説明

データ記録装置およびデータ記録装置の表示方法

【課題】 電源オフ時等、動作していない状態であっても、記録メディアが装填される場合には、記録メディアの挿入方向をユーザーに伝え、正しい方向で挿入できるようにしたデータ記録装置およびデータ記録装置の表示方法を提供する。
【解決手段】 記録メディア16をメディア装填部29に装填可能なデータ記録装置において、当該データ記録装置が省電力のための非動作状態にある際に、蓋55がメディア装填部29を覆う位置から開放する位置に変化すると、割り込み処理を行い(S33)、この割り込み処理に応じて通常の動作状態への移行し(S35)、記録メディア16の装填状態と蓋55の開閉状態に応じて記録メディア16の装填に関係する表示を行う(S39、S45、S47)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記録装置およびデータ記録装置の表示方法に関し、詳しくは、装着自在の記録メディアを装填可能なデータ記録装置およびデータ記録装置の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の記録装置に使用される記録メディアは、記録装置の記録メディアの蓋を開放し、この蓋の奥の挿入孔内に装填するよう構成されている。記録メディアには、装填方向があり、間違うと、記録装置との間で電気接続をとることができない。
【0003】
そこで、誤装填防止のために、記録メディアの形状を左右非対称としているが、ユーザーによっては誤った装填を行い、記録メディアを破損してしまうことがある。これを解決するために、特許文献1には、記録メディアを装填する際に、正しい挿入方向や向きを表示部に表示するようにした携帯型情報端末機が開示されている。
【特許文献1】特開2005−301534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の携帯型情報端末機では、電源オフ時等、携帯型情報端末機が動作していない状態で、記録メディアが装填された場合には、装填のための表示がなされず、記録メディアを破損するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、電源オフ時等、動作していない状態であっても、記録メディアが装填される場合には、記録メディアの挿入方向をユーザーに伝え、正しい方向で挿入できるようにしたデータ記録装置およびデータ記録装置の表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるデータ記録装置は、データ記録用メディアを装填可能なデータ記録装置において、上記メディアを装填するためのメディア装填部と、上記メディア装填部を開放する位置と上記メディア装填部を覆う位置とを移動可能な蓋と、上記蓋の開閉を検知する第1の検知手段と、上記メディアが装填されているか否かを検知する第2の検知手段と、当該データ記録装置が省電力のための非動作状態にある際に、上記第1の検知手段よって上記蓋の開放が検知された場合、当該データ記録装置を上記非動作状態から表示可能状態へと移行させる制御手段と、上記通常の動作状態への移行後、上記第1及び第2の検知手段の検知結果に応じてメディア装填に関するガイド表示を行う表示手段と、を具備する。
【0007】
第2の発明に係わるデータ記録装置は、上記第1の発明において、上記表示手段は、非動作状態にある際に上記第1の検知手段によって上記蓋の開放が検知され、かつ、上記第2の検知手段によって上記メディアの未装填が検知された場合に、上記メディアの装填方向を告知する動的ガイド表示を行う。
【0008】
また、第3の発明に係わるデータ記録装置は、上記第1の発明において、上記表示手段は、上記第1の検知手段によって上記蓋の開放が検知され、かつ、上記第2の検知手段によって上記メディアの装填が検知された場合に、上記蓋が開放されていることを告知する表示を行う。
【0009】
第4の発明に係わるデータ記録装置の表示方法は、データ記録用メディアをメディア装填部に装填可能なデータ記録装置の表示方法において、当該データ記録装置が省電力のための非動作状態にある際に、蓋が上記メディア装填部を覆う位置から開放する位置に変化すると、制御手段に割り込み処理を行い、上記割り込み処理に応じて通常の動作状態への移行し、上記データ記録用メディアの装填に関係する表示を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源オフ時等であっても、記録メディアが装填される場合には、記録メディアの挿入方向をユーザーに伝え、正しい方向で挿入できるようにしたデータ記録装置およびデータ記録装置の表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。このデジタルカメラは、カメラ本体の正面側には、撮影レンズが設けられており、この撮影レンズによる結像面近傍に配置された撮像素子によって取得された画像データに基づく被写体像が液晶モニタに表示される。また、レリーズ釦の操作に応じて、画像データが記録メディアに記録され、記録された画像データは液晶モニタに再生表示される。記録メディアは、カメラ本体に対して脱着自在であり、記録メディアの装填時には記録メディアの挿入方向等について液晶モニタに表示がなされる。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラについて背面底部側からみた外観斜視図である。カメラ1の背面には、撮像素子によって取得された画像データに基づいて被写体をライブビューで表示し、また、記録された被写体像を再生表示するための液晶モニタ(液晶をLCDとも言う)12が配置されている。
