説明

データ処理装置、およびパラメータ設定方法

【課題】データ信号に対して順次に信号処理を行う信号処理回路が信号処理に用いるパラメータの設定に係るソフトウェアおよびハードウェアの設計、実装を容易とすることが可能なデータ処理装置、およびパラメータ設定方法を提供する。
【解決手段】識別情報を記憶しパラメータを記憶可能なレジスタを備え、モード制御信号に基づいてパラメータの記憶処理または信号処理を順次行う複数の信号処理部と、記憶部と、記憶部からパラメータ情報または処理データを選択的に読み出すデータ読み出し部と、信号処理部から出力されるデータ信号に対応するデータを記憶部に選択的に記録するデータ書き込み部と、モード制御信号を信号処理部へ出力する制御部とを備え、信号処理部は、パラメータの記憶処理を行う場合データ信号が識別情報と対応するときに、データ信号に含まれるパラメータをレジスタに記録するデータ処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、およびパラメータ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像(動画像/静止画像)を示す画像信号などの各種信号を処理する信号処理回路には、例えばフィルタ係数やフィルタ強度など信号処理に用いるパラメータが与えられる。つまり、信号処理回路は与えられたパラメータに応じて処理を行うので、当該パラメータを更新すれば、パラメータに応じた異なる処理を信号処理回路に行わせることが可能となる。
【0003】
このような中、処理に用いるパラメータをレジスタに設定する技術が開発されている。CPU(Central Processing Unit)の指示に基づいてDMAC(Direct Memory Access Controller)がメモリに記憶されたパラメータを読み出して、レジスタに設定する技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。また、プロセッサがメモリに記憶させたパラメータを、DMACがメモリから読み出してレジスタに設定する技術としては、例えば、特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−234065号公報
【特許文献2】特開2009−123091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図8は、従来のデータ処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。データ処理装置10では、バス20からデータ信号を読み出すデータ転送回路16に対応するパラメータを記憶するレジスタ14aと、各信号処理回路18a、18b、18cに対応するパラメータを記憶するレジスタ14b、14c、14dとに対して、CPU12が、パラメータを設定(新規記録/更新)する。つまり、データ処理装置10では、CPU12がレジスタ14b、14c、14dに記憶されたパラメータを更新することによって、各信号処理回路18a、18b、18cに更新後のパラメータに応じた処理を行わせることが可能である。
【0006】
しかしながら、CPU12から各レジスタ14b〜14dへとパラメータを書き込むためには、CPU12が実行するソフトウェアは、各レジスタ14b〜14dのアドレスを把握する必要がある。そのため、レジスタ数が多くなればなる程アドレス管理がより複雑となり、上記ソフトウェアの設計や実装の負担となっている。また、ハードウェアの設計においても、信号処理回路の増減や変更があった場合に、それぞれに対応するレジスタのデコード回路を作り直す必要があり、ハードウェア設計の大きな負担となっていた。
【0007】
ここで、CPUの指示に基づいてDMACがメモリに記憶されたパラメータを読み出しレジスタに設定する従来の技術(以下、「従来の技術1」という。)は、1つの画像処理モジュール(図8に示す1つの信号処理回路に対応)においてDMACがレジスタにパラメータを設定する技術である。そのため、図8に示すように複数の信号処理回路が順次にデータ信号を処理する構成については、何らの考慮もなされていない。よって、従来の技術1を図8に示すような複数の信号処理回路が順次にデータ信号を処理する構成に適用する場合には、CPUは各信号処理回路のDMACそれぞれに対して指示を出さなければならないので、従来の技術1を用いたとしても、従来のデータ処理装置10に係る上記問題の解決は望めない。
【0008】
また、プロセッサがメモリに記憶させたパラメータをDMACがメモリから読み出してレジスタに設定する従来の技術(以下、「従来の技術2」という。)は、画像処理モジュール群(図8に示す各信号処理回路に対応)の外部の構成要素であるレジスタ制御部が、当該画像処理モジュール群に対してパラメータを設定する技術である。つまり、従来の技術2が用いられるデータ処理装置の構成は、図8に示す従来のデータ処理装置10の構成と基本的に変わらないので、従来の技術2を用いたとしても、従来のデータ処理装置10に係る上記問題が生じうる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、入力されるデータ信号に対して順次に信号処理を行う信号処理回路それぞれが信号処理に用いるパラメータの設定に係る、ソフトウェアおよびハードウェアの設計、実装を容易とすることが可能な、新規かつ改良されたデータ処理装置、およびパラメータ設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、互いに接続されてデータ信号を規定された順序で転送する複数の信号処理部であって、固有の識別情報をそれぞれ記憶し、信号処理に用いるパラメータを記憶可能なレジスタをそれぞれ備え、処理の種別を規定するモード制御信号に基づいて、入力されるデータ信号に基づく上記パラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対する上記パラメータを用いた信号処理を順次に行う複数の信号処理部と、上記信号処理部それぞれに記憶させるパラメータを示すパラメータ情報と、複数の上記信号処理部が