説明

データセグメントのオプションのブロードキャスト配信によるストリーミング

移動通信ネットワークにおいてデータをストリーミングするため、ストリーム(200)の記述ファイル(100)が提供される。記述ファイル(100)は、ストリームのデータセグメント(210)のユニキャスト配信のためのURI等の配信元識別子のリスト(110)を含む。ブロードキャスト指標(120)は、データセグメント(210)のブロードキャスト配信を使用できることを示すように記述ファイル(100)に選択的に追加される。ブロードキャスト指標(120)を追加すること及びブロードキャスト配信を開始することは、ストリームの人気に基づいて達成されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データセグメントのオプションのブロードキャスト配信によりストリーミングする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
データをクライアントに配信するため、データをストリーミングする手法を使用することは既知である。一般にストリーミングされたデータは、オーディオデータ及び/又はビデオデータ等のメディアデータを含む。
【0003】
これに関連して、ファイルストリーミング手法を使用することが既知であり、この手法に従って、ストリームのデータセグメントは、ユニキャスト要求及びユニキャスト応答を使用してクライアントに配信される。ここで、データセグメントは、例えばMPEG−TSパケット(MPEG:Moving Pictures Experts Group、TS:トランスポートストリーム)の形式のメディアデータを含むファイルであってもよい。データセグメントは、メディアデータを含む個々のメディアファイル、例えば3GPP技術仕様書26.244に規定されたような3gpファイル又はISO/IEC14496−12及び14496−14に規定されたようなMP4ファイルの形式を更に有してもよい。例えば、ストリームは、合計再生時間が約1時間の映画に対応してもよく、データセグメントは、各々が約数秒の再生時間を有する映画の連続部分に対応するメディアファイルであってもよい。
【0004】
ファイルストリーミング手法において、データセグメントのユニキャスト配信のための配信元識別子のリストを含む記述ファイルが提供される。そのような記述ファイルの一例は、HTTPライブストリーミングプロトコル(HTTP:ハイパーテキスト転送プロトコル)に従うプレイリストファイルである。この場合、配信元識別子(delivery source identifies)は、URI(Uniform Resource Identifiers)の形式で提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動通信ネットワークにおいてファイルストリーミング手法を適用する場合、一般に、データセグメントを連続して要求及び受信する種々の移動端末において複数のストリーミングクライアントが存在することになるから、ネットワークデバイス間の通信又はネットワークデバイスと移動端末との間の通信に対して使用可能な帯域幅等のネットワーク資源をかなり使用することになるだろう。
【0006】
従って、移動通信ネットワークにおいてデータをストリーミングする場合にネットワーク資源を効率的に使用できるようにする技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、移動通信ネットワークにおいてデータをストリーミングする方法が提供される。この方法は、ストリームの記述ファイルを提供することを備える。記述ファイルは、ストリームのデータセグメントのユニキャスト配信のための配信元識別子のリストを含む。この方法によると、データセグメントのブロードキャスト配信が使用できるかを示すため、ブロードキャスト指標(broadcast indicator)が記述ファイルに追加される。
【0008】
本発明の一実施形態によると、ストリームの人気値(popularity value)は、例えばデータセグメント及び/又は記述ファイルを提供するサーバ、あるいは一時的に格納されたデータセグメント及び/又は記述ファイルのコピーを提供するプロキシサーバにおいて実現されてもよい人気推定器関数により判定される。人気値に基づいて、ブロードキャスト配信を開始してもよく、ブロードキャスト配信を使用できることを示すように記述ファイルに追加されたブロードキャスト指標でもよい。例えば人気値は、第1の閾値及び第2の閾値と比較されてもよい。人気値が第1の閾値を上回る場合、ブロードキャスト配信を開始してもよく、ブロードキャスト指標は、ブロードキャスト配信を使用できることを示すために記述ファイルにおいて提供されてもよい。人気値が第2の閾値を下回る場合、ブロードキャスト配信を終了してもよく、ブロードキャスト指標は、例えばブロードキャスト指標を変更するかあるいは記述ファイルからブロードキャスト指標を削除することにより、ブロードキャスト配信を使用できないことを示すために提供されてもよい。
【0009】
本発明の更なる一実施形態によると、移動端末においてストリーミングされたデータを受信する方法が提供される。この方法は、ストリームの記述ファイルを受信することを備える。記述ファイルは、ストリームのデータセグメントのユニキャスト配信のための配信元識別子のリストを含む。更に、この記述ファイルは、データセグメントのブロードキャスト配信を使用できるかを示すブロードキャスト指標を含む。この方法によると、ブロードキャスト指標に基づいて前記ブロードキャスト配信を使用できるかが判定される。ブロードキャスト配信を使用できる場合には、データセグメントは、ブロードキャスト配信を使用して受信される。
【0010】
本発明の更なる実施形態は、上述の方法に従って動作するネットワーク構成要素又は移動端末に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、分割されたストリームの構造及びストリームの記述ファイルを概略的に示す図である。
