アップコンバータ208を含む、送信経路201の1つ又は複数の他の構成部分に転送され得る。
【0019】
アップコンバータ208は、発振器210によって供給される発振器信号に基づいて、無線周波数における無線通信信号に、DAC204から受け取られたアナログ信号を周波数アップコンバートするよう構成され得る。発振器210は、アナログ信号の無線通信信号への変調若しくはアップコンバートのために、又は無線通信信号のアナログ信号への復調又はダウンコンバートのために、特定の周波数のアナログ波形を生成するよう構成された何れかの適切なデバイス、システム、又は装置であり得る。一部の実施例では、発振器210は、ディジタル制御された水晶発振器であり得る。
【0020】
送信経路201は、送信するために、アップコンバートされた信号を増幅するための可変利得増幅器(VGA)214、及び、増幅信号VGA214を受け取り、関心の帯域内の信号成分を通過させ、帯域外の雑音及び望ましくない信号を除去するよう構成された帯域通過フィルタ216を含み得る。帯域通過フィルタリングされた信号は、電力増幅器220によって受け取られ得、電力増幅器220では、前述の信号はアンテナ218を介して送信するために増幅される。アンテナ218は、増幅された信号を受け取り、前述の信号を(例えば、端末110、基地局120、及び/又は衛星130のうちの1つ又は複数に)送信し得る。
【0021】
受信経路221は、アンテナ218を介して(例えば、端末110、基地局120、及び/又は衛星130から)無線通信信号を受信するよう構成された帯域通過フィルタ236を含み得る。帯域通過フィルタ236は、関心の帯域内の信号成分を通過させ、帯域外の雑音及び望ましくない信号を除去し得る。更に、受信経路221は、帯域通過フィルタ236から受け取られた信号を増幅するための低雑音増幅器(LNA)224を含み得る。
【0022】
受信経路221は更に、ダウンコンバータ228も含み得る。ダウンコンバータ228は、発振器210によって供給される発振器信号により、アンテナ218を介して受信され、LNA235によって増幅された無線通信信号を周波数ダウンコンバートする(例えば、ベースバンド信号にダウンコーバートする)よう構成し得る。
【0023】
関心の無線周波数チャネル内の信号成分を通過させ、かつ/又はダウンコンバート処理によって発生し得る雑音及び望ましくない信号を除去するために、ダウンコンバートされた無線通信信号をフィルタリングするよう構成され得るフィルタ238を更に含み得る。更に、受信経路221は、フィルタ238からアナログ信号を受け取り、前述のアナログ信号をディジタル信号に変換するよう構成されたアナログ・ディジタル変換器(ADC)224を含み得る。前述のディジタル信号は次いで、処理するためにディジタル回路202に転送し得る。
【0024】
送信経路201のDAC204、アップコンバータ208、及びVGA214と、受信経路221の発振器210及びADC224、フィルタ238、ダウンコンバータ228、並びにLNA234が、無線周波数集積回路(RFIC)404に含まれ得る。RFIC404は更に、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、及び/若しくは他の適切なデバイス(明示的に示していない)を含み得る。RFIC404は、エレメント200の無線トランシーバとしてふるまい得、よって、信号を送信し、かつ/又は受信するようアンテナ218を起動させるよう構成し得る。
【0025】
本実施例では、ディジタル回路212及びRFIC404は、1つ又は複数のクロック・ドメインを通過しないことがあり得るタイミング・トリガによるサブフレームを送信又は受信し得、それにより、エレメント200の回路202からアンテナ218までの送信経路201及び受信経路221におけるタイミングの不確実性を低減させ得る。本実施例では、ディジタル回路202は、エレメント200の通信機能を処理するよう構成され、通信するようRFIC404(明示的に示していない)に結合されたディジタル・ベースバンド集積回路(ベースバンドIC)402を含み得る。ベースバンドIC402は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、及び/又は他の適切なデバイスを備え得る。
【0026】
例証の目的で、ベースバンドIC402及びRFIC404の動作は、特にパケット送信動作に関して説明し得る。しかし、同様の、又は類似した動作を、パケット受信などの何れかの他のタイプのデータ転送について行い得る。この例では、ベースバンドIC402は、パケット送信情報をRFIC404に送信するよう構成し得る。一部の場合、パケット送信情報は、パケット送信動作のためにRFIC405を構成するために使用される構成情報を含み得る。他の場合には、パケット送信情報は、TASに関連付けられた構成情報がRFIC404に送出された後に送信されたタイミング・アキュレート・ストローブ(TAS)などのタイミング・トリガを含み得る。
【0027】
RFIC404は、ベースバンドIC402から受け取られた送信情報に基づいて、アンテナ218を介した、エレメント200(例えば、端末110)と別のトランシーバ・エレメント(例えば、基地局120)との間のデータ・パケットの伝送を開始させるよう構成し得る。RFIC404は、ベースバンドIC402から構成情報を受け取り得、よって、構成情報に基づいてデータ・パケット(例えば、データのサブフレーム)を送信するよう構成し得る。構成情報は更に、サブフレームを送信するとトリガ・カウンタを開始させるようRFIC404に導き得る。トリガ・カウンタの開始に対応するサブフレームは参照サブフレームとして表し得、参照サブフレームに関連付けられた構成情報は参照構成情報と表し得る。
【0028】
