説明

データ処理装置およびその制御方法

【課題】複数のカードスロットに装着されたメモリカードに対してデータの読み書きが可能なデータ処理装置において、複数の無線カードが装着された場合に電波の干渉が発生することを防止する。
【解決手段】メモリカードを着脱可能な複数のカードスロットを有するデータ処理装置において、複数のカードスロットのそれぞれについて、装着されたメモリカードが無線通信機能を有する無線カードであるか否かが判定される。そして、複数のカードスロットの一つである第1のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を有効にすることを許可し、第1のカードスロット以外のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を常に無効とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能を有するカードを着脱可能なデータ処理装置及びその制御方法にに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常のメモリカードと同一の形状で、無線通信機能を有するメモリカード(以下、無線カード)が特許文献1で紹介されている。無線カードは、カードのメモリ領域へ記録したファイルを自動的に無線通信を通して事前に設定した装置へ転送するというものである。複数のカードスロットを備える装置においては、無線カードが複数枚装着される可能性が有る。同一の無線通信方式のカードが複数枚装着されると、相互に電波干渉が発生し、通信効率が極めて悪化する。そのため、複数の無線通信機能を同時に使用する場合、特許文献2では、優先度に従って無線通信手段を切り替える手法を紹介している。優先度とは、通信のオーバヘッドや、データ量、消費電力等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−100103号公報
【特許文献2】米国特許第7117008号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2のように、複数の無線通信機能が事前に備わっている装置においては、事前に無線通信機能の優先度を設定することが可能である。しかしながら、無線カードに通信手段があるため、ホスト側の装置は、無線カードを装着するまでは、無線通信機能を使用することができない。従って、事前に優先度を設定することができない。つまり、無線カードの装着状況に応じて、無線通信に関する優先度や制限を設定する必要がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数のカードスロットに装着されたメモリカードに対してデータの読み書きが可能なデータ処理装置において、複数の無線カードが装着された場合に電波の干渉が発生することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の一態様によるデータ処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
メモリカードを着脱可能な複数のカードスロットを有するデータ処理装置であって、
前記複数のカードスロットのそれぞれについて、装着されたメモリカードが無線通信機能を有する無線カードであるか否かを判定する判定手段と、
前記複数のカードスロットの一つである第1のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を有効にすることを許可し、前記第1のカードスロット以外のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を常に無効とする制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の無線通信機能を有するカードが装着された場合において、電波干渉を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態によるデジタルカメラのブロック図。
【図2】(a)〜(d)は、無線通信機能設定表示の例を示す図。
【図3】無線カードの状態を表示するためのアイコンを説明する図。
【図4】(a)は第1実施形態の処理フローチャートであり、(b)は警告メッセージの表示例を示す図。
【図5】第1実施形態による処理フローチャート。。
【図6】第2実施形態による処理フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下ではメモリカードを着脱可能な複数のカードスロットを備えたデータ処理装置としてデジタルカメラを例に挙げて説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態に係るデータ処理装置として、デジタルカメラ100のブロック図を示す。図1において、デジタルカメラ100は複数のカードスロットとしてカードスロットA、Bを有しており、カードスロットAには無線カード200が、カードスロットBには無線カード300がそれぞれ装着されている。なお、図1では、デジタルカメラ100に、無線カード200および無線カード300が装着されている様子が示されているが、デジタルカメラ100へは、無線通信機能を有さない一般的なメモリカードもカードスロットAおよびBへ装着可能である。
【0011】
