データ比較装置、データ比較方法、制御プログラムおよび記録媒体
【課題】グラフ上において、任意の基準点で複数の時系列データを容易に合わせる。
【解決手段】時系列データから抽出した部分時系列データを経過時間に基づいてプロットした比較グラフを作成し、ユーザからの比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる指示に基づいて、上記系列に対応する部分時系列データの経過時間をシフトし、シフトした経過時間に基づいて、部分時系列データをプロットして比較グラフを更新する。
【解決手段】時系列データから抽出した部分時系列データを経過時間に基づいてプロットした比較グラフを作成し、ユーザからの比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる指示に基づいて、上記系列に対応する部分時系列データの経過時間をシフトし、シフトした経過時間に基づいて、部分時系列データをプロットして比較グラフを更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産機器の物理量の時系列データを比較するデータ比較装置、データ比較方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生産機器の物理量の時系列データ(例えば、消費電力の時系列データ等)を取得し、この時系列データの分析に基づいて、生産性の向上や消費電力の削減等の省エネルギー化などを図ることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1〜4には、電力量の時系列データに対して、サイクルタイム(稼動単位、原単位等)ごとのパターン波形と比較して、パターン波形との差異を検出し、検出結果に基づいて生産性の低下や消費電力の無駄を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−250381号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献2】特開2010−250382号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献3】特開2010−250383号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献4】特開2010−250384号公報(2010年11月4日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、時系列データからサイクルタイムを自動的に精度良く抽出することが困難であるという問題がある。
【0006】
具体的には、生産機器の物理量の時系列データは、同一の機器で同一の製造物を生産する場合であっても、設置されている環境(温度、湿度等)や時期等により変動するため、サイクルタイムを抽出するためにパラメータ(パターン波形、間隔等)を適切に設定することが困難である。そのため、サイクルタイムを正しく抽出できない場合がある。
【0007】
また、サイクルタイムを抽出できたとしても、サイクルタイムに周期性が保たれていない場合、見た目で比較のための基準点が判断できる場合であっても、自動的に基準点を特定することができない場合がある。それゆえ、抽出した複数のサイクルタイムを基準点で合わせることができず、比較できない場合がある。よって、パターン波形との差異点等の改善点の抽出ができない場合がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グラフ上において、任意の基準点で複数の時系列データを容易に合わせることが可能なデータ比較装置、データ比較方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るデータ比較装置は、上記課題を解決するために、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出手段と、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出手段が算出した経過時間に基づいて、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成手段と、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフト手段とを備え、上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るデータ比較方法は、上記課題を解決するために、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出ステップと、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出ステップと、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出ステップにおいて算出された経過時間に基づいて、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成ステップと、ユーザからの操作指示を受け付ける入力ステップと、上記入力ステップにおいて入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフトステップと、上記時間シフトステップにおいてシフトされた経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新するグラフ更新ステップとを含むことを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、上記グラフ作成手段は、1または複数の時系列データから抽出した複数の部分時系列データを、部分時系列データに含まれる各計測時刻にそれぞれ対応する経過時間に基づいて、部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして比較グラフを作成する。また、上記時間シフト手段は、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる、ユーザからの操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトし、上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新する。
【0012】
上記経過時間は、所定の基準時刻から部分時系列データに含まれる各計測時刻までの差分時間である。そのため、上記グラフ作成手段は、この経過時間を軸として上記比較グラフを作成するため、部分時系列データ毎に、部分時系列データに含まれる各計測時刻の時間幅を維持したまま、計測時刻や計測間隔が異なる複数の部分時系列データを単一のグラフ上に描画することができる。つまり、各部分時系列データに対応する各系列の波形パターンを維持したまま単一のグラフ上に描画することができる。
【0013】
上記時間シフト手段は、比較グラフ上の所定の系列を移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトするため、上記グラフ作成手段は、上記系列を示す部分時系列データの経過時間の時間幅を維持したまま、シフトされた経過時間に基づいて上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画することができる。つまり、上記グラフ作成手段は、ユーザが移動を指示した系列の波形パターンを維持したまま、当該系列を時間軸方向に移動させることができる。
【0014】
よって、立ち上がり時刻やサイクルタイム等の基準点がずれている時系列データであっても、ユーザが比較グラフ上で経過時間軸方向に移動させることにより、任意の基準点で複数の時系列データを合わせることができる。従って、複数の時系列データを簡単に比較することができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係るデータ比較装置は、上記グラフ作成手段が作成したグラフを表示する表示制御手段をさらに備え、上記入力手段が比較グラフ上の所定の系列を選択する操作指示を受け付けると、上記表示制御手段は、上記操作指示に基づいて、上記比較グラフ上にプロットされている上記系列を示す部分時系列データの物理量に対応する計測時刻を表示することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、ユーザが上記比較グラフ上の所定の系列を選択すると、選択された系列を示す部分時系列データの物理量に対応する計測時刻を表示する。上記比較グラフは経過時間を軸として各系列が描画されているため、仮に、各系列が経過時間軸方向に移動したとしても、経過時間がシフトされるだけであり、各部分時系列データにおて、物理量と計測時刻との対応関係は維持されたままである。
【0017】
そのため、例えば、各系列を移動させて所定の系列の波形パターンの異常を発見した場合であっても、上記所定の系列を選択することにより、波形パターンの異常個所の物理量が計測された時刻、つまり、異常が発生した時刻を正確に知ることができる。
【0018】
また、本発明に係るデータ比較装置は、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、新たな時系列データを生成するデータ生成手段をさらに備え、上記データ抽出手段は、上記データ取得手段が取得した時系列データおよび/または上記データ生成手段が生成した時系列データから、部分時系列データを複数抽出することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記データ生成手段は、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、新たな時系列データを生成し、上記データ抽出手段は、上記データ取得手段が取得した時系列データおよび/または上記データ生成手段が生成した時系列データから、部分時系列データを複数抽出する。そのため、上記データ取得手段が取得した時系列データだけではなく、取得した時系列データから生成した新たな時系列データも含めて比較することができる。
【0020】
なお、上記データ比較装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記データ比較装置の各手段として動作させることにより、上記データ比較装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係るデータ比較装置は、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出手段と、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出手段が算出した経過時間に基づいて、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成手段と、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフト手段とを備え、上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新する。
【0022】
また、本発明に係るデータ比較方法は、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出ステップと、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出ステップと、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出ステップにおいて算出された経過時間に基づいて、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成ステップと、ユーザからの操作指示を受け付ける入力ステップと、上記入力ステップにおいて入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフトステップと、上記時間シフトステップにおいてシフトされた経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新するグラフ更新ステップとを含む。
【0023】
よって、立ち上がり時刻やサイクルタイム等の基準点がずれている時系列データであっても、ユーザが比較グラフ上で経過時間軸方向に移動させることにより、任意の基準点で複数の時系列データを合わせることができる。従って、複数の時系列データを簡単に比較することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、データ分析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデータ分析システムの概要を示す図である。
【図3】上記データ分析装置が取得する時系列データの一例を示す図である。
【図4】上記時系列データから抽出された部分時系列データの一例を示す図である。
【図5】上記部分時系列データに経過時間を付与した経過時間データの一例を示す図である。
【図6】経過時間がシフトされた経過時間データの一例を示す図である。