【図2】図2は、本出願の実施形態に係る概念が適用されてもよい移動通信ネットワーク環境を概略的に示す図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るネットワーク構成要素を概略的に示す図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る移動端末を概略的に示す図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従ってデータをストリーミングする方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の更なる一実施形態に従ってストリーミングされたデータを受信する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、例示的な実施形態及び添付の図面を参照することにより、本発明を更に詳細に説明する。示された実施形態は、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)技術仕様書に係る移動通信ネットワーク等の移動通信ネットワークにおいてデータをストリーミングする技術に関する。しかし、本明細書において説明されるような概念は、WLANネットワーク(WLAN:無線ローカルエリアネットワーク)等の他の種類の移動通信ネットワークに更に適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に従って使用されるような分割されたセグメント200の構造を概略的に示す。また、図1は、本発明の一実施形態に係る記述ファイル100の構造を更に示す。
【0014】
示されるように、ストリーム200は複数のデータセグメント210を含む。データセグメントは、ストリーミングクライアントにより順々に再生されるように並べられている。ストリーミングの概念によると、データセグメント210は、連続して、すなわち2つのデータセグメント210間の間隔なしで再生される。図1の例において、順序は、セグメント番号#X、#X+1及び#X+2により示される。この所定の順序に従って、番号#X+1を含むデータセグメントは番号#Xを含むデータセグメントの後で再生され、番号#X+2を含むデータセグメントは番号#X+1を含むデータセグメントの後で再生される。
【0015】
各データセグメント210は、オーディオデータ及び/又はビデオデータ等のメディアデータを含む。図示された例においては、メディアデータは、オーディオフレーム又はビデオフレーム等のメディアフレーム220により示される。示されるように、各データセグメント210は、複数のメディアフレーム220を含んでもよい。一実施形態によると、メディアフレーム220はMPEG−TSパケットである。他の実施形態によると、データセグメント210は、例えば3GPP技術仕様書26.244に規定されたような3gpファイル又はISO/IEC14496−12及び14496−14に規定されたようなMP4ファイルの形式の個々のメディアファイルであってもよい。
【0016】
各データセグメント210は、例えば約10秒のメディアデータの再生時間を与えることに対応してもよい。ストリーム200の合計再生時間は、非常により長くてもよく、例えば数分〜数時間であってもよい。
【0017】
記述ファイル100は、データセグメント210のユニキャスト配信のための配信元識別子のリスト110を含む。リスト110において配信元識別子を使用することにより、ストリーム200のデータセグメント210は、要求/応答機構を使用して検索されてもよい。例えばストリーミングクライアントは、配信元識別子を含むHTTP要求を送出してもよく、その要求に応答してこの配信元識別子に対応するデータセグメント210を受信してもよい。本発明の一実施形態によると、配信元識別子は、URI又はURL(統一資源ロケータ)の形式を有する。他の実施形態によると、他の種類の配信元識別子及び/又はHTTP以外の他のプロトコルが使用されてもよい。
【0018】
ストリーミングの実現例に依存して、記述ファイル100に対して種々の形式が使用されてもよい。記述ファイル100の例示的な形式は、HTTPライブストリーミングプロトコルに対して規定されるようなプレイリストファイルである。ストリーミングの実現例に依存して、更に記述ファイル100は、プレイリストファイル、インデックスファイル又はマニフェストファイルと呼ばれてもよい。
【0019】
更に示されるように、記述ファイル100はブロードキャスト指標120を更に含む。また、タイミング指標130が、その記述ファイル100に追加的に提供されてもよい。
【0020】
ブロードキャスト指標120は、ストリーム200のブロードキャスト配信が使用できるかを示すように記述ファイル100に選択的に追加できる。ブロードキャスト指標120は、ストリーム200の種々の別の配信方法を更に示してもよい。例えば、第1の別の配信方法はユニキャスト配信であってもよく、第2の別の配信方法はユニキャスト配信及びブロードキャスト配信の双方であってもよく、第3の別の配信方法はブロードキャスト配信のみであってもよい。しかし、以下の説明のため、データセグメント210のユニキャスト配信を常に使用できるものとし、且つブロードキャスト指標120についはユニキャスト配信に加えブロードキャスト配信を使用できるかを示すものと仮定される。また、ブロードキャスト指標120は、ブロードキャスト配信のためのアクセス情報、例えばポート番号又はマルチキャストアドレス等のブロードキャストチャネルを受信するのに必要なブロードキャストチャネル及び/又はパラメータの識別子を更に含むと仮定されるだろう。
【0021】
ストリーミングクライアントがデータセグメント210のうちの1つを要求し且つ要求に応答して要求されたデータセグメント210を受信するユニキャスト配信と比較すると、ブロードキャスト配信は、同一のデータセグメント210を同時に複数のストリーミングクライアントに送出することを意味する。ブロードキャスト配信は、複数の移動端末により受信されてもよく且つデータセグメント210を送信するために使用されるブロードキャストチャネルを使用して確立されてもよい。また、記述ファイル100の更新されたバージョンも、ブロードキャストチャネル上で送信されてもよい。
【0022】
ブロードキャスト配信を実現するため、種々のオプションが使用可能である。例えばブロードキャストチャネルは、RFC3926に規定されたようなFLUTEプロトコル(FLUTE:File Delivery over Unidirectional Transport)又はIPマルチキャスト(IP:インターネットプロトコル)を使用して実現されてもよい。3GPP技術仕様書に従って移動通信ネットワークにおいてブロードキャストチャネルを確立するため、3GPP技術仕様書に規定されたようなマルチメディアブロードキャスト及びマルチキャストサービス(MBMS)のマルチキャストモード又はブロードキャストモードは、ブロードキャストチャネルを確立するために使用されてもよい。