RFIC404は、更に、参照サブフレームの送信をトリガするためのタイミング・トリガ(例えば、TAS)をベースバンドIC402から受け取り得る。参照サブフレームに対応する前述のタイミング・トリガは、「参照トリガ」と表し得る。参照トリガを受け取ると、RFIC404は参照サブフレームを送信し、トリガ・カウンタを開始し得る。参照トリガのクロック・ドメイン転送に対応するタイミングの不正確性により、参照トリガがベースバンドIC402からRFIC404に送信されるにつれ、かつ、参照トリガがRFIC404の種々の構成部分を通過するにつれ、参照サブフレームの送信タイミングもタイミングの不確実性を有し得る。しかし、参照サブフレーム後に送信されるサブフレーム(「後続サブフレーム」)の送信のタイミング・トリガは、ベースバンドIC402から受信された後続サブフレームの送信に関連付けられたトリガ・カウンタ及び構成情報に基づき得る。
【0029】
トリガ・カウンタは、RFIC404の送信クロック・ドメイン内にあり得、よって、データ送信のタイミング・トリガは複数のクロック・ドメインを通過しないことがあり得、よって、タイミングの不確実性が削減され得る。更に、RFIC404は、後続サブフレームを送出すべき時点より前にベースバンドIC402から後続フレームの構成情報を受け取り得る。よって、構成情報の受信は、それほど時間クリティカルでないことがあり得、よって、構成情報の受け取りに関連付けられたタイミングの不確実性の影響は、最小又はゼロであり得る。
【0030】
トリガ・カウンタは、スロット及びシンボル境界の追跡を容易にするよう送信サンプリング・レート(例えば、4Gシステムにおいては30.72メガヘルツ(MHz))で増加させるよう構成し得る。トリガ・カウンタは送信サンプリング・レートで増加し、各増加単位間の時間量(「増加期間」と表される)は各サンプル間の時間量(「サンプル期間」と表される)に対応し得る。トリガ・カウンタは、特定のサブフレームに対応するサンプルの数までカウントした後、リセットし、次いで、カウントを再開するよう構成し得る。トリガ・カウンタは、よって、トリガ・カウンタが、サンプルがとられる都度、増加し、サブフレームに対応する数のサンプルがとられた後にリセットすることによる、サブフレームの送信時間スロットに基づき得る。
【0031】
例えば、30.72MHzのサンプリング・レートでは、ゼロで始まり、上記サンプリング・レートで増加する、カウンタのカウンタ値30719は、4Gシステムにおける1サブフレームに対応し得る。したがって、4Gシステムでは、トリガ・カウンタは、カウンタが30719に達した後、ゼロにリセットし、次いで、再び30719までカウントし始め得る。
【0032】
更に、トリガ・カウンタは、エレメント200が起動された場合、エレメント200が適応不連続受信(DRX)サイクルを経る場合、又は上記カウンタをリセットするようベースバンドIC402がRFIC404に指示する場合に、リセット(例えば、「0」にセット)され得る。一部の場合、ベースバンドIC402は、別々のネットワークにおけるクロック・レートが異なることにより、2G又は3Gのネットワークから4Gネットワークのハンドオーバ中にカウンタをリセットするようRFIC404を導き得る。前述の場合、カウンタは、参照サブフレームの送信により、そうするよう起動されるまで、カウントを開始しないことがあり得る。
【0033】
ベースバンドIC402から受け取られ、後続サブフレームに関連付けられた構成情報は、後続サブフレームをカウンタ・サイクル中のどこで送出すべきであるかを示すタイミング調節情報を含み得る。タイミング調節情報はカウンタ値に対応し得、タイミング調節情報に対応する値にカウンタが達すると、RFIC404は、後続サブフレームを送信するためのタイミング・トリガを生成し得る。トリガ・タイマに基づいたタイミング・トリガは「タイミング・アキュレート・トリガ」としても表し得る。上記トリガは、他のトリガのタイミングの不確実性を有していないことがあり得るからである。
【0034】
例えば、タイミング調節情報は、カウンタ値がゼロ「0」である場合に後続サブフレームを送出すべきである旨を示し得る。したがって、カウンタ値が「0」に達すると、RFIC404はタイミング・トリガを生成するよう構成され得る。この例では、上記カウンタはサブフレームの送信時間に対応し、カウンタが「0」であることに対応するタイミング・トリガは「オンタイム(on−time)」送信に対応し得る。「オンタイム」という用語は、単に、サブフレームのスロット及びシンボル境界に応じて送出し得る送信を示し得る。一部の場合、「オンタイム」より早く、又は「オンタイム」より遅くサブフレームを送信することが効果的であり得る。これは、タイミングにおける先行又はタイミングにおける遅延として表し得る。カウンタ値に関連付けられたタイミング調節は、遅延又は先行を伴って、後続サブフレームを「オンタイム」で送信し得るように適宜調節し得る。送信されたサブフレームを受信するエレメントとの距離が変わり得る状況では、タイミング調節が効果的であり得る。例えば、エレメント200は、エレメント200と基地局との間の距離が変わり得るように、移動している(例えば、車で走行している)間に基地局に送信する端末110を含み得る。
【0035】
図3は、トリガ・カウンタ300、及びトリガ・カウンタ300に関連付けられたタイミング・トリガの例示的なタイミング図を示す。タイミング図は、参照タイミング・トリガ304、「オンタイム」タイミング・アキュレート・トリガ316、遅延タイミング・アキュレート・トリガ312、及び先行タイミング・アキュレート・トリガ308を含み得る。
【0036】
トリガ・カウンタ300はRFIC404に含まれ得る。一部の実施例では、トリガ・カウンタ300は、RFIC404に関連付けられたエレメント200により、サブフレームの送信のタイミングを制御するよう構成された送信トリガ・カウンタを含み得る。他の実施例では、トリガ・カウンタ300は、RFIC404に関連付けられたエレメント200により、サブフレームの受信のタイミングを制御するよう構成された受信トリガ・カウンタを含み得る。この例では、動作は、送信サブフレームのタイミングに関して説明しているが、何れかの他の適切なデータ転送(例えば、受信サブフレーム)のタイミングを制御するために同様の、又は類似した動作を行い得る。
【0037】
