説明

データ放送の画面に最適な二次元コードを表示させる方法、二次元コードを最適表示するデータ放送番組、データ放送番組データ、データ放送番組プログラム、二次元コード最適表示システム

【課題】 本発明の課題は、、データ放送において、受信機メーカーの受信装置の表示特性に応じて、適切な二次元コードを動的に生成・表示させる方法、および、データ放送番組データ、データ放送番組プログラムを提供することである。
【解決手段】 二次元コードと、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記スクリプトを含んだデータ放送番組を放送し、デジタル放送受信装置で受信させることによりデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法である。
最適輝度選択BMLスクリプトは、デジタル放送受信装置から読み出した装置製造会社識別番号と一致した受信装置製造会社識別番号を持つ色情報を輝度変換表から選択する、二次元コード生成BMLスクリプトは、受信した二次元コードの背景白部分の画素値に、前記選択された色情報を設定して、BMLで記述された二次元コード・データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ放送で、二次元コードを表示するときに、携帯電話付属カメラでの撮影に適した二次元コードを表示する方法、および、データ放送番組データ、データ放送番組プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送の普及に伴ったデータ放送の新たな放送形態として、QRコード(登録商標、JIS X 0510)に代表される二次元コードを使用した双方向放送がある。電話回線に接続していない視聴者でも、カメラ付二次元コード対応携帯電話を用いることで、二次元コードによる双方向機能を利用できる様になった。
【0003】
この二次元コードによるデータ放送では、携帯端末の読み取り精度が上がるように、コンテンツ制作にあたって、二次元コード画像を、画像処理している。視聴者は、このテレビ画面上に表示された二次元コード画像を、コード読み取り機能を搭載したカメラ付携帯電話で、撮影して認識させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、デジタル放送受信装置は、受信装置のメーカーによって表示特性が微妙に異なるために、同じ二次元コード画像でも、各メーカーの受信装置で、二次元コード画像の表示輝度(二次元コード画像の背景白色の明度)が異なってしまう。したがって、携帯電話端末で、二次元コード画像を撮像して、正しく復号させるためには、ディスプレーモニター側の表示輝度の設定を必要に応じて調整しなければならず、利用者の利便性を妨げていた。
【0005】
本発明は、このような従来技術を考慮してなされたものであって、本発明の課題は、データ放送において、受信機メーカーの受信装置の表示特性に応じて、適切な二次元コードを動的に生成・表示させる方法、および、データ放送番組データ、データ放送番組プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、請求項1に記載の発明は、二次元コード・データと、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組を放送し、デジタル放送受信装置で受信させることによりデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法。但し、前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、第2ステップ: 前記抽出した色情報を、受信した二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に設定して、最適輝度二次元コード・データを生成する、第3ステップ:前記生成された最適輝度二次元コード・データを描画表示させる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、符号化したい文字列と、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組を放送し、デジタル放送受信装置で受信させることによりデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法。但し前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、第2ステップ: 前記符号化したい文字列から、二次元コード・データを生成させて、前記生成させた二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に、前記抽出した色情報を設定する、第3ステップ:前記生成設定された二次元コード・データを描画表示させる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記二次元コード・データが、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているBMLタグの集合で記述されていることを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載のデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記命令の記述が、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているスクリプト記述言語で記述したスクリプトであることを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載のデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、二次元コード・データと、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組データ。