【0023】
上述したように、記述ファイル100は、オプションとしてタイミング指標130を更に含んでもよい。タイミング指標130は、その後ストリーミングクライアントが記述ファイル100の更新されたバージョンを要求すべき時間間隔を示すように使用されてもよい。更に又はあるいは、その後ストリーミングクライアントがブロードキャスト配信を使用して正常に受信できないデータセグメント210のうちの1つ以上を検索するためにユニキャスト配信を使用すべき時間間隔が示されてもよい。以下に更に説明されるように、これは、ストリーム200へのユニキャストアクセスに対して最小使用率を維持することをストリーミングクライアントに強制するために使用されてもよい。次にユニキャストアクセスは、ストリーム200の人気値を推定又は監視するために使用されてもよい。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る概念が適用可能な移動通信ネットワーク環境を概略的に示す図である。
【0025】
示されるように、移動通信ネットワーク環境は、Aにより示されたコンテンツアップロードセクション、Bにより示されたコンテンツ検索セクション、及び、Cにより示された管理されたコンテンツ配信セクションを備える。
【0026】
コンテンツアップロードセクションにおいて、ビデオヘッドエンド(VHE)システム310は、ビデオデータ及び/又はオーディオデータを含む連続メディアストリーム11を生成する。連続メディアストリーム11は分割器320に供給される。分割器320は、連続メディアストリーム11を例えば約10秒のほぼ同一の再生時間に対応するデータセグメントに分割する。データセグメントは、図1に関連して説明したようなデータセグメントに対応してもよい。図中符号12により示されるように、次に分割器320は、HTTPサーバ335のファイルシステム330へのデータセグメントのアップロードを達成する。分割器320は、図1に関連して説明したような記述ファイルに対応してもよいが、一般にブロードキャスト指標120又はタイミング指標130を含まないストリームに対する記述ファイルを更に生成する。記述ファイルは、例えばURIの形式のストリームのデータセグメントのユニキャスト配信のための配信元識別子のリストを含む。
【0027】
1つのオプションによると、ストリームはオープンであり、新しいデータセグメントは、連続メディアストリーム11から生成されるために分割器320により使用可能になる。この場合、記述ファイルは、新しいデータセグメントが使用可能になる度に更新されてもよい。別のオプションによると、ストリームはクローズされてもよく、ストリームの更なるデータセグメントは分割器320により生成されない。この場合、分割器320は、記述ファイルの更新されたバージョンを提供する必要はない。これは、HTTPライブストリーミングプロトコルに対して説明したような「#EXT−X−ENDLIST」等の対応する指標により、記述ファイルにおいて示されてもよい。そのような指標が記述ファイルに含まれない場合、ストリーミングクライアントは、新しいデータセグメントの配信元識別子を認識するように記述ファイルの更新されたバージョンを受信しようとするだろう。尚、これに関連して、記述ファイルの更新されたバージョンは、一般に新しい情報を含むだろう。しかし、更新されたバージョンは、例えば記述ファイルの以前のバージョンが依然として有効であることを示すために更に変更されなくてもよい。
【0028】
コンテンツ検索セクションBは、キャッシュ345を含むHTTPプロキシサーバ340を備える。更にコンテンツ検索セクションBは、キャッシュ345及びブロードキャストハンドラ360を含むハイブリッドプロキシサーバ350を備える。
【0029】
管理されたコンテンツ配信セクションは、ハイブリッドプロキシサーバ350と通信する移動端末380を備える。更に移動端末380は、ブロードキャストチャネル50を介してブロードキャストハンドラ360と通信してもよい。
【0030】
図2に示されるような移動通信ネットワーク環境において、コンテンツ検索及び管理されたコンテンツ配信は以下のように動作する。移動端末380のうちの1つのストリーミングクライアントは、ストリームについて認識し、ストリームの記述ファイルに対する要求21をハイブリッドプロキシサーバ350に送出する。要求された記述ファイルがハイブリッドプロキシサーバ350のキャッシュ355において入手可能でない場合、ハイブリッドプロキシサーバ350は、記述ファイルに対する要求22をHTTPプロキシサーバ340に送出する。要求された記述ファイルがHTTPプロキシサーバ340のキャッシュ345において入手可能でない場合、HTTPプロキシサーバ340は、記述ファイルに対する要求23をHTTPサーバ335に送出する。HTTPサーバ335は、ファイルシステム330から要求された記述ファイルを検索し、要求された記述ファイルを含む応答24を、キャッシュ345に受信した記述ファイルのコピーを格納するHTTPプロキシサーバ340に送出する。更にHTTPプロキシサーバ340は、記述ファイルを含む応答25をハイブリッドプロキシサーバ350に送出する。ハイブリッドプロキシサーバ350は、キャッシュ355に記述ファイルのコピーを格納する。更にハイブリッドプロキシサーバ350は、記述ファイルを含む応答26を移動端末380のストリーミングクライアントに送出する。ここで、例えば移動端末380のうちの別の1つにおけるストリーミングクライアントからの記述ファイルに対する別の要求27がある場合、キャッシュ355において既に記述ファイルのコピーは入手可能であり、次にハイブリッドプロキシサーバ350は、キャッシュ355に格納されたような記述ファイルのコピーを含む応答28を送出する。
【0031】
