説明

データネットワーク向けエンドツーエンド遅延情報の埋め込み

【課題】仮想リンクに対応するフレームの遅延フィールドの中の値を更新するエンドツーエンドシステムを提供する。
【解決手段】システム100は、複数のノードを備え、複数のノードのうち少なくとも1つのノードは、それぞれの仮想リンクに対応するフレームの動的遅延フィールドの中に仮想リンク毎に遅延値を挿入し、動的遅延値はそれぞれの仮想リンクのフレームの待ち時間を表す。システムは、複数のポートを有する切替装置を備え、各ポートは、複数のノードのうち1つのノードに接続される。切替装置は、複数のノードから受信したフレームを複数のノードのうち1つ以上のノードへ経路指定し、複数のノードのうち少なくとも1つのノードが、切替装置から受信したフレームをバッファに記憶し、エンドツーエンドのシステム遅延を反映するために、動的遅延フィールドの中の値を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]この出願は、以下、同時係属中である米国特許出願に関連し、当該全体を参照により引用する。
[002]「データネットワーク向け多用途発信元ポート実行(VERSATILE SOURCE PORT ENFORCEMENT FOR DATA NETWORKS)」という発明の名称で2011年3月28日に出願された米国出願特許第13/073,260(代理人整理番号H0028046−5409)であって、本明細書において‘046出願として参照される。
【0002】
[003]「データネットワーク向け集中化トラフィック成形(CENTRALIZED TRAFFIC SHAPING FOR DATA NETWORKS)」という発明の名称で2011年3月28日に出願された米国出願特許第13/073,269(代理人整理番号H0028047−5409)であって、本明細書において‘048出願として参照される。
【背景技術】
【0003】
[004]従来のデータネットワークの中には、仮想リンクを利用しているものもある。例えば、エアリンク(ARINC)664の第7章は、全二重切替イーサネット(登録商標)ネットワークエンドポイント間の伝達タイミングに関連して分析される、トラフィックフローを解析可能にするイーサネットを定義している。イーサネットネットワークレベルにおける仮想リンクが、ローカルにて管理される、ネットワーク全体で固有のマルチキャストイーサネットアドレスを用いたマルチキャストグループによって実現されている。すなわち、仮想リンクのフレームすべては、同一のイーサネットマルチキャスト送信先アドレスを使用しているが一方、異なる仮想リンクのフレームは、異なるイーサネットマルチキャスト送信先アドレスを使用している。かくして仮想リンクのフレームが、イーサネットネットワークレベルにおいてフレームの送信先イーサネットアドレスによって識別され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、リアルタイム遅延を反映するために、仮想リンクに対応するフレームの遅延フィールドの中の値を更新するエンドツーエンドシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[005]一実施形態においてシステムが提供される。システムが、複数のノードを含んでいて、複数のノードのうち少なくとも1つのノードが、仮想リンクそれぞれに対応するフレームの動的遅延フィールドの中に仮想リンク毎の遅延値を挿入するように構成され、動的遅延値が、仮想リンクそれぞれのフレームの待ち時間を示している。システムが、複数のポートを有する切替装置も含んでいて、ポートそれぞれが、複数のノードのうち1つのノードに接続される。切替装置が、複数のノードから受信したフレームを複数のノードのうち1つ以上のノードへ経路指定するように構成される。複数のノードのうち少なくとも1つのノードが、切替装置から受信したフレームをバッファに記憶し、エンドツーエンドシステム遅延を反映するために、動的遅延フィールドの中の値を更新するように構成される。
【0006】
[006]図面は例示的な実施形態を示すにすぎず、従って発明の範囲を限定するように考慮されるべきでないことを理解して、添付図面の利用を介して例示的な実施形態を追加的な特異性及び詳細とともに記載する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】[007]システムの一実施形態のブロック図である。
【図2】[008]例示的なフレームの一実施形態のブロック図である。
