説明

データ転送制御装置、情報端末、データ転送システム、データ転送制御プログラム、データ読み出しプログラム、及び、データ転送方法

【課題】 携帯電話端末等に蓄積されたユーザデータの抜き出し時間を短縮可能とする。
【解決手段】
携帯電話端末10は、ユーザデータ使用量をパーソナルコンピュータ50へ通知(ステップS3)する。パーソナルコンピュータ50は、ユーザデータ使用量を閾値と比較(ステップS4)し、その使用量が閾値より少ない時にはファイル単位での抜き出し方式を選択(ステップS5)し、その使用量が閾値以上である時にはブロック単位での抜き出し方式を選択(ステップS6)する。携帯電話端末10は、パーソナルコンピュータ50から通知(ステップS7)された抜き出し方式が何れの方式か判定(ステップS8)し、ファイル単位の方式である時にはステップS10以降の処理を行ってユーザデータを転送(ステップS16)し、ブロック単位の方式であるときにはステップS15にてブロックイメージでユーザデータを転送(ステップS16)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末等の移動機に蓄積されたユーザデータを読み取る際に好適なデータ転送制御装置、情報端末、データ転送システム、データ転送制御プログラム、データ読み出しプログラム、及び、データ転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、携帯電話端末を修理等する場合や携帯電話端末を旧機種から新機種に交換する場合には、修理サービスセンタや携帯電話販売店において、修理前の携帯電話端末や旧機種の携帯電話端末に保存されているユーザデータを抜き出しておき、そのユーザデータを、修理後或いは新機種の携帯電話端末へ移すような作業が行われている。
【0003】
ここで、携帯電話端末からユーザデータを抜き出す際には、従来より、ファイル単位でのデータ抜き出し方式とブロック単位でのデータ抜き出し方式の何れかの方式が用いられている。なお上記ファイル単位とは、いわゆるファイルシステムがデータを扱う際の論理単位である。また上記ブロック単位とは、携帯電話端末等の内蔵メモリ(例えばいわゆるフラッシュメモリ)上の記憶領域をファイルシステムが管理する際の物理単位である。上記ブロック単位でデータの抜き出しが行われる場合には、メモリ上の各ブロックがイメージデータ(ブロックイメージ)として抜き出される。これら論理単位としての上記ファイル単位、物理単位としての上記ブロック単位の表記は一例であり、他の表記であってもよい。
【0004】
図3には、修理サービスセンタや携帯電話販売店において、携帯電話端末100からユーザデータを抜き出してパーソナルコンピュータ110に転送するデータ転送システムの概略構成を示す。また、図4には、図3のデータ転送システムにおいて、携帯電話端末100からユーザデータをパーソナルコンピュータ110へ転送する際のデータ転送シーケンスを示す。
【0005】
これら図3及び図4において、携帯電話端末100とパーソナルコンピュータ110は例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等により接続される。
【0006】
そして、パーソナルコンピュータ110側において、携帯電話端末100からユーザデータを抜き出して転送させるためのプログラムが起動すると、当該パーソナルコンピュータ110は、先ずステップS100の処理として、予め用意されている専用のデータ読み出しプログラムを、携帯電話端末100のRAM(Random Access Memory)へロードする。
【0007】
次に、パーソナルコンピュータ110は、ステップS101の処理として、上記読み出しプログラムを起動させるための起動要求を、上記携帯電話端末100へ送信する。携帯電話端末100は、パーソナルコンピュータ110から起動要求を受け取ると、上記RAMにロードされた読み出しプログラムを起動する。
【0008】
上記読み出しプログラムが起動した携帯電話端末100は、ステップS102の処理として、内部のフラッシュメモリに記憶されているユーザデータを、当該読み出しプログラムにより決められた方式に従って抜き出し、パーソナルコンピュータ110へ転送する。すなわちこの場合、読み出しプログラムでは、前述したファイル単位のデータ抜き出し方式とブロック単位のデータ抜き出し方式の何れか一方の方式のみを使うことが予め決められている。したがって、ステップS102の処理時、携帯電話端末100は、当該予め決められているデータ抜き出し方式により、フラッシュメモリからユーザデータを抜き出し、その抜き出したユーザデータをパーソナルコンピュータ110へ転送する。
【0009】
