説明

データ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法

【課題】均一な輝度の映像を表示するデータ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法を提供する。
【解決手段】データ線に所定の電流が流れるように制御する電流シンク回路280jと,上記所定の電流が流れる時生成される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する電圧生成部400jと,外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,上記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択するデジタル−アナログ変換器250jと,上記データ信号の電圧値を昇圧する昇圧部410jと,上記昇圧されたデータ信号を上記データ線に供給するスイッチング部290jとを備えるデータ駆動回路が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,データ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法に関し,特に,均一な輝度の映像を表示できるようにしたデータ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重さと嵩を減らすことができる各種平板表示装置が開発されている。平板表示装置としては,液晶表示装置(Liquid Crystal Display),電界放出表示装置(Field Emmision Display),プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel),および発光表示装置(Light Emitting Display)等がある。平板表示装置の中で発光表示装置は,電子と正孔の再結合によって光を発生する発光素子を利用して映像を表示する。このような発光表示装置は,応答速度が速く,低い消費電力で駆動するという長所がある。
【0003】
図1は従来の発光表示装置を表す図である。
【0004】
図1を参照すると,従来の発光表示装置は,走査線S1〜Sn(nは自然数)およびデータ線D1〜Dm(mは自然数)に接続された複数の画素40を含む画素部30と,走査線S1〜Snを駆動する走査駆動部10と,データ線D1〜Dmを駆動するデータ駆動部20と,走査駆動部10およびデータ駆動部20を制御するタイミング制御部50を備える。
【0005】
タイミング制御部50は,外部から供給される同期信号に対応してデータ駆動制御信号DCSおよび走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部50から生成されたデータ駆動制御信号DCSは,データ駆動部20に供給され,走査駆動制御信号SCSは,走査駆動部10に供給される。そして,タイミング制御部50は,外部から供給されるデータをデータ駆動部20に供給する。
【0006】
走査駆動部10は,タイミング制御部50から走査駆動制御信号SCSの供給を受ける。走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部10は,走査信号を生成し,生成された走査信号を走査線S1〜Snに順次供給する。
【0007】
データ駆動部20は,タイミング制御部50からデータ駆動制御信号DCSの供給を受ける。データ駆動制御信号DCSの供給を受けたデータ駆動部20は,データ信号を生成し,生成されたデータ信号を走査信号と同期するようにデータ線D1〜Dmに供給する。
【0008】
画素部30は,外部から第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSの供給を受けてそれぞれの画素40に供給する。第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSの供給を受けた画素40それぞれは,データ信号に対応して第1電源ELVDDから発光素子を経由して第2電源ELVSSに流れる電流を制御することでデータ信号に対応する光を生成する。
【0009】
すなわち,従来の発光表示装置で画素40それぞれは,データ信号に対応して所定輝度の光を生成する。しかし,従来の発光表示装置には,画素40それぞれに含まれるトランジスタの閾値電圧のバラ付きおよび電子移動度(electron mobility)の偏差によって,所望する輝度の映像を表示することができないという問題点がある。
【0010】
実際に,画素40それぞれに含まれるトランジスタの閾値電圧は,画素40に含まれる画素回路の構造を制御することで,ある程度補償することができるが,電子移動度の偏差を補償することはできない。したがって,電子移動度の偏差と無関係に均一な画像を表示することができる発光表示装置が要求されている。
【0011】
一方,上記従来のデータ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法に関する技術を記載した文献としては,下記特許文献1等がある。
【0012】
【特許文献1】特開第2003−186457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって,本発明の目的は,均一な輝度の映像を表示するようにしたデータ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために,本発明のある観点によれば,データ線に所定の電流が流れるように制御する少なくとも一つ以上の電流シンク回路と,上記所定の電流が流れる時生成される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する,少なくとも一つ以上の電圧生成部と,外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,上記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する,少なくとも一つ以上のデジタル−アナログ変換器と,上記データ信号の電圧値を昇圧する,少なくとも一つ以上の昇圧部と,上記昇圧されたデータ信号を上記データ線に供給する,少なくとも一つ以上のスイッチング部とを備えるデータ駆動回路が提供される。
【0015】
また,上記昇圧部は,上記データ線に負荷がかかることにより発生する上記補償電圧の電圧降下電圧に対応して,上記データ信号の電圧値を昇圧するとしてもよい。
【0016】
また,上記データ線は,画素に接続され,上記画素は,基準電源と上記昇圧されたデータ信号の電圧差を利用して電圧を充電し,充電された電圧に基づいて第1電源から発光素子に流れる電流を制御するとしてもよい。
【0017】
また,上記昇圧部は,上記基準電源と上記基準電源から上記電圧降下電圧を差し引いた第2基準電源との入力を受け,上記基準電源と上記第2基準電源の差電圧分,上記データ信号の電圧を昇圧するとしてもよい。
【0018】
また,上記電圧生成部は,上記第2基準電源の供給を受ける第1側端子と上記補償電圧の供給を受ける第2側端子の間に設置され,上記階調電圧を生成する複数の分圧抵抗を備えるとしてもよい。
【0019】
また,上記電流シンク回路は,1水平期間内の一部の期間である第1期間の間,上記所定の電流を供給するとしてもよい。
【0020】
また,上記所定の電流の電流値は,上記画素が,最大輝度に発光する時流れる電流と等しく設定されるとしてもよい。
【0021】
また,上記電流シンク回路は,上記所定の電流を供給する電流源と,上記データ線と上記電圧生成部との間に設置されて,上記第1期間の間ターンオンされる第1トランジスタと,上記データ線と上記電流源との間に設置されて,記第1期間の間ターンオンされる第2トランジスタと,上記補償電圧を充電するキャパシタとを備えるとしてもよい。
【0022】
また,上記スイッチング部は,上記1水平期間の上記第1期間を除いた第2期間の間,上記データ線と上記昇圧部を接続する少なくとも一つ以上のトランジスタを備えるとしてもよい。
【0023】
また,上記スイッチング部は,2個のトランジスタを具備し,上記2個のトランジスタは,トランスミッションゲート形態に接続されるとしてもよい。
【0024】
また,上記データ駆動回路は,上記昇圧部と上記スイッチング部との間に設置される第1バッファと,上記電流シンク部と上記電圧生成部との間に設置される第2バッファとを備えるとしてもよい。
【0025】
また,上記電流シンク部,上記電圧生成部,上記デジタル−アナログ変換器,上記昇圧部および上記スイッチング部は,上記データ駆動回路のチャンネルごとに設置されるとしてもよい。
【0026】
また,上記データ駆動回路は,順次サンプリングパルスを生成するシフトレジスタを含むシフトレジスタ部と,上記サンプリングパルスに応答して,上記デジタルデータの供給を受け,上記供給されたデジタルデータを保持するラッチを含むサンプリングラッチ部と,上記サンプリングラッチ部のラッチに格納されたデジタルデータの供給を受け,上記供給されたデジタルデータを保持し,上記保持されたデジタルデータを上記デジタル−アナログ変換器に供給するラッチを含むデータラッチ部とを備えるとしてもよい。
【0027】
また,上記データ駆動回路は,上記データラッチ部のラッチに保持された上記デジタルデータの電圧レベルを上昇させて,上記デジタル−アナログ変換器に供給するレベルシフタを含むレベルシフタ部をさらに備えるとしてもよい。
【0028】
また,上記目的を達成するために,本発明の別の観点によれば,データ線に接続された画素から所定の電流の供給を受けて,供給を受けた電流に対応する補償電圧を生成する少なくとも一つ以上の電流シンク回路と,上記補償電圧の電圧値を昇圧する少なくとも一つ以上の昇圧部と,上記昇圧された補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する少なくとも一つ以上の電圧生成部と,外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,上記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する,少なくとも一つ以上のデジタル−アナログ変換器と,上記データ信号を上記データ線に供給する,少なくとも一つ以上のスイッチング部とを備えるデータ駆動回路が提供される。
【0029】
また,上記昇圧部は,上記データ線に負荷がかかることにより発生する上記補償電圧の電圧降下電圧分,上記補償電圧の電圧値を昇圧するとしてもよい。
【0030】
また,上記画素は,基準電源と上記データ信号の電圧差を利用して電圧を充電し,充電された電圧に基づいて第1電源から発光素子に流れる電流を制御するとしてもよい。
【0031】
また,上記昇圧部は,上記基準電源と上記基準電源から上記電圧降下電圧を差し引いた第2基準電源との入力を受け,上記基準電源と上記第2基準電源との差分,上記補償電圧の電圧値を昇圧するとしてもよい。
【0032】
また,上記電流シンク回路は,1水平期間内の一部の期間である第1期間の間,上記所定の電流を供給するとしてもよい。
【0033】
また,上記スイッチング部は,上記1水平期間において,上記第1期間を除いた第2期間の間,上記データ線と上記デジタル−アナログ変換器とを接続させるとしてもよい。
【0034】
また,上記電流シンク回路は,上記所定の電流を供給する電流源と,上記データ線と上記電圧生成部との間に設置されて,上記第1期間の間ターンオンされる第1トランジスタと,上記データ線と上記電流源との間に設置されて,上記第1期間の間ターンオンされる第2トランジスタと,一側端子が上記第1トランジスタに接続されて上記補償電圧を充電するキャパシタとを備えるとしてもよい。
【0035】
また,上記昇圧部は,上記キャパシタの他側端子に接続される第3バッファと,上記第1期間の間ターンオンされて上記第2基準電源の電圧を上記第3バッファに供給する第3トランジスタと,上記第2期間の間ターンオンされて上記基準電源の電圧を上記第3バッファに供給する第4トランジスタとを備えるとしてもよい。
【0036】
また,上記所定の電流の電流値は,上記画素が,最大輝度に発光する時流れる電流と等しく設定されるとしてもよい。
【0037】
また,上記電圧生成部は,上記基準電源の供給を受ける第1側端子と上記昇圧された補償電圧の供給を受ける第2側端子との間に設置され,上記階調電圧を生成する複数の分圧抵抗を備えるとしてもよい。
【0038】
また,上記データ駆動回路は,上記デジタル−アナログ変換器と上記スイッチング部との間に設置される第1バッファと,上記電流シンク部と上記電圧生成部との間に設置される第2バッファとを備えるとしてもよい。