この例では、トリガ・カウンタ300は、30.72MHzのサンプリング・レートの4Gネットワークに応じて構成し得る。更に、ネットワークの各サブフレームは30,720サンプルに対応し得る。よって、カウンタ300は、30.72MHzで増加するよう構成され得、0から30719に増加し得、30719に達した後、0にリセットし、再びカウントし始め得る。
【0038】
時間tでは、RFIC404は、ベースバンドIC402によって指示されるようにトリガ・カウンタ300をリセットし得る。上述の通り、ベースバンドIC402は、電源オン、DRXサイクル、又は別の理由でトリガ・カウンタ300をリセットするようRFIC404を導き得る。RFIC404によってリセットされた後、カウンタ300は、そうするよう示されるまでカウントを開始しないことがあり得る。時間tでは、RFIC404は、ベースバンドIC402から参照構成情報302を受信し得る。RFIC404はよって、参照サブフレームを送信するよう準備し得る。
【0039】
時間tでは、RFIC404は、ベースバンドIC402から参照トリガ304を受け取り得る。一部の実施例では、参照トリガ304はTASを含み得る。時間tで参照トリガ304を受け取ると、RFIC404はトリガ・カウンタ300を起動させ得る。RFIC404は、RFIC404に関連付けられたトランシーバ・エレメントが時間tで参照サブフレームを送信することを可能にし得る。この例では、RFIC404に関連付けられたトランシーバ・エレメントはハンドヘルド端末(例えば、端末110)を含み得、時間tではエレメントは参照サブフレームを基地局(例えば、基地局120)に参照トリガ304に基づいて送信し得る。
【0040】
時間tでは、送信されるサブフレームのスロット時間とトリガ・カウンタ300が対応し得るように30719に達した後にトリガ・カウンタ300は「0」にリセットし得る。
【0041】
時間tでは、RFIC404は、送信する対象の後続サブフレームに関連付けられた後続構成情報306をベースバンドIC402から受け取り得る。構成情報306は、構成情報306に関連付けられた後続サブフレームを、先行タイミングで送信すべきことを示すタイミング調節情報を含み得る。
【0042】
ベースバンドIC402は、ベースバンドIC402に関連付けられたトランシーバ・エレメントからサブフレームを受け取るトランシーバ・エレメント(例えば、基地局120)から受け取る情報に部分的に基づいてタイミング調節情報に関する構成情報を生成し得る。例えば、上述のように、時間tでは、参照サブフレームは基地局(例えば、基地局120)に送出し得、基地局は、期待された時間よりも後に参照サブフレームを受け取り得る。サブフレーム・スロット時間内の参照サブフレームのタイミングが2サブフレーム・サンプルだけ遅かったということを基地局はベースバンドIC402に伝え得る。参照トリガ304に関連付けられたタイミングの不確実性、トランシーバ・エレメントが基地局から離れること、別の要因、又はそれらの何れかの組み合わせにより、参照サブフレームは遅れて、基地局に到着し得る。よって、ベースバンドIC402は、後続サブフレームの送信のタイミングを2サンプル期間だけ、先行させるべきである旨を示すタイミング調節情報とともに構成情報306をRFIC404に送出し得る。
【0043】
時間tでは、構成情報306に基づいて、RFIC404は、トリガ・カウンタが「0」になる「オンタイム」送信よりも早い(2サンプル期間に対応する)2増加単位であり得る「30718」にカウンタがある場合に先行タイミング・アキュレート・トリガ308を生成し得る。タイミング・アキュレート・トリガ308に基づいて、RFIC404は、時間tで、構成情報306に関連付けられた後続サブフレームをトランシーバ・エレメントが送信することを可能にし得る。
【0044】
時間tでは、RFIC404は、別の後続サブフレームに関連付けられた構成情報310をベースバンドIC402から受け取り得る。後続構成情報310は、構成情報310に関連付けられたサブフレームを遅延させるべきである旨を示すタイミング調節情報を含み得る。
【0045】
基地局は、時間tで送出されたサブフレームが、(例えば、トランシーバ・エレメントが基地局に近付いていることにより、)期待したより早く受け取られたと判定し得、ベースバンドIC402によって受け取られたメッセージにその旨を示し得る。よって、ベースバンドIC402は、後続サブフレームの送信タイミングを遅延させるべきである旨を示す構成情報310をRFIC404に送出し得る。この例では、構成情報310は、後続サブフレームを1サンプル期間だけ遅延させるべきである旨を示す調節データを含み得る。よって、時間tで、RFIC404は、トリガ・カウンタが「0」になる「オンタイム」送信よりも遅い(1サンプル期間に対応する)1増加単位であり得る「1」にカウンタがある場合に遅延タイミング・アキュレート・トリガ312を生成し得る。タイミング・アキュレート・トリガ312に基づいて、RFIC404は、時間tで、構成情報310に関連付けられた後続サブフレームをエレメント200が送信することを可能にし得る。
【0046】
時間tで、ベースバンドIC402は構成情報314をRFIC404に送信し得る。構成情報314は、構成情報314に関連付けられた後続サブフレームを「オンタイム」に送出し得る旨を示す調節データを含み得る。構成情報306及び310と同様に、ベースバンドIC402は、ベースバンドIC402及びRFIC404に関連付けられたトランシーバ・エレメントからデータを受け取る基地局又は何れかの他のトランシーバ・エレメントから受け取られた情報に応じて調節データを判定し得る。
【0047】
時間tで、RFIC404は、「オンタイム」送信を示す調節データに基づいてカウンタ300が「0」である場合に「オンタイム」タイミング・アキュレート・トリガ316を生成し得る。タイミング・アキュレート・トリガ316に基づいて、RFIC404は、時間tで、構成情報314に関連付けられた後続サブフレームをエレメント200が送信することを可能にし得る。
【0048】