なお、特開2006−197433号の公開特許公報(特許文献1)には、大量のユーザデータの転送処理の複雑化や処理速度を改善する技術が開示されている。すなわち、この特許公報1に記載の技術によれば、交換元の携帯電話端末は、Flash ROM内のユーザデータを一旦RAMに保持させ、そのRAMに保存したユーザデータを独自通信プロトコル形式に加工処理してパーソナルコンピュータに転送して退避させる。パーソナルコンピュータでは、独自通信プロトコル形式のユーザデータを保持した後、交換先の携帯電話端末へ転送する。そして、交換先の携帯電話端末は、独自通信プロトコル形式のユーザデータから加工処理前のユーザーデータを復元して取り出し、内部のFlash ROMに保持させる。
【0010】
また、特開2004−220272号の公開特許公報(特許文献2)には、携帯電話端末等の修理ラインにおいて、相対的に作業時間の長い工程(データ転送工程)を見つけ、その作業工程に複数の設備(パーソナルコンピュータ)を導入して、その作業工程を並行して実行することで、修理の作業効率を高める技術が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開2006−197433号公報(図3)
【特許文献2】特開2004−220272号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、前述したファイル単位のデータ抜き出し方式は、各ファイルの論理的な繋がりを確認するために各ファイルをオープン/クローズする処理が必要となり、それら各ファイルのオープン/クローズのために携帯電話端末のCPU(中央処理装置)の処理負担が増加する。特に携帯電話端末に搭載されているCPUは、現状では処理速度に或る程度の限界があるため、ファイルが多くなればなるほど、それらファイルのオープン/クローズのための処理時間がトータルとして増えてしまい、その結果としてデータの抜き出し時間も長くなってしまう。
【0013】
一方、前述のブロック単位のデータ抜き出し方式の場合は、上述したファイル単位のデータ抜き出し方式のようなファイルオープン/クローズの処理が不要である。したがって、例えば携帯電話端末のCPUの処理速度が遅いため、或いはファイルが多くなったために、データ抜き出し時間が長くなってしまうというようなことはない。しかしながら、ブロック単位のデータ抜き出し方式の場合は、フラッシュメモリの全ブロックについて、それらのブロックイメージをバイナリデータとして転送することになる。このため、当該ブロック単位のデータ抜き出し方式の場合の処理時間は、フラッシュメモリのデータ読み出し性能に依存することになる。すなわちこの場合、データ抜き出しの際には、一律に或る程度の時間が必要になってしまうことになる。
【0014】
特に、修理サービスセンタや携帯電話販売店において、複数台の携帯電話端末を修理等する場合や複数台の携帯電話端末を旧機種から新機種に交換するような場合、上述のようなデータ抜き出しに要する時間の長短は、修理作業や機種変更作業を迅速且つ効率的に進められるかどうかに直結することになる。したがって、データ抜き出し時間を短縮することが望まれている。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、例えば携帯電話端末等の移動機に蓄積されたユーザデータの抜き出し時間を短縮可能とするデータ転送制御装置、情報端末、データ転送システム、データ読み出しプログラム、データ転送制御プログラム、及び、データ転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明において、情報端末は、記憶部に記憶された所定データの量に対応した情報をデータ転送制御装置へ通知し、データ転送制御装置は、当該所定データの量と所定閾値との比較結果を基に、情報端末の記憶部から、所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、記憶部の物理単位で所定データを抜き出す第二の抜き出し方式との何れか一方を選択する。そして、データ転送制御装置は、当該選択した抜き出し方式を情報端末へ通知し、情報端末は当該通知された抜き出し方式により記憶部から所定データを抜き出してデータ転送制御装置へ転送する。これにより、本発明は上述した課題を解決する。
【0017】
すなわち本発明によれば、所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、記憶部の物理単位で所定データを抜き出す第二の抜き出し方式との何れか一方を、記憶部の所定データの量と所定閾値の比較結果に応じて選択している。したがって、所定閾値を適切に設定することで、所定データの量に対して最適な抜き出し方式が選択されることになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、論理単位による第一の抜き出し方式と物理単位による第二の抜き出し方式の中で、記憶部の所定データの量と所定閾値の比較結果に応じた最適な抜き出し方式を選択し、その抜き出し方式で記憶部から所定データを抜き出して転送するようになされている。これにより、本発明によれば、例えば携帯電話端末等の移動機に蓄積されたユーザデータの抜き出し時間を短縮することが可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