【図7】上記データ分析装置が実行する比較グラフ作成処理の一例を示す図である。
【図8】上記データ分析装置の表示部に表示される画面を用いて、比較グラフ作成処理を模式的に示す図である。
【図9】上記データ分析装置の表示部に表示される画面を用いて、比較グラフ作成処理を模式的に示す図である。
【図10】上記データ分析装置が実行する系列移動処理の一例を示す図である。
【図11】系列移動処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図12】比較グラフの一例を示す図である。
【図13】比較グラフの拡大縮小処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図14】比較グラフの系列選択処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図15】比較グラフの系列入替処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図16】比較グラフのグラフ種別切替処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図17】比較グラフの周期変更処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態について図1から図17に基づいて説明すると以下の通りである。
【0026】
〔データ分析システムの構成〕
まず、本発明に係るデータ分析装置(データ比較装置)を含むデータ分析システムについて、図2に基づいて説明する。図2は、データ分析システム6の概要を示す図である。
【0027】
図2に示すように、データ分析システム6は、データ分析装置1、データ収集装置2aおよび2b、センサ装置3a〜3e、並びに、プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4dおよびコンプレッサー4eを含むものである。
【0028】
センサ装置3a〜3eは、それぞれ、プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4d、コンプレッサー4eと接続されている。また、データ収集装置2aは、センサ装置3a、3bおよび3cと接続されており、データ収集装置2bは、センサ装置3dおよび3eと接続されている。また、データ分析装置1は、ネットワーク5を介してデータ収集装置2aおよび2bと接続されている。
【0029】
プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4dおよびコンプレッサー4eは、工場等に設置されているものであって、所定の製造物を生産する機器、または、所定の製造物を生産するために使用する機器である。以下では、所定の製造物を生産する機器、または、所定の製造物を生産するために使用する機器を総称して生産機器と称する。また、プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4dおよびコンプレッサー4eを生産機器(機器)4として総称するものとする。
【0030】
センサ装置3a〜3eは、生産機器4の消費電力量(電力量)等の所定の物理量の時間的変化を連続的に、または一定間隔をおいて不連続に計測するものである。以下では、センサ装置3a〜3eを区別しない場合、センサ装置3として総称する。センサ装置3が計測する物理量は、消費電力量に限らず、例えば、コンプレッサー4dおよび4eのエア流量、成型機4cに投入される材料投入量もしくは成型機から生成される生成物の生成量、または、生産機器4の温度、湿度、振動もしくは圧力等であってもよい。センサ装置3は、計測した所定の物理量の時系列データをデータ収集装置2aおよび2bに出力する。
【0031】
センサ装置3は、例えば、図3に示すような時系列データを出力する。図3に示す例では、生産機器4の消費電力量と、消費電力量を計測した計測時刻とが対応付けられている。すなわち、時系列データは、生産機器4の物理量の時間的変化を示すデータである。図3に示す例では、センサ装置3は、1分毎に生産機器4の消費電力を計測しているが、これに限るものではない。例えば、センサ装置3の計測単位(計測間隔)は、10分でもよいし、秒単位でもよいし、時間単位でもよいし、日単位でもよい。
【0032】
なお、図2に示す例では、1つのセンサ装置3が、1つの生産機器4の物理量を計測するようになっているが、これに限るものではない。1つのセンサ装置3が、複数の生産機器4の物理量を計測してもよい。さらに、センサ装置3は、1つの生産機器4から1種類の物理量(例えば、消費電力量のみ)を計測してもよいし、複数種類の物理量(例えば、消費電力量およびエア流量)を計測してもよい。
【0033】
データ収集装置2aおよび2bは、接続されているセンサ装置3から、センサ装置3が計測した時系列データを収集し、収集した時系列データをデータ分析装置1にネットワーク5を介して送信するものである。以下では、データ収集装置2aおよび2bを区別しない場合、データ収集装置2として総称する。データ収集装置2とセンサ装置3とは、有線通信手段または無線通信手段によって接続されていればよい。
【0034】
データ収集装置2は、センサ装置3の計測毎に、または、所定時間毎に、センサ装置3から時系列データを収集してもよい。例えば、センサ装置3が1分毎に消費電力量を計測する場合、データ収集装置2は、1分毎にセンサ装置3から消費電力量を収集してもよい。また、データ収集装置2は、10分毎にセンサ装置3から消費電力量を収集してもよい。この場合、データ収集装置2は、10分毎に、センサ装置3がその10分間の間に計測した消費電力量の時系列データを収集する。なお、本実施形態では、データ収集装置2は、センサ装置3の計測時刻毎に、センサ装置3から時系列データを収集するものとする。
【0035】
なお、図2に示す例では、データ収集装置2aが3つのセンサ装置3と接続され、データ収集装置2bが2つのセンサ装置3と接続されているが、これに限るものではない。データ収集装置2は、少なくとも1つのセンサ装置3と接続されていればよい。
【0036】
データ分析装置1は、生産機器4の各種時系列データを比較するために、データ収集装置2から1または複数の時系列データを取得し、取得した1または複数の時系列データから抽出した複数のデータを単一のグラフ上にプロットして比較グラフを作成するものである。また、データ分析装置1は、作成した比較グラフ上の所定の系列を時間軸方向に移動させて、比較グラフ上の各系列を任意の基準点で一致させることができるものである。
【0037】
ここで、データ分析装置1が取得した1または複数の時系列データから抽出したデータを部分時系列データと称する。すなわち、部分時系列データは、取得した時系列データの一部または全部である。
【0038】
比較グラフは、例えば、各部分時系列データ(各系列)を折れ線グラフ、積み上げグラフ、棒グラフ等で描画したものである。データ分析装置1は、時間をX軸とし、Y軸を物理量として比較グラフを作成する。Y軸の物理量は複数種類あってもよい。すなわち、物理量が異なる時系列データ(部分時系列データ)を単一のグラフ上にプロットすることができる。
【0039】
データ分析装置1は、例えば、PC等で実現されるものである。データ分析装置1の構成および機能について、詳細は後述する。
【0040】
なお、図2に示す例では、データ分析装置1が2つのデータ収集装置2と接続されているが、これに限るものではない。データ分析装置1は、少なくとも1つのデータ収集装置2と接続されていればよい。
【0041】
また、図2に示す例では、データ分析システム6は、1つのデータ分析装置1、2つのデータ収集装置2、5つのセンサ装置3および5つの生産機器4を含んでいるがこれに限るものではない。データ分析システム6は、データ分析装置1、データ収集装置2、センサ装置3および生産機器4をそれぞれ少なくとも1つ含んでいればよい。
【0042】
〔データ分析装置の構成〕
図1は、データ分析装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、データ分析装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、表示部14および操作部(入力手段)15を備えている。なお、データ分析装置1は、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
【0043】
通信部13は、無線通信手段または有線通信手段によって、データ収集装置2等の他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。例えば、通信部13は、制御部11の指示に従って、データ収集装置2から時系列データを取得する。
【0044】
なお、SDカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶装置を用いて、データ分析装置1とデータ収集装置2との間のデータのやり取りを行う場合、通信部13は、USBポート等の入出力インターフェースとして機能するものとする。
【0045】
表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示するものである。表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0046】
操作部15は、ユーザがデータ分析装置1に指示信号を入力し、データ分析装置1を操作するためのものである。操作部15は、キーボード、マウス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。また、操作部15と表示部14とが一体となっているタッチパネルであってもよい。また、操作部15は、データ分析装置1と別体のリモートコントローラ等の遠隔制御装置であってもよい。
【0047】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、画像処理装置1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0048】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、データ取得部(データ取得手段)21、データ生成部(データ生成手段)22、データ選択部23、データ抽出部(データ抽出手段)24、経過時間付与部(経過時間算出手段)25、グラフ作成部(グラフ作成手段)26、表示制御部(表示制御手段)27および時間シフト部(時間シフト手段)28を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(21〜27)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0049】
データ取得部21は、通信部13を介して、データ収集装置2から時系列データを取得するものである。データ取得部21は、取得した時系列データをデータ選択部23および表示制御部27に出力する。また、データ取得部21は、取得した時系列データをデータ生成部22に出力してもよい。
【0050】
データ取得部21は、時系列データの種別毎に、時系列データを取得する。例えば、データ収集装置2aがプレス機4aの消費電力量の時系列データ(電力時系列データA)、洗浄機4bの消費電力量の時系列データ(電力時系列データB)および成型機4cの消費電力量の時系列データ(電力時系列データC)を保持している場合、データ取得部21は、データ収集装置2aから電力時系列データA、電力時系列データBおよび電力時系列データCをそれぞれ取得する。
【0051】
また、データ取得部21は、センサ装置3の計測毎に、または、所定時間毎に、時系列データを取得する。このとき、データ取得部21は、時系列データの種別毎に、取得間隔を変更してもよい。また、データ取得部21は、ユーザの指示、つまり、操作部15からの指示信号に基づいて、所定の時系列データをデータ収集装置2から取得してもよい。なお、本実施形態では、データ取得部21は、センサ装置3の計測時刻毎に、データ収集装置2から時系列データを取得するものとする。
【0052】
データ生成部22は、データ取得部21が取得した複数種類の時系列データから、新たに時系列データを生成するものである。例えば、データ取得部21がコンプレッサー4dの消費電力量の時系列データと、エア流量の時系列データとを取得した場合、データ生成部22は、エア流量の時系列データを消費電力量の時系列データで除算して、コンプレッサー4dの出力効率の時系列データを生成してもよい。また、データ取得部21がプレス機4aの消費電力量の時系列データ(電力時系列データA)、洗浄機4bの消費電力量の時系列データ(電力時系列データB)および成型機4cの消費電力量の時系列データ(電力時系列データC)を取得した場合、データ生成部22は、電力時系列データA、電力時系列データBおよび電力時系列データCを合計した合計消費電力の時系列データを生成してもよい。
【0053】
データ生成部22は、予め定められたルールに基づいて、自動的に新たな時系列データを生成してもよいし、ユーザの指示に基づいて新たな時系列データを生成してもよい。データ生成部22は、生成した新たな時系列データをデータ選択部23および表示制御部27に出力する。
【0054】
