説明

データ処理装置、データ処理システム及びデータ処理方法

【課題】 送信側のデータ処理装置及び受信側のデータ処理装置の双方にとって最適なデータ転送を実現できるようにする。
【解決手段】 送信側のデータ処理装置110において、ディスク101に記録されている動画像データを記録再生部111で読み出し、読み出した動画像データのパケット列に対する処理能力を受信側のデータ処理装置120に問い合わせ、当該問い合わせの結果得られた受信側のデータ処理装置120の処理能力値に応じて、読み出した動画像データのパケット列の転送レートを変更する。そして、変更した転送レートにおける動画像データのパケット列を受信側のデータ処理装置120に送信するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、送信側のデータ処理装置と受信側のデータ処理装置とを通信可能に接続したデータ処理システム、データ処理方法、当該データ処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び当該プログラムをコンピュータに読み取り可能に記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関し、特に、MPEG2規格等に準拠した動画像データ等を送受信するものに用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録媒体に記録されている動画像データの再生を行うとともに、IEEE Std 1394−1995(非特許文献1参照)等に準拠したアイソクロナス転送を用いてダビングを行うデータ処理システムがある。ここで、データ処理システムの一例について説明する。
【0003】
図4は、データ処理システム400を示す概略構成図である。本例では、記録媒体がディスクである場合を例にして説明する。
データ処理システム400は、送信側のデータ処理装置410と、受信側のデータ処理装置420と、当該装置間を接続する通信ケーブル430を有している。また、送信側のデータ処理装置410には、送信側のディスク401及び表示装置402が接続されており、受信側のデータ処理装置420には、受信側のディスク403及び表示装置404が接続されている。
【0004】
送信側のディスク401の動画像データは、送信側のデータ処理装置410の記録再生部411で読み出された後、表示制御部412に送られる。表示制御部412では、表示装置402に動画を表示するためのデコード処理が施される。さらに、記録再生部411で読み出された動画像データは、IEEE Std 1394−1995等に準拠したデジタルインターフェース部413に入力される。そして、このデジタルインターフェース部413で所定のパケット化が施されて、通信ケーブル430を経由して、受信側のデータ処理装置420のデジタルインターフェース部421に入力される。デジタルインターフェース部421もIEEE Std 1394−1995(非特許文献1参照)等に準拠する。受信側のデータ処理装置420では、送信側のデータ処理装置410から送られてきた動画像データを表示制御部422でデコード処理を施して表示装置404に表示するとともに、送信側のデータ処理装置410から送られてきた動画像データを記録再生部423によってディスク404に記録する。
【0005】
ここで、ダビングを行う場合には、不正なコピーを防止するためのコピープロテクションを用いて、動画像データに暗号化処理を施すことがある。この場合には、送信側のデータ処理装置410の記録再生部411において、ディスク401から読み出した動画像データをコピーの制限レベルに応じて各々異なるモードで暗号化する。また、コピー制限のない動画像データであれば、当該暗号化処理は行わない。
【0006】
送信側のデータ処理装置410では、コピー制限のある動画像データを暗号化して出力し、その暗号を解く鍵は当該装置による認証処理を通じて正しいと認めた装置に対してのみ送信するようにして、改ざんや盗聴等を防止している。そして、暗号化された動画像データは、デジタルインターフェース部413に入力され、通信ケーブル430を経由して、受信側のデータ処理装置420のデジタルインターフェース部421に入力される。受信側のデータ処理装置420では、入力された動画像データを前述した鍵を用いて計算を行い、暗号化された動画像データを復号する。そして、受信側のデータ処理装置420は、復号した動画像データを表示制御部422でデコードして表示装置403に表示することや、記録再生部423によりディスク404に記録することが可能となる。
【0007】
図5は、MPEG2トランスポートストリーム(以下、MPEG2−TS)に準拠した動画像データをIEEE1394−1995規格に準拠したアイソクロナスパケットにパケット化する際の模式図である。
ディスク401に記録されている動画像データのデータ列501は、記録再生部411によって読み出され、188バイトのMPEG2−TSパケット502ごとにデジタルインターフェース部413に入力される。このとき、各MPEG2−TSパケット502には、ヘッダとしてタイムスタンプデータが付加され、ソースパケット503となる。次にこの、ソースパケット503は、8つのデータブロック504に分割される。そして、MPEG2−TSデータのビットレートに応じて、幾つか(ここでは一例として4つ)のデータブロック505が1つのアイソクロナスデータ506とされる。各アイソクロナスデータ506には、共通アイソクロナスパケット(CIP)ヘッダ507や、アイソクロナスパケットヘッダ508、CRCデータ509が付加され、アイソクロナスパケット510となる。本例では、各アイソクロナスサイクルで4つのデータブロック505から成るパケットを伝送しており、MPEG2−TSのビットレートは、約6.016Mbpsである。
【0008】
なお、アイソクロナス通信に関しては非特許文献1に、暗号化技術に関しては非特許文献2及び3に、MPEG2−TSデータをIEEE1394規格に準拠したアイソクロナスパケットとして伝送する方法に関しては非特許文献4にそれぞれ記述されている。
【0009】
【非特許文献1】IEEE Std 1394-1995・IEEE Standard for a High Performance Serial Bus
