説明

データ収集装置、データ管理システム、データ収集方法及びプログラム

【課題】短時間でデータの推移を把握することができるデータ収集装置等を提供する。
【解決手段】データ収集部10は、外部機器からデータを収集する。データ送信バッファ11は、データ収集部10によって収集された一連の時系列データを記憶する。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶された時系列データをスキャンして、所定の抽出条件に従って、データ送信バッファ11に記憶された時系列データの中から時系列データの一部を抽出する処理を繰り返す。データ送信部13は、時系列データのスキャンが完了して、時系列データの一部が抽出される度に、抽出された時系列データの一部を、データ管理装置2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データを収集するデータ収集装置、データを管理するデータ管理システム、データを収集するデータ収集方法及びデータ管理装置によって管理されるデータを収集するコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システム等の外部機器から発電量等のデータを収集して管理するデータ管理システムの中には、データを収集して蓄積するデータ収集装置と、データ収集装置で蓄積されたデータを管理するデータ管理装置とを備えるものがある。データ収集装置とデータ管理装置とは通信可能となっており、データ管理装置から一定の時間間隔で送信される送信要求に応じてデータ収集装置が蓄積したデータをデータ管理装置に送信する。
【0003】
このようなシステムでは、データ管理装置から一定の時間間隔で送信される送信要求に応じて、データ収集装置が蓄積したデータをデータ管理装置に送信するのが一般的である。しかしながら、データ収集装置によって蓄積されるデータ量は常に一定であるわけではない。蓄積されるデータ量が増大して送信されるデータ量より多くなると、データ収集装置において蓄積されるデータ量が許容値を超えて、送信前にデータが消失するおそれがあるうえ、通信回線の使用効率を向上させるのも容易ではなくなる。
【0004】
そこで、データ収集装置のデータ蓄積量に基づいて、送信要求の送信時間間隔/連続送信回数を調整可能なデータ収集方式が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−191472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方式を用いても、測定された順番(時系列順)にデータを送信するので、データ量が膨大である場合には、データの推移を把握するのに時間を要する場合がある。
【0007】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、短時間で膨大なデータの推移を把握することができるデータ収集装置、データ管理システム、データ収集方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明に係るデータ収集装置は、データ管理装置によって管理されるデータを収集するデータ収集装置である。このデータ収集装置において、データ収集部は、外部機器からデータを収集する。記憶部は、データ収集部によって収集されたデータを時刻情報とともに時系列データとして記憶する。抽出部は、記憶部に記憶された時系列データをスキャンして、時系列順とは異なる所定の抽出条件に従って、記憶部に記憶された時系列データの中から時系列データの一部を抽出する処理を繰り返す。送信部は、時系列データのスキャンが完了して、時系列データの一部が抽出される度に、抽出された時系列データの一部を、データ管理装置に送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一連の時系列データの中から、時系列順とは異なる所定の抽出条件に従ってデータを抽出して、抽出されたデータだけをデータ管理装置に送信する。これにより、データ管理装置では、抽出されたデータをいち早く管理することができる。この結果、データが膨大であっても、データ管理装置によって管理されるデータに基づいて、データの推移をより短時間で把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデータ管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】収集されたデータの一例を示すテーブルである。
【図3】送信データ選定部が有する抽出条件テーブルの一例である。
【図4】送信データ選定部の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1のデータ管理システムにおいて、初回のスキャンで抽出されるデータの一例を示す図である。
【図6】図1のデータ管理システムにおいて、初回のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図7】図1のデータ管理システムにおいて、2回目のスキャンで抽出されるデータの一例を示す図である。
【図8】図1のデータ管理システムにおいて、2回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図9】図1のデータ管理システムにおいて、3回目のスキャンで抽出されるデータの一例を示す図である。
【図10】図1のデータ管理システムにおいて、3回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るデータ管理システムにおいて、収集されたデータの一例を示すテーブルである。