ストリームのデータセグメント等の他のコンテンツを要求する処理も同様である。移動端末380のうちの1つのストリーミングクライアントは、データセグメントに対する要求21をハイブリッドプロキシサーバ350に送出する。要求されたデータセグメントのコピーがキャッシュ355において入手可能でない場合、ハイブリッドプロキシサーバ350は、データセグメントに対する要求22をHTTPプロキシサーバ340に送出する。要求されたデータセグメントのコピーがキャッシュ345において入手可能でない場合、HTTPプロキシサーバ340は、データセグメントに対する要求23をHTTPサーバ335に送出する。HTTPサーバ335は、ファイルシステムから要求されたデータセグメントを検索し、要求されたデータセグメントを含む応答24をHTTPプロキシサーバ340に送出する。HTTPプロキシサーバ340は、キャッシュ345に要求されたデータセグメントのコピーを格納する。更にHTTPプロキシサーバ340は、要求されたデータセグメントを含む応答をハイブリッドプロキシサーバ350に送出する。ハイブリッドプロキシサーバ350は、キャッシュ355に要求されたデータセグメントのコピーを格納し、応答26を移動端末380のストリーミングクライアントに送出する。すなわち移動端末380のうちの別の1つからこのデータセグメントに対する別の要求27がある場合、要求されたデータセグメントのコピーはキャッシュ355において既に入手可能であり、ハイブリッドプロキシサーバ350は、要求されたデータセグメントのコピーを含む応答を移動端末380のストリーミングクライアントに送出する。
【0032】
記述ファイル又はデータセグメント等の要求されたコンテンツのコピーがキャッシュ355において入手可能ではないが、キャッシュ345において入手可能である場合、要求は、キャッシュ345に格納されたようなコピーで応えられる。
【0033】
従って、示されたキャッシング階層により、キャッシュ355又はキャッシュ345に格納される要求されたコンテンツのコピーを含む特定のコンテンツ、すなわちストリームの記述ファイル又はストリームのデータセグメントに対する要求に応答できる。ハイブリッドプロキシサーバ350のみを使用するキャッシング階層又はより多くのHTTPプロキシサーバを使用するキャッシング階層等の他のキャッシング階層が更に使用されてもよいことが理解されるべきである。キャッシュ355又はキャッシュ345により格納されたコピーは、コンテンツが所定の時間の後で新たに要求されることを保証するように、有効時間情報を含んでもよい。このように、コンテンツの更新されたバージョンはキャッシュ355、345に格納される。例えば、キャッシュ355又はキャッシュ345に格納されたようなストリームの記述ファイルのコピーは、記述ファイルの更新されたバージョンのコピーに置換されてもよい。
【0034】
従って、示されたキャッシング階層は、ストリームの記述ファイル又はストリームのデータセグメントのデータセグメント等のコンテンツのコピーをある特定の時間維持することにより、コンテンツを移動端末380のより近くに移動させることがきる。このように、移動通信ネットワークの構成要素(components)間のデータトラフィックは削減される。
【0035】
図2に示されるような移動通信ネットワーク環境の構造は単なる例であり、且つ本発明の実施形態に係る概念は、移動通信ネットワーク環境の異なる構造を使用して更に適用されてもよいことが理解されるべきである。例えば、HTTPプロキシサーバ340及びキャッシュ345はコミットされてもよく、ハイブリッドプロキシサーバ350は、HTTPサーバ335と直接通信してもよい。また、ハイブリッドプロキシサーバ350及びキャッシュ355は更に省略されてもよく、移動端末380及びブロードキャストハンドラ360は、HTTPサーバ335と直接通信してもよい。
【0036】
本発明の一実施形態によると、ハイブリッドプロキシサーバ350は、ストリームの人気値を判定するように構成される。このため、ハイブリッドプロキシサーバ350は、人気推定器と呼ばれる、それに対応して構成されたデバイス又はモジュール(図2には不図示)を備える。人気値に基づいて、トリガリング信号31をブロードキャストハンドラ360に送出することによりストリームのブロードキャスト配信を開始する。更にハイブリッドプロキシサーバ350は、ストリームのブロードキャスト配信を現在使用できることを示すように、ブロードキャスト指標を記述ファイルに追加する。
【0037】
一実施形態によると、ブロードキャストハンドラ360は、ストリームに関連したコンテンツに対する要求32をハイブリッドプロキシサーバ350に送出する。特にブロードキャストハンドラ360は、ストリームのデータセグメントを要求してもよい。また、ブロードキャストハンドラ360は、ストリームの記述ファイルを更に要求してもよい。ハイブリッドプロキシサーバ350は、要求されたコンテンツ、すなわちストリームのデータセグメント及びオプションとして更にストリームの記述ファイルを含む応答33をブロードキャストハンドラ360に送出する。要求32及び応答33は、例えば要求/応答機構を使用して移動端末380のうちの1つとハイブリッドプロキシサーバ350との間と同様にブロードキャストハンドラ360とハイブリッドプロキシサーバ350との間でやり取りされてもよい。すなわち、ハイブリッドプロキシサーバ350に対して、ブロードキャストハンドラ360は、移動端末380のストリーミングクライアントと同様に動作してもよい。他の実施形態によると、ブロードキャストハンドラ360は、ブロードキャストチャネル50を介して配信のためのデータセグメント及び/又は記述ファイルを検索するために他の機構を使用してもよい。例えばハイブリッドプロキシサーバ350は、プッシュ機構とも呼ばれてもよいブロードキャストハンドラ360からの要求を全く必要とせずに、データセグメント又は記述ファイルをブロードキャストハンドラ360に能動的に送出してもよい。また、ブロードキャストハンドラ360は、HTTPプロキシサーバ340又はHTTPサーバ335等の他のソースからデータセグメント及び/又は記述ファイルを更に受信してもよい。
【0038】
次にブロードキャストハンドラ360は、ブロードキャストチャネル50を使用してコンテンツを同時に複数の移動端末380に配信する。
【0039】
ストリームに対してブロードキャスト配信を開始する場合、少なくともストリームのデータセグメントは、ブロードキャストハンドラ360により複数の移動端末380に配信される。いくつかの実施形態によると、ストリームの記述ファイルは、更にブロードキャスト配信を使用して配信されてもよい。この場合、記述ファイルの更新されたバージョンは、規則的な時間間隔で又はそれらが使用可能になるとすぐにブロードキャストチャネル上に配信される。
【0040】
ハイブリッドプロキシサーバ350の上述の機能性を使用して、移動端末380のうちの1つがストリームを受信したい場合に、最初にハイブリッドプロキシサーバ350からストリームの記述ファイルを要求する。ハイブリッドプロキシサーバ350は、記述ファイルのキャッシュされたコピーで応答するか、あるいはHTTPプロキシサーバ340又はHTTPサーバ335から記述ファイルを受信するための要求を行う。