【非特許文献2】5C Digital Transmission Content Protection White Paper Revision 1.0
【非特許文献3】Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1(Informational Version) Revision 1.0
【非特許文献4】IEC 61883-4:Consumer audio/video equipment-Digital interface-Part 4:MPEG2-TS data transmission
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、データ処理システム400では、前述したアイソクロナス転送を用いて送信側のデータ処理装置410から受信側のデータ処理装置420に動画像データを送信して、当該動画像データのダビングを行う場合、ダビングに要する時間が当該動画像データの再生時間と同じだけかかっていた。例えば、1時間の動画像データの映像であれば、ダビングにかかる時間も1時間必要であった。また、送信側のデータ処理装置410から送信された動画像データの転送レートに対して、受信側のデータ処理装置420での処理能力が劣っている場合には、当該動画像データのダビングを行うことが不可能となっていた。
【0011】
即ち、データ処理システム400では、送信側のデータ処理装置410から受信側のデータ処理装置420にデータを転送する際に、受信側のデータ処理装置420を考慮したデータ転送を行っていなかったために、双方にとって最適なデータ転送を実現することは困難であった。
【0012】
本発明は上述の問題点にかんがみてなされたものであり、送信側のデータ処理装置から受信側のデータ処理装置にデータを転送する際に、受信側のデータ処理装置を考慮したデータ転送を行えるようにして、双方にとって最適なデータ転送を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のデータ処理装置は、記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データを読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段で読み出した記録データのパケット列に対する処理能力を受信装置に問い合わせる問い合わせ手段と、前記問い合わせ手段による問い合わせの結果得られた前記受信装置の処理能力値に応じて、前記記録データのパケット列の転送レートを変更する転送レート変更手段と、前記転送レート変更手段により変更された転送レートで前記記録データのパケット列を前記受信装置に送信する送信手段とを有する。
【0014】
また、本発明の他のデータ処理装置は、送信装置の記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データのパケット列に対する処理能力値を前記送信装置に送信する送信手段と、前記処理能力値に応じて転送レートが変更された前記記録データのパケット列を前記送信装置から受信する受信手段とを有する。
【0015】
本発明のデータ処理方法は、記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データを読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップで読み出した記録データのパケット列に対する処理能力を受信装置に問い合わせる問い合わせステップと、前記問い合わせステップによる問い合わせの結果得られた前記受信装置の処理能力値に応じて、前記記録データのパケット列の転送レートを変更する転送レート変更ステップと、前記転送レート変更ステップにより変更された転送レートで前記記録データのパケット列を前記受信装置に送信する送信ステップとを有する。
【0016】
本発明の他のデータ処理方法は、送信装置の記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データのパケット列に対する処理能力値を前記送信装置に送信する送信ステップと、前記処理能力値に応じて転送レートが変更された前記記録データのパケット列を前記送信装置から受信する受信ステップとを有する。
【0017】
本発明のプログラムは、記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データを読み出す読み出し手順と、前記読み出し手順で読み出した記録データのパケット列に対する処理能力を受信装置に問い合わせる問い合わせ手順と、前記問い合わせ手順による問い合わせの結果得られた前記受信装置の処理能力値に応じて、前記記録データのパケット列の転送レートを変更する転送レート変更手順と、前記転送レート変更手順により変更された転送レートで前記記録データのパケット列を前記受信装置に送信する送信手順とをコンピュータに実行させる。
【0018】
本発明の他のプログラムは、送信装置の記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データのパケット列に対する処理能力値を前記送信装置に送信する送信手順と、前記処理能力値に応じて転送レートが変更された前記記録データのパケット列を前記送信装置から受信する受信手順とをコンピュータに実行させる。
【0019】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記プログラムをコンピュータに読み取り可能に記憶する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、送信側のデータ処理装置において、記録媒体に記録されている記録データのパケット列における転送レートを、受信側のデータ処理装置の処理能力に応じて変更するようにしたので、双方にとって最適なデータ転送を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の実施形態におけるデータ処理システムを示す概略構成図である。
本実施形態では、記録媒体がディスクである場合の例を示し、また、以下には、従来例で説明した通常速度のダビングに対してN倍の速度でダビングを行う場合、即ちダビングに要する時間をN分の1とする場合についてに説明する。
【0022】