【0013】
また、カメラ1の背面の液晶モニタ12の右上には、プログラムモード等の撮影モードを設定するための設定ダイヤル51が配置されている。設定ダイヤル51の下方には、カメラ1のパワー制御を行う電源オンオフ釦52が配置されている。
【0014】
電源オンオフ釦52がオンとなるとパワーオンとなり、カメラ1は通常の動作状態となる。電源オンオフ釦52がオフとなるとパワーオフとなり、カメラ1は省電力のための非動作状態となる。ただし、パワーオフ状態でも、記録メディア16の蓋55等の操作による割り込み処理を受け付け、記録メディア16の装填をアシストする表示を行う。
【0015】
電源オンオフ釦52の下方には、十字釦53が配置されている。この十字釦53は、メニューモード等が設定された際に、液晶モニタ12上のカーソルを移動させ、十字釦53の中央部に設けたOK釦の操作によって、選択項目を確定することができる。
【0016】
カメラ1の底面には、メディア装填部29が設けられている。このメディア装填部29は、記録メディア16を装填するための挿入孔を有し、この挿入孔の内部には、記録メディア16を格納する空間と電気接続をとるための接点等が設けられている。記録メディア16は、撮像素子によって撮像された被写体の画像データを記録するメディアであり、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)、またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体である。
【0017】
記録メディア16がメディア装填部29に装填された状態で、これを覆うための位置(閉位置)と、メディア装填部29を開放する位置(開位置)とに回動可能な蓋55が設けられている。この蓋55はヒンジ機構によってカメラ1に取り付けられている。蓋55がメディア装填部29を覆う位置に回動した際に、蓋55に押圧される位置に蓋開閉検知部材28が設けられている。この蓋開閉検知部材28は、弾性部材等により突出方向に付勢されており、蓋55が閉じると、蓋開閉検知部材28は引っ込んだ位置になる。
【0018】
カメラ1の内部には、蓋開閉検知部材28の移動に応じてオンオフする蓋開閉スイッチ27(図2参照)が設けられており、この蓋開閉スイッチ27のオンオフを検知することにより、蓋55が開位置にあるか閉位置にあるかを判定することができる。
【0019】
次に、図2を用いて、デジタルカメラの電気系を主とする全体構成を説明する。カメラ1の正面には被写体像形成用の撮影レンズ3が設けられており、撮影レンズ3の後方には、被写体光量調節用の絞り4が配置されている。撮影レンズ3の結像面近傍には撮像素子5が配置されており、撮像素子5としては、CCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元撮像素子が用いられる。
【0020】
撮像素子5には、撮像素子ドライバ9の出力が接続されており、また、撮像素子ドライバ9には、タイミング回路10の出力が接続されている。タイミング回路10から出力されるタイミングクロックに従って、撮像素子ドライバ9は、撮像素子5から画像信号の読出しを行う。
【0021】
撮像素子5の出力は、プリプロセス回路6に接続されている。プリプロセス回路6は撮像素子5から読み出された画像信号を増幅する等、アナログ的な処理を行う。プリプロセス回路6の出力は、A/D(Analogue Digital)変換器7に接続されている。A/D変換器7は、アナログ的に処理された画像信号をデジタル信号に変換する。
【0022】
A/D変換器7の出力は、デジタル処理回路8に接続されている。デジタル処理回路8は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、ISO感度処理、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また、デジタル処理回路8は、フレームメモリ14や記録メディア16等に記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式で圧縮し、また、圧縮画像データを伸張する。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
【0023】
デジタル処理回路8の出力は、LCDドライバ11に接続され、LCDドライバ11の出力は液晶モニタ12に接続されている。LCDドライバ11は液晶モニタ12における画像の表示制御を行う。
【0024】
データバス30には、前述のプリプロセス回路6、A/D変換器7、デジタル処理回路8、LCDドライバ11が接続され、また、CPU2、メモリコントローラ13、フレームメモリ14、カードインターフェース(以下、カードI/Fと称す)15、ROM17、RAM18が接続されている。