データ選択部23は、データ取得部21が取得した時系列データおよび/またはデータ生成部22が生成した時系列データの中から、比較グラフに追加する時系列データを、ユーザの指示に基づいて選択するものである。また、データ選択部23は、データ取得部21が取得した時系列データおよび/またはデータ生成部22が生成した時系列データの中から、比較グラフに追加する時系列データを、予め定められたルールに従って選択してもよい。データ選択部23は、選択した時系列データをデータ抽出部24および表示制御部27に通知する。
【0055】
データ抽出部24は、ユーザの指示に基づいて、データ選択部23が選択した時系列データのうちの所定の期間を特定し、特定した時系列データの所定の期間である部分時系列データを抽出するものである。また、データ抽出部24は、予め定められたルールに従って、データ選択部23が選択した時系列データのうちの所定の期間を特定し、部分時系列データを抽出してもよい。
【0056】
例えば、データ選択部23が選択した時系列データが図3に示す時系列データであって、ユーザが「2011年1月1日1時00分から2時59分まで」の期間を指定した場合、データ抽出部24は、図3に示す時系列データから図4に示す部分時系列データを抽出する。データ抽出部24は、抽出した部分時系列データを経過時間付与部25に出力する。
【0057】
経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データ毎に、部分時系列データに経過時間を付与して経過時間データを生成するものである。具体的には、経過時間付与部25は、部分時系列データの先頭の時刻(先頭時刻)を基準時刻とし、当該部分時系列データに含まれる計測時刻に対して、基準時刻から経過した時間(経過時間)を算出し、部分時系列データの各計測時刻に対応する経過時間をそれぞれ付与して、部分時系列データから経過時間データを生成する。例えば、経過時間付与部25は、図4に示す部分時系列データに経過時間を付与して、図5に示す経過時間データを生成する。経過時間付与部25は、生成した経過時間データをグラフ作成部26に出力する。
【0058】
なお、基準時刻は部分時系列データの先頭時刻に限らず、任意の時刻であってよい。すなわち、経過時間は、部分時系列データに含まれる計測時刻と基準時刻との差分として算出してもよい(経過時間=計測時刻−基準時刻)。
【0059】
グラフ作成部26は、経過時間付与部25が生成した経過時間データに基づいて、X軸を経過時間、Y軸を物理量とする比較グラフを作成するものである。ここで、経過時間データが複数ある場合、グラフ作成部26は、1つの比較グラフ上に複数の経過時間データをプロットする。
【0060】
表示制御部27は、データ取得部21および/またはデータ生成部22から時系列データを受信し、受信した時系列データの種別の一覧を表示部14に表示させる。この状態において、ユーザは、操作部15を操作して、所定の時系列データを選択する。
【0061】
表示制御部27は、データ選択部23から選択した時系列データを示す通知を受信すると、データ選択部23が選択した時系列データを表示する。具体的には、例えば、表示制御部27は、データ選択部23が選択した時系列データを、X軸を計測時刻、Y軸を物理量としてグラフにして表示する。または、表示制御部27は、データ選択部23が選択した時系列データを、計測時刻(時刻)と物理量(数値)との対応関係を表にして表示する。データ選択部23が選択した時系列データが表示されている状態において、ユーザは、操作部15を操作して、表示されている時系列データから所定の期間を指定する。
【0062】
表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した比較グラフを表示部14に表示させる。
【0063】
時間シフト部28は、ユーザの指示に基づいて、グラフ作成部26が保持する経過時間データの経過時間をシフトさせて、経過時間データを更新するものである。時間シフト部28は、経過時間をシフトさせた、シフト後の経過時間データをグラフ作成部26に出力する。例えば、時間シフト部28は、図5に示す経過時間データの経過時間を「+10分」シフトさせて、図6に示す経過時間データに更新する。
【0064】
グラフ作成部26は、時間シフト部28から更新した経過時間データを取得すると、その更新された経過時間データに基づいて、比較グラフを更新する。そして、表示制御部27は、グラフ作成部26が更新した比較グラフを表示部14に表示させる。
【0065】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものである。例えば、データ取得部21が取得した時系列データ、データ生成部22が生成した時系列データ、データ抽出部24が抽出した部分時系列データ、経過時間付与部25が生成した経過時間データ、グラフ作成部26が作成した比較グラフ、および、時間シフト部28が経過時間をシフトした経過時間データ等を格納してもよい。
【0066】
〔比較グラフ作成処理〕
次に、データ分析装置1が実行する比較グラフ作成処理について図7に基づいて説明する。図7は、データ分析装置1が実行する比較グラフ作成処理の一例を示す図である。ここでは、図8に示すように、或る時系列データDから3つの部分時系列データDa0,Db0,Dc0を抽出し、比較グラフを作成するものとする。図8は、表示部14に表示される画面を用いて、比較グラフ作成処理を模式的に示す図である。
【0067】
図7に示すように、まず、データ取得部21が、通信部13を介して、データ収集装置2から時系列データを取得する(S1)。そして、表示制御部27は、データ取得部21が取得した時系列データの種別の一覧を表示部14に表示させる。
【0068】
表示部14に時系列データの種別の一覧が表示されている状態において、ユーザが操作部15を操作して、所定の時系列データDを選択すると、データ選択部23は、ユーザが選択した時系列データDを比較グラフに追加する時系列データとして特定する(S2)。そして、表示制御部27は、データ選択部23が特定した時系列データD(つまり、ユーザが選択した時系列データD)が比較グラフに追加する時系列データとして選択されている状態であることを表示部14に表示する。ここでは、比較グラフに追加する時系列データが選択されると、図8に示すように、表示制御部27は、データ選択部23が選択した時系列データDを、X軸を計測時刻、Y軸を物理量としてグラフにして表示するものとする。
【0069】
選択した時系列データDがグラフとして表示されている状態において、ここでは、まず、ユーザが時系列データDから「7月22日06:40〜10:50」の期間を指定したものとする。このとき、データ抽出部24は、データ選択部23が選択した時系列データDから、「7月22日06:40〜10:50」の期間の部分時系列データDa0を抽出する(S3)。
【0070】
次に、経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データDa0に経過時間を付与して経過時間データDa1を生成する(S4)。そして、グラフ作成部26は、X軸を経過時間、Y軸を物理量とするグラフに、経過時間付与部25が生成した経過時間データDa1をプロットして、比較グラフを作成する(S5)。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した比較グラフを表示部14に表示させる(S6)。
【0071】
比較グラフを表示部14に表示した状態で、ユーザは、同じ時系列データDの別の期間の部分時系列データを比較グラフに追加する指示を入力する(S7でNO)。この入力指示に基づいて、データ選択部23は、時系列データDを比較グラフに追加する時系列データとして特定する(S2)。そして、表示制御部27は、時系列データDをグラフにして表示する。
【0072】
時系列データDがグラフとして表示されている状態において、次に、ユーザが時系列データDから「7月18日06:30〜10:45」の期間を指定したものとする。このとき、データ抽出部24は、時系列データDから、「7月18日06:30〜10:45」の期間の部分時系列データDb0を抽出する(S3)。
【0073】
次に、経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データDb0に経過時間を付与して経過時間データDb1を生成する(S4)。そして、グラフ作成部26は、経過時間データDa1がプロットされている比較グラフに、さらに、経過時間データDb1をプロットして比較グラフを作成する(S5)。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した経過時間データDa1およびDb1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示させる(S6)。
【0074】
経過時間データDa1およびDb1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示した状態で、ユーザは、同じ時系列データDの別の期間の部分時系列データを比較グラフに追加する指示を入力する(S7でNO)。この入力指示に基づいて、データ選択部23は、時系列データDを比較グラフに追加する時系列データとして特定する(S2)。そして、表示制御部27は、時系列データDをグラフにして表示する。
【0075】
時系列データDがグラフとして表示されている状態において、次に、ユーザが時系列データDから「7月15日06:45〜10:50」の期間を指定したものとする。このとき、データ抽出部24は、時系列データDから、「7月15日06:45〜10:50」の期間の部分時系列データDc0を抽出する(S3)。
【0076】
次に、経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データDc0に経過時間を付与して経過時間データDc1を生成する(S4)。そして、グラフ作成部26は、経過時間データDa1およびDb1がプロットされている比較グラフに、さらに、経過時間データDc1をプロットして比較グラフを作成する(S5)。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した経過時間データDa1、Db1およびDc1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示させる(S6)。
【0077】
経過時間データDa1、Db1およびDc1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示した状態で、ユーザは、比較グラフの作成完了指示を入力し(S7でYES)、データ分析装置1は、比較グラフ作成処理を終了する。
【0078】
なお、図7に示す処理例では、データ選択部23は、データ取得部21が取得した時系列データから所定の時系列データを選択しているが、これに限るものではない。例えば、データ選択部23は、データ生成部22が生成した時系列データから所定の時系列データを選択してもよい。
【0079】
また、図7に示す処理例では、S1の後、表示制御部27が時系列データの種別の一覧を表示させているがこれに限るものではない。例えば、表示制御部27は、データ取得部21が取得した時系列データを1または複数のグラフにして表示部14に表示させてもよい。この場合、ユーザは表示されているグラフ上の系列の中から1つ選択し、データ選択部23は、ユーザが選択した系列に対応する時系列データを比較グラフに追加する時系列データとして特定する。
【0080】
また、図7に示す処理例では、ユーザが部分時系列データを指定する毎に、比較グラフを作成して表示しているがこれに限るものではない。例えば、ユーザが一度に複数の部分時系列データを指定し、指定した複数の部分時系列データに基づく複数の経過時間データをプロットした比較グラフを作成して表示してもよい。
【0081】
また、上述の処理例では、同じ時系列データDからユーザが任意の期間を指定(すなわち、不規則に期間を指定)しているが、これに限るものではなく、時系列データから規則的に複数の部分時系列データを抽出してもよい。例えば、図9に示すように、ユーザが時系列データDの起点と周期とを指定し、指定した起点および周期に基づいて、時系列データDから複数の部分時系列データを抽出してもよい。図9に示す例では、ユーザが起点を「7月17日00:00」とし、周期を「1日(00:00〜23:59)」として指定し、データ抽出部24が、時系列データDから「7月16日00:00〜23:59」の期間の部分時系列データDd0、「7月15日00:00〜23:59」の期間の部分時系列データDe0、および、「7月14日00:00〜23:59」の期間の部分時系列データDf0を抽出する。
【0082】
また、上述の処理例では、同じ時系列データDから部分時系列データを抽出しているが、これに限るものではなく、複数の時系列データからそれぞれ部分時系列データを抽出してもよい。
【0083】
〔系列移動処理〕
次に、データ分析装置1が実行する系列移動処理について図10に基づいて説明する。図10は、データ分析装置1が実行する系列移動処理の一例を示す図である。ここでは、図11に示すように、5つの経過時間データE1,F1,G1,H1,I1がプロットされており、5つの経過時間データE1,F1,G1,H1,I1に対応する5つの系列E2,F2,G2,H2,I2が比較グラフ上に描画されているものとする。図11は、系列移動処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。