処理可能な処理データとを記憶する記憶部と、上記記憶部から上記パラメータ情報または上記処理データを選択的に読み出し、読み出したデータに対応するデータ信号を、複数の上記信号処理部のうちの最初に処理を行う上記信号処理部に出力するデータ読み出し部と、複数の上記信号処理部のうちの最後に処理を行う上記信号処理部から出力されるデータ信号に対応するデータを上記記憶部に選択的に記録するデータ書き込み部と、上記モード制御信号を複数の上記信号処理部へ出力し、上記データ読み出し部にデータを選択的に読み出させ、上記データ書き込み部にデータを選択的に書き込ませる制御部とを備え、上記信号処理部それぞれは、上記パラメータの記憶処理を行う場合には、入力されたデータ信号が上記識別情報と対応するか否かを判定し、入力された上記データ信号が上記識別情報と対応するときに、上記データ信号に含まれるパラメータを上記レジスタに記録するデータ処理装置が提供される。
【0011】
かかる構成では、処理データを示すデータ信号とパラメータ情報を示すデータ信号とが同一のデータバスにて転送され、信号処理部は、制御部が生成したモード制御信号に応じて、入力されたデータ信号に基づくパラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対するパラメータを用いた信号処理を行う。よって、かかる構成により、制御部がソフトウェア上でアドレスの管理を行う必要がなくなるので、レジスタ数が多くなったとしても、当該ソフトウェアの設計や実装の負担が増すことはない。また、かかる構成により、各信号処理部が記憶する識別情報を用いて対応するパラメータ情報を特定してレジスタにパラメータを記録することが可能となるので、信号処理回路(信号処理部が備える信号処理回路)の増減や変更があった場合であっても信号処理回路それぞれに対応するレジスタのデコード回路を作り直す必要はない。
【0012】
また、上記信号処理部は、上記レジスタと、入力されるデータ信号に対して上記レジスタに記憶されたパラメータを用いた上記信号処理を行う信号処理回路と、上記モード制御信号がパラメータの設定を行う第1の処理を示す場合には、入力されたデータ信号が示すデータの中から上記識別情報に対応するデータを選択して、選択したデータに含まれるパラメータを上記レジスタに記録し、上記モード制御信号が上記信号処理を行う第2の処理を示す場合には、上記レジスタにパラメータを記録しない設定部と、上記モード制御信号が上記第1の処理を示す場合には入力されるデータ信号を出力し、上記モード制御信号が上記第2の処理を示す場合には上記信号処理回路が処理したデータ信号を出力する切替部とを備えてもよい。
【0013】
また、上記制御部は、上記データ読み出し部に上記パラメータ情報を読み出させる場合に上記第1の処理を示すモード制御信号を出力し、上記データ読み出し部からの上記パラメータ情報の読み出しが完了したことを示す応答に基づいて、上記第2の処理を示すモード制御信号を出力してもよい。
【0014】
また、外部から入力された、複数の上記信号処理部が処理可能な処理データを示すデータ信号と、上記データ読み出し部から出力されるデータ信号とが入力され、上記モード制御信号が上記第1の処理を示す場合には、上記データ読み出し部から出力されるデータ信号を複数の上記信号処理部のうちの最初に処理を行う上記信号処理部に出力し、上記モード制御信号が上記第2の処理を示す場合には、上記外部から入力されたデータ信号を複数の上記信号処理部のうちの最初に処理を行う上記信号処理部に出力する選択部をさらに備えてもよい。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、互いに接続されてデータ信号を規定された順序で転送する複数の信号処理部であって、固有の識別情報をそれぞれ記憶し、信号処理に用いるパラメータを記憶可能なレジスタをそれぞれ備え、入力されるデータ信号に基づく上記パラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対する上記パラメータを用いた信号処理を順次に行う複数の信号処理部を備えるデータ処理装置における上記信号処理部それぞれに適用可能なパラメータ設定方法であって、処理の種別を規定するモード制御信号に基づいて、上記パラメータの記憶処理を行うか否かを判定する第1判定ステップと、上記第1判定ステップにおいて上記パラメータの記憶処理を行うと判定された場合に、入力されたデータ信号が上記識別情報と対応するか否かを判定する第2判定ステップと、上記第2判定ステップにおいて入力された上記データ信号が上記識別情報と対応すると判定された場合に、上記データ信号に含まれるパラメータを、上記レジスタに記録する記録ステップとを有するパラメータ設定方法が提供される。
【0016】
かかる方法を用いる信号処理部では、モード制御信号に応じて、入力されたデータ信号に基づくパラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対するパラメータを用いた信号処理を行う。また、かかる方法を用いる信号処理部は、入力されたデータ信号に基づくパラメータの記憶処理を行う場合、信号処理部が記憶する識別情報と対応するパラメータ情報に含まれるパラメータを、レジスタに選択的に記録する。よって、かかる方法を用いる場合には、従来のデータ処理装置のように、制御部がソフトウェア上でアドレスの管理を行う必要がなくなるので、レジスタ数が多くなったとしても、当該ソフトウェアの設計や実装の負担が増すことはない。