システムコントローラ130は、MPU(Micro Processing Unit)であり、プロセッサコアや、IO汎用ポート、AD変換機などの周辺回路を含んでいる。システムコントローラ130には、一時記憶装置であるRAM(Random Access Memory)170、およびプログラムが格納されている二次記憶装置であるROM(Read only Memory)180が接続されている。システムコントローラ130は、ROM180からRAM170に展開されたプログラムを読み込むことにより、デジタルカメラ100の各部を制御して種々の手段として機能させる。なお、なお、デジタルカメラ100の制御はシステムコントローラ130などの1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。撮影部150で撮影された画像を画像ファイル作成部160で画像ファイル化する。システムコントローラ130は、カードインタフェース142、144を通して、画像ファイル作成部160で作成された画像ファイルを無線カード200、300へ書き込む。カードスロットAに装着されているメモリカードに対しては、カードインタフェース142が使用され、カードスロットBに装着されているメモリカードに対しては、カードインタフェース144が使用される。また、カードスロットAへカードを装着されていることを検出するためのカード検出スイッチ141および、カードスロットBへカードを装着されていることを検出するためのカード検出スイッチ143が設けられている。カードインタフェース142,144および、カード検出スイッチ141,143は、システムコントローラ130へ接続されており、システムコントローラ130にて制御が可能である。
【0012】
カードインタフェース142,144は、無線カード200、300に対して規定されたタイミングにて信号を入出力することができる。また、無線カード200,300への電源供給のオン/オフも制御することが可能である。カード検出スイッチ141、143では、無線カード200,300がデジタルカメラ100のカードスロットA,Bに装着されると、対応するカード検出スイッチ141,143がオンになる。これにより、システムコントローラ130はカードスロットA,Bのそれぞれにおいてカードが装着されたことを検出することができる。システムコントローラ130は、無線カード200,300の情報を取得するコマンドをメモリカードのカードコントローラ210、310に送信することができる。そして、システムコントローラ130は、メモリカードのカードコントローラ210,310から受信した情報をもとにカードの種別を検出することができる。表示部110は、システム情報の表示、記録されている画像の再生画像の表示、無線通信機能設定に関するメニューの表示など、各種情報を表示するために用いる。ユーザは、操作部120により、各種操作を行い、システムコントローラ130へ命令を伝える。
【0013】
なお、無線カード200、300は、ともに同一の無線通信機能付きメモリカード(無線カード)である。したがって、以下では、カードスロットAに装着された無線カード200についてブロック図の説明を行い、カードスロットBに装着された無線カード300の説明は省略する。但し、210〜280の参照番号で示される構成と、310〜380の参照番号で示される構成とは同一である。
【0014】
無線カード200において、カードコントローラ210は、MPU(Micro Processing Unit)である。カードコントローラ210には、一時記憶装置であるRAM270、および二次記憶装置であるROM280、NAND型フラッシュメモリ素子220、無線通信回路230が接続されている。なお、RAMはRandom Access Memoryであり、ROMは、Read only Memoryである。
【0015】
カードコントローラ210は、ホストであるデジタルカメラ100のシステムコントローラ130からのコマンドに応じて、記憶素子であるNAND型フラッシュメモリ素子220へ画像ファイルを読み出しや書込みを行う。無線通信機能に関する制御や情報等の問合せは、ホストであるデジタルカメラ100のシステムコントローラ130から、カードコントローラ210へ専用のコマンドにて制御される。カードコントローラ210は、システムコントローラ130から画像ファイルの書込みが行われたことを検出すると、無線通信回路230を通して、外部の情報蓄積装置へ無線通信を介して画像ファイルの転送を行う。
【0016】
第1の実施の形態では、システムコントローラ130は、カードスロットAに装着したカードが無線カード200の場合は、電波を出力しないように、無線通信機能をオフ(無効化)する。そして、システムコントローラ130は、カードスロットBに装着したカードが無線カード300である場合のみ、当該無線カードにおける無線通信機能を有効にすることを許可し、無線通信に関わる表示やユーザ設定に連動した動作を実行する。なお、カードスロットAは無線カードの通信機能をオフにする構成は有するが、無線カードの無線通信機能を利用するための構成は有していないものとする。また、カードスロットBは無線カードの無線通信機能を利用する構成を有しているものとする。
【0017】
図4の(a)は、カードスロットAに無線カード200をマウントするときのシステムコントローラ130での制御シーケンスを示すフローチャートである。システムコントローラ130は、カードスロットAのカード検出スイッチ141が押されているか否かによりカードの装着を検出する(S401)。カードの装着が検出されると、システムコントローラ130は、カードスロットAに装着された無線カード200のカードコントローラ210へカード種別情報の取得のためのコマンドを発行する(S402)。システムコントローラ130は、カードスロットAに装着された無線カード200のカードコントローラ210からのレスポンスの情報から無線カードか否かを判断する(S403)。無線カードであると判断した場合、システムコントローラ130は無線通信機能をオフする(無効とする)ために、カードコントローラ210に対して無線通信機能のオフコマンドを送信する(S404)。また、カードスロットAに装着された無線カード200の無線通信機能が使用できないことを示すため、図4の(b)に示す警告メッセージを表示部110へ表示する(S405)。また、図4の(b)に示す警告メッセージでは、無線機能を使用できるカードスロットを示す情報が含まれており、ユーザは無線機能を使用するためにどうすればよいか(スロットBへ装着する)の情報を得ることができる。
