説明

データ処理装置の情報提供方法

【課題】 利用者の好みに即してカスタマイズする即応性のあるサービスを提供する。
【解決手段】 ネットワーク10を介して他の情報提供サイトから情報を取得することが可能なデータ処理装置100に適用され、ディスクトップ150上に表示されるメニュー領域120にメニューアイコン130として表示される状態では、その動作を停止状態とし、前記メニューアイコン130を前記メニュー領域120からディスクトップ150上にドラッグされた状態では前記ネットワーク10を介して取得した情報を表示するウィジェットアイコン110として動作するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して他の情報提供サイトから情報を取得することが可能なデータ処理装置の情報提供方法であって、特に、利用者端末のディスクトップ上で特定の機能を実行するための簡易的なアプリケーションであるウィジェットの表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスクトップ上で特定の機能を実行するための簡易的なアプリケーションの総称として定義されるウィジェット(Widget)が脚光を浴びている。ウィジェットは、簡易なプログラムという意味でアプレットに近いといえるが、アプレットに比べるとよりグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の要素が強いという共通の特徴を持っていると言われる。ウィジェットとして提供される機能は多様であり、計算機のようなものからニュースリーダー、スケジュール管理や天気予報、ウェブカメラ映像の表示、簡単なゲーム、株価チェックなど様々なものが提供されている。オンラインで提供されているWebサービスをディスクトップ環境で利用できるようにしたウィジェットも多数開発されている。ウィジェットは、2005年末頃に注目を集めるようになり、アプリケーションの一形態として急速に普及している。
【0003】
一方、ネットワークを介して提供される金融機関などのサービスは、利用者がサービスサイトにアクセスし、定型的なサービスメニューの中から特定のサービスを選択して利用しなければならない。したがって、利用者が複数のサービスの提供を受けようとすると、サービスサイトを記録するなどはできるものの、常時、当該サイトからの情報を受けることができなかった。
【0004】
【非特許文献1】日経産業新聞、2007年9月23日、3頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金融機関などの各種のサービスの利用を前記ウィジェットを利用できれば有効である。しかし、これらのウィジェットはディスクトップ上で常時起動するものであって、必要でないときは削除し、また必要なときはダウンロードする必要があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、利用者の好みに即してカスタマイズする即応性のあるサービスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデータ処理装置の情報提供方法は、ネットワークを介して他の情報提供サイトから情報を取得することが可能なデータ処理装置に適用され、ディスクトップ上に表示されるメニュー領域にメニューアイコンとして表示される状態では、その動作を停止状態とし、前記メニューアイコンを前記メニュー領域からディスクトップ上にドラッグされた状態では前記ネットワークを介して取得した情報を表示するウィジェットとして動作するようにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、必要なウィジェットを任意のメニューとしてディスクトップ上に表示し、このメニューからドラッグの操作でディスクトップ上に表示したり削除したりすることができるので、利用者の好みに即してカスタマイズする即応性のあるサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1から図13を参照して、本発明に係るウィジェットシステムを具体的に説明する。以下の説明では、金融情報提供システムを事例にして説明するが、本発明は、このシステムに限定されるものではなく、ネットワークを介して特定のサービス会社が単独または主体となって各種の情報提供や取引のサービスを利用者端末(データ処理装置)に提供する情報提供・取引システムに適用することができる。
【0010】
先ず、図1を参照して、このウィジェットシステムを利用した金融情報提供システムの概要を説明する。ここで、図1は、金融情報提供システムのシステム構成図である。
【0011】
