説明

データ通信システム、サーバー、及び端末

【課題】より利便性を高めた、端末間の画像データの送受信を行う。
【解決手段】サーバーは、端末ごとに該端末の送信リスト及び受信リストを記憶する。送信端末は、送信リストに送信データの送信情報を追加するとともに、送信データをサーバーに送る。サーバーは、送信端末から送られた送信データを記憶するとともに、送信リストに追加された送信情報に対応する受信情報を送信データの宛先の受信端末の受信リストに追加する。受信端末は、受信リストに追加された受信情報に対応する送信データをサーバーから取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介したデータ通信に関し、特に、ネットワークを介して端末
間で画像データを送受信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワークを利用して写真や文書などの画像データを複数のユー
ザーが共有するための仕組み(以下、「データ共有システム」とも呼ぶ。)が知られてい
る。この仕組みの一例として、例えば、フォトシェアリングサイトと呼ばれるものがある
。このフォトシェアリングサイトおいては、例えば、ユーザーはPC(Personal Compute
r)で動作するWEBブラウザー等のアプリケーションを操作することにより、WEB上
のフォトシェアリングサイトにアクセスすることができる。ユーザーは、WEBブラウザ
ーを操作してフォトシェアリングサイトに画像データをアップロードすることができる。
また、ユーザーは、WEBブラウザーを操作してフォトシェアリングサイトにアップロー
ドされている画像データを閲覧することができる。
【0003】
また、電話回線網と通信を行う機能と、LANやインターネット等のIPネットワーク
と通信を行う機能との両方を有し、IPネットワークを介して受信する電子メールにより
ファクシミリの送信の依頼をユーザーの端末から受け付け、電話回線網を介して接続され
ている他のファクシミリ装置に画像データを送信する、ネットワークファクシミリが知ら
れている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−108772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、利便性などの観点から、インターネット等のネットワークを介してファクシ
ミリのように特定の宛先に画像データを送信したい、という要望がある。
【0006】
しかし、上述したWEBベースのデータ共有システムは、あくまでもデータの共有を目
的としている仕組みである。そのため、特定のユーザーに対して画像データを送信する仕
組みは考慮されておらず、当然その仕組みを備えていない。また、上述したネットワーク
ファクシミリは、電子メールで依頼を受け付ける機能以外は、従来と同様の、電話回線網
を用いたファクシミリである。そのため、当該ファクシミリをデータ共有システムに適用
することはできない。
【0007】
本発明は、より利便性を高めた、端末間の画像データの送受信を行うことを目的とする

【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための本発明の第一の態様は、
複数の端末間のデータを中継するサーバーであって、
端末ごとに、該端末が送信する送信データに関するステータスを含む送信情報を含む第
1リストと、該端末が受信する受信データに関するステータスを含む受信情報を含む第2
リストとを取得するリスト取得部と、
端末から送信データを受信するデータ受信部と、
受信した送信データを記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部が記憶した送信データを宛先の端末に送信するデータ送信部と、
前記データ受信部が送信データを受信した場合に、該送信データの送信元の端末の第1
リストに該送信データの送信情報を追加するとともに、該送信データの宛先の端末の第2
リストに該送信データに対応する受信データの受信情報を追加し、前記データ送信部が前
記送信データを前記宛先の端末に送信した場合に、前記送信元の端末の第1リストに前記
送信データの送信が完了したことを示す情報を記録するとともに、前記宛先の端末の第2
リストに前記受信データの受信が完了したことを示す情報を記録する、リスト変更部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、上記のサーバーであって、
端末からの要求に応じて、該端末の第1リストに含まれる送信情報又は該端末の第2リ
ストに含まれる受信情報の少なくとも一方を、該端末に通知するリスト通知部を備える、
ことを特徴としていてもよい。
【0010】
また、上記のいずれかのサーバーであって、
前記リスト変更部は、特定の送信データの送信を中止する端末からの要求に応じて、該
端末の第1リストの前記特定の送信データの送信情報を削除するとともに、該特定の送信
データの宛先の端末の第2リストから該特定の送信データに対応する受信データの受信情
報を削除する、
ことを特徴としていてもよい。
【0011】
上記の課題を解決するための本発明の第二の態様は、
コンピューターを、複数の端末間のデータを中継するサーバーとして機能させるプログ
ラムであって、
端末ごとに、該端末が送信する送信データに関するステータスを含む送信情報を含む第
1リストと、該端末が受信する受信データに関するステータスを含む受信情報を含む第2
リストとを取得するリスト取得部と、
端末から送信データを受信するデータ受信部と、
受信した送信データを記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部が記憶した送信データを宛先の端末に送信するデータ送信部と、
前記データ受信部が送信データを受信した場合に、該送信データの送信元の端末の第1
リストに該送信データの送信情報を追加するとともに、該送信データの宛先の端末の第2
リストに該送信データに対応する受信データの受信情報を追加し、前記データ送信部が前
記送信データを前記宛先の端末に送信した場合に、前記送信元の端末の第1リストに前記
送信データの送信が完了したことを示す情報を記録するとともに、前記宛先の端末の第2
リストに前記受信データの受信が完了したことを示す情報を記録する、リスト変更部、
として機能させることを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の第三の態様は、
複数の端末間のデータを中継するサーバーにおけるデータ中継方法であって、
端末ごとに、該端末が送信する送信データに関するステータスを含む送信情報を含む第
1リストと、該端末が受信する受信データに関するステータスを含む受信情報を含む第2
リストとを取得するリスト取得ステップと、
端末から送信データを受信するデータ受信ステップと、
受信した送信データを記憶するデータ記憶ステップと、
前記データ記憶ステップで記憶された送信データを宛先の端末に送信するデータ送信ス
テップと、
前記データ受信ステップで送信データが受信された場合に、該送信データの送信元の端
末の第1リストに該送信データの送信情報を追加するとともに、該送信データの宛先の端
末の第2リストに該送信データに対応する受信データの受信情報を追加し、前記データ送
信ステップで前記送信データが前記宛先の端末に送信された場合に、前記送信元の端末の
第1リストに前記送信データの送信が完了したことを示す情報を記録するとともに、前記
宛先の端末の第2リストに前記受信データの受信が完了したことを示す情報を記録する、
リスト変更ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決するための本発明の第四の態様は、
複数の端末と、前記複数の端末間のデータを中継するサーバーとを備えるデータ通信シ
ステムであって、
前記サーバーは、
端末ごとに、該端末が送信するデータに関するステータスを含む送信情報を記録する第
1リストと、該端末が受信するデータに関するステータスを含む受信情報を記録する第2
リストとを取得するリスト取得手段と、
前記端末から送信されたデータを記憶するデータ記憶手段と、を有し、
データの送信元の第1端末は、
データの送信情報を前記サーバーに送信する送信情報送信手段と、
前記データを前記サーバーに送信するデータ送信手段と、を有し、
前記サーバーは、さらに、
前記第1端末から送信された送信情報を受信する送信情報受信手段と、
受信した前記送信情報を前記第1端末の第1リストに追加するとともに、該送信情報に
対応するデータの宛先の端末の第2リストに該データの受信情報を追加するリスト変更手
段と、
前記送信情報に対応するデータの宛先の端末に前記受信情報を送信する受信情報送信手
段と、
前記第1端末から送信されたデータを受信して前記データ記憶手段に記憶するデータ受
信手段と、を有し、
前記データの宛先の第2端末は、
前記サーバーから送信された受信情報を受信する受信情報受信手段と、
受信した前記受信情報に対応するデータを前記サーバーから取得するデータ取得手段と

前記受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録する受信情報変更手
段と、
前記受信情報を前記サーバーに送信する受信情報送信手段と、を有し、
前記サーバーは、さらに、
前記第2端末から送信された受信情報を受信する受信情報受信手段を有し、
前記リスト変更手段は、
受信した前記受信情報のステータスに基づいて、前記第2端末の第2リストに記録され
ている対応する受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録するととも
に、受信した前記受信情報に対応するデータの送信元の端末の第1リストの対応する送信
情報のステータスに送信が完了したことを示す情報を記録する、
ことを特徴とする。
【0014】
ここで、上記のデータ通信システムであって、
前記端末は、さらに、