【0041】
ストリームの人気値に基づいて、ブロードキャスト指標は記述ファイルに選択的に追加される。例えば、人気値が第1の閾値を上回る場合、ブロードキャスト指標は、ブロードキャスト配信を使用できることを示すように記述ファイルに追加し、ブロードキャスト配信を開始してもよい。そして、人気値が第2の閾値を下回る場合、ブロードキャスト指標は、ブロードキャスト配信をもはや使用できないことを示すように変更又は削除し、ブロードキャスト配信を終了してもよい。ブロードキャスト配信の開始及び終了は、トリガリング信号31を使用して実現されてもよい。一実施形態によると、第1の閾値は第2の閾値より高い。このように、人気値が閾値のうちの1つに近接することによりブロードキャスト配信を頻繁に開始及び終了することを回避できる。示された実施形態において、選択的にブロードキャスト指標を追加し且つブロードキャスト配信を開始又は終了する上記の処理は、ハイブリッドプロキシサーバ350の人気推定器により達成される。閾値は、ユニキャスト配信を提供するのに必要な資源とブロードキャスト配信を提供するのに必要な資源とのバランスを取るように、移動通信ネットワークの事業者により構成されてもよい。
【0042】
移動通信端末380のストリーミングクライアントは、記述ファイルを受信し、記述ファイルのブロードキャスト指標に基づいてブロードキャスト配信を使用できるかを判定する。例えば、記述ファイルに存在するブロードキャスト指標はブロードキャスト配信を使用できることを示してもよく、記述ファイルに存在しないブロードキャスト指標はブロードキャスト配信を使用できないことを示してもよい。別の例は、ブロードキャスト配信を使用できることを示す一方の種類のブロードキャスト指標及びブロードキャスト配信を使用できないことを示す他方の種類のブロードキャスト指標を有することである。
【0043】
ブロードキャスト配信を使用できる場合、次に移動端末380のストリーミングクライアントは、ストリームのデータセグメントを受信するためにブロードキャスト配信を使用する。ブロードキャスト配信を使用できない場合、移動端末のストリーミングクライアントは、ストリームのデータセグメントを受信するためにユニキャスト配信を使用する。すなわち、記述ファイルに含まれるようなユニキャスト配信のための配信元指標を使用してデータセグメントを要求する。また、データセグメントのうちの1つのブロードキャスト配信がブロードキャストチャネル50上の外乱等により障害を起こす場合、ストリーミングクライアントは、このデータセグメントを受信するためにユニキャスト配信を更に使用してもよい。
【0044】
上述したように、ストリームの記述ファイルは更にブロードキャスト配信に含まれてもよい。従って、移動端末380のストリーミングクライアントは、ブロードキャスト配信を使用して記述ファイルの更新されたバージョンを受信してもよい。記述ファイルの更新されたバージョンは、新たに追加された配信資源識別子を含んでもよく、あるいはブロードキャスト識別子に対して更に変更されてもよい。例えば、データセグメントのブロードキャスト配信は、ブロードキャスト配信をもはや使用できないことを示すようにブロードキャスト指標に対して変更されるストリームの記述ファイルの更新されたバージョンで終了してもよい。記述ファイルの更新されたバージョンを受信すると、移動端末380のストリーミングクライアントは、ブロードキャスト配信をもはや使用できないことを判定し、次にデータセグメント又は記述ファイルの更新されたバージョンを要求及び受信するためにユニキャスト配信を使用する。ここでも、記述ファイルの更新されたバージョンは、例えば以前のバージョンが依然として有効であることを示すために、以前のバージョンに対して更に実質的に変更されなくてもよい。
【0045】
上述したように、本発明のいくつかの実施形態によると、ブロードキャスト配信の開始又は終了は、ストリームの人気値に基づいて判断される。人気値を判定するために種々のオプションが使用可能である。
【0046】
第1のオプションは、人気値を、移動通信ネットワークの事業者又はストリームのコンテンツプロバイダにより設定されるものである。すなわち、ストリームが多数の移動端末により受信されることを期待される場合、高い人気値をストリームに手動で割り当てられてもよい。ストリームが少数の移動端末のみにより受信されることを期待される場合、低い人気値をストリームに手動で割り当てられてもよい。従って、人気推定器は、ストリームの所定のパラメータとして人気値を受信又は取得するように構成されてもよい。
【0047】
第2のオプションは、例えばストリームに関連したコンテンツに対する複数の要求に基づいて、人気推定器が動的に人気値を判定するように構成するものである。例えば人気値は、ストリームの記述ファイルに対する複数の要求に基づいて判定されてもよい。更に人気値は、ストリームのデータセグメントのうちの1つ以上のユニキャスト配信に対する複数の要求に基づいて判定されてもよい。人気値は、記述ファイルに対する要求の数とデータセグメントのうちの1つ以上のユニキャスト配信に対する要求の数との組合せに基づいて更に判定されてもよい。人気値は、所定の時間間隔において要求の絶対数又は要求の相対数に基づいてもよい。
【0048】
いくつかの状況において、例えば、ストリームがクローズされ且つユニキャスト配信のための新しい配信元識別子がこれ以上記述ファイルに追加されていない場合、あるいはブロードキャスト配信が記述ファイルの更新を配信するために使用される場合、人気値を判定する精度は、記述ファイルを要求することに対するストリーミングクライアントのある特定の最小使用率を実行することにより改善されてもよい。記述ファイルの更新されたバージョンを所定の時間受信していない場合、これは、記述ファイルのブロードキャスト配信を一時的に抑制するか、あるいは記述ファイルの更新されたバージョンを要求するようにストリーミングクライアントを構成することにより実現されてもよい。この所定の時間は、ストリーミングクライアントにおいて事前設定されてもよく、あるいは1つのデータセグメントの再生時間等のストリームのパラメータに依存して選択されてもよい。また、その後ストリーミングクライアントが記述ファイルの更新されたバージョンを要求すべき時間は、記述ファイルに含まれたタイミング指標、例えば図1に関連して説明したようなタイミング指標130を使用してネットワークから更に構成されてもよい。ストリーミングクライアントは、所定の時間が経過したかを監視するようにタイマを使用して実現されてもよい。更に又はあるいは、記述ファイルを要求することに対するストリーミングクライアントのある特定の最小使用率は、クローズされたストリームの記述ファイルを変更することにより更に実行されてもよい。例えば、ストリームがクローズされることを示す指標は、記述ファイルから削除されてもよい。また、配信元識別子のうちのいくつかは、記述ファイルのリストから削除されてもよい。