図1において、この金融情報提供システムは、この金融情報提供システムにネットワーク10を介して参加する利用者端末(データ処理装置)100と、この利用者端末100に各種の情報を提供する金融機関ホストサーバ20と、この金融機関ホストサーバ20と連携して前記利用者端末100に各種の情報を提供する情報提供会社70とを含んで構成される。ここで、図1では、利用者端末100と情報提供会社70を説明を簡略するために1個で図示しているが多数参加することができる。また、金融機関ホストサーバ20も説明を簡略するために1個で図示しているが、複数の支店システムと、これを管理する複数のホストサーバからなるシステムで構成することができる。
【0012】
利用者端末100は、端末本体101と、表示装置102と、キーボード103と、マウス104と、スピーカ105とを含んで構成される極一般的なパーソナルコンピュータで利用することができる。ここで、端末本体101は、ネットワーク10に接続可能な通信装置106と、各種の情報やプログラムを格納することができる記憶装置107と、この利用者端末100を統括的に制御する制御装置108を含んで構成される。もちろん、図1では、ディスクトップ型のパーソナルコンピュータで図示しているが、後で説明するディスクトップ150を表示画面上に表示可能な表示装置を備えたノート型のパーソナルコンピュータやモバイル端末でもこの金融情報提供システムに参加することができる。
【0013】
前記金融機関ホストサーバ20の各機器(コンピュータ)は、HUBサーバ21を介して他の図示しない営業店舗の機器(コンピュータ)や専門センタの機器(コンピュータ)と通信装置29を介して接続することで、金融機関内の全ての情報を統括管理している。このHUBサーバ21は、ゲートウエイサーバを兼用するものであり、チャネル系APサーバ群を統括する統合チャネルサーバ22と、勘定系ホストサーバ23と、このウィジェットシステムを管理するウィジェット管理サーバ24と、全ての顧客情報を統括的に管理する顧客情報管理サーバ25などが接続される。
【0014】
また、統合チャネルサーバ22は、前記ネットワーク10を介して図示しない営業店舗の機器(コンピュータ)と接続されて、営業店舗の機器(コンピュータ)に各種の情報を提供する支援システムである。この統合チャネルサーバ22の統括下には、顧客の利用状況を管理する顧客管理サーバ30と、口座の残高状況を管理する残高管理サーバ26と、顧客の利用履歴を管理する履歴管理サーバ27と、顧客の取引状況を管理する取引管理サーバ28とを含んで構成される。この他、この統合チャネルサーバ22は、図示しない、IBコンテンツ情報を備えたIBサーバと、営業店のコンテンツ情報を備えた営業店APサーバと、来店顧客情報を備えた来店管理サーバと、商品のコンテンツ情報を備えた商品情報サーバと、行員情報を備えた行員管理サーバとを備えている。
【0015】
この金融機関ホストサーバ20が主体となって運営するウィジェットシステムは、ウィジェット管理サーバ24が主体となって提供するものであり、このウィジェットシステムで提供する各種サービスは、ウィジェット管理サーバ24が金融機関ホストサーバ20を構成する各種サーバから情報を収集して、これをウィジェットシステムを介して各利用者端末100に提供する。この他、この金融機関システムには前記ネットワーク10を介して他の金融システムや各種のサービスサイトの機器(コンピュータ)に接続することができる。
【0016】
また、情報提供会社70は、ネットワーク10上に開設されるサービスサイトを介して各種の情報を提供するものであり、ネットワーク10と接続するための通信装置71と、各種の情報を格納する記憶装置72と、この情報提供会社70を構成するハード資源を統括的に管理する情報提供サーバ73とを含んで構成される。この情報提供会社70は、ウィジェットシステムで提供される情報の提供先として定義される。
【0017】
そして、このウィジェットシステムの大きな特徴の1つは、このシステムで提供する各種サービスを、特定のサービス毎にサービスメニューとして準備し、これをウィジェット形式で利用者端末100に提供する点にある。ここで定義するウィジェットとは、利用者端末100のディスクトップ150上で特定の機能を実行するための簡易的なアプリケーションである。このウィジェットは、ネットワーク10を介して情報提供会社70などが提供する情報を閲覧する閲覧ウィジェット110aと、ネットワーク10を介してウィジェット管理サーバ24などと接続して各種の取引を可能とする取引ウィジェット110bとに大別することができる。
【0018】
これらウィジェットは、ディスクトップ150上で、情報表示部111を備えたウィジェットアイコン110として表示することができる。そして、閲覧ウィジェット110aは、定期的にあるいは必要に応じて情報提供会社70などから入手した情報を情報表示部111に表示することができる。また、取引ウィジェット110bは、ディスクトップ150上に存在する他の取引ウィジェット110bとの間で情報や証券あるいは金銭などの取引をドラッグなどの手続きで行うことができる。
【0019】
