説明

データ通信システム及びデータ通信装置

【課題】 本発明は、様々の条件に応じて再生制限を行うことができるデータ通信システム及びデータ通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 通信相手となるデータ通信装置に対して通信許可したメディアを示すメディア情報より成るユーザ識別情報を、各データ通信装置毎にユーザ識別情報蓄積部12に格納するとともに、各メディアに使用する機能を示す機能情報を機能情報蓄積部13に格納する。そして、要求機能情報生成部21又は通信機能情報生成部29において、ユーザ識別情報及び機能情報を読み出すことで、通信相手となるデータ通信装置に対して使用する機能を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向通信を行うデータ通信システム及び当該データ通信システムにおけるデータ通信装置に関するもので、特に、映像や音声などの各種メディアを双方向で通信するデータ通信システム及び当該データ通信システムにおけるデータ通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークの高速化及びデータ圧縮方式の多様化などによって、大容量のデータを高速で通信することが可能となっている。この高速データ通信における技術の発展により、電話通信の分野においてもその発展が大きく寄与されている。そして、この電話通信の分野においても、音声だけでなく映像を含む様々な情報が付加されて通信されている。このような通信システムとして、通信接続される前の呼び出し動作時において、発呼側及び着呼側それぞれより電話呼び出し以外の情報が付加されて送信されるシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような通信システムにおいて、発呼加入者より着呼加入者に対して発呼動作を行う際、その発呼信号に、テキストや音声や画像や動画などにより詳細な情報を示す呼び出し関連情報が付加される。そして、この呼び出し関連情報が付加された発呼信号を着呼加入者側で受信すると、呼び出し音以外に、着呼加入者に発呼加入者側の状態を示すより詳細な情報が示されるため、着呼加入者側では、呼び出しを確認することでその通信の重要性を確認することができる。
【0004】
更に、現在、音声と同時に動画をも双方向で送受信できるテレビ電話通信システムが、カメラやマイクを搭載したパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置を有線及び無線それぞれの高速通信回線を通じて通信接続することで、実現されている。このようなテレビ電話通信システムにおいて、規制のメディアファイルによる動画像データをテレビ携帯端末機で再生可能なフォーマットで配信する動画像データの送信システムが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
このテレビ電話通信システムは、MPEGやASF等の様々な形式で構成されるメディアファイルを、メディアファイル制御装置において、共通となる中間フォーマットによる構成に変換する。その後、インターフェース変換装置において、この中間フォーマットによる構成に変換されたファイルをテレビ携帯電話(H.324端末)で再生可能な形式フォーマットに変換して送信される。
【特許文献1】特開2001−45180号公報
【特許文献2】特開2003−230117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の通信システムでは、着呼側で発呼側から送信した呼び出し関連情報が再生されるには、着呼側の電話が、発呼側の電話の機能に対応した機能を備える必要がある。即ち、例えば、呼び出し関連情報が音声や映像であり、着呼側の電話が、発呼側の電話より送信される呼び出し関連情報を再生するコーデックを備えていない場合、呼び出し関連情報を再生することは不可能である。このように、呼び出し関連情報の再生は、着呼側の備える機能によって制限されるもので、発呼側及び着呼側それぞれで制限できるものではない。
【0007】
それに対して、特許文献2のテレビ電話通信システムでは、メディアファイルの形式フォーマットが、再生されるテレビ携帯電話において使用される形式フォーマットに変換されて、送信される。しかしながら、このテレビ電話通信システムにおいては、テレビ携帯電話で再生可能な形式フォーマットに変換されてしまうため、再生側となるテレビ携帯電話に応じて制限をかけるものでもなく、又、送信側となる装置に応じて制限をかけるものでもない。
【0008】
このように、従来の各種メディアの使用が可能なデータ通信システムによると、その使用条件に従って、そのメディアの使用に対する制限をかけることができない。よって、かける相手やかかってくる相手、又は、時間や場所などの様々な状況などに従って、再生可能なメディアを設定することができず、使用者の意図が反映されることなく、いかなる場合もメディアが再生されてしまう。
【0009】
このような問題を鑑みて、本発明は、様々の条件に応じて再生制限を行うことができるデータ通信システム及びデータ通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のデータ通信システムは、複数のデータ通信装置の間で複数種類のメディアの送受信を行うデータ通信システムにおいて、
通信接続を要求するデータ通信装置を第1データ通信装置とするとともに、該第1データ通信装置によって通信接続が要求されるデータ通信装置を第2データ通信装置としたとき、前記第1データ通信装置が、複数の前記第2データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定するとともに、前記第2データ通信装置に通信接続を要求する際に、通信接続する前記第2データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を前記第2データ通信装置に通知することを特徴とする。
【0011】
又、本発明のデータ通信システムは、複数のデータ通信装置の間で複数種類のメディアの送受信を行うデータ通信システムにおいて、通信接続を要求するデータ通信装置を第1データ通信装置とするとともに、該第1データ通信装置によって通信接続が要求されるデータ通信装置を第2データ通信装置としたとき、前記第2データ通信装置が、複数の前記第1データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定するとともに、前記第1データ通信装置から通信接続が要求された後、前記第1データ通信装置と通信接続することを通知するために応答する際に、該第1データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を前記第1データ通信装置に通知することを特徴とする。
【0012】
又、本発明のデータ通信システムは、複数のデータ通信装置の間で複数種類のメディアの送受信を行うデータ通信システムにおいて、通信接続を要求するデータ通信装置を第1データ通信装置とするとともに、該第1データ通信装置によって通信接続が要求されるデータ通信装置を第2データ通信装置としたとき、前記第1データ通信装置が、複数の前記第2データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定するとともに、前記第2データ通信装置が、複数の前記第1データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定し、まず、前記第1データ通信装置が、前記第2データ通信装置に通信接続を要求する際に、通信接続する前記第2データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を前記第2データ通信装置に通知した後、前記第2データ通信装置が、前記第1データ通信装置と通信接続することを通知するために応答する際、前記第1データ通信装置で設定された前記メディアの種類を確認した後、確認した前記メディアの種類から該第1データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を選択し、選択した当該メディアの種類を前記第1データ通信装置に通知することを特徴とする。
【0013】
これらのデータ通信装置において、前記メディアの種類が前記第1又は第2データ通信装置の少なくとも一方の現在位置に基づいて、又は、データ通信開始時の現在時刻に基づいて、制限されるものとしても構わない。
【0014】
又、上述のデータ通信装置において、前記データ通信装置が、複数種類の前記メディアそれぞれを処理する複数の機能を備えるとともに、該複数の機能を同一の前記メディアに対して複数種類ずつ備える。即ち、例えば、メディアの1つを音声としたとき、この音声に対して機能となるコーデックとして、G711、G723、MP3のように複数種類備える。
【0015】
このとき、前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを符号化又は復号化するコーデックであり、同一の前記メディアに対して複数種類のコーデックが備えられるものであっても構わないし、前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータの形式を決定するフォーマットであり、同一の前記メディアに対して複数種類のフォーマットが備えられるものであっても構わないし、前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを送受信するためのプロトコルであり、同一の前記メディアに対して複数種類のプロトコルが備えられるものであっても構わない。
【0016】
このように各メディアに対して複数種類の機能を備えるとき、前記第1及び第2データ通信装置によって通信許可された前記メディアの種類において、更に、前記第1及び第2データ通信装置で使用する前記機能が一致する前記メディアに対して通信が許可されるものとする。
【0017】
本発明のデータ通信装置は、他のデータ通信装置に対して通信接続を要求する接続要求信号を生成する接続要求生成部と、通信接続した他のデータ通信装置と複数種類のメディアの送受信を行う通信部と、を備えるデータ通信装置において、前記複数種類のメディアそれぞれをデータ処理する複数種類のデータ処理部と、前記データ処理部それぞれで使用可能な機能を前記各メディア毎に設定した機能情報を格納する機能情報蓄積部と、通信接続を要求する前記他のデータ通信装置に対して通信許可したメディアの種類を設定するとともに前記他のデータ通信装置それぞれを特定するためのユーザ特定情報を内含する複数のユーザ識別情報を前記他のデータ通信装置毎に格納するユーザ識別情報蓄積部と、を備え、前記接続要求生成部において前記接続要求信号を生成する際、通信接続を要求する前記他のデータ通信装置の前記ユーザ識別情報を読み出すことで、通信許可した前記メディアの種類を確認した後、前記機能情報を読み出すことで、確認した前記メディアそれぞれに対して使用可能な機能を確認し、確認された使用可能な前記機能を示す要求機能情報と、前記ユーザ識別情報に内含される前記ユーザ特定情報とより、前記接続要求信号を生成して送信することを特徴とする。
【0018】