なお、以下の実施形態では、本発明の適用例として携帯電話端末とパーソナルコンピュータからなるシステムを挙げているが、本実施形態にて説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0021】
[本実施形態のデータ転送システム、及び、携帯電話端末とパーソナルコンピュータの機能]
図1には、例えば修理サービスセンタや携帯電話販売店等において、本発明の情報端末である携帯電話端末10からユーザデータを抜き出し、本発明データ転送制御装置であるパーソナルコンピュータ50へ転送する本発明実施形態のデータ転送システムの概略構成を示す。また、図2には、図1に示した本実施形態のデータ転送システムにおいて、携帯電話端末10からユーザデータをパーソナルコンピュータ50へ転送する際のデータ転送シーケンスを示す。
【0022】
本発明実施形態において、携帯電話端末10は、図1に示すように、主要な構成要素として、CPU11と記憶部12とデータ送受信13を有している。当該携帯電話端末10の記憶部12は、RAM31やフラッシュメモリ等により構成されており、例えばフラッシュメモリにはユーザデータを格納するためのユーザデータ格納部32が用意されている。なお、本実施形態の携帯電話端末10は、一般的な携帯電話端末が備えている各種の構成要素についても当然備えているが、図1では本実施形態にかかる主要な構成要素のみを図示し、他の構成要素については省略している。
【0023】
同様に、パーソナルコンピュータ50は、主要な構成要素として、CPU51と記憶部52とデータ送受信部53を有している。当該パーソナルコンピュータ50の記憶部12は、HDD(ハードディスクドライブ)や書き換え可能な半導体メモリ,RAM等により構成され、例えばHDDには、後述するデータ読み出しプログラムを格納する格納部71と、後述する閾値を格納する格納部72が用意されており、また、携帯電話端末から抜き出したユーザデータを一時的に格納する格納部73等が設けられる。なお、本実施形態のパーソナルコンピュータ50は、一般的なパーソナルコンピュータが備えている各種の構成要素についても当然備えているが、図1では本実施形態にかかる主要な構成要素のみを図示し、他の構成要素については省略している。
【0024】
これら図1及び図2において、携帯電話端末10とパーソナルコンピュータ50は例えばUSBケーブル等により接続される。
【0025】
パーソナルコンピュータ50において、携帯電話端末10からユーザデータを抜き出すための本発明実施形態のデータ転送制御プログラムが起動すると、CPU51は、少なくともデータ転送制御部61と機種判別部62と抜き出し方式判定部63の各機能を実行可能な状態となる。すなわちこれらデータ転送制御部61,機種判別部62,抜き出し方式判定部63は、本発明実施形態のデータ転送制御プログラムが起動することにより、パーソナルコンピュータ50のCPU51にて実行される機能を表している。
【0026】
上記データ転送制御プログラムの起動後、先ず、上記データ転送制御部61は、記憶部52のデータ読み出しプログラム格納部71に予め用意されている、携帯電話端末専用のデータ読み出しプログラムを取得する。
【0027】
なお、例えば携帯電話端末の機種毎にデータ読み出しプログラムが異なるような場合、上記データ読み出しプログラム格納部71には、それら各機種に対応した複数のデータ読み出しプログラムが予め用意されている。すなわち、携帯電話端末は日々新製品が開発されており、その過程で例えばメモリの構成やその制御パラメータ等が変更され、それにより各機種のデータ読み出しプログラムも変更されたような場合には、それら各機種に対応した複数のデータ読み出しプログラムがデータ読み出しプログラム格納部71に用意されることになる。この場合、上記データ転送制御部61によるデータ読み出しプログラムの取得処理に先立ち、機種判定部62において、携帯電話端末の機種判定が行われる。具体的に説明すると、当該機種判定部62は、上記USBケーブル等で接続されている携帯電話端末10から例えば機器ID等を受け取り、その機器ID等により当該携帯電話端末の機種を判定する。そして、機種判定部62は、その機種判定結果をデータ転送制御部61へ知らせる。当該機種判定結果を受け取ると、上記データ転送制御部61は、上記データ読み出しプログラム格納部71に予め用意されている複数のデータ読み出しプログラムの中から、その機種に応じたデータ読み出しプログラムを取得する。その他、携帯電話端末の機種判定は、パーソナルコンピュータ50を操作するオペレータ自身により行われてもよい。この場合、データ転送制御部61では、上記オペレータによる機種判定結果を基に、上記データ読み出しプログラム格納部71からデータ読み出しプログラムの取得を行うことになる。
