説明

データストリームを転送処理する情報処理装置および情報処理方法

【課題】次世代HD_DVDビデオ再生におけるアドバンスドパケットの抽出・転送処理を改善する。
【解決手段】アドバンスドパックADV_PCKを含むデータストリームの転送処理が制御され、この転送されたストリームデータから同種のデータパックが分離され、この分離されたデータパックからADV_PCKが抽出される。抽出されたADV_PCKは複数の受信バッファ#1〜#Nにより一時蓄積される。複数の受信バッファ#1〜#Nに蓄積されたADV_PCKの情報内容(Advanced Data)に応じた処理が、アドバンスドパケット処理部205において行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、HD_DVDビデオに代表される次世代デジタルビデオ再生におけるデータストリームの転送処理に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、DVD(Digital Versatile Disc)ビデオ再生装置が広く普及している。この従来DVDビデオの拡張としてのスタンダードコンテントと、従来DVDビデオを大幅に改修したアドバンスドコンテントの双方を扱う次世代HD_DVD(High Definition DVD)ビデオも市販が開始され、これから普及しようとしている。この次世代HD_DVDに関する先行技術として、以下のものがある:
(1)アドバンスドコンテンツを記録、再生する技術に関するもの(特許文献1参照)。ここでは、コンテンツの再生・表示手順を示す管理情報(Advanced Navigation)を読み込み、管理情報の内容に基づき所定のタイミングに合わせて所定の保存場所から必要なコンテンツを事前にデータ転送し、さらに管理情報の内容に基づき指定されたタイミングで前記コンテンツの再生・表示を行なっている。これにより、表現力豊かな再生を目指している。
【0003】
(2)(1)と同様にアドバンスドコンテンツのデータ処理方法又はデータ転送方法に関するもの(特許文献2参照)。ここでは、アドバンスドコンテンツのデータ処理方法又はデータ転送方法、プログラム構造、情報再生方法、情報再生装置及び管理情報が記録されている情報記憶媒体でもって、表現力豊かな再生を目指している。
【0004】
(3)(1)と同様にアドバンスドコンテンツのデータ処理方法又はデータ転送方法に関するもの(特許文献3参照)。ここでは、複数の動画像を同時にしかも途中で途切れることなく表示できるようにして、情報の表現力の飛躍的な向上を目指している。
【0005】
(4)(1)と同様にアドバンスドコンテンツのデータ処理方法又はデータ転送方法に関するもの(特許文献4参照)。ここでは、サーバとプレイヤにより構成されるネットワーク通信システム及び管理情報が記録されている情報記憶媒体でもって、より魅力的な情報再生を目指している。
【0006】
(5)(1)と同様にアドバンスドコンテンツのデータ処理方法又はデータ転送方法に関するもの(特許文献5参照)。ここでは、複数のオブジェクトを任意に単独及び/又は多重化させて再生時間を指定するプレイリストを管理するナビゲーションマネージャと、オブジェクトを取り込むデータアクセスマネージャと、取り込まれたオブジェクトをプレイリストに応じて仮保存・出力するデータキャッシュと、デコーダとしてのプレゼンテーションエンジンと、デコード後オブジェクトを出力するAVレンダラと、プレイリストに応じて出力中のオブジェクトの種類を解析する解析器と、その解析結果に対応して出力中のオブジェクトの識別情報を出力する状況表示データ記憶部を有する情報再生装置が開示されている。このような装置構成でもって、複数のオブジェクトの再生状況をわかりやすく表示可能としている。
【特許文献1】特開2007−109354号公報(図1,3,12,14,26〜28,30〜31参照)
【特許文献2】特開2007−115293号公報(図1,3,12,14,26〜28,30〜31参照)
【特許文献3】特開2007−65928号公報(図1,3,12,14,26〜28,30〜31参照)
【特許文献4】特開2006−260611号公報(図1,14,21〜23参照)
【特許文献5】特開2007−172764号公報(図13,16〜21,95,97参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1〜特許文献5はいずれもアドバンスドコンテンツのデータ処理方法又はデータ転送方法に関するものであるが、これらの文献に開示された方法では、特にアドバンスドパケットが密集して存在するデータユニット(データアクセス単位)からアドバンスドパケットを抽出・転送する処理において、とりこぼしがなく遅延のないアドバンスドパケットの抽出・転送が難しかった。
【0008】
この発明の課題は、次世代HD_DVDビデオ再生におけるアドバンスドパケットの抽出・転送処理を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一実施に係る情報処理装置または情報処理方法では、MPEG−2のシステムパートに準じたパック構造を持つ複数種類のデータパック(NV_PCK、ADV_PCK等)を含む1以上のデータユニット(P−EVOBU)の配列に対応したオブジェクト(P−EVOB)のデータストリームが取り扱われる。前記複数種類のデータパックは、パックヘッダおよびアドバンスドパケット(ADV_PKT)からなるアドバンスドパック(ADV_PCK)を含む。
【0010】
上記装置または方法においては、前記データストリームの転送処理が制御され(206、201の処理)、前記転送されたストリームデータから同種のデータパック(NV_PCK、ADV_PCK等)が分離され(202の処理)、前記分離されたデータパックから前記アドバンスドパック(ADV_PCK)が抽出される(203の処理)。
【0011】