このようなデータ通信装置において、前記各データ処理部で使用する前記機能を前記各メディア毎に設定する前記データ通信設定部と、前記他のデータ通信装置から送信された通信接続を行うことを示す接続応答信号を受信して解析する接続応答解析部と、を備えるとともに、前記接続応答信号に、前記他のデータ通信装置が自機器に対して通信許可した前記各メディアにおいて使用する機能を示す通信機能情報が含まれ、該接続応答解析部において前記接続応答信号内の前記通信機能情報を解析することで、前記他のデータ通信装置との間で行うデータ通信において送受信することが許可された前記メディアの種類と、当該メディアそれぞれに対して使用する機能と、を確認した後、前記データ通信設定部によって、前記データ処理部で使用する前記機能を設定する。
【0019】
又、本発明のデータ通信装置は、他のデータ通信装置から通信接続が要求された接続要求信号に対して通信接続を行うことを示す接続応答信号を生成する接続応答生成部と、通信接続した他のデータ通信装置と複数種類のメディアの送受信を行う通信部と、を備えるデータ通信装置において、前記複数種類のメディアそれぞれをデータ処理する複数種類のデータ処理部と、前記データ処理部それぞれで使用可能な機能を前記各メディア毎に設定した機能情報を格納する機能情報蓄積部と、通信接続が要求される前記他のデータ通信装置に対して通信許可したメディアの種類を設定するとともに前記他のデータ通信装置それぞれを特定するためのユーザ特定情報を内含する複数のユーザ識別情報を前記他のデータ通信装置毎に格納するユーザ識別情報蓄積部と、を備え、前記接続応答生成部において前記接続応答信号を生成する際、通信接続が要求された前記他のデータ通信装置の前記ユーザ識別情報を読み出すことで、通信許可した前記メディアの種類を確認した後、前記機能情報を読み出すことで、確認した前記メディアそれぞれに対して使用可能な機能を確認し、確認された使用可能な前記機能を示す通信機能情報と、前記ユーザ識別情報に内含される前記ユーザ特定情報とより、前記接続応答信号を生成して送信することを特徴とする。
【0020】
このようなデータ通信装置において、前記各データ処理部で使用する前記機能を前記各メディア毎に設定する前記データ通信設定部と、前記他のデータ通信装置から送信された接続要求信号を受信して解析する接続要求解析部と、を備えるとともに、前記接続要求信号に、前記他のデータ通信装置が自機器に対して通信許可した前記各メディアにおいて使用する機能を示す通信機能情報が含まれ、該接続要求解析部において前記接続応答信号内の前記通信機能情報を解析することで、前記他のデータ通信装置との間で行うデータ通信において送受信することが許可された前記メディアの種類と、当該メディアそれぞれに対して使用する機能と、を確認した後、前記データ通信設定部によって、前記データ処理部で使用する前記機能を設定する。
【0021】
更に、前記他のデータ通信装置からの前記接続要求信号に、前記他のデータ通信装置の現在位置を示す現在位置情報が含まれるとともに、前記ユーザ識別情報において、前記他のデータ通信装置の現在位置に基づいて、使用許可される前記メディアの種類が制限されるものとしても構わない。
【0022】
又、上述の各データ通信装置において、自機器の現在位置を認識する位置情報取得部を備えるとともに、前記ユーザ識別情報において、前記自機器の現在位置に基づいて、使用許可される前記メディアの種類が制限されるものとしても構わないし、現在時刻を認識する時間情報取得部を備えるとともに、前記ユーザ識別情報において、前記現在時刻に基づいて、使用許可される前記メディアの種類が制限されるものとしても構わない。
【0023】
又、上述の各データ通信装置において、前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを符号化又は復号化するコーデックであり、同一の前記メディアに対して複数種類のコーデックが備えられるものとしても構わないし、前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータの形式を決定するフォーマットであり、同一の前記メディアに対して複数種類のフォーマットが備えられるものとしても構わないし、前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを送受信するためのプロトコルであり、同一の前記メディアに対して複数種類のプロトコルが備えられるものとしても構わない。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、通信相手に応じて通信許可するメディアを設定するとともに、設定されたメディアを通信相手においても同様に処理できる機能を設定することができる。よって、通信相手に応じて、データ通信に使用するメディアと、更に、各メディアを処理する機能とを制限することができる。又、通信相手と共通の機能を設定することができるため、通信相手で処理可能なメディアの送受信を行うことができる。このとき、通信相手が知らない相手であるとき、メディアの1つである映像の通信に制限を与えることで、テレビ電話などにおいて知らない相手と映像による通信を行わないように設定することができる。更に、自機器又は通信相手の現在位置や現在時刻に基づいて使用するメディアの制限を行うことができるため、それぞれのユーザの居所などに応じて最適な通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のデータ通信システムの構成を示すブロック図である。又、図2は、図1のデータ通信システムにおけるデータ通信装置の内部構成を示すブロック図である。
【0026】
図1のデータ通信システムは、発呼人Aによって操作されるとともに発呼側となるデータ通信装置1aと、着呼人Bによって操作されるとともに着呼側となるデータ通信装置1bと、データ通信装置1a,1b間の通信を接続するための有線及び無線を含むネットワーク2と、を備える。尚、ネットワーク2は、インターネットやイントラネットや電話回線網などを含む有線又は無線によって構築されるネットワークである。
【0027】
このようなデータ通信システムにおいて、図2のデータ通信装置1(図1のデータ通信装置1a,1bに相当する)は、テキスト文字などの入力を行うための入力部10と、ネットワーク2と通信接続される通信部11と、自機器を含む各データ通信装置1のユーザ識別情報を格納するユーザ識別情報蓄積部12と、自機器で使用可能な機能を示す機能情報を格納する機能情報蓄積部13と、音声及び映像それぞれが入力されるマイク14a及びカメラ14bと、マイク14aからの音声及びカメラ14bからの映像それぞれを符号化するエンコード処理部15a,15bと、入力部10より入力されたデータを符号化するエンコード処理部15cと、エンコード処理部15a〜15cそれぞれで符号化されたデータより通信パケットを生成するデータ送信部16a〜16cと、通信部11を介して通信パケットを受信するデータ受信部17a〜17cと、データ受信部17a〜17cで受信した通信パケットより得られるデータを復号化するデコード処理部18a〜18cと、デコード処理部18aで復号化されたデータより音声を再生するスピーカ19aと、デコード処理部18b,18cで復号化されたデータより画像やテキストを再生するディスプレイ19bと、を備える。
【0028】
又、発呼側として動作する際のブロックとして、発呼相手先(着呼側)を入力する宛先入力部20と、発呼相手先及び自機器のユーザ特定情報と自機器の機能情報とによる要求機能情報を生成する要求機能情報生成部21と、要求機能情報生成部21に基づいて発呼相手先への接続を求めるための接続要求信号を生成する接続要求生成部22と、発呼相手先より送信される接続応答信号を確認する接続応答解析部23と、を備える。
【0029】
又、着呼側として動作する際のブロックとして、発呼側から送信される接続要求信号を確認する接続要求解析部25と、接続要求解析部25で接続要求信号を受信したときに着信したことを音声や光や映像で通知する着信通知部26と、接続要求解析部25で接続要求信号を受信したときに発呼側に着信していることを通知するための着信通知信号を生成する着信通知生成部27と、着呼人Bが操作することで発呼に対して応答を行ったことを示す応答部28と、発呼側と自機器とにで使用する各メディアに対する機能情報を決定する通信機能情報を生成する通信機能情報生成部29と、通信機能情報に基づいて発呼側へ接続許可するための接続応答信号を生成する接続応答生成部30と、を備える。
【0030】
更に、このデータ通信装置1は、接続応答解析部23又は接続要求解析部25で確認された機能情報に基づいてエンコード処理部15a〜15c及びデコード処理部18a〜18cそれぞれで使用するコーデックやデータ送信部16a〜16c及びデータ受信部17a〜17cそれぞれで使用するプロトコルを設定するデータ通信設定部24を、備える。
【0031】
このようにデータ通信装置1が構成されるとき、ユーザ識別情報蓄積部12には、自機器及び登録された発呼相手先それぞれに割り当てられたユーザ特定情報及びメディア情報によるユーザ識別情報が格納される。このとき、ユーザ特定情報として、通常の電話回線網やIP電話回線網などにおける電話番号や、IP(Internet Protocol)電話回線網を含むIPネットワーク回線網におけるSIP(Session Initiation Protocol)アドレスやメールアドレスやIPアドレスが、データ通信装置1それぞれに割り当てられる。又、メディア情報として、データ通信装置1で処理可能な音声、動画、静止画像、及びテキストなどのメディアが、そのデータ通信装置1のユーザ特定情報とともに格納される。
【0032】
又、機能情報蓄積部13には、自機器で使用可能なコーデックやプロトコルやポートなどの各種機能情報が格納される。即ち、エンコード処理部15a及びデコード処理部18aにおいて用いる音声用のコーデックについては、例えば、G.711によるPCM(Pulse Code Modulation)や、G.722又はG726などによるADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)や、G.723又はG.729などによるCELP(Code Excited Linear Prediction)や、MP3(MPEG1 Audio Layer3)や、AAC(Advanced Audio Codec)などが、機能情報として格納される。
【0033】
又、エンコード処理部15b及びデコード処理部18bにおいて用いる画像用のコーデックについては、例えば、テレビ会議などで用いられる規格であるH.261又はH.263や、DVDやデジタルテレビなどの多くの映像メディアに対して用いられる規格であるMPEG(Moving Picture Experts Group)1、MPEG2、MPEG4、又はMPEG7などが、機能情報として格納される。又、エンコード処理部15b及びデコード処理部18bに対しては、解像度を表すCIF(Common Intermediate Format)やQCIF(Quarter Common Intermediate Format)などのような映像フォーマットについても機能情報として格納される。更に、静止画像も処理されるため、JPEG(Joint Photographic Expert Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、PING(Packet Internet Groper)、PNG(Portable Network Graphic)などの静止画像用フォーマットも機能情報として格納される。