【図3】[009]フレーム伝達方法の一実施形態を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0010]一般的な実践に従って記載される様々な特徴を縮尺通りに描かずに、例示的な実施形態に関連する特定の特徴を強調して描いている。
[0011]以下の詳細な記載においては、本明細書の一部を形成する、特定の例示的な実施形態を図示することよって示した添付図面に対する参照がされている。しかしながら、別の実施形態が利用され得、論理的変更、機械的変更、及び電気的変更が実行され得ることが理解されよう。更に、図面と明細書に提示した方法が、個々の作用の実行順序を限定しているものとして解釈してはならない。したがって以下の詳細な記載を制限的な意味として受け入れてはならない。
【0009】
[0012]図1は、例示的なシステム100に関する一実施形態のブロック図である。システム100は、(エンドシステムとしても参照される)複数のノード102−1〜102−N及び少なくとも1つの切替装置104を含んでいる。システム100が、切替装置104を介した仮想リンクを使用し、ノード102−1〜102−N間にフレームを伝達するように構成される。仮想リンクは、本明細書では切替装置104を介して2つ以上のノード102−1〜102−Nを接続する単方向の論理パスである。例えば、実施形態の中には、システム100が、(航空機用全二重切換イーサネット(AFDX)とも呼ばれる)エアリンク(ARINC)標準規格664の第7章と互換性があるプロトコルを実装するように構成される全二重切換イーサネットネットワークであるものもある。実施形態の中には、仮想リンクが、ARINC標準規格664の第7章に定義されている唯一無二の1つの発信元ノード102−1〜102−Nを有するように限定されるものもある。しかしながら、別の実施形態において、切替装置104が、‘046出願に記載した単一の仮想リンクにとって有効な発信元ノードとして複数のノード102−1〜102−Nに対応しているように構成されるものもある。
【0010】
[0013]ノード102−1〜102−Nそれぞれが、サブシステム120それぞれと通信可能に接続される。サブシステム120それぞれの実装が、システム100の実装によって決まる。この例において、システム100が、例えば航空機システムとして実装される。したがって、サブシステム120それぞれが、フライトコンピューターシステム、ナビゲーションシステム、全地球的航法衛星システム(GNSS)などの1つとして実装されるが、これらに限定しない。したがって、サブシステム120−1及び120−Nがそれぞれ、サブシステム120−1及び120−Nの実装それぞれに対応する1つ以上のセンサー126及び1つ以上の作動装置128に接続される。加えて、この実施形態において、サブシステム120−2が、インターネットなど別のネットワーク130に接続されるゲートウェイとして実装される。
【0011】
[0014]サブシステム120それぞれが、データをノード102−1〜102−Nそれぞれに提供する。加えて、サブシステム120それぞれが、アプリケーションレイヤに実装された高度なアプリケーション125を含んでいる。用語「アプリケーションレイヤ」は当業者が既知であって、本明細書では特定のユーザーアプリケーションを実装しているプロトコルなど、ネットワーク上のタスクを達成するための高度な機能を実装したプログラム及びサービスを参照している。ノード102−1〜102−Nそれぞれが、順々にデータを処理し、対応する1つ以上の仮想リンクを介し出力する。具体的には、ノード102−1〜102−Nそれぞれが、コントローラー又は演算処理装置124それぞれを含んでいて、ノード102−1〜102−Nそれぞれのメモリー132に記憶された対応する遅延ルール122に基づいて、対応するイーサネットフレームのフィールドの中に1つ以上の仮想リンク毎の遅延値を挿入するように構成される。1つ以上の遅延値は、ノード102−1〜102−Nに常駐している間、又はノード102−1〜102−Nからシステム100内の別の機器へ送信する間、対応するイーサネットフレームが経験する遅延又は待ち時間を示している。実施形態の中には、遅延値が、例えば、出力待ち行列の中に待機しているフレーム遅延など、ノード102−1〜102−Nそれぞれによって測定される動的値もあるが、これらに限定しない。加えて、実施形態の中には、遅延値が、システム100のノードの送信ポートから別の機器の受信ポートへの有線上の伝達遅れなど、事前に構成されて、ノード102−1〜102−Nに記憶される静的値もあるが、これらに限定しない。