【0039】
また,上記電流シンク部,上記昇圧部,上記電圧生成部,上記デジタル−アナログ変換器および上記スイッチング部は,上記データ駆動回路のチャンネルごとに設置されるとしてもよい。
【0040】
また,上記データ駆動回路は,順次サンプリングパルスを生成するシフトレジスタを含むシフトレジスタ部と,上記サンプリングパルスに応答して,上記デジタルデータの供給を受け,上記供給されたデジタルデータを保持するラッチを含むサンプリングラッチ部と,上記サンプリングラッチ部のラッチに格納されたデジタルデータの供給を受け,上記供給されたデジタルデータを保持し,上記保持されたデジタルデータを上記デジタル−アナログ変換器に供給するラッチを含むデータラッチ部とを備えるとしてもよい。
【0041】
また,上記データ駆動回路は,上記データラッチ部のラッチに保持された上記デジタルデータの電圧レベルを上昇させて,上記デジタル−アナログ変換器に供給するレベルシフタを含むレベルシフタ部をさらに備えるとしてもよい。
【0042】
また,上記目的を達成するために,本発明のさらに別の観点によれば,走査線,データ線および発光制御線と接続されるように位置する複数の画素を含む画素部と,上記走査線に走査信号を順次供給し,上記発光制御線に発光制御信号を順次供給する走査駆動部と;
上記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動回路とが含まれ,上記データ駆動回路は,上記データ線に所定の電流が流れるように制御する少なくとも一つ以上の電流シンク回路と,上記所定の電流が流れる時生成される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する少なくとも一つ以上の電圧生成部と,外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,上記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する少なくとも一つ以上のデジタル−アナログ変換器と,上記データ信号の電圧値を昇圧する少なくとも一つ以上の昇圧部と,上記昇圧されたデータ信号を上記データ線に供給する少なくとも一つ以上のスイッチング部とを備える発光表示装置が提供される。
【0043】
また,上記画素それぞれは,第1電源と,上記第1電源から電流の供給を受ける発光素子と,上記データ線に接続されて,現在走査線に走査信号が供給される時ターンオンされる第5トランジスタおよび第6トランジスタと,上記第5トランジスタの第2電極と基準電源の間に接続されて,以前走査線に走査信号が供給される時ターンオンされる第7トランジスタと,上記発光素子に供給される電流量を制御する第8トランジスタと,上記第8トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続されて,上記以前走査線に走査信号が供給される時ターンオンされ,第8トランジスタを,電流が一方方向に流れるダイオード形態で接続させる第9トランジスタとを備えるとしてもよい。
【0044】
また,上記画素それぞれは,上記第5トランジスタの第2電極と上記第1電源との間に接続される第1キャパシタと,上記第5トランジスタの第2電極と上記第8トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタとを備えるとしてもよい。
【0045】
また,上記画素それぞれは,上記第8トランジスタのゲート電極と上記第1電源との間に接続される第1キャパシタと,上記第5トランジスタの第2電極と上記第8トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタとを備えるとしてもよい。
【0046】
また,上記第8トランジスタの第2電極と上記発光素子との間に接続され,上記発光制御信号が供給される時ターンオフされ,それ以外の期間の間ターンオンされる第10トランジスタをさらに備えるとしてもよい。
【0047】
また,上記目的を達成するために,本発明のさらなる別の観点によれば,画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階と,上記所定の電流に対応する補償電圧を生成する段階と,上記補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を制御する段階と;
外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,上記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する段階と,上記データ信号の電圧値を昇圧して上記データ線に供給する段階とを含む発光表示装置の駆動方法が提供される。
【0048】
また,上記所定の電流は,上記画素が最大輝度で発光する時流れる電流と同じであるとしてもよい。
【0049】
また,上記画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階では,上記画素から上記データ線を経由してデータ駆動回路に上記所定の電流が供給されるとしてもよい。
【0050】
また,上記データ信号の電圧値を昇圧して上記データ線に供給する段階では,上記データ線に負荷がかかることよって発生する上記補償電圧の電圧降下電圧分,上記データ信号の電圧を昇圧するとしてもよい。
【0051】
また,上記目的を達成するために,本発明の他の観点によれば,画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階と,上記所定の電流に対応して生成される補償電圧を昇圧する段階と,上記昇圧された補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を制御する段階と,外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,上記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する段階と,上記データ信号を上記データ線を経由して上記画素に供給する段階とを含む発光表示装置の駆動方法が提供される。
【0052】
また,上記所定の電流は,上記画素が最大輝度で発光する時流れる電流と同じであるとしてもよい。
【0053】
また,上記画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階では,上記画素から上記データ線を経由してデータ駆動回路に上記所定の電流が供給されるとしてもよい。
【0054】
また,上記所定の電流に対応して生成される補償電圧を昇圧する段階では,上記データ線に負荷がかかることによって発生する電圧降下電圧分,上記補償電圧の電圧を昇圧するとしてもよい。
【発明の効果】
【0055】
以上説明したように,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路とこれを利用した発光表示装置およびその駆動方法によれば,画素から電流をシンクする場合に発生する補償電圧を利用して,電圧生成部にて階調電圧の電圧値を設定し,設定された階調電圧を電流がシンクした画素に供給することにより,トランジスタの電子移動度と無関係に均一な画像を表示することができる。そして,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路では,データ線によって発生する補償電圧の電圧降下電圧を補償することにより,画素で所望する輝度の映像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0057】
また,以下に示す実施の形態についての説明において,添付図面に示されたトランジスタは,課題を解決するための手段に記載された第1トランジスタとしての第12トランジスタM12,以下同様に,上記手段に記載された第2トランジスタとしての第13トランジスタM13,上記手段に記載された第3トランジスタとしての第15トランジスタM15,上記手段に記載された第4トランジスタとしての第16トランジスタM16,上記手段に記載された第5トランジスタとしての第1トランジスタM1,上記手段に記載された第6トランジスタとしての第2トランジスタM2,上記手段に記載された第7トランジスタとしての第3トランジスタM3,上記手段に記載された第8トランジスタとしての第4トランジスタM4,上記手段に記載された第9トランジスタとしての第5トランジスタM5,上記手段に記載された第10トランジスタとしての第6トランジスタM6,上記手段に記載されたスイッチング部が備えるトランジスタとしての第11トランジスタおよび第14トランジスタ,とする。
【0058】
図2は,本発明の一実施形態に係る発光表示装置を表す図である。図2を参照すると,本発明の一実施形態に係る発光表示装置は,走査線S1〜Sn,発光制御線E1〜Enおよびデータ線D1〜Dmに接続される複数の画素140を含む画素部130と,走査線S1〜Snおよび発光制御線E1〜Enを駆動する走査駆動部110と,データ線D1〜Dmを駆動するデータ駆動部120と,走査駆動部110およびデータ駆動部120を制御するタイミング制御部150を備える。
【0059】
画素部130は,走査線S1〜Sn,発光制御線E1〜Enおよびデータ線D1〜Dmによって区画された領域に形成される画素140を備える。画素140は,外部から第1電源ELVDD,第2電源ELVSSおよび基準電源Vrefの供給を受ける。基準電源Vrefの供給を受けた画素140それぞれは,基準電源Vrefと第1電源ELVDDの値差を利用して第1電源ELVDDの電圧降下を補償する。
【0060】
そして,画素140それぞれは,データ駆動部120から供給されるデータ信号に対応して,第1電源ELVDDから発光素子(図示せず)を経由して第2電源ELVSSに所定の電流を供給する。このため,画素140それぞれは,図3または図5のように構成することができる。図3または図5に示す画素140の詳細な構造は後述する。
【0061】
タイミング制御部150は,外部から供給される同期信号に対応してデータ駆動制御信号DCSおよび走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部150から生成されたデータ駆動制御信号DCSは,データ駆動部120に供給され,タイミング制御部150から生成された走査駆動制御信号SCSは走査駆動部110に供給される。そして,タイミング制御部150は,外部から供給されるデータをデータ駆動部120に供給する。
【0062】
走査駆動部110は走査駆動制御信号SCSの供給を受ける。走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部110は,走査線S1〜Snに走査信号を順次供給する。そして,走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部110は,発光制御線E1〜Enに発光制御信号を順次供給する。ここで,発光制御信号は,2個の走査信号と重畳するように供給される。このために,発光制御信号の幅は,走査信号の幅と同じかまたは広く設定される。
【0063】
データ駆動部120は,タイミング制御部150からデータ駆動制御信号DCSの供給を受ける。データ駆動制御信号DCSの供給を受けたデータ駆動部120は,データ信号を生成し,生成されたデータ信号をデータ線D1〜Dmに供給する。ここで,データ駆動部120は,1水平期間1H内の一部の期間(以下,「第1期間」という)の間データ線D1〜Dmに所定の電流を供給し,1水平期間1H内の第1期間を除いた期間(以下,「第2期間」という)の間データ線D1〜Dmに所定の電圧を供給する。このため,データ駆動部120は少なくとも一つ以上のデータ駆動回路200を備える。以後,説明の便宜上,第2期間の間データ線D1〜Dmに供給される電圧をデータ信号という。
【0064】
図3は,図2に示す画素の一実施形態を表す図である。図3では説明の便宜上,第mデータ線Dm,第n−1走査線Sn−1および第n走査線Sn,第n発光制御線Enに接続された画素を示す。
【0065】
図3を参照すると,本発明の一実施形態に係る画素140は,発光素子OLEDと,発光素子OLEDに電流を供給する画素回路142を備える。
【0066】
発光素子OLEDは,画素回路142から供給される電流に対応して所定色の光を生成する。このために,発光素子OLEDは,有機物質,燐鉱石と無機物質,または無機物質等で形成される。
【0067】