【0034】
更に、データ送信部16a,16b及びデータ受信部17a,17bにおいて用いるプロトコルについては、例えば、呼制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)又はH.323や、トランスポート層のプロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(User Datagram Protocol)や、セッション層やアプリケーション層などのプロトコルRTP(Real-time Transport Protocol)又はHTTP(HyperText Transfer Protocol)又はFTP(File Transfer Protocol)又はSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)又はPOP(Post Office Protocol)などが、機能情報として格納される。
【0035】
このようなユーザ識別情報及び機能情報を格納したデータ通信装置1a,1bにおけるデータ通信開始時の動作について、図面を参照して以下に説明する。尚、図3は、図1のデータ通信システムにおけるデータ通信が開始されるまでの動作を示すフローチャートである。又、図4が、発呼側となるデータ通信装置1aの動作を示すフローチャートであり、図8が、着呼側となるデータ通信装置1bの動作を示すフローチャートである。
【0036】
図3に示すように、まず、発呼人Aによってデータ通信装置1aの宛先入力部20が操作されて、発呼相手先(着呼側)となるデータ通信装置1bに対して通信要求を行うために、データ通信装置1a,1bのユーザ特定情報などを備えた接続要求信号を接続要求生成部22で生成して、通信部11より送信する(STEP1)。そして、この接続要求信号をデータ通信装置1bが通信部11で受信すると、着信通知生成部27において着信通知信号を生成して通信部11より送信する(STEP2)。このとき、着信通知部26によってデータ通信装置1bが着呼したことを、着呼人Bに通知する。
【0037】
その後、データ通信装置1bが着呼したことを確認した着呼人Bによって応答部28が操作されると、データ通信装置1a,1bのユーザ特定情報などを備えた接続応答信号を接続応答生成部30で生成して、通信部11より送信する(STEP3)。そして、この接続応答信号をデータ通信装置1aが通信部11で受信すると、データ通信装置1a,1bそれぞれで許可された機能情報に応じてデータ通信装置1a,1bそれぞれの動作機能が設定され、データ通信装置1a,1b間のデータ通信が開始する(STEP4)。このようにしてデータ通信装置1a,1b間のデータ通信への導入動作が行われるときにおける、データ通信装置1a,1bそれぞれの更に詳細な動作について、図4及び図8のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0038】
まず、このデータ通信装置1aの動作について説明する。データ通信装置1aでは、宛先入力部20が操作されることで、データ通信装置1bの電話番号や各種アドレスなどのユーザ特定情報が入力される(SETP001)。このようにして入力されたユーザ特定情報が要求機能情報生成部21に与えられると、ユーザ識別情報蓄積部12及び機能情報蓄積部13を参照して、入力されたユーザ特定情報のデータ通信装置1bに対して求める機能を情報として備える要求機能情報を生成する(STEP002)。
【0039】
この要求機能情報の生成動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。宛先入力部20で入力されたユーザ特定情報が与えられると(STEP101)、このユーザ特定情報を備えたユーザ識別情報がユーザ識別情報蓄積部12内に存在するか否かを確認する(STEP102)。このとき、与えられたデータ通信装置1bのユーザ特定情報を備えたユーザ識別情報を確認すると(Yes)、ユーザ識別情報蓄積部12よりユーザ識別情報を読み出して、ユーザ識別情報に内含されるメディア情報を取得する(SETP103)。又、ユーザ識別情報が確認されなかったとき(No)、登録されていないデータ通信装置1bに対するメディア情報を取得する(STEP104)。このようにしてメディア情報を取得することで、通信相手となるデータ通信装置1bに対して通信することを許可しているメディアの種類が確認される。
【0040】
即ち、データ通信装置1aのユーザ識別情報蓄積部12において、図6のように、ユーザ特定情報“06-6**-****”、“090-****-****”、“B@***.net”、“X@***.net”に対するユーザ識別情報が登録されているものとする。このとき、各ユーザ識別情報のメディア情報として、ユーザ特定情報“06-6**-****”に対して音声のみを利用許可することが、ユーザ特定情報“090-****-****”に対して音声と静止画像とテキストとを利用許可することが、ユーザ特定情報“B@***.net”に対して音声と映像と静止画像とテキストとを利用許可することが、ユーザ特定情報“X@***.net”に対して音声と映像とを利用許可することが、それぞれ記録されている。又、登録されていないことを表す“Default”に対するメディア情報として、音声のみを利用許可することが記録されている。
【0041】
そして、データ通信装置1bのユーザ特定情報として“B@***.net”が入力されたとき、STEP102において、ユーザ識別情報蓄積部12に格納されたユーザ特定情報B@***.netに対するユーザ識別情報が確認される。よって、STEP103において、このユーザ識別情報に内含されるメディア情報が読み出されて、データ通信装置1bに利用許可したメディアが音声、映像、静止画像、及びテキストであることが確認される。尚、入力されたユーザ特定情報が確認されなかった場合は、STEP104において、“Default”に対するメディア情報が読み出されて、登録されていないデータ通信装置1に対して、音声だけを利用許可する。
【0042】
このように、STEP103及びSTEP104においてメディア情報を取得すると、次に、機能情報蓄積部13を参照することで、メディア情報によりデータ通信装置1bに対して許可されたメディアが処理可能であるか否かが確認される(STEP105)。このとき、許可されたメディアに処理可能となるメディアがあることを確認すると(Yes)、許可されたメディアそれぞれに対して自機器で使用可能となるコーデック及びプロトコル及びポートを表す機能情報を機能情報蓄積部13から読み出して、要求機能情報を生成して接続要求生成部22に与える(STEP106)。又、許可されたメディアが全て処理不可能である場合は(No)、接続要求信号の生成を中止することを接続要求生成部22に対して指示する(STEP107)。
【0043】
このように、機能情報蓄積部13内の機能情報を用いて要求機能情報が生成されるとき、データ通信装置1aの機能情報蓄積部13において、図7のように、データ通信装置1aが処理可能なメディアとして“音声”、“映像”、“静止画像”、“テキスト”が登録され、更に、各メディアにおいて使用可能となる機能情報が格納されている。そして、音声については、そのコーデックにG.711とG.723とが使用可能であるとともに、そのプロトコルにRTPが使用可能であり、更に、ポート10000を使用することが登録されている。又、映像については、そのコーデックにMPEG4とH.261とH.263が使用可能であるとともに、そのプロトコルにRTPが使用可能であり、更に、ポート10001を使用することが登録されている。又、静止画像については、その画像フォーマットにJPEGとPINGが使用可能であるとともに、そのプロトコルにHTTPやFTPが使用可能であり、更に、ポート10002を使用することが登録されている。又、テキストについては、そのプロトコルにHTTPやFTPが使用可能であり、更に、ポート10003を使用することが登録されている。
【0044】
よって、データ通信装置1bのユーザ特定情報として“B@***.net”が入力されたとき、STEP103で利用許可した機能である音声、映像、静止画像、及びテキストそれぞれに対する機能情報が読み出される。即ち、音声に対しては、コーデックとしてG.711とG.723とが、プロトコルとしてRTPが、映像に対しては、コーデックとしてMPEG4とH.261とH.263とが、プロトコルとしてRTPが、静止画像に対しては、画像フォーマットとしてJPEGとPINGとが、プロトコルとしてHTTPとFTPが、テキストに対しては、プロトコルとしてHTTPとFTPが、それぞれ使用可能であり、音声、映像、静止画像、及びテキストそれぞれのポートが、10000、10001、10002、10003であることが、機能情報で確認される。
【0045】
そして、この確認された機能情報より要求機能情報が生成されて、ユーザ特定情報B@***.netとともに、接続要求生成部22に送出される。尚、このとき、データ通信装置1aのユーザ特定情報を“A@***.net”としてユーザ識別情報格納部12に格納されているとき、このデータ通信装置1aのユーザ特定情報A@***.netも読み出されて、要求機能情報及びデータ通信装置1bのユーザ特定情報B@***.netとともに、接続要求生成部22に送出される。又、STEP104で“Default”に対するメディア情報が読み出されたとき、利用許可したメディアが音声のみであるため、音声に対するコーデックG.711、G.723及びプロトコルRTPが使用可能であり、そのポートに10000が使用されることを示す機能情報が得られて、要求機能情報が生成される。
【0046】
そして、生成した要求機能情報が接続要求生成部22に与えられると、データ通信装置1a,1bのユーザ特定情報と要求機能情報とによって構成される接続要求信号が生成される(SETP003)。この接続要求信号を接続要求生成部22から通信部11に与えることで、通信部11に接続されたネットワーク2に接続要求信号を送信する(STEP004)。その後、接続要求信号を送信すると、この接続要求信号に対する応答である着信通知信号や、接続することを示す接続応答信号を受信するため、通信部11が受信待機状態となる(STEP005)。
【0047】
このように通信部11が受信待機状態であるときに、通信部11で信号を受信すると、データ通信装置1bからの接続応答信号であるか否かが確認される(STEP006)。このとき、通信部11において受信された信号が着信通知信号である場合や信号の受信がなかったときは(No)、STEP005に移行し、通信部11を受信状態とする。又、STEP006において、データ通信装置1bからの接続応答信号を受信したことを確認すると、この接続応答信号が接続応答解析部23に与えられて、接続応答信号の内容が確認される(STEP007)。このとき、接続応答解析部23では、受信した接続応答信号に含まれる機能情報に基づいて、データ通信装置1bにおいて各メディアに対して設定された各種機能(コーデック、プロトコル、及びポート)が確認される。
