説明

データ送信装置およびプログラム

【課題】無駄な電力消費を招くことなく光源光の反射を利用してデータを送信するデータ送信装置を実現する。
【解決手段】CPU20は、受光センサ10が所定レベル以上の強度の光を受光すると、液晶シャッタ17が駆動可能な状態(駆動フラグKが「1」)になると判別する。さらにCPU20は、振動センサ10の出力VBおよびマイク21の出力MCに基づき本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンス中か否かを判断する。音楽に合わせてダンス中と判別されると、CPU20は光源光反射部REFの液晶シャッタ17が反射する光を「送信すべきデータ」に応じて変調(光強度変調)するように液晶駆動部24を制御する。したがって、従来のように、光源光を受光しているかどうかにかかわらず常時、反射変調手段を駆動させることが無くなるので、無駄な電力消費を招くことなく光源光の反射を利用してデータを送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光通信に用いて好適なデータ送信装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
単一光源方式と呼ばれ、光源光の反射を利用してデータを送信する可視光通信が知られている。例えば特許文献1には、光源からの光を送信すべきデータに従って変調して反射する反射変調手段を備えたデータ送信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−221747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示のデータ送信装置では、光源用の電力を不要として低消費電力化を招致する利点を有しているが、光源光を受光しているかどうかにかかわらず常時、反射変調手段を駆動させており、省エネルギーという観点から言えば、無駄な電力消費を招いてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、無駄な電力消費を招くことなく光源光の反射を利用してデータを送信することができるデータ送信装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送信すべきデータを記憶する記憶手段と、状況を取得する状況取得手段と、前記状況取得手段により取得された状況が予め定められた駆動条件を満たすか否かを判別する条件判別手段と、前記条件判別手段によって駆動条件を満たすと判別された場合に、前記記憶手段に記憶される送信すべきデータに応じて、光源からの光を変調して反射させる光変調駆動手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に従属する請求項2に記載の発明では、前記状況取得手段は、光源から受光した光の強さを検出する受光検出手段と、自装置が装着されるユーザの動作を検出する動作検出手段とから構成され、前記条件判別手段は、当該受光検出手段が所定レベル以上の強度の光を受光し、かつ当該動作検出手段が所定の動作を検出した場合に、駆動条件を満たすと判別することを特徴とする。
【0008】
上記請求項2に従属する請求項3に記載の発明では、前記動作検出手段は、自装置が装着されるユーザの動きに対応した振動を検出する振動検出手段と、自装置周囲の音を抽出する音抽出手段とを備え、当該振動検出手段により検出される振動の成分と当該音抽出手段により抽出される音の成分とに応じてユーザの動作を検出することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、コンピュータに、状況を取得する状況取得ステップと、前記状況取得ステップにより取得された状況が予め定められた駆動条件を満たすか否かを判別する条件判別ステップと、前記条件判別ステップによって駆動条件を満たすと判別された場合に、予め記憶しておいた送信すべきデータに応じて、光源からの光を変調して反射させるよう制御する光変調駆動ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、無駄な電力消費を招くことなく光源光の反射を利用してデータを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】データ送信装置100の利用形態の一例を示す図である。
【図2】データ送信装置100の利用形態の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態によるデータ送信装置100の外観並びに構造を示す正面図および断面図である。
【図4】第1実施形態における光源光反射部REFの構造を示す断面図である。
【図5】再帰反射プリズム16の構造を示す上面図および斜視図である。