【図12】この実施の形態2に係るデータ管理システムにおいて、初回のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図13】この実施の形態2に係るデータ管理システムにおいて、2回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図14】この実施の形態2に係るデータ管理システムにおいて、3回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図15】本発明の実施の形態3に係るデータ管理システムにおいて、初回のスキャンで抽出されるデータの一例を示す図である。
【図16】この実施の形態3に係るデータ管理システムにおいて、初回のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図17】この実施の形態3に係るデータ管理システムにおいて、2回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図18】この実施の形態3に係るデータ管理システムにおいて、3回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図19】本発明の実施の形態4に係るデータ管理システムにおいて、初回のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図20】この実施の形態4に係るデータ管理システムにおいて、2回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【図21】この実施の形態4に係るデータ管理システムにおいて、3回目のスキャン後にデータ管理装置で表示されるグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1について説明する。
【0013】
この実施形態に係るデータ管理システム100は、外部機器から収集したデータを管理するシステムである。まず、図1を参照して、本実施形態に係るデータ管理システム100の構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、データ管理システム100は、データ収集装置1とデータ管理装置2とを備える。データ収集装置1とデータ管理装置2とは、通信ネットワーク3で互いに接続されている。
【0015】
データ収集装置1は、データを収集して蓄積し、蓄積したデータをデータ管理装置2に送信するデータロガーである。データ収集装置1は、コンピュータであり、内部に設けられたCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、データロガーとしての機能が発揮される。
【0016】
データ管理装置2は、データ収集装置1から送信されたデータを管理するセンタサーバである。データ管理装置2は、コンピュータであり、内部に設けられたCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、センタサーバとしての機能が発揮される。データ管理装置2は、表示画面を有している。この表示画面には、データ収集装置1から送信されたデータのグラフ表示が可能である。
【0017】
データ収集装置1の構成についてさらに詳細に説明する。データ収集装置1は、データ収集部10と、データ送信バッファ11と、送信データ選定部12と、データ送信部13と、を備える。
【0018】
データ収集部10は、通信インターフェイスを有し、その通信インターフェイスを介して収集対象の外部機器(不図示)と接続されている。データ収集部10は、不図示の外部機器等から特定のデータを、例えば一定の時間間隔(例えば0.5時間)で収集する。データ収集部10は、収集したデータに、そのデータが収集された時刻情報(タイムスタンプ)を付して、データ送信バッファ11に出力する。
【0019】
データ送信バッファ11は、所定の記憶容量を有するメモリ(記憶部)である。データ送信バッファ11は、データ収集部によって収集されたデータを記憶し、蓄積する。
【0020】
図2には、データ送信バッファ11に記憶されたデータの一例が示されている。このデータは、太陽光発電システムの太陽電池パネルの発電量の一日の推移である。図2に示すように、発電量のデータは1:00から収集が開始され、23:30に収集が終了している。発電量のデータは、データ収集部10によって30分置きに収集され、データ送信バッファ11に記憶される。
【0021】
送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータを時系列方向にスキャンしつつ、データを、そのサンプリング間隔よりも長い任意のサンプリング間隔で抽出する。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンが1回完了する度に、抽出したデータを、データ送信部13に送信する。
【0022】
送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンを、サンプリング間隔を短く変更しながら繰り返し、そのスキャン中、データ送信バッファ11に記憶されたデータの中からまだ選択されていないデータを抽出する。
【0023】
例えば、送信データ選定部12は、図2で示すように、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、5時間というサンプリング間隔で抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。続いて、送信データ選定部12は、図2で示すように、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、2.5時間というサンプリング間隔で抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。続いて、送信データ選定部12は、図2で示すように、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、0.5時間というサンプリング間隔で抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。