【0028】
上述のようにしてデータ読み出しプログラムを取得したデータ転送制御部61は、図2のステップS1の処理として、データ送受信部53を通じ、そのデータ読み出しプログラムを携帯電話端末10へ送り、記憶部12内のRAM31へロードする。
【0029】
次に、データ転送制御部61は、図2のステップS2の処理として、上記携帯電話端末10のRAM31にロードされたデータ読み出しプログラムを起動させるための起動要求を、データ送受信部53を通じて、その携帯電話端末10へ送信する。携帯電話端末10のCPU11は、上記起動要求を受け取ると、上記RAM31にロードされたデータ読み出しプログラムを起動する。
【0030】
上記データ読み出しプログラムが起動した場合、携帯電話端末10のCPU11は、図1に示すように、少なくともユーザデータ使用量管理部21とユーザデータ通知制御部22と抜き出し方式判定部23とユーザデータ抜き出し制御部24の各機能を実行可能な状態となる。すなわちこれらユーザデータ使用量管理部21、ユーザデータ通知制御部22、抜き出し方式判定部23、ユーザデータ抜き出し制御部24は、上記データ読み出しプログラムが起動することにより、携帯電話端末10のCPU11にて実行される機能を表している。なお、ユーザデータ使用量管理部21については、携帯電話端末10が元々備えている例えばメモリ管理プログラム等により実行される機能であってもよい。
【0031】
上記データ読み出しプログラムの起動後、上記ユーザデータ使用量管理部21は、上記記憶部12内のユーザデータ格納部32に格納されているユーザデータの量、すなわちユーザデータ使用量を求める。
【0032】
次に、ユーザデータ使用量通知制御部22は、ステップS3の処理として、上記ユーザデータ使用量管理部21から得られたユーザデータ使用量を表す情報を、データ送受信部13を通じてパーソナルコンピュータ50へ通知する。なお、上記ユーザデータ使用量管理部21が、携帯電話端末10に元々備えられてているメモリ管理プログラム等により実行される機能であった場合、ユーザデータ使用量通知制御部22は、上記メモリ管理プログラム等による機能であるユーザデータ使用量管理部21が予め求めて管理しているユーザデータ使用量を表す情報を、データ送受信部13を通じてパーソナルコンピュータ50へ通知することになる。
【0033】
上記ユーザデータ使用量を表す情報の通知を受け取ると、パーソナルコンピュータ50側の抜き出し方式判定部63は、ステップS4の処理として、上記携帯電話端末10のユーザデータ格納部32からユーザデータを抜き出す際に、前述したファイル単位のデータ抜き出し方式か、或いはブロック単位のデータ抜き出し方式の何れを用いるべきかを判定(選択)する。
【0034】
本実施形態の場合、抜き出し方式判定部63は、上記ユーザデータ使用量と、閾値格納部72に格納されている閾値とを比較し、ユーザデータ使用量が閾値より少ない場合には、ステップS5へ処理を進めてファイル単位での抜き出し方式を選択し、一方、ユーザデータ使用量が閾値以上である場合には、ステップS6へ処理を進めてブロック単位での抜き出し方式を選択する。
【0035】
ここで、上記ファイル単位とは、前述したように、いわゆるファイルシステムがデータを扱う際の論理単位である。また上記ブロック単位とは、携帯電話端末10のメモリ上の記憶領域(ユーザデータ格納部32)をファイルシステムが管理する際の物理単位であり、上記ブロック単位でのデータの抜き出しはブロックイメージとして行われ、そのブロックイメージが一つのバイナリファイルとして転送される。なお、これら論理単位としての上記ファイル単位、物理単位としての上記ブロック単位の表記は一例であり、他の表記であってもよい。
【0036】
また、本実施形態において、上記閾値は、ユーザデータ格納部32内に格納されている全ファイル(ユーザデータ使用量に略々相当する)をそれぞれオープン/クローズ処理するのに必要な時間と、ユーザデータ格納部32の全ブロックのイメージデータを一括して抜き出すのに必要な時間と、に基づいて決められた値である。すなわち、本実施形態においては、ユーザデータの各ファイルを各々オープン/クローズ処理したときの合計処理時間がユーザデータ使用量毎(つまりファイル数毎)に予め求められており、さらに、それら各合計処理時間のうちで、ユーザデータ格納部32の全ブロックイメージの一括抜き出し時間を超えることになると考えられる合計処理時間を求め、その場合の合計処理時間に対応したユーザデータ使用量(つまりファイル数)を、上記閾値として設定している。したがって、本実施形態では、ユーザデータ使用量が少ない時つまりユーザデータ格納領域32内のユーザデータのファイル数が少ないために、それら各ファイルをオープン/クローズ処理した場合に要する時間が上記閾値に対応した時間よりも短いときには、ファイル単位での抜き出し方式を選択する。一方、ユーザデータ使用量が多い時つまりユーザデータ格納領域32内のユーザデータのファイル数が多いために、それら各ファイルをオープン/クローズ処理した場合に要する時間が上記閾値に対応した時間よりも長くなるときには、ブロック単位での抜き出し方式を選択する。