【0012】
[0015]更に、コントローラー124が、遅延ルール122に基づいて、どのような仮想リンク毎の遅延値又は複数の遅延値を対応するフレームに追加するか決定するように構成される。例えば、1つ以上の静的遅延値が、仮想リンクそれぞれに対応するフレームの内容に基づいて選択され得る。すなわち、静的遅延値又は複数の遅延値が、仮想リンクID、インターネットプロトコル(IP)発信元アドレス、受信先IPアドレス、ユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)発信元ポート、UDP送信先ポート、又はイーサネットフレームペイロードに含まれている別のフィールド、のうち1つ以上の情報に基づいて選択され得る。実施形態の中には、コントローラー124が、挿入された遅延値に基づいて(フレームチェックシーケンス(FCS)又は巡回冗長検査(CRC)としても参照される)チェックサムを更新するように構成されるものもある。実施形態の中には、断片化フレームパケットを実装している実施形態のように、チェックサムが、挿入された遅延値のフレームと異なるフレームに常駐可能なことが理解されよう。更に、実施形態の中には、遅延値が、断片化UDPパケットの最初のフラグメントなど、遅延ルール122に基づいて仮想リンクの特定のフレームだけに追加されるものもある。
【0013】
[0016]遅延値を挿入して、フレーム上の別の処理、例えば、帯域幅割当ギャップ(BAG)要件に合致していることを仮想リンクが保証する監視などを実行した後、ノード102−1〜102−Nが、仮想リンクのフレームそれぞれを切替装置104へ送信する。切替装置104が、対応するポート106−1〜106−Nを介してフレームを受信する。切替装置104が演算処理装置114において、受信したフレームそれぞれを処理する。例えば、演算処理装置114が、対応するフレームの仮想リンクが有効なポート上でフレームを受信したか否か決定するように構成される。加えて、演算処理装置114が、メモリー116に記憶されている経路指定テーブル118に基づいて、有効に受信したフレームを1つ以上のノード102−1〜102−Nに出力されるように1つ以上のポート106−1〜106−Nへ経路指定する。
【0014】
[0017]この実施形態において、更にノード102−1〜102−Nに関連して、上記演算処理装置114が、メモリー116に記憶されている遅延ルール123に基づいて、受信したフレームの(遅延フィールドとしても参照される)フィールドの中に1つ以上の仮想リンク毎の遅延値を挿入するように構成される。実施形態の中には、例えば、特定のフレームの中に挿入される遅延値が、受信したフレームが通過したポート106に基づいて決定されるものもある。加えて、実施形態の中には、演算処理装置104が、仮想リンクすべてに対応するフレームではないけれども仮想リンクの一部に対応するフレームの中に遅延値を挿入するように構成されるものもある。実施形態の中には、フレームの中に挿入される遅延値が、特定の値というよりもむしろ、値の範囲を示しているものもある。
【0015】
[0018]演算処理装置114は、イーサネットフレームのフィールドの中に仮想リンク毎の遅延値を挿入するとき使用される様々な方法、プロセスタスク、計算機能、及び制御機能を実行するためのソフトウェアプログラム、ファームウェア、又はその他の計算機可読命令を含むか、それらを用いて機能する。こうした命令は、通常、計算機可読命令又はデータ構造の記憶用に使用される適切な任意の計算機可読媒体に記憶されている。計算機可読媒体は、汎用計算機か専用計算機、又はプロセッサーか任意のプログラム可能論理回路によってアクセスされ得る利用可能な任意の媒体として実装され得る。適切なプロセッサー可読媒体は、磁気式又は光学式媒体のような記憶装置又は記憶媒体を含み得る。例えば、記憶装置又は記憶媒体は、従来のハードディスク、シーディーロム(CD−ROM)、(同期型SDRAM(SDRAM)、ダブルデータレート(DDR)RAM、RAMBUSダイナミックRAM(RDRAM(商標))、スタティックRAM(SRAM)などを含むが、これらに限定しない)ランダムアクセスメモリー(RAM)のような揮発性又は不揮発性媒体、読み出し専用メモリー(ROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、及びフラッシュメモリーなどを含み得る。適切なプロセッサー可読媒体は、ネットワーク及び無線リンクの両方又は一方の通信媒体などを介して伝達される電気信号、電磁信号、又はデジタル信号などの伝達媒体も含み得る。