また、かかる方法を用いる場合には、各信号処理部が記憶する識別情報を用いて対応するパラメータ情報を特定してレジスタにパラメータを記録することが可能となるので、信号処理回路(信号処理部が備える信号処理回路)の増減や変更があった場合であっても信号処理回路それぞれに対応するレジスタのデコード回路を作り直す必要はない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、入力されるデータ信号に対して順次に信号処理を行う信号処理回路それぞれが信号処理に用いるパラメータの設定に係る、ソフトウェアおよびハードウェアの設計、実装を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るすパラメータ情報の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るデータ読み出し部における処理の一例を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施形態に係るデータ読み出し部が出力するデータ信号の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る信号処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る信号処理部におけるパラメータの設定に係る処理の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】従来のデータ処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
(第1の実施形態に係るデータ処理装置)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。データ処理装置100は、信号処理部102_1、102_2、…102_m(nは、2以上の整数)(以下、総称して「信号処理部102」とよぶ場合がある。)と、記憶部104と、データ読み出し部106と、データ書き込み部108と、制御部110とを備える。
【0021】
また、データ処理装置100は、例えば、制御部110が使用するプログラム(ソフトウェア)や演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory。図示せず)、制御部110により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory。図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、表示部(図示せず)、外部装置と通信を行うための通信部(図示せず)などを備えてもよい。
【0022】
操作部(図示せず)としては、例えば、キーボード(keyboard)やマウス(mouse)などの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。なお、操作部(図示せず)は、例えば、リモート・コントローラ(remote controller)などの外部装置からの入力を受信する機能を有していてもよい。また、表示部(図示せず)は、データ処理装置100が備える表示手段であり、様々な表示画面を表示する。表示部(図示せず)の表示される画面としては、例えば、記憶部104に記憶された画像データが示す画像(動画像または静止画像。以下同様とする。)が表示された画面などが挙げられる。表示部(図示せず)としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどが挙げられる。通信部(図示せず)は、データ処理装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは直接的に)外部装置と有線/無線で通信を行う役目を果たす。通信部(図示せず)としては、例えば、LAN(Local Area Network)端子および送受信回路や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路などが挙げられる。
【0023】
信号処理部102それぞれは、固有の識別情報をそれぞれ記憶し、また、信号処理に用いるパラメータを記憶可能なレジスタを備える。信号処理部102は、制御部110から出力されるモード制御信号に基づいて、入力されるデータ信号に基づくパラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対するパラメータを用いた信号処理を行う。
【0024】
ここで、本発明の実施形態に係るモード制御信号とは、処理の種別を示し、データ処理装置100の各構成要素における処理を制御する信号である。モード制御信号が示す処理の種別としては、例えば、パラメータの設定(レジスタへのパラメータへの記録)を行う第1の処理(以下、単に「第1の処理」とよぶ場合がある。)と、データ信号に対する信号処理を行う第2の処理(以下、単に「第2の処理」とよぶ場合がある。)とが挙げられる。制御部110は、例えば、出力するモード制御信号の信号レベル(ハイレベル/ローレベル)を適宜切り替えることによって、異なる処理の種別(第1の処理または第2の処理)を示すモード制御信号を出力する。
【0025】
信号処理部102それぞれは、第1の処理を示すモード制御信号が入力された場合には、入力されるデータ信号に基づくパラメータの記憶処理を行う。また、信号処理部102それぞれは、第2の処理を示すモード制御信号が入力された場合には、入力されるデータ信号に対するパラメータを用いた信号処理を行う。信号処理部102それぞれは、上記のように、入力されるモード制御信号に応じて、選択的に行う処理を切り替える。信号処理部102の具体的な構成の例、および処理については、後述する。
【0026】
記憶部104は、信号処理部102それぞれに記憶させるパラメータを示すパラメータ情報(データ)と、信号処理部102が処理可能な処理データとを記憶する。ここで、本発明の実施形態に係る処理データとしては、例えば、画像データや音声データなどが挙げられる。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係るすパラメータ情報の一例を示す説明図である。パラメータ情報は、パラメータ情報のワード長を示す“Data Length”と、パラメータを使用する信号処理部102を示す“Parameter ID”と、信号処理部102が備えるレジスタに設定するパラメータである“Parameter”とからなる。ここで、図2では、図1に示す信号処理部102の数に対応するm個のパラメータ情報が1つのデータとして記憶部104に記憶されている例を示している。また、図2に示す“Parameter ID”は、信号処理部102が備える固有の識別情報と対応する。上記によって、各信号処理部102は、図2に示すパラメータ情報を示すデータ信号が入力された場合に、当該データ信号に対応するパラメータが含まれているか否かを一意に特定することができる。なお、図2に示す各“Parameter”に含まれるパラメータは、1つのパラメータに限られず、複数のパラメータ(例えば、信号処理部102が備えるレジスタの数に応じた数のパラメータ)が含まれていてもよい。