そして、前記抽出された前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身(ADV_PKTまたはadvanced_data_header & Advanced Data)が受信されると、1個以上の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身を複数の受信バッファ(#1〜#N)のいずれか1つ以上により一時蓄積し(204の処理)、前記複数の受信バッファ(#1〜#N)のいずれかに蓄積された前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身を受けてその情報内容(Advanced Data)に応じた処理(205の処理)を行うようにしている。
【発明の効果】
【0012】
前記データユニットは、ものによってアドバンスドパックを含まないこともあれば、多数のアドバンスドパックが密集して含まれるものもある。アドバンスドパックは重たい情報(例えば図4のアーカイブデータ)の運び手となり得るものであるが、このようなアドバンスドパックが密集したデータユニットのデータ転送には高い処理能力が要求される。
【0013】
この発明では、前記受信バッファを複数用意していることから、抽出されたアドバンスドパックをあるバッファに蓄積している最中でも、別バッファから蓄積済みのアドバンスドパックをその処理部へ送出できる。このように(複数の受信バッファを用意しているが故に)アドバンスドパックの書き込み(蓄積)と読み出し(送出)を複数経路で並行して行えるため、アドバンスドパックが密集したデータユニットの再生処理においても、アドバンスドパックを、とりこぼさずかつ遅延なく転送処理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、この発明の種々な実施の形態に係る情報処理装置および情報処理方法を説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。同図は、この発明の一実施の形態におけるHD_DVDビデオ再生装置のシステムモデルを例示している。図中、101は、HD_DVDドライブ(光ディスクドライブおよび/またはハードディスクドライブ)を示し、102はパージステントストレージ(Persistent Storage)を示し、103はネットワークサーバを示す。HD_DVDドライブ101、パージステントストレージ102、およびネットワークサーバ103からのデータストリームは、データアクセスマネージャ104に入力される。
【0015】
データアクセスマネージャ104に入力されるデータストリームは、HD_DVDのアドバンスドコンテント(Advanced Content)の情報を含む。このアドバンスドコンテントは、プレイリスト、プライマリビデオセット、セカンダリビデオセット、アドバンスドアプリケーション、およびアドバンスドサブタイトルを含んで構成されている。プレイリストは、プライマリビデオセット、セカンダリビデオセット、アドバンスドアプリケーション、アドバンスドサブタイトルなどの再生オブジェクトを管理する情報である。
【0016】
プライマリビデオセット(またはアドバンスドビデオタイトルセット)は、ビデオタイトルセット情報(属性情報)、タイムマップ情報、およびプライマリエンハンスドビデオオブジェクト(以下、適宜P−EVOBと略記する)を含んで構成される。セカンダリビデオセットは、タイムマップ情報およびセカンダリエンハンスドビデオオブジェクト(以下、適宜S−EVOBと略記する)を含んで構成される。
【0017】
アドバンスドアプリケーションは、マニフェスト、マークアップ、およびスクリプトなどのアドバンスドナビゲーションと、JPEG(Joint Photograph Expert Group)、PNG(Portable Network Graphics)、MNG(Multiple-image Network Graphics)、LPCM(Linear PCM)、Open Typeなどのアドバンスドエレメントを含んで構成される。また、アドバンスドサブタイトルはアドバンスドアプリケーションのサブセットであり、マニフェスト、マークアップ、アドバンスドエレメント(JPEG、PNG、Open Typeなど)を含んで構成されている。
【0018】
データアクセスマネージャ104に入力されたデータストリームのうち、101〜103のいずれかからのストリームに含まれるP−EVOBのストリームは、プライマリビデオプレーヤ(データ再生処理部)200に送られる。
【0019】
データアクセスマネージャ104に入力されたデータストリームのうち、101〜103のいずれかからのストリームに含まれるS−EVOBのストリームは、ファイルキャッシュ105に併設されたストリーミングバッファ(図示せず)に送られるとともに、セカンダリビデオプレーヤ300に送られる。
【0020】
データアクセスマネージャ104に入力されたデータストリームのうち、101〜103のいずれかからのストリームに含まれるP−EVOB、S−EVOB以外のファイルデータはファイルキャッシュ105に蓄えられる。このファイルキャッシュ105は、ナビゲーションマネージャ1000内のファイルキャッシュマネージャ(図示せず)からのアドバンスドリソースファイルARF(後述)も蓄えることができるようになっている。
【0021】
ファイルキャッシュ105に蓄えられたファイルデータのうち、アドバンスドエレメント、フォント、アドバンストサブタイトルなどの情報を含むアドバンスドリソースファイル(以下、適宜ARFと略記する)のデータストリームおよび/または、データアクセスマネージャ104に入力されたデータストリームのうち、101〜103のいずれかからのストリームに含まれるARFのデータストリームは、アドバンスドアプリケーション再生エンジン400、フォント生成システム500、アドバンスドサブタイトルプレーヤ600に送られる。
【0022】