【0016】
[0019]切替装置において、上記演算処理装置104が、経路指定テーブル118に基づいて、受信したフレームをノード102−1〜102−Nへ経路指定する。受信したフレームは、対応するサブシステム120の中の高度なアプリケーション125によってアクセスされるまでノードそれぞれのバッファ127−1〜127−Nに記憶される。受信ノード102−1〜102−Nが、物理レイヤにおいて動的タイムスタンプを遅延フィールドの中に挿入する。用語「物理レイヤ」は当業者が既知であって、本明細書では伝達媒体、ピンアダプター、ネットワークアダプター、ホストバスアダプター、回路素子など、システムの物理的ハードウェアコンポーネントを参照しているが、これらに限定しない。加えて、本明細書において、用語「動的タイムスタンプ」が使用され、遅延時間の変化を反映するために更新されるタイムスタンプを参照している。例えば、対応するメッセージがバッファ127−1〜127−Nの中に記憶されたとき、コントローラー124が、物理レイヤにあるコンポーネントを利用し、動的遅延フィールドの中にタイムスタンプを挿入する。加えて、別のイベントが発生したときなど、演算処理装置がタイムスタンプを更新する。例えば、動的遅延フィールドにあるタイムスタンプが、特定の間隔か又はアプリケーションレイヤにおいて作動するアプリケーションやサービス125のメッセージへのアクセス時に更新され得る。
【0017】
[0020]アプリケーションレイヤにおいて、アプリケーションがバッファ127−1〜127−Nに記憶されたメッセージを読み出したときか又は書き込んだとき、コントローラー124が動的遅延フィールドの中の値を更新する。かくして、動的遅延フィールドが絶えず更新され、アプリケーションレイヤに常駐しているアプリケーション125にエンドツーエンドシステムのリアルタイム遅延を提供する。エンドツーエンドシステムのリアルタイム遅延とは、メッセージ送信の時刻からメッセージがアクセスされる時刻までの発信元に対する遅延である。かくして、対応するノード102−1〜102−Nによって上記静的値が、最初に遅延フィールドの中に挿入され得るが、その静的値はリアルタイム遅延を反映するために更新される。
【0018】
[0021]図2は、ノード102−1〜102−Nと切替装置104との間に伝達される例示的なフレーム200を示しているブロック図である。フレーム200は、当業者が既知であるプリアンブル202、フレーム開始(SOF)204、及びインターフレームギャップ(IFG)234を含んでいる。加えて、フレーム200は、イーサネットフレーム206を含んでいる。イーサネットフレームは、ヘッダー208及びペイロード210を含んでいる。イーサネットヘッダー208は、送信先アドレス212及び発信元アドレス214から構成される。送信先アドレス212は、固定フィールド216及び仮想リンク識別子218から構成される。仮想リンク識別子が使用され、仮想リンクが関連付けられている出力ポートを示す経路指定テーブルを利用し、切替装置においてフレームを経路指定する。イーサネットヘッダー208は、当業者が既知であるタイプフィールド220も含んでいる。
【0019】
[0022]イーサネットペイロード210は、遅延フィールド222、IPヘッダー224、及びIPペイロード226を含んでいる。上記ノード102−1〜102−N及び切替装置104の両方又は一方が、遅延値を遅延フィールド222の中に挿入するように構成される。特に、図2のイーサネットペイロード210の遅延フィールド222の位置が一例として提供されているが、これに限定しない。具体的には、フレームが機器を通過するとき、ノード102−1〜102−N又は切替装置104に記憶されているルール(例えば遅延ルール122)に反するフレーム内容をチェックすることによって、遅延フィールド222の位置及び長さの両方又は一方が動的に決定され得る。加えて、実装の中には、記憶されているルールが、仮想リンクID、IPアドレス、又はUDPポート番号のうち1つ以上の情報に基づいてどのような遅延値を挿入するか示しているものもある。かくして、静的遅延値、動的遅延値、又は静的遅延値と動的遅延値との組み合わせ、及び遅延フィールド222の中に挿入される値又は値の範囲を挿入するか否か、が仮想リンクID毎に個別に決定される。
【0020】