画素回路142は,第n−1走査線Sn−1(以下,「以前走査線」という)に走査信号が供給される場合,第1電源ELVDDの電圧降下と第4トランジスタM4の閾値電圧を補償し,第n走査線Sn(以下,「現在走査線」という)に走査信号が供給される場合,データ信号に対応する電圧を充電する。このため,画素回路142は第1〜第6トランジスタM1〜M6と,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を備える。
【0068】
第1トランジスタM1の第1電極は,データ線Dmに接続されて,第2電極は,第1ノードN1に接続される。そして,第1トランジスタM1のゲート電極は,第n走査線Snに接続される。このような第1トランジスタM1は,第n走査線Snに走査信号が供給される場合にターンオンされてデータ線Dmと第1ノードN1を電気的に接続する。
【0069】
第2トランジスタM2の第1電極はデータ線Dmに接続されて,第2電極は,第4トランジスタM4の第2電極に接続される。そして,第2トランジスタM2のゲート電極は第n走査線Snに接続される。このような第2トランジスタM2は,第n走査線Snに走査信号が供給される場合にターンオンされてデータ線Dmと第4トランジスタM4の第2電極を電気的に接続する。
【0070】
第3トランジスタM3の第1電極は,基準電源Vrefに接続されて,第2電極は,第1ノードN1に接続される。そして,第3トランジスタM3のゲート電極は,第n−1走査線Sn−1に接続される。このような第3トランジスタM3は,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される場合にターンオンされて基準電源Vrefと第1ノードN1を電気的に接続する。
【0071】
第4トランジスタM4の第1電極は,第1電源ELVDDに接続されて,第2電極は,第6トランジスタM6の第1電極に接続される。そして,第4トランジスタM4のゲート電極は,第2ノードN2に接続される。このような第4トランジスタM4は,第2ノードN2に印加される電圧,すなわち,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2に充電された電圧に対応する電流を第6トランジスタM6の第1電極に供給する。
【0072】
第5トランジスタM5の第1電極は,第2ノードN2に接続されて,第2電極は,第4トランジスタM4の第2電極に接続される。そして,第5トランジスタM5のゲート電極は,第n−1走査線Sn−1に接続される。このような第5トランジスタM5は,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される場合にターンオンされて,第4トランジスタM4を電流が一方方向に流れるように(以下,「ダイオード形態」という)接続する。
【0073】
第6トランジスタM6の第1電極は,第4トランジスタM4の第2電極に接続されて,第2電極は,発光素子OLEDのアノード電極に接続される。そして,第6トランジスタM6のゲート電極は,第n発光制御線Enに接続される。このような第6トランジスタM6は,第n発光制御線Enに発光制御信号が供給される場合にターンオフされて,発光制御信号が供給されない場合にターンオンされる。
【0074】
ここで,第n発光制御線Enに供給される発光制御信号は,第n−1走査線Sn−1および第n走査線Snに供給される走査信号と重畳するように供給される。したがって,第6トランジスタM6は,第n−1走査線Sn−1および第n走査線Snに走査信号が供給されて第1キャパシタC1および第2キャパシタC2に所定の電圧が充電される場合にターンオフされて,それ以外の場合にターンオンされて第4トランジスタM4と発光素子OLEDを電気的に接続する。
【0075】
一方,図3では,説明の便宜上トランジスタM1〜M6をPMOS(Positive−channel Metal−Oxide Semiconductor)タイプとして示したが,本発明の実施形態はこれに限定されない。
【0076】
また,図3に示す本発明の一実施形態に係る画素において,基準電源Vrefは,発光素子OLEDに電流を供給しない。すなわち,基準電源Vrefは,画素140に電流を供給しないため,電圧降下が発生せず,これによって画素140の位置と無関係に同じ電圧値を維持することができる。ここで,基準電源Vrefの電圧値は第1電源ELVDDと等しく設定されるか,または異なるように設定することができる。
【0077】
図4は,図3に示す本発明の一実施形態に係る画素の駆動方法を表す波形図である。図4において,1水平期間1Hは,第1期間および第2期間に分けて駆動される。第1期間の間データ線D1〜Dmには,所定の電流PC(Predetermined Current)が流れ,第2期間の間データ信号DSが供給される。
【0078】
実際に,第1期間の間には,画素140からデータ駆動回路200に所定の電流PCが供給される(Current Sink)。そして,第2期間の間には,データ駆動回路200から画素140にデータ信号DSが供給される。以後,説明の便宜上,基準電源Vrefと第1電源ELVDDの初期電圧値が同じ値として設定されると仮定する。
【0079】
図3および図4を参照して動作過程を詳しく説明すると,まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される。第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されると,第3トランジスタM3および第5トランジスタM5がターンオンされる。第5トランジスタM5がターンオンされると,第4トランジスタM4がダイオード形態に接続される。第4トランジスタM4がダイオード形態に接続されると,第2ノードN2には,第1電源ELVDDから第4トランジスタM4の閾値電圧を差し引いた電圧値が印加される。
【0080】
そして,第3トランジスタM3がターンオンすると,基準電源Vrefの電圧が第1ノードN1に印加される。この時,第2キャパシタC2は,第1ノードN1と第2ノードN2の差に対応する電圧を充電する。この場合,基準電源Vrefと第1電源ELVDDの電圧値が同じだと仮定すると,第2キャパシタC2には,第4トランジスタM4の閾値電圧に対応する電圧が充電される。そして,第1電源ELVDDで所定の電圧降下が発生すると,第2キャパシタC2には,第4トランジスタM4の閾値電圧および第1電源ELVDDの電圧降下電圧が充電される。
【0081】
すなわち,本発明の一実施形態では,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される期間の間,第1電源ELVDDの電圧降下電圧および第4トランジスタM4の閾値電圧が第2キャパシタC2に充電されて,これによって第1電源ELVDDの電圧降下を補償することができる。
【0082】
第2キャパシタC2に所定の電圧が充電された後,第n走査線Snに走査信号が供給される。第n走査線Snに走査信号が供給されると,第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオンされる。第2トランジスタM2がターンオンされると,第1期間の間所定の電流PCが画素140からデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。
【0083】
実際に,所定の電流PCは,第1電源ELVDD,第4トランジスタM4,第2トランジスタM2およびデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。この時,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2には,所定の電流PCに対応して所定の電圧が充電される。
【0084】
一方,データ駆動回路200は,所定の電流PCがシンクされる時発生する所定の電圧値(以下,「補償電圧」という)を利用してガンマ電圧部(図示せず)の電圧(以下,「ガンマ電圧」という)を設定し,設定されたガンマ電圧を利用してデータ信号DSを生成する。以後,第2期間の間データ信号DSが第1トランジスタM1を経由して第1ノードN1に供給される
【0085】
すると,第1キャパシタC1には,データ信号DSと第1電源ELVDDの値差に対応する電圧が充電される。この時,第2ノードN2はフローティング状態に設定されるので第2キャパシタC2は以前に充電された電圧を維持する。
【0086】
すなわち,本発明の一実施形態では,以前走査線に走査信号が供給される期間の間,第2キャパシタC2に第4トランジスタM4の閾値電圧および第1電源ELVDDの電圧降下に対応する電圧を充電することで,第1電源ELVDDの電圧降下および第4トランジスタM4の閾値電圧を補償することができる。
【0087】
そして,本発明の一実施形態では,現在走査線に走査信号が供給される期間の間,画素140に含まれたトランジスタの電子移動度等が補償されるようにガンマ電圧を設定し,設定されたガンマ電圧を利用して生成されたデータ信号を供給する。したがって,本発明の一実施形態では,トランジスタの閾値電圧,電子移動度等のバラ付きを補償して均一な画像を表示することができる。ガンマ電圧すなわちガンマ電圧部の電圧が設定される過程等は後述する。
【0088】
図5は,図2に示された画素の他の実施形態を表す図である。図5は,第1キャパシタC1が第2ノードN2と第1電源ELVDDとの間に設置されることを除き,図3と同じ構成で設定される。
【0089】
図4および図5を参照して動作過程を詳しく説明すると,まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される。第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されると,第3トランジスタM3および第5トランジスタM5がターンオンされる。第5トランジスタM5がターンオンされると,第4トランジスタM4がダイオード形態に接続される。第4トランジスタM4がダイオード形態に接続されると,第2ノードN2には,第1電源ELVDDから第4トランジスタM4の閾値電圧を差し引いた電圧値が印加される。したがって,第1キャパシタC1には,第4トランジスタM4の閾値電圧に対応される電圧が充電される。
【0090】
そして,第3トランジスタM3がターンオンされると,基準電源Vrefの電圧が第1ノードN1に印加される。すると,第2キャパシタC2は,第1ノードN1と第2ノードN2の差に対応する電圧が充電される。ここで,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される期間の間,第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオフされるので,データ信号DSは画素140に供給されない。
【0091】
以後,第n走査線Snに走査信号が供給されて第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオンされる。第2トランジスタM2がターンオンされると,第1期間の間,所定の電流PCが画素140からデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。
【0092】
実際に,所定の電流PCは第1電源ELVDD,第4トランジスタM4,第2トランジスタM2およびデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。この時,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2には所定の電流PCに対応して所定の電圧が充電される。
【0093】
一方,データ駆動回路200は,所定の電流PCに対応して印加される補償電圧を利用してガンマ電圧を設定し,設定されたガンマ電圧を利用してデータ信号DSを生成する。
【0094】
以後,第2期間の間,データ信号DSが第1ノードN1に供給される。すると,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2には,データ信号DSに対応して所定の電圧が充電される。
【0095】
実際に,データ信号DSが供給されると,第1ノードN1の電圧が,基準電源Vrefからデータ信号DSの電圧に下降する。この時,第2ノードN2がフローティングされているので,第1ノードN1の電圧下降量に対応して第2ノードN2の電圧値も下降する。この場合,第2ノードN2で下降される電圧値は,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の容量によって決まる。
【0096】