【0037】
また、本実施形態において、例えば携帯電話端末の機種毎に異なる閾値が設定されているような場合、閾値格納部72には、それら各機種に対応した複数の閾値が予め用意される。すなわち、携帯電話端末の機種毎に、例えば異なる構成のメモリや、読み出し速度の異なるメモリ、処理速度の異なるCPU等が用いられているような場合には、上記閾値について各機種毎に最適化された値を用いることが望ましい。この場合、上記抜き出し方式判定部63による判定処理に先立ち、例えば機種判定部62において、携帯電話端末の機種判定が行われる。この時の機種判定部62は、例えば前述同様、携帯電話端末10の機器ID等により当該携帯電話端末の機種を判定する。そして、機種判定部62は、その機種判定結果を抜き出し方式判定部63へ知らせる。当該機種判定結果を受けた抜き出し方式判定部63は、上記閾値格納部72に格納されている各機種毎に最適化された複数の閾値の中から、上記機種判定結果に対応した閾値を取得し、その取得した閾値を用いて前述のようにユーザデータ使用量との比較判定処理を行う。
【0038】
その他、携帯電話端末の機種毎に異なる閾値を用いるような場合において、閾値格納部72には、基準となる閾値のみを格納しておき、その基準閾値に対して各機種に応じた重み付け値を加減算或いは乗除算等することで、各機種毎に最適な閾値を求めるようにしてもよい。この例の場合、上記抜き出し方式判定部63は、上記閾値格納部72の基準閾値に対し、上記機種判定結果に応じた重み付け値を加減算或いは乗除算等することで、各機種に対して最適な閾値を生成し、その生成した閾値を用いて前述のようにユーザデータ使用量との比較判定処理を行う。
【0039】
前述のようにして抜き出し方式が選択されると、パーソナルコンピュータ50のデータ転送制御部61は、ステップS7の処理として、データ送受信部53を通じ、上記選択した抜き出し方式を表す情報を携帯電話端末10へ指示(通知)する。
【0040】
上記抜き出し方式の指示を受けると、携帯電話端末10の抜き出し方式判定部23は、ステップS8の処理として、パーソナルコンピュータ50側から指示された抜き出し方式が、前記ファイル単位での抜き出し方式か、或いはブロック単位の抜き出し方式の何れであるかを判定し、その判定結果をユーザデータ抜き出し制御部24へ知らせる。
【0041】
ユーザデータ抜き出し制御部24は、上記抜き出し方式判定部23から通知された抜き出し方式が、ファイル単位での抜き出し方式である場合にはステップS10以降へ処理を進め、一方、ブロック単位での抜き出し方式である場合にはステップS15へ処理を進める。
【0042】
ステップS8にてファイル単位での抜き出し方式と判定されてステップS10以降の処理に進んだ場合、ユーザデータ抜き出し制御部24は、ステップS10からステップS14の処理を、ユーザデータ格納部32に格納されている全ファイルについて実行する。すなわち、ユーザデータ格納部32内の各ファイルについて、それぞれステップS11のファイルオープン処理、ステップS12のファイル読み出し処理、ステップS13のファイルクローズ処理を行う。
【0043】
そして、ユーザデータ抜き出し制御部24は、ステップS16の処理として、上記ステップS10〜ステップS14にて上記ファイル単位で抜き出したユーザデータを、データ送受信部13を通じてパーソナルコンピュータ50へ転送する。
【0044】
一方、ステップS8にてブロック単位での抜き出し方式と判定されてステップS15の処理に進んだ場合、ユーザデータ抜き出し制御部24は、ユーザデータ格納部32内の全ブロックイメージをバイナリデータとして一括して読み出す処理を行う。
【0045】
そして、ユーザデータ抜き出し制御部24は、ステップS16の処理として、上記ステップS15にてブロック単位で一括して抜き出したユーザデータを、データ送受信部13を通じてパーソナルコンピュータ50へ転送する。
【0046】
上述のステップS16にて携帯電話端末10から転送されてきたユーザデータは、パーソナルコンピュータ50のユーザデータ一時格納部73に一時的に格納される。当該ユーザデータ一時格納部73に格納されたユーザデータは、その後、例えば修理済みの携帯電話端末や新機種の携帯電話端末に転送されることになる。
【0047】
[まとめ]