【図6】データ送信装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図8】受光処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】動作検知処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】液晶駆動処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態によるデータ送信装置100の外観並びに構造を示す正面図および断面図である。
【図12】第2実施形態における光源光反射部REFの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
A.利用形態
図1および図2に図示するように、本発明によるデータ送信装置100は、例えばステージ上でギター演奏しながらダンスするユーザ(ミュージシャン)の腕に装着される他、装飾品(指輪やイヤリング)のように指に嵌めたり耳に飾ったりして利用される。ステージ上のミュージシャンに照光される光を光源光として、データ送信装置100がその反射光を送信すべきデータに従って変調する。送信すべきデータには、例えばミュージシャンのメールアドレスやURLなどを用いる。図示していない受光装置側では、光強度変調された反射光を受光復調してミュージシャンのメールアドレスやURLなどを取得する。受光装置には、例えば周知の携帯電話のカメラ機能を用いることも可能である。
【0013】
B.構造
次に、図3を参照して第1実施形態によるデータ送信装置100の構造を説明する。この図に示すように、データ送信装置100は、略直方体形状の外観を為す筐体Cから形成される。内部に回路基板PCBおよび光源光反射部REFを嵌合固持する筐体Cの正面側には、受光センサ11に対向して穿設される受光孔Hと、光源光反射部REFに対向する開口部APとを備える。筐体Cに嵌合固持される回路基板PCBの背面側には、操作部13および回路部14が設けられる。回路部14は、後述する構成要素20〜24(図6参照)および駆動電池(不図示)から構成される。
【0014】
回路基板PCBの上面側には、振動センサ10、受光孔Hに対向配置される受光センサ11、マイク12および開口部APに対向配置される光源光反射部REFが設けられる。光源光反射部REFは、図4に図示するように、反射板15、再帰反射プリズム16および液晶シャッター部17から構成される。反射板15は、例えば基材にアルミ蒸着してクリアコートを施してなるアルミシートから構成される。
【0015】
再帰反射プリズム16は、図5に図示するように、直方体の1頂点を形成するよう互いに直交する三角錐面を反射面とするプリズムを複数2次元配列したものであり、再帰反射特性を備える。再帰反射プリズム16上に積層される液晶シャッター部17は、偏光フィルタ171、ガラス基板172a,172b、透明電極173a,173b、配向膜174a,174bおよび液晶層175から形成される。こうした構造の光源光反射部REFによれば、液晶シャッター部17を通過した光は、再帰反射して光源の入射方向と同じ方向へ反射する。
【0016】
C.電気的構成
次に、図6はデータ送信装置100の電気的構成を示すブロック図である。この図において、操作部13は、例えば電源スイッチや、送信すべきデータを選択するデータ選択スイッチなどを備える。CPU20は、ROM21に記憶される各種プログラムを実行して装置各部を制御する。本発明の要旨に係わるCPU20の動作については追って述べる。ROM21は、CPU20にロードされる各種プログラムデータが記憶される。ここで言う各種プログラムとは、後述するメインルーチン、受光処理、動作検知処理および液晶駆動処理を含む。
【0017】
RAM22は、各種レジスタ・フラグデータが一時記憶されるワークエリアと、送信すべきデータ(メールアドレスやURLなど)を記憶するデータエリアとを備える。振動センサ10は、例えばピエゾ素子を用いて本装置に加わる振動を検出する。受光センサ11は、例えばフォトダイオードを用いて光源光から本装置に照射される光量を検出する。マイク12は、本装置周囲の音を検出する。入力信号処理部23は、CPU20の制御の下に、振動センサ10、受光センサ11およびマイク12の各出力信号をA/D変換して取り込む。液晶駆動部24は、CPU20の制御の下に、液晶シャッタ17をオンオフ制御する。すなわち、送信すべきデータに従って反射光を変調する。
【0018】
D.動作
次に、図7〜図10を参照して、上記構成による第1実施形態の動作について説明する。以下では、CPU20が実行するメインルーチン、受光処理、動作検知処理および液晶駆動処理の各動作について述べる。
【0019】
(1)メインルーチンの動作