【0028】
なお、本発明の実施形態に係るパラメータ情報の構造は、図2に示すデータ構造とは異なっていてもよい。例えば、本発明の実施形態に係るパラメータ情報は、図2に示す“Data Length”と“Parameter ID”との順番を入れ換えた構造であってもよく、また、パラメータ情報の終了位置を示す“Data Length”を図2に示す0(ゼロ)ではなく、特殊な“Parameter ID”を設定してもよい。また、図2に示す複数のパラメータ情報が記録されたデータに、含まれるパラメータ情報全てのデータ長が予め記録されていてもよい。上記の場合であっても、データ読み出し部106は、記憶部104からパラメータ情報を読み出す場合における読み出しの終了判定(後述するステップS106の処理)を行うことが可能である。
【0029】
また、記憶部104としては、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリ(Volatile Memory)や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体などが挙げられる。なお、記憶部104が揮発性メモリである場合、データ処理装置100は、不揮発性メモリや磁気記録媒体などを別途備えてもよい。
【0030】
データ読み出し部106は、制御部110から出力される読み出し制御信号の入力に応じて、記憶部104から、パラメータ情報または処理データを選択的に読み出す。そして、データ読み出し部106は、読み出したパラメータ情報または処理データを示すデータ信号を、信号処理部102_1(複数の信号処理部102のうちの最初に処理を行う信号処理部102)へと出力する。そして、記憶部104からのデータ読み出しが完了すると、データ読み出し部106は、制御部110に対して読み出し制御信号に対する応答を行う。ここで、データ読み出し部106としては、例えば、DMAC(Direct Memory Access Controller)が挙げられる。なお、図1では、データ読み出し部106とデータ書込み部108とを別体として示しているが、これらは1つのDMACで構成されてもよい。
【0031】
[データ読み出し部106における処理]
図3は、本発明の実施形態に係るデータ読み出し部106における処理の一例を示す流れ図である。ここで、図3は、データ読み出し部106がパラメータ情報を読み出す場合における処理の一例を示している。
【0032】
データ読み出し部106は、読み出し制御信号が入力されたか否かを判定する(S100)。データ読み出し部106は、読み出し制御信号が入力されたと判定されない場合には、処理を進めない。
【0033】
ステップS100において読み出し制御信号が入力されたと判定された場合には、データ読み出し部106は、記憶部104の指定アドレス(読み出し制御信号が指定するアドレス)からのパラメータ情報の読み出しを開始する(S102)。なお、読み出し制御信号が処理データの読み出しを示す場合には、データ読み出し部106は、記憶部104の指定アドレス(読み出し制御信号が指定するアドレス)からの処理データを読み出し、読み出した処理データを信号処理部102_1へと出力する。
【0034】
データ読み出し部106は、“Data Length”を取得し(S104)、取得された“Data Length”が、Data Length=0であるか否かを判定する(S106)。ここで、ステップS106の判定は、記憶部104からのパラメータ情報の読み出しが完了したか否かの処理に該当する。
【0035】
ステップS106においてData Length=0であると判定されない場合には、データ読み出し部106は、“Data Length”に基づいてパラメータ情報を信号処理部102_1へと出力する(S108)。ここで、“Data Length”はパラメータ情報のワード長を示すので、データ読み出し部106は、“Data Length”に基づくことによって、1つの信号処理部102に対応するパラメータ処理情報をステップS108において送信することができる。また、データ読み出し部106は、パラメータ情報の送信と同期して、ENABLE信号(送信するデータの先頭位置と終了位置とを信号レベルにて示す信号。)を送信する。
【0036】
ステップS108においてパラメータ情報が信号処理部102_1へと出力されると、データ読み出し部106は、ステップS108の処理が行われてから所定の待機時間が経過したか否かを判定する(S110)。ステップS110において所定の待機時間が経過したと判定されない場合には、データ読み出し部106は、所定の待機時間が経過したと判定されるまで処理を進めない。ここで、データ読み出し部106が、所定の待機時間が経過するまで処理を進めないのは、出力するデータ信号に区切りを付けるためである。
【0037】
また、ステップS110において所定の待機時間が経過したと判定された場合には、データ読み出し部106は、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0038】
ステップS106においてData Length=0であると判定された場合には、データ読み出し部106は、制御部110に対して、読み出し制御信号に応じたデータの読み出しが完了した旨の応答を行う(S112)。
【0039】
データ読み出し部106は、例えば図3に示す処理を行うことによって、記憶部104からパラメータ情報を読み出し、読み出したパラメータ情報を信号処理部102_1へと出力する。
【0040】