【0049】
ストリームのデータセグメントのうちの1つのユニキャスト配信に対する複数の要求に基づいて人気値が判定される場合、人気値の改善された精度は、このデータセグメントのブロードキャスト配信を抑制することにより取得されてもよい。このように、ストリーミングクライアントは、ストリームがブロードキャスト配信を使用して受信される場合であってもデータセグメントのユニキャスト配信に対する要求を行うように強制される。これにより、データセグメントのうちの1つ以上のユニキャスト配信に対して要求を行うことに対するストリーミングクライアントのある特定の最小使用率が得られる。
【0050】
従って、データセグメントのうちの1つのユニキャスト配信又は記述ファイルに対して要求を行うことに対するストリーミングクライアントのある特定の使用率を実行することにより、データセグメント及び記述ファイルの更新されたバージョンを配信するためにブロードキャスト配信が使用される場合であっても人気値を正確に監視できる。
【0051】
図3は、ハイブリッドプロキシサーバ350の更なる詳細を概略的に示す。図3に示されるように、ハイブリッドプロキシサーバ350は、プロセッサ352、人気推定器353及びインタフェース354を備える。プロセッサ352は、キャッシュ355及びインタフェース354に結合される。人気推定器353は、プロセッサ352により実行される適切に構成されたプログラムコードにより実現されてもよい。インタフェース354は、移動端末380又は他のネットワーク構成要素から要求を受信するように構成される。更にインタフェース354は、移動端末380又は他のネットワーク構成要素に応答を送出するように構成される。例えばインタフェース354は、移動端末380のうちの1つからデータセグメントのユニキャスト配信に対する要求を受信し、且つ要求されたデータセグメントを含む応答を移動端末380に送出するために使用されてもよい。更にインタフェース354は、移動端末380のうちの1つからストリームの記述ファイルに対する要求を受信し、且つ記述ファイルを含む応答を移動端末に送出するために使用されてもよい。更にインタフェース354は、図2に関連して説明したようにブロードキャストハンドラ360からストリームのデータセグメントに対する要求を受信し、且つ要求されたデータセグメントを含む応答をブロードキャストハンドラ360に送出するために使用されてもよい。同様に、インタフェース354は、ブロードキャストハンドラからストリームの記述ファイルに対する要求を受信し、且つ要求された記述ファイルを含む応答をブロードキャストハンドラ360に送出するために更に使用されてもよい。インタフェース354は、ストリームの記述ファイル又はストリームのデータセグメントに対する要求を他のネットワーク構成要素に送出し、且つ要求されたコンテンツ、すなわち記述ファイル又はデータセグメントを含む応答をネットワーク構成要素から受信するために更に使用されてもよい。そのようなネットワーク構成要素は、HTTPプロキシサーバ340又はHTTPサーバ335であってもよい。
【0052】
プロセッサ352は、適切に構成されたプログラムコードを実行することによりハイブリッドプロキシサーバ350の上述した機能性を達成するように構成される多目的プロセッサであってもよい。
【0053】
図4は、本発明の一実施形態に係る移動端末、すなわち図2に示されたような移動端末380のうちの1つを概略的に示す。移動端末380は、移動電話、ポータブルコンピュータ、メディアプレーヤ又は他の種類のポータブル通信機器であってもよい。示されるように、移動端末380は、プロセッサ382及びインタフェース386を備える。プロセッサは、適切に構成されたプログラムコードを実行することによりストリーミングクライアント390の機能性を実現する。ストリーミングクライアント390は、上述した方法でストリームの受信に対処するように構成される。すなわち、ブロードキャスト配信がストリームの記述ファイルにおいて使用できるように示される場合、ストリーミングクライアント390は、ストリームのデータセグメントを受信するために選択的にブロードキャスト配信を使用する。
【0054】
インタフェース386は、ストリームの記述ファイル又はストリームのデータセグメントのユニキャスト配信に対する要求を送出し、且つ要求されたコンテンツ、すなわち要求された記述ファイル又はデータセグメントを含む応答を受信するように構成される。更にインタフェース386は、ブロードキャストチャネルからストリームのデータセグメントを受信するように構成される。インタフェース386は、ブロードキャストチャネルからストリームの記述ファイルを受信するために更に使用されてもよい。
【0055】
インタフェース386は、移動端末380が使用される移動通信ネットワーク環境に従う無線インタフェース、すなわちGSM(登録商標)インタフェース又はUMTSインタフェース(GSM:汎ヨーロッパデジタル移動通信システム、UMTS:ユニバーサル移動通信システム)であってもよい。
【0056】
移動端末380は、示されていない更なる構成要素を備えてもよいことが理解されるべきである。例えばそのような構成要素は、再生される前に受信したデータセグメントを一時的に格納するバッファ又は連続して再生されるように受信したデータセグメントを順序付けし且つ連結するアセンブラであってもよい。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態に従ってデータをストリーミングする方法を概略的に示すフローチャートである。方法は、ハイブリッドプロキシサーバ350等の図2に示されたような移動通信環境に適用されてもよい。しかし、方法は、HTTPサーバ335等の他のネットワーク構成要素に更に適用されてもよい。
【0058】