プライマリビデオプレーヤ(データ再生処理部)200において、P−EVOBのデータストリームからアドバンスドパック(以下、適宜ADV_PCKと略記する)が抽出される。抽出されたADV_PCKあるいはそこに含まれるアドバンスドパケット(以下、適宜ADV_PKTと略記する)は、複数の受信バッファ(#1〜#N)で構成される受信バッファ部204を介して、ナビゲーションマネージャ1000内でアドバンスドパックの情報を用いた処理を行うアドバンスドパック処理部205に転送される。
【0023】
図2は、アドバンスドパケットの転送処理に関するハードウエアおよびファームウエアの構成例を説明する図である。図2は、HD_DVDディスク101に格納されたプライマリビデオセットを再生するプライマリビデオプレーヤ200の要部を示している。図1のデータアクセスマネージャ104からプライマリビデオプレーヤ(データ再生処理部)200へ送り込まれるP−EVOBのデータストリームは、図2のストリーム転送処理部201を介してデマルチプレクサ部202に転送される。この転送処理は、ストリーム転送制御部206により制御される。デマルチプレクサ部202では、ストリーム転送処理部201により転送されたストリームデータから同種のデータパック(後述するNV_PCK、ADV_PCK等)が分離される。デマルチプレクサ部202で分離された種々なデータパックのうち、ADV_PCKだけがアドバンスドパック抽出部203で受信され、ADV_PCKの抽出が行われる。ADV_PCK以外のパックのうち、ビデオパックはビデオデコード部207で受信され、オーディオパックはオーディオデコード部208で受信され、その他のパック(副映像パックなど)はそのパックに対応するその他のデコード部209で受信される。
【0024】
アドバンスドパック抽出部203で抽出されたADV_PCKまたはその中身(後述するADV_PKTまたはadvanced_data_header & Advanced Data)は、1個以上のADV_PCK(またはその中身)を一時蓄積する受信バッファを複数(#1〜#N)持つ受信バッファ部204を介して、アドバンスドパック処理部205に転送される。アドバンスドパック処理部205は、複数の受信バッファ#1〜#Nのいずれかに蓄積されたADV_PCK(またはその中身)を受けて、その情報内容(後述するAdvanced Data)を処理する。
【0025】
ここで、ストリーム転送制御部206は、ファームウエアとして、一定または所定の間隔(連続して並ぶP−EVOBUの境界を単位とする間隔など)で、アドバンスドパック抽出部203に対してフラッシュ要求(一括転送要求)を発行するフラッシュ要求部206aを持つように構成されている。
【0026】
また、アドバンスドパック抽出部203は、ファームウエアとして、(a)ADV_PCKの受信数をカウントするカウント部203aと、(b)このカウント部のカウント結果が所定数に達したときに、その旨をアドバンスドパック処理部205に通知するカウント結果通知部203bと、(c)前記フラッシュ要求が発行されたときに、それまで複数の受信バッファ#1〜#Nに蓄積していたADV_PCKの内容を一度にアドバンスドパック処理部205へ転送させるフラッシュ転送部203cと、(d)前記フラッシュ要求が発行されたときに、それまでに受信したADV_PCKの情報(何パック受信したか等)をアドバンスドパック処理部205に通知するパック情報通知部203dを持つように構成されている。
【0027】
さらに、アドバンスドパック抽出部203は、ファームウエアとして、(e)アドバンスドパック抽出部203が新規のADV_PCKを受信できない状態となったとき(例えばP−EVOBの再生が中断したとき)、あるいは受信バッファ#1〜#Nの残り容量がなくなったとき、またはN個の受信バッファのうちN−1個の残り容量がなくなり使用可能な受信バッファが1個になったとき、もしくは受信バッファ#1〜#Nの残り容量が予め設定した値(例えばバッファの全容量の5〜10%)まで減少したときに、ストリーム転送処理部201にデータストリームの転送一時停止要求を発行する転送一時停止要求部203eと、(f)アドバンスドパック抽出部203が新規のADV_PCKを受信できる状態となったとき(例えばP−EVOBの再生が再開したとき)、あるいは受信バッファ#1〜#Nの残り容量が生じたとき、またはN個の受信バッファのうち使用可能な受信バッファが2個以上に回復したとき、もしくは受信バッファ#1〜#Nの残り容量が予め設定した値(例えばバッファの全容量の5〜10%)を超えたときに、ストリーム転送処理部201にデータストリームの転送再開要求を発行する転送再開要求部203fを持つことができるように構成されている。
【0028】
図3は、この発明の一実施の形態において用いられるオブジェクトのデータ構造の一例を説明する図である。プライマリビデオプレーヤ200に入力されるP−EVOB(図3(a))は、データアクセス単位となる1以上のプライマリビデオオブジェクトユニット(以下、適宜P−EVOBUと略記する)を含んで構成されている(図3(b))。各P−EVOBU(図3(c))は、先頭にナビゲーションパック(以下、適宜NV−PCKと略記する)を持ち、その後に複数種類のデータパック(副映像パックSP_PCK、サブビデオパックVS_PCK、メインビデオパックVM_PCK、アドバンスドパックADV_PCK、メインオーディオパックAM_PCK、サブオーディオパックAS_PCK、等)を含んでいる。各P−EVOBUは、再生時間に換算して0.4秒〜1.001秒の間の所定サイズを持っている。換言すれば、複数のP−EVOBUは、一定または所定の間隔で並んでいる。連続する2つのP−EVOBUの境界は、各P−EVOBUの先頭にあるNV_PCKを読み込むことで分かる。
【0029】