【0084】
図11(a)に示すように比較グラフが表示されている状態において、時間シフト部28は、ユーザが比較グラフ上の何れかの系列を選択するのを待つ。すなわち、時間シフト部28は、操作部15から所定の系列を選択する指示信号が送信されるのを待つ(S11)。
【0085】
ここで、図11(b)に示すように、ユーザが系列E2を選択したとする。このとき、時間シフト部28は、操作部15から系列E2を選択する指示信号を受信し(S11でYES)、系列E2に対応する経過時間データE1が選択されたことを表示制御部27に通知する。表示制御部27は、経過時間データE1が選択されたことを示す通知を受信すると、例えば、経過時間データE1の折れ線グラフを太線に変更する等をすることにより、経過時間データE1が現在選択中であることをユーザに通知する。
【0086】
経過時間データE1が選択中の状態において、時間シフト部28は、選択中の系列E2を経過時間軸方向に移動する操作をユーザが入力するのを待つ。すなわち、時間シフト部28は、操作部15から選択中の系列E2を経過時間軸方向に移動させる指示信号が送信されるのを待つ(S12)。
【0087】
ここで、図11(b)に示すように、ユーザが系列E2を経過時間軸方向にシフトする操作を行ったものとする。このとき、時間シフト部28は、操作部15から系列E2を経過時間軸方向に移動させる指示信号を受信し(S12でYES)、系列E2に対応する、グラフ作成部26が保持する経過時間データE1の経過時間をシフトさせて、経過時間データE1’を作成する(S13)。
【0088】
時間シフト部28は、作成したシフト後の経過時間データE1’をグラフ作成部26に出力する。そして、グラフ作成部26は、時間シフト部28が作成した経過時間データE1’と自身が保持する経過時間データF1、G1、H1、I1とに基づいて、比較グラフを作成する。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した比較グラフを表示部14に表示させる(S14)。
【0089】
なお、S12において、ユーザが系列E2を経過時間軸方向にシフトする操作とは、例えば、系列E2をクリックして経過時間軸方向にドラッグすることである。
【0090】
また、S11において、所定の系列が選択された場合、表示制御部27は、経過時間データに基づいて、選択された系列に対応する経過時間データに含まれる物理量の計測時刻を表示してもよい。図11(b)に示す例では、比較グラフの上部に系列E2の物理量に対応する計測時刻が表示されている。また、この場合、ユーザは、計測時刻の軸をクリックして、計測時刻を軸方向に移動させることによって、系列を移動させてもよい。
【0091】
このように、系列E2〜I2を移動させる指示に基づいて、経過時間データE1〜I1の各データの時間をそれぞれシフトさせることにより、図11(c)に示すように、各経過時間データを任意の基準点で揃えられることができる。よって、各経過時間データに含まれる物理量を容易に比較することができる。
【0092】
具体的には、図12に示すように、各系列を所定の基準点で合わせることにより、或る系列に関して、それ以外の他の系列と波形パターンが異なる点を容易に、精度良く判別することができる。例えば、図12に示す例では、立ち上がりの時間や昼休みの時間、終了時等で各系列間で波形パターンに差異が見られる。この差異に基づいて、所定の系列、つまり、所定の生産機器4の物理量の異常等を発見することができる。
【0093】
〔グラフ表示例〕
次に、データ分析装置1が実行する比較グラフの表示加工処理について図13〜図17に基づいて説明する。図13は、比較グラフの拡大縮小処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図14は、比較グラフの系列選択処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図15は、比較グラフの系列入替処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図16は、比較グラフのグラフ種別切替処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図17は、比較グラフの周期変更処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。
【0094】
まず、図13に基づいて比較グラフの拡大縮小処理の一例を説明する。図13(a)に示す比較グラフが表示されている状態において、ユーザが所定の範囲を選択して、その範囲を拡大する操作を行うと、表示制御部27は、図13(b)に示すように、ユーザが指定した範囲の時間軸を拡大して表示する。この操作により、ユーザは、各系列の詳細な物理量の変化を判別することができる。
【0095】
次に、図14に基づいて比較グラフの系列選択処理の一例を説明する。図14(a)に示すように、比較グラフ上に4つの系列L2、M2、N2、O2が表示されているものとする。この状態において、ユーザが系列N2およびO2のチェックボックスをクリックし、チェックを外したとする。このとき、図14(b)に示すように、表示制御部27は、系列L2およびM2だけを比較グラフ上にプロットし、系列N2およびO2を非表示とする。このように、一度比較グラフ上に追加した系列を、系列単位で表示/非表示を切り替えることができる。
【0096】
次に、図15に基づいて比較グラフの系列入替処理の一例を説明する。図15(a)に示すように、上から系列P2、Q2の順で積み上げグラフとして、比較グラフ上に2つの系列P2およびQ2が表示されているものとする。この状態において、ユーザが系列P2とQ2の順番を入れ替える操作を行ったとする。このとき、図15(b)に示すように、表示制御部27は、上から系列Q2、P2の順で積み上げグラフを描画して比較グラフを表示する。このように、積み上げグラフで各系列が比較グラフ上に描画されている場合、系列の順序を入れ替えることができる。
【0097】
次に、図16に基づいて比較グラフのグラフ種別切替処理の一例を説明する。図16(a)に示すように、積み上げグラフで比較グラフ上に4つの系列R2、S2、T2およびU2が表示されているものとする。この状態において、ユーザがグラフの種別を切り替える操作を行ったとする。例えば、グラフの種別を折れ線グラフに切り替えた場合、図15(b)に示すように、表示制御部27は、各系列R2、S2、T2およびU2を、それぞれ折れ線グラフで比較グラフ上に描画する。また、グラフの種別を円グラフに切り替えた場合、図15(c)に示すように、表示制御部27は、各系列R2、S2、T2およびU2を、それぞれ円グラフで比較グラフ上に描画する。
【0098】
なお、円グラフに切り替える場合、所定の期間内の全経過時間データの物理量の合計値を母数とする、各経過時間データの所定期間内の物理量の合計値の割合をそれぞれ算出する。
【0099】
最後に、図17に基づいて比較グラフの周期変更処理の一例を説明する。図17(a)に示すように、積み上げグラフで比較グラフ上に4つの系列V2、W2、X2およびY2が表示されているものとする。また、4つの系列V2、W2、X2およびY2に対応する経過時間データV1、W1、X1およびY1は、10分毎の物理量の変化を示すデータであるとする。つまり、経過時間データV1、W1、X1およびY1の元データである部分時系列データV0、W0、X0およびY0は、10分毎に計測された物理量の変化を示すデータであるとする。
【0100】
この状態において、ユーザが計測周期を「10分単位」から「1時間単位」に変更する操作を行ったとする。このとき、グラフ作成部26は、経過時間データV1、W1、X1およびY1を1時間毎に物理量を合計して、1時間毎の合計物理量を示す経過時間データをそれぞれ生成する。例えば、経過時間0分〜50分までの6つの物理量の値を合計して経過時間0時間の物理量とし、経過時間60分〜110分までの6つの物理量の値を合計して経過時間1時間の物理量とする。表示制御部27は、グラフ作成部26が新たに生成した1時間毎の合計物理量を示す経過時間データに基づいて、図17(b)に示すように、4つの系列V2、W2、X2およびY2を比較グラフ上に描画する。
【0101】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0102】
最後に、データ分析装置1の各ブロック、特に制御部11は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0103】
すなわち、データ分析装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ分析装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、データ分析装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0104】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0105】
また、データ分析装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、生産機器の物理量を解析・分析する装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 データ分析装置(データ比較装置)
2 データ収集装置
3 センサ装置
4 生産機器(機器)
6 データ分析システム
11 制御部
12 記憶部
14 表示部
15 操作部(入力手段)
21 データ取得部(データ取得手段)
22 データ生成部(データ生成手段)
23 データ選択部
24 データ抽出部(データ抽出手段)
25 経過時間付与部(経過時間算出手段)
26 グラフ作成部(グラフ作成手段)
27 表示制御部(表示制御手段)
28 時間シフト部(時間シフト手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産機器の物理量の時系列データを比較するデータ比較装置、データ比較方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生産機器の物理量の時系列データ(例えば、消費電力の時系列データ等)を取得し、この時系列データの分析に基づいて、生産性の向上や消費電力の削減等の省エネルギー化などを図ることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1〜4には、電力量の時系列データに対して、サイクルタイム(稼動単位、原単位等)ごとのパターン波形と比較して、パターン波形との差異を検出し、検出結果に基づいて生産性の低下や消費電力の無駄を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−250381号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献2】特開2010−250382号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献3】特開2010−250383号公報(2010年11月4日公開)
【特許文献4】特開2010−250384号公報(2010年11月4日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、時系列データからサイクルタイムを自動的に精度良く抽出することが困難であるという問題がある。
【0006】
具体的には、生産機器の物理量の時系列データは、同一の機器で同一の製造物を生産する場合であっても、設置されている環境(温度、湿度等)や時期等により変動するため、サイクルタイムを抽出するためにパラメータ(パターン波形、間隔等)を適切に設定することが困難である。そのため、サイクルタイムを正しく抽出できない場合がある。
【0007】