【0025】
メモリコントローラ13は、デジタル処理回路8等から出力される画像データを、フレームメモリ14に書き込み、またフレームメモリ14から読み出しする際の制御を行う。フレームメモリ13は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等によって構成され、画像データの一時記憶メモリである。
【0026】
カードI/F15の近傍には、メディア装填部29が設けられており、このメディア装填部29を介して記録メディア16が装填される。カードI/F15は、記録メディア16に画像データを記録し、また読み出すためのインターフェースである。
【0027】
CPU2は、このカメラ1の全体制御を行うシステムコントローラである。ROM17は、CPU2で実行するプログラムや、また各種調整を記憶し、フラッシュメモリ等の電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。なお、プログラムを記憶するだけであれば、マスクROMでも良い。RAM18は、揮発性のメモリであり、データ等の一時記憶メモリとして使用される。
【0028】
タイマ回路24は、カレンダー機能を有し、日時情報等をCPU2に出力する。レリーズ釦、設定ダイヤル51、電源オンオフ釦52、十字釦53等の各種操作部材に連動する操作スイッチ群23は、スイッチ入力回路22に接続されている。スイッチ入力回路22は、操作スイッチ群23の各スイッチの状態を検出し、CPU2に出力する。また、蓋開閉検知部材28に連動する蓋開閉スイッチ27は、スイッチ入力回路22に接続されると共に、直接CPU2の割り込み端子に接続されている。
【0029】
レンズ駆動部19、絞り駆動部20およびストロボ発光部21の各入力は、CPU2の出力にそれぞれ接続されている。レンズ駆動部19は、撮影レンズ3のピント合わせや、焦点距離調節を行う。絞り駆動部20は、絞り4の絞り開口量の駆動制御を行う。ストロボ発光部21は、カメラ1に内蔵されており、被写体に向けてストロボ光を照射する。
【0030】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラ1のパワーオン時の動作を説明する。図3のフローチャートは、カメラ1に電源電池が装填されるとスタートする。パワーオンのフローがスタートすると、まず、システム起動を行う(S1)。システム起動では、カメラ1内の各回路・各部材に電源電圧を供給し、電気的および機械的なリセット動作を行い、省電力のための非動作状態から動作状態となる。
【0031】
システム起動が終わると、次に、記録メディア16の検出を行う(S3)。この検出は、CPU2からカードI/F15を介して、記録メディア16と通信が可能であるか否かを判定することにより行う。すなわち、記録メディア16が装填されている場合には、通信が可能であることから、記録メディア16が有るか否かを判定できる。判定の結果、記録メディア16が有った場合には、蓋55の開閉状態を検出する(S5)。この検出は、蓋開閉スイッチ27の状態を、スイッチ入力回路22を介して検出することにより行う。
【0032】
ステップS5における判定の結果、蓋55が閉じていた場合には、通常のカメラ動作を行う(S11)。すなわち、カメラ1には、記録メディア16が装填されており、かつ、蓋55が閉じていることから、通常のカメラ動作を実行することが可能である。通常のカメラ動作として、ライブビュー表示、レリーズ釦の半押しによる撮影準備動作、レリーズ釦の全押しによる撮影動作と画像の記録動作等のいずれかを行い、ステップS5に戻り、蓋55の状態を検出し、蓋55が閉じていれば、通常動作を繰り返し実行する。
【0033】
ステップS5における判定の結果、蓋55が開いていた場合には、蓋55の開き状態を液晶モニタ12に表示する(S7)。すなわち、図5に示すように、カメラ1の背面と、蓋55が開いている様子示す画像を告知表示すると共に、蓋が開いている旨の告知を液晶モニタ12に行う。蓋55が開いている画像が表示されることから、ユーザーは蓋55が開いた状態であることに気付く。
【0034】
また、この状態では、ステップS11における通常動作を実行することができないが、液晶モニタ12を見ることにより、ユーザーは容易に通常動作を実行できない理由を知ることができる。なお、告知表示する際に、ユーザーが気付きやすいように、音による表示も併せて行ってもよい。
【0035】
次に、ステップS3と同様に記録メディア16の検出を行う(S9)。蓋55が開放されると、記録メディア16がメディア装填部29から引き出される可能性があることから、記録メディア16の状態を検出する。判定の結果、記録メディア16が有った場合には、ステップS5に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0036】