このように、このウィジェットシステムによれば、表示画面を切り替える操作を行うことなく、ウィジェットアイコン110を介して、ディスクトップ150上に必要な情報を随時表示することができるとともに、簡単なドラッグ操作で他のウィジェットアイコン110との間で取引を実行することができる。
【0020】
また、このウィジェットシステムの大きな特徴の他の1つは、ウィジェット管理サーバ24から任意に選択したウィジェットを、利用者端末100のディスクトップ150上に設けたウィジェットメニュー領域120にメニューアイコン130として表示する点にある。このウィジェットメニュー領域120に表示されるメニューアイコン130は、このメニューアイコン130をディスクトップ150上にドラッグすることでウィジェットアイコン110が生成され、この生成に基づいて、ウィジェットアイコン110が動作状態となる。また、このウィジェットアイコン110をディスクトップ150上から削除することで、ウィジェットアイコン110の動作を停止状態とすることができる。
【0021】
このように、このウィジェットシステムによれば、利用者が、その好みに応じたサービスをウィジェットメニュー領域120に作成することができる。したがって、サービスを受けるたびごとにウィジェット管理サーバ24にアクセスする必要なく、一括してウィジェットをダウンロードすることができる。しかも、このウィジェットメニュー領域120に表示されるウィジェットはその事自体では起動しない。即ち、休眠状態とすることができる。そして、休眠状態のウィジェットは、このウィジェットメニュー領域120のメニューアイコン130をディスクトップ150上にドラッグするという簡単な操作で、動作状態とすることができる。また、ディスクトップ150上からウィジェットアイコン110を削除することで、また休眠状態として、ディスクトップ150を広く利用することができる。
【0022】
また、このウィジェットシステムの大きな特徴の1つは、ディスクトップ150上に生成したウィジェットアイコン110は、利用者端末100の電源OFF時に記憶されるため、再度の電源ON時に同じディスクトップ150の環境で作業をすることができる。
【0023】
以下、図2から図13を参照して、このウィジェットシステムを更に詳細に説明する。ここで、図2は金融機関ホストサーバの顧客のチャネル管理構成図である。図3は、ウィジェットのデータ構成図である。図4はウィジェットのダウンロードフロー図である。図5と図6はウィジェットのダウンロード時の画面遷移図である。図7はウィジェットアイコン110の生成時の動作フロー図である。図8は利用者端末の起動時の動作フロー図である。図9はディスクトップの画面図である。図10は閲覧ウィジェットの動作フロー図である。図11は取引ウィジェットの動作フロー図である。図12は取引ウィジェットの画面図である。図13は他の実施の形態に係るウィジェットアイコン110の生成時の動作フロー図である。
【0024】
先ず、図2を参照して、金融機関ホストサーバ20のサービス提供について説明する。図2において、この実施の形態に係る金融機関ホストサーバ20は、ウィジェット管理サーバ24を介して、さまざまなチャネル(ハード資源)に対して、利用者の好みに即してカスタマイズする即応性のあるサービスを提供している。図2には、そのサービスを体系的に示している。ウィジェット管理サーバ24は、PC端末として位置づけられる以下の利用者端末100に対する各種のサービスをモバイル端末や金融機関などに設置されるATM(現金自動預入支払機)などに提供することができる。即ち、利用者は同じサービスをチャネルが変わっても受けることができる。
【0025】
利用者が受けるサービスは、ウィジェット管理サーバ24に図2に示すように登録管理されるので、同じサービスを他のチャネルでも受けることができる。もちろん、利用者とウィジェット管理サーバ24との接点となるチャネルの表示画面は、そのチャネルによって大きさも操作方法も異なるので、同一にすることはできない。したがって、ウィジェット管理サーバ24は、1つのサービスに対してチャネルごとに異なるウィジェットを用意している。以下の説明では、ディスクトップ150を表示可能なPC端末(利用者端末100)を事例で説明するが、他のチャネルでも利用者の好みに即してカスタマイズする即応性のある同種のサービスの提供を受けることができる。ここでは詳細な説明を省略する。
【0026】
次に、図3を参照して、ウィジェットのデータ構成を説明する。図3において、この実施の形態では、ウィジェット管理サーバ24は、さまざまなサービスごとに設定されるウィジェットデータ171と、このウィジェットデータ171を統括的に管理する統括管理プログラム170とを用意している。このウィジェットデータ171は、このウィジェットデータ171ごとに設定されるウィジェットアイコン110の画像データ172と動作プログラム173とを含んで構成される。
【0027】