[0023]この例において、IPペイロード226は、当業者が既知であるUDPヘッダー228とUDPペイロード230から構成される。加えてイーサネットフレーム206は、フレームチェックシーケンス232を含んでいる。実施形態の中には、上記遅延フィールド222の中に挿入された遅延値を反映するために、フレームチェックシーケンス232が更新されるものもある。
【0021】
[0024]図3は、前述のフレームをシステム100のようなシステムに伝達する方法300の一実施形態を表す流れ図である。ブロック302において、上記仮想リンク毎の遅延値が発信元ノードにおいて、仮想リンクそれぞれの対応するフレームの遅延フィールドの中に挿入される。遅延値が、仮想リンクそれぞれのフレームの待ち時間を示している。発信元ノードは、本明細書では仮想リンクそれぞれに対するフレームの発信元として指定されたノードである。したがって本明細書では、送信先ノードが仮想リンクそれぞれに対するノードであって、対応する発信元ノードから着信するフレームが、経路指定された目標ノードとして指名される。
【0022】
[0025]実施形態の中には、上記遅延フィールドの中に遅延値を挿入するステップが、動的遅延値及び静的遅延値のうち少なくとも1つの値を挿入するステップを含むものもある。加えて、実施形態の中には、上記遅延値を挿入するステップが、挿入された遅延値に基づいて、対応するフレームの中のチェックサムを更新するステップを含むものもある。
【0023】
[0026]ブロック304において、遅延フィールドを有している対応するフレームが、発信元ノードから切替装置へ送信される。実施形態の中には、ブロック306において、上記切替装置が、遅延値を遅延フィールドの中に挿入するように構成されるものもある。上記実施形態において、遅延値を挿入するステップは、静的値、動的値、又は静的値と動的値との組み合わせを、遅延フィールドの中に含まれている受信した値に加えるステップと、受信した値を、受信した値に加えた結果である値に置換するステップと、を含み得る。加えて、遅延値を挿入するステップは、挿入した遅延値の影響を受ける任意のチェックサムを更新するステップを含んでいる。別の実施形態において、切替装置が遅延値を挿入しないものもある。ブロック308において、対応するフレームが、仮想リンクそれぞれに基づいて1つ以上の送信先ノードへ経路指定される。この実施形態において、ARINC664の第7章の標準規格と互換性があるプロトコルを使用し、フレームが送信され、経路指定される。しかしながら、別の実施形態においては、別のプロトコルも使用され得ることが理解されよう。
【0024】
[0027]ブロック310において、エンドツーエンドシステムのリアルタイム遅延を反映するために、遅延フィールドの中の値が更新される。上記遅延フィールドは、例えば、アプリケーションレイヤのアプリケーションによるフレームのアクセスなど特定のイベントが発生したときに更新され得る。
【実施例】
【0025】
例示的な実施形態
[0028]例1は、複数のノードを含むシステムであって、複数のノードのうち少なくとも1つのノードが、仮想リンクそれぞれに対応するフレームの動的遅延フィールドの中に仮想リンク毎の遅延値を挿入するように構成されるものと、動的遅延値が、仮想リンクそれぞれのフレームの待ち時間を示しているものと、複数のポートを有する切替装置を含んでいて、ポートそれぞれが、複数のノードのうち1つのノードに接続されるものと、切替装置が、複数のノードから受信したフレームを複数のノードのうち1つ以上のノードへ経路指定するように構成され、複数のノードのうち少なくとも1つのノードが、切替装置から受信したフレームをバッファに記憶し、エンドツーエンドシステム遅延を反映するために、動的遅延フィールドの中の値を更新するように構成される。
【0026】
[0029]例2は、例1のシステムを含んでいて、動的遅延フィールドの中の値を更新するように構成される少なくとも1つのノードが、フレームがアプリケーションによってアクセスされたときに、動的遅延フィールドを更新するように構成される。
【0027】
[0030]例3は、例1〜2のシステムのいずれかを含んでいて、少なくとも1つのノードが、対応するフレームの仮想リンクID、対応するフレームのインターネットプロトコル(IP)発信元アドレス、対応するフレームの受信者IPアドレス、対応するフレームのユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)発信元ポート、対応するフレームのUDP送信先ポート、のうち1つ以上の情報に基づいて、挿入される遅延値を決定するように構成される。
【0028】