ユーザーの指示に応じて、自身の端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を要求するリスト要求手段を有し、
前記サーバーは、さらに、
前記端末からの要求に応じて、該端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を該端末に通知するリスト通知手段を有する、
ことを特徴としていてもよい。
【0015】
上記の課題を解決するための本発明の第五の態様は、
複数の端末と、前記複数の端末間のデータを中継するサーバーとを備えるデータ通信シ
ステムにおける、データ通信方法であって、
前記サーバーは、
端末ごとに、該端末が送信するデータに関するステータスを含む送信情報を記録する第
1リストと、該端末が受信するデータに関するステータスを含む受信情報を記録する第2
リストとを取得するステップを実行し、
データの送信元の第1端末は、
データの送信情報を前記サーバーに送信するステップと、
前記データを前記サーバーに送信するステップと、を実行し、
前記サーバーは、
前記第1端末から送信された送信情報を受信するステップと、
受信した前記送信情報を前記第1端末の第1リストに追加するとともに、該送信情報に
対応するデータの宛先の端末の第2リストに該データの受信情報を追加するステップと、
前記送信情報に対応するデータの宛先の端末に前記受信情報を送信するステップと、
前記第1端末から送信されたデータを受信して記憶するステップと、を実行し、
前記データの宛先の第2端末は、
前記サーバーから送信された受信情報を受信するステップと、
受信した前記受信情報に対応するデータを前記サーバーから取得するステップと、
前記受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録するステップと、
前記受信情報を前記サーバーに送信するステップと、を実行し、
前記サーバーは、
前記第2端末から送信された受信情報を受信するステップと、
受信した前記受信情報のステータスに基づいて、前記第2端末の第2リストに記録され
ている対応する受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録するととも
に、受信した前記受信情報に対応するデータの送信元の端末の第1リストの対応する送信
情報のステータスに送信が完了したことを示す情報を記録するステップと、を実行する、
ことを特徴とする。
【0016】
ここで、上記のデータ通信方法であって、
前記端末は、さらに、
ユーザーの指示に応じて、自身の端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を要求するステップを実行し、
前記サーバーは、さらに、
前記端末からの要求に応じて、該端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を該端末に通知するステップを実行する、
ことを特徴としていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態の一例に係るデータ通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】複合機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】データ管理サーバーの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ユーザーデータベースの構成の一例を説明する図である。
【図5】送信及び受信ステータスの遷移の一例を説明する図である。
【図6】複合機のハードウェアの概略構成例を示すブロック図である。
【図7】データ管理サーバーのハードウェアの概略構成例を示すブロック図である。
【図8】データ送信処理の一例を示すシーケンス図である。
【図9】データ受信処理の一例を示すシーケンス図である。
【図10】データ送信中止処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第一実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の第一実施形態の一例に係るデータ通信システムの概略構成を示すブロ
ック図である。
【0020】
データ通信システム1は、複数の複合機2と、一以上のデータ管理サーバー5とを備え
る。複合機2は、LAN(Local Area Network)3に接続されている。LAN3は、イン
ターネット6に接続されている。データ管理サーバー5は、インターネット6に接続され
ている。インターネット6には、一以上のSIP(Session Initiation Protocol)サー
バー(「SIPプロキシーサーバー」とも呼ぶ。)4が接続されている。
【0021】
複合機2とデータ管理サーバー5とは、一以上のSIPサーバー4を介して互いにセッ
ション(「呼」とも呼ぶ。)を確立し(図中の矢印A及びB)、当該セッション上でデー
タの送受信を行う。
【0022】
複合機2とデータ管理サーバー5は、SIPによりセッションを確立後、当該セッショ
ン上で、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を用いて互いにデータの送受信を行
う。もちろん、HTTPの替わりに、例えば、HTTPS(HTTP Security)などのプロ
トコルを用いてもよい。
【0023】
複合機2は、スキャン機能、印刷機能、コピー機能などの通常の複合機が有する機能に
加え、スキャン等により入力された画像データやその他のデータを、SIP及びHTTP
を用いて、指定された宛先の装置(例えば、データ管理サーバー5)に送信する機能を有
する。フラッシュROMなどの持ち運び可能な記録媒体や複合機2の記憶装置に格納され
ているデータを送信するようにしてもよい。また、SIP及びHTTPを用いて、指定さ
れた装置(例えば、データ管理サーバー5)から、画像データやその他のデータを受信す
る機能を有する。
【0024】
データ管理サーバー5は、SIP及びHTTPを用いて、他の装置(例えば、複合機2
)から画像データやその他のデータを受信し、記憶する。また、SIP及びHTTPを用
いて、記憶している画像データやその他のデータを当該データの宛先の装置(例えば、複
合機2)に、送信する。
【0025】
SIPサーバー4は、SIPに従って、端末(複合機2やデータ管理サーバー5)間の
呼接続、呼切断などを制御する。
【0026】
以上がデータ通信システム1の概略構成例である。ただし、この構成は、本願発明の特
徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また
、一般的なデータ通信システムが備える構成を排除するものではない。例えば、画像デー
タを送信する端末は、複合機2に限られず、スキャナー装置、コピー機、デジタルカメラ
、スキャナー機能を有する携帯端末、撮影機能を有する携帯端末、などであってもよい。
【0027】
図2は、複合機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
複合機2は、操作受付部20と、読取制御部21と、印刷制御部22と、呼制御部23
と、データ通信制御部24とを有する。
【0029】
なお、複合機2は、例えば図6に示すように、コントローラー200と、操作パネル2
40と、読取エンジン250と、印刷エンジン260と、ネットワークインターフェイス
(I/F)270とを有する一般的な複合機である。
【0030】
コントローラー200は、複合機2を統合的に制御するユニットであり、CPU(Cent
ral Processing Unit)210、RAM(Random Access Memory)220、及びROM(R
ead Only Memory)230を有する。各種の画像処理を行うための画像処理回路を搭載し
ていてもよい。操作パネル240は、液晶ディスプレイ、タッチパネル、各種ハードスイ
ッチなどを備える。読取エンジン250は、コントローラー200からの指示に基づいて
、セットされた原稿の読み取りを行い、コントローラー200に読み取った画像データを
出力する機構である。印刷エンジン260は、コントローラー200からの指示に基づい
て、コントローラー200から出力される印刷データの印刷を行う機構である。ネットワ
ークI/F270は、LAN等のネットワークとの通信を行うユニットである。
【0031】
もちろん、上記の複合機2のハードウェア構成の一例は、本願発明の特徴を説明するに
あたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な複合
機が備える構成を排除するものではない。例えば、持ち運び可能なフラッシュROM等の
記憶媒体を読み書きするための、カード方式のインターフェイスやUSBインターフェイ
スを備えていてもよい。
【0032】
上述の各機能部(操作受付部20、読取制御部21、印刷制御部22、呼制御部23、
データ通信制御部24)は、例えば、CPU210がROM230からRAM220にロ
ードした所定のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、
例えば、ネットワークI/F270を介してネットワーク上からダウンロードされてイン
ストールおよび/または更新される。また、複合機2が記憶媒体のインターフェイスを備
える場合は、所定のプログラムは、持ち運び可能なフラッシュROM等の記憶媒体から読
み出されてインストールおよび/または更新されてもよい。
【0033】
操作受付部20は、複合機2に対するユーザーの指示を受け付ける機能部である。
【0034】
例えば、操作受付部20は、データ送信の宛先の識別情報(例えば、SIP URI(
Uniform Resource Identifier)などのアドレス情報)の入力を、操作パネル240を介
して受け付ける。宛先の識別情報のリストへの登録を予め受け付けておき、当該リストの
中から宛先の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0035】