第2ノードN2が電圧が下降すると,第1キャパシタC1には,第2ノードN2の電圧値に対応して所定の電圧が充電される。ここで,基準電源Vrefの電圧値は固定されているから,第1キャパシタC1に充電される電圧は,データ信号DSによって決まる。つまり,図5に示す本発明の他の実施形態に係る画素140は,基準電源Vrefとデータ信号DSに応じてキャパシタC1,C2に充電される電圧値が決まるので,第1電源ELVDDの電圧降下に無関係に所望する電圧を充電することができる。
【0097】
そして,本発明の他の実施形態では,画素140に含まれたトランジスタの電子移動度等が補償されるようにガンマ電圧,すなわちガンマ電圧部の電圧を設定し,設定されたガンマ電圧を利用して生成されたデータ信号を供給する。したがって,本発明の他の実施形態では,トランジスタの閾値電圧,電子移動度等のバラ付きを補償して均一な画像を表示することができる。
【0098】
図6は,図2に示すデータ駆動回路の第1の実施形態を表すブロック図である。図6では説明の便宜上データ駆動回路200がj(jは2以上の自然数)個のチャンネルをもつと仮定する。
【0099】
図6を参照すると,本発明の第1の実施形態に係るデータ駆動回路200は,シフトレジスタ部210,サンプリングラッチ部220,データラッチ部230,ガンマ電圧部240,デジタル−アナログ変換部(Digital−Analog Converter;以下,「DAC」という)250,第1バッファ部270,第2バッファ部260,電流シンク部280および選択部290を備える。
【0100】
シフトレジスタ部210は,タイミング制御部150からソースシフトクロックSSC(Source Shift Crock;以下「SSC」という),およびソーススタートパルスSSP(Source Start Pulse;以下「SSP」という)の供給を受ける。ここでSSCとSSPとは,外部からシフトレジスタへ入力されるクロックとパルスのことである。タイミング制御部150からSSCおよびSSPの供給を受けたシフトレジスタ部210は,SSCの1周期ごとにSSPをシフトさせながら順次j個のサンプリング信号を生成する。このため,シフトレジスタ部210はj個のシフトレジスタ2101〜210jを備える。
【0101】
サンプリングラッチ部220は,シフトレジスタ部210から順次供給されるサンプリング信号に応答してデジタルデータ(以下,「データ」という)を順次格納する。ここで,サンプリングラッチ部220は,j個のデータを格納するためにj個のラッチ2201〜220jを備える。そして,それぞれのラッチ2201〜220jは,データのビット数に対応する大きさをもつ。例えば,データがkビット(kは自然数)で構成される場合,ラッチ2201〜220iそれぞれはkビットの大きさに設定される。以下,データはkビットの大きさをもつと仮定する。
【0102】
データラッチ部230は,ソース出力イネーブル信号SOEがタイミング制御部から入力されると,サンプリングラッチ部220からデータの入力を受けてデータを格納する。そして,データラッチ部230は,ソース出力イネーブルSOEが入力されると自分に格納されたデータをDAC部250に供給する。ここで,データラッチ部230はj個のデータを格納するj個のラッチ2301〜230jを備える。そして,それぞれのラッチ2301〜230jは,データのビット数に対応する大きさをもつ。例えば,データがkビットで構成される場合,ラッチ2301〜230jそれぞれはデータを格納することができるようにkビットに設定される。
【0103】
ガンマ電圧部240は,kビットのデータに対応して所定の階調電圧を生成するj個の電圧生成部2401〜240jを備える。それぞれの電圧生成部2401〜240jは,図8に示すように複数の分圧抵抗R1〜Rl(lは自然数)で構成され,2k個の階調電圧を生成する。ここで,電圧生成部2401〜240jそれぞれは,第2バッファ部260から供給される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定し,設定された階調電圧をDAC2501〜250jに供給する。
【0104】
DAC部250は,データのビット値に対応してデータ信号DSを生成するj個のDAC2501〜250jを備える。DAC2501〜250jそれぞれは,データラッチ部230から供給されるデータのビット値に対応して複数の階調電圧の中でいずれか一つを選択してデータ信号DSを生成する。
【0105】
第1バッファ部270は,DAC部250から供給されるデータ信号DSを選択部290に供給する。このため,第1バッファ部270は,ボルテージホロワとしての機能を有するj個の第1バッファ2701〜270jを備える。
【0106】
選択部290は,データ線D1〜Djと第1バッファ2701〜270jの電気的連結を制御する。実際に,選択部290は,第2期間の間のみデータ線D1〜Djと第1バッファ2701〜270jを電気的に接続させ,それ以外は,データ線D1〜Djと第1バッファ2701〜270jを接続させない。このため,選択部290はj個のスイッチング部2901〜290jを備える。
【0107】
電流シンク部280は,第1期間の間,データ線D1〜Djに接続された画素140から所定の電流PCをシンクする。実際に,電流シンク部280は,それぞれの画素140に流れることができる最大電流,すなわち,画素140が最大輝度に発光する場合に発光素子OLEDに供給されるべき電流をシンクする。そして,電流シンク部280は,電流がシンクされる時発生する所定の補償電圧を第2バッファ部260に供給する。このため,電流シンク部280はj個の電流シンク回路2801〜280jを備える。
【0108】
第2バッファ部260は,電流シンク部280から供給される補償電圧をガンマ電圧部240に供給する。このため,第2バッファ部260は,ボルテージホロワとしての機能を有するj個の第2バッファ2601〜260jを備える。
【0109】
一方,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200は,第2の実施形態として,図7のようにデータラッチ部230とDAC部250との間にレベルシフタ部300をさらに備えることができる。レベルシフタ部300は,データラッチ部230から供給されるデータの電圧レベルを上昇させてDAC部250に供給する。外部システムからデータ駆動回路200に高い電圧レベルをもつデータが供給される場合,データの電圧レベルに対応した高い耐圧をもつ回路部品を用いなければならず,製造コストが増加する。したがって,データ駆動回路200の外部では,低い電圧レベルをもつデータを供給し,この低い電圧レベルをもつデータをレベルシフタ部300で高い電圧レベルに昇圧させる。
【0110】
図8は,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200における,特定チャンネルに設置される電圧生成部240j,DAC250j,第1バッファ270j,第2バッファ260j,スイッチング部290j,電流シンク部280jおよび画素回路142の連結関係を表す図である。図8では説明の便宜上,j番目チャンネルを示し,データ線Djが,図3に示す画素140に接続されると仮定する。
【0111】
図8を参照すると,電圧生成部240jは,複数の分圧抵抗R1〜Rlを備える。分圧抵抗R1〜Rlは,基準電源Vrefと第2バッファ260jの間に位置し,電圧を分圧する。実際に,分圧抵抗R1〜Rlは,基準電源Vrefと第2バッファ260jから供給される補償電圧との間の電圧を分圧して複数の階調電圧V〜V−1を生成し,生成された階調電圧V〜V−1をDAC250jに供給する。
【0112】
DAC250jは,データのビット値に応答して階調電圧V〜V−1の中でいずれか一つの階調電圧を選択し,選択された階調電圧を第1バッファ270jに供給する。ここで,DAC250jで選択された階調電圧は,データ信号DSとして利用される。
【0113】
第1バッファ270jは,DAC250jから供給されるデータ信号DSをスイッチング部290jに伝達する。
【0114】
スイッチング部290jは,第11トランジスタM11を備える。このような第11トランジスタM11は,図9に示すタイミング制御部から入力される第1制御信号CS1によって制御される。すなわち,第11トランジスタM11は,第2期間の間ターンオンされて,第1期間の間ターンオフされる。したがって,データ信号DSは,第2期間の間データ線Djに供給され,それ以外の期間の間は供給されない。
【0115】
電流シンク回路280jは,タイミング制御部から入力される第2制御信号CS2によって制御される第12トランジスタM12および第13トランジスタM13と,第13トランジスタM13の第1電極に接続される電流源Imaxと,第3ノードN3と基底電圧源GNDの間に接続される第3キャパシタC3を備える。
【0116】
第12トランジスタM12のゲート電極は,第13トランジスタM13のゲート電極に接続されて,第2電極は第13トランジスタM13の第2電極とデータ線Djに接続される。そして,第12トランジスタM12の第1電極は,第2バッファ260jに接続される。このような第12トランジスタM12は,第2制御信号CS2によって,第1期間の間ターンオンされて第2期間の間ターンオフされる。
【0117】
第12トランジスタM12のゲート電極は,第13トランジスタM13のゲート電極に接続されて,第2電極は,第13トランジスタM13の第2電極とデータ線Djに接続される。そして,第12トランジスタM12の第1電極は,第2バッファ260jに接続される。このような第12トランジスタM12は,第2制御信号CS2によって,第1期間の間ターンオンされて第2期間の間ターンオフされる。
【0118】
電流源Imaxは,第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオンされる第1期間の間,画素140が最大輝度に発光する場合に発光素子OLEDに供給されるべき電流を画素回路142からシンクする。
【0119】
第3キャパシタC3は,電流源Imaxによって画素回路142から電流がシンクされる時,第3ノードN3に印加される補償電圧を格納する。実際に,第3キャパシタC3は,第1期間の間,第3ノードN3に印加される補償電圧を充電し,第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオフされても第3ノードN3の補償電圧を一定に維持する。
【0120】
第2バッファ260jは,第3ノードN3に印加される補償電圧,すなわち,第3キャパシタC3に充電された電圧を電圧生成部240jに供給する。すると,電圧生成部240jは,基準電源Vrefと第2バッファ260jから供給される補償電圧の間の電圧を分圧する。ここで,第3ノードN3に印加される補償電圧は,画素回路142に含まれたトランジスタの電子移動度等によって,画素回路142ごとに同一または相異なるように設定される。実際に,j個の電圧生成部2401〜240jにそれぞれ供給される補償電圧は,データ線を通じて電流がシンクされ,データ信号が印加される(以下,「現在接続された」という)画素回路142によって決まる。
【0121】
一方,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200において,j個の電圧生成部2401〜240jで互いに異なる補償電圧が供給された場合,j個のチャンネルごとに設置されるDAC2501〜250jに供給される階調電圧V〜V−1の電圧値も相異なるように設定される。ここで,階調電圧V〜V−1は,それぞれのデータ線D1〜Djにおける現在接続された画素回路142によって制御されるから,画素回路142に含まれたトランジスタの電子移動度等にバラ付きであっても画素部130では均一な画像を表示することができる。
【0122】
図9は,図8に示すスイッチング部290j,電流シンク回路280jおよび画素回路142に供給される駆動波形を表す図である。
【0123】
図8および図9を参照して,画素回路142に供給されるデータ信号DSの電圧値を詳しく説明する。まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される。第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される場合,第3トランジスタM3および第5トランジスタM5がターンオンされる。すると,第2ノードN2には,第1電源ELVDDから第4トランジスタM4の閾値電圧を差し引いた電圧値が印加され,第1ノードN1には,基準電源Vrefの電圧が印加される。この時,第2キャパシタC2には,第1電源ELVDDの電圧降下電圧および第4トランジスタM4の閾値電圧に対応する電圧が充電される。
【0124】
実際に,第1ノードN1および第2ノードN2それぞれに印加される電圧は,数式1,数式2のように表現することができる。
【0125】
【数1】