【0024】
上記処理を行うため、送信データ選定部12は、図3に示す抽出条件テーブル20を有している。図3に示すように、このテーブルでは、変数kの値とT[k]の値が対応付けて登録されている。例えば、k=1におけるT[k]の値は10となっており、k=2におけるT[k]の値は5となっており、k=3におけるT[k]の値は1となっている。T[k]の値は1が0.5時間に相当する。したがって、T[k]=10は5時間に相当し、T[k]=5は、2.5時間に相当し、T[k]=1は、0.5時間に相当する。
【0025】
データ送信部13は、データ管理装置2との通信インターフェイスを有する。データ送信部12は、送信データ選定部12によって抽出されたデータを、データ管理装置2に送信する。
【0026】
次に、本実施形態に係るデータ管理システム100の動作について説明する。
【0027】
図4には、送信データ選定部12によって実行されるフローチャートが示されている。図4に示すように、送信データ選定部12は、最初のデータと最後のデータとを抽出する(ステップS1)。ここで、図2に示す発電量データであれば、1:00の発電量のデータと23:30のデータが抽出される。
【0028】
続いて、送信データ選定部12は、カウンタ値i、jを0に初期化する(ステップS2)。続いて、送信データ選定部12は、カウンタ値jを1インクリメントする(ステップS3)。続いて、送信データ選定部12は、テーブル20(図3参照)からT[j](すなわちT[1]=10)を読み込む(ステップS4)。
【0029】
続いて、送信データ選定部12は、カウンタi(ここではi=0)をT[j]だけインクリメントする(ステップS5)。これにより、カウンタ値iは、10となる。
【0030】
続いて、送信データ選定部12は、カウンタ値iに相当する時刻のデータが未抽出であるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、カウンタ値iに相当する時刻のデータは、基準となる0:00から5時間後(0.5時間×10)のデータである5:00の発電量のデータとなる。
【0031】
未抽出である場合(ステップS6;Yes)、送信データ選定部12は、カウンタ値iに相当する時刻のデータ(図2では、5:00の発電量のデータ)を抽出する(ステップS7)。
【0032】
データが抽出された場合(ステップS7)又はデータがすでに抽出されていた場合(ステップS6;No)、送信データ選定部12は、カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えているか否かを判定する(ステップS8)。カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えていなければ(ステップS9;No)、送信データ選定部12は、カウンタ値iを再びT[j]だけインクリメントする(ステップS5)。これにより、カウンタ値iは、20となる。
【0033】
続いて、送信データ選定部12は、カウンタ値iに相当する時刻のデータが未抽出であるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、カウンタ値iに相当する時刻のデータは、0:00から10時間後(0.5時間×20)のデータである10:00の発電量のデータとなる。未抽出である場合(ステップS6;Yes)、送信データ選定部12は、カウンタ値iに相当する時刻のデータ(図2では、10:00の発電量のデータ)を抽出する(ステップS7)。
【0034】
データが抽出された場合(ステップS7)又はデータがすでに抽出されていた場合(ステップS6;No)、送信データ選定部12は、カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えているか否かを判定する(ステップS8)。
【0035】
以降、カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えるまで(ステップS8;Yes)、送信データ選定部12は、ステップS5→S6→S7→S8を繰り返す。この繰り返しにより、例えば、図2の15:00の発電量のデータ、20:00の発電量のデータが抽出される。
【0036】
カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えると(ステップS8;Yes)、送信データ選定部12は、抽出されたデータを、データ管理装置2に出力する(ステップS9)。ここで、初回のスキャンで抽出されるデータは、図5の太枠に示すように、1:00、5:00、10:00、15:00、20:00の発電量のデータとなる。
【0037】
データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図6には、この初回のスキャン後に表示されるグラフの一例が示されている。
【0038】
図4に戻り、続いて、送信データ選定部12は、未抽出のデータが残っているか否かを判定する(ステップS10)。残っている場合(ステップS9;Yes)、送信データ選定部12は、カウンタ値jを1インクリメントする(ステップS3)。これにより、カウンタ値jは2となる。続いて、送信データ選定部12は、テーブル20(図3参照)からT[j](すなわちT[2]=5)を読み込む(ステップS4)。
【0039】
以降、カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えるまで(ステップS8;Yes)、送信データ選定部12は、ステップS5→S6→S7→S8を繰り返す。この繰り返しにより、例えば、図7に示すように、2回目のスキャンにおいて、2:30、7:30、12:30、17:30、22:30の発電量のデータが抽出される。
【0040】
カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えると(ステップS8;Yes)、送信データ選定部12は、抽出されたデータを、データ管理装置2に出力する(ステップS9)。