[0031]例4は、例1〜3のシステムのいずれかを含んでいて、少なくとも1つのノードが、仮想リンクそれぞれに対応するフレームすべてのうち一部に遅延値を挿入するように構成される。
【0029】
[0032]例5は、例1〜4のシステムのいずれかを含んでいて、少なくとも1つのノードが、遅延フィールドの中に挿入された遅延値に基づいて、対応するフレームのチェックサムを更新するように構成される。
【0030】
[0033]例6は、例1〜5のシステムのいずれかを含んでいて、少なくとも1つのノードが、対応するフレームの遅延フィールドの位置又は長さを動的に決定するように構成される。
【0031】
[0034]例7は、例1〜6のシステムのいずれかを含んでいて、切替装置が、少なくとも1つのノードから受信した対応するフレームの遅延フィールドの中に仮想リンク毎の遅延値を挿入するように構成される。
【0032】
[0035]例8は、例1〜7のシステムのいずれかを含んでいて、切替装置及び複数のノードが、ARINC664の第7章と互換性があるプロトコルを実装するように構成される。
【0033】
[0036]例9は、記憶された遅延ルールを有するメモリーを含む通信装置を含んでいて、遅延ルールが、仮想リンクそれぞれの対応するフレームの中の遅延フィールドの中に仮想リンク毎の1つ以上の遅延値を挿入するときに利用される情報を含んでいて、演算処理装置が、対応するフレームに含まれている情報を遅延ルールと比較することによる遅延ルールに基づいて、対応するフレームの中に1つ以上の仮想リンク毎の遅延値を挿入するように構成され、演算処理装置が更に、フレームがアプリケーションによってアクセスされるまで、受信したフレームの中の遅延フィールドを更新するように構成される。
【0034】
[0037]例10は、例9の通信装置を含んでいて、演算処理装置が、対応するフレームの仮想リンクID、対応するフレームのインターネットプロトコル(IP)発信元アドレス、対応するフレームの受信者IPアドレス、対応するフレームのユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)発信元ポート、対応するフレームのUDP発信元ポート、のうち少なくとも1つの情報と遅延ルールとの比較に基づいて挿入する遅延値を決定するように構成される。
【0035】
[0038]例11は、例9〜10の通信装置のいずれかを含んでいて、演算処理装置が、仮想リンク毎の少なくとも1つの動的遅延値及び静的遅延値を挿入するように構成される。
[0039]例12は、例9〜11の通信装置のいずれかを含んでいて、演算処理装置が、対応するフレームの中に挿入した遅延値に基づいて、対応するフレームの中のチェックサムを更新するように構成される。
【0036】
[0040]例13は、例9〜12の通信装置のいずれかを含んでいて、通信装置が、ARINC664の第7章の標準規格と互換性があるプロトコルを実装するように構成されたエンドシステム、又はARINC664の第7章の標準規格と互換性があるプロトコルを実装するように構成された切替装置、の1つである。
【0037】
[0041]例14は、例9〜13の通信装置のいずれかを含んでいて、演算処理装置が、対応するフレームの中の遅延フィールドの位置又は長さを動的に決定するように構成される。
【0038】
[0042]例15は、例9〜14の通信装置のいずれかを含んでいて、演算処理装置が、遅延ルールに基づいて、仮想リンクそれぞれに対応するフレームすべての一部の中に遅延値を挿入するように構成される。
【0039】
[0043]例16は、フレームを伝達する方法を含んでいて、発信元ノードにおいて、仮想リンクそれぞれに対応するフレームの遅延フィールドの中に仮想リンク毎の遅延値を挿入するステップであって、遅延値が、仮想リンクそれぞれのフレームの待ち時間を示しているものと、遅延フィールドを有している対応するフレームをノードから切替装置へ送信するステップと、仮想リンクそれぞれに基づいて遅延フィールドを有している対応するフレームを切替装置から1つ以上の送信先ノードへ経路指定するステップと、1つ以上の送信先ノードにおいて、エンドツーエンドシステムのリアルタイム遅延を反映するために、遅延フィールドの中の値を更新するステップと、を含む方法である。
【0040】
[0044]例17は、例16の方法を含んでいて、遅延フィールドの中の値を更新するステップが、フレームがアプリケーションによってアクセスされたときに遅延フィールドの中の値を更新するステップを含んでいる。
【0041】
[0045]例18は、例16〜17の方法のいずれかを含んでいて、遅延値を挿入するステップが、挿入した遅延値に基づいて、対応するフレームの中のチェックサムを更新するステップを含んでいる。