但し、前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、第2ステップ: 前記抽出した色情報を、受信した二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に設定して、最適輝度二次元コード・データを生成する、第3ステップ:前記生成された最適輝度二次元コード・データを描画表示させる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、符号化したい文字列と、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組データ。但し前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、第2ステップ: 前記符号化したい文字列から、二次元コード・データを生成させて、二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に、前記抽出した色情報を設定する、第3ステップ:前記生成設定された二次元コード・データを描画表示させる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記二次元コード・データが、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているBMLタグの集合で記述されていることを特徴とする請求項5、または、請求項6に記載のデータ放送番組データである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、前記命令の記述が、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているスクリプト記述言語で記述したスクリプトであることを特徴とする請求項5、または、請求項6に記載のデータ放送番組データである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法に使用されるコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、データ放送において、視聴者が視聴するデジタル放送受信装置の表示特性に応じて、適切な輝度の二次元コード画像を動的に生成・表示させることができるので、視聴者は二次元コードを撮影すれば正しく復号されるようになり、双方向サービスを利用することができるようになったと同時に、最適な輝度の二次元コードが表示されるので、放送視聴の妨げにもならずに、快適な放送番組の視聴が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。図1は、本発明の方法を具現化するデータ放送番組を放送・受信する二次元コード最適表示システムの全体構成図である。放送送出設備70は、衛星71bや電波塔71c経由で、デジタル放送受信装置10へ、放送波を送出する。携帯電話71とデータ放送用WEBサイト75とは、インターネット経由で、双方向通信で接続される。放送送出設備70は、データ放送番組を放送波70aに乗せて、放送する。前記データ放送番組には、複数の二次元コード・データで構成される二次元コード群と、複数のBMLスクリプトで構成されるBMLスクリプト群とが含まれる。デジタル放送受信装置10は、データ放送番組を受信する。デジタル放送受信装置10に内蔵される中央演算装置が、受信したBMLスクリプトを解釈することで、後述するシステムの各手段を実現する。デジタル放送受信装置10は、不揮発メモリ領域を備える。ディスプレーモニター10aは、本放送およびデータ放送を表示する。視聴者は、携帯電話71で、表示された二次元コード画像を撮影して、撮影した二次元コード画像に含まれる情報を復号させる。データ放送用WEBサイト75は、データ放送番組の双方向サービスを提供する。
【0017】
図2は、BMLタグ記述された二次元コードの説明図である。二次元コードは、黒白の画素を、縦横に配置した階調画像である。従って、黒白の画素がBMLタグで記述された二次元コードは、BMLタグの集合で構成されている。図2の(ア)の二次元コード画像の部分拡大部30で示すように、二次元コードの表示は、黒部分の画素30aと背景白部分の画素30bの組み合わせで構成されている。
【0018】
図2の(イ)では、色パレットを説明している。色パレット31は、パレット記号を参照キーにして、黒部分の画素30aと背景白部分の画素30bの色を指定する色情報表を含んでいる。通常は、コンテンツ制作者が自由に色を設定できる領域(事業者設定領域)に、受信装置製造会社に付けられたユニークな識別記号である受信装置製造会社識別番号と背景白部分の色とを対応付けて、設定・登録する。たとえば、色パレット31の“パレット記号151”には受信装置製造会社識別番号“ID=11”用の背景白部分の画素30bの色が、対応付け31aされて登録されている。同様に、“パレット記号152”には、受信装置製造会社識別番号“ID=12”用の背景白部分の画素30bの色が、対応付けされて登録されて、“パレット記号153”には、受信装置製造会社識別番号“ID=13” 用の背景白部分の画素30bの色が、対応付けされて登録されている。
【0019】