各P−EVOBUに含まれる複数種類のデータパックのうち、VM_PCKの集合でメインビデオストリーム(図3(d))が形成され、AM_PCKの集合でメインオーディオストリーム(図3(e))が形成され、VS_PCKの集合でサブビデオストリーム(図3(f))が形成され、AS_PCKの集合でサブオーディオストリーム(図3(g))が形成され、ADV_PCKの集合でアドバンスドストリーム(図3(h))が形成される。図2の構成では、図3(a)のデータストリームから図3(h)のアドバンスドストリームが抽出されると、このアドバンスドストリーム中のADV_PCKがある程度の個数単位で複数の受信バッファ#1〜#Nのうちのいずれかを介してアドバンスドパック処理部205に転送されるようになっている。
【0030】
図4は、この発明の一実施の形態において用いられるアドバンスドパケット(ADV_PCK)のデータ構造を説明する図である。各ADV_PCKは、パックヘッダとアドバンスドパケット(ADV_PKT)を含んで構成される(図4(a))。各ADV_PKTは、ストリーム識別子(stream_id)を含むパケットヘッダと、当該データストリームがアドバンスドストリームであることを示すサブストリーム識別子(sub_stream_id)と、アドバンスドデータヘッダ(advanced_data_header)と、アドバンスドデータ(Advanced Data)を含んでいる。
【0031】
ここで、アドバンスドデータヘッダは、アドバンスドストリーム内におけるADV_PKTの位置情報(advanced_pkt_status)と、複数存在し得るアーカイブファイルの識別子(advanced_identifier)と、当該パケットを含んで構成されるアーカイブファイルのファイル名(advanced_file_name)の情報を含んでいる(図4(b))。
【0032】
1以上のADV_PKTに含まれるアドバンスドデータは、アーカイブデータ(Archiving Data)に対応している(図4(c))。このアーカイブデータは、ファイルヘッダと、1以上のリソースデータサーチポインタ#1〜#nと、リソースデータサーチポインタ#1〜#nで示される1以上のリソースデータ#1〜#nを含んで構成される。これらのリソースデータ#1〜#nはトータルでは比較的大きなサイズとなり得る。このアーカイブデータが、図1または図2のアドバンスドパック処理部205で処理され、図1のナビゲーションマネージャ1000内のファイルキャッシュマネージャ(図示せず)を介してアドバンスドリソースファイル(ARF)としてファイルキャッシュ105に戻され蓄えられるようになっている。
【0033】
ファイルヘッダは、該当するアーカイブデータのファイル識別子(FILE_ID)と、該当規格のバージョン(VERN)と、該当ファイルが圧縮データであるか否か等を示すファイルタイプ(FILE_TY)と、リソース名ストリングに用いられるテキストエンコードタイプ(ENC_TY)と、データサーチポインタの数(SRP_Ns)と、当該ファイルのサイズ(FILE_SZ)などの情報を含んでいる(図4(d))。
【0034】
なお、図2の受信バッファ#1〜#Nと図4(c)のリソースデータ#1〜#nは互いに独立別個として存在していてよい(#nと#Nが無関係になっていてよい)のであるが、図4(c)のリソースデータサーチポインタ#i、#j(#iまたは#jは#1〜#nのうちの任意の1つ)で示されるリソースデータ#i、#jを、それらに対応する受信バッファ#I、#Jに格納するといった実施の形態も可能である。このようにすると、リソースデータサーチポインタ#iで特定されたリソースデータ#iの読み出しを開始する際は、読み出されたリソースデータ(リソースデータ#i全体またはリソースデータ#iのうち対応バッファ#Iに収まるよう分割されたリソースデータ)を格納する受信バッファ#Iが既に用意され、ソースデータサーチポインタ#jで特定されたリソースデータ#jの読み出しを開始する際は、読み出されたリソースデータ(リソースデータ#j全体またはリソースデータ#jのうち対応バッファ#Jに収まるよう分割されたリソースデータ)を格納する受信バッファ#Jが既に用意されていることになる。すると、アドバンスドパック抽出部203から受信バッファ部204へのリソースデータ#i、#jのデータの受け渡しを(とくにリソースデータ#i、#jのデータの受け渡しが同時期にあるいは交互に行われる場合は)、よりスムースに行えるようになる。
【0035】
図5は、この発明の一実施の形態に係る情報処理方法の一例を説明する図である。以下、図2、図5を参照しながら、アドバンスドパック抽出部203周辺のデータと制御の流れ(あるいはファームウエア206a、203a〜203fの処理機能)を説明する。まず、ストリーム転送処理部201は、ストリーム転送制御部206の制御に従い、ストリームの転送を行う。デマルチプレクサ部202は、ストリームから取り出したADV_PCKをアドバンスドパック抽出部203に送付する。アドバンスドパック抽出部203は、バッファ部204の複数受信バッファ#1〜#Nのいずれかを用いて予め設定された個数のADV_PCKを蓄え、フラッシュ要求が発行されたら、蓄えた複数のADV_PCKをアドバンスドパック処理部205へ一度に送付(フラッシュ転送)する。
【0036】
すなわち、ストリーム転送制御部206のフラッシュ要求部206aは、例えば図3(b)のP−EVOBUの境界(ほぼ0.4秒ないし1秒間隔)で、フラッシュ要求を、アドバンスドパック抽出部203に発行する。アドバンスドパック抽出部203のフラッシュ転送部203cは、フラッシュ要求を受信したとき、それまでに蓄積していたADV_PCKをアドバンスドパック処理部205へ一度に送付(フラッシュ転送)する。
【0037】
また、アドバンスドパック抽出部203のパック情報通知部203dは、フラッシュ要求を受信したとき、受信したADV_PCKの個数にかかわらず、アドバンスドパック処理部205に、それまでに受信したADV_PCKの情報(何パック受信したか等)を通知する。
【0038】
アドバンスドパック抽出部203のADV_PCKカウント部203aおよびカウント結果通知部203bは、受信バッファ部204の残り容量が予め設定された値となったとき(例えば既知サイズのバッファに一定サイズのADV_PCKあるいはADV_PKTが所定個数分バッファリングされたとき)、アドバンスドパック処理部205にその旨通知する。