装置電源がパワーオンされると、CPU20は図7に図示するメインルーチンを実行し、ステップSA1に進み、RAM22に設けられる各種レジスタ・フラグデータをゼロリセットもしくは初期値セットするイニシャライズを実行する。具体的には、後述する駆動フラグKをゼロリセットし、終了フラグEを「1」にセットする。そして、イニシャライズが完了すると、ステップSA2に進み、例えばデータ選択スイッチの操作に応じて送信すべきデータを選択する等のスイッチ処理を実行する。
【0020】
続いて、ステップSA3では、所定レベル以上の強度の光を受光して受光センサ11の出力が所定値以上になると、駆動フラグKを「1」にセットして液晶シャッタ17が駆動可能な状態になったことを表す受光処理を実行する。次いで、ステップSA4では、液晶シャッタ17が駆動可能(駆動フラグKが「1」の場合)であると、振動センサ10の出力VBおよびマイク12の出力MCを取り込み、取り込んだ振動センサ10の出力VBおよびマイク12の出力MCに基づき本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンス中であるか否かを判別し、ダンス中と判別した場合にはダンスフラグDTを「1」にセットしてダンス中であることを表す動作検知処理を実行する。
【0021】
次いで、ステップSA5では、現在の状態が駆動条件(駆動フラグKが「1」)であり、かつ液晶駆動が完了しておらず(終了フラグEが「0」)、しかもユーザがダンス中(ダンスフラグDTが「1」)に合致した場合に、光源光反射部REFの液晶シャッタ17が反射する光を「送信すべきデータ」に応じて変調(光強度変調)するよう液晶駆動部24を制御する液晶駆動処理を実行する。この後、上述のステップSA2に処理を戻し、以後、装置電源がオフされるまで上述したステップSA2〜SA5の各処理を繰り返し実行する。
【0022】
(2)受光処理の動作
次に、図8を参照して受光処理の動作を説明する。上述したメインルーチンのステップSA3(図7参照)を介して本処理が実行されると、CPU20は図8に図示するステップSB1に進み、受光センサ10の出力を取り込んでレジスタJKにストアする。以下、レジスタJKの内容を受光センサ出力JKと称す。次いで、ステップSB2では、駆動フラグKが「0」であるか否か、すなわち液晶シャッタ17の駆動の可否を判断する。液晶シャッタ17が駆動可能(駆動フラグKが「1」の場合)ならば、判断結果は「NO」となり、本処理を終える。
【0023】
一方、液晶シャッタ17が駆動不可(駆動フラグKが「0」の場合)であると、上記ステップSB2の判断結果は「YES」となり、ステップSB3に進む。ステップSB3では、受光センサ出力JKが所定値以上であるか否か、つまり所定レベル以上の強度(照度)の光を受光している状態であるかどうかを判断する。
【0024】
所定レベル以上の強度の光を受光しておらず、受光センサ出力JKが所定値未満の状態ならば、上記ステップSB3の判断結果は「NO」となり、本処理を終える。これに対し、所定レベル以上の強度の光を受光して受光センサ出力JKが所定値以上になると、上記ステップSB3の判断結果は「YES」となり、駆動フラグKを「1」にセットし、これにより液晶シャッタ17が駆動可能な状態になった旨を表して本処理を終える。このように、受光処理では、所定レベル以上の強度の光を受光して受光センサ出力JKが所定値以上になると、駆動フラグKを「1」にセットして液晶シャッタ17が駆動可能な状態になったことを表す。
【0025】
(3)動作検知処理の動作
次に、図9を参照して動作検知処理の動作を説明する。上述したメインルーチンのステップSA4(図7参照)を介して本処理が実行されると、CPU20は図9に図示するステップSC1に進み、駆動フラグKが「1」であるか否かを判断する。駆動フラグKが「0」の場合、つまり液晶シャッタ17が駆動不可であると、判断結果は「NO」になり、ステップSC2に進み、終了フラグEおよびダンスフラグDTをそれぞれゼロリセットして本処理を終える。
【0026】
一方、駆動フラグKが「1」の場合、つまり液晶シャッタ17が駆動可能であると、上記ステップSC1の判断結果は「YES」となり、ステップSC3に進み、振動センサ10の出力をレジスタVBに、マイク12の出力をレジスタMCにそれぞれ取り込む。以下、レジスタVBの内容を振動センサ出力VB、レジスタMCの内容をマイク出力MCと称す。
【0027】
そして、ステップSC4に進むと、振動センサ出力VBが閾値1より大きく、かつマイク出力MCが閾値2より大きいか否かを判断する。本実施形態では、ステージ上でギター演奏しながらダンスするユーザ(ミュージシャン)にデータ送信装置100を装着した場合を想定している。したがって、このステップSC4では、振動センサ出力VBが閾値1より大きく、かつマイク出力MCが閾値2より大きければ、本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が何らかの動作を行っていると見なし、判断結果が「YES」となり、ステップSC5に進む。