本開示の範囲から逸脱しない限り、修正、追加、又は割愛を図3に対して行い得る。例えば、サブフレーム毎のタイミング調節は、描いているものよりも大きくても小さくてもよい。更に、説明したものと異なるタイミング調節を有するトランシーバ・エレメントから、より多くのサブフレーム、又はより少ないサブフレームを送信し得る。更に、上記例は、サブフレーム送信のタイミングに関する動作を説明しているが、サブフレーム受信のタイミングに関しても同様の動作及び方法を使用し得る。更に、この例は、基地局にサブフレームを送信する端末を含むトランシーバ・エレメントについて説明しているが、上記動作及び方法を、データ転送タイミングの不確実性を低減させるための如何なる適切な通信システムにおいても使用し得る。
【0049】
図4は、データの送信及び受信のタイミングの不確実性を低減させるよう構成された例示的なシステム400を示す。システム400は、タイミングの不確実性を低減させるための何れの適切なシステム、装置又はデバイスにおいても実現し得る。システム400は、図2のエレメント200などの、通信ネットワークの送信エレメント、受信エレメント、又はトランシーバ・エレメントにおいて実現し得る。システム400は、タイミングの不確実性を低減させるうえで効果的であり得る何れの適切なネットワーク又はシステムにおいても実現し得る。この例では、システム400の動作は、信号の送信のタイミングの制御に関して説明しているが、システム400と同様なシステムは、信号の受信などの何れかの他のデータ転送のタイミングも制御するよう構成し得る。
【0050】
システム400はベースバンドIC402及びRFIC404を含み得る。ベースバンドIC402及びRFIC404はそれぞれ、図2及び図3に関して説明したディジタル回路202のベースバンドIC402及びRFIC404と同じ機能を有し得る。ベースバンドIC402は、タイミング・アキュレート・ストローブ(TAS)などのタイミング・トリガ及び構成情報を含むパケット送信情報をRFIC404に送出するよう構成し得る。
【0051】
RFIC404は、RFIC404とベースバンドIC402との間のインタフェースとしてふるまうよう構成された集積回路インタフェース406を含み得る。RFIC404は、更に、ベースバンドIC402からRFIC404によって受け取られた命令に応じて制御信号を生成するよう構成された制御装置408も含み得る。
【0052】
RFIC404は、更に、送信クロックで動き、よって、送信クロック・ドメイン410内にある構成部分を含み得る。送信クロック・ドメイン410内のRFIC404の構成部分は、同期化装置412、トリガ・カウンタ414、調節レジスタ416、コンパレータ418、ANDゲート420、及びマルチプレクサ(MUX)422を含み得る。以下に更に詳細に説明するように、制御装置408は、データ(例えば、サブフレーム)の送信の正確なタイミングが実現され得るように、送信クロック・ドメイン410内に含まれる構成部分の動作を制御するよう構成し得る。
【0053】
明示的に示していないが、RFIC404は、RFIC404に関連付けられたトランシーバ・エレメントにより、データ受信に関連付けられた受信クロック・ドメインも含み得る。受信クロック・ドメインは、送信クロック・ドメイン410と実質的に同様であり得、制御装置408から受け取られた命令に応じてトランシーバ装置によるデータ受信のタイミングをより正確に制御するよう同様に構成されたトリガ・カウンタ、調節レジスタ、コンパレータ、ANDゲート、及びマルチプレクサを含み得る。
【0054】
RFIC404は、集積回路(IC)インタフェース406で、ベースバンドIC402からパケット送信情報を受け取るよう構成し得る。ICインタフェース406は、ベースバンドIC402とRFIC404との間のデータ送信の標準化手段を提供するよう構成された構成部分を含み得る。例えば、構成インタフェース406は、DigRF 3Gインタフェース、DigRF v4インタフェース、又は両方などのモバイル・インダストリ・プロセッサ・インタフェース(MIPI)アライアンスによる技術仕様を有するインタフェースを含み得る。ICインタフェース406は、ベースバンドICとは別のクロック・ドメインで動作し得る。したがって、ベースバンドIC402からICインタフェース406に転送される何れかのタイミング・トリガ(例えば、TAS)は、タイミング・トリガに対してタイミングの不確実性をもたらし得る1つ又は複数のタイミング再同期化を必要とし得る。
【0055】
ICインタフェース406は、RFIC404にやはり含まれる制御装置408に結合し得る。ICインタフェース406は、ベースバンドIC402から受け取られた送信情報を制御装置408に送出し得る。制御装置408及びICインタフェース406は、更に、ICインタフェース406及び制御装置408からのタイミング・トリガの転送中にタイミングの不確実性が生じ得るように別個のクロック・ドメイン上で機能し得る。
【0056】
制御装置408は、情報のサブフレームの送信に関する一連の制御信号を生成するよう、受け取られた送信情報に含まれる情報を処理し得る。制御装置408は、RFIC404の他の構成部分(例えば、カウンタ414、調節レジスタ416、ANDゲート420、及びMUX422)に、制御装置408が前述の構成部分の動作を制御し得るように結合し得る。一部の場合、制御装置408は、ベースバンドIC402によって生成され、ICインタフェース406を介して制御装置408に送信される送信情報に含まれる命令に応じて構成部分の動作を制御し得る。
【0057】
制御装置408は、通信するよう、RFIC404に含まれる送信クロック・ドメイン410内に含まれる構成部分に結合し得る。制御装置408は、通信するよう、同期化装置412を介して、トリガ・カウンタ414、調節値レジスタ416、ANDゲート420、及びMUX422に結合し得る。
【0058】
制御装置408は、送信クロック・ドメイン410とは別のクロック・ドメインで動作し得る。したがって、同期化装置412は、制御装置408から制御信号を受け取り、前述の信号を送信クロック・ドメインと同期化させるよう構成された何れかの適切なシステム、装置、又はデバイスを備え得る。同期化装置412は、通信するよう、制御装置408及びトリガ・カウンタ414、調節レジスタ416、ANDゲート420、並びにマルチプレクサ422の間に、制御信号が同期化装置412を介して制御装置408から前述の構成部分に流れ得るように結合し得る。