【0039】
アドバンスドパック抽出部203の転送停止要求部203eは、例えば受信バッファ部204にADV_PCKを受信するバッファがなくなるとき、ストリーム転送処理部201に転送停止要求を発行する。アドバンスドパック処理部205は、受信したADV_PCKの処理が終わるなどして、ADV_PCKのバッファを返却してよいときに、当該バッファをアドバンスドパック抽出部203に返却する(つまり、そのバッファをクリアして空にするか別のデータでオーバーライトしてもよい状態にする)。
【0040】
アドバンスドパック抽出部203の転送再開要求部203fは、バッファが返却されるなどして、ADV_PCKを受信可能となったとき、ストリーム転送処理部201に転送再開要求を発行する。
【0041】
ところで、ADV_PCKは、図4(a)に示すように、ADV_PKT、あるいはadvanced_data_headerとAdvanced_Dataを含む。そこで、前述した実施の形態の変形例として、アドバンスドパック抽出部203からアドバンスドパック処理部205へ、ADV_PCK全体ではなく、ADV_PKT部分のみを送る実施の形態が可能である。あるいは、別の変形例として、アドバンスドパック抽出部203からアドバンスドパック処理部205へ、ADV_PCK全体ではなく、advanced_data_headerとAdvanced_Dataのみを送る実施の形態も可能である。
【0042】
<実施の形態のポイント>
1.ADV_PCK抽出部が複数のバッファを持つこと。
【0043】
2.ADV_PCK抽出部は、予め設定された個数のADV_PCKを受信したとき、ADV_PCK処理部にその旨通知すること。
【0044】
3.ストリーム転送制御部は、EVOBUの境界など、一定または所定の間隔で、ADV_PCK抽出部に対して、フラッシュ要求を発行すること。
【0045】
4.ADV_PCK抽出部は、フラッシュ要求を受信したとき、受信したADV_PCKの個数にかかわらず、ADV_PCK処理部に、それまでに受信したADV_PCKの情報を通知すること。
【0046】
5.ADV_PCK抽出部が、新規のADV_PCKを受信できない状態となったとき、ストリーム転送処理部に、転送一時停止要求を発行すること。
【0047】
6.ADV_PCK抽出部が、新規のADV_PCKを受信可能な状態となったとき、ストリーム転送処理部に、転送再開要求を発行すること。
【0048】
<実施の形態と発明との対応関係>
(1)MPEG−2のシステムパートに準じたパック構造を持つ複数種類のデータパック(NV_PCK、ADV_PCK等)を含む1以上のデータユニット(P−EVOBU)の配列に対応したオブジェクト(図3のP−EVOB)のデータストリームを扱う装置(図1〜図2)であって、
前記複数種類のデータパックがパックヘッダおよびアドバンスドパケット(ADV_PKT)からなるアドバンスドパック(図4のADV_PCK)を含む場合において、
前記データストリームを転送処理する転送処理部(図2の201)と、
前記転送処理部(201)によるストリーム転送処理を制御するストリーム転送制御部(206)と、
前記転送処理部(201)により転送されたストリームデータから同種のデータパック(NV_PCK、ADV_PCK等)を分離するデマルチプレクサ部(202)と、
前記デマルチプレクサ部(202)で分離されたデータパックから前記アドバンスドパック(ADV_PCK)を抽出するアドバンスドパック抽出部(203)と、
前記アドバンスドパック抽出部(203)で抽出された前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身(ADV_PKTまたはadvanced_data_header & Advanced Data)を受信して、1個以上の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身を一時蓄積する受信バッファ(#1〜#N)を複数持つ受信バッファ部(204)と、
前記複数の受信バッファ(#1〜#N)のいずれかに蓄積された前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身を受けてその情報内容(Advanced Data)を処理するアドバンスドパック処理部(205)を備えた情報処理装置。
【0049】
(2)前記アドバンスドパック抽出部(203)が、前記アドバンスドパック(ADV_PCK)の受信数をカウントするカウント部(ファームウエア203a)と、このカウント部のカウント結果が所定数に達したときに、その旨を前記アドバンスドパック処理部(205)に通知するカウント結果通知部(ファームウエア203b)を含む装置。
【0050】
(3)前記ストリーム転送制御部(206)が、一定または所定の間隔(連続して並ぶ前記P−EVOBUの境界を単位とする間隔など)で前記アドバンスドパック抽出部(203)に対してフラッシュ要求を発行するフラッシュ要求部(ファームウエア206a)を含み、
前記アドバンスドパック抽出部(203)が、前記フラッシュ要求が発行されると、それまで前記複数の受信バッファ(#1〜#N)に蓄積していた前記アドバンスドパック(ADV_PCK)の内容を一度に前記アドバンスドパック処理部(205)へ転送させるフラッシュ転送部(ファームウエア203c)を含む装置。
【0051】
(4)前記アドバンスドパック抽出部(203)が、前記フラッシュ要求が発行されたとき、それまでに受信した前記アドバンスドパック(ADV_PCK)の情報(何パック受信したか等)を前記アドバンスドパック処理部(205)に通知するパック情報通知部(ファームウエア203d)を含む装置。
【0052】