ステップ510において、ストリームの記述ファイルが提供される。ストリーム及び記述ファイルは、図1に関連して説明したように構成されてもよい。記述ファイルは、ストリームのデータセグメントのユニキャスト配信のための配信元識別子のリストを含む。図1に関連して説明したように、配信元識別子はURIであってもよい。配信元識別子を使用することは、要求−応答機構を使用して受信されてもよい。本発明の一実施形態によると、記述ファイルは、HTTPライブストリーミングプロトコルに従うプレイリストファイルに対応してもよい。他の実施形態によると、他の形式は記述ファイルに対して使用されてもよい。
【0059】
ステップ520において、データセグメントのブロードキャスト配信を使用できるかを示すため、図1に関連して説明したようなブロードキャスト指標120等のブロードキャスト指標が、記述ファイルに追加される。ブロードキャスト指標は、ユニキャスト配信のみ、ユニキャスト配信及びブロードキャスト配信の双方、又はブロードキャスト配信のみ等のストリームの種々の別の配信方法を示してもよい。ここでも、「ブロードキャスト配信」という用語は、同一のコンテンツが同時に複数の受信者に配信される配信の種類を示す。
【0060】
ブロードキャスト指標は、ストリームの人気値に基づいて記述ファイルに追加されてもよい。この処理は、人気値を第1の閾値及び第2の閾値と比較することを含んでもよい。人気値が第1の閾値を上回る場合、ブロードキャスト配信を開始してもよく、ブロードキャスト指標は、ブロードキャスト配信を使用できることを示すために提供されてもよい。人気値が第2の閾値を下回る場合、ストリームの実行中のブロードキャスト配信を終了してもよく、ブロードキャスト配信をもはや使用できないことを示すように削除又は変更されたブロードキャスト指標となる。本発明の一実施形態によると、人気値は、記述ファイルに対する複数の要求及び/又はデータセグメントのうちの1つ以上のユニキャスト配信に対する複数の要求に基づいて判定されてもよい。
【0061】
ブロードキャスト指標が記述ファイルに追加される場合、例えば上述したようにトリガリング信号をブロードキャストハンドラに送出することにより、ブロードキャスト配信を開始してもよい。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に従ってストリーミングされたデータを受信する方法を概略的に示すフローチャートである。この方法は、図2に示されたような移動端末380のうちの1つのストリーミングクライアントに適用されてもよい。
【0063】
ステップ610において、ストリームの記述ファイル、例えば図1に関連して説明したような記述ファイルが受信される。記述ファイルは、ストリームのデータセグメントのユニキャスト配信のための配信元識別子のリストを含む。例えば記述ファイルは、HTTPライブストリーミングプロトコルに従うプレイリストファイルであってもよい。更なる項目として、記述ファイルは、データセグメントのブロードキャスト配信を使用できるかを示すブロードキャスト指標、例えば図1に関連して説明したようなブロードキャスト配信を含む。
【0064】
ステップ620において、ブロードキャスト指標は、ブロードキャスト配信を使用できるかを判定するために使用される。
【0065】
ステップ630において、ブロードキャスト配信を使用できる場合、ストリームのデータセグメントは、ブロードキャスト配信を使用して受信される。ブロードキャスト配信を使用できない場合、データセグメントは、記述ファイルのリストに含まれるような配信元識別子及びユニキャスト配信を使用して受信されてもよい。また、データセグメントのうちの1つのブロードキャスト配信が障害を起こす場合、このデータセグメントのユニキャスト配信は、更に要求されてもよい。配信元識別子のリストの前のデータセグメントの受信又はデータセグメントの所期の再生時間に対して規定されてもよい所定の時点でデータセグメントが受信されていない場合、データセグメントのブロードキャスト配信は障害を起こしたと考えられてもよい。ストリーミングクライアントにおいて、タイマは、この所定の時点を監視するために提供されてもよい。対応する情報は、図1に関連して説明したようなタイミング指標130を使用してストリーム毎にストリーミングクライアントに送信されてもよく、あるいはストリーミングクライアントにおいて事前設定されてもよい。
【0066】
図5及び図6に説明したような方法は、互いに組み合わされてもよい。すなわち、図5の方法により提供されたようなブロードキャスト指標を含む記述ファイルは、図6の方法で使用されてもよい。
【0067】
上述したような実施形態及び例において、いくつかの変更が可能である。例えば、記述ファイルの種々のファイル構造が使用されてもよい。また、種々のストリーム分割方法が使用されてもよい。データセグメントは、MPTEG−TSパケットを含むファイル、あるいは3gpファイル又はMP4ファイルであってもよい。また、上述したような概念は、種々の移動通信ネットワークに適用されてもよい。例えば概念は、WLAN通信ネットワークに更に適用されてもよい。また、ストリームの人気を監視すること、ストリームのブロードキャスト配信を選択的に開始すること及び記述ファイルにおいてブロードキャスト配信の可用性を示すことは、図2に関連して説明したようなハイブリッドプロキシサーバにより実行されなくてもよく、記述ファイル及び/又はデータセグメントを維持するために使用される他のサーバ、例えば図2に示されたようなHTTPサーバ335により更に実行されてもよい。人気推定器は、ハイブリッドプロキシサーバ350以外の他のネットワーク構成要素、例えばHTTPプロキシサーバ340又はHTTPサーバ335において更に実現されてもよい。人気推定器は、専用のネットワーク構成要素において更に実現されてもよいまた、ストリームのブロードキャスト配信を開始又は終了すべきかを判断する際、更に又はあるいは人気値以外の他の基準が使用されてもよいことが理解されるべきである。また、上述したようなネットワーク構成要素の機能性は、単一のネットワーク構成要素に組み込まれてもよい。例えば、図2に示されたようなハイブリッドプロキシサーバ350、キャッシュ355及びブロードキャストハンドラ360は、単一のネットワーク構成要素に組み込まれるかあるいは少なくとも同一の場所に配置されてもよい。また、上述したような機能性は、コンピュータシステム上で実行するソフトウェア又は専用のハードウェアにより実現されてもよいことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信ネットワークにおいてデータをストリーミングする方法であって、