【0059】
トリガ・カウンタ414は、特定のレート(例えば、4Gシステムにおける30.72MHzのサンプリング・レート)でカウンタ値を増加させ、特定の値に達した後、リセットし、再び、カウントし始めるよう構成された何れかの適切なカウンタを含み得る。一部の実施例では、トリガ・カウンタ414は、サブフレームに関連付けられたサンプルの数までカウントし、その数までカウントした後にリセットし、他の指示(例えば、「0」から「30719」までカウントし、次いで、「0」に戻り、繰り返す)がない限り、これを繰り返すよう構成し得る。
【0060】
トリガ・カウンタ414は、制御装置408から「リセット」コマンドを受け取るとゼロにリセットするよう構成し得る。制御装置408は、トランシーバ・エレメントが起動された場合、トランシーバ・エレメントがDRXサイクルを経た場合、又はICインタフェース406を介してベースバンドIC402からの指示を受け取り、リセットを必要とする場合に、「リセット」コマンドを生成し、送信し得る。更に、トリガ・カウンタ414は、制御装置408からの開始コマンドを受け取るとカウントし始めるよう構成し得る。制御装置408は、ベースバンドIC402から参照トリガ(例えば、図3の参照トリガ304)を受け取ると開始コマンドを生成し得る。
【0061】
調節値レジスタ416は、値を受け取り、前述の値を記憶し、値を出力するよう構成された何れかの適切なシステム、装置又はデバイスを備え得る。調節レジスタ416は、タイミング・アキュレート・トリガを送出すべき時点に関連付けられたカウンタ値に一致する値を記憶するよう構成し得る。タイミング・アキュレート・トリガを送出すべき時点に関連付けられたカウンタ値は、「トリガ値」として表し得る。例えば、参照サブフレームに続くサブフレーム(後続サブフレーム)の「オンタイム」送信の場合、トリガ値は「0」であり得る。したがって、調節レジスタ416は、トリガ値に一致させるよう「0」を記憶し、出力し得る。
【0062】
制御装置408は、ベースバンドIC402から受け取られる、後続サブフレームに関連付けられた構成情報(例えば、図3の構成情報306、310、及び314)に含まれるタイミング調節情報に応じて適切なトリガ値を調節レジスタ416に送出するよう構成し得る。
【0063】
例えば、「オンタイム」トリガを示すタイミング調節情報を受け取ると、制御装置408は、カウンタ414が「0」である場合にタイミング・トリガを送出すべきである旨を示す、「0」のトリガ値を調節レジスタ416に送出し得る。別の例として、1サンプル期間だけの送信遅延を示すタイミング調節情報を受け取ると、制御装置408は、カウンタ414が「1」である場合にタイミング・トリガを送出すべきである旨を示すトリガ値「1」を調節レジスタ416に送出し、よって、1増加単位又はサンプル期間だけ、トリガ・タイミングを遅延させ得る。更なる例として、(4Gシステムの例示的な構成において)2サンプル周期だけの送信先行を示すタイミング調節情報を受け取ると、制御装置408は、カウンタ414が「30718」である場合にタイミング・トリガを送出すべきである旨を示すトリガ値「30718」を調節レジスタ416に送出し、よって、2増加単位又はサンプル期間だけ、トリガ・タイミングを先行させ得る。
【0064】
コンパレータ418は、通信するよう、カウンタ414及び調節レジスタ416に結合し得、カウンタ414からカウンタ値を受け取り、調節レジスタ416からトリガ値を受け取るよう構成し得る。コンパレータ418は、カウンタ値及びトリガ値を比較し、2つの値が一致すると信号を送信するよう構成された何れかの適切なシステム、装置、又はデバイスを含み得る。例えば、「オンタイム」トリガの場合、トリガ値は「0」であり得、コンパレータ418は「0」をカウンタ414の値と比較し得る。カウンタ値がトリガ値に一致するようにカウンタ414が「0」に達した場合、コンパレータ418の出力はそのことを示すようにセットされるか、又は「HIGH」になり得る。トリガ値及びカウンタ値が等しくないようにカウンタ値が変わる場合、コンパレータはそのことを示すように「セットされない」か、又は「LOW」になり得る。トリガ値及びカウンタ値が等しい場合にコンパレータ418によって送出される信号はタイミング・アキュレート・トリガを含み得る。
【0065】
コンパレータ418は、通信するよう、コンパレータ418の出力がANDゲート420の入力端子419aで受け取られるように、ANDゲートに通信可能に結合され得る。ANDゲート420の入力端子419bは、通信するよう、同期化インタフェース420を介して制御装置408に結合され得、制御装置408から制御を受け取るよう構成し得る。制御装置408は、タイミング・アキュレート・トリガが適切な時点で送出されることをANDゲート420が確実にし得るように入力端子419bを介してANDゲート420の動作を制御するよう構成され得る。
【0066】
一部の場合、カウンタ414は、その表示された数までカウントし続け、リセットし、再度前述の数までカウントし、繰り返し得る。調節値レジスタ416は、カウンタ414がトリガ値に達する都度、ANDゲート420の端子419aに送出されるトリガをコンパレータ418が生成し得るようにトリガ値を出力し続け得る。しかし、カウンタ414がトリガ値に達する都度、データを送信するのは適切でないことがあり得る。よって、ANDゲート420及び制御装置408は、タイミング・アキュレート・トリガが適切な時点で送信されるように構成し得る。
【0067】