【0048】
このようにして確認された各種機能を設定されたメディア毎に確認すると、確認した各種機能によって、エンコード処理部15a〜15c、データ送信部16a〜16c、データ受信部17a〜17c、及び、デコード処理部18a〜18cがそれぞれ動作するように、データ通信設定部24による設定が行われる(STEP008)。即ち、データ通信設定部24によって、エンコード処理部15a〜15c及びデコード処理部18a〜18cそれぞれで使用されるコーデックが設定されるとともに、データ送信部16a〜16c及びデータ受信部17a〜17cそれぞれで使用されるプロトコル及びポートが設定される。
【0049】
尚、この図4のフローチャートにおいては、データ通信装置1a,1bの間で通信が開始されるものとする際の動作フローを示すものである。よって、例えば、STEP005及びSTEP006の動作を行っている際に、データ通信装置1bから着信通知信号の送信が一定時間以上確認されなかったとき、又は、着信通知信号の受信後にデータ通信装置1bからの接続応答信号の受信が一定時間以上確認できなかったときに、データ通信装置1a,1bの間の通信開始動作を終了するものとしても構わない。同様に、STEP002において図5のフローチャートのようにして要求機能情報を生成する際に、STEP107において接続要求信号の生成を中止する場合や、又は、STEP007で接続応答信号内に使用可能な機能情報が確認できなかった場合においても、データ通信装置1a,1bの間の通信開始動作を終了するものとしても構わない。
【0050】
このデータ通信装置1aに対して応答動作を行うデータ通信装置1bの動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。データ通信装置1bでは、データ通信装置1aから送信された接続要求信号を通信部11で受信すると(STEP201)、接続要求解析部25に接続要求信号が与えられ、接続要求信号に内含された要求機能情報が確認される(STEP202)。このとき、上述したように、接続要求信号には、データ通信装置1aのユーザ特定情報も内含されているので、このユーザ特定情報が接続要求解析部25で確認されることで、データ通信装置1aからの接続要求であることが特定される。尚、同様に、接続要求信号に内含されているデータ通信装置1bのユーザ特定情報を通信部11又は接続要求解析部25で確認することで、自機器に対して送信された信号を確認するものとしても構わない。
【0051】
そして、接続要求信号を接続要求解析部25で確認すると、着信通知部26に対してデータ通信装置1aから接続要求信号が送信されたことが通知されて、着信通知部26を構成するディスプレイ又はスピーカ又は発光素子などを駆動させることで、画像又は音又は光によって着呼人Bに着信したことを通知する(STEP203)。その後、更に、接続要求信号を受信したことが接続要求解析部25より着信通知生成部27に通知されると、着信通知生成部27において、リンギングメッセージなどの着信通知信号を生成して(STEP204)、この着信通知信号を通信部11よりデータ通信部1aに送信する(STEP205)。
【0052】
このように着信通知信号をネットワーク2を介してデータ通信部1aに送信した後、応答部28が着呼人Bによって操作されたか否かが確認される(STEP206)。このとき、応答部28が操作されるまで待機状態となって、STEP203における着呼人Bへの着信通知動作と、STEP204及びSTEP205におけるデータ通信装置1aの発呼人Aへの着信通知動作とを継続する。そして、応答部28の操作が確認されると(Yes)、応答部28が操作されたことが通信機能情報生成部29に通知され、接続要求解析部25で確認された要求機能情報などに基づいて通信機能情報が生成される(STEP207)。
【0053】
この通信機能情報の生成動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。応答部28が操作されて着呼人Bによる応答が確認されると、まず、接続要求解析部25において確認された発呼側となるデータ通信装置1aのユーザ特定情報を確認する(STEP301)。そして、ユーザ識別情報蓄積部12を参照することによって、ユーザ特定情報が一致するユーザ識別情報が格納されているか否かを確認し、接続要求信号を送信したデータ通信装置1aのユーザ識別情報がユーザ識別情報蓄積部12に登録されているか否かが確認される(STEP302)。即ち、データ通信装置1aのユーザ特定情報A@***.netが接続要求解析部25で確認されると、このユーザ特定情報A@***.netを備えたユーザ識別情報がユーザ識別情報蓄積部12に格納されているか否かを確認する。
【0054】
そして、データ通信装置1aのユーザ特定情報と一致するユーザ特定情報を備えたユーザ識別情報が確認されると(Yes)、ユーザ識別情報に内含されているメディア情報を取得する(STEP303)。逆に、データ通信装置1aのユーザ特定情報が確認されず、データ通信装置1aがユーザ識別情報蓄積部12に登録されていないとき(No)、登録されていないデータ通信装置1aに対するユーザ識別情報に内含されているメディア情報を取得する(STEP304)。このようにしてメディア情報を取得することで、データ通信装置1aに対して通信することを許可しているメディアの種類が確認される。
【0055】
即ち、データ通信装置1bのユーザ識別情報蓄積部12において、図10のように、ユーザ特定情報“06-6**-****”、“090-****-****”、“A@***.net”、“X@***.net”に対するユーザ識別情報が登録されているものとする。このとき、各ユーザ識別情報のメディア情報として、ユーザ特定情報“06-6**-****”に対して音声と映像とを利用許可することが、ユーザ特定情報“090-****-****”に対して音声のみを利用許可することが、ユーザ特定情報“A@***.net”に対して音声と映像と静止画像とテキストとを利用許可することが、ユーザ特定情報“X@***.net”に対して音声と映像とテキストとを利用許可することが、それぞれ記録されている。又、登録されていないことを表す“Default”に対するメディア情報として、音声のみを利用許可することが記録されている。
【0056】
そして、データ通信装置1aからの接続要求信号より、ユーザ特定情報A@***.netが確認されるため、STEP303において、ユーザ特定情報A@***.netに対するユーザ識別情報に内含されるメディア情報が読み出されて、データ通信装置1aに利用許可したメディアが音声、映像、静止画像、及びテキストであることが確認される。尚、入力されたユーザ特定情報が確認されなかった場合は、STEP304において、“Default”に対するメディア情報が読み出されて、登録されていないデータ通信装置1に対して、音声だけを利用許可する。
【0057】
このように、STEP303及びSTEP304においてメディア情報を取得すると、次に、機能情報蓄積部13を参照することで、まず、メディア情報によりデータ通信装置1aに対して許可されたメディアが処理可能であるか否かが確認される(STEP305)。このとき、許可されたメディアに処理可能となるメディアがあることを確認すると(Yes)、許可されたメディアそれぞれに対して自機器で使用可能となる機能情報を機能情報蓄積部13から読み出す(STEP306)。
【0058】
そして、機能情報蓄積部13より読み出した機能情報と、接続要求解析部25で確認された要求機能情報に含まれる機能情報とを比較し、使用可能なメディアに対するそれぞれの機能情報において、一致するものが存在するか否かが確認される(STEP307)。このとき、機能情報蓄積部13より読み出した機能情報と一致する機能情報が要求機能情報に存在することを確認すると(Yes)、一致する機能情報より確認される機能が各メディアにおいて1つだけであるか否かが確認される(STEP308)。そして、複数の機能が一致したメディアが存在することが確認されたとき(No)、各メディアに対して1つの機能が設定されるように、複数の機能が一致したメディアについては、その一致した複数の機能から1つの機能が選択される(STEP309)。
【0059】
その後、STEP308において、各メディアにおいて一致する機能情報から確認される機能が1つであるとき(Yes)、又は、SETP309における機能の選択動作が行われたとき、各メディアそれぞれに対して得られた機能を示す機能情報より成る通信機能情報を生成し、接続応答生成部30に送出する(STEP310)。又、STEP305において、許可されたメディアが全て処理不可能であるとき(No)、又は、STEP307において、使用可能なメディア全てにおいて一致する機能情報が確認されなかったとき(No)、接続応答信号の生成を中止することを接続応答生成部30に対して指示する(STEP311)。
【0060】
このように、機能情報蓄積部13内の機能情報を用いて通信機能情報が生成されるとき、データ通信装置1bの機能情報蓄積部13において、図11のように、データ通信装置1bが処理可能なメディアとして“音声”、“映像”、“静止画像”、“テキスト”が登録され、更に、各メディアにおいて使用可能となる機能情報が格納されている。そして、音声については、そのコーデックにG.711とG.723とが使用可能であるとともに、そのプロトコルにRTPが使用可能であり、更に、ポート20000を使用することが登録されている。又、映像については、そのコーデックにH.263が使用可能であるとともに、そのプロトコルにRTPが使用可能であり、更に、ポート20001を使用することが登録されている。又、静止画像については、その画像フォーマットにGIFが使用可能であるとともに、そのプロトコルにHTTPやFTPが使用可能であり、更に、ポート20002を使用することが登録されている。又、テキストについては、そのプロトコルにHTTPやFTPが使用可能であり、更に、ポート20003を使用することが登録されている。
【0061】
よって、“A@***.net”となるユーザ特定情報よりデータ通信装置1aに対して利用許可した機能が、音声、映像、静止画像、及びテキストであることが確認され、まず、この音声、映像、静止画像、及びテキストに対するデータ通信装置1bでの機能情報が読み出される。即ち、音声に対しては、コーデックとしてG.711とG.723とが、プロトコルとしてRTPが、映像に対しては、コーデックとしてH.263が、プロトコルとしてRTPが、静止画像に対しては、画像フォーマットとしてGIFが、プロトコルとしてHTTPとFTPが、テキストに対しては、プロトコルとしてHTTPとFTPが、それぞれ使用可能であり、音声、映像、静止画像、及びテキストそれぞれのポートが、20000、20001、20002、20003であることが、機能情報で確認される。
【0062】
そして、次に、受信した接続要求信号より得られるデータ通信装置1aより要求される機能情報が確認される。即ち、音声に対しては、コーデックとしてG.711とG.723とが、プロトコルとしてRTPが、映像に対しては、コーデックとしてMPEG4とH.261とH.263とが、プロトコルとしてRTPが、静止画像に対しては、画像フォーマットとしてJPEGとPINGとが、プロトコルとしてHTTPとFTPが、テキストに対しては、プロトコルとしてHTTPとFTPが、それぞれ使用可能であり、音声、映像、静止画像、及びテキストそれぞれのポートが、10000、10001、10002、10003であることが、接続要求信号内の要求機能情報で確認される。