【0041】
データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図8には、2回目までのスキャン後に表示されるグラフの一例が示されている。このグラフ表示を見れば、発電量のデータの推移が大まかに把握することができる。
【0042】
図4に戻り、続いて、送信データ選定部12は、未抽出のデータが残っているか否かを判定する(ステップS10)。残っている場合(ステップS9;Yes)、送信データ選定部12は、カウンタ値jを1インクリメントする(ステップS3)。これにより、カウンタ値jは3となる。続いて、送信データ選定部12は、テーブル20(図3参照)からT[j](すなわちT[3]=1)を読み込む(ステップS4)。
【0043】
以降、カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えるまで(ステップS8;Yes)、送信データ選定部12は、ステップS5→S6→S7→S8を繰り返す。この繰り返しにより、例えば、図9に示すように、残りの発電量のデータが抽出される。
【0044】
カウンタ値iが、データ送信dmaxを超えると(ステップS8;Yes)、送信データ選定部12は、抽出されたデータを、データ管理装置2に出力する(ステップS9)。
【0045】
データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図10には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0046】
図4に戻り、続いて、送信データ選定部12は、未抽出のデータが残っているか否かを判定する(ステップS10)。ここでは、データが残っていないので(ステップS10;No)、送信データ選定部12は、処理を終了する。
【0047】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、一連の時系列データの中から、抽出条件として時系列データのサンプリング周期よりも長いアンプリング周期でデータを抽出して、抽出されたデータだけをデータ管理装置2に送信する。これにより、データ管理装置2では、粗いサンプリング周期でデータの推移の全体像をいち早くグラフ表示することができる。この結果、データが膨大であっても、データの推移をより短時間で把握することができる。
【0048】
実施の形態2.
まず、この発明の実施の形態2について説明する。
【0049】
この実施の形態に係るデータ管理システム100の構成は、上記実施の形態1に係るデータ管理システム100の構成と同一である。
【0050】
データ収集部10は、収集したデータに、そのデータが収集された時刻情報の代わりに、シリアル番号を付して、データ送信バッファ11に出力する点が上記実施の形態1と異なる。
【0051】
データ送信バッファ11は、所定の記憶容量を有するメモリ(記憶部)である。データ送信バッファ11は、データ収集部によって収集されたデータを記憶し、蓄積する。
【0052】
図11には、データ送信バッファ11に記憶されたデータの一例が示されている。このデータは、例えば、太陽光発電システムの太陽電池パネルの発電量の一日の推移を示している。図11に示すように、発電量のデータには、時系列順にシリアル番号が付与されている。
【0053】
送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータを時系列方向にスキャンしつつ、データを任意のサンプリング間隔で抽出する。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンが1回完了する度に、抽出したデータを、データ送信部13に送信する。
【0054】
送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンを、サンプリング間隔を短く変更しながら繰り返し、そのスキャン中、データ送信バッファ11に記憶されたデータの中からまだ選択されていないデータを抽出する。
【0055】
例えば、送信データ選定部12は、収集された発電量のデータをシリアル番号の昇順に、スキャンしながら、最初のデータと最後のデータを抽出し、さらにデータを10個置きに抽出する。これにより、シリアル番号10、20、30、40のデータを抽出する。送信データ選定部12は、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図12には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0056】
続いて、送信データ選定部12は、発電量のデータを同様にスキャンしながら、5個置きに抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図13には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0057】
続いて、送信データ選定部12は、収集された発電量のデータをスキャンしながら、まだ抽出されていないデータを時系列順に抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図14には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0058】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、一連の時系列データの中から、抽出条件として時系列データのサンプリング周期よりも長いサンプリング周期でデータを抽出して、抽出されたデータだけをデータ管理装置2に送信する。これにより、データ管理装置2では、粗いサンプリング周期でデータの推移をいち早くグラフ表示することができる。この結果、データが膨大であっても、データの推移をより短時間で把握することができる。
【0059】
実施の形態3.