一方、統括管理プログラム170は、ディスクトップ150のウィジェットメニュー領域120を生成するメニュー画像データ174と、ウィジェットごとに設定されてメニュー画像データ174内に表示されるメニューアイコン130の画像データ175と、利用者端末100におけるウィジェットを統括的に制御する動作プログラム176と、利用者の個人認証データ177と、ウィジェットごとに設定される通信先データ178とを含んで構成される。ここで、通信先データ178は1箇所に限定されるものではなく複数の通信相手が設定することができる。
【0028】
さて、このウィジェットシステムでは、利用者がウィジェット管理サーバ24にアクセスして任意のウィジェットを選択すると、その選択したウィジェットに対応するウィジェットデータ171と、この1または複数のウィジェットデータ171を管理する統括管理プログラム170を利用者端末100にダウンロードすることができる。
【0029】
次に、前記ダウンロードの操作フローを図4の動作フロー図を基に図5と図6の画面図を参照して説明する。なお、この説明では、ウィジェット管理サーバ24の動作を金融機関ホストサーバ20の動作として説明する。
【0030】
図4において、利用者端末100からネットワーク10を介して金融機関ホストサーバ20にアクセス要求を行うと(ステップ201)、金融機関ホストサーバ20は暗証番号や会員番号などの入力要求を求める画面データを送信して個人認証要求を個人端末100に行う(ステップ221)。これに対して、利用者端末100から暗証番号などの入力が成されると(ステップ203)、金融機関ホストサーバ20は認証がOKか否か顧客管理サーバ30に照会して認証を行う(ステップ223)。
【0031】
この実施の形態に係る金融情報提供システムでは、この金融機関に口座を有する顧客が利用者として参加することができる。即ち、ステップ223における認証は、この口座開設に伴う認証行為と同様な手続きで行われる。認証がOKの場合、金融機関ホストサーバ20はサービスメニューの画面データを利用者端末100に送信し(ステップ325)、利用者端末100からウィジェットサービスの要求があれば(ステップ205)、図5に示すウィジェットメニューの画面データを利用者端末に送信する(ステップ327)。
【0032】
図5において、利用者端末100では、表示装置102に表示されるウィジェットメニュー500を介して、希望するウィジェットを選択することができる。ウィジェットメニュー500は、ウィジェットを識別するためのメニューアイコン130とサービスの概要501と詳細要求ボタン502と希望の有無選択欄503が一覧表示になっている。利用者は、サービスの概要501により、あるいは詳細要求ボタンの操作に基づいて表示される図示しないサブウインドウの説明を参考に回答欄503に希望するウィジェットをマークする。ウィジェットメニュー500には、次へボタン504で次のステップに進んだり、戻りボタン505で1ステップ戻ったり、確定ボタン506で要求するウィジェットを確定することができる。
【0033】
図6は、確定ボタン506が操作された状態を示している。この実施の形態では、ウィジェットメニュー500での操作に対応して金融機関ホストサーバ20から対応する画面データを利用者端末100に送信する。確定ボタン506が操作されると金融機関ホストサーバ20は図6の確認画面510を送信する。この確認画面510には、上段に利用者が選択したウィジェットのメニューアイコン130が提示され、かつ、暗証番号の入力欄511が設けてあり、この入力欄511の入力を行って送信ボタン512を操作することで、ウィジェットの選択操作を完了することができる(ステップ207)。なお、このウィジェットの選択操作については、詳細説明は省略する。
【0034】
金融機関ホストサーバ20は、ウィジェットの選択を受け付けると、図2に示すウィジェット管理データをウィジェット管理サーバ24内またはこのウィジェット管理サーバ24の管理下にある図示しない記憶装置に生成する(ステップ329)。このウィジェット管理データでは、各チャネルのサービス領域内に提供すべきデータを構築する。例えば、取引ウィジェット110bの1つである「お財布サービス」であれば、利用者の口座とリンクして残高などを生成する。あるいは、閲覧ウィジェット110aであれば、閲覧できるデータを他のサーバから収集して構築したり、あるいは、提供する情報提供会社のアドレスを相手先として設定する。これらのウィジェット管理データは、利用者端末100に提供される図3に示す統括管理プログラム170に反映される。
【0035】
金融機関ホストサーバ20はステップ329で生成したウィジェットのデータを利用者端末に100に送信する(ステップ331)。そして、その履歴を履歴管理サーバ26に格納する(ステップ333)。
【0036】
前記ウィジェットのデータを送信された利用者端末の制御装置108は、この送られてきたウィジェットのデータをインストールする。即ち、制御装置108ははウィジェットのデータをプログラム領域に書き込むとともに、統括管理プログラム170の動作プログラムデータ176を起動させる起動アイコンをスタートアップメニューに生成し、メニューアイコン画像データ175に基づいてディスクトップ150上にウィジェットメニュー領域120を生成する(ステップ209)。