また、例えば、操作受付部20は、入力された宛先の識別情報に対するデータ送信の開
始の指示を、操作パネル240を介して受け付ける。また、操作受付部20は、受信した
データの表示、印刷、削除の指示、データの送信履歴や受信履歴を参照する指示、データ
送信を中止する指示、などを受け付ける。
【0036】
読取制御部21は、読取エンジン250による原稿の読み取りを制御する機能部である

【0037】
例えば、読取制御部21は、操作受付部20によりデータ送信の開始の指示が受け付け
られた場合、セットされた原稿の読み取りを読取エンジン250に実行させ、読み取られ
た原稿の画像データを取得する。読取制御部21は、取得した画像データを、例えば、R
AM220に格納する。
【0038】
印刷制御部22は、印刷エンジン260による印刷を制御する機能部である。
【0039】
例えば、印刷制御部22は、読取制御部21によりRAM220に格納された画像デー
タを取得し、各種画像処理を施して印刷エンジン260に出力し、印刷媒体への印刷を印
刷エンジン260に実行させる。また、例えば、データ通信制御部24の指示に応じて、
データ通信制御部24によりデータ管理サーバー5から受信されてRAM220に格納さ
れた画像データを取得し、各種画像処理を施して印刷エンジン260に出力し、印刷媒体
への印刷を印刷エンジン260に実行させる。
【0040】
呼制御部23は、ネットワークI/F270を介してSIPによる呼制御を行う機能部
である。
【0041】
例えば、呼制御部23は、操作受付部20により特定の宛先に対するデータ送信の開始
の指示が受け付けられた場合、予め設定されたデータ管理サーバー5の識別情報(例えば
、SIP URIなどのアドレス情報)を取得する。そして、SIPサーバー4を介して
、当該識別情報を呼接続先としてセッションを確立する。
【0042】
また、例えば、呼制御部23は、データ管理サーバー5からセッション接続の要求を受
け付けた場合、データ管理サーバー5とセッションを確立する。また、呼制御部23は、
操作受付部20によりデータの送信履歴や受信履歴を参照する指示が受け付けられた場合
、データ管理サーバー5とセッションを確立する。
【0043】
もちろん、呼制御部23は、ネットワークI/F270を介して他の複合機2とセッシ
ョンを確立してもよい。
【0044】
データ通信制御部24は、呼制御部23により複合機2とデータ管理サーバー5との間
で確立されたセッション上で、データの送受信を行う機能部である。本実施形態では、デ
ータ通信制御部24は、HTTPを用いて、データ管理サーバー5とデータの送受信を行
う。もちろん、呼制御部23により自身の複合機2と他の複合機2との間で確立されたセ
ッション上で、当該他の複合機2とデータの送受信を行ってもよい。
【0045】
例えば、データ通信制御部24は、操作受付部20により特定の宛先に対するデータ送
信の開始の指示が受け付けられた場合、呼制御部23によるデータ管理サーバー5とのセ
ッション確立後、予め設定されたURIからアクセス先リスト532(図4参照)を取得
する。なお、当該URIは、例えば、複合機2のユーザーに対して予め割り当てられたU
RIである。アクセス先リスト532は、例えば、HTTPのGETメソッド及び当該U
RIを含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に送ることにより取得することができ
る。
【0046】
また、データ通信制御部24は、上述のようにしてデータ管理サーバー5から取得した
アクセス先リスト532に含まれる送信リストURI5320(図4参照)から、送信リ
スト533(図4参照)を取得する。送信リスト533は、例えば、HTTPのGETメ
ソッド及び送信リストURI5320を含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に送
ることにより取得することができる。
【0047】
また、データ通信制御部24は、上述のようにして取得した送信リスト533に、操作
受付部20を介して入力された送信データの宛先の識別情報を含む送信エントリー(図4
参照)を追加する。なお、送信エントリーを追加する場合、送信エントリーID5330
には送信エントリーを識別する値を、宛先ID5331には送信データの宛先の識別情報
を、送信ステータス5332には「送信:受付」を、送信データURI5333には不定
を示す値を、それぞれ設定する。
【0048】
また、データ通信制御部24は、上述のようにして更新した送信リスト533をデータ
管理サーバー5にアップロードする。送信リスト533は、例えば、HTTPのPUTメ
ソッド、送信リストURI5320、及び送信リスト533を含む要求メッセージをデー
タ管理サーバー5に送ることによりアップロードすることができる。
【0049】
なお、データ通信制御部24は、送信リスト533の送受信を行わずに、送信エントリ
ーをデータ管理サーバー5に送信してもよい。この場合、データ管理サーバー5は、受信
した送信エントリーを、当該エントリーの送信元の複合機2に対応する送信リスト533
に追加する。
【0050】
また、データ通信制御部24は、送信リスト533のデータ管理サーバー5へのアップ
ロードの応答として、上述のようにして送信リスト533に追加した送信エントリーに対
応する送信データURI5333を受信する。また、データ通信制御部24は、受信した
送信データURI5333に、RAM220に格納されている送信データをアップロード
する。送信データは、例えば、HTTPのPOSTメソッド、送信データURI5333
、及び送信データを含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に送ることによりアップ
ロードすることができる。
【0051】
また、例えば、データ通信制御部24は、データ管理サーバー5からの要求に応じて呼
制御部23によりセッションが確立された場合、上述した手順でデータ管理サーバー5か
らアクセス先リスト532を取得する。
【0052】
また、データ通信制御部24は、上述のようにして取得したアクセス先リスト532に
含まれる受信リストURI5321(図4参照)から、受信リスト534(図4参照)を
取得する。受信リスト534は、例えば、HTTPのGETメソッド及び受信リストUR
I5321を含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に送ることにより取得すること
ができる。
【0053】
また、データ通信制御部24は、上述のようにして取得した受信リスト534に含まれ
る受信エントリー(図4参照)のうち、受信ステータス5342が「受信:受付」である
エントリーを特定する。それから、後述する、複合機2に予め設定された受信データの処
理方法に従って、特定した受信エントリーに含まれる受信データURI5343に格納さ
れている受信データを処理する。受信データの処理方法の設定は、例えば、操作受付部2
0が操作パネル240を介してユーザーから受け付けることができる。
【0054】
受信データの処理方法が「保存」に設定されている場合、データ通信制御部24は、上
述のようにして特定した受信エントリーに含まれる受信データURI5343から受信デ
ータを取得し、例えば、RAM220に格納する。また、当該受信エントリーの受信ステ
ータス5342を「受信:保存」に変更する。受信データは、例えば、HTTPのGET
メソッド及び受信データURI5343を含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に
送ることにより取得することができる。なお、受信データは、操作パネル240を介した
ユーザーの指示により印刷することができる。
【0055】
受信データの処理方法が「印刷」に設定されている場合、データ通信制御部24は、上
述のようにして特定した受信エントリーに含まれる受信データURI5343から受信デ
ータを取得し、例えば、RAM220に格納する。また、データ通信制御部24は、取得
した受信データの印刷するように印刷制御部22に指示する。また、当該受信エントリー
の受信ステータス5342を「受信:印刷」に変更する。
【0056】
受信データの処理方法が「削除」に設定されている場合、データ通信制御部24は、上
述のようにして特定した受信エントリーに含まれる受信データURI5343から受信デ
ータを取得し、例えば、RAM220に格納する。また、データ通信制御部24は、取得
した印刷データを消去する。また、当該受信エントリーの受信ステータス5342を「受
信:削除」に変更する。
【0057】
受信データの処理方法が「拒否」に設定されている場合、データ通信制御部24は、上
述のようにして特定した受信エントリーに含まれる受信データURI5343から受信デ
ータを取得しない。また、データ通信制御部24は、当該受信エントリーの受信ステータ
ス5342を「受信:拒否」に変更する。
【0058】
なお、データ通信制御部24は、受信データを一旦受信し、当該受信データの内容を表
示するように操作受付部20に指示し、操作受付部20を介して当該受信データの処理方
法の選択をユーザーから受け付けるようにしてもよい。
【0059】
データ通信制御部24は、上述のようにして受信データを処理し、受信エントリーの受
信ステータス5342を変更後、受信リスト534をデータ管理サーバー5にアップロー
ドする。受信リスト534は、例えば、HTTPのPUTメソッド、受信リストURI5
321、及び受信リスト534を含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に送ること
によりアップロードすることができる。
【0060】
また、例えば、データ通信制御部24は、操作受付部20により送信データの送信履歴
を参照する指示が受け付けられた場合、呼制御部23によるデータ管理サーバー5とのセ
ッション確立後、上述した手順でデータ管理サーバー5からアクセス先リスト532を取