ここで、受信装置製造会社識別番号は、デジタル放送受信装置10の不揮発メモリ領域が保持しており、二次元コード画像の背景白部分の画素の色情報(画素値)を指定するために使用する。つまり、二次元コード・データ20とデジタル放送受信装置10の両者の受信装置製造会社識別番号が一致するディスプレーモニター10aで、二次元コードを表示させると、最適な輝度で表示される。
【0020】
図2の(エ)に示すように、BMLタグによる二次元コードの色の記述方法は、“backgroundColor: <パレット記号>”となる。たとえば、受信装置製造会社識別番号“ID=11”背景白部分の画素30bの色は、色パレット31のパレット記号“151” が指定されているので、“backgroundColor:151”32bと記述される。同様に、受信装置製造会社識別番号“ID=12”の背景白部分の画素30bの色は、“backgroundColor:152”、受信装置製造会社識別番号“ID=13”場合には、“backgroundColor:153” と記述されて、対応するパレット記号が指定されている。
【0021】
また、図2の(ウ)に示すように、黒部分30aの色のBMLタグの記述方法は、 “backgroundColor:black”32aとなり、色パレット31の色パレット記号“black”が指定されている。
【0022】
図3は、二次元コード最適表示システムの大まかな動作フローの説明図である。放送送出設備70は、後述するシステムの各手段として動作する複数のBMLスクリプトで構成されるBMLスクリプト群と二次元コード・データと輝度変換表とを含んだデータ放送番組を、放送波70aに乗せて放送する(図3(ア))。デジタル放送受信装置10は、データ放送番組を受信すると、内蔵される中央演算装置が、BMLスクリプト群を解釈して、各BMLスクリプトが動作できるように、準備をする(同(イ))。
【0023】
まず、最適輝度選択BMLスクリプトは、デジタル放送受信装置10が保持している受信装置製造会社識別番号(たとえば、IDの値)を読み出す。次いで、最適輝度選択BMLスクリプトは、前記読み出した装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号を持つ色情報を選択する。次に、二次元コード生成BMLスクリプトは、受信した二次元コード・データの二次元コードの背景白部分の画素値に、前記選択された色情報を設定して、BMLで記述された二次元コード・データを生成する。最後に、BMLブラウザ(詳細は、後述する。)は、BMLで記述された二次元コード・データから、二次元コードを描画してディスプレーモニター10aに、表示させる(同((ウ))。
【0024】
ここで、視聴者は、携帯電話71で、この二次元コードを撮影する(同((エ))。携帯電話71は、撮影した二次元コードに含まれる情報を復号する(同((オ))。視聴者は、復号された情報を、携帯電話71で、データ放送用WEBサイト75に送信して、データ放送番組の双方向サービスの提供を受ける(同((カ))。
【0025】
図4は、輝度変換表の構造図である。輝度変換表65aは、受信装置製造会社識別番号と二次元コードの背景白部分の画素30bの色情報とを対応付けた表で、背景白部分の色を指定する色情報を与える。輝度変換表65aは、ID・パレット記号対応部65bと色パレット31から、構成されている。ID・パレット記号対応部65bは、受信装置製造会社識別番号と色パレット記号の対応関係を表している。色パレット部31は、図2で説明したとおり、パレット記号を参照キーとした色情報表を含んでいる。
【0026】
図5は、1つの輝度変換表の例である。ID・パレット記号対応部65bは、受信装置製造会社識別番号と色パレットのパレット記号の対応を示しており、“ID=11:パレット記号151”、“ID=12:パレット記号152”、“ID=13:パレット記号153”のように、記述されている。色パレット31は、図2の(イ)で説明したとおり、たとえば、“パレット記号151”には、受信装置製造会社識別番号“ID=11”の背景白部分の色情報が格納されている。
【0027】
図6は、本発明によるデータ放送における二次元コード最適表示システムのデジタル放送受信装置と携帯電話の詳細な構成図である。デジタル放送受信装置10は、最適輝度選択手段14と記憶手段15と二次元コード生成手段17とBMLブラウザ16とを備える。
デジタル放送受信装置10の記憶手段15に、受信装置製造会社識別番号63aと、輝度変換表65aを記憶する。携帯電話71は、撮影手段73と、二次元コード復号手段72を備える。
【0028】
最適輝度選択手段14は、受信したデータ放送番組のBMLスクリプト群に含まれた前述の最適輝度選択BMLスクリプトが、デジタル放送受信装置10に内蔵される中央演算装置にて解釈されて、実行することにより機能するものである。同様に、二次元コード生成手段17は、受信したデータ放送番組のBMLスクリプト群に含まれた前述の二次元コード生成BMLスクリプトが、デジタル放送受信装置10に内蔵される中央演算装置にて解釈されて、実行することにより機能するものである。
【0029】
記憶手段15は、デジタル放送受信装置10に内蔵される不揮発メモリ領域である。BMLブラウザ16は、デジタル放送受信装置10に内蔵されるROMに記憶されるプログラムである。受信装置製造会社識別番号63aは、データである。撮影手段73は、携帯電話に付属するカメラ装置である。二次元コード復号手段72は、携帯電話71に内蔵されるプログラムである。
【0030】
最適輝度選択手段14は、記憶手段15に保持された受信装置製造会社識別番号63aをキーにして、受信した輝度変換表65aのID・パレット記号対応部65bを参照して、前記キーと一致する受信装置製造会社識別番号が示すパレット記号を取得して、前記取得したパレット記号をキーにして、色パレット31のパレット記号を参照して、前記キーと一致するパレット記号が持つ色情報を取得する。