まず、この発明の実施の形態3について説明する。
【0060】
この実施の形態に係るデータ管理システム100の構成は、上記実施の形態1に係るデータ管理システム100の構成と同一である。
【0061】
データ送信バッファ11は、所定の記憶容量を有するメモリ(記憶部)である。データ送信バッファ11は、データ収集部10によって収集されたデータを記憶し、蓄積する。
【0062】
この実施形態に係るデータ管理システム100は、送信データ選定部12の動作が異なる。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータを時系列方向にスキャンしつつ、データをその値が大きい順に5個ほど抽出する。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンが1回完了する度に、抽出したデータを、データ送信部13に送信する。
【0063】
送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンを、繰り返し、そのスキャン中、データ送信バッファ11に記憶されたデータの中からまだ選択されていないデータを、値が大きい順に抽出する。
【0064】
例えば、送信データ選定部12は、0.5時間置きに収集された発電量のデータ(図2参照)をスキャンしながら、値が大きい順に5個抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。図15には、抽出されるデータの一例が示されている。
【0065】
データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図16には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0066】
続いて、送信データ選定部12は、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、まだ抽出されていないデータの中から、値が大きい順にデータを5個抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図17には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0067】
続いて、送信データ選定部12は、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、まだ抽出されていないデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図18には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0068】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、一連の時系列データの中から、値が大きい順にデータを抽出して、抽出されたデータだけをデータ管理装置に送信する。これにより、データ管理装置では、データの値が大きい部分をいち早く管理することができる。この結果、データが膨大であっても、値が大きい部分に着目したときのデータの推移を、より短時間で把握することができる。
【0069】
なお、この実施の形態では、大きい順にデータを抽出したが、小さい順にデータを抽出するようにしてもよい。
【0070】
実施の形態4.
まず、この発明の実施の形態4について説明する。
【0071】
この実施の形態に係るデータ管理システム100の構成は、上記実施の形態1に係るデータ管理システム100の構成と同一である。
【0072】
データ送信バッファ11は、所定の記憶容量を有するメモリ(記憶部)である。データ送信バッファ11は、データ収集部10によって収集されたデータを記憶し、蓄積する。
【0073】
この実施形態に係るデータ管理システム100は、送信データ選定部12の動作が異なる。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータを時系列方向にスキャンしつつ、1つ前のデータとの差分が、所定の閾値Sを超えるデータを抽出する。送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンが1回完了する度に、抽出したデータを、データ送信部13に送信する。
【0074】
送信データ選定部12は、データ送信バッファ11に記憶されたデータのスキャンを、閾値Sを変更しながら繰り返し、そのスキャン中、データ送信バッファ11に記憶されたデータの中から、閾値Sを超えるデータを抽出する。
【0075】
例えば、送信データ選定部12は、0.5時間置きに収集された発電量のデータ(図2参照)をスキャンしながら、1つ前のデータとの差分が30以上となるデータを抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図19には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0076】
続いて、送信データ選定部12は、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、1つ前のデータとの差分が10以上となるデータを抽出し、抽出したデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図20には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0077】
続いて、送信データ選定部12は、0.5時間置きに収集された発電量のデータをスキャンしながら、まだ抽出されていないデータをデータ送信部13に送信する。データ管理装置2は、通信ネットワーク3を介してデータを受信すると、受信したデータを時系列データとしてグラフ表示する。図21には、表示されるグラフの一例が示されている。
【0078】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、一連の時系列データの中から、前のデータに対して変化が大きいデータを抽出して、抽出されたデータだけをデータ管理装置に送信する。これにより、データ管理装置では、データの値の変化が大きい部分をいち早く管理することができる。この結果、データが膨大であっても、データの値の変化に着目したときのデータの推移を、より短時間で把握することができる。
【0079】
なお、上記の実施の形態では、全てのデータの送信が完了するため、データ送信を継続したが、この発明はこれには限られない。データの推移を把握できる状態になった時点、すなわち所定の停止条件を満たした時点で、データの送信を停止するようにしてもよい。このようにすれば、データの送信量の必要最小限に抑えることができるので、通信コストを低減することができる。
【0080】