得し、また、送信リスト533を取得する。そして、データ通信制御部24は、上述のよ
うにして取得した送信リスト533に含まれる送信エントリーの一覧を、操作パネル24
0に表示するように操作受付部20に指示する。なお、受信履歴を参照する指示が受け付
けられた場合も、同様である。
【0061】
また、データ通信制御部24は、操作受付部20を介して、送信ステータス5332が
「送信:受付」である送信エントリーについて、送信の中止を指定する操作を受け付けた
場合、当該送信エントリーを、上述のように取得した送信リスト533から削除する。そ
して、更新した送信リスト533を、HTTPのPUTメソッドにより、データ管理サー
バー5にアップロードする。なお、DELETEメソッド、送信リストURI5320、
及び削除対象の送信エントリーの送信エントリーID5330を含む要求メッセージをデ
ータ管理サーバー5に送るようにしてもよい。
【0062】
図3は、データ管理サーバーの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0063】
データ管理サーバー5は、呼制御部50と、データ通信制御部51と、記憶部52とを
有する。
【0064】
なお、データ管理サーバー5は、例えば図7に示すように、各種演算を行うCPU50
0と、CPU500が実行するプログラムやデータ等を格納するRAM510と、起動に
必要なプログラムやデータ等を予め格納するROM520と、HDD(Hard Disk Drive
)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置530と、CD−ROMやDVD−
ROM等の可搬性がある記憶媒体の情報の読み書きを行うメディア読み書き装置540と
、有線LAN等のネットワークに接続して通信を行うネットワークインターフェイス(I
/F)550と、USBによる通信を行うUSBインターフェイス(I/F)560と、
キーボードやマウス等の入力装置570と、ユーザーインターフェイス(UI)画面等を
表示するLCDなどの出力装置580とを備える一般的なコンピューターである。
【0065】
もちろん、上記のデータ管理サーバー5のハードウェア構成の一例は、本願発明の特徴
を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、
一般的なサーバーが備える構成を排除するものではない。例えば、補助記憶装置を、ネッ
トワークI/F550やUSB I/F560を介して、サーバーの外部に接続するよう
にしてもよい。
【0066】
上述の呼制御部50と、データ通信制御部51とは、例えば、CPU500がROM5
30からRAM510にロードした所定のプログラムを実行することにより実現される。
この所定のプログラムは、例えば、ネットワークI/F550を介してネットワーク上か
らダウンロードされてインストールおよび/または更新される。また、メディア読み書き
装置540によりCD−ROM等の記憶媒体から読み出されてインストールおよび/また
は更新されてもよい。記憶部52は、例えば、RAM510または補助記憶装置530に
より実現される。もちろん、記憶部52は、データ管理サーバー5の外部に接続される記
憶装置上に実現されてもよい。
【0067】
まず、記憶部52について説明する。記憶部52には、ユーザーデータベース53が格
納される。ユーザーデータベース53には、各複合機2とのデータの送受信を制御するた
めのリストが含まれる。
【0068】
ユーザーデータベース53には、例えば、図4に示すように、ユーザーID531ごと
に、アクセス先リスト532と、送信リスト533と、受信リスト534とが格納される
。また、ユーザーデータベース53には、ユーザーID531ごとに、受信データ格納領
域535が含まれる。
【0069】
ユーザーID531は、複合機2を使用するユーザーを識別する値(例えば、SIP
URIなどのアドレス情報)である。本実施形態では、ユーザーID531は、当該ユー
ザーのアクセス先リスト532の格納先を示すURIを示すものでもあり、予め複合機2
に設定される。なお、複合機2に、複数のユーザーID531が割り当てられてもよい。
【0070】
アクセス先リスト532には、送信リスト533の格納場所を示す送信リストURI5
320と、受信リスト534の格納場所を示す受信リストURI5321とが格納される

【0071】
送信リスト533には、送信データごとに、送信エントリーを識別する値である送信エ
ントリーID5330と、送信データの宛先を識別する値(例えば、SIP URIなど
のアドレス情報)である宛先ID5331と、送信データの送信ステータス(「送信:受
付」、又は「送信:完了」)5332と、送信データの受信データ格納領域535の中の
格納場所を示す送信データURI5333とが対応付けられた送信エントリーが格納され
る。
【0072】
本実施形態では、送信データは、受信データとして受信データ格納領域535に格納さ
れる。ある送信データに対応する送信エントリーの送信エントリーID5330と、当該
送信データの宛先のユーザーID531の受信リスト534に格納される受信エントリー
の受信エントリーID5340とは、対応する値が設定されるものとする。
【0073】
送信ステータス「送信:受付」は、送信データがデータ管理サーバー5により受け付け
られた状態を示す。送信ステータス「送信:完了」は、送信データがその宛先に送信され
た状態を示す。
【0074】
受信リスト534には、受信データごとに、受信エントリーを識別する値である受信エ
ントリーID5340と、受信データ(送信データ)の送信元を識別する値(例えば、S
IP URIなどのアドレス情報)である送信元ID5341と、受信エントリーの受信
ステータス(「受信:受付」、「受信:保存」、「受信:印刷」、「受信:削除」、又は
「受信:拒否」)5342と、受信データ(送信データ)の受信データ格納領域535の
中の格納場所を示す受信データURI5343とが対応付けられた受信エントリーが格納
される。
【0075】
本実施形態では、送信データは、受信データとして受信データ格納領域535に格納さ
れる。ある受信データに対応する受信エントリーの受信エントリーID5340と、当該
受信データの送信元のユーザーID531の送信リスト533に格納される送信エントリ
ーの送信エントリーID5330とは、対応する値が設定されるものとする。
【0076】
受信ステータス「受信:受付」は、送信データが当該データの宛先の受信データとして
データ管理サーバー5により受け付けられた状態を示す。受信ステータス「受信:保存」
は、受信データがその宛先の装置に受信されて当該装置に保存された状態を示す。受信ス
テータス「受信:印刷」は、受信データがその宛先の装置に受信されて印刷された状態を
示す。受信ステータス「受信:削除」は、受信データがその宛先の装置に受信されて削除
された状態を示す。受信ステータス「受信:拒否」は、受信データがその宛先の装置に拒
否されて受信されていない状態を示す。
【0077】
受信データ格納領域535には、データ管理サーバー5により受け付けられた送信デー
タが、当該宛先の受信データとして格納される。もちろん、送信データと受信データとそ
れぞれ別々の領域に格納してもよい。
【0078】
なお、本実施形態では、ユーザーデータベース53は、RSSやAtomなどのXML
(Extensible Markup Language)をベースとしたフィード文書により構成することができ
る。例えば、各ユーザーのアクセス先リスト532、送信リスト533、及び受信リスト
534を、それぞれフィード文書として構成する。各フィード文書には、ユーザーIDが
記述される。また、送信エントリーおよび受信エントリーもフィード文書として構成し、
送信リスト533及び受信リスト534に追加したり削除したりできるようにしてもよい

【0079】
呼制御部50は、ネットワークI/F550を介してSIPによる呼制御を行う機能部
である。
【0080】
例えば、呼制御部50は、複合機2からセッション接続の要求を受け付けた場合、当該
複合機2とセッションを確立する。また、呼制御部50は、データ通信制御部51からデ
ータ送信の開始の指示を受け付けた場合、データ通信制御部51により指定された宛先の
識別情報(例えば、SIP URIなどのアドレス情報)を取得する。そして、当該識別
情報を呼接続先としてセッションを確立する。
【0081】
データ通信制御部51は、呼制御部50によりデータ管理サーバー5と複合機2との間
で確立されたセッション上で、データの送受信を行う機能部である。本実施形態では、デ
ータ通信制御部51は、HTTPを用いて、複合機2とデータの送受信を行う。
【0082】
例えば、データ通信制御部51は、複合機2からの要求に従って呼制御部50により当
該複合機2とセッションが確立された後、当該複合機2からアクセス先リスト532のU
RIを含む要求メッセージを受信した場合、当該アクセス先リスト532をユーザーデー
タベース53から取得し、応答メッセージに含めて要求元の複合機2に送信する。
【0083】
また、データ通信制御部51は、送信リストURI5320を含む要求メッセージを受
信した場合、当該送信リストURI5320から送信リスト533を取得し、応答メッセ
ージに含めて要求元の複合機2に送信する。
【0084】
また、データ通信制御部51は、送信リスト533及び送信リストURI5320を含
む要求メッセージを受信した場合、受信した送信リスト533で送信リストURI532
0が示す送信リスト533を更新する。このとき、データ通信制御部51は、更新前後の
送信リスト533を比較し、新しく追加された送信エントリーを特定する。また、特定し
た送信エントリーに含まれる宛先ID5331と対応するユーザーID531の受信リス
ト534を特定する。
【0085】
また、データ通信制御部51は、上述のようにして特定した受信リスト534に、受信
エントリーを追加する。受信エントリーID5340には上述のようにして特定した送信
エントリーの送信エントリーID5330と同じ値を、送信元ID5341には上述のよ