【0031】
二次元コード生成手段17は、前記取得した色情報を、受信したBMLタグ二次元コード・データの背景白部分の画素値に設定する。
【0032】
BMLブラウザ16は、BML記述された二次元コードの背景白部分と背景黒部分のオブジェクトから画像を描画して、画面表示させる。
【0033】
輝度変換表65aは、デジタル放送で受信するデジタル放送番組データの一部として、受信して、記憶手段15に保持する。
【0034】
撮影手段73は、表示された二次元コード画像を撮像して二次元コード二値画像データに変換する。二次元コード復号手段72は、前記変換された二次元コード二値画像に含まれる情報を、復号する。
【0035】
図7は、本発明によるデータ放送画面に二次元コードを最適に表示する方法のフローチャートである。
(1)放送送出設備70は、二次元コード・データとBMLスクリプト群と輝度変換表6 5aを含んだデータ放送番組を、放送波71aに乗せて、放送する。(ステップS36 0)
(2)デジタル放送受信装置10は、放送波71aに乗った二次元コード・データとBM Lスクリプト群と輝度変換表65aを含んだデータ放送番組を、受信する。(ステップ S361)デジタル放送受信装置10に内蔵される中央演算装置は、受信したBMLス クリプト群を解釈して、各手段として動作できるように、準備をする。
(3)最適輝度選択手段14は、記憶手段15から、受信装置製造会社識別番号63aを 、読み出す。(ステップS362)
(4)最適輝度選択手段14は、前記読み出した受信装置製造会社識別番号63aを、前 記受信した輝度変換表65aのID・パレット記号対応部65dの受信装置製造会社識 別番号を参照して、前記キーと一致する受信装置製造会社識別番号に対応するパレット 記号を取得する。この取得したパレット記号をキーにして、色パレット31のパレット 記号を参照して、前記キーと一致するパレット記号に対応する色情報を取得する。(ス テップS363)
(5)二次元コード生成手段17は、この取得した色情報を、前記受信した二次元コード ・データの背景白部分の画素値に設定する。(ステップS364)
(6)BMLブラウザ16は、設定された二次元コード・データを描画表示する。(ステ ップS365)
(7)視聴者は、表示された最適な輝度の二次元コードを、携帯電話71で撮影する。( ステップS366)
(8)二次元コードに含まれる情報を、復号させる。(ステップS367)
【0036】
図8は、本発明による最適輝度の二次元コードを選択して表示する例である。図8の(ア)は、データ放送にて受信したBML記述された二次元コード41を示している。
【0037】
図8の(カ)、(ク)に示すように、最適輝度判定手段14は、受信装置製造会社識別番号63a“ID=13” を、パレット記号“153”に変換する。詳細を説明すると、図8の(ク)に示すように、最適輝度判定手段14は、記憶手段15に保持されている受信装置製造会社識別番号63a“ID=13” をキーにして、輝度変換表のID・パレット記号対応部65dのIDを参照して、前記キーと一致したIDを持つパレット記号“153”を取得する。次に、図8の(ケ)に示すように、最適輝度判定手段14は、このパレット記号“153”をキーにして、色パレット31のパレット記号を参照して、前記キーと一致するパレット記号が持つ色情報31cを取得する。
【0038】
次いで、図8の(オ)に示すように、二次元コード生成手段17は、受信した二次元コード41の背景白部分の画素値に、この色情報31cを設定して、BML記述された最適輝度のBMLタグ記述二次元コード・データ41cを作成する。
図8の(キ)に示すように、BMLブラウザ16は、前記作成された最適輝度のBMLタグ記述二次元コード・データを描画して、二次元コード表示画面45に構成して、表示する。
【0039】
(変形例1)
二次元コードの代わりに、符号化したい文字列を放送して、デジタル放送受信装置10にて、二次元コード・データを生成して、最適輝度の二次元コードを表示する例を説明する。このときは、と同様に、輝度変換表65aをデータ放送で受信する。なお、符号化したい文字列24とは、二次元コード・データに埋め込む文字情報である。
【0040】
変形例1におけるデータ放送の二次元コード最適表示システムの構成は、図6のデータ放送の二次元コード最適表示システムの構成と同じである。
【0041】
二次元コード生成手段17は、受信した符号化したい文字列24をBMLタグ記述の二次元コード・データに符号化して、背景白部分の画素値に、色情報を設定して、二次元コードを生成する。その他の手段の働きは、図6の手段と同じである。
【0042】
図9は、変形例1による二次元コード最適表示方法のフローチャートである。
(1)放送送出設備70は、符号化したい文字列24とBMLスクリプト群と輝度変換表 65aを含んだデータ放送番組を、放送波71aに乗せて、放送する。(ステップ S380)
(2)デジタル放送受信装置10は、符号化したい文字列24とBMLスクリプト群と輝 度変換表65aを含んだデータ放送番組を受信する。(ステップS381)
(3)図7のステップS362と同じである。(ステップS382)
(4)図7のステップS363と同じである。(ステップS383)
(5)二次元コード生成手段17は、受信した符号化したい文字列24をBMLタグ記述 の二次元コード・データに符号化して、背景白部分の画素値に、色情報を設定して、 二次元コードを生成する。(ステップS384)
(6)図7のステップS365と同じである。(ステップS385)
(7)図7のステップS366と同じである。(ステップS386)
(8)図7のステップS367と同じである。(ステップS387)
【0043】