(5)前記アドバンスドパック抽出部(203)が新規の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)を受信できない状態となったとき(例えばP−EVOBの再生が中断したとき)、あるいは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量がなくなったとき、またはN個の受信バッファのうちN−1個の残り容量がなくなり使用可能な受信バッファが1個になったとき、もしくは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量が予め設定した値(例えばバッファの全容量の5〜10%)まで減少したときに、前記転送処理部(201)に前記データストリームの転送一時停止要求を発行する転送一時停止要求部(ファームウエア203e)を前記アドバンスドパック抽出部(203)が含む装置。
【0053】
(6)前記アドバンスドパック抽出部(203)が新規の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)を受信できる状態となったとき(例えばP−EVOBの再生が再開したとき)、あるいは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量が生じたとき、またはN個の受信バッファのうち使用可能な受信バッファが2個以上に回復したとき、もしくは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量が予め設定した値(例えばバッファの全容量の5〜10%)を超えたときに、前記転送処理部(201)に前記データストリームの転送再開要求を発行する転送再開要求部(ファームウエア203f)を前記アドバンスドパック抽出部(203)が含む装置。
【0054】
(7)前記アドバンスドパケット(ADV_PKT)が、ストリーム識別子を含むパケットヘッダと、前記データストリームがアドバンスドストリームであることを示すサブストリーム識別子と、アドバンスドデータヘッダと、アドバンスドデータを含み、
前記アドバンスドデータヘッダが、前記アドバンスドストリーム内における前記アドバンスドパケットの位置情報(advanced_pkt_status)を含み、
1以上の前記アドバンスドパケット(ADV_PKT)が1以上のリソースデータを含むアーカイブデータに対応し、このアーカイブデータが前記アドバンスドデータに対応する装置。
【0055】
(8)MPEG−2のシステムパートに準じたパック構造を持つ複数種類のデータパック(NV_PCK、ADV_PCK等)を含む1以上のデータユニット(P−EVOBU)の配列に対応したオブジェクト(図3のP−EVOB)のデータストリームを扱う方法(図5)であって、
前記複数種類のデータパックがパックヘッダおよびアドバンスドパケット(ADV_PKT)からなるアドバンスドパック(図4のADV_PCK)を含む場合において、
前記データストリームを転送する処理を制御し(図5の206、201の処理)、
前記転送されたストリームデータから同種のデータパック(NV_PCK、ADV_PCK等)を分離し(図5の202の処理)、
前記分離されたデータパックから前記アドバンスドパック(ADV_PCK)を抽出し(図5の203の処理)、
前記抽出された前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身(ADV_PKTまたはadvanced_data_header & Advanced Data)を受信して、1個以上の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身を複数の受信バッファ(#1〜#N)を用いて一時蓄積し(図5の204の処理)、
前記複数の受信バッファ(#1〜#N)のいずれかに蓄積された前記アドバンスドパック(ADV_PCK)またはその中身を受けてその情報内容(Advanced Data)に応じた処理(図5の205の処理)を行う情報処理方法。
【0056】
(9)前記アドバンスドパック(ADV_PCK)の受信数をカウントし、このカウント結果が所定数に達したときに、その旨を通知する処理(図5の203a、203bの処理)をさらに含む方法。
【0057】
(10)一定または所定の間隔(連続して並ぶ前記P−EVOBUの境界を単位とする間隔など)でフラッシュ要求を発行する処理(図5の206の処理)と、
前記フラッシュ要求が発行されると、それまで前記複数の受信バッファ(#1〜#N)に蓄積していた前記アドバンスドパック(ADV_PCK)の内容を一度に転送させる処理(図5の203cの処理)をさらに含む方法。
【0058】
(11)前記フラッシュ要求が発行されたとき、それまでに受信した前記アドバンスドパック(ADV_PCK)の情報(何パック受信したか等)を通知する処理(図5の203dの処理)をさらに含む方法。
【0059】
(12)新規の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)を受信できない状態となったとき(例えばP−EVOBの再生が中断したとき)、またはN個の受信バッファのうちN−1個の残り容量がなくなり使用可能な受信バッファが1個になったとき、あるいは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量がなくなったとき、もしくは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量が予め設定した値(例えばバッファの全容量の5〜10%)まで減少したときに、前記データストリームの転送一時停止要求を発行する処理(図5の203eの処理)をさらに含む方法。
【0060】
(13)新規の前記アドバンスドパック(ADV_PCK)を受信できる状態となったとき(例えばP−EVOBの再生が再開したとき)、あるいは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量が生じたとき、またはN個の受信バッファのうち使用可能な受信バッファが2個以上に回復したとき、もしくは前記受信バッファ(#1〜#N)の残り容量が予め設定した値(例えばバッファの全容量の5〜10%)を超えたときに、前記データストリームの転送再開要求を発行する処理(図5の203fの処理)をさらに含む方法。