また、サイクルタイムを抽出できたとしても、サイクルタイムに周期性が保たれていない場合、見た目で比較のための基準点が判断できる場合であっても、自動的に基準点を特定することができない場合がある。それゆえ、抽出した複数のサイクルタイムを基準点で合わせることができず、比較できない場合がある。よって、パターン波形との差異点等の改善点の抽出ができない場合がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グラフ上において、任意の基準点で複数の時系列データを容易に合わせることが可能なデータ比較装置、データ比較方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るデータ比較装置は、上記課題を解決するために、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出手段と、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出手段が算出した経過時間に基づいて、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成手段と、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフト手段とを備え、上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るデータ比較方法は、上記課題を解決するために、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出ステップと、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出ステップと、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出ステップにおいて算出された経過時間に基づいて、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成ステップと、ユーザからの操作指示を受け付ける入力ステップと、上記入力ステップにおいて入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフトステップと、上記時間シフトステップにおいてシフトされた経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新するグラフ更新ステップとを含むことを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、上記グラフ作成手段は、1または複数の時系列データから抽出した複数の部分時系列データを、部分時系列データに含まれる各計測時刻にそれぞれ対応する経過時間に基づいて、部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして比較グラフを作成する。また、上記時間シフト手段は、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる、ユーザからの操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトし、上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新する。
【0012】
上記経過時間は、所定の基準時刻から部分時系列データに含まれる各計測時刻までの差分時間である。そのため、上記グラフ作成手段は、この経過時間を軸として上記比較グラフを作成するため、部分時系列データ毎に、部分時系列データに含まれる各計測時刻の時間幅を維持したまま、計測時刻や計測間隔が異なる複数の部分時系列データを単一のグラフ上に描画することができる。つまり、各部分時系列データに対応する各系列の波形パターンを維持したまま単一のグラフ上に描画することができる。
【0013】
上記時間シフト手段は、比較グラフ上の所定の系列を移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトするため、上記グラフ作成手段は、上記系列を示す部分時系列データの経過時間の時間幅を維持したまま、シフトされた経過時間に基づいて上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画することができる。つまり、上記グラフ作成手段は、ユーザが移動を指示した系列の波形パターンを維持したまま、当該系列を時間軸方向に移動させることができる。
【0014】
よって、立ち上がり時刻やサイクルタイム等の基準点がずれている時系列データであっても、ユーザが比較グラフ上で経過時間軸方向に移動させることにより、任意の基準点で複数の時系列データを合わせることができる。従って、複数の時系列データを簡単に比較することができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係るデータ比較装置は、上記グラフ作成手段が作成したグラフを表示する表示制御手段をさらに備え、上記入力手段が比較グラフ上の所定の系列を選択する操作指示を受け付けると、上記表示制御手段は、上記操作指示に基づいて、上記比較グラフ上にプロットされている上記系列を示す部分時系列データの物理量に対応する計測時刻を表示することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記表示制御手段は、ユーザが上記比較グラフ上の所定の系列を選択すると、選択された系列を示す部分時系列データの物理量に対応する計測時刻を表示する。上記比較グラフは経過時間を軸として各系列が描画されているため、仮に、各系列が経過時間軸方向に移動したとしても、経過時間がシフトされるだけであり、各部分時系列データにおて、物理量と計測時刻との対応関係は維持されたままである。
【0017】
そのため、例えば、各系列を移動させて所定の系列の波形パターンの異常を発見した場合であっても、上記所定の系列を選択することにより、波形パターンの異常個所の物理量が計測された時刻、つまり、異常が発生した時刻を正確に知ることができる。
【0018】
また、本発明に係るデータ比較装置は、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、新たな時系列データを生成するデータ生成手段をさらに備え、上記データ抽出手段は、上記データ取得手段が取得した時系列データおよび/または上記データ生成手段が生成した時系列データから、部分時系列データを複数抽出することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記データ生成手段は、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、新たな時系列データを生成し、上記データ抽出手段は、上記データ取得手段が取得した時系列データおよび/または上記データ生成手段が生成した時系列データから、部分時系列データを複数抽出する。そのため、上記データ取得手段が取得した時系列データだけではなく、取得した時系列データから生成した新たな時系列データも含めて比較することができる。
【0020】
なお、上記データ比較装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記データ比較装置の各手段として動作させることにより、上記データ比較装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係るデータ比較装置は、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得手段と、上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出手段と、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出手段と、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出手段が算出した経過時間に基づいて、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成手段と、ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、上記入力手段に入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフト手段とを備え、上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新する。
【0022】
また、本発明に係るデータ比較方法は、機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにおいて取得された1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出ステップと、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出ステップと、上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出ステップにおいて算出された経過時間に基づいて、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成ステップと、ユーザからの操作指示を受け付ける入力ステップと、上記入力ステップにおいて入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフトステップと、上記時間シフトステップにおいてシフトされた経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新するグラフ更新ステップとを含む。
【0023】
よって、立ち上がり時刻やサイクルタイム等の基準点がずれている時系列データであっても、ユーザが比較グラフ上で経過時間軸方向に移動させることにより、任意の基準点で複数の時系列データを合わせることができる。従って、複数の時系列データを簡単に比較することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、データ分析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデータ分析システムの概要を示す図である。
【図3】上記データ分析装置が取得する時系列データの一例を示す図である。
【図4】上記時系列データから抽出された部分時系列データの一例を示す図である。
【図5】上記部分時系列データに経過時間を付与した経過時間データの一例を示す図である。
【図6】経過時間がシフトされた経過時間データの一例を示す図である。
【図7】上記データ分析装置が実行する比較グラフ作成処理の一例を示す図である。
【図8】上記データ分析装置の表示部に表示される画面を用いて、比較グラフ作成処理を模式的に示す図である。
【図9】上記データ分析装置の表示部に表示される画面を用いて、比較グラフ作成処理を模式的に示す図である。
【図10】上記データ分析装置が実行する系列移動処理の一例を示す図である。
【図11】系列移動処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図12】比較グラフの一例を示す図である。
【図13】比較グラフの拡大縮小処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図14】比較グラフの系列選択処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図15】比較グラフの系列入替処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図16】比較グラフのグラフ種別切替処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図17】比較グラフの周期変更処理時に表示部に表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態について図1から図17に基づいて説明すると以下の通りである。
【0026】
〔データ分析システムの構成〕
まず、本発明に係るデータ分析装置(データ比較装置)を含むデータ分析システムについて、図2に基づいて説明する。図2は、データ分析システム6の概要を示す図である。
【0027】
図2に示すように、データ分析システム6は、データ分析装置1、データ収集装置2aおよび2b、センサ装置3a〜3e、並びに、プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4dおよびコンプレッサー4eを含むものである。
【0028】
センサ装置3a〜3eは、それぞれ、プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4d、コンプレッサー4eと接続されている。また、データ収集装置2aは、センサ装置3a、3bおよび3cと接続されており、データ収集装置2bは、センサ装置3dおよび3eと接続されている。また、データ分析装置1は、ネットワーク5を介してデータ収集装置2aおよび2bと接続されている。
【0029】
プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4dおよびコンプレッサー4eは、工場等に設置されているものであって、所定の製造物を生産する機器、または、所定の製造物を生産するために使用する機器である。以下では、所定の製造物を生産する機器、または、所定の製造物を生産するために使用する機器を総称して生産機器と称する。また、プレス機4a、洗浄機4b、成型機4c、コンプレッサー4dおよびコンプレッサー4eを生産機器(機器)4として総称するものとする。
【0030】
センサ装置3a〜3eは、生産機器4の消費電力量(電力量)等の所定の物理量の時間的変化を連続的に、または一定間隔をおいて不連続に計測するものである。以下では、センサ装置3a〜3eを区別しない場合、センサ装置3として総称する。センサ装置3が計測する物理量は、消費電力量に限らず、例えば、コンプレッサー4dおよび4eのエア流量、成型機4cに投入される材料投入量もしくは成型機から生成される生成物の生成量、または、生産機器4の温度、湿度、振動もしくは圧力等であってもよい。センサ装置3は、計測した所定の物理量の時系列データをデータ収集装置2aおよび2bに出力する。
【0031】