【0126】
【数2】

【0127】
数式1,数式2において,VN1は,第1ノードN1に印加される電圧,VN2は,第2ノードN2に印加される電圧,VthM4は,第4トランジスタM4の閾値電圧を表す。
【0128】
一方,第n−1走査線Sn−1に供給される走査信号がオフされる時点と,第n走査線Snに走査信号が供給される時点の間の期間,第1ノードN1および第2ノードN2は,フローティング状態に設定される。したがって,第2キャパシタC2に充電される電圧値は変化しない。
【0129】
以後,第n走査線Snに走査信号が供給されて第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオンされる。そして,第n走査線Snに走査信号が供給される期間中,第1期間の間第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオンされる。第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオンされる場合,第1電源ELVDD,第4トランジスタM4,第2トランジスタM2,データ線Djおよび第13トランジスタM13を経由して電流源Imaxに対応する電流がシンクされる。この時,第4トランジスタM4には,電流源Imaxの電流が流れるから数式3のように表現することができる。
【0130】
【数3】

【0131】
数式3で,uは移動度を表し,Coxは酸化層の容量,Wはチャンネルの幅,Lはチャンネルの長さを表す。
【0132】
数式3のような電流が第4トランジスタM4に流れる時,第2ノードN2に印加される電圧は数式4のように表現することができる。
【0133】
【数4】

【0134】
そして,第2キャパシタC2のカップリングによって,第1ノードN1に印加される電圧は,数式5のように表現することができる。
【0135】
【数5】

【0136】
ここで,第1ノードN1に印加される電圧VN1は,理想状態として第3ノードN3に印加される電圧VN3および第4ノードN4に印加される電圧VN4と等しく設定される。すなわち,電流源Imaxによって電流がシンクされる時,第4ノードN4には数式5のような電圧が印加される。
【0137】
一方,数式5に示されたように,第3ノードN3および第4ノードN4に印加される電圧は,現在電流がシンクされる画素回路142に含まれたトランジスタの電子移動度等の影響を受けるようになる。したがって,電流源Imaxによって電流がシンクされる時,第3ノードN3および第4ノードN4に印加される電圧値は,それぞれの画素回路142ごとに相異なるように決まる(電子移動度が相異なる場合)。
【0138】
一方,数式5によって表現された電圧が,第4ノードN4に印加される時,電圧生成部240jの電圧Vdiffは,数式6のように表現することができる。
【0139】
【数6】

【0140】
そして,DAC250jからデータに対応してf(fは自然数)個の階調電圧の中でh(hはf以下の自然数)番目階調電圧を選択した場合,第1バッファ270jに供給される電圧Vは,数式7のように表現することができる。
【0141】
【数7】

【0142】
一方,第1期間の間電流がシンクされて第3キャパシタC3に数式5のような電圧が充電された後,第2期間の間第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオフされて,第11トランジスタM11がターンオンされる。この時,第3キャパシタC3は自分に充電された電圧値を維持する。したがって,第3ノードN3の電圧値は,数式5のように維持することができる。
【0143】
そして,第2期間の間,第11トランジスタM11がターンオンされるため,第1バッファ270jに供給された電圧は,第11トランジスタM11,データ線Djおよび第1トランジスタM1を経由して第1ノードN1に供給される。すなわち,第1ノードN1には,数式7のような電圧が供給される。そして,第2キャパシタC2のカップリングによって,第2ノードN2に印加される電圧は,数式8のように表現することができる。
【0144】
【数8】

【0145】
この時,第4トランジスタM4を経由して流れる電流は,数式9のように表現することができる。
【0146】
【数9】

【0147】
数式9を参照すると,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200において,第4トランジスタM4に流れる電流は,電圧生成部240jから生成された階調電圧によって決まる。すなわち,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200では,第4トランジスタM4の閾値電圧,電子移動度等と無関係に階調電圧によって決まる電流が第4トランジスタM4に流れ,これによって均一な画像を表示することができる。
【0148】
一方,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200において,スイッチング部290jの構成は多様に設定することができる。例えば,スイッチング部290jは,図10のように第11トランジスタM11および第14トランジスタM14が,トランスミッションゲート(Transmission Gate)形態に接続することができる。PMOSタイプに形成された第14トランジスタM14は,第2制御信号CS2の供給を受け,NMOSタイプに形成された第11トランジスタM11は,第1制御信号CS1の供給を受ける。
【0149】
ここで,第1制御信号CS1および第2制御信号CS2は,互いに反対の極性をもつから,第11トランジスタM11および第14トランジスタM14は同じ時間にターンオンおよびターンオフされる。
【0150】
一方,第11トランジスタM11および第14トランジスタM14が,トランスミッションゲート形態に接続される場合,電圧−電流特性曲線が,おおよそ直線形態に設定されるので,スイッチングエラーを最小化することができる。
【0151】
図11は,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200における特定チャンネルに設置される電圧生成部240j,DAC250j,第1バッファ270j,第2バッファ260j,スイッチング部290j,電流シンク回路280jおよび画素回路142の連結関係を表す他の実施形態である。図11では,データ線Djに接続された画素回路142が図8と異なっており,それ以外の構造は図8と等しく設定される。したがって,画素回路142に供給される電圧のみについて簡単に説明する。
【0152】
図9および図11を参照すると,まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される場合,第1ノードN1および第2ノードN2には,数式1に記載した電圧が印加される。
そして,第n走査線Snに走査信号が供給されて,第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオンされる第1期間の間,第4トランジスタM4に流れる電流は,数式2のように表現され,第2ノードN2に印加される電圧は数式3のように表現される。
【0153】
そして,第2キャパシタC2のカップリングによって,第1ノードN1に印加される電圧は数式10のように表現することができる。ここで,Cは,キャパシタC1の容量を表し,また,Cは,キャパシタC2の容量を表す。
【0154】
【数10】

【0155】
そして,第1ノードN1に印加される電圧は,第3ノードN3および第4ノードN4に供給されるから,電圧生成部240jの電圧Vdiffは,数式11のように表現することができる。
【0156】
【数11】

【0157】
そして,DAC250jからf個の階調電圧の中でh番目階調電圧が選択された場合,第1バッファ270jに供給される電圧Vは,数式12のように表現することができる。
【0158】
【数12】