【0037】
次に、図7を参照して、ウィジェットの起動を説明する。図7において、ウィジェットシステムがインストールされた利用者端末100の制御装置108は、ウィジェットメニュー領域120のメニューアイコン130がディスクトップ150上にドラッグされたか否かを監視している(ステップ241)。メニューアイコン130がディスクトップ150上にドラッグされると、ドラッグされたメニューアイコン130のウィジェットにフラグを立てて記憶し(ステップ243)、このドラッグされたメニューアイコン130に対応するウィジェットアイコン110の画像データ172を呼び出してディスクトップ150上のドラッグされた位置にウィジェットアイコン110を生成して起動させる(ステップ245)。ここで、起動したウィジェットアイコン110は、その動作プログラムデータ173に基づいて動作を実行する。
【0038】
一方、制御装置108は、ウィジェットアイコン110が削除されるか否かを監視している(ステップ347)。この実施の形態では、ウィジェットアイコン110の右上に削除ボタン112を設けてあり、この削除ボタン112を介して削除操作されると、制御装置108は、ウィジェットアイコン110をディスクトップ150上から削除して起動を停止し(ステップ353)、更に、この削除されたウィジェットアイコン110のフラグを削除する(ステップ355)。また、削除ボタン112が操作されずに利用者端末100が終了処理されると(ステップ349)、制御装置108は、ディスクトップ150の画像を格納して(ステップ351)処理を終了する。
【0039】
次に、図8を参照して、利用者端末100の起動処理に基づくウィジェットシステムの起動を説明する。図8において、利用者端末100が電源ONされると、制御装置108はウインドウシステムのOSを立ち上げ(ステップ361)、ユーザ認証を行う(ステップ363)。ここで、ユーザ認証はパーソナルコンピュータとして利用者が設定するものであるので、利用者が設定しなければ、このユーザ認証はなくてもよい。このユーザ認証が完了すると、図示しない利用者番号や暗証番号を入力する画面を出力してウィジェットシステムの認証を行う(ステップ365)。この認証が終了すると制御装置108は、図9に示すような、ウィジェットメニュー領域120が表示されるディスクトップ150を生成して表示する(ステップ367)。次に、制御装置108はスタートアップに格納される起動アイコンに基づいてウィジェットの動作プログラムデータ176を呼び込んでウィジェットシステムを立ち上げる(ステップ369)。そして、制御装置108はフラグが付いたメニューアイコン130を判定し、フラグがあるメニューアイコン130があれば、当該メニューアイコン130に関するウィジェットアイコン110を動作状態とする(ステップ371)。
【0040】
次に、図9を参照して、ウィジェットシステムが導入された利用者端末100のディスクトップ150を説明する。図9において、この実施の形態では、ウィジェットメニュー領域120を縦長帯状に設定してディスクトップ150の片側に配置したレイアウトとしている。ウィジェットメニュー領域120は、その辺や角部をドラッグすることで、その大きさを変形することができる。ウィジェットメニュー領域120には名称とアイコンが対と成ったメニューアイコン130が配置される。このウィジェットメニュー領域120によれば、利用者は、自分がダウンロードしているウィジェットを視覚的に認識することができる。
【0041】
メニューアイコン130は、ウィジェットメニュー領域120からディスクトップ150上にドラッグすることで、ウィジェットアイコン110を表示させて起動させることができるし、また削除ボタン112を介してウィジェットアイコン110を消去して、ディスクトップ150を広く使うことができる。このように、この実施の形態では、ディスクトップ150を情報の掲示板として活用することができるとともに、それら情報が必要でないときは、消去してディスクトップを広く使うことができる。
【0042】
さて、ここで、この実施の形態で採用しているウィジェットのいくつかを説明する。先ず、前記したように、この実施の形態ではウィジェットアイコン110を、閲覧ウィジェット110aと、取引ウィジェット110bに大別することができる。
【0043】