図4は、本発明の実施形態に係るデータ読み出し部106が出力するデータ信号の一例を示す説明図である。ここで、図4は、データ読み出し部106が、図3に示す処理によって、図2に示すパラメータ情報を読み出した例を示している。図4に示すように、データ読み出し部106がパラメータ情報を読み出して出力する場合のデータ信号は、図2に示すそれぞれのパラメータ情報(#1、#2、…#m)と対応することとなる。
【0041】
データ書き込み部108は、信号処理部102_m(複数の信号処理部102のうちの最後に処理を行う信号処理部102)から出力されるデータ信号に対応するデータを記憶部104に選択的に記録する。より具体的には、データ書き込み部108は、モード制御信号が第2の処理を示している場合に、信号処理部102_mから出力されるデータ信号に対応するデータを、制御部110から出力される書き込み制御信号が示す記憶部104の指定アドレスへと記録する。ここで、データ書き込み部108としては、例えば、DMACが挙げられる。
【0042】
制御部110は、例えば、CPUや、各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、データ処理装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部110は、複数の信号処理部102それぞれ、およびデータ書き込み部108へモード制御信号を出力し、データ読み出し部106に記憶部104からデータを選択的に読み出させ、データ書き込み部108に記憶部104へとデータを選択的に書き込ませる。
【0043】
より具体的には、制御部110は、例えば、データ読み出し部106にパラメータ情報を読み出させる場合には、パラメータ情報を読み出させるための読み出し制御信号と、パラメータの設定を行う第1の処理を示すモード制御信号とを出力する。上記によって、データ読み出し部106は、記憶部104からパラメータ情報を読み出し、図4に示すように読み出したパラメータ情報を信号処理部102へ出力し、各信号処理部102は、第1の処理を示すモード制御信号に応じてデータ信号に基づくパラメータの記憶処理を行う。よって、各信号処理部104が備えるレジスタには、データ読み出し部106が読み出したパラメータ情報に対応するパラメータが記録(新規記録、または更新)される。
【0044】
また、制御部110は、例えば、データ読み出し部106からのパラメータ情報の読み出しが完了したことを示す応答に基づいて、データ信号に対する信号処理を行う第2の処理を示すモード制御信号を出力する。上記によって、各信号処理部102は、第2の処理を示すモード制御信号に応じて入力されるデータ信号に対するパラメータを用いた信号処理が可能な状態となる。よって、制御部110が、処理データを読み出させるための読み出し制御信号をデータ読み出し部106へ出力することによって、記憶部104から処理データが読み出され、読み出された処理データを示すデータ信号が各信号処理部102において順次に処理される。そして、信号処理部102_mから出力される処理後のデータ信号が示すデータは、データ書き込み部108により記憶部104に記録される。
【0045】
第1の実施形態に係るデータ処理装置100は、例えば、図1に示す構成によって、各信号処理部102が備えるレジスタに対するパラメータの設定(当該レジスタへのパラメータの記録)と、各信号処理部102における信号処理とを実現する。
【0046】
[信号処理部102の構成例と信号処理部102における処理]
次に、本発明の実施形態に係る信号処理部102の構成と、信号処理部102におけるパラメータの設定に係る処理とについて、より具体的に説明する。
【0047】
図5は、本発明の実施形態に係る信号処理部102の構成の一例を示すブロック図である。信号処理部102は、パラメータ設定部120と、信号処理回路122と、切替部124とを備える。また、信号処理部102は、固有の識別情報を記憶する。ここで、信号処理部102は、例えば、ROM(図示せず)を備え、当該ROM(図示せず)に識別情報を記憶して設定部130が当該ROM(図示せず)から識別情報を適宜読み出す。なお、識別情報は、設定部130に記憶されていてもよい。
【0048】
パラメータ設定部120は、設定部130と、パラメータを記憶可能なn個(nは、1以上の整数)のレジスタ132_nとを備え、入力されるモード制御信号に応じて、入力されるデータ信号に基づくパラメータの記憶処理を選択的に行う。より具体的には、パラメータ設定部120は、モード制御信号が第1の処理を示す場合には、入力されるデータ信号(データ列)をパラメータ情報と捉え、パラメータの記憶処理を行う。また、パラメータ設定部120は、モード制御信号が第2の処理を示す場合には、入力されるデータ信号を処理データと捉え、パラメータの記憶処理を行わない。
【0049】
設定部130は、信号処理部102におけるパラメータの設定に係る処理を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、設定部130には、モード制御信号、データ信号、およびENABLE信号がそれぞれ入力され、モード制御信号に応じてレジスタ132_nにパラメータを選択的に記録する。
【0050】
ここで、モード制御信号が第1の処理を示す場合、入力されるデータ信号は、例えば図4に示すデータである。モード制御信号が第1の処理を示す場合には、設定部130は、データ信号が示すデータの中から識別情報と対応するデータを選択し、選択したデータに含まれるパラメータを、当該パラメータと対応するレジスタ132_nそれぞれに記録する。また、設定部130は、モード制御信号が第2の処理を示す場合には、レジスタにパラメータを記録しない。
【0051】
図6は、本発明の実施形態に係る信号処理部102におけるパラメータの設定に係る処理の一例を示す説明図である。また、図6は、本発明の実施形態に係るパラメータ設定方法に係る処理の一例を示している。以下では、図6に示す処理を、設定部130が行うものとして説明する。
【0052】
設定部130は、モード制御信号に基づいてパラメータの設定を行うか否かを判定する(S200)。設定部130は、モード制御信号が第1の処理を示す場合(例えば、モード制御信号の信号レベルがハイレベルの場合)に、パラメータの設定を行うと判定する。ステップS200においてパラメータの設定を行うと判定されない場合には、設定部130は、パラメータの設定を行うと判定されるまで、処理を進めない。