【0159】
第1バッファ270jに供給される電圧は,第1ノードN1に供給される。この時,第2ノードN2に印加される電圧は,数式8のように表現することができる。したがって,第4トランジスタM4を経由して流れる電流は,数式9のように表すことができる。
【0160】
すなわち,本発明に係るデータ駆動回路200の他の実施形態において,第4トランジスタM4を経由して発光素子OLEDに供給される電流は,第4トランジスタM4の閾値電圧,電子移動度等と無関係に階調電圧によって決まるので,均一な画像を表示することができる。
【0161】
一方,図5に示すような画素140は,第1ノードN1の電圧が大きく変わっても第2ノードN2の電圧は,緩やかに変化する(すなわち,(C+C)/C)特徴をもつ。したがって,図5に示す画素140が適用される場合,図3に示す画素140が適用される場合より電圧生成部240jの電圧範囲を広く設定することができる。このように,電圧生成部240jの電圧範囲が広く設定されれば,第11トランジスタM11および第1トランジスタM1等のスイッチングエラーによる影響を減らすことができるという長所がある。
【0162】
ここで,上述した図8および図11の説明は,データ線Djの負荷を考慮しない理想的な場合である。実際に,所定の電流PCがシンクされる時,第1ノードN1および第3ノードN3に印加される電圧値は,データ線Djの電圧降下によって相異なるように設定される。すなわち,所定の電流PCがシンクされる時,データ線Djの電圧降下によって第3ノードN3の電圧値は,第1ノードN1の電圧値より低く設定され,これによって所望する階調の映像を表示することができない恐れがある。このような問題点を解消するために,本発明に係る実施形態では,図12のようなデータ駆動回路を提案する。
【0163】
図12は,図2に示すデータ駆動回路の第3の実施形態を表すブロック図である。図12において,図6と同じ構成には同じ符号を割り当て,同じ構成に関する詳細な説明は省略する。
【0164】
図12を参照すると,本発明の第3の実施形態に係るデータ駆動回路200は,シフトレジスタ部210,サンプリングラッチ部220,データラッチ部230,DAC部250,第1バッファ部270,第2バッファ部260,電流シンク部280,選択部290,ガンマ電圧部400および昇圧ブロック410を備える。
【0165】
ガンマ電圧部400は,kビットのデータに対応して所定の階調電圧を生成するj個の電圧生成部4001〜400jを備える。それぞれの電圧生成部4001〜400jは,図14に示すように複数の分圧抵抗R1〜Rlで構成されて2k個の階調電圧を生成する。
【0166】
実際に,分圧抵抗R1〜Rlは,第2基準電源Vref2と第2バッファ部260から供給される補償電圧を分圧して階調電圧を生成し,生成された階調電圧をDAC2501〜250jに供給する。ここで,第2基準電源Vref2は,基準電源Vrefの電圧値から電流シンク部280に電流をシンクする時発生する電圧降下電圧ΔVを差し引いた値に設定される(すなわち,Vref2=Vref−ΔV)。
【0167】
昇圧ブロック410は,DAC部250と第1バッファ部270の間に設置されるj個の昇圧部4101〜410jを備える。昇圧部4101〜410jそれぞれは,DAC2501〜250jそれぞれから階調電圧の供給を受ける。階調電圧の供給を受けた昇圧部4101〜410jそれぞれは,基準電源Vrefと第2基準電源Vref2の差に対応する電圧ΔV分を昇圧する。
【0168】
すなわち,昇圧部4101〜410jそれぞれは,画素140で所望する画像が表示されるように,階調電圧の電圧をデータ線の電圧降下電圧ΔV分昇圧させる。なお,本発明に係る実施形態では,昇圧部にて昇圧することにより,均一な輝度の映像の表示を図るが,均一な輝度の映像を表示する方法は,昇圧に限られない。すなわち,本発明の実施形態に係る昇圧部を,昇圧部または減圧部としての変圧部とすることは,本発明の等価範囲に属するものと理解すべきである。
【0169】
一方,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200は,第4の実施形態として,図13のようにデータラッチ部230とDAC部250との間にレベルシフタ部300をさらに備えることができる。レベルシフタ部300はデータラッチ部230から供給されるデータの電圧レベルを上昇させてDAC部250に供給する。
【0170】
外部システムからデータ駆動回路200に高い電圧レベルをもつデータが供給される場合,電圧レベルに対応した高い耐圧をもつ回路部品を用いなければならないので,製造コストが増加する。したがって,データ駆動回路200の外部では低い電圧レベルをもつデータを供給し,この低い電圧レベルをもつデータをレベルシフタ部300で高い電圧レベルに昇圧させる。レベルシフタ部300でデータを昇圧することにより,高い電圧レベルに対応する回路部品を回路全体に用いなくてすむので,製造コストを抑えることができる。
【0171】
図14は,特定チャンネルに設置される電圧生成部400j,DAC250j,昇圧部410j,第1バッファ270j,第2バッファ260j,スイッチング部290j,電流シンク回路280jおよび画素回路142の連結関係を表す図である。図14では説明の便宜上,j番目チャンネルを示し,データ線Djが,図3に示す画素140に接続されると仮定する。ここで,データ線Djに図5に示す画素140が接続されても昇圧部410jおよび電圧生成部400jの動作過程は同じであるから図5の画素140が接続された時の動作過程は省略する。
【0172】
図14を参照すると,電圧生成部400jは,複数の分圧抵抗R1〜Rlを備える。分圧抵抗R1〜Rlは,第2基準電源Vref2と第2バッファ260jの間に位置して電圧を分圧する。
【0173】
実際に,分圧抵抗R1〜Rlは,第2基準電源Vref2と第2バッファ260jから供給される補償電圧の間の電圧を分圧して複数の階調電圧V〜V−1を生成し,生成された階調電圧V〜V−1をDAC250jに供給する。
【0174】
ここで,第2基準電源Vref2の電圧値は,現在接続された画素140の位置によって相異なるように設定される。これは,現在接続された画素140の位置によって,発生する電圧降下電圧ΔVが異なるからである。実際に,第1走査線S1に接続された画素140で発生する電圧降下電圧ΔVと,第n走査線Snに接続された画素140で発生する電圧降下電圧ΔVとは相異なる。第2基準電源Vref2の電圧値は,画素140ごとの電圧降下電圧ΔVを測定して,例えばメモリのような記憶媒体に保存し,記憶媒体に保存された電圧降下電圧ΔVを利用して生成することができる。また,第2基準電源Vref2の電圧値は,設計者により適宜設定されてもよい。
【0175】
DAC250jは,データのビット値に応答して階調電圧V〜V−1の中でいずれか一つの階調電圧を選択し,選択された階調電圧を第1バッファ270jに供給する。ここで,DAC250jで選択された階調電圧は,データ信号DSとして利用される。
【0176】
昇圧部410jは,基準電源Vrefの電圧から第2基準電源Vref2の電圧値を差し引いて電圧降下電圧ΔVを生成し,電圧降下電圧ΔV分データ信号DSの電圧を昇圧させる。すると,画素部140では所望する輝度の映像を表示することができる。
【0177】
図9および図14を参照して,電圧生成部400jおよび昇圧部410jの動作過程を詳しく説明し,残りの構成については簡単に説明する。まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される場合,第1ノードN1および第2ノードN2には,数式1,数式2のような電圧が印加される。以後,第n走査線Snに走査信号が供給される期間中,第1期間の間電流源Imaxによってシンクされる電流値に対応して第1ノードN1には,数式5のような電圧値が印加される。そして,データ線Djの負荷によって第3ノードN3には,数式13のような電圧が印加される。
【0178】
【数13】