閲覧ウィジェット110aとして、通帳ウィジェット110aaと投資信託ウィジェット110abとマーケット情報110acと残高メーター110adとコミュニティウィジェット110aeとバンクチャンネル110afなどがある。通帳ウィジェット110aaは、残高や取引明細を表示するものであり、登録すれば家族の通帳や貯金箱ウィジェットの残高も見ることができる。投資信託ウィジェット110abは、購入している投資信託の基準価格等の情報を表示するものであり、また、関係するニュースをWebから収集して表示することができる。マーケット情報110acは国内・国外のマーケット情報をリアルタイムで表示するものである。残高メーター110adは、貯蓄の目標値を設定し、それに対して口座残高のプラスマイナスを針で示すことができる。コミュニティウィジェット110aeは、銀行HPのコミュニティポータルページから、興味のあるコミュニティに参加することができるものであり、コミュニティのチャット(またはTwitterのようなもの)での発言を表示したり、ウィジェットにひとこと入力して発言もできる。バンクチャンネル110afは、登録したキーワード、金融機関やその他の金融情報提供会社から配信された動画を表示するものであり、購入している株、投資信託の種類等のキーワードから、関係する動画を自動的に絞り込むことができる。
【0044】
一方、取引ウィジェット110bは、お財布110baと貯金箱ト110bbと公共料金支払い110bcなどがる。また、閲覧と取引が両方できるものとしてはカブブロック取引110bdがる。お財布110baは、お札アイコンのドラッグアンドドロップで実際にお金を取引することができ、残高は通帳ウィジェットと連動させることができる。貯金箱110bbは、貯金額の目標・貯金の目的を設定し、へそくり的にお金をコツコツ貯めることができるものであり、お財布ウィジェットからお金をドラッグアンドドロップしてお金の入金を行うことができるし、目標達成前に貯金を崩すのは困難な仕掛けをし、強制的に貯めさせることができる。公共料金支払い110bcは、月々の公共料金支払日が近づくとアイコンが光って教えてくれるものであり、お財布ウィジェットからお金をドラッグアンドドロップして入金することができる。カブブロック取引110bdは、保持している株を登録し、リアルタイムに値動きを閲覧できるものであり、マイナスの値動きが赤、プラスの値動きが青、大きく変動のあったものが大きく表示され、お財布ウィジェットからお金をドラッグアンドドロップして投資額を増やすこともできる。
【0045】
次に図10を参照して、閲覧ウィジェット110aの基本的な動作フローを説明する。制御装置108はウィジェットアイコン110の動作プログラム173にしたがってウィジェットアイコン110の所定の動画動作を実行させる(ステップ381)。そして、所定の時間が経過したかを判定し、所定の時間が経過したら(ステップ383)、情報収集の要求を統括管理プログラムに要求する(ステップ385)。動作プログラム176のプログラムにしたがって、制御装置108は認証が必要な情報収集要求か否かを判定し(ステップ389)、認証が必要でなければ情報要求を情報提供会社70に送信する(ステップ395)。この実施の形態では、ウィジェットデータ171ごとに判定条件を備えており、この判定条件にしたがって前記ステップ389が判定される。
【0046】
一方、認証が必要であると判定された場合には、図示しない認証要求ウインドウをウィジェットデータ171に近接して表示し(ステップ391)、認証がOKの場合(ステップ393)、情報要求を情報提供会社70に行う(ステップ393)。情報提供会社70が提供する情報を取得すると(ステップ398)、制御装置108は、履歴情報を生成して格納し(ステップ397)、その入手した情報をウィジェットデータ171に提供する。このウィジェットデータ171は提供された情報に基づいて情報表示部111に表示される内容を更新する(ステップ387)。
【0047】
次に、図11と図12を参照して取引ウィジェット110bの動作フローを説明する。ここで、具体的な事例として、図12に示すように、貯金箱ウィジェット110bbにお財布ウィジェット110baからドラッグ操作で入金する場合について説明する。
【0048】
図11において、この実施の形態では、ドラッグされた取引ウィジェット110bが主体となって取引動作を実行する。即ち、貯金箱ウィジェット110bbの動作プログラムで動作する制御装置108は、取引ウィジェット110b(貯金箱ウィジェット110bb)の動作プログラムにしたがってドラッグに基づいて情報がもたらされたか否かを判定している(ステップ401)。ドラッグ情報がある場合、予め動作プログラム173に格納されている判定条件にしたがって受け入れ可能な情報か否かを判定する。
【0049】
例えば、貯金箱ウィジェット110bbの場合は、金額の情報は受け入れるが、金額以外の情報がドラッグされると情報の受け入れを拒否する(ステップ416)。一方、受け入れ可能な情報であれば、相手方の取引ウィジェット110b(お財布110ba)との連携要求を統括管理プログラム170に要求する(ステップ405)。統括管理プログラム170は、相手ウィジェットであるお財布ウィジェット110baに仮表示変更を指示し(ステップ421)、連携表示の仮許可通知を貯金箱ウィジェット110bbに出すとともに(ステップ423)、貯金箱ウィジェット110bbの近傍のディスクトップ上150上に認証要求ウインドウ113を表示させる(ステップ435)。