本実施形態におけるデータ処理システム100は、送信側のデータ処理装置110と、受信側のデータ処理装置120と、当該装置間を接続する通信ケーブル130を有している。また、送信側のデータ処理装置110には、送信側のディスク101及び表示装置102が接続されており、受信側のデータ処理装置120には、受信側のディスク103及び表示装置104が接続されている。
【0023】
送信側のデータ処理装置110は、記録再生部111と、メモリ112と、表示制御部113と、CPU114と、コピープロテクション(C/P)部115と、デジタルインターフェース部116を備えて構成されている。受信側のデータ処理装置120は、デジタルインターフェース部121と、コピープロテクション(C/P)部122と、メモリ123と、表示制御部124と、CPU125と、記録再生部126を備えて構成されている。デジタルインターフェース部116及び121は、IEEE Std 1394−1995等に準拠する。
【0024】
まず、記録再生部111は、送信側のディスク101の動画像データを読み出し、当該読み出した動画像データをメモリ112に記憶する。メモリ112に記憶された動画像データは、表示制御部113に送られてデコード処理が施された後、表示装置102にダビング時のモニタ画像として表示される。一方、CPU114による制御により、記録再生部111で読み出された動画像データは、コピープロテクション部115に入力される。このコピープロテクション部115では、入力された動画像データのコピー制限に対応したモードにより暗号化処理が行われる。また、CPU114は、コピープロテクション部115で動画像データの暗号化処理を行った後に、受信側のデータ処理装置120に対して、以下の問い合わせを行う。
【0025】
図2は、送信側のデータ処理装置110における制御を示したフローチャートである。
まず、ステップS201では、CPU114において、送信する動画像データの内容の確認を行う。ここで、送信する動画像データにはディスク101に記録される時にコピー制限や解像度(SD(Standard Definition)、HD(High Definition)等)によって異なった記録方法が行われている。
【0026】
なお、送信する動画像データがコピー制限の無いものである場合には、コピープロテクション部115による暗号化処理を行わずに、デジタルインターフェース部116に入力される。一方、送信する動画像データがコピー制限のあるものである場合には、コピープロテクション部115で暗号化処理が行われた後に、デジタルインターフェース部116に入力される。
【0027】
続いて、ステップS202では、CPU114において、受信側のデータ処理装置120に対して、コピープロテクション部122の処理能力を問い合わせる。このステップS202での問い合わせには、アシンクロナス転送が用いられ、受信側のデータ処理装置120のコピープロテクション部122の処理能力を表す転送レートが通知される。
【0028】
続いて、ステップS203では、CPU114において、受信側のデータ処理装置120から転送されてきたコピープロテクション部122の復号化に要する処理能力値に応じて、当該転送レートの変更を行う。
【0029】
ここで、受信側のコピープロテクション部122の復号化に要する処理能力値が基準レートであるSDのレートよりも高い場合に通常再生時の転送レートで送信を行うと、受信側のコピープロテクション部122の最大処理能力を生かすことができない。本実施形態では、この場合には、ステップS203において、受信側のコピープロテクション部122の処理能力値に応じて転送レートを許容できる最大限まで高く変更する。これにより、受信側のコピープロテクション部122での処理時間を短縮することができる。
【0030】
例えば、ステップS203の処理において、送信する動画像データの転送レートが基準レートのSDで設定されており、受信側のコピープロテクション部122の転送レートがHD対応であって基準レートSDのN倍の速度まで処理することが可能である場合には、CPU114において、デジタルインターフェース部116に入力する動画像データを設定していた基準レートSDのN倍の転送レートに変更する。
【0031】
一方、受信側のコピープロテクション部122の復号化に要する処理能力値が基準レートであるSDのレートよりも低い場合に通常再生時の転送レートで送信を行うと、受信側ではダビングすることは不可能である。本実施形態では、この場合には、ステップS203において、受信側のコピープロテクション部122の処理能力値に応じて転送レートを受信処理できる程度まで低くする。これにより、受信側のコピープロテクション部122での処理を確実に行うことができる。
【0032】
続いて、ステップS204では、ステップS203で転送レートを変更した動画像データを通信ケーブル130を介して受信側のデータ処理装置120に送信する。この際、本実施形態の場合には、通常再生時のN倍の速度で受信側のデータ処理装置120に送信される。
【0033】
受信側のデータ処理装置120では、デジタルインターフェース部121に送信されてきた動画像データをコピープロテクション部122において復号化処理を行う。このコピープロテクション部122では、送信側のコピープロテクション部115で暗号化処理を行った際に用いた暗号を解く鍵を計算することにより、適切なモードを選択して復号化処理を行う。送信側のデータ処理装置110で転送レートが変更された場合でも、常に受信側のデータ処理装置120の最大処理能力以下の転送レートの動画像データが送信されてくるため、スムーズな復号化処理が施されることになる。
【0034】
図3は、受信側のコピープロテクション部122の処理能力に応じて決定される送信側の転送レートの一例を示した図である。
SDは基準値として扱い、また、HDは常に基準値であるSDよりも高い転送レートを必要とする。上述したように、通常、転送レートがHDの動画像データをSDの処理能力しか持っていない受信側ではダビングすることは不可能であるが、本実施形態では、転送レートをSDで解釈できる程度に低い転送レートに変更して、ダビング処理を行うことを可能としている。また、変更された転送レートによっては、コピープロテクション部122よりも後段の構成要素において、処理を通常再生時よりも速く行うことが可能となる。
【0035】