以上説明したように、本発明実施形態のデータ転送システムにおいては、携帯電話端末10のユーザデータ使用量に合わせた最適なデータ抜き出し方式が選択されるため、当該携帯電話端末に蓄積されたユーザデータの抜き出し時間を短縮することが可能となっている。すなわち本実施形態によれば、例えばユーザデータ使用量が少ない時(つまりファイル数が少ない時)にはファイル単位でのデータ抜き出し方式が選択され、その少ない数のファイルをオープン/クローズ処理するのみの短い時間でデータ抜き出しが行われることになる。したがってこの場合は、上記ブロック単位のデータ抜き出し方式のように、ユーザデータ量の多少にかかわらずに一律に或る程度の時間が必要になる場合と比較して、データ抜き出しの時間を短くすることができる。一方、ユーザデータ使用量が多い時(つまりファイル数が多い時)にはブロック単位でのデータ抜き出し方式が選択され、当該ブロック単位で一括したデータ抜き出しが行われることになる。したがってこの場合は、データ量の多いユーザデータをファイル単位で抜き出す場合のように多数のファイルを逐次オープン/クローズ等する必要がないため、データ抜き出しの時間を短くすることができる。このようなことから、本実施形態のデータ転送システムによれば、例えば修理サービスセンタや携帯電話販売店等のように、多数の携帯電話端末からユーザデータを抜き出す必要がある環境において、携帯電話端末一台当たりのデータ転送時間を短縮することができ、その結果、全体の作業時間を短縮でき作業効率を高めることが可能となっている。なお、本発明実施形態のデータ転送シーケンスでは、従来のデータ転送シーケンスと比較した場合、ユーザデータ使用量通知やデータ抜き出し方式判定等のためのシーケンスが増加しているが、それらに要する時間は実際のユーザデータ抜き出し所要時間に比べて極めて短い。一方で、本実施形態のデータ転送シーケンスを用いた場合には、従来のデータ転送シーケンスによるデータ抜き出し所要時間よりも大幅に所要時間を短縮することができるため、上記シーケンスの増加による影響は殆ど無視できる。
【0048】
また、本実施形態においては、閾値を携帯電話端末の機種に応じて変更することが可能となされている。このため、本実施形態によれば、携帯電話端末の各機種毎に最適化されたデータ転送処理が可能となり、作業時間の短縮と作業効率の向上が図れる。
【0049】
また、本実施形態によれば、携帯電話端末側とパーソナルコンピュータ側でそれぞれ機能が分担されており、パーソナルコンピュータ側では前述のデータ転送制御プログラムが実行され、携帯電話端末側ではパーソナルコンピュータ側からロードされたデータ読み出しプログラムが実行されている。したがって、携帯電話端末側は、出荷時の内部ソフトウェアに依存することなく且つ内部ソフトウェアを変更する必要もなく、また、ロードされるデータ読み出しプログラムの変更のみで、データ抜き出し処理等のカスタマイズが容易に実現可能となる。また、パーソナルコンピュータ側においては、使用する閾値の設定情報ファイルの変更等などの簡単な処理により様々なカスタマイズが実現可能となっている。すなわちパーソナルコンピュータ側においては、閾値のカスタマイズの容易性により、より有効な閾値を設定することが可能となる。
【0050】
また例えば、修理サービスセンタなどのように、一日に数百台もの携帯電話端末からユーザデータの抜き出しを行わなければならないような環境においては、実際に修理される携帯電話端末のユーザデータの使用量と閾値の統計を取り、その統計結果を基に閾値の変更・最適化を行うようにすれば、よりデータ転送時間の短縮化と作業の効率化を図ることが可能となる。すなわち例えば、ユーザデータの使用量やそのユーザデータの種別は、携帯電話端末の発売後の時間経過と共に変化していくものであり、販売当初の携帯電話端末の修理時におけるユーザデータ抜き出し作業と、携帯電話端末が十分に使い込まれた後の修理時におけるユーザデータ抜き出し作業とでは、それら使用量や種別が当然変化していくことになる。したがって、それらの変化を統計化し、その統計結果をデータ読み出しプログラムに反映(例えば抜き出し方式判定機能等に反映)させるようにすれば、より効率的なデータ抜き出しが可能になる。
【0051】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0052】
上述した実施形態では、ユーザデータ使用量に応じて抜き出し方式を選択する例を挙げているが、ユーザデータのファイル数に応じて抜き出し方式を選択してもよい。すなわち例えば、ユーザデータ使用量自体は少ないがファイル数が非常に多いような場合には、ファイル単位での抜き出し方式よりもブロック単位での抜き出し方式の方が、転送時間が短くなるようなことも考えられる。逆に、ユーザデータ使用量自体は多いがファイル数が非常に少ないような場合には、ブロック単位での抜き出し方式よりもファイル単位での抜き出し方式の方が、転送時間が短くなるようなことも考えられる。したがって、このような場合、ユーザデータのファイル数に応じて抜き出し方式を選択することは、データ転送処理の効率化に或る程度の効果があると考えられる。