センサ装置3は、例えば、図3に示すような時系列データを出力する。図3に示す例では、生産機器4の消費電力量と、消費電力量を計測した計測時刻とが対応付けられている。すなわち、時系列データは、生産機器4の物理量の時間的変化を示すデータである。図3に示す例では、センサ装置3は、1分毎に生産機器4の消費電力を計測しているが、これに限るものではない。例えば、センサ装置3の計測単位(計測間隔)は、10分でもよいし、秒単位でもよいし、時間単位でもよいし、日単位でもよい。
【0032】
なお、図2に示す例では、1つのセンサ装置3が、1つの生産機器4の物理量を計測するようになっているが、これに限るものではない。1つのセンサ装置3が、複数の生産機器4の物理量を計測してもよい。さらに、センサ装置3は、1つの生産機器4から1種類の物理量(例えば、消費電力量のみ)を計測してもよいし、複数種類の物理量(例えば、消費電力量およびエア流量)を計測してもよい。
【0033】
データ収集装置2aおよび2bは、接続されているセンサ装置3から、センサ装置3が計測した時系列データを収集し、収集した時系列データをデータ分析装置1にネットワーク5を介して送信するものである。以下では、データ収集装置2aおよび2bを区別しない場合、データ収集装置2として総称する。データ収集装置2とセンサ装置3とは、有線通信手段または無線通信手段によって接続されていればよい。
【0034】
データ収集装置2は、センサ装置3の計測毎に、または、所定時間毎に、センサ装置3から時系列データを収集してもよい。例えば、センサ装置3が1分毎に消費電力量を計測する場合、データ収集装置2は、1分毎にセンサ装置3から消費電力量を収集してもよい。また、データ収集装置2は、10分毎にセンサ装置3から消費電力量を収集してもよい。この場合、データ収集装置2は、10分毎に、センサ装置3がその10分間の間に計測した消費電力量の時系列データを収集する。なお、本実施形態では、データ収集装置2は、センサ装置3の計測時刻毎に、センサ装置3から時系列データを収集するものとする。
【0035】
なお、図2に示す例では、データ収集装置2aが3つのセンサ装置3と接続され、データ収集装置2bが2つのセンサ装置3と接続されているが、これに限るものではない。データ収集装置2は、少なくとも1つのセンサ装置3と接続されていればよい。
【0036】
データ分析装置1は、生産機器4の各種時系列データを比較するために、データ収集装置2から1または複数の時系列データを取得し、取得した1または複数の時系列データから抽出した複数のデータを単一のグラフ上にプロットして比較グラフを作成するものである。また、データ分析装置1は、作成した比較グラフ上の所定の系列を時間軸方向に移動させて、比較グラフ上の各系列を任意の基準点で一致させることができるものである。
【0037】
ここで、データ分析装置1が取得した1または複数の時系列データから抽出したデータを部分時系列データと称する。すなわち、部分時系列データは、取得した時系列データの一部または全部である。
【0038】
比較グラフは、例えば、各部分時系列データ(各系列)を折れ線グラフ、積み上げグラフ、棒グラフ等で描画したものである。データ分析装置1は、時間をX軸とし、Y軸を物理量として比較グラフを作成する。Y軸の物理量は複数種類あってもよい。すなわち、物理量が異なる時系列データ(部分時系列データ)を単一のグラフ上にプロットすることができる。
【0039】
データ分析装置1は、例えば、PC等で実現されるものである。データ分析装置1の構成および機能について、詳細は後述する。
【0040】
なお、図2に示す例では、データ分析装置1が2つのデータ収集装置2と接続されているが、これに限るものではない。データ分析装置1は、少なくとも1つのデータ収集装置2と接続されていればよい。
【0041】
また、図2に示す例では、データ分析システム6は、1つのデータ分析装置1、2つのデータ収集装置2、5つのセンサ装置3および5つの生産機器4を含んでいるがこれに限るものではない。データ分析システム6は、データ分析装置1、データ収集装置2、センサ装置3および生産機器4をそれぞれ少なくとも1つ含んでいればよい。
【0042】
〔データ分析装置の構成〕
図1は、データ分析装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、データ分析装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、表示部14および操作部(入力手段)15を備えている。なお、データ分析装置1は、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
【0043】
通信部13は、無線通信手段または有線通信手段によって、データ収集装置2等の他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。例えば、通信部13は、制御部11の指示に従って、データ収集装置2から時系列データを取得する。
【0044】
なお、SDカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶装置を用いて、データ分析装置1とデータ収集装置2との間のデータのやり取りを行う場合、通信部13は、USBポート等の入出力インターフェースとして機能するものとする。
【0045】
表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示するものである。表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0046】
操作部15は、ユーザがデータ分析装置1に指示信号を入力し、データ分析装置1を操作するためのものである。操作部15は、キーボード、マウス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。また、操作部15と表示部14とが一体となっているタッチパネルであってもよい。また、操作部15は、データ分析装置1と別体のリモートコントローラ等の遠隔制御装置であってもよい。
【0047】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、画像処理装置1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0048】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、データ取得部(データ取得手段)21、データ生成部(データ生成手段)22、データ選択部23、データ抽出部(データ抽出手段)24、経過時間付与部(経過時間算出手段)25、グラフ作成部(グラフ作成手段)26、表示制御部(表示制御手段)27および時間シフト部(時間シフト手段)28を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(21〜27)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0049】
データ取得部21は、通信部13を介して、データ収集装置2から時系列データを取得するものである。データ取得部21は、取得した時系列データをデータ選択部23および表示制御部27に出力する。また、データ取得部21は、取得した時系列データをデータ生成部22に出力してもよい。
【0050】
データ取得部21は、時系列データの種別毎に、時系列データを取得する。例えば、データ収集装置2aがプレス機4aの消費電力量の時系列データ(電力時系列データA)、洗浄機4bの消費電力量の時系列データ(電力時系列データB)および成型機4cの消費電力量の時系列データ(電力時系列データC)を保持している場合、データ取得部21は、データ収集装置2aから電力時系列データA、電力時系列データBおよび電力時系列データCをそれぞれ取得する。
【0051】
また、データ取得部21は、センサ装置3の計測毎に、または、所定時間毎に、時系列データを取得する。このとき、データ取得部21は、時系列データの種別毎に、取得間隔を変更してもよい。また、データ取得部21は、ユーザの指示、つまり、操作部15からの指示信号に基づいて、所定の時系列データをデータ収集装置2から取得してもよい。なお、本実施形態では、データ取得部21は、センサ装置3の計測時刻毎に、データ収集装置2から時系列データを取得するものとする。
【0052】
データ生成部22は、データ取得部21が取得した複数種類の時系列データから、新たに時系列データを生成するものである。例えば、データ取得部21がコンプレッサー4dの消費電力量の時系列データと、エア流量の時系列データとを取得した場合、データ生成部22は、エア流量の時系列データを消費電力量の時系列データで除算して、コンプレッサー4dの出力効率の時系列データを生成してもよい。また、データ取得部21がプレス機4aの消費電力量の時系列データ(電力時系列データA)、洗浄機4bの消費電力量の時系列データ(電力時系列データB)および成型機4cの消費電力量の時系列データ(電力時系列データC)を取得した場合、データ生成部22は、電力時系列データA、電力時系列データBおよび電力時系列データCを合計した合計消費電力の時系列データを生成してもよい。
【0053】
データ生成部22は、予め定められたルールに基づいて、自動的に新たな時系列データを生成してもよいし、ユーザの指示に基づいて新たな時系列データを生成してもよい。データ生成部22は、生成した新たな時系列データをデータ選択部23および表示制御部27に出力する。
【0054】
データ選択部23は、データ取得部21が取得した時系列データおよび/またはデータ生成部22が生成した時系列データの中から、比較グラフに追加する時系列データを、ユーザの指示に基づいて選択するものである。また、データ選択部23は、データ取得部21が取得した時系列データおよび/またはデータ生成部22が生成した時系列データの中から、比較グラフに追加する時系列データを、予め定められたルールに従って選択してもよい。データ選択部23は、選択した時系列データをデータ抽出部24および表示制御部27に通知する。
【0055】
データ抽出部24は、ユーザの指示に基づいて、データ選択部23が選択した時系列データのうちの所定の期間を特定し、特定した時系列データの所定の期間である部分時系列データを抽出するものである。また、データ抽出部24は、予め定められたルールに従って、データ選択部23が選択した時系列データのうちの所定の期間を特定し、部分時系列データを抽出してもよい。
【0056】
例えば、データ選択部23が選択した時系列データが図3に示す時系列データであって、ユーザが「2011年1月1日1時00分から2時59分まで」の期間を指定した場合、データ抽出部24は、図3に示す時系列データから図4に示す部分時系列データを抽出する。データ抽出部24は、抽出した部分時系列データを経過時間付与部25に出力する。
【0057】
経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データ毎に、部分時系列データに経過時間を付与して経過時間データを生成するものである。具体的には、経過時間付与部25は、部分時系列データの先頭の時刻(先頭時刻)を基準時刻とし、当該部分時系列データに含まれる計測時刻に対して、基準時刻から経過した時間(経過時間)を算出し、部分時系列データの各計測時刻に対応する経過時間をそれぞれ付与して、部分時系列データから経過時間データを生成する。例えば、経過時間付与部25は、図4に示す部分時系列データに経過時間を付与して、図5に示す経過時間データを生成する。経過時間付与部25は、生成した経過時間データをグラフ作成部26に出力する。
【0058】
なお、基準時刻は部分時系列データの先頭時刻に限らず、任意の時刻であってよい。すなわち、経過時間は、部分時系列データに含まれる計測時刻と基準時刻との差分として算出してもよい(経過時間=計測時刻−基準時刻)。
【0059】
グラフ作成部26は、経過時間付与部25が生成した経過時間データに基づいて、X軸を経過時間、Y軸を物理量とする比較グラフを作成するものである。ここで、経過時間データが複数ある場合、グラフ作成部26は、1つの比較グラフ上に複数の経過時間データをプロットする。
【0060】
表示制御部27は、データ取得部21および/またはデータ生成部22から時系列データを受信し、受信した時系列データの種別の一覧を表示部14に表示させる。この状態において、ユーザは、操作部15を操作して、所定の時系列データを選択する。
【0061】
表示制御部27は、データ選択部23から選択した時系列データを示す通知を受信すると、データ選択部23が選択した時系列データを表示する。具体的には、例えば、表示制御部27は、データ選択部23が選択した時系列データを、X軸を計測時刻、Y軸を物理量としてグラフにして表示する。または、表示制御部27は、データ選択部23が選択した時系列データを、計測時刻(時刻)と物理量(数値)との対応関係を表にして表示する。データ選択部23が選択した時系列データが表示されている状態において、ユーザは、操作部15を操作して、表示されている時系列データから所定の期間を指定する。
【0062】
表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した比較グラフを表示部14に表示させる。
【0063】
時間シフト部28は、ユーザの指示に基づいて、グラフ作成部26が保持する経過時間データの経過時間をシフトさせて、経過時間データを更新するものである。時間シフト部28は、経過時間をシフトさせた、シフト後の経過時間データをグラフ作成部26に出力する。例えば、時間シフト部28は、図5に示す経過時間データの経過時間を「+10分」シフトさせて、図6に示す経過時間データに更新する。