そして、受信側のデータ処理装置120では、図1に示すように、コピープロテクション部122により復号化された動画像データは、メモリ123に記憶され、表示制御部124においてデコード処理された後、表示装置103に表示される。さらに、コピープロテクション部122により復号化された動画像データは、記録再生部126に入力されて、ディスク104に書き込まれる。
【0036】
なお、本実施形態においては、ディスク101に記録されている記録データとして動画像データの例を示したが、本発明はこれに限定されるわけでなく、例えば音声データが記録データとして記録されていてもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、受信側のデータ処理装置120における処理能力の問い合わせの対象として、コピープロテクション部122における処理能力値を問い合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるわけでなく、例えばディスク104への記録データの書き込み速度や、メモリ123への記録データの書き込み速度、或いは、メモリ123からの記録データの読み込み速度等の処理能力を問い合わせるようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態においては、ディスク101に記録されている記録データのパケットとして、例えばMPEG2トランスポートストリームパケットを適用することができる。また、記録データに対して予め設定されているパケット列の転送レートは、ディスク101に記録されている当該記録データのフォーマットの種類に応じて設定されている。また、記録媒体としては、ディスクに限定されるわけでなく、例えば半導体メモリ等の他の記録媒体であってもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、受信側のデータ処理装置120における処理能力の問い合わせの方法として、送信側のデータ処理装置110から当該処理能力の問い合わせを行う例を示したが、本発明はこれに限定されるわけでなく、例えば受信側のデータ処理装置120から送信側のデータ処理装置110に対して、自機器の処理能力を送信するようにしてもよい。さらに、受信側のデータ処理装置120において、CPU125の制御により、送信側のデータ処理装置110に対して、受信対象の記録データのパケット列に対する転送レートを問い合わせ、当該問い合わせの結果得られた当該記録データの転送レートが自機器の処理能力値と一致しない場合に、当該記録データの転送レートを変更するように送信側のデータ処理装置110に対して指示するように構成してもよい。この場合、送信側のデータ処理装置110は、受信側のデータ処理装置120からの転送レートの変更の指示に基づいて、送信対象の記録データのパケット列の転送レートを変更することになる。
【0040】
本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段としては、例えば、かかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、かかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体が挙げられる。以上、本発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0041】
本実施形態によれば、送信側のデータ処理装置110において、ディスク101に記録されている記録データのパケット列における転送レートを、受信側のデータ処理装置120の処理能力に応じて変更するようにしたので、双方のデータ処理装置にとって最適なデータ転送を実現することができる。
【0042】
例えば、受信側のデータ処理装置120における処理能力が記録データの予め設定されているパケット列の転送レートよりも高い場合には、当該転送レートを受信側のデータ処理装置120の処理能力に応じて高くするようにする。これにより、記録データの転送を高速に行うことができ、記録データのダビング時間を短縮することが可能となる。一方、受信側のデータ処理装置120における処理能力が記録データの予め設定されているパケット列の転送レートよりも低い場合には、当該転送レートを受信側のデータ処理装置120の処理能力に応じて低くするようにする。これにより、受信側のデータ処理装置120側で記録データのダビングができないという不具合を解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態におけるデータ処理システムを示す概略構成図である。
【図2】送信側のデータ処理装置における制御を示したフローチャートである。
【図3】受信側のコピープロテクション部の処理能力に応じて決定される送信側の転送レートの一例を示した図である。
【図4】データ処理システムの一例を示す概略構成図である。
【図5】記録されている動画像データをアイソクロナスパケットにパケット化する際の模式図である。
【符号の説明】
【0044】
100 データ処理システム
101、104 ディスク
102、103 表示装置
110 送信側のデータ処理装置
111 記録再生部
112 メモリ
113 表示制御部
114 CPU
115 コピープロテクション(C/P)部
116 デジタルインターフェース部
120 受信側のデータ処理装置
121 デジタルインターフェース部
122 コピープロテクション(C/P)部
123 メモリ
124 表示制御部
125 CPU
126 記録再生部
130 通信ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データを読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段で読み出した記録データのパケット列に対する処理能力を受信装置に問い合わせる問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせの結果得られた前記受信装置の処理能力値に応じて、前記記録データのパケット列の転送レートを変更する転送レート変更手段と、
前記転送レート変更手段により変更された転送レートで前記記録データのパケット列を前記受信装置に送信する送信手段と