この例では、送信される対象のサブフレームを予期して構成情報を受け取ると、制御装置408は、制御信号を生成し、その信号をAND420の端子419bに送信し、よって、入力端子419bが「HIGH」にセットされるように構成し得る。したがって、コンパレータ418の出力が「HIGH」になるようにカウンタ値及びトリガ値が同じである場合、入力端子419aも「HIGH」になり得る。入力端子419a及び419bが何れも「HIGH」にセットされると、ANDゲート420の出力は「HIGH」にセットされ得、タイミング・アキュレート・トリガはANDゲート420を通過し得る。本実施例では、制御装置408は、早く送出されるタイミング・トリガの形式で「HIGH」信号を入力ポート419bに送出し得る。一部の実施例では、タイミング・トリガは、ベースバンドIC402からタイミング・トリガを受け取ると、制御装置408から送信されるタイミング・トリガと同じ制御線に沿って送出し得る。
【0068】
構成情報及びタイミング・アキュレート・トリガに関連付けられたデータがセットされた後、制御装置408は、端子419bを「LOW」にセットする別の制御信号を入力端子419bに送出し得る。したがって、コンパレータ418の出力が「HIGH」になり、これにより、端子419aを「HIGH」にし得る場合、データ送信が適切でないと、ANDゲート420の出力は「LOW」になり得、これは、不適切な時点におけるデータ送信を阻止し得る。
【0069】
ANDゲート420の出力は、通信するよう、MUX422の入力端子421aに結合し得る。制御装置408は、通信するよう、ベースバンドIC402から受け取られたタイミング・トリガ(例えば、参照トリガ)に基づいて制御装置408によって送信されたタイミング・トリガが入力端子421bで受け取られるようにMUX422の入力端子421bに結合し得る。したがって、MUX422は、端子421aにおいてANDゲート420からタイミング・アキュレート・トリガを受け取り、端子421bにおいて制御装置408からの、参照トリガなどの他のタイミング・トリガを受け取るよう構成し得る。
【0070】
MUX422は、ANDゲート420からタイミング・アキュレート・トリガを出力し、又は制御装置408からタイミング・トリガを出力するよう構成し得る。制御装置408は、通信するよう、選択線423においてMUX422に結合し得、MUX422は、選択線423において制御装置408から受け取られた制御信号に応じて、入力端子421aにおいて受け取られた信号の出力と、入力端子421bにおいて受け取られた信号の出力との間で選択するよう構成し得る。したがって、MUX422は、ANDゲート420から入力端子421aで受け取られたタイミング・アキュレート・トリガ、又は、制御装置408から入力端子421bで受け取られた他のタイミング・トリガ(例えば、参照トリガ)を出力するよう構成し得る。
【0071】
例えば、参照サブフレームに関連付けられた構成情報(図3の構成情報302)を受け取ると、ベースバンドIC402から参照トリガを受け取ると参照サブフレームを送信し得る旨を制御装置408は判定し得る。上述の通り、送信はベースバンドIC402からの参照トリガに基づき得る。カウンタ414がまだ起動されていないことがあり得るからである。したがって、制御装置408は、入力端子421bで受け取られた信号を出力すべきである旨を示す制御信号を選択線423に送出し得る。したがって、MUX422が参照トリガを制御装置408から受け取るとMUX422は参照トリガを出力し得、トランシーバ・エレメントは参照トリガに基づいてデータ送信を開始し得る。
【0072】
この実施例では、入力ポート419b及び421bで同じ制御信号が受け取られるように、制御装置408は同じ制御線における入力ポート419b及び421bに結合し得る。しかし、この開示はそうした構成に限定されるべきでない。別の実施例では、制御装置408は一制御線を介してANDゲート420の入力ポート419bに結合し得、制御装置408は別の制御線を介してMUX422の入力ポート421bに結合し得る。
【0073】
別の例として、カウンタ414が起動された後に送信する対象のサブフレーム(例えば、後続サブフレーム)に関連付けられた構成情報を受け取ると、制御装置408は制御信号を選択線423に送出し得る。制御信号は、入力端子421aで受け取られた信号を出力すべきである旨を示し得る。したがって、MUX422が、入力端子421aにおいてANDゲート420からタイミング・アキュレート・トリガを受け取ると、MUX422はタイミング・アキュレート・トリガを出力し得、トランシーバ・エレメントはタイミング・アキュレート・トリガに基づいてデータ送信を開始し得る。
【0074】
本開示の範囲から逸脱しない限り、修正、追加、又は割愛をシステム400に対して行い得る。例えば、一部の実施例はANDゲート420を含まないことがあり得、制御装置408は、選択線422を介してMUX422の出力を制御することにより、コンパレータ418からのタイミング・トリガの不適切な送信を阻止するよう構成し得る。更に、特定の機能を実施する特定の構成部分を説明しているが、本明細書及び特許請求の範囲記載の1つ又は複数の動作を行うための何れかの適切な構成部分を使用し得る。更に、上述の通り、明示的に示していないが、システム400に関連付けられたトランシーバ・エレメントは、トランシーバ・エレメントにより、デ―タ受信のタイミングを制御するよう構成された同様なシステムも含み得る。更なるベースバンドIC402及びRFIC404は、描かれているよりも多くの構成部分を含んでいてもよく、描かれているよりも少ない構成部分を含んでいてもよい。例えば、RFIC404は、図2に示すようなDAC204、アップコンバータ208,VGA214、発振器210、ADC224、フィルタ238、ダウンコンバータ228、及びLNA234も含み得る。
【0075】
図5は、データ送信及び受信におけるタイミングの不確実性を低減させる方法500の例示的なフロー図を示す。説明の目的で、方法500は、データ送信のタイミングに関して説明しているが、データ受信のタイミングの制御において同様な工程を行い得る。更に、方法500は、命令を受け取り、当該機能に応じて動作を行い得る何れかの適切なシステム、装置、又はデバイスによって行い得る。
【0076】