【0053】
また、ステップS200においてパラメータの設定を行うと判定された場合には、設定部130は、パラメータ情報が入力されたか否かを判定する(S202)。設定部130は、例えば、ENABLE信号の信号レベルがローレベルからハイレベルへと変化したときに、パラメータ情報が入力されたと判定する。
【0054】
ステップS202においてパラメータ情報が入力されたと判定されない場合には、設定部130は、ステップS200からの処理を繰り返す。
【0055】
また、ステップS202においてパラメータ情報が入力されたと判定された場合には、設定部130は、入力されたデータ信号が示すデータ(例えば図4に示すデータ)から“Parameter ID”を取得する(S204)。そして、設定部130は、識別信号と、ステップS204において“Parameter ID”とが対応するか否かを判定する(S206)。ステップS206の判定は、入力されたパラメータ情報が、信号処理回路122が信号処理に用いるパラメータを含んでいるか否かの判定に相当する。設定部130は、例えば、識別情報と“Parameter ID”とが一致する場合に、取得された“Parameter ID”が対応する“Parameter ID”であると判定する。
【0056】
ステップS206において取得された“Parameter ID”が対応する“Parameter ID”であると判定されない場合には、設定部130は、ステップS200からの処理を繰り返す。
【0057】
また、ステップS206において取得された“Parameter ID”が対応する“Parameter ID”であると判定された場合には、設定部130は、データ信号が示すデータに含まれるパラメータをレジスタ132_nに記録する(S208。パラメータ設定処理)。
【0058】
ステップS208においてパラメータの設定が行われると、データ信号が示すデータに含まれる全てのパラメータが設定されたか否かを判定する(S210)。ステップS210において全てのパラメータが設定されたと判定されない場合には、設定部130は、ステップS208からの処理を繰り返す。また、ステップS210において全てのパラメータが設定されたと判定された場合には、設定部130は、次のパラメータ情報の入力を待つ待機状態となり、ステップS200からの処理を繰り返す。
【0059】
信号処理部102では、設定部130が例えば図6に示す処理を行うことによって、図4に示すように順次に入力される複数のパラメータ情報の中から、対応するパラメータ情報が選択され、選択されたパラメータ情報に含まれるパラメータが、レジスタ132_nに記録される。
【0060】
また、設定部130は、モード制御信号モードがパラメータの設定を行う第1の処理を示さない場合には、レジスタ132_nに何らのデータも記録しないので、処理データが入力された場合にレジスタ132_nに記憶されたパラメータが更新される恐れもない。
【0061】
パラメータ設定部120は、設定部130とレジスタ132_nとを備えることによって、入力されるモード制御信号に応じて、入力されるデータ信号に基づくパラメータの記憶処理を選択的に行う。
【0062】
再度図5を参照して、信号処理部102の構成の一例について説明する。信号処理回路122は、入力されるデータ信号に対してレジスタ132_nに記憶されたパラメータを用いた信号処理を行い、処理後のデータ信号を切替部124へ出力する。また、信号処理回路122は、処理後のデータ信号と共に、データ信号と同期されたENABLE信号を出力する。
【0063】
なお、図5では示していないが、信号処理回路122は、モード制御信号がパラメータの設定を行う第1の処理を示す場合、信号処理を行わなくてもよい。上記の場合には、信号処理部102の消費電力を低減させることができる。
【0064】
切替部124は、モード制御信号に基づいて、信号処理部102に入力されたデータ信号(信号処理回路122が処理する前のデータ信号)または、信号処理回路122が処理したデータ信号のいずれかを選択的に出力する。より具体的には、切替部124は、モード制御信号が第1の処理を示す場合には、入力されるデータ信号を出力し、モード制御信号が第2の処理を示す場合には、信号処理回路122が処理したデータ信号を出力する。また、切替部124は、モード制御信号が第1の処理を示す場合には、入力されたENABLE信号を出力し、モード制御信号が第2の処理を示す場合には、信号処理回路122から出力される処理されたデータ信号と共に、信号処理回路122からデータ信号と同期して出力されるENABLE信号を出力する。切替部124は、例えば、モード制御信号に応じて入力されたENABLE信号または信号処理回路122から出力されるENABLE信号のいずれかを出力するスイッチSW2とで構成される。
【0065】
信号処理部102は、例えば図5に示す構成を有する。ここで、信号処理部102は、モード制御信号が第1の処理を示す場合には、入力されたデータ信号に基づいてレジスタ132_nにパラメータを選択的に記録すると共に、入力されたデータ信号を後段の信号処理部102(または、データ書込み部108)へと出力する。また、信号処理部102は、モード制御信号が第1の処理を示す場合には、入力されたデータ信号を信号処理回路122で処理し、処理されたデータ信号を後段の信号処理部102(または、データ書込み部108)へと出力する。
【0066】
したがって、データ処理装置100は、例えば図5に示す構成を有する信号処理部102を備えることによって、処理データを示すデータ信号と、パラメータ情報を示すデータ信号とを同一のデータバスにて転送することができ、また、各信号処理部102が備えるレジスタそれぞれに対応するパラメータを選択的に記録させることができる。
【0067】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るデータ処理装置100は、処理データを示すデータ信号と、パラメータ情報を示すデータ信号とを同一のデータバスにて転送することが可能であるので、図8に示す従来のデータ処理装置10のように、パラメータを記憶するレジスタを信号処理部102の外部に備える必要はない。