【0063】
そして、音声、映像、静止画像、及びテキストそれぞれにおいて一致する機能が、確認された機能情報を比較して認識され、音声、映像、静止画像、及びテキストそれぞれに対して1つの機能が選択される。即ち、音声については、コーデックとしてG.711とG.723が一致し、プロトコルとしてRTPが一致することが確認され、映像に対しては、コーデックとしてH.263が一致し、プロトコルとしてRTPが一致することが確認され、テキストに対しては、プロトコルとしてHTTPとFTPが一致することが確認される。又、静止画像に対しては、プロトコルとしてHTTPとFTPが一致することが確認されるが、コーデックについては一致するものが確認されない。
【0064】
よって、映像についてはコーデック及びプロトコルそれぞれにおいて一致するものが1つであるため、映像に対する通信においては、コーデック及びプロトコルをそれぞれH.263及びRTPに設定する。又、音声に対する通信においては、コーデックにおいて一致するものがG.711及びG723であり、プロトコルにおいて一致するものがRTPである。このとき、コーデックG.711が選択されることで、音声に対する通信に用いるコーデック及びプロトコルをそれぞれG.711及びRTPに設定する。
【0065】
又、静止画像については、画像フォーマットについて一致するものがないため、通信不可能であることが確認され、静止画像に対する機能の設定が行われない。更に、テキストについては、プロトコルに対して、HTTP及びFTPの2つが一致することが確認されるため、いずれか一方が選択されて、テキストに対する通信に使用するプロトコルとして設定される。このとき、テキストに対して使用するプロトコルとしてHTTPが選択される。このように動作することで、音声に対するコーデック及びプロトコルをそれぞれG.711及びRTPに、映像に対するコーデック及びプロトコルをそれぞれH.263及びRTPに、テキストに対するプロトコルをHTTPに、設定することを示す通信機能情報が生成される。又、この通信機能情報には、音声、映像、テキストそれぞれに使用するポートが20000、20001、20003であることも、情報として含まれる。
【0066】
そして、生成された通信機能情報が接続応答生成部30に与えられると、データ通信装置1a,1bのユーザ特定情報と通信機能情報とによって構成される接続応答信号が生成される(STEP208)。この接続応答信号が与えられた通信部11は、接続されたネットワーク2を介してデータ通信装置1aに対して接続応答信号を送信する(STEP209)。又、通信機能情報生成部29によって生成された通信機能情報がデータ通信設定部24にも与えられる。そして、この通信機能情報より確認される各メディアに対する各種機能が、データ通信設定部24によって設定される(STEP210)。即ち、データ通信設定部24によって、エンコード処理部15a〜15c及びデコード処理部18a〜18cそれぞれで使用されるコーデックが設定されるとともに、データ送信部16a〜16c及びデータ受信部17a〜17cそれぞれで使用されるプロトコル及びポートが設定される。
【0067】
このように動作するとき、データ通信装置1aにおいて図5及び図6のような情報が格納されるとともに、データ通信装置bにおいて図10及び図11のような情報が格納される場合、データ通信装置1a,1bそれぞれにおいて、エンコード処理部15a及びデコード処理部18aで使用されるコーデックをG.711に、エンコード処理部15b及びデコード処理部18bで使用される映像用のコーデックをH.263に、データ送信部16a,16b及びデータ受信部17a,17bで使用されるプロトコルをRTPに、データ送信部16c及びデータ受信部17cで使用されるプロトコルをHTTPに、それぞれ設定する。このとき、データ送信部16b及びデータ受信部17bにおけるプロトコルは映像用のみのプロトコルが設定され、又、エンコード処理部15c及びデコード処理部18cにおけるコーデックはテキスト用のコーデックに設定される。
【0068】
尚、この図8のフローチャートにおいては、データ通信装置1a,1bの間で通信が開始されるものとする際の動作フローを示すものである。よって、例えば、STEP206の動作を行っている際に、応答部28への操作が一定時間以上確認されなかったとき、データ通信装置1a,1bの間の通信開始動作を終了するものとしても構わない。同様に、STEP207において図9のフローチャートのようにして通信機能情報を生成する際に、STEP311において接続要求信号の生成を中止する場合においても、データ通信装置1a,1bの間の通信開始動作を終了するものとしても構わない。
【0069】
このようにデータ通信装置1a,1bが動作することで、データ通信装置1a,1b間の通信開始動作を行うとき、データ通信装置1a,1bそれぞれが上述のようにIP電話装置であり、それぞれがSIPアドレスA@***.net、B@***.netを備えるものとすると、データ通信装置1a,1bそれぞれからは、SIPに応じた接続要求信号及び接続応答信号を生成する。即ち、データ通信装置1aから送信される接続要求信号が、図12に示すようなINVITEメッセージによって生成され、又、データ通信装置1bから送信される接続応答信号が、図13に示すようなOKメッセージによって生成される。
【0070】
このとき、データ通信装置1aよりデータ通信装置1bに送信される図12に示すINVITEメッセージのメッセージヘッダ(“Content-Type:application/sdp”までの表示)によって、発呼側となるデータ通信装置1aのSIPアドレスが“A@***.net”であり、着呼側となるデータ通信装置1bのSIPアドレスが“B@***.net”であることが示される。即ち、図12のINVITEメッセージのメッセージヘッダにおいて、“INVITE sip:B@***.net SIP/2.0”によって、SIPアドレスB@***.netとなるデータ通信装置1bへのINVITEメッセージであることが示される。そして、“From:A<A@***.net>”によって、発呼側がSIPアドレスA@***.netのデータ通信装置1aであり、“To:B<B@***.net>”によって、着呼側がSIPアドレスB@***.netのデータ通信装置1bであることが示される。更に、“Content-Type:application/sdp”によって、メッセージボディの内容がSDP(Session Description Protocol)に従った内容であることが示される。
【0071】
そして、図12に示すINVITEメッセージのメッセージボディ(“v=0”以下の表示)に表示されるSDPタグによって、データ通信装置1bへ利用許可している各メディアに対するコーデックやフォーマット及びプロトコルが示される。即ち、図12のINVITEメッセージのメッセージボディにおいて、“m=audio 10000 RTP/AVP 0 4”によって、音声に対するプロトコルがRTPであるとともにポートが10000であることが、“m=video 10001 RTP/AVP 31 34 96”によって、映像に対するプロトコルがRTPであるとともにポートが10001であることが、表示される。尚、“0”、“4”、“31”、“34”、“96”それぞれが、以下に示すコーデックG.711、G.723、H.261、H.263、MPEG4それぞれが用いられることを表す。
【0072】
又、“m=data 10002 HTTP jpeg”、“m=data 10002 FTP jpeg”、“m=data 10002 HTTP ping、“m=data 10002 FTP ping”によって、静止画像に対するプロトコルがHTTP又はFTPであるとともにポートが10002であり、使用する画像フォーマットがJPEG又はPINGであることが、表示される。又、“m=data 10003 HTTP text”、“m=data 10003 FTP text”によって、テキストに対するプロトコルがHTTP又はFTPであるとともにポートが10003であることが、表示される。更に、“a=rtpmap:0 PCMU/8000”、“a=rtpmap:4 G.723/8000”によって、音声に対して使用可能なコーデックがG.711又はG.723であることが、又、“a=rtpmap:31 H.261/90000”、“a=rtpmap:34 H.263/90000”、“a=rtpmap:96 MP4V-ES/90000”によって、映像に対して使用可能なコーデックがH.261、H.263、又はMPEG4であることが、表示される。
【0073】
そして、このINVITEメッセージに対してデータ通信装置1bよりデータ通信装置1aに送信される図13に示すOKメッセージのメッセージヘッダ(“Content-Type:application/sdp”までの表示)によって、発呼側となるデータ通信装置1aのSIPアドレスが“A@***.net”であり、着呼側となるデータ通信装置1bのSIPアドレスが“B@***.net”であることが示される。即ち、図13のOKメッセージのメッセージヘッダにおいて、“SIP/2.0 200 OK”によって、INVITEメッセージに対するOKメッセージであることが示される。そして、“From:A<A@***.net>”によって、発呼側がSIPアドレスA@***.netのデータ通信装置1aであり、“To:B<B@***.net>”によって、着呼側がSIPアドレスB@***.netのデータ通信装置1bであることが示される。
【0074】
そして、図13に示すOKメッセージのメッセージボディ(“v=0”以下の表示)に表示されるSDPタグによって、データ通信装置1aへ利用許可している各メディアに対するコーデックやフォーマット及びプロトコルが示される。即ち、図13のOKメッセージのメッセージボディにおいて、“m=audio 20000 RTP/AVP 0”によって、音声に対するプロトコルがRTPであるとともにポートが20000であることが、“m=video 20001 RTP/AVP 34”によって、映像に対するプロトコルがRTPであるとともにポートが20001であることが、表示される。又、“0”、“34”それぞれによって、音声及び映像それぞれのコーデックとして、G.711及びH.263それぞれが用いられることを表す。
【0075】
又、“m=data 20003 HTTP text”によって、テキストに対するプロトコルがHTTPであるとともにポートが20003であることが、表示される。更に、“a=rtpmap:0 PCMU/8000”によって、音声に対して使用されるコーデックがG.711であることが、又、 “a=rtpmap:34 H.263/90000”によって、映像に対して使用されるコーデックがH.263であることが、表示される。
【0076】