本実施例では、方法500は、有形のコンピュータ読み取り可能な媒体において実施されたソフトウェア、ファームウェア、又は他のロジックにおいて部分的に、若しくは全面的に実現し得る。本開示記載の「有形のコンピュータ読み取り可能な媒体」は、一定期間の間、データ及び/又は命令を保持し得る何れかの手段、又は手段の集合体を意味する。有形のコンピュータ読み取り可能な媒体は、限定なしで、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリ・メモリ(ROM)、電子的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)、PCMCIAカード、フラッシュ・メモリ、直接アクセス記憶装置(例えば、ハード・ディスク・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ディスク)、シーケンシャル・アクセス記憶装置(例えば、テープ・ディスク・ドライブ)、コンパクト・ディスク、CD−ROM、DVD、揮発性/不揮発性メモリ、物理記憶リソース、及び仮想記憶リソースを含み得る。
【0077】
この例では、方法500は、通信するよう、メモリに結合されたプロセッサを有する集積回路によって行われ得、プロセッサは、メモリに記憶された命令に応じて動作を行うよう構成し得る。集積回路は、通信するようプロセッサに結合され、プロセッサによって受け取られた命令によって動作を行うよう構成された構成部分も含み得る。この例では、方法500は、無線通信ネットワークのトランシーバ・エレメントのRFICによって行い得る。
【0078】
方法500は、工程502で開始し得、工程502では、RFICはベースバンドICから参照構成情報を受け取り得る。工程504で、RFICは、参照構成情報に基づいて参照サブフレームを送出するよう準備し得る。
【0079】
工程506で、RFICはベースバンドICから参照トリガを受け取り得る。工程508で、参照トリガを受け取る工程に応じて、RFICはトリガ・カウンタを起動させ得る。工程510で、RFICは参照トリガを受け取る工程に応じて参照サブフレームを送信し得る。工程508及び510はほぼ同時に行い得る。
【0080】
工程512では、参照サブフレームを送信し、カウンタを起動させた後、RFICは、後続サブフレームの送信に関連付けられた構成情報を受け取り得る。構成情報は、カウンタのどの値で、タイミング・トリガを生成し、送出すべきかを示すタイミング調節情報を含み得る。RFICは、サブフレーム送信タイミングに適切なカウンタ値に実質的に等しいことがあり得る調節値もセットし得る。
【0081】
工程514では、RFICは、カウンタ値が調節値に対応するか否かを判定し得る。カウンタ値が調節値に対応していない場合、RFICは、カウンタ値が調節値に対応するまで工程514を繰り返し得る。カウンタ値が調節値に対応している場合、方法500は工程516に進み得る。
【0082】
工程516で、RFICはタイミング・アキュレート・トリガを生成し、トランシーバ・エレメントはサブフレームを送信し始め得る。工程516が終わると、方法500は終了し得る。
【0083】
本開示の範囲から逸脱しない限り、修正、追加、又は割愛を方法500に対して行い得る。例えば、一部の場合に特定の順序で行われるように工程を説明しているが、別の時点で1つ又は複数の工程を行い得るか、又は2つ以上の工程を同時に行い得る。更に、本方法は、無線通信システムにおけるトランシーバ・デバイスによる、データのサブフレームの送信を示しているが、方法500は、データ送信又はデータ受信の正確なタイミングが効果的であり得る何れかの適切なシステム、装置、又はデバイスにおいて実現し得る。
【0084】
本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲に記載したような本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、種々の変更、置換、及び改変を行い得る。
(付記1)
無線通信エレメントであって、
トリガ値を示すデータ転送情報を生成するよう構成された第1のコントローラと、
通信するよう前記第1のコントローラに結合され、カウンタ値を増加させるよう構成されたカウンタを備える第2のコントローラと
を備え、前記第2のコントローラは、
前記データ転送情報を前記第1のコントローラから受け取り、
データ転送トリガに応じて第2の無線通信エレメントとのデータ転送を無線通信エレメントが開始するようなトリガ値に前記カウンタ値が対応すると、データ転送トリガを生成する無線通信エレメント。
(付記2)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記データ転送は、前記無線通信エレメントがデータを前記第2の無線通信エレメントに送信する機能を含む無線通信エレメント。
(付記3)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記データ転送は、前記無線通信エレメントがデータを前記第2の無線通信エレメントから受信する機能を含む無線通信エレメント。
(付記4)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記第2のコントローラは、前記無線通信エレメントが参照データ転送を行うと前記カウンタを開始させるよう構成される無線通信エレメント。
(付記5)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記第2のコントローラは、前記カウンタがリセットされ、前記無線通信エレメントの起動、適応不連続受信サイクル(DRX)、及び前記カウンタのリセットを示す命令の前記第1のコントローラからの前記第2のコントローラによる受け取りを含む群から選択されるイベントに応じて増加しないように前記カウンタをリセットするよう構成される無線通信エレメント。
(付記6)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記カウンタは、前記データのサンプリング・レートで前記カウンタ値を増加させるよう構成される無線通信エレメント。