ステップS3における判定の結果、記録メディア16がなかった場合には、ステップS5と同様に、蓋55の状態を検出する(S13)。判定の結果、蓋55が閉じていた場合には、ステップS11と同様に通常のカメラ動作を実行する(S15)。ただし、ステップS15を実行する場合には、蓋55は閉じているが、記録メディア16が未装填の場合であることから、カメラ1は、ROM17に書き込めるだけの少数の駒数でしか撮影を行うことができない。なお、ROM17に記録する以外にも、デモモード等、記録動作を行わない撮影動作を行うようにしても良い。
【0037】
ステップS13にける判定の結果、蓋55が開いていた場合、または、ステップS9における判定の結果、記録メディア16が無かった場合には、図6に示すように、記録メディア16の挿入方向を案内する動的ガイド表示を行う(S17、S19)。すなわち、この状態は、蓋55が開いており、記録メディア16が未装填の状態であることから、ユーザーに記録メディア16の挿入方法を表示する。
【0038】
動的ガイド表示としては、まず、図6(a)に示すように、カメラ1の背面の像と共に、メディア装填部29に向けて、記録メディア16の全体が見える画像(挿入方向案内1)を表示する(S17)。このとき、記録メディア16の裏表や、接続端子の位置が分かるように表示する。また、「メディアはこちらの向きで挿入してください」等、挿入方法等の告知表示を行う。
【0039】
続いて、動的ガイド表示として、図6(b)に示すように、カメラ1の背面の像と共に、メディア装填部29に記録メディア16の一部が挿入されている画像(挿入方向案内2)を表示する(S19)。挿入方向案内2を表示すると、次に、ステップS3と同様に記録メディア検出を行う(S21)。判定の結果、記録メディア16が無かった場合には、ステップS13に戻る。
【0040】
ステップS13において、蓋55が開いていることが検出され、ステップS21において、記録メディア16が無いことが検出されている限り、ステップS17、S19における挿入方向案内1と挿入方向案内2が繰り返し表示される。この結果、あたかも、記録メディア16が、メディア装填部29の装填孔に向けて動いているように見え、記録メディア16の挿入方向が一目で理解される。
【0041】
ステップS21における判定の結果、記録メディア16が有った場合には、ステップS7にジャンプし、図5に示すように、蓋55が開き状態であることを表示する。すなわち、ステップS21からステップS7にジャンプする状態は、蓋55が開いている状態で、記録メディア16が装填された状態であり、ユーザーに蓋55を閉じるように告知する。なお、告知表示する際に、ユーザーが気付きやすいように、音による表示も併せて行ってもよい。
【0042】
このように、本実施形態におけるパワーオンのフローでは、蓋55が開き状態にあり、かつ、記録メディア16が装填されていない場合には、図6に示すような挿入方向案内1と挿入方向案内2の画像を繰り返し表示することにより、動的ガイド表示で告知表示を行っている。このため、記録メディア16を装填するにあたって、記録メディア16の左右・裏表の位置関係とその挿入方向の向きを分かりやすく表示することができる。
【0043】
また、蓋55が開いている場合には、図5に示すように蓋開き状態を告知表示し(S7)、また、蓋55が開いていると共に記録メディア16が未装填の場合には、図6に示すように記録メディア16の装填方向を示す動的ガイド表示で告知表示を行っている(S17、S19)。このように2種類の告知表示を選択的に行うようにしているため、カメラ1が通常動作を実行しない場合、蓋55が開いているためか、記録メディア16が未装填なためかを、分かりやすく表示することができる。
【0044】
次に、図4に示すフローチャートを用いて、カメラ1のパワーオフ状態において蓋55の開動作に伴う割り込み処理の動作を説明する。図4のフローチャートは、カメラ1がパワーオフ状態において、蓋55の開閉がなされると、蓋開閉スイッチ29によりCPU2に割り込みがかかり、動作を開始する(S31)。
【0045】
システム停止状態で割り込み処理が入ると、蓋55の開閉状態を検出する(S33)。ここでの検出は、ステップS5と同様に、スイッチ入力回路22を介して行う。判定の結果、蓋55が閉じられていた場合には、ステップS31に戻り、システム停止状態(パワーオフ状態)になる。一方、判定の結果、蓋55が開いた場合には、ステップS1と同様に、システム起動を行う(S35)。パワーオフ状態からシステム起動することにより、電気的・機械的なリセットを行う。
【0046】
システム起動すると、次に、ステップS3と同様に、記録メディア16の検出を行う(S37)。判定の結果、記録メディア16が有った場合には、ステップS7と同様に、蓋55の開き状態を液晶モニタ12に表示する(S39)。ここでの表示は、図5に示すように、カメラ1の背面と、蓋55が開いている様子示す画像を告知表示すると共に、蓋が開いている旨の告知表示を液晶モニタ12に行う。
【0047】
続いて、ステップS3と同様に、記録メディア16の検出を行い(S41)、判定の結果、記録メディアが有った場合には、ステップS5と同様に、蓋55の開閉状態を検出する(S43)。蓋55が開いていた場合には、ステップS39に戻り、蓋開き状態であることを告知表示する。すなわち、記録メディア16がカメラ1のメディア装填部29に装填されているが、蓋55が開いている場合には、図5に示すように、蓋開き状態を液晶モニタ12に表示し続ける。一方、ステップS43において、蓋55が閉じられたことを検出すると、ステップS53にジャンプし、システム動作を終了し、パワーオフ状態に戻る。