【0061】
(14)前記アドバンスドパケット(ADV_PKT)が、ストリーム識別子を含むパケットヘッダと、前記データストリームがアドバンスドストリームであることを示すサブストリーム識別子と、アドバンスドデータヘッダと、アドバンスドデータを含み、
前記アドバンスドデータヘッダが、前記アドバンスドストリーム内における前記アドバンスドパケットの位置情報(advanced_pkt_status)を含み、
1以上の前記アドバンスドパケット(ADV_PKT)が1以上のリソースデータを含むアーカイブデータに対応し、このアーカイブデータが前記アドバンスドデータに対応する方法。
【0062】
<実施の形態の効果>
この発明の一実施の形態によれば、HD_DVD規格に則ったアドバンスドパケットの転送において、
a).ADV_PCK抽出部が、一定個数のADV_PCKを一度に転送することで、ストリームの、ADV_PCKの密集した領域を再生装置が再生している際の、ハードウエア/下位ソフトウエアと、上位ソフトウエアの通信回数を削減できる。
【0063】
b).ストリーム制御部が、EVOBUの境界など一定間隔で、ADV_PCK抽出部に対して、フラッシュ要求を発行することで、EVOBUに含まれる全てのADV_PCKが、当該EVOBUの再生終了時に、上位のソフトウエアに渡るようにできる。
【0064】
c).ADV_PCK抽出部が、新規のADV_PCKを受信できない状態となったとき、ストリーム転送処理部に、転送一時停止要求を発行し、また、ADV_PCK抽出部が、新規のADV_PCKを受信可能な状態となったとき、ストリーム転送処理部に、転送再開要求を発行することで、ADV_PCK抽出部が、ストリーム転送処理部が転送するストリームに含まれる全てのADV_PCKを抽出できるようになる。すなわち、とりこぼしがなく、かつ遅延のないADV_PCK抽出が可能になる。
【0065】
この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。
【0066】
さらに、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の一実施の形態に係る情報処理装置の構成例を説明するブロック図。
【図2】アドバンスドパケットの転送処理に関するハードウエアおよびファームウエアの構成例を説明する図。
【図3】この発明の一実施の形態において用いられるオブジェクトのデータ構造の一例を説明する図。
【図4】この発明の一実施の形態において用いられるアドバンスドパケットのデータ構造を説明する図。
【図5】この発明の一実施の形態に係る情報処理方法の一例を説明する図。
【符号の説明】
【0068】
100…再生エンジン(Presentation Engine)、101…情報記憶媒体(HD_DVDビデオ用光ディスクドライブおよび/またはハードディスクドライブ)、102…パージステントストレージ(Persistent Storage)、103…ネットワークサーバ(Network Server)、104…データアクセスマネージャ(Data Access Manager)、105…データキャッシュメモリ(File Cache/Streaming Buffer)、200…プライマリビデオプレーヤ(Primary Video Player)、201…ストリーム転送処理部、202…デマルチプレクサ部(Demux部)、203…アドバンスドパック抽出部、204…受信バッファ部(複数の受信バッファ#1〜#N)、205…アドバンスドパック処理部、206…ストリーム転送制御部、207…ビデオデコード部、208…オーディオデコード部、209…その他のデコード部、300…セカンダリビデオプレーヤ(Secondary Video Player)、400…アドバンスドアプリケーション再生エンジン(Advanced Application Presentation Engine)、500…フォント生成システム(Font Rendering System)、600…アドバンスドサブタイトルプレーヤ(Advanced Subtitle Player)、1000…ナビゲーションマネージャ(Navigation Manager)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPEG−2のシステムパートに準じたパック構造を持つ複数種類のデータパックを含む1以上のデータユニットの配列に対応したオブジェクトのデータストリームを扱う装置であって、
前記複数種類のデータパックがパックヘッダおよびアドバンスドパケットからなるアドバンスドパックを含む場合において、
前記データストリームを転送処理する転送処理部と、
前記転送処理部によるストリーム転送処理を制御するストリーム転送制御部と、
前記転送処理部により転送されたストリームデータから同種のデータパックを分離するデマルチプレクサ部と、
前記デマルチプレクサ部で分離されたデータパックから前記アドバンスドパックを抽出するアドバンスドパック抽出部と、
前記アドバンスドパック抽出部で抽出された前記アドバンスドパックまたはその中身を受信して、1個以上の前記アドバンスドパックまたはその中身を一時蓄積する受信バッファを複数持つ受信バッファ部と、
前記複数の受信バッファのいずれかに蓄積された前記アドバンスドパックまたはその中身を受けてその情報内容を処理するアドバンスドパック処理部を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記アドバンスドパックの受信数をカウントするカウント部と、このカウント部のカウント結果が所定数に達したときに、その旨を前記アドバンスドパック処理部に通知するカウント結果通知部をさらに備えた請求項1に記載の装置。
【請求項3】
一定または所定の間隔でフラッシュ要求を発行するフラッシュ要求部と、