このとき、図14のように、まず、発呼側のデータ通信装置1aよりINVITEメッセージが送信されると(STEP401)、このINVITEメッセージを受信した着呼側のデータ通信装置1bよりRingingメッセージが着信通知信号としてデータ通信装置1bよりデータ通信装置1aに送信される(STEP402)。そして、データ通信装置1bにおいて応答部28が操作されると、OKメッセージがデータ通信装置1bからデータ通信装置1aに送信される(STEP403)。このとき、データ通信装置1bでは、データ送信部16a,16b及びデータ受信部17a,17bにおいて使用するプロトコルがRTPに、データ送信部16c及びデータ受信部17cにおいて使用するプロトコルがHTTPに、設定される。又、エンコード部15a及びデコード部18aにおいて使用するコーデックがG.711に、エンコード部15b及びデコード部18bにおいて使用するコーデックがH.263に、設定される。
【0077】
そして、このOKメッセージを受信したデータ通信装置1aは、データ通信装置1bとデータ通信を開始するために、ACKメッセージをデータ通信装置1bに送信する(STEP404)。このとき、データ通信装置1aでは、データ通信装置1bと同様、データ送信部16a,16b及びデータ受信部17a,17bにおいて使用するプロトコルがRTPに、データ送信部16c及びデータ受信部17cにおいて使用するプロトコルがHTTPに、設定される。又、エンコード部15a及びデコード部18aにおいて使用するコーデックがG.711に、エンコード部15b及びデコード部18bにおいて使用するコーデックがH.263に、設定される。その後、データ通信装置1a,1bの間において、映像、音声、及びテキストの通信可能なデータ通信が開始する(STEP405)。
【0078】
尚、図12〜図14による通信開始前の動作例として、呼制御プロトコルとしてSIPを用いた動作を例に説明したが、この個性魚プロトコルSIPに限らず、呼制御プロトコルH.323など他のプロトコルを用いることができる。
【0079】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図15は、本実施形態のデータ通信システムにおけるデータ通信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、図15に示すデータ通信装置において、図2のデータ通信装置と同一の目的で使用する構成について、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。又、本実施形態のデータ通信システムは、第1の実施形態と同様、図1に示す構成となる。
【0080】
図15に示すデータ通信装置1x(図1のデータ通信装置1a,1bに相当する)は、図1のデータ通信装置1の構成に、現在時刻情報を取得するとともに取得した現在時刻情報を要求機能情報生成部21及び通信機能情報生成部29に送出する時間情報取得部31と、現在位置情報を取得するとともに取得した現在位置情報を要求機能情報生成部21及び通信機能情報生成部29に送出する位置情報取得部32と、が付加された構成となる。
【0081】
尚、現在時刻情報は、時間情報取得部31内にタイマなどを内蔵することにより時間を計測することによって得られる現在時刻を示す情報である。又、現在位置情報は、データ通信装置1xが移動体通信を行う場合は、位置情報取得部32によってGPS通信又は基地局との通信などにより、又、データ通信装置1xが固定されている場合は、位置情報取得部32内に格納されることにより、得られるデータ通信装置1xの位置を示す情報であるものとしても構わない。更に、現在位置情報が、入力部10によって入力されるものとしても構わない。
【0082】
又、このように構成されるデータ通信装置1xは、ユーザ識別情報蓄積部12に格納されるユーザ識別情報によって、送信相手となるデータ通信装置1又はデータ通信装置1xの現在位置及び通信を行う現在時刻に応じて通信可能なメディアを制限する。そして、このユーザ識別情報蓄積部12に格納されるユーザ識別情報として、発呼側として動作するときのユーザ識別情報と、着呼側として動作するときのユーザ識別情報とを備える。
【0083】
このとき、発呼側となるデータ通信装置1aのユーザ識別部12において、図16のような発呼側用のユーザ識別情報が格納されることで、通信相手となるデータ通信装置1b(SIPアドレスB@***.net)と、登録されていないデータ通信装置1,1xとに対して、時間的に又は位置的に通信可能なメディアが制限される。即ち、図16のユーザ識別情報によると、通信相手となるデータ通信装置の現在位置に関係なく、自機器であるデータ通信装置1aの現在位置が“学校”又は“自宅”のいずれかによって、又は、現在時刻が“8:00〜20:00”又は“20:00〜8:00”のいずれかによってそれぞれ、通信可能なメディアが制限される。
【0084】
よって、データ通信装置1aの位置が“学校”である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、音声及びテキストが通信許可され、現在時刻が20:00〜8:00のであるとき、音声及び静止画及びテキストが通信許可される。又、データ通信装置1aの位置が“自宅”である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、音声及び静止画及びテキストが通信許可され、現在時刻が20:00〜8:00のであるとき、音声及び映像及び静止画及びテキストが通信許可される。更に、通信相手となるデータ通信装置が登録されていないデータ通信装置1又はデータ通信装置1xである場合、現在時刻に関係なく、データ通信装置1aの位置が“学校”であるとき、テキストのみが通信許可され、又、データ通信装置1aの位置が“自宅”であるとき、音声及び静止画及びテキストが通信許可される。
【0085】
又、着呼側となるデータ通信装置1bのユーザ識別情報蓄積部12において、図17のような着呼側用のユーザ識別情報が格納されることで、通信相手となるデータ通信装置1a(SIPアドレスA@***.net)と、登録されていないデータ通信装置1,1xとに対して、時間的に又は位置的に通信可能なメディアが制限される。即ち、図17のユーザ識別情報によると、まず、自機器であるデータ通信装置1bの現在位置が“会社”又は“自宅”のいずれかによって、通信可能なメディアが制限される。又、データ通信装置1aに対しては、データ通信装置1aの現在位置が“学校”又は“自宅”のいずれかによって、又は、現在時刻が“8:00〜20:00”又は“20:00〜8:00”のいずれかによってそれぞれ、通信可能なメディアが制限される。
【0086】
よって、データ通信装置1b,1aそれぞれの位置が“会社”及び“学校”である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、テキストのみが通信許可され、現在時刻が20:00〜8:00であるとき、音声及び静止画が通信許可される。同様に、データ通信装置1b,1aそれぞれの位置が“会社”及び“自宅”である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、静止画及びテキストが通信許可され、現在時刻が20:00〜8:00であるとき、音声及び映像及びテキストが通信許可される。
【0087】
又、データ通信装置1b,1aそれぞれの位置が“自宅”及び“学校”である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、音声及びテキストが通信許可され、又、現在時刻が20:00〜8:00であるとき、音声及び静止画及びテキストが通信許可される。同様に、データ通信装置1b,1aそれぞれの位置が“自宅”及び“自宅”である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、音声及び静止画が通信許可され、又、現在時刻が20:00〜8:00であるとき、音声及び映像及び静止画及びテキストが通信許可される。
【0088】
更に、通信相手となるデータ通信装置が登録されていないデータ通信装置1又はデータ通信装置1xである場合、通信相手となるデータ通信装置の現在位置及び通信を行う現在時刻に関係なく、データ通信装置1bの位置が“会社”であるとき、音声のみが通信許可され、又、データ通信装置1bの位置が“自宅”であるとき、音声及び静止画が通信許可される。
【0089】
このような発呼側及び着呼側それぞれのユーザ識別情報をユーザ識別情報蓄積部12に備えたデータ通信装置1xの通信開始時の動作について、図面を参照して以下に説明する。尚、発呼側及び着呼側となるデータ通信装置1xがそれぞれ、図1のデータ通信システムにおけるデータ通信装置1a,1bであるものとする。尚、上述のユーザ識別情報において、“学校”、“会社”、“自宅”などの位置を「ランドマーク」と呼ぶものとし、このランドマークによって現在位置情報が与えられるものとする。
【0090】
このとき、発呼側となるデータ通信装置1aは、第1の実施形態と同様、図4のフローチャートに応じて動作することで、データ通信装置1bに接続要求信号を送信し、データ通信装置1bからの接続応答信号を受信すると、接続応答信号に内含された通信機能情報に応じて各ブロックの機能を設定する。又、着呼側となるデータ通信装置1bは、第1の実施形態と同様、図8のフローチャートに応じて動作することで、データ通信装置1aからの接続要求信号を受信した後、着信通知信号をデータ通信装置1aに送信する。そして、応答部28が操作されると、データ通信装置1aに接続応答信号を送信するとともに、各ブロックの機能を設定する。
【0091】
このようにデータ通信装置1a,1bが動作を行うとき、データ通信装置1aにおける要求機能情報生成動作が、第1の実施形態と異なり、図18のフローチャートに従って行われるとともに、データ通信装置1bにおける通信機能情報生成動作が、第1の実施形態と異なり、図19のフローチャートに従って行われる。以下において、発呼側となるデータ通信装置1aにおける要求機能情報生成動作、及び、着呼側となるデータ通信装置1bにおける通信機能情報生成動作それぞれについて、図18及び図19のフローチャートを参照して説明する。尚、図18及び図19のフローチャートにおいて、図5及び図9のフローチャートと同一の動作を示すステップについては、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0092】
まず、発呼側となるデータ通信装置1aは、通信相手先となるデータ通信装置1bのユーザ特定情報が与えられると(STEP101)、まず、データ通信装置1aの現在位置を位置情報取得部32によって確認した後(STEP501)、現在時刻を時間情報取得部31によって確認する(STEP502)。このとき、位置情報取得部32において現在位置が確認されるとき、自機器が移動通信を行うデータ通信装置であるとき、GPS通信又は基地局との通信を行うことで得られた位置座標を確認する。そして、得られた位置座標に近いランドマークを現在位置情報として取得する。
【0093】
その後、入力されたデータ通信装置1bのユーザ特定情報と取得された現在位置情報及び現在時刻情報とによって決定されるユーザ識別情報がユーザ識別情報蓄積部12内に存在するか否かが確認される(STEP503)。このとき、ユーザ識別情報蓄積部12内にユーザ識別情報が確認されたとき(Yes)、データ通信装置1bに対する、自機器の現在位置及び現在時刻に応じたユーザ識別情報を読み出して、ユーザ識別情報に内含されるメディア情報を取得する(SETP504)。即ち、データ通信装置1bのSIPアドレスB@***.netが入力されるとともに、現在時刻が9:00であり、現在位置が学校である場合、音声及びテキストが通信許可されていることを示すメディア情報が取得される。