うにして更新された送信リスト533に対応するユーザーID531を、受信スタータス
5342には「受信:受付」を、それぞれ設定する。また、データ通信制御部51は、受
信データ格納領域535の中の任意の空き領域を確保するとともに当該領域のURIを決
定し、当該URIを、上述のように特定した送信エントリーの送信データURI5333
及び追加した受信エントリーの受信データURI5343に設定する。
【0086】
また、データ通信制御部51は、上述のように設定した送信データURI5333を、
送信リスト533を含む要求メッセージに対する応答メッセージに含めて、要求元の複合
機2に送信する。
【0087】
また、データ通信制御部51は、送信データ及び送信データリストURI5330を含
む要求メッセージを受信した場合、受信した送信データを送信リストURI5330が示
す受信データ格納領域535の領域に格納する。
【0088】
また、データ通信制御部51は、上述のようにして受信リスト534を更新した場合、
当該受信リスト534に対応するユーザーID531の複合機2(すなわち、受信データ
の宛先の複合機2)とセッションを確立するように呼制御部50に指示する。
【0089】
また、データ通信制御部51は、呼制御部50により受信データの宛先の複合機2とセ
ッションが確立された後、当該複合機2からアクセス先リスト532のURIを含む要求
メッセージを受信した場合、当該アクセス先リスト532をユーザーデータベース53か
ら取得し、応答メッセージに含めて要求元の複合機2に送信する。
【0090】
また、データ通信制御部51は、受信リストURI5321を含む要求メッセージを受
信した場合、当該受信リストURI5321から受信リスト534を取得し、応答メッセ
ージに含めて要求元の複合機2に送信する。
【0091】
また、データ通信制御部51は、受信データURI5343を含む要求メッセージを受
信した場合、当該受信データURI5343が示す受信データ格納領域535の領域から
受信データを取得し、応答メッセージに含めて要求元の複合機2に送信する。
【0092】
また、データ通信制御部51は、受信リスト534及び受信リストURI5321を含
む要求メッセージを受信した場合、受信した受信リスト534で受信リストURI532
1が示す受信リスト534を更新する。このとき、データ通信制御部51は、更新前後の
受信リスト534を比較し、受信スタータス5342が「受信:受付」から「受信:保存
」、「受信:印刷」、「受信:削除」、又は「受信:拒否」に変更された受信エントリー
を特定する。また、特定した受信エントリーに含まれる送信元ID5341と対応するユ
ーザーID531の送信リスト533を特定する。
【0093】
また、データ通信制御部51は、上述のようにして特定した送信リスト533の送信エ
ントリーのうち、上述のように特定した受信エントリーの受信エントリーID5340と
対応する送信エントリーID5330を有する送信エントリーを特定する。また、特定し
た送信エントリーの送信ステータス5332を「送信:受付」から「送信:完了」に変更
する。
【0094】
また、例えば、データ通信制御部51は、送信リスト533及び送信リストURI53
20を含む要求メッセージを受信した場合、受信した送信リスト533で送信リストUR
I5320が示す送信リスト533を更新する。このとき、更新前後の送信リスト533
を比較し、削除された送信エントリーを特定する。また、特定した送信エントリーに含ま
れる宛先ID5331と対応するユーザーID531の受信リスト534を特定する。ま
た、データ通信制御部51は、上述のようにして特定した受信リスト534に含まれる受
信エントリーのうち、特定した送信エントリーID5330と対応する受信エントリーI
D5340を有する受信エントリーを特定する。また、特定した受信エントリーを削除す
る。
【0095】
なお、データ通信制御部51は、DELETEメソッド、送信リストURI5320、
及び削除対象の送信エントリーの送信エントリーID5330を含む要求メッセージを、
複合機2から受信するようにしてもよい。この場合、データ通信制御部51は、要求メッ
セージで指定された送信エントリーを送信リスト533から削除するとともに、当該送信
エントリーと対応する受信エントリーを受信リスト534から削除する。
【0096】
以上の各構成要素は、複合機2及びデータ管理サーバー5の構成を理解容易にするため
に、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、
本願発明が制限されることはない。複合機2及びデータ管理サーバー5の構成は、処理内
容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさ
らに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1
つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0097】
図5は、送信及び受信ステータスの遷移の一例を説明する図である。
【0098】
上述したように、本実施形態では、送信リスト533へ送信エントリーが追加されると
、当該送信エントリーの宛先ID5331に対応するユーザーID531の受信リスト5
34に、受信エントリーが追加される。そして、これらの追加された送信エントリーと受
信エントリーは、対となる値が設定される。すなわち、送信エントリーID5330と受
信エントリーID5340には同じ値が設定され、宛先ID5331及び送信元ID53
41は対応する宛先及び送信元の識別情報が設定され、送信ステータス5332と受信ス
テータス5342には「受付」が設定され、送信データURI5333と受信データUR
I5343には同じURIが設定される。
【0099】
受信エントリーの受信ステータスが「受信:受付」から「受信:保存」、「受信:印刷
」、「受信:削除」、又は「受信:拒否」に変更された場合、当該受信エントリーに対応
する送信エントリーの送信ステータスは「送信:受付」から「送信:完了」に変更される
。送信エントリーが削除された場合、当該送信エントリーに対応する受信エントリーも削
除される。
【0100】
次に、上述の複合機2及びデータ管理サーバー5により実現される処理について説明す
る。
【0101】
図8は、データ送信処理の一例を示すシーケンス図である。
【0102】
データ送信元の複合機2の操作受付部20は、データ送信の宛先の入力、当該宛先への
データ送信の開始の指示を受け付ける(S1)。すると、呼制御部23は、予め設定され
たデータ管理サーバー5を呼接続先として、SIPサーバー4を介してデータ管理サーバ
ー5の呼制御部50と呼接続を行う(S2)。なお、後述するS310までには、読取制
御部21によりデータ送信対象の原稿がスキャンされて画像データが生成される。
【0103】
データ管理サーバー5との呼接続後、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理
サーバー5とデータ通信を行う(S3)。
【0104】
具体的には、まず、複合機2のデータ通信制御部24は、予め設定されたアクセス先リ
ストのURIを含む要求メッセージを、データ管理サーバー5に送信する(S301)。
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセー
ジに含まれるアクセス先リストのURIからアクセス先リスト532を取得し、当該アク
セス先リスト532を含む応答メッセージを複合機2に送信する(S302)。
【0105】
それから、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された
アクセス先リスト532に含まれる送信リストURI5320を含む要求メッセージを、
データ管理サーバー5に送信する(S303)。データ管理サーバー5のデータ通信制御
部51は、複合機2から送信された要求メッセージに含まれる送信リストURI5320
から送信リスト533を取得し、当該送信リスト533を含む応答メッセージを複合機2
に送信する(S304)。
【0106】
それから、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された
送信リスト533に送信エントリーを追加する(S305)。なお、データ通信制御部2
4は、送信エントリーID5330には送信エントリーを識別する値を、宛先ID533
1にはS1で入力された送信データの宛先の識別情報を、送信ステータス5332には「
送信:受付」を、送信データURI5333には不定を示す値を、それぞれ設定する。そ
して、データ通信制御部24は、更新した送信リスト533を含む要求メッセージをデー
タ管理サーバー5に送信する(S306)。
【0107】
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセ
ージに含まれる送信リスト533により、ユーザーデータベース53の対応する送信リス
ト533を更新する(S307)。また、データ通信制御部51は、更新された送信リス
ト533に追加された送信エントリーと対応する受信エントリーを、当該送信エントリー
の宛先ID5331と対応するユーザーID531の受信リスト534に追加する(S3
08)。
【0108】
なお、データ通信制御部51は、受信エントリーID5340には追加された送信エン
トリーの送信エントリーID5330と同じ値を、送信元ID5341にはS307で更
新された送信リスト533に対応するユーザーID531を、受信スタータス5342に
は「受信:受付」を、それぞれ設定する。また、送信データ(受信データ)を格納する受
信データ格納領域535の中の領域を決定し、当該領域のURIを、追加された送信エン
トリーの送信データURI5333及び追加した受信エントリーの受信データURI53
43に設定する。
【0109】