【0048】
ステップ37またはステップS41における判定の結果、記録メディア16が無かった場合には、ステップS17、S19と同様に、記録メディア16の挿入方向を案内する動的ガイド表示で告知表示を行う(S45、S47)。すなわち、メディア挿入方向案内1とメディア挿入方向案内2を表示する。
【0049】
続いて、ステップS3と同様に記録メディア16の検出を行う(S49)。判定の結果、記録メディア16が無かった場合には、蓋55の開閉状態を、ステップS5と同様に行う(S51)。判定の結果、蓋55が開いていた場合には、ステップS45に戻り、メディア挿入方向案内1とメディア挿入方向案内2を表示する。
【0050】
したがって、パワーオフ状態で蓋55が開かれ、かつ、記録メディア16が未装填の場合には、ステップS45、S47において、メディア挿入方向案内1とメディア挿入方向案内2を繰り返し表示する。このため、あたかも記録メディア16がメディア装填部29に向けて動いているように見え、ユーザーは記録メディア16の挿入方向を一目で理解することができる。
【0051】
動的ガイド表示を行っている最中に、ステップS49において、記録メディア16の装填が検出されると、ステップS39にジャンプし、動的ガイド表示から図5に示す蓋開き状態表示に変わる。この状態は、記録メディア16が装填されているが、蓋55が開いたままであるので、その旨をユーザーに告知する。また、動的ガイド表示を行っている最中に、ステップS51において、蓋55が閉じられたことを検出すると、システム動作を終了し(S53)、パワーオフ状態に戻る。
【0052】
このように、本発明における一実施形態においては、省電力のための非動作状態にある際に、蓋55が開放されたことを検知すると、非動作状態から動作状態になり、蓋55が開放されていることを表示し、また、記録メディア16が未装填の場合にはこのことを表示する。このため、非動作状態であっても、記録メディアが装填される場合には、記録メディアの挿入方向をユーザーに伝え、正しい方向で挿入することができる。
【0053】
また、本発明の一実施形態においては、パワーオフ状態で蓋が開かれた場合には、蓋55が開き状態にあり、かつ、記録メディア16が装填されていない場合には、図6に示すような挿入方向案内1と挿入方向案内2の画像を繰り返し表示することにより、動的ガイド表示で告知表示を行っている。このため、記録メディア16を装填するにあたって、記録メディア16の左右・裏表の位置関係とその挿入方向の向きを分かりやすく表示することができる。
【0054】
さらに、本発明の一実施形態において、動的ガイド表示を行っている最中に、記録メディア16を装填すると、図5に示すような蓋開き状態の表示に切り替わる。さらに、パワーオフ状態で蓋が開かれ、かつ記録メディア16が装填済みの場合にも、蓋開き状態の表示に切り替わる。このため、ユーザーは、液晶モニタ12の表示を見ることにより、蓋55と記録メディア16の状態を一目で理解することができる。
【0055】
なお、本発明の一実施形態において、図4のフローチャートは、パワーオフ時において記録メディア16や蓋55の検出を行うようにしていたが、パワーオン時においても、長時間に亘って操作部材が操作されない等により、スリープ状態に入った場合にも、同様に記録メディア16や蓋55の状態を検出し、検出結果に応じて、液晶モニタ12に蓋開き状態表示や動的ガイド表示を行うようにしても良い。いずれにしても、省電力のための非動作状態にある場合であれば、蓋55の状態や、記録メディア16の装填状態に応じた表示を行うようにすれば良い。
【0056】
また、本発明の一実施形態においては、動的ガイド表示は、挿入方向案内1と挿入方向案内2の画像を交互に表示することによって行っていたが、記録メディア16の挿入時の中間的な画像を追加し、3以上の画像を順番に表示するようにしても良い。
【0057】
さらに、本発明の一実施形態において、蓋55の開閉状態の検出は、蓋開閉検知部材28の空間的な動きを蓋開閉スイッチ27によって検出していたが、これに限らず、例えば、光電スイッチの利用等、種々の検出方法に置き換えても良い。同様に、記録メディア16の有無の検出は、CPU2から通信を行うことによって検出していたが、これに限らず、例えば、記録メディア16の装填を検出するスイッチを配置する等、種々の検出方法に置き換えても良い。
【0058】
さらに、本発明の一実施形態における図5において、蓋55が開いている様子示す画像を表示すると共に、蓋が開いている旨を文字で告知していたが、この告知は文字以外の記号等でもよく、また省略しても良い。同様に、図6において記録メディア16の挿入方向等を動的ガイド表示すると共に、記録メディア16の挿入方法を文字で告知していたが、この告知は文字以外の記号等でもよく、また省略しても良い。
【0059】
さらに、本発明の一実施形態においては、蓋55はヒンジ機構等により回動自在となっていたが、これに限らず、摺動自在でもよく、カメラ1の本体から分離する形式でもよい。いずれにしても、記録メディア16の装填部を開放する第1の位置と、覆う第2の位置との間で移動可能であれば良い。