【0018】
尚、カードスロットAに装着された無線カード200のファイルシステムを初期化する場合、通常であれば一度カードのアンマウント処理を行い、初期化後、再度マウント動作を行うのが通例である。しかし、一旦無線カードに対して無線通信機能のオフコマンドを送信しているため、電源が遮断されない限り、システムコントローラ130は、無線通信機能のオフコマンドを再送する必要が無い。ただし、電源の遮断を行う場合は、再度無線通信機能のオフコマンドを送信する必要がある。
【0019】
図5は、カードスロットBに無線カード300をマウントするときのシステムコントローラ130による制御シーケンスを示すフローチャートである。システムコントローラ130は、カードスロットBのカード検出スイッチ143が押されているか否かによりメモリカードが装着されているか否かを検出する(S501)。カードスロットBへのメモリカードの装着が検出されると、システムコントローラ130は、カードスロットBに装着された無線カード300のカードコントローラ310へカード種別情報の取得のためのコマンドを発行する(S502)。システムコントローラ130は、カードスロットBに装着された無線カード300のカードコントローラ310からのレスポンスの情報から、装着されているメモリカードが無線カードか否かを判断する(S503)。無線カードであると判断した場合、システムコントローラ130はメニュー設定の情報に応じて、カードコントローラ310に対して無線通信機能の設定コマンドを送信する。すなわち、メニュー設定において無線通信機能がオフに設定されている場合は、当該無線カードの無線通信機能をオフに設定する(S504、S507)。或いは、メニュー設定において無線通信機能がオンに設定されている場合は、当該無線カードの無線通信機能をオンに設定し(S504、S505)、無線通信制御に関する処理を定期的に実行する(S506)。
【0020】
図2の(a)および図2の(b)に、第1実施形態による無線通信機能の設定メニューの表示例を示す。図2の(a)のボタン301を押すことで、図2の(b)に示される下位のメニューが現れ、無線通信機能の入/切が設定可能となる。なお、本実施形態では、カードスロットBのみが無線通信機能を有効にされ得る。したがって、本メニューではカードスロットBに装着された無線カード300の設定のみが可能である。
【0021】
図3は、カードスロットBに装着された無線カード300の状態を示すアイコン表示の例を示す図である。カードスロットBに無線カードが装着されている期間、図のid0〜id5のアイコンがカードの状態に応じて表示される。
【0022】
以上述べたとおり、第1実施形態では、カードスロットAに装着されたカードが無線カードの場合は、電波を出力しないように、無線通信機能をオフとする。そして、カードスロットBに装着したカードが無線カードである場合のみ、無線通信に関わる表示やユーザ設定に連動した動作が実行される。したがって、第1実施形態の効果として、両方のカードスロットに無線カードが装着されても、同時に無線通信を行うことが無いため、通信の混信を防ぐことができる。また、無線通信機能を使用可能なスロットをカードスロットBに限定することで、メニュー項目や、アイコンの表示領域をスロットA用に準備する必要が無い。また、無線通信を行うためには、無線通信機能を使用しないときよりも消費電力が増加するため、ハードウェア的に電源やグランドラインの強化や、ノイズ対策の必要がある。これに対して本実施形態では、カードスロットA側のハードウェアにおける無線通信機能への対応を省略することができ、低コストで製品を製造することが可能となる。
【0023】
なお、第1実施形態では、カードスロットAを無線通信機能を持たないカードスロットに固定したが、これに限られるものではない。すなわち、カードスロットA,Bのそれぞれを無線カードの無線通信機能の有効、無効の切り替えが可能なカードスロットとし、無線機能を利用できるカードスロットとして機能させるカードスロットをユーザに選択させるようにしてもよい。また、カードスロットAが無線機能を利用できるカードスロットとして選択された場合、システムコントローラ130は、カードスロットBを無線機能を利用できないカードスロットとして自動的に設定してもよい。また、カードスロットBが無線機能を利用できるカードスロットとして選択された場合、システムコントローラ130は、カードスロットAを無線機能を利用できないカードスロットとして自動的に設定してもよい。このような場合には、システムコントローラ130の処理は、各カードスロットごとに、
・無線機能を利用できるカードスロットとして選択されているかどうかを判断し、
・無線機能を利用できるカードスロットとして選択されていなければ図4の(a)に示したフローチャートを実行し、
・無線機能を利用できるカードスロットとして選択されてれば図5に示したフローチャートを実行するようにすればよい。
【0024】
<第2実施形態>