【0053】
また、上述した実施形態では、ユーザデータ使用量が少ない時にファイル単位の抜き出し方式を選択し、ユーザデータ使用量が多い時にブロック単位の抜き出し方式を選択する例を挙げたが、それとは逆の選択を行う場合も本発明に含まれる。すなわち例えば、携帯電話端末側のCPUの処理能力とメモリ性能との間の関係などにより、例えばユーザデータ使用量が多いときにファイル単位の抜き出し方式を選択した方が、ブロック単位の抜き出し方式よりも転送時間が時間が短くなるような場合には、ユーザデータ使用量が少ない時にブロック単位の抜き出し方式を選択し、ユーザデータ使用量が多い時にファイル単位の抜き出し方式を選択することも可能である。
【0054】
その他、上述した実施形態では、携帯電話端末とパーソナルコンピュータ間のデータ転送を例に挙げているが、本発明は他の端末とパーソナルコンピュータとの間、パーソナルコンピュータ同士のデータ転送など、様々な用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】携帯電話端末からユーザデータを抜き出してパーソナルコンピュータへ転送する本発明実施形態のデータ転送システムの概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態のデータ転送システムにおいて、携帯電話端末からユーザデータをパーソナルコンピュータへ転送する際の転送シーケンス図である。
【図3】携帯電話端末からユーザデータを抜き出してパーソナルコンピュータに転送する従来のデータ転送システムの概略構成を示す図である。
【図4】従来のデータ転送システムにおいて、携帯電話端末からユーザデータをパーソナルコンピュータへ転送する際の転送シーケンス図である。
【符号の説明】
【0056】
10 携帯電話端末、11 携帯電話端末のCPU、12 携帯電話端末の記憶部、13 携帯電話端末のデータ送受信部、21 ユーザデータ使用量管理部、22 ユーザデータ使用量通知制御部、23 携帯電話端末の抜き出し方式判定部、24 ユーザデータ抜き出し制御部、31 RAM、32 ユーザデータ格納部、50 パーソナルコンピュータ、51 パーソナルコンピュータのCPU、52 パーソナルコンピュータの記憶部、53 パーソナルコンピュータのデータ送受信部、61 データ転送制御部、62 機種判定部、63 パーソナルコンピュータの抜き出し方式判定部、71 データ読み出しプログラム格納部、72 閾値格納部、73 ユーザデータ一時格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ転送元端末との間でデータの送受信を行う送受信部と、
データ転送元端末の記憶部内に記憶された所定データの量と所定閾値との比較結果を基に、上記データ転送元端末の記憶部から、上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式との、何れか一方を選択する判定部と、
データ転送元端末の記憶部内に記憶された所定データの量に対応した情報を上記送受信部を通じて受け取り、その所定データの量に対応した情報を上記判定部へ送り、上記判定部にて選択された抜き出し方式を上記送受信部を通じて上記データ転送元端末へ通知する制御部と、
を有するデータ転送制御装置。
【請求項2】
上記判定部は、上記所定データの量が所定閾値より少ない時に上記第一の抜き出し方式を選択し、上記所定データの量が所定閾値以上の時に上記第二の抜き出し方式を選択する請求項1記載のデータ転送制御装置。
【請求項3】
上記判定部は、上記データ転送元端末の機種に応じた所定閾値を用いて、上記所定データの量との比較を行う請求項1又は請求項2記載のデータ転送制御装置。
【請求項4】
上記制御部は、当該装置から上記通知した抜き出し方式により、上記データ転送元端末が上記記憶部から所定データを抜き出して当該装置へ転送するためのデータ読み出しプログラムを、上記データ転送元端末へロードする請求項1記載のデータ転送制御装置。
【請求項5】
少なくとも所定データを記憶する記憶部と、
データ転送先装置との間でデータの送受信を行う送受信部と、
上記送受信部を通じてデータ転送先装置から通知されたデータ抜き出し方式が、上記記憶部から上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式の、何れかであるかを判定する判定部と、
上記記憶部に記憶された上記所定データの量に対応した情報を上記送受信部を通じて上記データ転送先装置へ通知し、上記判定部にて判定された抜き出し方式により上記記憶部から上記所定データを抜き出して上記送受信部を通じて上記データ転送先装置へ転送する制御部と、
を有する情報端末。
【請求項6】