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記記録媒体に記録されている前記記録データのパケットが、MPEG2トランスポートストリームパケットであることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記記録データを暗号化する暗号化手段を更に有し、
前記問い合わせ手段は、前記受信装置に対して、前記暗号化手段により暗号化した記録データの復号化の際の処理能力を問い合わせることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記問い合わせ手段は、前記受信装置に対して、前記記録データを記録媒体に記録する記録速度を問い合わせることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記問い合わせ手段は、前記受信装置に対して、前記記録データのパケットを一時的に記憶する記憶領域への書き込み速度、或いは、前記記憶領域からの前記記録データのパケットにおける読み出し速度を問い合わせることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記問い合わせ手段は、前記処理能力における最大値を前記処理能力値として前記受信装置に問い合わせることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記転送レート変更手段は、前記受信装置における前記処理能力値が前記記録データの予め設定されているパケット列の転送レートよりも高い場合には、当該転送レートを前記処理能力値に応じて高くすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記転送レート変更手段は、前記受信装置における前記処理能力値が前記記録データの予め設定されているパケット列の転送レートよりも低い場合には、当該転送レートを前記処理能力値に応じて低くすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記記録データの前記予め設定されているパケット列の転送レートは、前記記録媒体に記録されている当該記録データのフォーマットの種類に応じて設定されることを特徴とする請求項7又は8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
送信装置の記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データのパケット列に対する処理能力値を前記送信装置に送信する送信手段と、
前記処理能力値に応じて転送レートが変更された前記記録データのパケット列を前記送信装置から受信する受信手段と
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項11】
前記記録データのパケット列に対する転送レートを前記送信装置に問い合わせる問い合わせ手段と、
前記前記問い合わせ手段による問い合わせの結果得られた前記転送レートが前記処理能力値と一致しない場合に、前記転送レートを変更するように前記送信装置に対して指示する転送レート変更指示手段とを更に有することを特徴とする請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のデータ処理装置と、
請求項10又は11に記載のデータ処理装置と
を通信可能に接続したことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項13】
記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データを読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップで読み出した記録データのパケット列に対する処理能力を受信装置に問い合わせる問い合わせステップと、
前記問い合わせステップによる問い合わせの結果得られた前記受信装置の処理能力値に応じて、前記記録データのパケット列の転送レートを変更する転送レート変更ステップと、
前記転送レート変更ステップにより変更された転送レートで前記記録データのパケット列を前記受信装置に送信する送信ステップと
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項14】
送信装置の記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データのパケット列に対する処理能力値を前記送信装置に送信する送信ステップと、
前記処理能力値に応じて転送レートが変更された前記記録データのパケット列を前記送信装置から受信する受信ステップと
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項15】
記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データを読み出す読み出し手順と、
前記読み出し手順で読み出した記録データのパケット列に対する処理能力を受信装置に問い合わせる問い合わせ手順と、
前記問い合わせ手順による問い合わせの結果得られた前記受信装置の処理能力値に応じて、前記記録データのパケット列の転送レートを変更する転送レート変更手順と、
前記転送レート変更手順により変更された転送レートで前記記録データのパケット列を前記受信装置に送信する送信手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
送信装置の記録媒体に記録されている少なくとも動画像データ又は音声データの記録データのパケット列に対する処理能力値を前記送信装置に送信する送信手順と、
前記処理能力値に応じて転送レートが変更された前記記録データのパケット列を前記送信装置から受信する受信手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のプログラムをコンピュータに読み取り可能に記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−128820(P2006−128820A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311413(P2004−311413)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】