【0028】
これに対し、上記判別条件を満たさない場合、すなわち振動センサ出力VBが閾値1より小さかったり、マイク出力MCが閾値2より小さかったりすると、本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が何らかの動作を行っていないと見なし、上記ステップSC4の判断結果は「NO」となり、上述したステップSC2に進み、終了フラグEおよびダンスフラグDTをそれぞれゼロリセットして本処理を終える。
【0029】
さて、上記判別条件を満たし、本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が何らかの動作を行っていると見なしてステップSC5に進むと、振動センサ出力VBおよびマイク出力MCのそれぞれについて公知のFFT(高速フーリエ変換)処理を施し、これにより振動センサ出力VBおよびマイク出力MCの各1次振動数(基本波成分)であるf(VB)およびf(MC)を抽出する。
【0030】
次いで、ステップSC6では、振動センサ出力VBの1次振動数f(VB)とマイク出力MCの1次振動数f(MC)との差分絶対値が所定値以下であるか否かを判断する。本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が曲に合わせて踊ると、振動センサ出力VBの1次振動数f(VB)はダンスで揺れる振動数となり、一方、とマイク出力MCの1次振動数f(MC)は曲のバスドラの振動数となる。したがって、曲に合わせて踊れば、振動センサ出力VBの1次振動数f(VB)とマイク出力MCの1次振動数f(MC)とがほぼ一致する。
【0031】
したがって、このステップSC6では、振動センサ出力VBの1次振動数f(VB)とマイク出力MCの1次振動数f(MC)との差分絶対値が所定値以下であるか否かによって、ユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンスしているかどうかを判断する。振動センサ出力VBの1次振動数f(VB)とマイク出力MCの1次振動数f(MC)との差分絶対値が所定値より大きければ、ユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンスしていないと見なして判断結果が「NO」となり、上述したステップSC2に進み、終了フラグEおよびダンスフラグDTをそれぞれゼロリセットして本処理を終える。
【0032】
一方、振動センサ出力VBの1次振動数f(VB)とマイク出力MCの1次振動数f(MC)との差分絶対値が所定値以下であると、ユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンスしていると見なして判断結果が「YES」となり、ステップSC7に進み、ダンスフラグDTを「1」にセットしてダンス中であることを表した後、本処理を終える。
【0033】
以上のように、動作検知処理では、液晶シャッタ17が駆動可能(駆動フラグKが「1」の場合)であると、振動センサ出力VBおよびマイク出力MCを取り込み、取り込んだ振動センサ出力VBおよびマイク出力MCに基づき本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンス中であるか否かを判別し、ダンス中と判別した場合にはダンスフラグDTを「1」にセットしてダンス中であることを表す。
【0034】
(4)液晶駆動処理の動作
次に、図10を参照して液晶駆動処理の動作を説明する。上述したメインルーチンのステップSA5(図7参照)を介して本処理が実行されると、CPU20は図10に図示するステップSD1に進み、現在の状態が駆動条件(液晶シャッタ17が駆動可能(駆動フラグKが「1」)であり、かつ液晶駆動が完了しておらず(終了フラグEが「0」)、しかもユーザがダンス中(ダンスフラグDTが「1」)に合致しているか否かを判断する。何れかのフラグが駆動条件に合致しなければ、判断結果は「NO」となり、本処理を終える。
【0035】
一方、現在の状態が駆動条件(駆動フラグKが「1」)であり、かつ液晶駆動が完了しておらず(終了フラグEが「0」)、しかもユーザがダンス中(ダンスフラグDTが「1」)に合致していると、上記ステップSD1の判断結果は「YES」となり、ステップSD2に進む。ステップSD2では、光源光反射部REFに入射する光について、前述のスイッチ処理(ステップSA2)において選択された「送信すべきデータ」に応じて変調(光強度変調)するように液晶駆動部24を制御する。これにより、光源光反射部REFの液晶シャッタ17が反射する光を変調する。そして、ステップSD4〜SD6では、終了フラグEを「1」にセットして液晶駆動の完了を表すと共に、駆動フラグKおよびダンスフラグDTを各々ゼロリセットして本処理を終える。