この場合、時系列データのデータ総数に対する抽出されたデータ数の比率が、所定レベルに達することを停止条件とすることができる。データ管理装置2におけるグラフ表示を見たユーザの操作入力によりデータ管理装置2からデータ収集装置1に停止要求を送信可能とし、停止要求を受信することを停止条件とすることができる。
【0081】
また、上述した実施の形態で示したサンプリング周期や閾値等はあくまで一例であり、これらの値については、収集対象となる外部機器から収集されるデータに応じて適切に設定する必要がある。
【0082】
なお、上記実施の形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0083】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0084】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0085】
なお、この発明は、上記実施の形態及び図面によって限定されるものではない。この発明の要旨を変更しない範囲で実施の形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0086】
1 データ収集装置
2 データ管理装置
3 通信ネットワーク
10 データ収集部
11 データ送信バッファ
12 送信データ選定部
13 データ送信部
20 抽出条件テーブル
100 データ管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ管理装置によって管理されるデータを収集するデータ収集装置であって、
外部機器からデータを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部によって収集されたデータを時刻情報とともに時系列データとして記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記時系列データをスキャンして、時系列順とは異なる所定の抽出条件に従って、前記記憶部に記憶された前記時系列データの中から前記時系列データの一部を抽出する処理を繰り返す抽出部と、
前記時系列データのスキャンが完了して、前記時系列データの一部が抽出される度に、抽出された前記時系列データの一部を、前記データ管理装置に送信する送信部と、
を備えるデータ収集装置。
【請求項2】
前記所定の抽出条件は、
まだ抽出されていないデータの中から、前記時系列データのサンプリング間隔よりも長いサンプリング間隔で、データを抽出することであり、
前記抽出部は、
前記時系列データのスキャンを繰り返す度に、所定のサンプリング間隔を短くする、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記所定の抽出条件は、
まだ抽出されていないデータの中から、値が大きい順又は小さい順にデータを抽出することであり、
前記抽出部は、
前記時系列データのスキャン1回につき、所定数のデータを抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
前記所定の抽出条件は、
まだ抽出されていないデータの中から、前のデータとの差分が所定の閾値を超えるデータを抽出することであり、
前記抽出部は、
前記時系列データのスキャンを繰り返す度に、所定の閾値を小さくする、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
前記抽出部は、
所定の停止条件が満たされると、前記時系列データの一部の抽出を停止する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項6】
前記所定の抽出条件は、
前記時系列データのデータ総数に対する抽出されたデータ数の比率が、所定レベルに達することを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ収集装置。
【請求項7】
前記所定の抽出条件は、
前記データ管理装置から停止要求が受信されることを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ収集装置。
【請求項8】
前記データ収集部は、
収集したデータに時刻情報を付し、
前記記憶部は、
前記時刻情報が付されたデータを、前記一連の時系列データとして記憶する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項9】
前記データ収集部は、
収集したデータにシリアル番号を付し、
前記記憶部は、
前記シリアル番号が付されたデータを、前記一連の時系列データとして記憶する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のデータ収集装置と、
前記データ収集装置から送信されるデータを入力して表示し、操作入力に応じて前記データ収集装置に対して、送信の停止要求を送信するデータ管理装置と、
を備えるデータ管理システム。
【請求項11】
データ管理装置によって管理されるデータを収集するデータ収集方法であって、
外部機器からデータを収集するデータ収集工程と、
前記データ収集工程において収集されたデータを時刻情報とともに時系列データとして記憶装置に記憶する記憶工程と、
前記記憶装置に記憶された前記時系列データのスキャンを繰り返し、時系列順とは異なる所定の抽出条件に従って、前記記憶装置に記憶された前記時系列データの中から、前記時系列データの一部を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程において前記時系列データのスキャンが完了して、前記時系列データの一部が抽出される度に、抽出された前記時系列データの一部を、前記データ管理装置に送信する送信工程と、
を含むデータ収集方法。
【請求項12】
データ管理装置によって管理されるデータを収集するコンピュータに、
外部機器からデータを収集するデータ収集手順と、
前記データ収集手順において収集されたデータを時刻情報とともに時系列データとして記憶装置に記憶する記憶手順と、
前記記憶装置に記憶された前記時系列データのスキャンを繰り返し、時系列順とは異なる所定の抽出条件に従って、前記記憶装置に記憶された前記時系列データの中から、前記時系列データの一部を抽出する抽出手順と、
前記抽出手順において前記時系列データのスキャンが完了して、前記時系列データの一部が抽出される度に、抽出された前記時系列データの一部を、前記データ管理装置に送信する送信手順と、
を実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2011−234134(P2011−234134A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102717(P2010−102717)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】