【0060】
さらに、本発明の一実施形態においては、デジタルカメラとしてコンパクトタイプに適用した例を説明したが、本発明はコンパクトタイプ以外にもデジタル一眼レフタイプ等のデジタルカメラでもよく、また、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital
Assist)等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。記録メディアが着脱自在であり、かつ、この記録メディアを覆う蓋等の部材を有するデータ記録装置であれば、本発明を適用することができる。
【0061】
以上、本発明の一実施形態を用いて説明したが、本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラを背面底部側から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるパワーオンリセットの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるデジタルカメラにおいて、パワーオフ状態で蓋の開閉による割り込み処理がなされた場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態におけるデジタルカメラにおいて、蓋開き状態を案内する表示を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるデジタルカメラにおいて、動的ガイド表示を示す図であり、(a)は挿入方向案内1を示す図であり、(b)は挿入方向案内2を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・カメラ、2・・・システムコントローラ(CPU)、3・・・撮影レンズ、4・・・絞り、5・・・撮像素子、6・・・プリプロセス回路、7・・・A/D変換器、8・・・デジタル処理回路、9・・・撮像素子ドライバ、10・・・タイミング回路、11・・・LDCドライバ、12・・・液晶モニタ(LCD)、13・・・メモリコントローラ、14・・・フレームメモリ、15・・・カードI/F、16・・・記録メディア、17・・・ROM、18・・・RAM、19・・・レンズ駆動回路、20・・・絞り駆動回路、21・・・ストロボ発光部、22・・・スイッチ入力回路、23・・・操作スイッチ群、24・・・タイマ回路、27・・・蓋開閉スイッチ、28・・・蓋開閉検知部材、29・・・メディア装填部、51・・・設定ダイヤル、52・・・電源オンオフ釦、53・・・十字釦、55・・・蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ記録用メディアを装填可能なデータ記録装置において、
上記メディアを装填するためのメディア装填部と、
上記メディア装填部を開放する位置と上記メディア装填部を覆う位置とを移動可能な蓋と、
上記蓋の開閉を検知する第1の検知手段と、
上記メディアが装填されているか否かを検知する第2の検知手段と、
当該データ記録装置が省電力のための非動作状態にある際に、上記第1の検知手段よって上記蓋の開放が検知された場合、当該データ記録装置を上記非動作状態から表示可能状態へと移行させる制御手段と、
上記通常の動作状態への移行後、上記第1及び第2の検知手段の検知結果に応じてメディア装填に関するガイド表示を行う表示手段と、
を具備したことを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
上記表示手段は、非動作状態にある際に上記第1の検知手段によって上記蓋の開放が検知され、かつ、上記第2の検知手段によって上記メディアの未装填が検知された場合に、上記メディアの装填方向を告知する動的ガイド表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
上記表示手段は、上記第1の検知手段によって上記蓋の開放が検知され、かつ、上記第2の検知手段によって上記メディアの装填が検知された場合に、上記蓋が開放されていることを告知する表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
データ記録用メディアをメディア装填部に装填可能なデータ記録装置の表示方法において、
当該データ記録装置が省電力のための非動作状態にある際に、蓋が上記メディア装填部を覆う位置から開放する位置に変化すると、制御手段に割り込み処理を行い、
上記割り込み処理に応じて通常の動作状態への移行し、上記データ記録用メディアの装填に関係する表示を行う、
ことを特徴とするデータ記録装置の表示方法。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−212639(P2009−212639A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51685(P2008−51685)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】