【0068】
また、データ処理装置100では、上記レジスタは制御部110を構成するCPUのアドレス上に配置されていないので、データ処理装置100は、当該CPUが実行するソフトウェア上でアドレスの管理を行う必要はない。よって、データ処理装置100では、レジスタ数が多くなったとしても、従来のデータ処理装置10のように上記ソフトウェアの設計や実装の負担が増すことはない。また、データ処理装置100では、レジスタ数が多くなったとしても、制御部110を構成するCPUが実行するソフトウェア上でアドレスの管理を行う必要はないので、ソフトウェアの設計、実装時に生じうるアドレスの設定ミスが発生する恐れもない。
【0069】
さらに、データ信号処理装置100では、各信号処理部102が備えるレジスタにパラメータを記録する場合、各信号処理部102は、記憶する識別情報を用いて対応するパラメータ情報を特定してレジスタにパラメータを記録する。つまり、データ処理装置100は、各信号処理部102に入力されるパラメータ情報の入力順序(例えば図4の#mの順序)に関係なく、必要なパラメータが、各信号処理部102に設定される。よって、データ処理装置100では、信号処理回路の増減や変更があった場合であっても、信号処理部102それぞれに対応するレジスタ132_nのデコード回路を作り直す必要はないので、従来のデータ処理装置10のようにハードウェア設計の負担となることもない。
【0070】
したがって、データ処理装置100は、入力されるデータ信号に対して順次に信号処理を行う信号処理回路それぞれが信号処理に用いるパラメータの設定に係る、ソフトウェアおよびハードウェアの設計、実装を容易とすることができる。
【0071】
(第2の実施形態に係るデータ処理装置)
図7は、本発明の第2の実施形態に係るデータ処理装置200の構成の一例を示すブロック図である。データ処理装置200は、図1に示す第1の実施形態に係るデータ処理装置100と基本的に同様の構成を有しており、選択部202をさらに備える。図7では、選択部202が、セレクタSELで構成された例を示している。
【0072】
選択部202には、データ処理装置200の外部から入力された、各信号処理部102が処理可能な処理データを示すデータ信号(以下、「入力データ信号」とよぶ場合がある。)と、データ読み出し部106から出力されるデータ信号とが入力される。ここで、選択部202に入力される外部から入力されたデータ信号としては、例えば、撮像装置(図示せず。または、データ処理装置200が備える撮像部(図示せず)であってもよい。)から出力される撮像データ(画像データ)や、外部装置から送信された画像データ、音声データなどが挙げられる。
【0073】
また、選択部202は、入力されるモード制御信号に応じて、入力データ信号、またはデータ読み出し部106から出力されるデータ信号を、信号処理部102_1(複数の信号処理部102のうちの最初に処理を行う信号処理部102)に出力する。
【0074】
より具体的には、選択部202は、モード制御信号がパラメータの設定を行う第1の処理を示す場合には、データ読み出し部106から出力されるデータ信号(すなわち、パラメータ情報を示すデータ信号)を信号処理部102_1に出力する。よって、上記の場合には、各信号処理部102では、図1に示す第1の実施形態に係る信号処理部102と同様に、各信号処理部102が備えるレジスタ132_nにパラメータが記録される。
【0075】
また、選択部202は、モード制御信号がデータ信号に対する信号処理を行うことを示す第2の処理を示す場合には、入力データ信号を信号処理部102_1に出力する。よって、上記の場合には、各信号処理部102では、図1に示す第1の実施形態に係る信号処理部102と同様に、信号処理回路122において入力データ信号が処理され、データ書込み部108により処理後のデータ信号が示すデータが記憶部104に記録される。
【0076】
第2の実施形態に係るデータ処理装置200は、選択部202を備える点が、図1に示す第1の実施形態に係るデータ処理装置100と異なるが、その他の構成は、データ処理装置100と同様である。よって、データ処理装置200は、第1の実施形態に係るデータ処理装置100と同様に、処理データを示すデータ信号とパラメータ情報を示すデータ信号とを同一のデータバスにて転送することが可能であるので、図8に示す従来のデータ処理装置10のように、パラメータを記憶するレジスタを信号処理部102の外部に備える必要はない。
【0077】
また、データ処理装置200では、第1の実施形態に係るデータ処理装置100と同様に、制御部110を構成するCPUが実行するソフトウェア上でアドレスの管理を行う必要はないので、レジスタ数が多くなったとしても、従来のデータ処理装置10のように上記ソフトウェアの設計や実装の負担が増すことはない。また、データ処理装置200では、第1の実施形態に係るデータ処理装置100と同様に、ソフトウェアの設計、実装時に生じうるアドレスの設定ミスが発生する恐れもない。
【0078】
さらに、データ信号処理装置200では、第1の実施形態に係るデータ処理装置100と同様に、各信号処理部102が備えるレジスタにパラメータを記録する場合、各信号処理部102は、記憶する識別情報を用いて対応するパラメータ情報を特定してレジスタにパラメータを記録する。よって、データ処理装置100では、第1の実施形態に係るデータ処理装置100と同様に、信号処理回路の増減や変更があった場合であっても信号処理部102それぞれに対応するレジスタ132_nのデコード回路を作り直す必要はないので、従来のデータ処理装置10のようにハードウェア設計の負担となることもない。
【0079】
したがって、データ処理装置200は、第1の実施形態に係るデータ処理装置100と同様に、入力されるデータ信号に対して順次に信号処理を行う信号処理回路それぞれが信号処理に用いるパラメータの設定に係る、ソフトウェアおよびハードウェアの設計、実装を容易とすることができる。
【0080】