【0094】
又、STEP503において、ユーザ識別情報が確認されなかったとき(No)、登録されていないデータ通信装置1bに対する、自機器の現在位置及び現在時刻に応じたメディア情報(図16の“Default”に対するメディア情報)を取得する(STEP505)。このように、STEP504及びSTEP505においてメディア情報を取得すると、第1の実施形態と同様、このメディア情報より確認される通信許可されたメディアが処理可能であるか否かが確認される(STEP105)。
【0095】
そして、このとき、処理可能であることが確認されたときは(Yes)、機能情報を機能情報蓄積部13より読み出して要求機能情報を生成して現在位置情報とともに接続要求生成部22に送出する(STEP506)。よって、接続要求生成部22において、要求機能情報と、自機器及び通信相手のユーザ特定情報と、自機器の現在位置情報とによって、接続要求信号が生成される。又、STEP105で処理可能でないことが確認されるときは(No)、接続要求信号の生成を中止する(STEP107)。
【0096】
又、着呼側となるデータ通信装置1bは、応答部28が操作されると、発呼側となるデータ通信装置1aと同様、まず、データ通信装置1bの現在位置を位置情報取得部32によって確認した後(STEP601)、現在時刻を時間情報取得部31によって確認する(STEP602)。その後、受信した接続要求信号を接続要求解析部25において解析することにより、まず、確認された発呼側となるデータ通信装置1aのユーザ特定情報を確認するとともに(STEP301)、データ通信装置1aの現在位置情報を確認する(STEP603)。
【0097】
そして、確認されたデータ通信装置1aのユーザ特定情報及び現在位置情報と取得されたデータ通信装置1bの現在位置情報及び現在時刻情報とによって決定されるユーザ識別情報がユーザ識別情報蓄積部12内に存在するか否かが確認される(STEP604)。このとき、ユーザ識別情報蓄積部12内にユーザ識別情報が確認されたとき(Yes)、データ通信装置1aに対する、データ通信装置1a,1bの現在位置及び現在時刻に応じたユーザ識別情報を読み出して、ユーザ識別情報に内含されるメディア情報を取得する(SETP605)。即ち、データ通信装置1aのSIPアドレスA@***.netと、その現在位置が学校であることとが確認されるとともに、現在時刻が9:00であり、データ通信装置1bの現在位置が会社である場合、テキストのみが通信許可されていることを示すメディア情報が取得される。
【0098】
又、STEP605において、ユーザ識別情報が確認されなかったとき(No)、登録されていないデータ通信装置1aに対する、自機器の現在位置及び現在時刻に応じたメディア情報(図17の“Default”に対するメディア情報)を取得する(STEP606)。このように、STEP605及びSTEP606においてメディア情報を取得すると、第1の実施形態と同様、STEP305以降の動作を行うことで、データ通信装置1aに対して送信する接続応答信号を生成するための通信機能情報を生成する。
【0099】
このように発呼側のデータ通信装置1a及び着呼側のデータ通信装置1bが動作することによって、データ通信装置1a,1bの現在位置及び通信を開始する現在時刻それぞれに基づいて、データ通信装置1a,1bの間で通信されるメディアを制限することができる。即ち、発呼側となるデータ通信装置1aにおいて、自機器の現在位置と現在時刻と着呼側のデータ通信装置1bとに基づいて通信可能なメディアが制限された後、着呼側となるデータ通信装置1bにおいて、自機器及びデータ通信装置1aの現在位置と現在時刻とデータ通信装置1aとに基づいて通信可能なメディアが制限される。
【0100】
尚、このようにしてデータ通信開始時の動作を行うとき、データ通信装置1a,1bのいずれか一方を第1の実施形態と同様、通信相手によって通信を行うメディアを制限するデータ通信装置1(図2参照)とし、他方をデータ通信装置1xとしても構わない。このとき、データ通信装置1xが発呼側となる場合、まず、データ通信装置1xにおいて、自機器の現在位置と現在時刻と着呼側のデータ通信装置1とに基づいて通信可能なメディアが制限された後、データ通信装置1において、更に、発呼側のデータ通信装置1xに基づいて通信可能なメディアが制限される。又、データ通信装置1xが着呼側となる場合、まず、データ通信装置1において、着呼側のデータ通信装置1xに基づいて通信可能なメディアが制限された後、データ通信装置1において、更に、自機器及び発呼側のデータ通信装置1の現在位置と現在時刻とデータ通信装置1とに基づいて通信可能なメディアが制限される。
【0101】
又、本実施形態において、発呼側と着呼側それぞれとして動作する場合における図16及び図17のようなユーザ識別情報がユーザ識別情報蓄積部12に格納されるものとしたが、図17のような着呼側として動作するときのユーザ識別情報のみが格納されるものとしても構わない。このとき、自機器の現在位置と現在時刻において決定される使用許可したメディアを、通信相手先の現在位置それぞれで使用許可されたメディアを組み合わせるものとしても構わない。
【0102】
即ち、データ通信装置1xが発呼側として動作するとき、図17のようなユーザ識別情報を備える場合、SIPアドレスA@***.netのデータ通信装置1aに対して、自機器の現在位置が会社である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、静止画とテキストとが使用可能であり、現在時刻が20:00〜8:00であるとき、音声と映像と静止画とテキストとが使用可能であることとなる。又、同様に、データ通信装置1aに対して、自機器の現在位置が自宅である場合、現在時刻が8:00〜20:00であるとき、音声と静止画とテキストとが使用可能であり、現在時刻が20:00〜8:00であるとき、音声と映像と静止画とテキストとが使用可能であることとなる。
【0103】
又、図17のようなユーザ識別情報を備えるとき、データ通信装置1aの現在位置が学校又は自宅とは異なる別の位置である場合、非登録の通信相手先とし、Defaultとして記録したユーザ識別情報に応じて通信許可したメディアを設定するものとしても構わない。更に、図16及び図17のようなユーザ識別情報において、Defaultとして、自機器の現在位置でなく現在時刻に応じて通信許可するメディアを設定する情報を格納するものとしても構わない。このとき、自機器がユーザ識別情報に登録されたランドマーク以外の場所にある場合、現在時刻に応じて通信許可するメディアを設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、例えば、IP電話やテレビ会議などのようなネットワークを用いて、音声や映像を含む様々なメディアをリアルタイムでデータ交換するようなデータ通信システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】は、第1及び第2の実施形態のデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】は、第1の実施形態におけるデータ通信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】は、第1の実施形態のデータ通信システムにおけるデータ通信が開始されるまでの動作を示すフローチャートである。
【図4】は、第1の実施形態のデータ通信システムにおけるデータ通信が開始されるまでの発呼側の動作を示すフローチャートである。
【図5】は、第1の実施形態のデータ通信システムにおける発呼側の要求機能情報生成動作を示すフローチャートである。
【図6】は、発呼側のデータ通信装置におけるユーザ識別情報蓄積部に格納されたユーザ識別情報の構成例を示す図である。
【図7】は、発呼側のデータ通信装置における機能情報蓄積部に格納された機能情報の構成例を示す図である。
【図8】は、第1の実施形態のデータ通信システムにおけるデータ通信が開始されるまでの着呼側の動作を示すフローチャートである。
【図9】は、第1の実施形態のデータ通信システムにおける着呼側の通信機能情報生成動作を示すフローチャートである。
【図10】は、着呼側のデータ通信装置におけるユーザ識別情報蓄積部に格納されたユーザ識別情報の構成例を示す図である。
【図11】は、着呼側のデータ通信装置における機能情報蓄積部に格納された機能情報の構成例を示す図である。
【図12】は、INVITEメッセージの内容例を示す図である。
【図13】は、OKメッセージの内容例を示す図である。
【図14】は、SIPによるデータ通信開始前の動作を示すフローチャートである。
【図15】は、第2の実施形態におけるデータ通信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図16】は、発呼側のデータ通信装置におけるユーザ識別情報蓄積部に格納されたユーザ識別情報の構成例を示す図である。
【図17】は、着呼側のデータ通信装置におけるユーザ識別情報蓄積部に格納されたユーザ識別情報の構成例を示す図である。
【図18】は、第2の実施形態のデータ通信システムにおける発呼側の要求機能情報生成動作を示すフローチャートである。
【図19】は、第2の実施形態のデータ通信システムにおける着呼側の通信機能情報生成動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1,1a,1b,1x データ通信装置
2 ネットワーク
10 入力部
11 通信部
12 ユーザ識別情報蓄積部
13 機能情報蓄積部
14a マイク
14b カメラ
15a〜15c エンコード処理部
16a〜16c データ送信部
17a〜17c データ受信部
18a〜18c デコード処理部
19a スピーカ
19b ディスプレイ
20 宛先入力部
21 要求機能情報生成部
22 接続要求生成部
23 接続応答解析部
24 データ通信設定部
25 接続要求解析部
26 着信通知部
27 着信通知生成部
28 応答部
29 通信機能情報生成部
30 接続応答生成部
31 時間情報取得部
32 位置情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ通信装置の間で複数種類のメディアの送受信を行うデータ通信システムにおいて、
通信接続を要求するデータ通信装置を第1データ通信装置とするとともに、該第1データ通信装置によって通信接続が要求されるデータ通信装置を第2データ通信装置としたとき、
前記第1データ通信装置が、
複数の前記第2データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定するとともに、
前記第2データ通信装置に通信接続を要求する際に、通信接続する前記第2データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を前記第2データ通信装置に通知することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