それから、データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、S308で設定した送信
データURI5333を含む応答メッセージを複合機2に送信する(S309)。複合機
2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された応答メッセージに含
まれる送信データURI5333、及び読取制御部21により生成された画像データを含
む要求メッセージを、データ管理サーバー5に送信する(S310)。
【0110】
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセ
ージに含まれる画像データを、指定された送信データURI5333が示す受信データ格
納領域535の中の領域に格納する(S311)。
【0111】
S310の処理の終了後、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5
との呼接続を切断するように呼制御部23に指示する。すると、呼制御部23は、SIP
サーバー4を介してデータ管理サーバー5の呼制御部50との呼を切断する(S4)。な
お、S311の処理の終了後、データ管理サーバー5側から、呼の切断を複合機2に要求
してもよい。
【0112】
以上のようにして、送信データが送信元の複合機2からデータ管理サーバー5に送信さ
れ、当該送信データの宛先の受信データとして格納される。
【0113】
図9は、データ受信処理の一例を示すシーケンス図である。
【0114】
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、受信リスト534に受信エントリー
を追加した場合(図8のS308)、当該受信リスト534に対応するユーザーID53
1の複合機2(すなわち、受信データの宛先の複合機2)とセッションを確立するように
呼制御部50に指示する。すると、呼制御部50は、当該宛先のユーザーID531を呼
接続先として、SIPサーバー4を介して宛先の複合機2の呼制御部23と呼接続を行う
(S5)。
【0115】
データ管理サーバー5からの要求による呼接続後、複合機2のデータ通信制御部24は
、データ管理サーバー5とデータ通信を行う(S6)。
【0116】
具体的には、まず、複合機2のデータ通信制御部24は、予め設定されたアクセス先リ
ストのURIを含む要求メッセージを、データ管理サーバー5に送信する(S601)。
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセー
ジに含まれるアクセス先リストのURIからアクセス先リスト532を取得し、当該アク
セス先リスト532を含む応答メッセージを複合機2に送信する(S602)。
【0117】
それから、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された
アクセス先リスト532に含まれる受信リストURI5321を含む要求メッセージを、
データ管理サーバー5に送信する(S603)。データ管理サーバー5のデータ通信制御
部51は、複合機2から送信された要求メッセージに含まれる受信リストURI5321
から受信リスト534を取得し、当該受信リスト534を含む応答メッセージを複合機2
に送信する(S604)。
【0118】
複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された受信リスト
534に含まれる受信エントリーのうち、受信ステータス5342が「受信:受付」であ
る受信エントリーと、その受信データURI5343を特定する(S605)。そして、
データ通信制御部24は、受信データURI5343を含む要求メッセージを、データ管
理サーバー5に送信する(S606)。
【0119】
なお、送信元ID5341のリスト(以下、「送信元リスト」ともいう。)を複合機2
に登録できるようにしてもよい。この場合、複合機2のデータ通信制御部24は、S60
5において、上述のように特定した受信エントリーの送信元ID5341が送信元リスト
に登録されているか否かを判定する。送信元ID5341が登録されている場合、データ
通信制御部24は、処理を自動的にS606に進める。一方、送信元ID5341が登録
されていない場合、データ通信制御部24は、処理を進めるか否かの確認を促すダイアロ
グを表示するように操作受付部20に指示する。
【0120】
そして、ユーザーの確認が得られた場合、データ通信制御部24は、確認が得られた送
信元ID5341を送信元リストに追加し、処理をS606に進める。一方、ユーザーの
確認が得られなかった場合、データ通信制御部24は、上述のように特定した受信エント
リーの受信ステータス5342を「受信:拒否」に変更し、処理をS610に進める。
【0121】
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセ
ージに含まれる受信データURI5343が示す受信データ格納領域535の中の領域か
ら受信データを取得し、当該受信データを含む応答メッセージを複合機2に送信する(S
607)。
【0122】
複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された受信データ
をRAM220に格納する(S608)。また、データ通信制御部24は、受信データを
格納した受信エントリー、すなわちS605で特定した受信エントリーの受信ステータス
5342を、複合機2に予め設定された又は操作受付部20を介してユーザーに選択され
た受信データの処理方法に従って、「受信:保存」、「受信:印刷」、「受信:削除」、
又は「受信:拒否」に変更する(S609)。それから、データ通信制御部24は、更新
した受信リスト534を含む要求メッセージをデータ管理サーバー5に送信する(S61
0)。
【0123】
なお、受信された受信データは、S608の後、予め設定された方法(保存、印刷、削
除、又は拒否)に従って自動的に処理されるようにしてもよい。または、S608〜S6
09の間に、データ通信制御部24は、当該受信データの内容を表示するように操作受付
部20に指示し、操作受付部20を介して当該受信データの処理方法の選択をユーザーか
ら受け付けるようにしてもよい。
【0124】
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセ
ージに含まれる受信リスト534により、ユーザーデータベース53の対応する受信リス
ト534を更新する(S611)。また、データ通信制御部51は、更新された受信エン
トリーと対応する送信エントリーの送信ステータス5332を、「送信:完了」に変更す
る(S612)。
【0125】
なお、データ通信制御部51は、送信ステータス5332が「送信:完了」に変更され
た送信エントリーに対応する送信データを、送信データURI5333が示す受信データ
格納領域535の中の領域から削除してもよい。
【0126】
S610の処理の終了後、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5
との呼接続を切断するように呼制御部23に指示する。すると、呼制御部23は、SIP
サーバー4を介してデータ管理サーバー5の呼制御部50との呼を切断する(S7)。な
お、S612の処理の終了後、データ管理サーバー5側から、呼の切断を複合機2に要求
してもよい。
【0127】
以上のようにして、送信側の複合機2から送信されてデータ管理サーバー5に格納され
た送信データ(受信データ)が、当該送信データの宛先の複合機2に送信される。
【0128】
図10は、データ送信中止処理の一例を示すシーケンス図である。
【0129】
データ送信元の複合機2の操作受付部20は、送信データの送信履歴を参照する指示を
受け付ける(S8)。すると、呼制御部23は、予め設定されたデータ管理サーバー5を
呼接続先として、SIPサーバー4を介してデータ管理サーバー5の呼制御部50と呼接
続を行う(S9)。
【0130】
データ管理サーバー5との呼接続後、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理
サーバー5とデータ通信を行う(S10)。
【0131】
具体的には、まず、複合機2のデータ通信制御部24は、予め設定されたアクセス先リ
ストのURIを含む要求メッセージを、データ管理サーバー5に送信する(S1001)
。データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセ
ージに含まれるアクセス先リストのURIからアクセス先リスト532を取得し、当該ア
クセス先リスト532を含む応答メッセージを複合機2に送信する(S1002)。
【0132】
それから、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5から送信された
アクセス先リスト532に含まれる送信リストURI5320を含む要求メッセージを、
データ管理サーバー5に送信する(S1003)。データ管理サーバー5のデータ通信制
御部51は、複合機2から送信された要求メッセージに含まれる送信リストURI532
0から送信リスト533を取得し、当該送信リスト533を含む応答メッセージを複合機
2に送信する(S1004)。
【0133】
複合機2の操作受付部20は、データ管理サーバー5から送信された送信リスト533
の内容を操作パネル240に表示し、送信を中止する送信エントリーの選択を受け付ける
(S1005)。ここで、操作受付部20は、ユーザーにより選択された送信エントリー
の送信ステータス5332が「送信:受付」であるか否かを判定し、「送信:受付」でな
い場合は、当該送信エントリーを選択できないように制御する。
【0134】
複合機2のデータ通信制御部24は、操作受付部20を介して、送信を中止する送信エ
ントリーの選択を受け付けると、当該送信エントリーを、S1004で受信した送信リス
ト533から削除する(S1006)。なお、送信エントリーを削除するのではなく、例