【0036】
このように、液晶駆動処理では、現在の状態が駆動条件(駆動フラグKが「1」)であり、かつ液晶駆動が完了しておらず(終了フラグEが「0」)、しかもユーザがダンス中(ダンスフラグDTが「1」)に合致した場合に、光源光反射部REFの液晶シャッタ17が反射する光を「送信すべきデータ」に応じて変調(光強度変調)する。
【0037】
以上説明したように、第1実施形態では、所定レベル以上の強度の光を受光して液晶シャッタ17が駆動可能な状態(駆動フラグKが「1」)になり、さらに振動センサ出力VBおよびマイク出力MCに基づき本装置100を装着したユーザ(ミュージシャン)が音楽に合わせてダンス中と判別されると、光源光反射部REFの液晶シャッタ17が反射する光を「送信すべきデータ」に応じて変調(光強度変調)するように液晶駆動部24を制御するので、従来のように、光源光を受光しているかどうかにかかわらず常時、反射変調手段を駆動させることが無くなり、この結果、無駄な電力消費を招くことなく光源光の反射を利用してデータを送信することができる。
【0038】
[第2実施形態]
次に、図11〜図12を参照して第2実施形態によるデータ送信装置200の構造について説明する。これらの図において、上述した第1実施形態と共通する構成要素には、同一の番号を付し、その説明を省略する。第2実施形態が前述の第1実施形態(図3〜図4参照)と相違する点は、駆動電池に替えて、受光孔Hに対応する部分を開口したソーラーパネルSPを筐体Cの正面側に設けると共に、光源光反射部REFを構成する再帰反射プリズム16に替えて、ガラスビーズを用いた再帰反射層30を形成した点にある。
【0039】
このような構造によれば、光源光を受光するたソーラーパネルSPの駆動出力によって回路部14を駆動する為、無駄な電力消費を招くことなく光源光の反射を利用してデータを送信することができる。また、再帰反射層30をガラスビーズで形成することによって再帰反射プリズム16よりも変調された反射光を広範囲に拡散できる。言い換えれば、広い範囲にデータ送信することが可能になる。
【符号の説明】
【0040】
100,200 データ送信装置
10 振動センサ
11 受光センサ
12 マイク
13 操作部
14 回路部
15 反射板
16 再帰反射プリズム
17 液晶シャッター
171 偏光フィルタ
172a,172b ガラス基板
173a,173b 透明電極
174a,174b 配向膜
175 液晶層
20 CPU
21 ROM
22 RAM
23 入力信号処理部
24 液晶駆動部
C 筐体
REF 光源光反射部
PCB 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信すべきデータを記憶する記憶手段と、
状況を取得する状況取得手段と、
前記状況取得手段により取得された状況が予め定められた駆動条件を満たすか否かを判別する条件判別手段と、
前記条件判別手段によって駆動条件を満たすと判別された場合に、前記記憶手段に記憶される送信すべきデータに応じて、光源からの光を変調して反射させる光変調駆動手段と
を具備することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項2】
前記状況取得手段は、光源から受光した光の強さを検出する受光検出手段と、自装置が装着されるユーザの動作を検出する動作検出手段とから構成され、
前記条件判別手段は、当該受光検出手段が所定レベル以上の強度の光を受光し、かつ当該動作検出手段が所定の動作を検出した場合に、駆動条件を満たすと判別することを特徴とする請求項1記載のデータ送信装置。
【請求項3】
前記動作検出手段は、自装置が装着されるユーザの動きに対応した振動を検出する振動検出手段と、自装置周囲の音を抽出する音抽出手段とを備え、当該振動検出手段により検出される振動の成分と当該音抽出手段により抽出される音の成分とに応じてユーザの動作を検出することを特徴とする請求項2記載のデータ送信装置。
【請求項4】
コンピュータに、
状況を取得する状況取得ステップと、
前記状況取得ステップにより取得された状況が予め定められた駆動条件を満たすか否かを判別する条件判別ステップと、
前記条件判別ステップによって駆動条件を満たすと判別された場合に、予め記憶しておいた送信すべきデータに応じて、光源からの光を変調して反射させるよう制御する光変調駆動ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−4959(P2012−4959A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139647(P2010−139647)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】