なお、二次元コードに符号化したい文字列には、視聴者がデジタル放送用入力装置で入力、した文字列や、画面メニューから選択した文字列を含めてもよい。このことにより、二次元コードから復号した情報が、視聴者の反応に応じた情報を含むので、きめ細かなサービスを提供することが可能となる。
【0044】
(変形例2)
二次元コード群の二次元コード画像データがJPEG画像で構成される場合の例を説明する。JPEGとは、Joint Photographic Experts Groupの略で、点の集まりとして記録されたビットマップ静止画像データを圧縮する画像形式の一つである。
【0045】
図10は、変形例2における二次元コードのデータ構造の説明図である。二次元コード群41は、複数の二次元コード・データ20で、構成される。二次元コード・データ20は、二次元コード画像データ21(JPEG二次元コード画像データ)と、受信装置製造会社識別番号23とを含んだデータで構成される。二次元コード・データ20を構成するJPEG二次元コード画像データ21は、それぞれ、異なる輝度で構成されている。
【0046】
変形例2における二次元コード最適表示システムの構成は、図6の二次元コード最適表示システムから、二次元コード作成手段17と記憶手段15に保持されている輝度変換表65aを除いたものと同じである。
【0047】
最適輝度選択手段14は、記憶手段15が保持する受信装置製造会社識別番号63aをキーとして、前記受信した二次元コード群41の受信装置製造会社識別番号23を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号23を持つ二次元コード・データ20のJPEG二次元コード画像データ21を選択する。BMLブラウザ16は、JPEG二次元コード画像データを復号化して、表示させる。そのほかの構成手段の働きは、図6と同じである。
【0048】
図11は、変形例2におけるデータ放送画面に二次元コードを最適に表示する方法のフローチャートである。
(1)放送送出設備70は、二次元コード群とBMLスクリプトを放送波で放送する。( ステップS390)
(2)デジタル放送受信装置10は、二次元コード群とBMLスクリプトを受信する。( ステップS391)
(3)図7のステップS362と同じである。(ステップS392)
(4)最適輝度選択手段14は、記憶手段15が保持する受信装置製造会社識別番号63 aをキーとして、前記受信した二次元コード群の受信装置製造会社識別番号23を参 照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号23を持つ二次元コード・デ ータ20のJPEG二次元コード画像データ21を、選択して、BMLブラウザに渡 す。(ステップS393)
(5)BMLブラウザ16は、前記最適な輝度の二次元コードJPEG画像データを解析 して、表示させる。(ステップS394)
(6)ステップS395からステップS397は、図7のステップS365からステップ S367と同じである。
【0049】
変形例2では、二次元コードが、JPEG画像データであるとして説明したが、ビットマップ画像やTIFFなどの画像デジタル・データでも、同様の結果が得られる。
【0050】
以上詳しく説明したように、本願発明によれば、データ放送において、視聴者が視聴するデジタル放送受信装置の表示特性に応じて、適切な輝度の二次元コード画像を表示させることができるので、視聴者は二次元コードを撮影すれば正しく復号されるようになり、双方向サービスを利用することができるようになったと同時に、最適な輝度の二次元コードが表示されるので、放送視聴の妨げにもならずに、快適な放送番組の視聴が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の方法を具現化するデータ放送番組を放送・受信する二次元コード最適表 示システムの全体構成図
【図2】BMLタグ画像データにおける色設定方法と描画された二次元コード
【図3】二次元コード最適表示システムの大まかな動作フローの説明図
【図4】本発明による輝度変換表の構造図
【図5】1つの輝度変換表の例
【図6】本発明によるデータ放送における二次元コード最適表示システムの構成図
【図7】本発明による二次元コード最適表示方法のフローチャート
【図8】本発明による二次元コードの最適サイズ・最適輝度の選択と表示の例
【図9】変形例1による二次元コード最適表示方法のフローチャート (変形例1:二次元コード化したい文字列を受信する場合)
【図10】変形例2における二次元コードのデータ構造の説明図 (変形例2:二次元コード画像データがJPEG画像で構成される場合)
【図11】変形例2におけるデータ放送画面に二次元コードを最適に表示する方法のフロ ーチャート
【符号の説明】
【0052】
10 デジタル放送受信装置
10a ディスプレーモニター
11 表示サイズ判定画面呈示手段
12 最適表示サイズ情報受付保存手段
13 最適表示サイズ情報選択手段
14 最適輝度選択手段
15 記憶手段
15a 最適表示サイズ情報
15b 受信装置製造会社識別番号
16 BMLブラウザ
17 二次元コード生成手段
20 二次元コード・データ
21 二次元コード画像データ
22 表示サイズ情報
23 受信装置製造会社識別番号
24 符号化したい文字列
30 二次元コード画像の部分拡大部
30a 黒部分の画素
30b 背景白部分の画素
31 色パレット
31a パレット記号と受信装置製造会社識別番号対応付け
32a 黒部分の画素の記述
32b 背景白部分の画素の記述
41 データ放送で受信した二次元コード群
41e 最適な輝度の二次元コード・データ
45 二次元コード表示画面
63a 受信装置製造会社識別番号
65a 輝度変換表
65b IDパレット記号対応部
67a 表示サイズ情報一覧表
70 放送送出設備
70a 放送波
71 携帯電話