【0050】
一方、連携表示仮許可通知を受けた取引ウィジェット110bは、ドラッグに基づいた表示を仮に変更する(ステップ407)。そして、所定時間経過したかを監視し(ステップ409)、所定時間経過した場合は警告表示を行い(ステップ411)、更に所定時間経過したかを監視し(ステップ413)、所定時間経過したら、ドラッグによる仮表示の停止信号を統括管理プログラム170に送信する(ステップ415)。即ち、この実施の形態では、所定時間以内にドラッグ操作を行えば、その操作は仮表示として受手と相手の取引ウィジェット110bの表示内容を変更することができる。しかし、その表示内容も所定時間以内に認証手続きをしないとキャンセルされることとなる。即ち、統括管理プログラム170は仮表示の停止信号を受け付けると相手の取引ウィジェット110bに仮表示停止指示を出すとともに(ステップ433)、連携表示の仮表示停止指示を受手の取引ウィジェット110bに出して(ステップ435)、履歴情報を生成するステップ437)。一方、受手の取引ウィジェット110bもドラッグによる仮表示を停止して、元のドラッグ前の状態に復活させる(ステップ417)。
【0051】
さて、統括管理プログラム170は、ステップ435において、認証要求ウインドウ113に暗証番号が入力されたか否かを監視し(ステップ427)、暗証番号が入力された場合は認証の判定を行う(ステップ429)。そして、認証がOKと判定された場合、ドラッグされたデータの更新要求を金融機関ホストサーバ20に送信する(ステップ431)。金融機関ホストサーバ20は前記送信に基づいてデータを更新し(ステップ439)、当該更新した内容を各ウィジェットに通知するので(ステップ440)、この新たな更新内容に基づいて、受手と相手の取引ウィジェット110bの表示内容が書き換えられることと成る。
【0052】
次に、図13を参照して他の実施の形態に係るウィジェットアイコン110の生成時の動作フロー図を説明する。この実施の形態では、制御装置108は、ウィジェットメニュー領域120からメニューアイコン130がドラッグされたか否かを監視し(ステップ451)、メニューアイコン130がドラッグされた場合は、このメニューアイコン130に対応するウィジェットアイコン110の起動アイコンを利用者端末100のスタートアップに生成する(ステップ453)。そして、ウィジェットアイコン110をディスクトップ150上に生成し、起動させる(ステップ455)。
【0053】
一方、ウィジェットアイコン110が削除指示が成されると(ステップ457)、ウィジェットアイコン110をディスクトップ150上から消去して起動を停止し(ステップ463)、スタートアップから起動アイコン465を削除する(ステップ465)。
【0054】
ウィジェットアイコン110の削除指示がない場合は、利用者端末の処理が成されると(ステップ459)、ディスクトップを記憶装置に格納して(ステップ461)、利用者端末100を起動停止する。
【0055】
この実施の形態によれば、ウィジェットアイコン110は、その起動アイコンがスタートアップに格納された状態で利用者端末100が処理を停止するので、再び、利用者端末100を起動させると、通常のスタットアップに格納された動作プログラムと同様に起動時のディスクトップ150上に起動した状態で表示することができる。
【0056】
以上述べたように、この実施の形態に係るウィジェットシステムによれば、ネットワークを介して他の情報提供サイトから情報を取得することが可能であって、ディスクトップ上に表示されるメニュー領域にメニューアイコンとして表示される状態では、その動作を停止状態とし、前記メニューアイコンを前記メニュー領域からディスクトップ上にドラッグされた状態では前記ネットワークを介して取得した情報を表示するウィジェットとして動作するようにする。この場合、前記ウィジェットは、前記メニューアイコンごとに設定される個別動作プログラムと、この個別動作プログラムを統括的に制御する統括管理プログラムとから構成される。そして、前記個別動作プログラムは、メニュー画像データと、前記メニュー領域の画像データと、動作プログラムデータと、利用者の個人情報を含む認証データと、情報を取得する相手アドレス情報を含んで構成され、前記個別動作プログラムは、ディスクトップ上で表示されるウィジェットアイコンの画像データと、前記ウィジェットアイコンの動作プログラムとを含んで構成される。更に、前記ウィジェットは、該ウィジェットがディスクトップ上に表示される他のウィジェットからの情報をドラッグ操作で受け付け、予め設定される条件に合致する情報であれば、他のウィジェットと自分のウィジェットの情報の表示内容を変更することができる。
【0057】
したがって、この実施の形態によれば、必要なウィジェットを任意のメニューとしてディスクトップ上に表示し、このメニューからドラッグの操作でディスクトップ上に表示したり削除したりすることができるので、利用者の好みに即してカスタマイズする即応性のあるサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】金融情報提供システムのシステム構成図である。