前記フラッシュ要求が発行されると、それまで前記複数の受信バッファに蓄積していた前記アドバンスドパックの内容を一度に前記アドバンスドパック処理部へ転送させるフラッシュ転送部をさらに備えた請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記フラッシュ要求が発行されたとき、それまでに受信した前記アドバンスドパックの情報を前記アドバンスドパック処理部に通知するパック情報通知部をさらに備えた請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記アドバンスドパック抽出部が新規の前記アドバンスドパックを受信できない状態となったとき、あるいは前記受信バッファの残り容量がなくなったとき、またはN個の受信バッファのうちN−1個の残り容量がなくなり使用可能な受信バッファが1個になったとき、もしくは前記受信バッファの残り容量が予め設定した値まで減少したときに、前記データストリームの転送一時停止要求を発行する転送一時停止要求部をさらに備えた請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記アドバンスドパック抽出部が新規の前記アドバンスドパックを受信できる状態となったとき、あるいは前記受信バッファの残り容量が生じたとき、またはN個の受信バッファのうち使用可能な受信バッファが2個以上に回復したとき、もしくは前記受信バッファの残り容量が予め設定した値を超えたときに、前記データストリームの転送再開要求を発行する転送再開要求部をさらに備えた請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記アドバンスドパケットが、ストリーム識別子を含むパケットヘッダと、前記データストリームがアドバンスドストリームであることを示すサブストリーム識別子と、アドバンスドデータヘッダと、アドバンスドデータを含み、
前記アドバンスドデータヘッダが、前記アドバンスドストリーム内における前記アドバンスドパケットの位置情報を含み、
1以上の前記アドバンスドパケットが1以上のリソースデータを含むアーカイブデータに対応し、このアーカイブデータが前記アドバンスドデータに対応する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
MPEG−2のシステムパートに準じたパック構造を持つ複数種類のデータパックを含む1以上のデータユニットの配列に対応したオブジェクトのデータストリームを扱う方法であって、
前記複数種類のデータパックがパックヘッダおよびアドバンスドパケットからなるアドバンスドパックを含む場合において、
前記データストリームを転送する処理を制御し、
前記転送されたストリームデータから同種のデータパックを分離し、
前記分離されたデータパックから前記アドバンスドパックを抽出し、
前記抽出された前記アドバンスドパックまたはその中身を受信して、1個以上の前記アドバンスドパックまたはその中身を複数の受信バッファを用いて一時蓄積し、
前記複数の受信バッファのいずれかに蓄積された前記アドバンスドパックまたはその中身を受けてその情報内容に応じた処理を行う情報処理方法。
【請求項9】
前記アドバンスドパックの受信数をカウントし、このカウント結果が所定数に達したときに、その旨を通知する処理をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一定または所定の間隔でフラッシュ要求を発行する処理と、
前記フラッシュ要求が発行されると、それまで前記複数の受信バッファに蓄積していた前記アドバンスドパックの内容を一度に転送させる処理をさらに含む請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フラッシュ要求が発行されたとき、それまでに受信した前記アドバンスドパックの情報を通知する処理をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
新規の前記アドバンスドパックを受信できない状態となったとき、またはN個の受信バッファのうちN−1個の残り容量がなくなり使用可能な受信バッファが1個になったとき、あるいは前記受信バッファの残り容量がなくなったとき、もしくは前記受信バッファの残り容量が予め設定した値まで減少したときに、前記データストリームの転送一時停止要求を発行する処理をさらに含む請求項8ないし請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
新規の前記アドバンスドパックを受信できる状態となったとき、あるいは前記受信バッファの残り容量が生じたとき、またはN個の受信バッファのうち使用可能な受信バッファが2個以上に回復したとき、もしくは前記受信バッファの残り容量が予め設定した値を超えたときに、前記データストリームの転送再開要求を発行する処理をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アドバンスドパケットが、ストリーム識別子を含むパケットヘッダと、前記データストリームがアドバンスドストリームであることを示すサブストリーム識別子と、アドバンスドデータヘッダと、アドバンスドデータを含み、
前記アドバンスドデータヘッダが、前記アドバンスドストリーム内における前記アドバンスドパケットの位置情報を含み、
1以上の前記アドバンスドパケットが1以上のリソースデータを含むアーカイブデータに対応し、このアーカイブデータが前記アドバンスドデータに対応する請求項8ないし請求項13のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−87406(P2009−87406A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252458(P2007−252458)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】