複数のデータ通信装置の間で複数種類のメディアの送受信を行うデータ通信システムにおいて、
通信接続を要求するデータ通信装置を第1データ通信装置とするとともに、該第1データ通信装置によって通信接続が要求されるデータ通信装置を第2データ通信装置としたとき、
前記第2データ通信装置が、
複数の前記第1データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定するとともに、
前記第1データ通信装置から通信接続が要求された後、前記第1データ通信装置と通信接続することを通知するために応答する際に、該第1データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を前記第1データ通信装置に通知することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項3】
複数のデータ通信装置の間で複数種類のメディアの送受信を行うデータ通信システムにおいて、
通信接続を要求するデータ通信装置を第1データ通信装置とするとともに、該第1データ通信装置によって通信接続が要求されるデータ通信装置を第2データ通信装置としたとき、
前記第1データ通信装置が、複数の前記第2データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定するとともに、
前記第2データ通信装置が、複数の前記第1データ通信装置それぞれに対して通信許可するメディアの種類を設定し、
まず、前記第1データ通信装置が、前記第2データ通信装置に通信接続を要求する際に、通信接続する前記第2データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を前記第2データ通信装置に通知した後、
前記第2データ通信装置が、前記第1データ通信装置と通信接続することを通知するために応答する際、前記第1データ通信装置で設定された前記メディアの種類を確認した後、確認した前記メディアの種類から該第1データ通信装置に対して設定した前記メディアの種類を選択し、選択した当該メディアの種類を前記第1データ通信装置に通知することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項4】
前記メディアの種類が前記第1又は第2データ通信装置の少なくとも一方の現在位置に基づいて制限されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項5】
前記メディアの種類が現在時刻に基づいて制限されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項6】
前記データ通信装置が、複数種類の前記メディアそれぞれを処理する複数の機能を備えるとともに、該複数の機能を同一の前記メディアに対して複数種類ずつ備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項7】
前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを符号化又は復号化するコーデックであり、同一の前記メディアに対して複数種類のコーデックが備えられることを特徴とする請求項6に記載のデータ通信システム。
【請求項8】
前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータの形式を決定するフォーマットであり、同一の前記メディアに対して複数種類のフォーマットが備えられることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のデータ通信システム。
【請求項9】
前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを送受信するためのプロトコルであり、同一の前記メディアに対して複数種類のプロトコルが備えられることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項10】
前記第1及び第2データ通信装置によって通信許可された前記メディアの種類において、更に、前記第1及び第2データ通信装置で使用する前記機能が一致する前記メディアに対して通信が許可されることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項11】
他のデータ通信装置に対して通信接続を要求する接続要求信号を生成する接続要求生成部と、通信接続した他のデータ通信装置と複数種類のメディアの送受信を行う通信部と、を備えるデータ通信装置において、
前記複数種類のメディアそれぞれをデータ処理する複数種類のデータ処理部と、
前記データ処理部それぞれで使用可能な機能を前記各メディア毎に設定した機能情報を格納する機能情報蓄積部と、
通信接続を要求する前記他のデータ通信装置に対して通信許可したメディアの種類を設定するとともに前記他のデータ通信装置それぞれを特定するためのユーザ特定情報を内含する複数のユーザ識別情報を前記他のデータ通信装置毎に格納するユーザ識別情報蓄積部と、
を備え、
前記接続要求生成部において前記接続要求信号を生成する際、
通信接続を要求する前記他のデータ通信装置の前記ユーザ識別情報を読み出すことで、通信許可した前記メディアの種類を確認した後、
前記機能情報を読み出すことで、確認した前記メディアそれぞれに対して使用可能な機能を確認し、
確認された使用可能な前記機能を示す要求機能情報と、前記ユーザ識別情報に内含される前記ユーザ特定情報とより、前記接続要求信号を生成して送信することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項12】
前記各データ処理部で使用する前記機能を前記各メディア毎に設定する前記データ通信設定部と、
前記他のデータ通信装置から送信された通信接続を行うことを示す接続応答信号を受信して解析する接続応答解析部と、
を備えるとともに、
前記接続応答信号に、前記他のデータ通信装置が自機器に対して通信許可した前記各メディアにおいて使用する機能を示す通信機能情報が含まれ、
該接続応答解析部において前記接続応答信号内の前記通信機能情報を解析することで、前記他のデータ通信装置との間で行うデータ通信において送受信することが許可された前記メディアの種類と、当該メディアそれぞれに対して使用する機能と、を確認した後、前記データ通信設定部によって、前記データ処理部で使用する前記機能を設定することを特徴とする請求項11に記載のデータ通信装置。
【請求項13】
他のデータ通信装置から通信接続が要求された接続要求信号に対して通信接続を行うことを示す接続応答信号を生成する接続応答生成部と、通信接続した他のデータ通信装置と複数種類のメディアの送受信を行う通信部と、を備えるデータ通信装置において、
前記複数種類のメディアそれぞれをデータ処理する複数種類のデータ処理部と、
前記データ処理部それぞれで使用可能な機能を前記各メディア毎に設定した機能情報を格納する機能情報蓄積部と、
通信接続が要求される前記他のデータ通信装置に対して通信許可したメディアの種類を設定するとともに前記他のデータ通信装置それぞれを特定するためのユーザ特定情報を内含する複数のユーザ識別情報を前記他のデータ通信装置毎に格納するユーザ識別情報蓄積部と、
を備え、
前記接続応答生成部において前記接続応答信号を生成する際、
通信接続が要求された前記他のデータ通信装置の前記ユーザ識別情報を読み出すことで、通信許可した前記メディアの種類を確認した後、
前記機能情報を読み出すことで、確認した前記メディアそれぞれに対して使用可能な機能を確認し、
確認された使用可能な前記機能を示す通信機能情報と、前記ユーザ識別情報に内含される前記ユーザ特定情報とより、前記接続応答信号を生成して送信することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項14】
前記各データ処理部で使用する前記機能を前記各メディア毎に設定する前記データ通信設定部と、
前記他のデータ通信装置から送信された接続要求信号を受信して解析する接続要求解析部と、
を備えるとともに、
前記接続要求信号に、前記他のデータ通信装置が自機器に対して通信許可した前記各メディアにおいて使用する機能を示す通信機能情報が含まれ、
該接続要求解析部において前記接続応答信号内の前記通信機能情報を解析することで、前記他のデータ通信装置との間で行うデータ通信において送受信することが許可された前記メディアの種類と、当該メディアそれぞれに対して使用する機能と、を確認した後、前記データ通信設定部によって、前記データ処理部で使用する前記機能を設定することを特徴とする請求項13に記載のデータ通信装置。
【請求項15】
前記他のデータ通信装置からの前記接続要求信号に、前記他のデータ通信装置の現在位置を示す現在位置情報が含まれるとともに、
前記ユーザ識別情報において、前記他のデータ通信装置の現在位置に基づいて、使用許可される前記メディアの種類が制限されることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のデータ通信装置。
【請求項16】
自機器の現在位置を認識する位置情報取得部を備えるとともに、
前記ユーザ識別情報において、前記自機器の現在位置に基づいて、使用許可される前記メディアの種類が制限されることを特徴とする請求項11〜請求項15のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項17】
現在時刻を認識する時間情報取得部を備えるとともに、
前記ユーザ識別情報において、前記現在時刻に基づいて、使用許可される前記メディアの種類が制限されることを特徴とする請求項11〜請求項16のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項18】
前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを符号化又は復号化するコーデックであり、同一の前記メディアに対して複数種類のコーデックが備えられることを特徴とする請求項11〜請求項17のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項19】
前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータの形式を決定するフォーマットであり、同一の前記メディアに対して複数種類のフォーマットが備えられることを特徴とする請求項11〜請求項18のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項20】
前記複数の機能の1つが前記メディアによるデータを送受信するためのプロトコルであり、同一の前記メディアに対して複数種類のプロトコルが備えられることを特徴とする請求項11〜請求項19のいずれかに記載のデータ通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−5569(P2006−5569A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178594(P2004−178594)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】