(付記7)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記カウンタは、データのサブフレームのデータ転送時間スロットに前記カウンタ値が対応すると、リセットし、増加させるよう構成される無線通信エレメント。
(付記8)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記データ転送情報は、前記データ転送トリガのタイミングを先行させるよう構成された調節値を示す無線通信エレメント。
(付記9)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記データ転送情報は、前記データ転送トリガのタイミングを遅延させるよう構成された調節値を示し、前記トリガ値が前記調節値に対応する無線通信エレメント。
(付記10)
付記1記載の無線通信エレメントであって、前記トリガ値は、前記第2の無線通信エレメントから前記無線通信エレメントによって受け取られた情報に基づく無線通信エレメント。
(付記11)
通信エレメントのデータ転送のタイミングをとる方法であって、
トリガ値を示すデータ転送情報をコントローラによって受け取る工程であって、前記コントローラはカウンタを含み、
前記カウンタのカウンタ値を、前記カウンタによって増加させる工程と、
前記カウンタ値が前記トリガ値に対応すると、デ―タ転送トリガを前記コントローラによって生成する工程と、
前記データ転送トリガに応じて第2の通信エレメントとのデータ転送を前記通信エレメントによって起動させる工程とを含む方法。
(付記12)
付記11記載の方法であって、前記データ転送を起動させる工程は、データを前記第2の通信エレメントに送信する工程を含む方法。
(付記13)
付記11記載の方法であって、前記データ転送を起動させる工程は、データを前記第2の通信エレメントから受信する工程を含む方法。
(付記14)
付記11記載の方法であって、前記通信エレメントが参照データ転送を行うと、前記カウンタを前記コントローラによって起動させる工程を更に含む方法。
(付記15)
付記11記載の方法であって、前記カウンタがリセットされ、前記無線通信エレメントの起動、適応不連続受信サイクル(DRX)、及び前記カウンタのリセットを示す命令の前記コントローラによる受け取りを含む群から選択されるイベントに応じて増加しないように前記カウンタを前記コントローラによってリセットする工程を更に含む方法。
(付記16)
付記11記載の方法であって、前記データのサンプリング・レートで前記カウンタ値を増加させる工程を更に含む方法。
(付記17)
付記11記載の方法であって、前記カウンタ値がデータのサブフレームのデータ転送時間スロットに対応する場合、前記カウンタをリセットする工程を更に含む方法。
(付記18)
付記11記載の方法であって、前記データ転送情報は前記データ転送トリガのタイミングを先行させるよう構成された調節値を示し、前記方法は、前記調節値に対応する前記トリガ値に応じて前記データ転送トリガのタイミングを先行させる工程を更に含む方法。
(付記19)
付記11記載の方法であって、前記データ転送情報は前記データ転送トリガのタイミングを遅延させるよう構成された調節値を示し、前記方法は、前記調節値に対応する前記トリガ値に応じて前記データ転送トリガのタイミングを遅延させる工程を更に含む方法。
(付記20)
付記11記載の方法であって、前記トリガ値は、前記第2の無線通信エレメントから前記無線通信エレメントによって受け取られた情報に基づく方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信エレメントであって、
トリガ値を示すデータ転送情報を生成するよう構成された第1のコントローラと、
通信するよう前記第1のコントローラに結合され、カウンタ値を増加させるよう構成されたカウンタを備える第2のコントローラと
を備え、前記第2のコントローラは、
前記データ転送情報を前記第1のコントローラから受け取り、
データ転送トリガに応じて第2の無線通信エレメントとのデータ転送を無線通信エレメントが開始するようなトリガ値に前記カウンタ値が対応すると、データ転送トリガを生成する無線通信エレメント。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信エレメントであって、前記データ転送は、前記無線通信エレメントがデータを前記第2の無線通信エレメントに送信する機能を含む無線通信エレメント。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信エレメントであって、前記データ転送は、前記無線通信エレメントがデータを前記第2の無線通信エレメントから受信する機能を含む無線通信エレメント。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信エレメントであって、前記第2のコントローラは、前記無線通信エレメントが参照データ転送を行うと前記カウンタを開始させるよう構成される無線通信エレメント。
【請求項5】
請求項1記載の無線通信エレメントであって、前記第2のコントローラは、前記カウンタがリセットされ、前記無線通信エレメントの起動、適応不連続受信サイクル(DRX)、及び前記カウンタのリセットを示す命令の前記第1のコントローラからの前記第2のコントローラによる受け取りを含む群から選択されるイベントに応じて増加しないように前記カウンタをリセットするよう構成される無線通信エレメント。
【請求項6】
通信エレメントのデータ転送のタイミングをとる方法であって、
トリガ値を示すデータ転送情報をコントローラによって受け取る工程であって、前記コントローラはカウンタを含み、
前記カウンタのカウンタ値を、前記カウンタによって増加させる工程と、
前記カウンタ値が前記トリガ値に対応すると、デ―タ転送トリガを前記コントローラによって生成する工程と、
前記データ転送トリガに応じて第2の通信エレメントとのデータ転送を前記通信エレメントによって起動させる工程とを含む方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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