72 二次元コード復号手段
73 撮影手段
75 データ放送用WEBサイト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元コード・データと、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組を放送し、デジタル放送受信装置で受信させることによりデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法。但し、前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。
第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、
第2ステップ: 前記抽出した色情報を、受信した二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に設定して、最適輝度二次元コード・データを生成する、
第3ステップ:前記生成された最適輝度二次元コード・データを描画表示させる。
【請求項2】
符号化したい文字列と、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組を放送し、デジタル放送受信装置で受信させることによりデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法。但し前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。
第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、
第2ステップ: 前記符号化したい文字列から、二次元コード・データを生成させて、前記生成させた二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に、前記抽出した色情報を設定する、
第3ステップ:前記生成設定された二次元コード・データを描画表示させる。
【請求項3】
前記二次元コード・データが、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているBMLタグの集合で記述されていることを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載のデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法。
【請求項4】
前記命令の記述が、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているスクリプト記述言語で記述したスクリプトであることを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載のデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法。
【請求項5】
二次元コード・データと、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組データ。但し、前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。
第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、
第2ステップ: 前記抽出した色情報を、受信した二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に設定して、最適輝度二次元コード・データを生成する、
第3ステップ:前記生成された最適輝度二次元コード・データを描画表示させる。
【請求項6】
符号化したい文字列と、受信装置製造会社識別番号を色情報に変換する輝度変換表と、下記第1ステップから第3ステップの動作をデジタル放送受信装置に実行させる命令の記述と、を含んだデータ放送番組データ。但し前記命令の記述は次の一連のステップを実行させるものである。
第1ステップ:デジタル放送受信装置が保持する受信装置製造会社識別番号をキーにして、受信した輝度変換表の受信装置製造会社識別番号を参照して、前記キーと一致した受信装置製造会社識別番号に対応した色情報を抽出する、
第2ステップ: 前記符号化したい文字列から、二次元コード・データを生成させて、二次元コード・データの背景白部分の画素の色情報に、前記抽出した色情報を設定する、
第3ステップ:前記生成設定された二次元コード・データを描画表示させる。
【請求項7】
前記二次元コード・データが、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているBMLタグの集合で記述されていることを特徴とする請求項5、または、請求項6に記載のデータ放送番組データ。
【請求項8】
前記命令の記述が、データ放送用記述言語であるBMLで規定されているスクリプト記述言語で記述したスクリプトであることを特徴とする請求項5、または、請求項6に記載のデータ放送番組データ。
【請求項9】
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のデータ放送画面に最適な輝度の二次元コードを表示させる方法に使用されるコンピュータプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−254007(P2006−254007A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66845(P2005−66845)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】