えば、当該送信エントリーの送信ステータス5332が「送信:中止」に変更されるよう
にしてもよい。データ通信制御部24は、更新された送信リスト533を含む要求メッセ
ージをデータ管理サーバー5に送る(S1007)。
【0135】
データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、複合機2から送信された要求メッセ
ージに含まれる送信リスト533により、ユーザーデータベース53の対応する送信リス
ト533を更新する(S1008)。また、データ通信制御部51は、更新により削除さ
れた送信エントリーの宛先ID5331と対応するユーザーID531の受信リスト53
4に含まれる受信エントリーのうち、削除された送信エントリーの送信エントリーID5
330と対応する受信エントリーID5340を有する受信エントリーを削除する(S1
009)。なお、受信エントリーを削除するのではなく、例えば、当該受信エントリーの
受信ステータス5342が「受信:中止」に変更されるようにしてもよい。データ通信制
御部51は、削除された送信エントリーの送信データURI5333が示すデータ、又は
削除した受信エントリーの受信データURI5343が示すデータを、受信データ格納領
域535から削除する(S1010)。
【0136】
S1007の処理の終了後、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー
5との呼接続を切断するように呼制御部23に指示する。すると、呼制御部23は、SI
Pサーバー4を介してデータ管理サーバー5の呼制御部50との呼を切断する(S11)
。なお、S1010の処理の終了後、データ管理サーバー5側から、呼の切断を複合機2
に要求してもよい。
【0137】
以上のようにして、複合機2から送信中止が指示された送信データが、データ管理サー
バー5から削除され、送信がキャンセルされる。
【0138】
なお、上述の各シーケンスの各処理単位は、データ通信システム1の処理を理解容易に
するために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称に
よって、本願発明が制限されることはない。データ通信システム1の処理は、処理内容に
応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに
多くの処理を含むように分割することもできる。
【0139】
上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するも
のではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0140】
例えば、データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、受信リスト534に受信エ
ントリーを追加した場合に、受信エントリーが追加されたことを示す通知を、複合機2に
送信してもよい。この場合、複合機2のデータ通信制御部24は、当該通知の受信後、自
動的に、又はユーザーからの指示を受け付けた場合に、データ管理サーバー5から受信デ
ータを取得すればよい。なお、受信データを取得する際に、セッションが確立していない
場合、複合機2の呼制御部23がデータ通信制御部51に呼接続を要求すればよい。
【0141】
また、例えば、送信エントリー及び受信エントリーに、追加的な条件を含めるようにし
てもよい。具体的には、例えば、送信エントリーに、有効期限(日時)、強制印刷フラグ
(ON、又はOFF)、印刷条件フラグ(ON、又はOFF)、印刷条件(印刷部数、ふ
ち無し印刷、用紙タイプ、用紙サイズ、印刷品質など)、保存許可フラグ(ON、又はO
FF)を含める。これらの追加的な条件は、例えば、データ送信の際、操作受付部20が
ユーザーから受け付ける。
【0142】
この場合、送信リスト533を受信したデータ管理サーバー5のデータ通信制御部51
は、追加された送信エントリーに対応する受信エントリーを受信リスト534に追加する
際、送信エントリーの追加的な条件を受信エントリーにも含める。
【0143】
また、宛先の複合機2のデータ通信制御部24は、受信ステータス5342が「受信:
受付」の受信エントリーを特定するとともに、該受信エントリーに含まれる追加的な条件
に従って受信データを処理する。例えば、有効期限が現在日時を経過している場合、受信
データの受信を中止する。また、有効期限が現在日時を経過していない場合において、例
えば、強制印刷フラグがONに設定されている場合、データ通信制御部24は、予め設定
された受信データの処理方法に関わらず、受信データの印刷を印刷制御部22に指示する
。印刷条件フラグがONの場合は、受信エントリーに含まれる印刷条件に従って印刷を実
行するように印刷制御部22に指示する。保存許可フラグがOFFに設定されている場合
、データ通信制御部24は、RAM220に保存しない(受信しない)、又は、受信デー
タを印刷後RAM220から自動的に削除する。
【0144】
また、例えば、送信リスト533や受信リスト534を、複合機2とデータ管理サーバ
ー5の間で送受信せずに、送信エントリーや受信エントリーを送受信するようにしてもよ
い。この場合、複合機2のデータ通信制御部24は、生成した送信エントリーをデータ管
理サーバー5に送信する。データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、受信した送
信エントリーを対応する送信リスト533に追加するとともに、当該送信エントリーの宛
先の受信リスト534にも受信エントリーを追加する。また、データ管理サーバー5のデ
ータ通信制御部51は、受信ステータス5342が「受信:受付」の受信エントリーを複
合機2の要求に応じて送信する。また、複合機2のデータ通信制御部24は、受信ステー
タス5342を変更した受信エントリーをデータ管理サーバー5に送信する。データ管理
サーバー5のデータ通信制御部51は、受信した受信エントリーで、対応する受信リスト
534の受信エントリーを更新する。
【0145】
また、例えば、送信リスト533及び受信リスト534を、複合機2においても管理す
るようにしてもよい。この場合、複合機2のデータ通信制御部24は、送信エントリーを
データ管理サーバー5の送信リスト533に追加するとともに、自身の送信リストにも追
加する。また、データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、受信ステータス534
2が「受信:受付」の受信エントリーを複合機2の要求に応じて送信する。複合機2のデ
ータ通信制御部24は、受信した受信エントリーを、自身の受信リストに追加する。
【0146】
また、複合機2のデータ通信制御部24は、データ管理サーバー5の受信リスト534
の受信エントリーの受信ステータス5342を「受信:保存」、「受信:印刷」、「受信
:削除」、又は「受信:拒否」に変更するとともに、自身の受信リストの受信エントリー
の受信ステータスも変更する。また、データ管理サーバー5のデータ通信制御部51は、
送信エントリーの送信ステータス5332を「送信:受付」から「送信:完了」に変更し
た場合、当該送信エントリーを複合機2に通知する。複合機2のデータ通信制御部24は
、受信した送信エントリーにより、自身の送信リストの対応する送信エントリーを更新す
る。
【0147】
また、複合機2のデータ通信制御部24は、送信ステータス5332が「送信:受付」
である送信エントリーをデータ管理サーバー5の送信リスト533から削除するとともに
、自身の送信リストからも削除する。
【0148】
以上、本発明の第一実施形態について説明した。本実施形態によれば、より利便性を高
めた、端末間の画像データの送受信を行うことができる。
【0149】
すなわち、本実施形態では、送信データはサーバーに一時的格納され、サーバーにより
宛先の端末に送信される。このような構成により、インターネットのようなネットワーク
上でファクシミリのように特定の端末間でデータを送受信することができる。
【0150】
また、本実施形態では、サーバー及び端末の少なくとも一方において送信リスト及び受
信リストが管理されている。このような構成により、例えば、送信が完了したか否か、受
信すべきがデータがあるか否かなどの情報を簡単に取得することができる。
【0151】
また、本実施形態では、送信リストから送信エントリーを削除することにより、対応す
る受信エントリーを削除することができる。このような構成により、ユーザーは、例えば
、宛先や送信すべきデータを誤って送った後であっても、当該データの送信をキャンセル
することができる。
【符号の説明】
【0152】
1:データ通信システム、2:複合機、3:LAN、4:SIPサーバー、5:データ管
理サーバー、6:インターネット、
20:操作受付部、21:読取制御部、22:印刷制御部、23:呼制御部、24:デー
タ通信制御部、
50:呼制御部、51:データ通信制御部、52:記憶部、53:ユーザーデータベース

531:ユーザーID、532:アクセス先リスト、533:送信リスト、534:受信
リスト、535:受信データ格納領域、5320:送信リストURI、5321:受信リ
ストURI、5330:送信エントリーID、5331:宛先ID、5332:送信ステ
ータス、5333:送信データURI、5340:受信エントリーID、5341:送信
元ID、5342:受信ステータス、5343:受信データURI、
200:コントローラー、210:CPU、220:RAM、230:ROM、240:
操作パネル、250:読取エンジン、260:印刷エンジン、270:ネットワークI/
F、
500:CPU、510:RAM、520:ROM、530:補助記憶装置、540:メ
ディア読み書き装置、550:ネットワークI/F、560:USB I/F、570:
入力装置、580:出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末間のデータを中継するサーバーであって、