第1実施形態では、特定のカードスロットに装着されたカードの無線通信機能をオフにしたが、第2実施形態は、最後に装着したカードスロットの無線通信機能を有効にするものである。ここで、既に無線カードが装着されたカードスロットが存在する場合に、その無線カードの無線通信機能で通信すべき内容が無くなったら(全ての画像が送信済みとなるなど)、次に装着された無線カードの無線通信を有効にするように制御される。なお、第2実施形態における記録装置(デジタルカメラ)および、無線カードのブロック図は、第1の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。
【0025】
図6は、カードスロットAにメモリカードをマウントするときのシステムコントローラ130での制御シーケンスを示すフローチャートである。S701〜S703は、図4(a)のS401〜S403と同様の処理である。システムコントローラ130は、カードスロットAに装着されたメモリカードのカードコントローラ210からのレスポンスの情報から、それが無線カードであるかどうかを判断する(S603)。無線カードであると判断した場合、システムコントローラ130は無線機能のメニュー設定状態をチェックする(S604)。無線通信機能のメニュー設定がオフに設定されている場合は、システムコントローラ130はカードスロットAのカードコントローラ210に対して無線通信機能のオフコマンドを送信する(S608)。なお、S608の処理は、S604から分岐された一回目のみ実行される。
【0026】
一方、無線機能のメニュー設定がオンに設定されている場合、システムコントローラ130は、既にカードスロットBに無線カードが装着されているかどうかをチェックする(S605)。なお、カードスロットAに無線カードが装着された後にカードスロットBに無線カードが装着された場合には、カードスロットBに「既に」装着されていたことにならないので、S605の分岐はNOとなる。既にカードスロットBに無線カードが装着されている場合、システムコントローラ130は、カードスロットBの無線カードの通信が終了しているかどうかをチェックする(S606)。なお、本実施形態でいう通信が終了していない状態とは、無線カードにより何らかのデータが送信中である状態をいうものとする。通信が終了していないと判断された場合、システムコントローラ130は、カードスロットAに装着された無線カード200のカードコントローラ210に対して無線通信機能のオフコマンドを送信する(S607)。そして、カードスロットBに装着された無線カード300による通信が終了するのを待つ。これにより、無線通信機能の割り当てをカードスロット間で切り替える際に、その時点で無線通信機能が有効なカードスロットにおいて無線によるデータ通信が実行されている場合には、当該データ通信の終了を待って切り替えが実行されることになる。なお、S607の処理は、S606から分岐された一回目のみ実行される。
【0027】
カードスロットBに無線カードが装着されていないと判断された場合(S605)、或いは、カードスロットBに装着された無線カード300の通信が終了していると判断された場合(S606)、処理はS609へ進む。S609では、システムコントローラ130は、カードスロットAに装着されている無線カード200による通信が終了しているかどうかのチェックを行う。カードスロットAに装着された無線カード200の通信が終了している場合、カードスロットAに装着された無線カード200の無線機能をオフにする。すなわち、システムコントローラ130は、無線カード200のカードコントローラ210に対して無線通信機能のオフコマンドを送信する(S607)。一方、カードスロットAに装着された無線カード200の通信が終了していない場合は、カードスロットAに装着された無線カード200の無線通信機能を有効にする。すなわち、システムコントローラ130は、カードコントローラ210に対して無線通信機能のオンコマンドを送信し(S610)、無線通信制御に関する処理を定期的に実行する(S611)。
【0028】
なお、図6は、カードスロットAに関する処理のフローチャートを示したが、カードスロットBに対しても同様の処理が行われる。したがって、図6中のカードスロットAをカードスロットB、カードスロットBをカードスロットAと読みかえることで、カードスロットBに関する処理のフローチャートとすることができる。また、上述のS607、S608,S610では、無線通信機能がオンからオフや、オフからオンへ変化するときのみ、システムコントローラ130はカードコントローラ210へ無線通信機能の設定コマンドを送ればよい。更に、各カードスロットにおける通信が終了したか否かの判定は、システムコントローラ130がカードコントローラ210に対して通信を終えたか否かを問い合わせることによりなされる。
【0029】
以上述べたとおり、第2実施形態では、先に装着したカードの無線機能を使用することを特徴としているため、ユーザは、カードスロットAおよびカードスロットBの区別無く使用することができる。また、後で装着した無線カードに関しては、先に装着した無線カードの通信が終了した段階で、無線機能を切り替えることで、連続した無線通信が可能となる。
【0030】
<第3実施形態>
第3実施形態では、無線機能を有効にするカードスロットをメニューにて選択する方法について説明する。
【0031】
図2の(c)および、図2の(d)は、第3実施形態による無線通信機能の設定メニューの表示例である。図2の(c)のボタン311を押すことで、図2の(d)に示すような下位のメニューが現れ、無線通信機能の入/切が設定可能となる。図2の(d)の設定項目は、無線カードが装着されているカードスロットのみが選択可能となり、無線カードが装着されていないカードスロットの選択項目はグレイアウトされ、選択不可能とする。システムコントローラ130は、新たに無線カードが装着されたことを検出すると、新たに無線カードが装着されたカードスロットが選択された状態で、図2の(d)に示す切替えメニューを表示する。このようにすれば、新たに装着したカードスロットの無線カードが即座に選択可能となる。