ストリーム(200)のデータセグメント(210)のユニキャスト配信のための配信元識別子のリスト(110)を含む前記ストリーム(200)の記述ファイル(100)を提供するステップと、
前記データセグメント(210)のブロードキャスト配信を使用できるかを示すためのブロードキャスト指標(120)を前記記述ファイル(100)に追加するステップと、
を有する鵜ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ストリーム(200)の人気値を判定するステップと、
前記人気値に基づいて、前記ブロードキャスト配信を開始し、前記ブロードキャスト配信を使用できることを示すために前記記述ファイル(100)の前記ブロードキャスト指標(120)を提供するステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の閾値を上回る前記人気値に基づいて、前記ブロードキャスト配信を開始し、前記記述ファイル(100)に前記ブロードキャスト配信を使用できることを示すための前記ブロードキャスト指標(120)を提供するステップと、
第2の閾値を下回る前記人気値に基づいて、前記ブロードキャスト配信を終了し、前記記述ファイル(100)に前記ブロードキャスト配信を使用できないことを示すための前記ブロードキャスト指標(120)を提供するステップと、
有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記記述ファイル(100)に対する要求数に基づいて前記人気値を判定するステップを有することを特徴とする請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
前記記述ファイル(100)を前記データセグメント(210)の前記ブロードキャスト配信に含めるステップを有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記記述ファイル(100)の前記ブロードキャスト配信を一時的に抑制するステップを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記データセグメント(210)のうちの1つの前記ユニキャスト配信に対する要求数に基づいて前記人気値を判定するステップを有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つのデータセグメント(210)の前記ブロードキャスト配信を抑制するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ストリーミングクライアント(390)が前記記述ファイル(100)の更新されたバージョンを要求すべき時間間隔を示すタイミング指標(130)を前記記述ファイル(100)に追加するステップを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記記述ファイル(100)は、HTTPライブストリーミングプロトコルに従うプレイファイルリストであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
移動端末においてストリーミングされたデータを受信する方法であって、
ストリーム(200)のデータセグメント(210)のユニキャスト配信のための配信元識別子のリスト(110)及び前記データセグメント(210)のブロードキャスト配信を使用できるかどうかを示すブロードキャスト指標(120)を含む前記ストリーム(200)の記述ファイル(100)を受信するステップと、
前記ブロードキャスト指標(120)に基づいて、前記ブロードキャスト配信を使用できるかが判定するステップと、
前記ブロードキャスト配信を使用できる場合、前記ブロードキャスト配信を使用して前記データセグメント(210)を受信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記データセグメント(210)のうちの1つの前記ブロードキャスト配信が障害を起こす場合、このデータセグメント(210)を受信するために前記ユニキャスト配信を使用するステップを有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブロードキャスト配信を使用できる場合、前記ブロードキャスト配信を使用して前記記述ファイル(100)の更新されたバージョンを受信するステップを有することを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記記述ファイル(100)の前記更新されたバージョンの前記ブロードキャスト配信に障害が発生した場合、前記記述ファイル(100)の前記更新されたバージョンを受信するために前記ユニキャスト配信を使用するステップを有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記記述ファイル(100)の更新されたバージョンを所定の時間受信していない場合、前記記述ファイル(100)の前記更新されたバージョンに対する要求を送出するステップを有することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記記述ファイル(100)は、HTTPライブストリーミングプロトコルに従うプレイリストファイルであることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1乃至10のいずれか1項に規定された方法に従って動作するように構成されたサーバ(350)を備えることを特徴とするネットワークコンポーネント。
【請求項18】
請求項11乃至15のいずれか1項に規定された方法に従って動作するように構成されたストリーミングクライアント(390)を備えることを特徴とする移動端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−510453(P2013−510453A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535638(P2012−535638)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064553
【国際公開番号】WO2011/054377
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】