【0064】
グラフ作成部26は、時間シフト部28から更新した経過時間データを取得すると、その更新された経過時間データに基づいて、比較グラフを更新する。そして、表示制御部27は、グラフ作成部26が更新した比較グラフを表示部14に表示させる。
【0065】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものである。例えば、データ取得部21が取得した時系列データ、データ生成部22が生成した時系列データ、データ抽出部24が抽出した部分時系列データ、経過時間付与部25が生成した経過時間データ、グラフ作成部26が作成した比較グラフ、および、時間シフト部28が経過時間をシフトした経過時間データ等を格納してもよい。
【0066】
〔比較グラフ作成処理〕
次に、データ分析装置1が実行する比較グラフ作成処理について図7に基づいて説明する。図7は、データ分析装置1が実行する比較グラフ作成処理の一例を示す図である。ここでは、図8に示すように、或る時系列データDから3つの部分時系列データDa0,Db0,Dc0を抽出し、比較グラフを作成するものとする。図8は、表示部14に表示される画面を用いて、比較グラフ作成処理を模式的に示す図である。
【0067】
図7に示すように、まず、データ取得部21が、通信部13を介して、データ収集装置2から時系列データを取得する(S1)。そして、表示制御部27は、データ取得部21が取得した時系列データの種別の一覧を表示部14に表示させる。
【0068】
表示部14に時系列データの種別の一覧が表示されている状態において、ユーザが操作部15を操作して、所定の時系列データDを選択すると、データ選択部23は、ユーザが選択した時系列データDを比較グラフに追加する時系列データとして特定する(S2)。そして、表示制御部27は、データ選択部23が特定した時系列データD(つまり、ユーザが選択した時系列データD)が比較グラフに追加する時系列データとして選択されている状態であることを表示部14に表示する。ここでは、比較グラフに追加する時系列データが選択されると、図8に示すように、表示制御部27は、データ選択部23が選択した時系列データDを、X軸を計測時刻、Y軸を物理量としてグラフにして表示するものとする。
【0069】
選択した時系列データDがグラフとして表示されている状態において、ここでは、まず、ユーザが時系列データDから「7月22日06:40〜10:50」の期間を指定したものとする。このとき、データ抽出部24は、データ選択部23が選択した時系列データDから、「7月22日06:40〜10:50」の期間の部分時系列データDa0を抽出する(S3)。
【0070】
次に、経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データDa0に経過時間を付与して経過時間データDa1を生成する(S4)。そして、グラフ作成部26は、X軸を経過時間、Y軸を物理量とするグラフに、経過時間付与部25が生成した経過時間データDa1をプロットして、比較グラフを作成する(S5)。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した比較グラフを表示部14に表示させる(S6)。
【0071】
比較グラフを表示部14に表示した状態で、ユーザは、同じ時系列データDの別の期間の部分時系列データを比較グラフに追加する指示を入力する(S7でNO)。この入力指示に基づいて、データ選択部23は、時系列データDを比較グラフに追加する時系列データとして特定する(S2)。そして、表示制御部27は、時系列データDをグラフにして表示する。
【0072】
時系列データDがグラフとして表示されている状態において、次に、ユーザが時系列データDから「7月18日06:30〜10:45」の期間を指定したものとする。このとき、データ抽出部24は、時系列データDから、「7月18日06:30〜10:45」の期間の部分時系列データDb0を抽出する(S3)。
【0073】
次に、経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データDb0に経過時間を付与して経過時間データDb1を生成する(S4)。そして、グラフ作成部26は、経過時間データDa1がプロットされている比較グラフに、さらに、経過時間データDb1をプロットして比較グラフを作成する(S5)。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した経過時間データDa1およびDb1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示させる(S6)。
【0074】
経過時間データDa1およびDb1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示した状態で、ユーザは、同じ時系列データDの別の期間の部分時系列データを比較グラフに追加する指示を入力する(S7でNO)。この入力指示に基づいて、データ選択部23は、時系列データDを比較グラフに追加する時系列データとして特定する(S2)。そして、表示制御部27は、時系列データDをグラフにして表示する。
【0075】
時系列データDがグラフとして表示されている状態において、次に、ユーザが時系列データDから「7月15日06:45〜10:50」の期間を指定したものとする。このとき、データ抽出部24は、時系列データDから、「7月15日06:45〜10:50」の期間の部分時系列データDc0を抽出する(S3)。
【0076】
次に、経過時間付与部25は、データ抽出部24が抽出した部分時系列データDc0に経過時間を付与して経過時間データDc1を生成する(S4)。そして、グラフ作成部26は、経過時間データDa1およびDb1がプロットされている比較グラフに、さらに、経過時間データDc1をプロットして比較グラフを作成する(S5)。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した経過時間データDa1、Db1およびDc1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示させる(S6)。
【0077】
経過時間データDa1、Db1およびDc1がプロットされている比較グラフを表示部14に表示した状態で、ユーザは、比較グラフの作成完了指示を入力し(S7でYES)、データ分析装置1は、比較グラフ作成処理を終了する。
【0078】
なお、図7に示す処理例では、データ選択部23は、データ取得部21が取得した時系列データから所定の時系列データを選択しているが、これに限るものではない。例えば、データ選択部23は、データ生成部22が生成した時系列データから所定の時系列データを選択してもよい。
【0079】
また、図7に示す処理例では、S1の後、表示制御部27が時系列データの種別の一覧を表示させているがこれに限るものではない。例えば、表示制御部27は、データ取得部21が取得した時系列データを1または複数のグラフにして表示部14に表示させてもよい。この場合、ユーザは表示されているグラフ上の系列の中から1つ選択し、データ選択部23は、ユーザが選択した系列に対応する時系列データを比較グラフに追加する時系列データとして特定する。
【0080】
また、図7に示す処理例では、ユーザが部分時系列データを指定する毎に、比較グラフを作成して表示しているがこれに限るものではない。例えば、ユーザが一度に複数の部分時系列データを指定し、指定した複数の部分時系列データに基づく複数の経過時間データをプロットした比較グラフを作成して表示してもよい。
【0081】
また、上述の処理例では、同じ時系列データDからユーザが任意の期間を指定(すなわち、不規則に期間を指定)しているが、これに限るものではなく、時系列データから規則的に複数の部分時系列データを抽出してもよい。例えば、図9に示すように、ユーザが時系列データDの起点と周期とを指定し、指定した起点および周期に基づいて、時系列データDから複数の部分時系列データを抽出してもよい。図9に示す例では、ユーザが起点を「7月17日00:00」とし、周期を「1日(00:00〜23:59)」として指定し、データ抽出部24が、時系列データDから「7月16日00:00〜23:59」の期間の部分時系列データDd0、「7月15日00:00〜23:59」の期間の部分時系列データDe0、および、「7月14日00:00〜23:59」の期間の部分時系列データDf0を抽出する。
【0082】
また、上述の処理例では、同じ時系列データDから部分時系列データを抽出しているが、これに限るものではなく、複数の時系列データからそれぞれ部分時系列データを抽出してもよい。
【0083】
〔系列移動処理〕
次に、データ分析装置1が実行する系列移動処理について図10に基づいて説明する。図10は、データ分析装置1が実行する系列移動処理の一例を示す図である。ここでは、図11に示すように、5つの経過時間データE1,F1,G1,H1,I1がプロットされており、5つの経過時間データE1,F1,G1,H1,I1に対応する5つの系列E2,F2,G2,H2,I2が比較グラフ上に描画されているものとする。図11は、系列移動処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。
【0084】
図11(a)に示すように比較グラフが表示されている状態において、時間シフト部28は、ユーザが比較グラフ上の何れかの系列を選択するのを待つ。すなわち、時間シフト部28は、操作部15から所定の系列を選択する指示信号が送信されるのを待つ(S11)。
【0085】
ここで、図11(b)に示すように、ユーザが系列E2を選択したとする。このとき、時間シフト部28は、操作部15から系列E2を選択する指示信号を受信し(S11でYES)、系列E2に対応する経過時間データE1が選択されたことを表示制御部27に通知する。表示制御部27は、経過時間データE1が選択されたことを示す通知を受信すると、例えば、経過時間データE1の折れ線グラフを太線に変更する等をすることにより、経過時間データE1が現在選択中であることをユーザに通知する。
【0086】
経過時間データE1が選択中の状態において、時間シフト部28は、選択中の系列E2を経過時間軸方向に移動する操作をユーザが入力するのを待つ。すなわち、時間シフト部28は、操作部15から選択中の系列E2を経過時間軸方向に移動させる指示信号が送信されるのを待つ(S12)。
【0087】
ここで、図11(b)に示すように、ユーザが系列E2を経過時間軸方向にシフトする操作を行ったものとする。このとき、時間シフト部28は、操作部15から系列E2を経過時間軸方向に移動させる指示信号を受信し(S12でYES)、系列E2に対応する、グラフ作成部26が保持する経過時間データE1の経過時間をシフトさせて、経過時間データE1’を作成する(S13)。
【0088】
時間シフト部28は、作成したシフト後の経過時間データE1’をグラフ作成部26に出力する。そして、グラフ作成部26は、時間シフト部28が作成した経過時間データE1’と自身が保持する経過時間データF1、G1、H1、I1とに基づいて、比較グラフを作成する。表示制御部27は、グラフ作成部26が作成した比較グラフを表示部14に表示させる(S14)。
【0089】
なお、S12において、ユーザが系列E2を経過時間軸方向にシフトする操作とは、例えば、系列E2をクリックして経過時間軸方向にドラッグすることである。
【0090】
また、S11において、所定の系列が選択された場合、表示制御部27は、経過時間データに基づいて、選択された系列に対応する経過時間データに含まれる物理量の計測時刻を表示してもよい。図11(b)に示す例では、比較グラフの上部に系列E2の物理量に対応する計測時刻が表示されている。また、この場合、ユーザは、計測時刻の軸をクリックして、計測時刻を軸方向に移動させることによって、系列を移動させてもよい。
【0091】
このように、系列E2〜I2を移動させる指示に基づいて、経過時間データE1〜I1の各データの時間をそれぞれシフトさせることにより、図11(c)に示すように、各経過時間データを任意の基準点で揃えられることができる。よって、各経過時間データに含まれる物理量を容易に比較することができる。
【0092】
具体的には、図12に示すように、各系列を所定の基準点で合わせることにより、或る系列に関して、それ以外の他の系列と波形パターンが異なる点を容易に、精度良く判別することができる。例えば、図12に示す例では、立ち上がりの時間や昼休みの時間、終了時等で各系列間で波形パターンに差異が見られる。この差異に基づいて、所定の系列、つまり、所定の生産機器4の物理量の異常等を発見することができる。
【0093】
〔グラフ表示例〕
次に、データ分析装置1が実行する比較グラフの表示加工処理について図13〜図17に基づいて説明する。図13は、比較グラフの拡大縮小処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図14は、比較グラフの系列選択処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図15は、比較グラフの系列入替処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図16は、比較グラフのグラフ種別切替処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。図17は、比較グラフの周期変更処理時に表示部14に表示される画面例を示す図である。