以上、第1、第2の実施形態としてデータ処理装置を挙げて説明したが、上述した本発明の第1、第2実施形態は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど表示装置、テレビジョン(Television)放送を受信する受信装置、PC(Personal Computer)やサーバ(Server)などのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0082】
10、100、200 データ処理装置
102 信号処理部
104 記憶部
106 データ読み出し部
108 データ書込み部
110 制御部
120 パラメータ設定部
122 信号処理回路
124 切替部
130 設定部
132 レジスタ
202 選択部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続されてデータ信号を規定された順序で転送する複数の信号処理部であって、固有の識別情報をそれぞれ記憶し、信号処理に用いるパラメータを記憶可能なレジスタをそれぞれ備え、処理の種別を規定するモード制御信号に基づいて、入力されるデータ信号に基づく前記パラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対する前記パラメータを用いた信号処理を順次に行う複数の信号処理部と、
前記信号処理部それぞれに記憶させるパラメータを示すパラメータ情報と、複数の前記信号処理部が処理可能な処理データとを記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記パラメータ情報または前記処理データを選択的に読み出し、読み出したデータに対応するデータ信号を、複数の前記信号処理部のうちの最初に処理を行う前記信号処理部に出力するデータ読み出し部と、
複数の前記信号処理部のうちの最後に処理を行う前記信号処理部から出力されるデータ信号に対応するデータを前記記憶部に選択的に記録するデータ書き込み部と、
前記モード制御信号を複数の前記信号処理部へ出力し、前記データ読み出し部にデータを選択的に読み出させ、前記データ書き込み部にデータを選択的に書き込ませる制御部と、
を備え、
前記信号処理部それぞれは、前記パラメータの記憶処理を行う場合には、入力されたデータ信号が前記識別情報と対応するか否かを判定し、入力された前記データ信号が前記識別情報と対応するときに、前記データ信号に含まれるパラメータを前記レジスタに記録することを特徴とする、データ処理装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、
前記レジスタと、
入力されるデータ信号に対して前記レジスタに記憶されたパラメータを用いた前記信号処理を行う信号処理回路と、
前記モード制御信号がパラメータの設定を行う第1の処理を示す場合には、入力されたデータ信号が示すデータの中から前記識別情報に対応するデータを選択して、選択したデータに含まれるパラメータを前記レジスタに記録し、前記モード制御信号が前記信号処理を行う第2の処理を示す場合には、前記レジスタにパラメータを記録しない設定部と、
前記モード制御信号が前記第1の処理を示す場合には入力されるデータ信号を出力し、前記モード制御信号が前記第2の処理を示す場合には前記信号処理回路が処理したデータ信号を出力する切替部と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記データ読み出し部に前記パラメータ情報を読み出させる場合に前記第1の処理を示すモード制御信号を出力し、
前記データ読み出し部からの前記パラメータ情報の読み出しが完了したことを示す応答に基づいて、前記第2の処理を示すモード制御信号を出力することを特徴とする、請求項1、または2のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
外部から入力された、複数の前記信号処理部が処理可能な処理データを示すデータ信号と、前記データ読み出し部から出力されるデータ信号とが入力され、
前記モード制御信号が前記第1の処理を示す場合には、前記データ読み出し部から出力されるデータ信号を、複数の前記信号処理部のうちの最初に処理を行う前記信号処理部に出力し、
前記モード制御信号が前記第2の処理を示す場合には、前記外部から入力されたデータ信号を、複数の前記信号処理部のうちの最初に処理を行う前記信号処理部に出力する選択部をさらに備えることを特徴とする、請求項1、または2のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
互いに接続されてデータ信号を規定された順序で転送する複数の信号処理部であって、固有の識別情報をそれぞれ記憶し、信号処理に用いるパラメータを記憶可能なレジスタをそれぞれ備え、入力されるデータ信号に基づく前記パラメータの記憶処理、または、入力されるデータ信号に対する前記パラメータを用いた信号処理を順次に行う複数の信号処理部を備えるデータ処理装置における、前記信号処理部それぞれに適用可能なパラメータ設定方法であって、
処理の種別を規定するモード制御信号に基づいて、前記パラメータの記憶処理を行うか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記パラメータの記憶処理を行うと判定された場合に、入力されたデータ信号が前記識別情報と対応するか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップにおいて入力された前記データ信号が前記識別情報と対応すると判定された場合に、前記データ信号に含まれるパラメータを、前記レジスタに記録する記録ステップと、
を有することを特徴とする、パラメータ設定方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−138188(P2011−138188A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295946(P2009−295946)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】