【0042】
[0046]例19は、例16〜18の方法のいずれかを含んでいて、対応するフレームを送信するステップが、ARINC664の第7章の標準規格と互換性があるプロトコルを使用して対応するフレームを送信するステップを含んでいて、対応するフレームを経路指定するステップが、ARINC664の第7章の標準規格と互換性があるプロトコルを使用して対応するフレームの経路を指定するステップを含んでいる。
【0043】
[0047]例20は、例16〜19の方法のいずれかを含んでいて、更に、切替装置において、対応するフレームの遅延フィールドの中に仮想リンク毎の遅延値を挿入することを含んでいる。
【0044】
[0048]本明細書では、特定の実施形態が例示され、記載されているが、当業者は、同一の目的を達するための任意の計算処理が、示した特定の実施形態の代替になり得ることを十分に理解されよう。したがって、この発明が、請求項とその均等物によってのみ限定されることが明確に意図されている。
【符号の説明】
【0045】
100 システム
102−1 ノード
102−2 ノード
102−N ノード
104 切替装置
106−1 ポート
106−2 ポート
106−N ポート
114 演算処理装置
116 メモリー
118 経路指定テーブル
120−1 サブシステム
120−2 サブシステム
120−N サブシステム
122−1 遅延ルール
122−2 遅延ルール
123−N 遅延ルール
124−1 コントローラー
124−2 コントローラー
124−N コントローラー
125−1 1つ以上のアプリケーション
125−2 1つ以上のアプリケーション
125−N 1つ以上のアプリケーション
126 センサー
128 作動装置
127−1 バッファ
127−2 バッファ
127−N バッファ
130 ネットワーク
132−1 メモリー
132−2 メモリー
132−N メモリー
200 フレーム
202 プリアンブル
204 フレーム開始
206 イーサネットフレーム
208 イーサネットヘッダー
210 イーサネットペイロード
212 送信先アドレス
214 発信元アドレスフィールド
216 固定フィールド
218 仮想リンク識別子フィールド
220 タイプフィールド
222 遅延フィールド
224 IPヘッダーフィールド
226 IPペイロード
228 UDPヘッダー
230 UDPペイロードフィールド
232 フレームチェックシーケンスフィールド
234 インターフレームギャップフィールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノード(102−1〜102−N)であって、前記複数のノードのうち少なくとも1つのノードが、それぞれの仮想リンクに対応するフレームの動的遅延フィールドの中に仮想リンク毎に遅延値を挿入するように構成され、前記動的遅延値が前記それぞれの仮想リンクのフレームの待ち時間を表す、複数のノードと、
複数のポート(106−1〜106−N)を有する切替装置(104)であって、各ポートが前記複数のノード(102−1〜102−N)のうち1つのノードに接続される、切替装置(104)と
を備え、
前記切替装置(104)が、前記複数のノード(102−1〜102−N)から受信したフレームを前記複数のノード(102−1〜102−N)のうち1つ以上のノードへ経路指定するように構成され、
前記複数のノード(102−1〜102−N)のうち少なくとも1つのノードが、前記切替装置(104)から受信したフレームをバッファ(127)に記憶し、エンドツーエンドのシステム遅延を反映するために前記動的遅延フィールドの中の値を更新するように構成されるシステム(100)。
【請求項2】
前記動的遅延フィールドの中の値を更新するように構成される前記少なくとも1つのノードが、前記フレームがアプリケーションによってアクセスされたときに前記動的遅延フィールドを更新するように構成される請求項1記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記切替装置(104)が、前記少なくとも1つのノードから受信した対応するフレームの前記遅延フィールドの中に仮想リンク毎に遅延値を挿入するように構成される請求項1記載のシステム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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