上記判定部及び上記制御部の機能は、上記データ転送先装置から上記通知されたデータ抜き出し方式で上記記憶部から所定データを抜き出して上記データ転送先装置へ転送するためのデータ読み出しプログラムが、上記データ転送先装置によりロードされて中央処理ユニットにて起動されることにより実行される請求項5記載の情報端末。
【請求項7】
記憶部に記憶された所定データの量に対応した情報をデータ転送制御装置へ通知し、上記データ転送制御装置から通知されたデータ抜き出し方式が、上記記憶部から上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式の、何れかであるかを判定し、その判定した抜き出し方式により上記記憶部から上記所定データを抜き出して上記データ転送制御装置へ転送する情報端末と、
上記情報端末の記憶部内に記憶された所定データの量に対応した情報を受け取り、その受け取った上記所定データの量と所定閾値との比較結果を基に、上記情報端末の記憶部から、上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式との、何れか一方を選択し、その選択した抜き出し方式を上記情報端末へ通知するデータ転送制御装置と、
を有するデータ転送システム。
【請求項8】
上記データ転送制御装置は、上記所定データの量が所定閾値より少ない時に上記第一の抜き出し方式を選択し、上記所定データの量が所定閾値以上の時に上記第二の抜き出し方式を選択する請求項7記載のデータ転送システム。
【請求項9】
上記データ転送制御装置は、上記情報端末の機種に応じた所定閾値を用いて、上記所定データの量との比較を行う請求項7又は請求項8記載のデータ転送システム。
【請求項10】
上記データ転送制御装置は、当該装置から上記通知した抜き出し方式により、上記情報端末が上記記憶部から所定データを抜き出して当該装置へ転送するためのデータ読み出しプログラムを、上記情報端末へロードし、
上記情報端末は、上記データ転送制御装置によりロードされた上記データ読み出しプログラムを起動して実行する請求項7記載のデータ転送システム。
【請求項11】
データ転送元端末の記憶部内に記憶された所定データの量と所定閾値との比較結果を基に、上記データ転送元端末の記憶部から、上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式との、何れか一方を選択する判定部と、
データ転送元端末の記憶部内に記憶された所定データの量に対応した情報を送受信部を通じて受け取り、その所定データの量に対応した情報を上記判定部へ送り、上記判定部にて選択された抜き出し方式を送受信部を通じて上記データ転送元端末へ通知する制御部として、
コンピュータを機能させるデータ転送制御プログラム。
【請求項12】
送受信部を通じてデータ転送先装置から通知されたデータ抜き出し方式が、記憶部から所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式の、何れかであるかを判定する判定部と、
上記記憶部に記憶された上記所定データの量に対応した情報を送受信部を通じて上記データ転送先装置へ通知し、上記判定部にて判定された抜き出し方式により上記記憶部から上記所定データを抜き出して上記送受信部を通じて上記データ転送先装置へ転送する制御部として、
コンピュータを機能させるデータ読み出しプログラム。
【請求項13】
自端末の記憶部に記憶された所定データの量に対応した情報を、情報端末がデータ転送制御装置へ通知するステップと、
上記情報端末が通知した上記記憶部内に記憶された所定データの量に対応した情報を、データ転送制御装置が受け取るステップと、
上記受け取った上記所定データの量と所定閾値との比較結果を基に、上記情報端末の記憶部から、上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式との、何れか一方を、データ転送制御装置が選択するステップと、
上記選択した抜き出し方式を、データ転送制御装置が上記情報端末へ通知するステップと、
上記データ転送制御装置から通知されたデータ抜き出し方式が、上記記憶部から上記所定データを論理単位で抜き出す第一の抜き出し方式と、当該記憶部の物理単位で上記所定データを抜き出す第二の抜き出し方式の、何れかであるかを、情報端末が判定するステップと、
上記判定した抜き出し方式により、情報端末が、上記記憶部から上記所定データを抜き出して上記データ転送制御装置へ転送するステップと、
を有するデータ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−88001(P2010−88001A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256898(P2008−256898)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】