【0094】
まず、図13に基づいて比較グラフの拡大縮小処理の一例を説明する。図13(a)に示す比較グラフが表示されている状態において、ユーザが所定の範囲を選択して、その範囲を拡大する操作を行うと、表示制御部27は、図13(b)に示すように、ユーザが指定した範囲の時間軸を拡大して表示する。この操作により、ユーザは、各系列の詳細な物理量の変化を判別することができる。
【0095】
次に、図14に基づいて比較グラフの系列選択処理の一例を説明する。図14(a)に示すように、比較グラフ上に4つの系列L2、M2、N2、O2が表示されているものとする。この状態において、ユーザが系列N2およびO2のチェックボックスをクリックし、チェックを外したとする。このとき、図14(b)に示すように、表示制御部27は、系列L2およびM2だけを比較グラフ上にプロットし、系列N2およびO2を非表示とする。このように、一度比較グラフ上に追加した系列を、系列単位で表示/非表示を切り替えることができる。
【0096】
次に、図15に基づいて比較グラフの系列入替処理の一例を説明する。図15(a)に示すように、上から系列P2、Q2の順で積み上げグラフとして、比較グラフ上に2つの系列P2およびQ2が表示されているものとする。この状態において、ユーザが系列P2とQ2の順番を入れ替える操作を行ったとする。このとき、図15(b)に示すように、表示制御部27は、上から系列Q2、P2の順で積み上げグラフを描画して比較グラフを表示する。このように、積み上げグラフで各系列が比較グラフ上に描画されている場合、系列の順序を入れ替えることができる。
【0097】
次に、図16に基づいて比較グラフのグラフ種別切替処理の一例を説明する。図16(a)に示すように、積み上げグラフで比較グラフ上に4つの系列R2、S2、T2およびU2が表示されているものとする。この状態において、ユーザがグラフの種別を切り替える操作を行ったとする。例えば、グラフの種別を折れ線グラフに切り替えた場合、図15(b)に示すように、表示制御部27は、各系列R2、S2、T2およびU2を、それぞれ折れ線グラフで比較グラフ上に描画する。また、グラフの種別を円グラフに切り替えた場合、図15(c)に示すように、表示制御部27は、各系列R2、S2、T2およびU2を、それぞれ円グラフで比較グラフ上に描画する。
【0098】
なお、円グラフに切り替える場合、所定の期間内の全経過時間データの物理量の合計値を母数とする、各経過時間データの所定期間内の物理量の合計値の割合をそれぞれ算出する。
【0099】
最後に、図17に基づいて比較グラフの周期変更処理の一例を説明する。図17(a)に示すように、積み上げグラフで比較グラフ上に4つの系列V2、W2、X2およびY2が表示されているものとする。また、4つの系列V2、W2、X2およびY2に対応する経過時間データV1、W1、X1およびY1は、10分毎の物理量の変化を示すデータであるとする。つまり、経過時間データV1、W1、X1およびY1の元データである部分時系列データV0、W0、X0およびY0は、10分毎に計測された物理量の変化を示すデータであるとする。
【0100】
この状態において、ユーザが計測周期を「10分単位」から「1時間単位」に変更する操作を行ったとする。このとき、グラフ作成部26は、経過時間データV1、W1、X1およびY1を1時間毎に物理量を合計して、1時間毎の合計物理量を示す経過時間データをそれぞれ生成する。例えば、経過時間0分〜50分までの6つの物理量の値を合計して経過時間0時間の物理量とし、経過時間60分〜110分までの6つの物理量の値を合計して経過時間1時間の物理量とする。表示制御部27は、グラフ作成部26が新たに生成した1時間毎の合計物理量を示す経過時間データに基づいて、図17(b)に示すように、4つの系列V2、W2、X2およびY2を比較グラフ上に描画する。
【0101】
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0102】
最後に、データ分析装置1の各ブロック、特に制御部11は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0103】
すなわち、データ分析装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ分析装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、データ分析装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0104】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0105】
また、データ分析装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、生産機器の物理量を解析・分析する装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 データ分析装置(データ比較装置)
2 データ収集装置
3 センサ装置
4 生産機器(機器)
6 データ分析システム
11 制御部
12 記憶部
14 表示部
15 操作部(入力手段)
21 データ取得部(データ取得手段)
22 データ生成部(データ生成手段)
23 データ選択部
24 データ抽出部(データ抽出手段)
25 経過時間付与部(経過時間算出手段)
26 グラフ作成部(グラフ作成手段)
27 表示制御部(表示制御手段)
28 時間シフト部(時間シフト手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得手段と、
上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出手段と、
上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出手段と、
上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出手段が算出した経過時間に基づいて、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成手段と、
ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、
上記入力手段に入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフト手段とを備え、
上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新することを特徴とするデータ比較装置。
【請求項2】
上記グラフ作成手段が作成したグラフを表示する表示制御手段をさらに備え、
上記入力手段が比較グラフ上の所定の系列を選択する操作指示を受け付けると、上記表示制御手段は、上記操作指示に基づいて、上記比較グラフ上にプロットされている上記系列を示す部分時系列データの物理量に対応する計測時刻を表示することを特徴とする請求項1に記載のデータ比較装置。
【請求項3】
上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、新たな時系列データを生成するデータ生成手段をさらに備え、
上記データ抽出手段は、上記データ取得手段が取得した時系列データおよび/または上記データ生成手段が生成した時系列データから、部分時系列データを複数抽出することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ比較装置。
【請求項4】
機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップにおいて取得された1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出ステップと、
上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出ステップと、
上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出ステップにおいて算出された経過時間に基づいて、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成ステップと、
ユーザからの操作指示を受け付ける入力ステップと、
上記入力ステップにおいて入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフトステップと、
上記時間シフトステップにおいてシフトされた経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新するグラフ更新ステップとを含むことを特徴とするデータ比較方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載のデータ比較装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得手段と、
上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出手段と、
上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出手段と、
上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出手段が算出した経過時間に基づいて、上記データ抽出手段が抽出した複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成手段と、
ユーザからの操作指示を受け付ける入力手段と、
上記入力手段に入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフト手段とを備え、
上記グラフ作成手段は、上記時間シフト手段がシフトした経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新することを特徴とするデータ比較装置。
【請求項2】
上記グラフ作成手段が作成したグラフを表示する表示制御手段をさらに備え、
上記入力手段が比較グラフ上の所定の系列を選択する操作指示を受け付けると、上記表示制御手段は、上記操作指示に基づいて、上記比較グラフ上にプロットされている上記系列を示す部分時系列データの物理量に対応する計測時刻を表示することを特徴とする請求項1に記載のデータ比較装置。
【請求項3】
上記データ取得手段が取得した1または複数の時系列データから、新たな時系列データを生成するデータ生成手段をさらに備え、
上記データ抽出手段は、上記データ取得手段が取得した時系列データおよび/または上記データ生成手段が生成した時系列データから、部分時系列データを複数抽出することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ比較装置。
【請求項4】
機器の物理量と、当該物理量を計測した計測時刻とが対応付けられている時系列データを1または複数取得するデータ取得ステップと、
上記データ取得ステップにおいて取得された1または複数の時系列データから、時系列データに含まれる所定期間のデータである部分時系列データを複数抽出するデータ抽出ステップと、
上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データ毎に、当該部分時系列データに含まれる各計測時刻に対する、所定の基準時刻からの経過時間をそれぞれ算出する経過時間算出ステップと、
上記経過時間を軸とする単一のグラフ上に、上記経過時間算出ステップにおいて算出された経過時間に基づいて、上記データ抽出ステップにおいて抽出された複数の部分時系列データに含まれる物理量をそれぞれプロットして複数の系列を描画した比較グラフを作成するグラフ作成ステップと、
ユーザからの操作指示を受け付ける入力ステップと、
上記入力ステップにおいて入力された、比較グラフ上の所定の系列を経過時間軸方向に移動させる操作指示に基づいて、上記比較グラフ上の上記系列を示す部分時系列データの経過時間をシフトする時間シフトステップと、
上記時間シフトステップにおいてシフトされた経過時間に基づいて、上記系列を示す部分時系列データに含まれる物理量をプロットして上記系列を描画し比較グラフを更新するグラフ更新ステップとを含むことを特徴とするデータ比較方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載のデータ比較装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−8234(P2013−8234A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141021(P2011−141021)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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