【図2】金融機関ホストサーバの顧客のチャネル管理構成図である。
【図3】ウィジェットのデータ構成図である。
【図4】ウィジェットのダウンロードフロー図である。
【図5】ウィジェットのダウンロード時の画面遷移図である。
【図6】ウィジェットのダウンロード時の画面遷移図である。
【図7】ウィジェットアイコン110の生成時の動作フロー図である。
【図8】利用者端末の起動時の動作フロー図である。
【図9】ディスクトップの画面図である。
【図10】閲覧ウィジェットの動作フロー図である。
【図11】取引ウィジェットの動作フロー図である。
【図12】取引ウィジェットの画面図である。
【図13】他の実施の形態に係るウィジェットアイコン110の生成時の動作フロー図である。
【符号の説明】
【0059】
10…ネットワーク、20…金融機関ホストサーバ、21…HUBサーバ、22…統合チャネルサーバ、23…勘定系ホストサーバ、24…ウィジェット管理サーバ、25…顧客情報管理サーバ、26…残高管理サーバ、27…履歴管理サーバ、28…取引管理サーバ、29…通信装置、30…顧客管理サーバ、70…情報提供会社、71…通信装置、72…記憶装置、73…情報提供サーバ、100…利用者端末、101…端末本体、102…表示装置、103…キーボード、104…マウス、105…スピーカ、106…通信装置、107…記憶装置、108…制御装置、110…ウィジェットアイコン、110a…閲覧ウィジェット、110aa…通帳ウィジェット、110ab…投資信託ウィジェット、110ac…マーケット情報、110ad…残高メーター、110ae…コミュニティウィジェット、110af…バンクチャンネル、110b…取引ウィジェット、110ba…お財布、110bb…貯金箱、110bc…公共料金支払い、110bd…カブブロック取引、111…情報表示部、112…削除ボタン、113…認証要求ウインドウ、120…ウィジェットメニュー領域、130…メニューアイコン、150…ディスクトップ、170…統括管理プログラム、171…ウィジェットデータ、172…ウィジェットアイコンの画像データ、173…動作プログラム、174…メニュー画像データ、175…メニューアイコンの画像データ、176…動作プログラム、177…個人認証データ、178…通信先データ、500…ウィジェットメニュー、501…サービス概要、502…詳細要求ボタン、503…回答欄503、504…次へボタン、505…戻りボタン、506…確定ボタン、510…確認画面、511…入力欄、512…送信ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他の情報提供サイトから情報を取得することが可能なデータ処理装置の情報提供方法において、
ディスクトップ上に表示されるメニュー領域にメニューアイコンとして表示される状態では、その動作を停止状態とし、
前記メニューアイコンを前記メニュー領域からディスクトップ上にドラッグされた状態では前記ネットワークを介して取得した情報を表示するウィジェットとして動作する
ことを特徴とするデータ処理装置の情報提供方法。
【請求項2】
前記請求項1記載のデータ処理装置の情報提供方法において、
前記ウィジェットは、前記メニューアイコンごとに設定される個別動作プログラムと、この個別動作プログラムを統括的に制御する統括管理プログラムとから構成される
ことを特徴とするデータ処理装置の情報提供方法。
【請求項3】
前記請求項2記載のデータ処理装置の情報提供方法において、
前記個別動作プログラムは、メニュー画像データと、前記メニュー領域の画像データと、動作プログラムデータと、利用者の個人情報を含む認証データと、情報を取得する相手アドレス情報を含んで構成され、
前記個別動作プログラムは、ディスクトップ上で表示されるウィジェットアイコンの画像データと、前記ウィジェットアイコンの動作プログラムとを含んで構成される
ことを特徴とするデータ処理装置の情報提供方法。
【請求項4】
前記請求項1から3記載のデータ処理装置の情報提供方法において、
前記ウィジェットは、該ウィジェットがディスクトップ上に表示される他のウィジェットからの情報をドラッグ操作で受け付け、予め設定される条件に合致する情報であれば、他のウィジェットと自分のウィジェットの情報の表示内容を変更する
ことを特徴とするデータ処理装置の情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−98825(P2009−98825A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268507(P2007−268507)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】