【0179】
すなわち,第3ノードN3には,第1ノードN1に印加された電圧値からデータ線Djによる電圧降下電圧ΔVを差し引いた電圧値が印加される。そして,第3ノードN3の電圧値は,第2バッファ260jを経由して第4ノードN4に供給されるので,第3ノードN3の電圧と第4ノードN4の電圧は,等しく設定される。
【0180】
すると,電圧生成部400jは,第4ノードN4に印加される補償電圧と第2基準電源Vref2の電圧を分圧して多数の階調電圧V〜V−1を生成し,生成された階調電圧V〜V−1をDAC250jに供給する。DAC250jは,データのビット値に対応してf(fは自然数)個の階調電圧の中でh(hはf以下の自然数)番目階調電圧をデータ信号DSとして選択する。
【0181】
昇圧部410jは,DAC250jから供給されるデータ信号DSの電圧を電圧降下電圧ΔV分上昇させる。実際に,昇圧部410jは,基準電源Vrefから第2基準電源Vref2の電圧値を差し引いて電圧降下電圧ΔVを生成し,生成された電圧降下電圧ΔV分データ信号DSの電圧を昇圧する。すると,第1バッファ270jには,数式7のような電圧が供給される。
【0182】
一方,昇圧部410jは,図15のように外部から電圧降下電圧ΔVの供給を受けて,供給された電圧降下電圧ΔV分データ信号DSの電圧を昇圧することもできる。
【0183】
以後,第2期間の間,第11トランジスタM11がターンオンされて第1バッファ270jに供給された電圧が,第1ノードN1に供給される。すると,第1ノードN1には数式7のような電圧が供給され,第2ノードN2には,数式8のような電圧が印加される。この時,第4トランジスタM4には,数式9のような電流が流れる。
【0184】
すなわち,本発明の第3の実施形態に係るデータ駆動回路200では,電流がシンクされる時データ線Djによって発生される電圧降下電圧ΔVを補償する過程が,本発明の第1の実施形態に係るデータ駆動回路200に追加されるだけで,残りの動作過程は,本発明の第1の実施形態に係るデータ駆動回路200と同様である。
【0185】
図16は,図2に示すデータ駆動回路200の第5の実施形態を表すブロック図である。図16において,図6と同じ構成には同じ符号を割り当て,同じ構成に関する詳細な説明は省略する。
【0186】
図16を参照すると,本発明の第5の実施形態に係るデータ駆動回路200は,シフトレジスタ部210,サンプリングラッチ部220,データラッチ部230,ガンマ電圧部240,DAC部250,第1バッファ部270,第2バッファ部260,電流シンク部280,選択部290および昇圧ブロック420を備える。
【0187】
昇圧ブロック420は,電流シンク部280に接続される。このような昇圧ブロック420は,j個の昇圧部4201〜420jを備える。昇圧部4201〜420jそれぞれは,電流シンク部2801〜280jの中でいずれか一つに接続されて,電流シンク部2801〜280jから生成される補償電圧の電圧値を昇圧させる。
【0188】
実際に,昇圧部4201〜420jそれぞれは,基準電源Vrefと第2基準電源Vref2の供給を受け,基準電源Vrefと第2基準電源Vref2の差に対応する電圧ΔVを昇圧する。すなわち,昇圧部4201〜420jそれぞれは,データ線の負荷によって発生する電圧降下電圧ΔV分,補償電圧を昇圧させる。
【0189】
ガンマ電圧部240は,kビットのデータに対応して所定の階調電圧を生成するj個の電圧生成部2401〜240jを備える。それぞれの電圧生成部2401〜240jは,図17に示すように複数の分圧抵抗R1〜Rlで構成されて2k個の階調電圧を生成する。
【0190】
実際に,分圧抵抗R1〜Rlは,基準電源Vrefと第2バッファ部260から供給される補償電圧を分圧して階調電圧を生成し,生成された階調電圧をDAC2501〜250jに供給する。すなわち,ガンマ電圧部240は,昇圧ブロック420によって昇圧された補償電圧の供給を受けるから基準電源Vrefと補償電圧の間の電圧を分圧する。
【0191】
一方,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200は,データラッチ部230とDAC部250との間に図13のようなレベルシフタ部300をさらに備えることができる。
【0192】
図17は,本発明の実施形態に係るデータ駆動回路200における特定チャンネルに設置される電圧生成部240j,DAC250j,第1バッファ270j,第2バッファ260j,スイッチング部290j,電流シンク回路280j,昇圧部420jおよび画素回路142の連結関係を表す図である。図17では,説明の便宜上,j番目チャンネルを示し,データ線Djが,図3に示す画素140に接続されると仮定する。ここで,データ線Djに図5に示す画素140が接続されても昇圧部420jの動作過程は同じであるので,図5の画素140が接続された場合の動作過程は省略する。
【0193】
図17を参照すると,昇圧部420jは,第3キャパシタC3の一側端子に接続される。このような昇圧部420jは,ボルテージホロワとしての機能を有する第3バッファ421と,第15トランジスタM15および第16トランジスタM16を備える。
【0194】
第15トランジスタM15の第1電極は,第2基準電源Vref2に接続されて,第2電極は第3バッファ421に接続される。そして,第15トランジスタM15のゲート電極は第2制御信号CS2の供給を受ける。このような第15トランジスタM15は,第1期間の間ターンオンされて,第2期間の間ターンオフされる。
【0195】
第16トランジスタM16の第1電極は,基準電源Vrefに接続されて,第2電極は第3バッファ421に接続される。そして,第16トランジスタM16のゲート電極は第1制御信号CS1の供給を受ける。このような第16トランジスタM16は,第2期間の間ターンオンされて,第1期間の間ターンオフされる。
【0196】
第3バッファ421は,第15トランジスタM15または第16トランジスタM16から供給される第2基準電源Vref2または第1基準電源Vrefの電圧を第3キャパシタC3の一側端子に供給する。
【0197】
図9および図17を参照して,昇圧部420jの動作過程を詳しく説明する。まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される場合,第1ノードN1および第2ノードN2には,数式1のような電圧が印加される。
【0198】
以後,第n走査線Snに走査信号が供給される期間中,第1期間の間電流源Imaxによってシンクされる電流値に対応して,第1ノードN1に数式5のような電圧値が印加される。そして,データ線Djの負荷によって第3ノードN3には,数式13のような電圧が印加される。
【0199】
すなわち,第3ノードN3には,第1ノードN1に印加された電圧値からデータ線Djによる電圧降下電圧ΔVを差し引いた電圧値が印加される。一方,第1期間の間,第15トランジスタM15がターンオンされて第3キャパシタC3の一側端子に第2基準電源Vref2の電圧が印加される。
【0200】
第3ノードN3に数式13のような電圧が印加された後,第2期間の間第15トランジスタM15がターンオフされ,第16トランジスタM16がターンオンされる。第16トランジスタM16がターンオンされれば,第3キャパシタC3の一側端子に基準電源Vrefの電圧が印加される。
【0201】
ここで,基準電源Vrefの電圧から第2基準電源Vref2を差し引いた電圧値は,データ線Djの電圧降下電圧ΔVに設定されるので,第3ノードN3の電圧値は,電圧降下電圧ΔV分上昇される。すなわち,第16トランジスタM16がターンオンされれば第3ノードN3および第4ノードN4には数式5のような電圧が印加される。
【0202】
以後,電圧生成部240jは,第4ノードN4に印加される補償電圧と基準電源Vrefの電圧を分圧して多数の階調電圧V〜V−1を生成し,生成された階調電圧V〜V−1をDAC250jに供給する。DAC250jは,データのビット値に対応してf(fは自然数)個の階調電圧の中でh(hはf以下の自然数)番目階調電圧をデータ信号DSとして選択する。すると,第1バッファ270jには数式7のような電圧が供給される。
【0203】
一方,第2期間の間,第11トランジスタM11がターンオンされるため,第1バッファ270jに供給された電圧が第1ノードN1に供給される。すると,第1ノードN1には,数式7のような電圧が供給され,第2ノードN2には,数式8のような電圧が印加される。この時,第4トランジスタM4には,数式9のような電流が流れる。
【0204】
すなわち,本発明の第5の実施形態に係るデータ駆動回路200では,電流がシンクされる時データ線Djによって発生される電圧降下電圧ΔVを補償する過程が,本発明の第1の実施形態に係るデータ駆動回路200に追加されるだけで,残りの動作過程は本発明の第1の実施形態に係るデータ駆動回路200と同様である。
【0205】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0206】
例えば,本発明の実施形態に係る発光表示装置において,トランジスタにPMOSタイプだけではなく,NMOSタイプ等を用いること,または,図17に示す本発明の実施形態に係るデータ駆動回路において,スイッチング部290jをトランスミッションゲートとすること等は,当業者が容易に変更し得る程度のことであり,本発明の等価範囲に属するものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】従来の発光表示装置を表す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る発光表示装置を表す説明図である。
【図3】図2に示す画素の一実施形態を表す回路図である。
【図4】図3に示す画素の駆動方法を表す波形図である。
【図5】図2に示す画素の他の実施形態を表す回路図である。
【図6】図2に示すデータ駆動回路の第1の実施形態を表すブロック図である。
【図7】図2に示すデータ駆動回路の第2の実施形態を表すブロック図である。
【図8】図6に示すデータ駆動回路の第1の実施形態に係る各構成要素における連結関係の一実施形態を表す説明図である。
【図9】図8に示す画素回路,スイッチング部および電流シンク回路の駆動方法を表す波形図である。
【図10】図8に示すスイッチング部の他の実施形態を表す説明図である。
【図11】図6に示すデータ駆動回路の第1の実施形態に係る各構成要素における連結関係の他の実施形態を表す説明図である。
【図12】図2に示すデータ駆動回路の第3の実施形態を表すブロック図である。
【図13】図2に示すデータ駆動回路の第4の実施形態を表すブロック図である。
【図14】図12に示すデータ駆動回路の第3の実施形態に係る各構成要素における連結関係の一実施形態を表す説明図である。
【図15】図12に示すデータ駆動回路の第3の実施形態に係る各構成要素における連結関係の他の実施形態を表す説明図である。
【図16】図2に示すデータ駆動回路の第5の実施形態を表すブロック図である。
【図17】図16に示すデータ駆動回路の第5の実施形態に係る各構成要素における連結関係の一実施形態を表す説明図である。
【符号の説明】
【0208】
10,110 走査駆動部
30,130 画素部
40,140 画素
200 データ駆動回路
2101〜210j シフトレジスタ
2201〜220j,2301〜230j ラッチ
2401〜240j,4001〜400j 電圧生成部
2501〜250j デジタル−アナログ変換器
2601〜260j 第2バッファ
2701〜270j 第1バッファ
2801〜280j 電流シンク回路
2901〜290j スイッチング部
3001〜300j レベルシフタ
4101〜410j,4201〜420j 昇圧部
421 第3バッファ
C3 キャパシタ
C1 第1キャパシタ
C2 第2キャパシタ
Dm データ線
Imax 電流源
M11,M14 トランジスタ
M12 第1トランジスタ
M13 第2トランジスタ
M15 第3トランジスタ
M16 第4トランジスタ
M1 第5トランジスタ
M2 第6トランジスタ
M3 第7トランジスタ
M4 第8トランジスタ
M5 第9トランジスタ
M6 第10トランジスタ
OLED 発光素子
R1〜Rl 分圧抵抗
Vref 基準電源
Vref2 第2基準電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ線に所定の電流が流れるように制御する少なくとも一つ以上の電流シンク回路と;
前記所定の電流が流れる時生成される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する,少なくとも一つ以上の電圧生成部と;
外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,前記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する,少なくとも一つ以上のデジタル−アナログ変換器と;
前記データ信号の電圧値を昇圧する,少なくとも一つ以上の昇圧部と;
前記昇圧されたデータ信号を前記データ線に供給する,少なくとも一つ以上のスイッチング部と;
を備えることを特徴とする,データ駆動回路。
【請求項2】
前記昇圧部は,前記データ線に負荷がかかることにより発生する前記補償電圧の電圧降下電圧に対応して,前記データ信号の電圧値を昇圧することを特徴とする,請求項1に記載のデータ駆動回路。
【請求項3】
前記データ線は,画素に接続され,前記画素は,基準電源と前記昇圧されたデータ信号の電圧差を利用して電圧を充電し,充電された電圧に基づいて第1電源から発光素子に流れる電流を制御することを特徴とする,請求項2に記載のデータ駆動回路。
【請求項4】
前記昇圧部は,前記基準電源と前記基準電源から前記電圧降下電圧を差し引いた第2基準電源との入力を受け,前記基準電源と前記第2基準電源の差電圧分,前記データ信号の電圧を昇圧することを特徴とする,請求項3に記載のデータ駆動回路。