【0032】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。すなわち、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、たとえば、上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、複数のカードスロットとして、2つのカードスロットを有するデータ処理装置を説明したが、3つ以上のカードスロットを有するデータ処理装置にも本発明が適用可能なことは明らかである。例えば、第1実施形態では、3つ以上のカードスロットの一つをカードスロットBの機能を有する第1のカードスロットとし、第1のカードスロット以外のカードスロットをカードスロットAの機能を有するものとすればよい。また、複数のカードスロットからカードスロットBの機能を有する第1のカードスロットを選択する構成では、複数のカードスロットのうちの一つのみを第1のカードスロットとしてユーザが選択できるようにすれば良い。また、第2実施形態では、複数のカードスロットのそれぞれが図6に示す処理を実行するものとし、フローチャート中のカードスロットBを他のカードスロットに、カードスロットAを当該カードスロットに読み替えればよい。また、第3実施形態では、カードスロット数分のメニューを用意すればよい。
【0034】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードを着脱可能な複数のカードスロットを有するデータ処理装置であって、
前記複数のカードスロットのそれぞれについて、装着されたメモリカードが無線通信機能を有する無線カードであるか否かを判定する判定手段と、
前記複数のカードスロットの一つである第1のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を有効にすることを許可し、前記第1のカードスロット以外のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を常に無効とする制御手段とを備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記第1のカードスロットは、前記複数のカードスロットのうちの特定のカードスロットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記複数のカードスロットのそれぞれは前記無線カードの無線通信機能を有効または無効な状態に切り替えることが可能であり、前記第1のカードスロットとして機能させるカードスロットを前記複数のカードスロットからユーザに選択させる選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記複数のカードスロットのうち前記第1のカードスロット以外のカードスロットに前記無線カードが装着された場合に、無線通信機能を使用できないことを示す警告の表示を行う表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記複数のカードスロットのうちの前記第1のカードスロットとして機能しているカードスロットを示す情報を含むことを特徴とする請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記複数のカードスロットのそれぞれは無線カードの無線通信機能を有効または無効な状態に切り替えることが可能であり、
前記制御手段は、前記複数のカードスロットのうち、最後に無線カードが装着されたカードスロットが前記第1のカードスロットとして機能するように、前記複数のカードスロットに対する機能の割り当てを切り替えることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記機能の割り当てを切り替える時点で前記第1のカードスロットとして機能しているカードスロットにおいて無線によるデータの通信が実行されている場合には、当該データの通信の終了を待って前記切り替えを実行することを特徴とする請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
メモリカードを着脱可能な複数のカードスロットを有するデータ処理装置の制御方法であって、
判定手段が、前記複数のカードスロットのそれぞれについて、装着されたメモリカードが無線通信機能を有する無線カードであるか否かを判定する判定工程と、
制御手段が、前記複数のカードスロットの一つである第1のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を有効にすることを許可し、前記第1のカードスロット以外のカードスロットにおいて装着されたメモリカードが無線カードであると判定された場合には当該無線カードの無線通信機能を常に無効とする制御工程とを有することを特徴とするデータ処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−130215(P2011−130215A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286967(P2009−286967)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】