端末ごとに、該端末が送信する送信データに関するステータスを含む送信情報を含む第
1リストと、該端末が受信する受信データに関するステータスを含む受信情報を含む第2
リストとを取得するリスト取得部と、
端末から送信データを受信するデータ受信部と、
受信した送信データを記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部が記憶した送信データを宛先の端末に送信するデータ送信部と、
前記データ受信部が送信データを受信した場合に、該送信データの送信元の端末の第1
リストに該送信データの送信情報を追加するとともに、該送信データの宛先の端末の第2
リストに該送信データに対応する受信データの受信情報を追加し、前記データ送信部が前
記送信データを前記宛先の端末に送信した場合に、前記送信元の端末の第1リストに前記
送信データの送信が完了したことを示す情報を記録するとともに、前記宛先の端末の第2
リストに前記受信データの受信が完了したことを示す情報を記録する、リスト変更部と、
を備えることを特徴とするサーバー。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバーであって、
端末からの要求に応じて、該端末の第1リストに含まれる送信情報又は該端末の第2リ
ストに含まれる受信情報の少なくとも一方を、該端末に通知するリスト通知部を備える、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバーであって、
前記リスト変更部は、特定の送信データの送信を中止する端末からの要求に応じて、該
端末の第1リストの前記特定の送信データの送信情報を削除するとともに、該特定の送信
データの宛先の端末の第2リストから該特定の送信データに対応する受信データの受信情
報を削除する、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項4】
コンピューターを、複数の端末間のデータを中継するサーバーとして機能させるプログ
ラムであって、
端末ごとに、該端末が送信する送信データに関するステータスを含む送信情報を含む第
1リストと、該端末が受信する受信データに関するステータスを含む受信情報を含む第2
リストとを取得するリスト取得部と、
端末から送信データを受信するデータ受信部と、
受信した送信データを記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部が記憶した送信データを宛先の端末に送信するデータ送信部と、
前記データ受信部が送信データを受信した場合に、該送信データの送信元の端末の第1
リストに該送信データの送信情報を追加するとともに、該送信データの宛先の端末の第2
リストに該送信データに対応する受信データの受信情報を追加し、前記データ送信部が前
記送信データを前記宛先の端末に送信した場合に、前記送信元の端末の第1リストに前記
送信データの送信が完了したことを示す情報を記録するとともに、前記宛先の端末の第2
リストに前記受信データの受信が完了したことを示す情報を記録する、リスト変更部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
複数の端末間のデータを中継するサーバーにおけるデータ中継方法であって、
端末ごとに、該端末が送信する送信データに関するステータスを含む送信情報を含む第
1リストと、該端末が受信する受信データに関するステータスを含む受信情報を含む第2
リストとを取得するリスト取得ステップと、
端末から送信データを受信するデータ受信ステップと、
受信した送信データを記憶するデータ記憶ステップと、
前記データ記憶ステップで記憶された送信データを宛先の端末に送信するデータ送信ス
テップと、
前記データ受信ステップで送信データが受信された場合に、該送信データの送信元の端
末の第1リストに該送信データの送信情報を追加するとともに、該送信データの宛先の端
末の第2リストに該送信データに対応する受信データの受信情報を追加し、前記データ送
信ステップで前記送信データが前記宛先の端末に送信された場合に、前記送信元の端末の
第1リストに前記送信データの送信が完了したことを示す情報を記録するとともに、前記
宛先の端末の第2リストに前記受信データの受信が完了したことを示す情報を記録する、
リスト変更ステップと、
を含むことを特徴とするデータ中継方法。
【請求項6】
複数の端末と、前記複数の端末間のデータを中継するサーバーとを備えるデータ通信シ
ステムであって、
前記サーバーは、
端末ごとに、該端末が送信するデータに関するステータスを含む送信情報を記録する第
1リストと、該端末が受信するデータに関するステータスを含む受信情報を記録する第2
リストとを取得するリスト取得手段と、
前記端末から送信されたデータを記憶するデータ記憶手段と、を有し、
データの送信元の第1端末は、
データの送信情報を前記サーバーに送信する送信情報送信手段と、
前記データを前記サーバーに送信するデータ送信手段と、を有し、
前記サーバーは、さらに、
前記第1端末から送信された送信情報を受信する送信情報受信手段と、
受信した前記送信情報を前記第1端末の第1リストに追加するとともに、該送信情報に
対応するデータの宛先の端末の第2リストに該データの受信情報を追加するリスト変更手
段と、
前記送信情報に対応するデータの宛先の端末に前記受信情報を送信する受信情報送信手
段と、
前記第1端末から送信されたデータを受信して前記データ記憶手段に記憶するデータ受
信手段と、を有し、
前記データの宛先の第2端末は、
前記サーバーから送信された受信情報を受信する受信情報受信手段と、
受信した前記受信情報に対応するデータを前記サーバーから取得するデータ取得手段と

前記受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録する受信情報変更手
段と、
前記受信情報を前記サーバーに送信する受信情報送信手段と、を有し、
前記サーバーは、さらに、
前記第2端末から送信された受信情報を受信する受信情報受信手段を有し、
前記リスト変更手段は、
受信した前記受信情報のステータスに基づいて、前記第2端末の第2リストに記録され
ている対応する受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録するととも
に、受信した前記受信情報に対応するデータの送信元の端末の第1リストの対応する送信
情報のステータスに送信が完了したことを示す情報を記録する、
ことを特徴とするデータ通信システム。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ通信システムであって、
前記端末は、さらに、
ユーザーの指示に応じて、自身の端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を要求するリスト要求手段を有し、
前記サーバーは、さらに、
前記端末からの要求に応じて、該端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を該端末に通知するリスト通知手段を有する、
ことを特徴とするデータ通信システム。
【請求項8】
複数の端末と、前記複数の端末間のデータを中継するサーバーとを備えるデータ通信シ
ステムにおける、データ通信方法であって、
前記サーバーは、
端末ごとに、該端末が送信するデータに関するステータスを含む送信情報を記録する第
1リストと、該端末が受信するデータに関するステータスを含む受信情報を記録する第2
リストとを取得するステップを実行し、
データの送信元の第1端末は、
データの送信情報を前記サーバーに送信するステップと、
前記データを前記サーバーに送信するステップと、を実行し、
前記サーバーは、
前記第1端末から送信された送信情報を受信するステップと、
受信した前記送信情報を前記第1端末の第1リストに追加するとともに、該送信情報に
対応するデータの宛先の端末の第2リストに該データの受信情報を追加するステップと、
前記送信情報に対応するデータの宛先の端末に前記受信情報を送信するステップと、
前記第1端末から送信されたデータを受信して記憶するステップと、を実行し、
前記データの宛先の第2端末は、
前記サーバーから送信された受信情報を受信するステップと、
受信した前記受信情報に対応するデータを前記サーバーから取得するステップと、
前記受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録するステップと、
前記受信情報を前記サーバーに送信するステップと、を実行し、
前記サーバーは、
前記第2端末から送信された受信情報を受信するステップと、
受信した前記受信情報のステータスに基づいて、前記第2端末の第2リストに記録され
ている対応する受信情報のステータスに受信が完了したことを示す情報を記録するととも
に、受信した前記受信情報に対応するデータの送信元の端末の第1リストの対応する送信
情報のステータスに送信が完了したことを示す情報を記録するステップと、を実行する、
ことを特徴とするデータ通信方法。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ通信方法であって、
前記端末は、さらに、
ユーザーの指示に応じて、自身の端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を要求するステップを実行し、
前記サーバーは、さらに、
前記端末からの要求に応じて、該端末の第1リストに含まれる送信情報又は第2リスト
に含まれる受信情報を該端末に通知するステップを実行する、
ことを特徴とするデータ通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−37953(P2012−37953A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175116(P2010−175116)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】