【請求項5】
前記電圧生成部は,前記第2基準電源の供給を受ける第1側端子と前記補償電圧の供給を受ける第2側端子の間に設置され,前記階調電圧を生成する複数の分圧抵抗を備えることを特徴とする,請求項4に記載のデータ駆動回路。
【請求項6】
前記電流シンク回路は,1水平期間内の一部の期間である第1期間の間,前記所定の電流を供給することを特徴とする,請求項1に記載のデータ駆動回路。
【請求項7】
前記所定の電流の電流値は,前記画素が,最大輝度に発光する時流れる電流と等しく設定されることを特徴とする,請求項6に記載のデータ駆動回路。
【請求項8】
前記電流シンク回路は,
前記所定の電流を供給する電流源と;
前記データ線と前記電圧生成部との間に設置されて,前記第1期間の間ターンオンされる第1トランジスタと;
前記データ線と前記電流源との間に設置されて,記第1期間の間ターンオンされる第2トランジスタと;
前記補償電圧を充電するキャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項7に記載のデータ駆動回路。
【請求項9】
前記スイッチング部は,前記1水平期間の前記第1期間を除いた第2期間の間,前記データ線と前記昇圧部を接続する少なくとも一つ以上のトランジスタを備えることを特徴とする,請求項6に記載のデータ駆動回路。
【請求項10】
前記スイッチング部は,2個のトランジスタを具備し,前記2個のトランジスタは,トランスミッションゲート形態に接続されることを特徴とする,請求項9に記載のデータ駆動回路。
【請求項11】
前記昇圧部と前記スイッチング部との間に設置される第1バッファと;
前記電流シンク部と前記電圧生成部との間に設置される第2バッファと;
を備えることを特徴とする,請求項1に記載のデータ駆動回路。
【請求項12】
前記電流シンク部,前記電圧生成部,前記デジタル−アナログ変換器,前記昇圧部および前記スイッチング部は,前記データ駆動回路のチャンネルごとに設置されることを特徴とする,請求項1に記載のデータ駆動回路。
【請求項13】
順次サンプリングパルスを生成するシフトレジスタを含むシフトレジスタ部と;
前記サンプリングパルスに応答して,前記デジタルデータの供給を受け,前記供給されたデジタルデータを保持するラッチを含むサンプリングラッチ部と;
前記サンプリングラッチ部のラッチに格納されたデジタルデータの供給を受け,前記供給されたデジタルデータを保持し,前記保持されたデジタルデータを前記デジタル−アナログ変換器に供給するラッチを含むデータラッチ部と;
を備えることを特徴とする,請求項1に記載のデータ駆動回路。
【請求項14】
前記データラッチ部のラッチに保持された前記デジタルデータの電圧レベルを上昇させて,前記デジタル−アナログ変換器に供給するレベルシフタを含むレベルシフタ部をさらに備えることを特徴とする,請求項13に記載のデータ駆動回路。
【請求項15】
データ線に接続された画素から所定の電流の供給を受けて,供給を受けた電流に対応する補償電圧を生成する少なくとも一つ以上の電流シンク回路と;
前記補償電圧の電圧値を昇圧する少なくとも一つ以上の昇圧部と;
前記昇圧された補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する少なくとも一つ以上の電圧生成部と;
外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,前記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する,少なくとも一つ以上のデジタル−アナログ変換器と;
前記データ信号を前記データ線に供給する,少なくとも一つ以上のスイッチング部と;
を備えることを特徴とする,データ駆動回路。
【請求項16】
前記昇圧部は,前記データ線に負荷がかかることにより発生する前記補償電圧の電圧降下電圧分,前記補償電圧の電圧値を昇圧することを特徴とする,請求項15に記載のデータ駆動回路。
【請求項17】
前記画素は,基準電源と前記データ信号の電圧差を利用して電圧を充電し,充電された電圧に基づいて第1電源から発光素子に流れる電流を制御することを特徴とする,請求項16に記載のデータ駆動回路。
【請求項18】
前記昇圧部は,前記基準電源と前記基準電源から前記電圧降下電圧を差し引いた第2基準電源との入力を受け,前記基準電源と前記第2基準電源との差分,前記補償電圧の電圧値を昇圧することを特徴とする,請求項17に記載のデータ駆動回路。
【請求項19】
前記電流シンク回路は,1水平期間内の一部の期間である第1期間の間,前記所定の電流を供給することを特徴とする,請求項18に記載のデータ駆動回路。
【請求項20】
前記スイッチング部は,前記1水平期間において,前記第1期間を除いた第2期間の間,前記データ線と前記デジタル−アナログ変換器とを接続させることを特徴とする,請求項19に記載のデータ駆動回路。
【請求項21】
前記電流シンク回路は,
前記所定の電流を供給する電流源と;
前記データ線と前記電圧生成部との間に設置されて,前記第1期間の間ターンオンされる第1トランジスタと;
前記データ線と前記電流源との間に設置されて,前記第1期間の間ターンオンされる第2トランジスタと;
一側端子が前記第1トランジスタに接続されて前記補償電圧を充電するキャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項20に記載のデータ駆動回路。
【請求項22】
前記昇圧部は,
前記キャパシタの他側端子に接続される第3バッファと;
前記第1期間の間ターンオンされて前記第2基準電源の電圧を前記第3バッファに供給する第3トランジスタと;
前記第2期間の間ターンオンされて前記基準電源の電圧を前記第3バッファに供給する第4トランジスタと;
を備えることを特徴とする,請求項21に記載のデータ駆動回路。
【請求項23】
前記所定の電流の電流値は,前記画素が,最大輝度に発光する時流れる電流と等しく設定されることを特徴とする,請求項15に記載のデータ駆動回路。
【請求項24】
前記電圧生成部は,前記基準電源の供給を受ける第1側端子と前記昇圧された補償電圧の供給を受ける第2側端子との間に設置され,前記階調電圧を生成する複数の分圧抵抗を備えることを特徴とする,請求項17に記載のデータ駆動回路。
【請求項25】
前記デジタル−アナログ変換器と前記スイッチング部との間に設置される第1バッファと;
前記電流シンク部と前記電圧生成部との間に設置される第2バッファと;
を備えることを特徴とする,請求項15に記載のデータ駆動回路。
【請求項26】
前記電流シンク部,前記昇圧部,前記電圧生成部,前記デジタル−アナログ変換器および前記スイッチング部は,前記データ駆動回路のチャンネルごとに設置されることを特徴とする,請求項15に記載のデータ駆動回路。
【請求項27】
順次サンプリングパルスを生成するシフトレジスタを含むシフトレジスタ部と;
前記サンプリングパルスに応答して,前記デジタルデータの供給を受け,前記供給されたデジタルデータを保持するラッチを含むサンプリングラッチ部と;
前記サンプリングラッチ部のラッチに格納されたデジタルデータの供給を受け,前記供給されたデジタルデータを保持し,前記保持されたデジタルデータを前記デジタル−アナログ変換器に供給するラッチを含むデータラッチ部と;
を備えることを特徴とする,請求項15に記載のデータ駆動回路。
【請求項28】
前記データラッチ部のラッチに保持された前記デジタルデータの電圧レベルを上昇させて,前記デジタル−アナログ変換器に供給するレベルシフタを含むレベルシフタ部をさらに備えることを特徴とする,請求項27に記載のデータ駆動回路。
【請求項29】
走査線,データ線および発光制御線と接続されるように位置する複数の画素を含む画素部と;
前記走査線に走査信号を順次供給し,前記発光制御線に発光制御信号を順次供給する走査駆動部と;
前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動回路と;
が含まれ,前記データ駆動回路は,
前記データ線に所定の電流が流れるように制御する少なくとも一つ以上の電流シンク回路と;
前記所定の電流が流れる時生成される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を設定する少なくとも一つ以上の電圧生成部と;
外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,前記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する少なくとも一つ以上のデジタル−アナログ変換器と;
前記データ信号の電圧値を昇圧する少なくとも一つ以上の昇圧部と;
前記昇圧されたデータ信号を前記データ線に供給する少なくとも一つ以上のスイッチング部と;
を備えることを特徴とする,発光表示装置。
【請求項30】
前記画素それぞれは,
第1電源と;
前記第1電源から電流の供給を受ける発光素子と;
前記データ線に接続されて,現在走査線に走査信号が供給される時ターンオンされる第5トランジスタおよび第6トランジスタと;
前記第5トランジスタの第2電極と基準電源の間に接続されて,以前走査線に走査信号が供給される時ターンオンされる第7トランジスタと;
前記発光素子に供給される電流量を制御する第8トランジスタと;
前記第8トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続されて,前記以前走査線に走査信号が供給される時ターンオンされ,第8トランジスタを,電流が一方方向に流れるダイオード形態で接続させる第9トランジスタと;
を備えることを特徴とする,請求項29に記載の発光表示装置。
【請求項31】
前記画素それぞれは,
前記第5トランジスタの第2電極と前記第1電源との間に接続される第1キャパシタと;
前記第5トランジスタの第2電極と前記第8トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項30に記載の発光表示装置。
【請求項32】
前記画素それぞれは,
前記第8トランジスタのゲート電極と前記第1電源との間に接続される第1キャパシタと;
前記第5トランジスタの第2電極と前記第8トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項30に記載の発光表示装置。
【請求項33】
前記第8トランジスタの第2電極と前記発光素子との間に接続され,前記発光制御信号が供給される時ターンオフされ,それ以外の期間の間ターンオンされる第10トランジスタをさらに備えることを特徴とする,請求項30に記載の発光表示装置。
【請求項34】
画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階と;
前記所定の電流に対応する補償電圧を生成する段階と;
前記補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を制御する段階と;
外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,前記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する段階と;
前記データ信号の電圧値を昇圧して前記データ線に供給する段階と;
を含むことを特徴とする,発光表示装置の駆動方法。
【請求項35】
前記所定の電流は,前記画素が最大輝度で発光する時流れる電流と同じであることを特徴とする,請求項34に記載の発光表示装置の駆動方法。
【請求項36】
前記画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階では,前記画素から前記データ線を経由してデータ駆動回路に前記所定の電流が供給されることを特徴とする,請求項34に記載の発光表示装置の駆動方法。
【請求項37】
前記データ信号の電圧値を昇圧して前記データ線に供給する段階では,前記データ線に負荷がかかることよって発生する前記補償電圧の電圧降下電圧分,前記データ信号の電圧を昇圧することを特徴とする,請求項34に記載の発光表示装置の駆動方法。
【請求項38】
画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階と;
前記所定の電流に対応して生成される補償電圧を昇圧する段階と;
前記昇圧された補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を制御する段階と;
外部から供給されるデジタルデータのビット値に対応して,前記階調電圧の中でいずれか一つの階調電圧をデータ信号として選択する段階と;
前記データ信号を前記データ線を経由して前記画素に供給する段階と;
を含むことを特徴とする発光表示装置の駆動方法。
【請求項39】
前記所定の電流は,前記画素が最大輝度で発光する時流れる電流と同じであることを特徴とする,請求項38に記載の発光表示装置の駆動方法。
【請求項40】
前記画素に接続されたデータ線に所定の電流が流れるように制御する段階では,前記画素から前記データ線を経由してデータ駆動回路に前記所定の電流が供給されることを特徴とする,請求項38に記載の発光表示装置の駆動方法。
【請求項41】
前記所定の電流に対応して生成される補償電圧を昇圧する段階では,前記データ線に負荷がかかることによって発生する電圧降下電圧分,前記補償電圧の電圧を昇圧することを特徴とする,請求項38に記載の発光表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−41515(P2007−41515A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80626(P2006−80626)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(506051876)
【氏名又は名称原語表記】IUCF−HYU
【Fターム(参考)】